特許第5974889号(P5974889)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5974889
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】タイヤ取付け作業補助装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 65/12 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   B62D65/12 C
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-284742(P2012-284742)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-125151(P2014-125151A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】貞松 貴之
(72)【発明者】
【氏名】草薙 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】江田 智美
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−247107(JP,A)
【文献】 特開平06−080090(JP,A)
【文献】 特開平07−172363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 65/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両組立ラインにおいて作業者がタイヤを車両の床下に水平に取付ける際のタイヤ取付け作業補助装置であって、
移動台車と、
前記移動台車に対して昇降可能な状態で装着された昇降架台と、
ヒンジ機構を介して前記昇降架台上に取付けられて、前記ヒンジ機構を中心にして水平位置と起立位置間で上下回動が可能な構成であり、立てられたタイヤを起立位置で受け取れるように構成されているタイヤ支持テーブルと、
前記昇降架台に対して上昇する方向に力を加える上昇力付与機構と、
前記移動台車に対して前記昇降架台が上昇する動作により、前記タイヤ支持テーブルを前記ヒンジ機構の回りに起立位置から水平位置まで回動させて、そのタイヤ支持テーブルに支持されているタイヤを立てられた状態から水平に寝かせるテーブル回動機構と、
を有することを特徴とするタイヤ取付け作業補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたタイヤ取付け作業補助装置であって、
前記テーブル回動機構は、前記移動台車に支柱状に設けられた押圧ロッドを備えており、
前記タイヤ支持テーブルが前記押圧ロッドに対して下降することで、前記押圧ロッドの先端が前記タイヤ支持テーブルの回動自由端側を上方に押圧して前記タイヤ支持テーブルが起立方向に回動し、前記タイヤ支持テーブルが前記押圧ロッドに対して上昇することで、そのタイヤ支持テーブルが自重で水平方向に回動する構成であることを特徴とするタイヤ取付け作業補助装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたタイヤ取付け作業補