(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る製品画像検査装置およびその製品画像検査装置が適用される製品検査ラインの構成の例を模式的に示した図である。なお、
図1に示す製品検査ライン100において検査対象となる製品は、例えば、薬液などがアンプル、バイアルなどの容器に入れられた薬液製品であるとする。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る製品検査ライン100は、検査ロータ3と呼ばれる円環状の搬送ラインと、検査ロータ3に被検査製品1を搬入する搬入コンベア2と、検査ロータ3から搬出される被検査製品1を良品と不良品に振り分ける選別部4と、良品に振り分けられた被検査製品1を搬出する良品コンベア5と、不良品に振り分けられた被検査製品1を搬出する不良品コンベア6と、検査ロータ3の近傍に設けられ、検査ロータ3で搬送中の被検査製品1を撮影する撮像部10と、撮像部10で撮影された撮像画像に基づいて、被検査製品1における不良の有無を検査する製品画像検査装置200と、を含んで構成される。
【0020】
検査ロータ3は、円板または円筒状の回転体の周縁部に被検査製品1を保持する複数の保持部が等間隔に設けられて構成され、一定の速度で回転しながら被検査製品1を保持部に保持した状態で搬送する。なお、
図1の例では、検査ロータ3は、図示した矢印の方向(右回り)に回転するとしている。
【0021】
検査ロータ3により構成される搬送ラインの途中には、通常、1つ以上の撮像部10が設けられている。撮像部10は、カメラ11、照明12などにより構成され、カメラ11は、検査ロータ3によって搬送中の被検査製品1を撮影する。例えば、
図1の例の場合、照明12は、被検査製品1を中間にしてカメラ11と反対側に設けられているので、カメラ11は、容器入り薬液製品などである被検査製品1の容器および薬液の透過像を撮影することができる。
【0022】
次に、製品画像検査装置200の詳細な構成を説明する前に、製品検査ライン100において行われる製品画像検査の例について説明する。なお、製品画像検査とは、製品の撮像画像に基づいて、その製品の不良を検出する検査をいう。例えば、容器入り薬液製品の場合、製品画像検査により、薬液中の異物、容器のキズや汚れ、液量不足などを検出することができる。
【0023】
図2は、製品検査ライン100における製品画像検査手順の例を示した図である。この製品画像検査手順の例は、容器入り薬液製品の薬液中の異物を検出する例であり、以下、その手順について、
図2を参照しながら説明する(適宜、
図1も参照)。なお、この製品画像検査を実現するために、検査ロータ3の所定の位置(例えば、撮像部10に隣接する位置で、被検査製品1が通過する手前の位置など)に、図示しないスピン装置が設けられているものとする。
【0024】
そこで、検査ロータ3により搬送される被検査製品1が、図示しないスピン装置の設置位置に差し掛かると、スピン装置は、被検査製品1をスピン(自転)させ、停止させる(ステップS1)。このとき、被検査製品1の容器内の薬液は、スピン停止後もしばらくの間、慣性で回転し続ける。
【0025】
次に、そのスピン装置に隣接する位置に設けられたカメラ11は、容器内の薬液が回転している状態の被検査製品1を短い時間間隔で連写し、複数の撮像画像を取得する(ステップS2)。従って、連写して得られた複数の撮像画像において、容器のキズや汚れは、ほぼ同じ位置に現れ、液中の異物は、異なる位置に現れる。
【0026】
次に、製品画像検査装置200は、カメラ11によって連写された複数の撮像画像に対し、所定の画像検査処理を施す(ステップS3)。ここで、画像検査処理とは、検査項目ごとに予め定められた撮像画像に施す画像処理をいう。例えば、異物検査の場合、画像検査処理は、連写された複数の撮像画像同士の差分画像を取得する処理である。
図2の例の場合、複数の撮像画像が連写して取得されたとき、薬液が回転し、異物がその薬液中を移動している状態にあるので、その複数の撮像画像同士の差分画像の中では、異物は、不一致部分として検出される。
【0027】
次に、製品画像検査装置200は、当該検査項目に対する撮像画像の特徴データを取得する(ステップS4)。特徴データとは、画像検査処理の結果得られる1つ以上の数値をいう。例えば、異物検査の場合、複数の撮像画像同士の差分画像の中で得られた不一致部分の大きさの最大値、つまり、異物の大きさの最大値を特徴データとする。あるいは、特定の大きさ以上の異物の数を、特徴データとしてもよく、異物の大きさの最大値および異物の数の両方を特徴データとしてもよい。
【0028】
図3は、製品画像検査装置200の製品画像検査により取得される検査結果の例を示した図である。この例では、被検査製品1の数を120個とし、製品画像検査の検査項目は、異物検査、液量検査および外観検査の3つであるとしている。また、総合とは、異物検査、液量検査および外観検査の結果を1つにまとめたものである。また、それぞれの検査項目では、被検査製品1は、良品/不良品に分類されるだけではなく、良品、軽不良、中不良、重不良のいずれかに分類されるものとしている。なお、不良品を軽不良、中不良、重不良などに細かく分類したものを、以下、不良レベルと呼ぶ。
【0029】
ちなみに、
図3の例では、被検査製品IDが「A1」、「A2」である被検査製品1は、異物検査、液量検査、外観検査のいずれの検査でも「良品」と判定されている。また、被検査製品IDが「A3」の被検査製品1は、液量検査で「良品」とはっていされているが、異物検査で「軽不良」と判定され、外観検査で「重不良」と判定されている。
【0030】
また、検査項目が総合の欄は、検査項目ごとの良/不良および不良レベルを1つにまとめたものである。例えば、
図3の例の場合、総合の欄の良/不良の情報は、異物検査、液量検査、外観検査のすべての検査項目の欄が良品(=0)である場合、良品(=0)となり、そうでない場合、不良品(≠0)となる。また、その不良レベルとしては、異物検査、液量検査、外観検査のそれぞれの検査項目で判定された不良レベルのうち最も値が大きいものが採用される。
【0031】
以上のような被検査製品1についての良品/不良品の判定や不良レベルの判定は、前記した特徴データを用いて行われる。例えば、異物不良の場合、異物検査の画像検査処理で得られた最大の異物の大きさや異物の数を特徴データとし、その特徴データを、ある基準値と比較すれば、良品/不良品の判定や不良レベルの判定を行うことができる。すなわち、最大の異物の大きさが、ある閾値より大きい場合には、「異物不良あり」と判定され、その閾値以下の場合、または、異物が検出されなかった場合には、「異物不良なし」と判定される。
【0032】
本実施形態では、画像検査処理で良品/不良品の判定や不良レベルの判定の基準として用いられるパラメータを検査基準パラメータと呼ぶ。さらに、検査基準パラメータに画像処理パラメータおよび検査条件データを連結したデータを検査パラメータと呼ぶ。なお、検査パラメータは、検査項目ごとに定められる。
【0033】
なお、画像処理パラメータとは、検査項目ごとの画像検査処理の画像処理で用いられるパラメータをいう。例えば、異物検査で差分画像を取得する処理では、差分画像を2値化する処理で用いられる2値化の閾値などが、その画像処理パラメータに該当する。ちなみに、この2値化の閾値が高い場合には、異物の大きさは小さめに検出され、異物の数も少なくなる。一方、この2値化の閾値が低い場合には、異物の大きさは大きめに検出され、異物の数も多くなる。
【0034】
また、検査条件データとは、画像検査処理の条件を指定するデータをいう。例えば、当該画像検査処理の対象領域を指定するデータや、当該画像検査処理に使用する画像データの枚数などが、それに該当する。ただし、検査項目によっては、検査パラメータは、検査条件データを含まなくてもよい。
【0035】
以上のような検査パラメータは、検査項目ごとに設定される。また、検査パラメータは、通常、複数個の数値によって構成される。さらに、その個々の数値は、画像検査処理の結果に大きな影響を及ぼす。従って、「発明が解決しようとする課題」の項でも説明したように、検査パラメータとして適切な値を選定する作業(チューニング作業)は極めて重要な作業である一方で、作業者にとっては、多大な労力を要する作業となっている。
【0036】
そこで、本実施形態に係る製品画像検査装置200は、以上のような検査パラメータのチューニング作業を支援するための機能を備えるように構成されている。
【0037】
図1へ戻り、製品画像検査装置200の詳細な構成および機能について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る製品画像検査装置200は、その大きな機能ブロックとしては、通常の製品画像検査を制御するための検査制御部20と、検査パラメータのチューニング作業を支援するためのチューニング制御部30と、を含んで構成される。
【0038】
ここで、検査制御部20は、画像取得部21、画像読出部22、画像検査処理部23、不良判定部24、検査結果総合判定部25、検査結果出力部26などにより構成される。また、チューニング制御部30は、チューニング検査処理部31、検査パラメータ設定・変更部32、期待判定データ設定部33、統計処理部34、ユーザインタフェース部35などにより構成される。
【0039】
また、製品画像検査装置200は、記憶機能を有する機能ブロックとして、画像記憶部41、検査パラメータ記憶部42、特徴データ記憶部43、検査判定データ記憶部44、総合判定データ記憶部45、期待判定データ記憶部46などを備え、さらに、ユーザインタフェース部35に接続される入力装置51(キーボードやマウスなど)および表示装置52(液晶表示装置など)を備える。
【0040】
このような製品画像検査装置200は、ハードウエア的には、図示しない演算処理装置と記憶装置(半導体メモリ、ハードディスク装置など)とを備えたコンピュータによって実現される。そして、検査制御部20を構成する各機能ブロック(画像取得部21など)の機能、および、チューニング制御部30を構成する各機能ブロック(チューニング検査処理部31など)の機能は、そのコンピュータの演算処理装置が、記憶装置に予め格納されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。また、記憶機能を有する各機能ブロック(画像記憶部41など)は、前記記憶装置の中に構成される。
【0041】
なお、製品画像検査装置200は、必ずしも1台のコンピュータで構成される必要はなく、互いに通信線、入出力線、ネットワークなどで接続された複数のコンピュータで構成されてもよい。また、製品画像検査装置200の一部、例えば、画像検査処理部23などが画像処理専用のプロセッサや専用の画像処理回路などで構成されていてもよい。
【0042】
以下、
図1および
図4〜
図9を参照しつつ、製品画像検査装置200を構成する各機能ブロックの機能について説明する。
図4は、製品画像検査装置200の各記憶部に記憶されるデータの構成の例を示した図である。
【0043】
図4(a)に示すように、画像記憶部41に記憶される被検査製品1の製品撮像画像データは、カメラ11によって撮像された被検査製品1の撮像画像の画像データに、その画像データを識別する画像ID、その画像データが取得された取得日時(撮像日時)、撮像された被検査製品1を識別する被検査製品ID、その画像データが使用される検査項目を識別する検査項目ID、その画像データを撮像したカメラ11を識別するカメラIDなどが対応付けられて構成される。
【0044】
また、
図4(b)に示すように、検査パラメータ記憶部42に記憶される検査パラメータデータは、検査パラメータに、検査項目IDおよびパラメータIDが対応づけられて構成される。ここで、検査パラメータは、前記したような検査条件データ、画像処理パラメータおよび検査基準パラメータによって構成される。また、検査項目IDは、当該検査パラメータが用いられる検査項目を識別する情報、パラメータIDは、当該検査パラメータを識別する情報である。
【0045】
また、
図4(c)に示すように、特徴データ記憶部43に記憶される検査特徴データは、画像検査処理部23で取得される特徴データに、被検査製品ID、検査項目ID、画像IDおよびパラメータIDが対応付けられて構成される。ここで、被検査製品IDは、当該特徴データが取得された被検査製品1を識別する情報、検査項目IDは、当該特徴データを取得する画像検査処理に対応付けられた検査項目を識別する情報、パラメータIDは、当該特徴データを取得する画像検査処理で用いられた検査パラメータを識別する情報である。なお、画像IDは、複数あってもよい。その場合、当該特徴データを取得する画像検査処理では、その複数の画像IDで指定される複数の撮像画像が用いられる。
【0046】
また、
図4(d)に示すように、検査判定データ記憶部44に記憶される検査判定データは、被検査製品ID、検査項目ID、画像IDおよびパラメータIDに対し、良/不良および不良レベルの情報が対応付けられて構成される。なお、不良レベルの情報はなくてもよい。
【0047】
検査判定データは、その構成を比較すると分かるように、検査特徴データ(
図4(c)参照)において、その特徴データを、良/不良および不良レベルの情報で置き換えたものとなっている。すなわち、検査判定データでいう良/不良および不良レベルは、検査特徴データ(
図4(c)参照)に含まれる特徴データを、検査パラメータデータ(
図4(b)参照)に含まれる検査基準パラメータと比較することによって得られる判定結果である。なお、良/不良および不良レベルの判定は、被検査製品ごと、検査項目ごと、さらには、パラメータIDごとに行われる。
【0048】
また、
図4(e)に示すように、総合判定データ記憶部45に記憶される総合判定データは、被検査製品IDおよびパラメータIDに、良/不良、不良レベルおよび不良詳細データが対応付けられて構成される。
【0049】
通常、1つの被検査製品1に対しては、複数の検査項目の画像検査処理が実施される。その結果、複数の検査項目それぞれに対して、良/不良および不良レベルが得られ、検査判定データ(
図4(d)参照)として検査判定データ記憶部44に記憶される。総合判定データは、検査判定データの検査項目ごとの良/不良および不良レベルを1つにまとめたものである。
【0050】
また、不良詳細データは、不良の要因や場所などを示す詳細なデータであり、例えば、異物不良、液量不足、外観不良など検査項目を示す情報、関連する画像データの画像IDなどを含む。
【0051】
また、
図4(f)に示すように、期待判定データ記憶部46に記憶される期待判定データは、被検査製品1および検査項目IDに、良/不良および不良レベルの期待値が対応付けられて構成される。ここで、良/不良および不良レベルの期待値とは、検査の熟練技術者が判定した良/不良および不良レベルをいう。詳細は後記するが、検査パラメータのチューニングでは、この期待判定データが、検査パラメータの適切さ(適正度)を評価するための基準データとなる。
【0052】
図5は、検査制御部20により実行される通常の製品画像検査処理の処理フローの例を示した図である。以下、
図1も参照しつつ、その処理フローについて説明する。
【0053】
まず、検査制御部20は、チューニング制御部30の検査パラメータ設定・変更部32を介して、被検査製品1に応じて1つ以上の検査項目を設定し、それぞれの検査項目に応じた検査パラメータを設定する(ステップS11)。そして、その設定された検査パラメータは、検査パラメータ記憶部42に記憶される。なお、このステップS11の処理は、製品画像検査処理の前準備処理であり、このとき、ユーザは、例えば、入力装置51を介して所定の検査パラメータを入力する。
【0054】
続いて、検査ロータ3における被検査製品1の搬送が開始されるので、撮像部10のカメラ11は、前を通り掛った被検査製品1の撮像画像を撮影する。その場合、検査項目に応じて、被検査製品1をスピンさせるスピン装置などの付属装置がカメラ11に隣接する位置などに設けられているものとする。また、照明12の位置や明るさ色(波長)などは検査項目に応じて予め定められているものとする。
【0055】
そこで、検査制御部20の画像取得部21は、カメラ11から、それぞれの検査項目に応じた被検査製品1の撮像画像を取得する(ステップS12)。なお、このとき取得された撮像画像は、通常は、画像記憶部41に蓄積されず、直接、画像検査処理部23へ送られるが、適宜、撮像画像を画像記憶部41に蓄積するようにしてもよい。
【0056】
次に、検査制御部20の画像検査処理部23は、画像取得部21を介して取得した撮像画像に対し、それぞれの検査項目に応じた画像検査処理を施し、それぞれの特徴データを取得する(ステップS13)。そして、取得された特徴データは、特徴データ記憶部43に記憶される。
【0057】
次に、検査制御部20の不良判定部24は、検査項目に応じて特徴データを検査パラメータ(検査基準パラメータ)と比較して不良の有無を判定し(ステップS14)、その判定結果を検査判定データ記憶部44に蓄積する。
【0058】
次に、検査制御部20の検査結果総合判定部25は、検査判定データ記憶部44を参照して、このとき検査対象となっている被検査製品1について、すべての検査項目で不良がなかったか否かを判定する(ステップS15)。その判定の結果、すべての検査項目で不良がなかったと判定された場合には(ステップS15でYes)、検査結果出力部26は、製品検査ライン100の選別部4に対し、当該被検査製品1が選別部4を通過するときに同期して、良品コンベア5側のゲートを開け、不良品コンベア6側のゲートを閉じることを指示する信号を出力する(ステップS16)。
【0059】
一方、ステップS15の判定で、すべての検査項目のいずれかで不良があったと判定された場合には(ステップS15でNo)、検査結果出力部26は、製品検査ライン100の選別部4に対し、当該被検査製品1が選別部4を通過するときに同期して、良品コンベア5側のゲートを閉じ、不良品コンベア6側のゲートを開けることを指示する信号を出力する(ステップS17)。
【0060】
次に、検査制御部20は、検査ロータ3で搬送されているすべての被検査製品1の検査が終了したか否かを判定し(ステップS18)、終了していない判定された場合には(ステップS18でNo)、ステップS12に戻り、ステップS12以下の処理を繰り返して実行する。また、すべての被検査製品1の検査が終了していると判定された場合には(ステップS18でYes)、
図5に示した通常の製品画像検査処理を終了する。
【0061】
なお、以上の処理フローでは、被検査製品1を良品と不良品に選別する処理しか示されていないが、不良判定部24で不良レベルまで判定するようにし、選別部4では、不良品と判定された被検査製品1を、さらに軽不良、中不良、重不良などに細かく選別するようにしてもよい。
【0062】
次に、
図6〜
図8を参照して、チューニング制御部30によって実行される処理について説明する。チューニング制御部30の処理は、(1)被検査製品1の検査項目に応じた撮像画像を取得して、画像記憶部41に蓄積する画像取得処理と、(2)画像記憶部41に蓄積された被検査製品1の撮像画像を読み出して、検査項目および検査パラメータに応じた画像検査処理を実行するチューニング検査処理と、(3)チューニング検査処理の結果を用いて、その検査結果の統計処理を行う検査結果統計処理と、を含んで構成される。
【0063】
図6は、チューニング制御部30により実行される画像取得処理の処理フローの例を示した図である。なお、この処理を実行するときには、被検査製品1は、搬入コンベア2から検査ロータ3へ次々に搬入され、検査項目に応じた状態で、撮像部10のカメラ11により撮像される。また、検査項目の数や検査の目的に応じて、同じ被検査製品1を載せたまま検査ロータ3が周回動作してもよい。
【0064】
まず、チューニング制御部30のチューニング検査処理部31は、検査パラメータ設定・変更部32を介して、被検査製品1に応じて1つ以上の検査項目を設定し、それぞれの検査項目に応じた検査パラメータを設定する(ステップS21)。ただし、検査パラメータのうち、画像処理パラメータおよび検査基準パラメータについては、必ずしも設定する必要はない。
【0065】
次に、チューニング制御部30のチューニング検査処理部31は、検査制御部20の画像取得部21を介して、検査項目に応じた被検査製品1の撮像画像を、カメラから取得する(ステップS22)。次に、チューニング検査処理部31は、画像取得部21を介してその取得した撮像画像を検査項目IDおよび被検査製品IDに対応付けて画像記憶部41(
図4(a)参照)に蓄積する(ステップS23)。
【0066】
次に、チューニング検査処理部31は、検査パラメータのチューニング用のすべての被検査製品1の撮像画像の取得が終了したか否かを判定し(ステップS24)、すべての被検査製品1の撮像画像の取得が終了していないと判定された場合には(ステップS24でNo)、ステップS22へ戻って、ステップS22以下の処理を再度実行する。
【0067】
一方、ステップS24の判定で、すべての被検査製品1の撮像画像の取得が終了していると判定された場合には(ステップS24でYes)、チューニング検査処理部31は、期待判定データ設定部33を介して、ステップS24までの処理で撮像画像を取得した被検査製品1について、検査項目ごとの不良判定の期待値(
図4(f)でいう良/不良および不良レベルの値)を設定し(ステップS25)、その設定した不良判定の期待値を、検査項目IDおよび被検査製品IDに対応付けて期待判定データ記憶部46に蓄積する(ステップS26)。
【0068】
なお、ステップS25の処理で設定される不良判定の期待値は、入力装置51を介して、ユーザによって入力される。また、ステップS25およびステップS26の処理は、必ずしもステップS24終了後、すぐに続けて実行する必要はない。また、ステップS25およびステップS26の処理は、ステップS21よりも前に実行されてもよい。
【0069】
図7は、チューニング制御部30により実行されるチューニング検査処理の処理フローの例を示した図である。このチューニング検査処理を実行する場合には、被検査製品1を用意する必要がなく、また、製品検査ライン100における検査ロータ3などの機構部や撮像部10などを動作させる必要も、一切ない。チューニング検査処理で、その処理の対象となるのは、画像記憶部41に蓄積されている被検査製品1の撮像画像である。
【0070】
そこで、チューニング制御部30のチューニング検査処理部31は、まず、当該チューニング検査処理の対象の被検査製品1に対して予め設定されている検査項目の1つを指定する(ステップS31)。次に、チューニング検査処理部31は、検査パラメータ設定・変更部32を介して、ステップS31で指定された検査項目に対応する検査パラメータの値を設定または変更する(ステップS32)。次に、チューニング検査処理部31は、当該チューニング検査処理の対象の被検査製品1の被検査製品IDの1つを指定する(ステップS33)。
【0071】
次に、チューニング検査処理部31は、検査制御部20の画像読出部22を介して、ここまでの処理で指定された検査項目IDおよび被検査製品IDに対応付けられた撮像画像を画像記憶部41から読み出す(ステップS34)。次に、チューニング検査処理部31は、画像検査処理部23を介して、その読み出した撮像画像に対し、検査項目に応じた画像検査処理を施し、特徴データを取得する(ステップS35)。
【0072】
次に、チューニング検査処理部31は、不良判定部24を介して、その取得した特徴データを、このとき設定されている検査パラメータに含まれる検査基準パラメータと比較することにより、被検査製品1における不良の有無を判定する(ステップS36)。次に、チューニング検査処理部31は、このとき得られた不良有無のデータ(
図2(d)でいう良/不良および不良レベルのデータ)を検査項目IDおよび被検査製品IDに対応付けて検査判定データ記憶部44に蓄積する(ステップS37)。
【0073】
次に、チューニング検査処理部31は、当該チューニング検査処理の対象の被検査製品1の被検査製品IDをすべて指定し終えたか否かを判定する(ステップS38)。その判定の結果、当該被検査製品1の被検査製品IDをすべて指定し終えていないと判定された場合には(ステップS38でNo)、ステップS33へ戻って、ステップS33以下の処理を再度実行する。
【0074】
また、ステップS38の判定で、当該チューニング検査処理の対象の被検査製品1の被検査製品IDをすべて指定し終えたと判定された場合には(ステップS38でYes)、チューニング検査処理部31は、さらに、検査パラメータの変更を終了したか否かを判定する(ステップS39)。その判定の結果、検査パラメータの変更を終了していないと判定された場合には(ステップS39でNo)、ステップS32へ戻って、ステップS32以下の処理を再度実行する。
【0075】
また、ステップS39の判定で、検査パラメータの変更を終了していたと判定された場合には(ステップS39でYes)、チューニング検査処理部31は、さらに、検査項目をすべて指定し終えたか否かを判定する(ステップS40)。その判定の結果、検査項目をすべて指定し終えていないと判定された場合には(ステップS40でNo)、ステップS31へ戻って、ステップS31以下の処理を再度実行する。また、ステップS39の判定で、検査項目をすべて指定し終えていたと判定された場合には(ステップS40でYes)、当該チューニング検査処理を終了する。
【0076】
なお、以上の
図7のチューニング検査処理において、ステップS31、ステップS32およびステップS33は、ユーザによる入力操作が必要となる処理であるが、その操作は、ユーザにとって煩わしい場合もある。そこで、指定または設定すべき検査項目、検査パラメータおよび被検査製品IDを、あらかじめ、ユーザが入力し、リストまたはテーブル形式のデータを作成しておいてもよい。その場合、チューニング制御部30は、そのリストまたはテーブル形式のデータを参照しながらステップS31、ステップS32およびステップS33を実行することが可能になるので、ユーザは、チューニング検査処理の途中で、その都度、入力操作をする必要がなくなる。
【0077】
図8は、チューニング制御部30により実行される検査結果統計処理の処理フローの例を示した図である。チューニング制御部30の統計処理部34は、まず、
図7に示したチューニング検査処理のステップS32でその値が設定された検査パラメータの1つを選択する(ステップS51)。
【0078】
次に、統計処理部34は、検査判定データ記憶部44から、ステップS51で選択された検査パラメータに対応付する検査判定データを検査項目ID、被検査製品IDごとに読み出す(ステップS52)。さらに、統計処理部34は、期待判定データ記憶部46から期待判定データを、検査項目ID、被検査製品IDごとに読み出す(ステップS53)。
【0079】
次に、統計処理部34は、ステップS52およびステップS53のそれぞれで、検査項目ID、被検査製品IDごとに読み出した検査判定データの値(
図4(d)でいう良/不良および不良レベルの値)と、期待判定データの値(
図4(f)でいう良/不良および不良レベルの値)とを比較する(ステップS54)。
【0080】
次に、統計処理部34は、ステップS54の比較結果に基づき、検査項目ごとに検知率を算出する(ステップS55)。ここで、検知率とは、ステップS54で比較対象となった検査判定データの数または期待判定データの数(通常、両者の数は同じ)に対する、検査判定データの値と期待判定データの値とが一致する場合の数の比率をいう。さらに、続けて、統計処理部34は、統計データとして、全検査項目を総合した場合の検知率を算出する(ステップS56)。
【0081】
次に、統計処理部34は、ステップS54の比較結果に基づき、検査項目ごとに不良見逃し率を算出する(ステップS57)。ここで、不良見逃し率とは、ステップS54で比較対象となった検査判定データの数または期待判定データの数(通常、両者の数は同じ)に対する、検査判定データの値が「良品」で、かつ、期待判定データの値が「不良品」である場合の数の比率をいう。さらに、続けて、統計処理部34は、全検査項目を総合した場合の不良見逃し率を算出する(ステップS58)。
【0082】
なお、以上の説明でいう「ステップS54で比較対象となった検査判定データの数または期待判定データの数」とは、指定された検査パラメータおよび検査項目に対し、「期待判定データの値(
図4(f)でいう良/不良および不良レベルの値)が期待判定データ記憶部46に記憶されている被検査製品1の数」、あるいは、「画像検査処理結果の期待値が既知の被検査製品1の数」と言い換えることができる。
【0083】
次に、統計処理部34は、以上の処理で算出した検知率および不良見逃し率の値を表示装置52に表示する(ステップS59)。
【0084】
図9は、
図8の検査結果統計処理により得られる検知率および不良見逃し率の値を表示した表示画面521の例を示した図である。
図9の例では、表示画面521には、(1)総合判定結果、(2)異物検査判定結果が表示され、さらに、(3)被検査製品個別判定結果が表示されている。
【0085】
図9の(1)、(2)において、期待値数とは、期待判定データの期待値(良品、重不良、中不良、軽不良のいずれであるか)が既知の被検査製品1の数をいう。例えば、
図9の(2)の例では、異物検査の期待値が既知の被検査製品1の数は、全部で120本であり、そのうち、期待値が、良品であるものは100本、重不良であるものは10本、中不良であるものは5本、軽不良であるものは5本であったことを意味している。
【0086】
また、
図9の(1)、(2)において、検査判定結果とは、期待値が既知の良品、重不良、中不良、軽不良のそれぞれの被検査製品1に対して、
図7のチューニング検査処理を実施して得られる検査判定データの値が、それぞれ良品、重不良、中不良、軽不良となった場合の被検査製品1の数をいう。ただし、その数は、検査パラメータ別に集計され、ここでは、検査パラメータは、検査パラメータID:(ア)で指定されるものとしている。
【0087】
例えば、
図9の(2)の例で、検査判定結果の各欄の値は、期待値が良品である100本の被検査製品1について、
図7のチューニング検査処理(検査項目は異物検査)を実施したところ、98本が良品となり、2本が軽不良となったことを表している。同様に、期待値が重不良である10本の被検査製品1について、
図7のチューニング検査処理(検査項目は異物検査)を実施したところ、9本が重不良と判定され、1本が中不良と判定されたことを表している。以下、期待値が中不良、軽不良である場合についても同様である。
【0088】
従って、
図9の(2)の例では、期待値が良品である100本の被検査製品1について、
図7のチューニング検査処理(検査項目は異物検査)を実施したところ、そのうち98本は、正しく良品と判定され、2本は、誤って軽不良と判定したことになる。従って、良品の検知率は、98%であり、錯誤率は、2%になる。
【0089】
同様に、期待値が重不良である10本の被検査製品1について、
図7のチューニング検査処理(検査項目は異物検査)を実施したところ、そのうち9本は、正しく重不良と判定され、1本は、誤って中不良と判定されたことになる。従って、良品の検知率は、90%であり、錯誤率は、10%になる。
【0090】
また、
図9の(2)の例で、期待値が軽不良である5本の被検査製品1について、
図7のチューニング検査処理(検査項目は異物検査)を実施したところ、そのうち1本が良品と判定されている。この場合、軽不良1本が見逃されたことになるので、軽不良についての不良見逃し率は、20%になる。
【0091】
以上、異物検査判定結果を例にして、表示装置52に表示される検知率、錯誤率、不良見逃し率などについて説明したが、
図9(1)に示す総合判定結果についても同様である。また、外観検査や液量検査の結果についても同様に表示することができる。
【0092】
また、
図9の(3)の被検査製品個別判定結果では、被検査製品1ごとの個別判定結果、判定日時および画像IDが示されている。ここで、(a)、(b)、(c)は、それぞれ異物検査、液量検査、外観検査を表す検査項目IDを意味している。従って、この表示例によれば、例えば、被検査製品IDがA2の被検査製品1については、異物検査(a)および液量検査(b)では不良が検出されなかったが、外観検査(c)では軽不良が検出されたことを意味している。なお、画像IDは複数個あってもよい。
【0093】
なお、画面表示の形式は、
図9の(1)、(2)、(3)の例に限定されるものではない。これらは、同時に表示される必要もなく、それぞれ、適宜、独立して表示されても構わない。
【0094】
以上のように、表示画面521には、検査項目と検査パラメータとに対応付けられて、検知率、錯誤率、不良見逃し率などが表示される。この検知率、錯誤率、不良見逃し率などのデータは、検査パラメータの適切さ(適正度)を表す数値ともいえる。すなわち、検知率は、100%に近いほど、また、不良見逃し率は、0%に近いほどよい。従って、ユーザは、容易にその検査パラメータの適切さ(適正度)を知ることができる。
【0095】
以上、本実施形態によれば、(1)1以上の検査項目について検査の判定結果が既知の、すなわち、検査の熟練技術者による良/不良や不良レベルが判定済みの多数(例えば、良品100個、不良品100個など、ただし、不良品は集めるのが難しい場合が多い)の被検査製品1を製品検査ライン100に流し、製品画像検査装置200が
図6に示した画像取得処理を実行すれば、各検査項目についての被検査製品1それぞれの撮像画像が画像記憶部41に蓄積される。なお、前記したように、良/不良や不良レベルが判定済みとは、画像取得処理の事後に判定されることも含む。
【0096】
(2)その後、製品画像検査装置200が
図7に示したチューニング検査処理を実行すれば、検査項目ごとに様々に検査パラメータの値を設定または変更した場合についての画像検査処理による検査判定結果が得られ、検査判定データ記憶部44に蓄積される。この場合、検査ロータ3や撮像部10などを動作させる必要がない。
【0097】
(3)さらに、製品画像検査装置200が
図8に示した検査結果統計処理を実行することにより、検査判定データ記憶部44に蓄積されている検査判定データは、既知の判定結果(すなわち、期待判定データ)と比較され、その一致率(検知率)や不良見逃し率が算出される。
【0098】
よって、本実施形態によれば、製品画像検査装置200のユーザは、各検査項目についての被検査製品1の撮像画像を1回取得しておけば、その撮像画像を使い回すことによって、検査パラメータを様々な値に変化させた場合について、不良の検出結果が期待したものとどの程度一致しているかを表す検知率や不良見逃し率を容易に知ることができる。従って、ユーザは、被検査製品1の良品/不良品を選別する検査に用いる検査パラメータを、より適切な値にチューニングすることが容易にできるようになる。
【0099】
ちなみに、従来技術では、検査パラメータのチューニングをする場合には、検査パラメータの値を変更するたびに、被検査製品1を製品検査ライン100に流し、撮像部10でその撮像画像を取得し、
図5に示した通常の製品画像検査処理によって、その検査の判定結果を得るという手順が繰り返し実行される。
【0100】
この場合、チューニングのために用いられる判定結果が既知の被検査製品1は、何度も繰り返して製品検査ライン100を流されることになる。さらに、ユーザは、これらチューニング用の被検査製品1を、何度も搬入コンベア2に並べたり、検査ロータ3の保持部に保持させたりする作業が必要となる。そして、その作業の過程では、被検査製品1が破損したり、容器内の薬液などが変質したりする場合も考えられる。
【0101】
また、例えば、検査パラメータの画像処理パラメータのチューニングをする場合、それぞれの場合で検査ロータ3および撮像部10を動作させてそれぞれ別個に撮像画像が取得される。従って、取得される撮像画像は、それぞれ異なったものとなる(例えば、液中の異物の位置や大きさなどが異なる)。そのため、その不良有無の判定結果は、取得された撮像画像の相違と、検査パラメータ(画像処理パラメータ)の相違と、のいずれの影響のほうが大きいかを識別するのが困難になる場合が多い。
【0102】
一方、本実施形態では、被検査製品1を何度も製品検査ライン100に流すことはないので(通常、1度だけでよい)、それだけでもユーザの作業負担は軽減される。また、被検査製品1が破損したり、容器内の薬液などが変質したりすることもなくなる。さらに、検査パラメータを変えた場合の画像検査処理では、画像記憶部41に蓄積されている被検査製品1の同じ撮像画像が使い回されるだけであるので、画像検査処理の結果には、検査パラメータを変えたことの影響のみが現れることになる。従って、ユーザは、検査パラメータの適切さ(適正度)を精度よく判断することが可能になる。
【0103】
なお、以上の実施形態の説明では、被検査製品1は、アンプル、バイアルなどの容器入りの薬液製品としていたが、本実施形態は、瓶入りの清涼飲料製品やアルコール飲料製品にも同様に適用できる。さらに、固形の凍乾製剤などにも適用できる。
【0104】
(実施形態の変形例1)
前記した実施形態では、
図6の画像取得処理は、被検査製品1の撮像画像を取得するだけのために実行される。それに対し、この実施形態の変形例では、通常の製品画像検査処理(
図5参照)を実行しながら、
図6の画像取得処理を実行するようにしたものである。その処理フローは、特に図示をしないが、
図5の通常の画像取得処理のステップS12とステップS13との間に、
図6のステップS23を挿入したものに相当する。すなわち、本変形例では、通常の画像取得処理で対象となった被検査製品1については、その撮像画像がすべて、画像記憶部41に蓄積される。なお、この実施形態の変形例は、
図1に示した製品画像検査装置200とほとんど同じ構成で実現することができる。
【0105】
こうすることにより、多数の被検査製品1の撮像画像が画像記憶部41に蓄積されるので、その中から不良品を選出することが容易となる。その後、その選出した不良品の被検査製品1に、適宜、良品の被検査製品1も混じえれば、検査パラメータチューニング用の被検査製品1のサンプル集合を容易に構成することができる。しかも、その時点で、そのサンプル集合に属する被検査製品1の撮像画像は、すべて画像記憶部41に蓄積されている。
【0106】
そこで、検査の熟練技術者は、このサンプル集合に属する被検査製品1のそれぞれについて、良/不良や不良レベルの期待判定データの値を判断し、その判断した期待判定データの値を、入力装置51を介して製品画像検査装置200へ入力する。チューニング制御部30は、期待判定データ設定部33を介して入力される期待判定データを読み込んで、期待判定データ記憶部46に蓄積する。
【0107】
以降、製品画像検査装置200は、
図7のチューニング検査処理および
図8の検査結果統計処理をいつでも実行することができるようになる。従って、ユーザは、前記実施形態と同様に、検査パラメータを変化さえた場合それぞれについての検知率、錯誤率、不良見逃し率などを容易に取得できるようになるので、検査パラメータの適切さ(適正度)を容易に判断することが可能になる。
【0108】
また、この実施形態の変形例では、不良品となる被検査製品1の撮像画像を多数収集できることが可能になるので、検査パラメータの適切さ(適正度)を精度よく求めることができるようになる。
【0109】
(実施形態の変形例2)
図10は、本発明の実施形態の変形例2に係る製品検査システムの構成の例を示した図である。
図10において、製品検査ライン100は、
図1の製品検査ライン100と同じものである。なお、
図10における3つの製品検査ライン100a,100b,100cは、それぞれ同じものであっても、異なるものであってもよい。また、
図10では3つの製品検査ライン100a,100b,100cが示されているが、その数は、1つ以上であれば3つに限定されない。
【0110】
図10における製品画像検査装置300は、
図1に示した製品画像検査装置200の構成から、画像記憶部41を除外したものである。また、画像データ管理サーバ400は、製品画像検査装置300(300a,300b,300c)によって取得される被検査製品1の撮像画像を集中して蓄積し、管理する画像用データベース管理装置であり、大容量の記憶装置を備えているものとする。
【0111】
ここで、画像データ管理サーバ400は、イーサネット(登録商標)などの通信ネットワーク500を介して、それぞれの製品画像検査装置300a,300b,300cに接続されている。従って、製品画像検査装置300a,300b,300cは、取得した被検査製品1の撮像画像を、通信ネットワーク500を介して画像データ管理サーバ400の記憶装置に蓄積する。
【0112】
以上のような構成にすることにより、被検査製品1の撮像画像の管理が容易になるとともに、複数の製品画像検査装置300(300a,300b,300c)間で被検査製品1の撮像画像を共通に利用することが可能になる。そのため、製品画像検査装置300a,300b,300cそれぞれが
図6の画像取得処理を個別にしなくても済むので、全体としての検査パラメータのチューニング作業が省力化される。
【0113】
(実施形態の変形例3)
図11は、本発明の実施形態の変形例3に係る製品検査システムの構成の例を示した図である。実施形態の変形例3は、
図10に示した実施形態の変形例2をさらに変形したものである。
【0114】
図11における製品画像検査装置310(310a,310b,310c)は、
図1に示した製品画像検査装置200の構成から入力装置51および表示装置52を除外したものである(実際には、必ずしも除外する必要はない)。そして、製品画像検査装置310(310a,310b,310c)は、通信ネットワーク500を介して、入力装置51および表示装置52を有するリモート端末550に接続される。なお、通信ネットワーク500に複数のリモート端末550が接続されてもよい。
【0115】
この場合、ユーザは、製品検査ライン100や製品画像検査装置310が設置された現場へ行かずとも、例えば、設計部署の事務室などで、リモート端末550の入力装置51を用いて、検査パラメータを適宜変更することもでき、また、表示装置52に表示された表示画面521(
図9参照)を閲覧することもできる。すなわち、ユーザにとっての利便性が大幅に向上するという効果が得られる。
【0116】
さらに、以上の実施形態の変形例2および変形例3を組み合せた変形例もある(図示省略)。その変形例では、通信ネットワーク500には、画像データ管理サーバ400およびリモート端末550の両方が接続される。その場合、変形例2で得られる効果および変形例2で得られる効果の両方の効果が得られることは、言うまでもない。
【0117】
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を加えることも可能である。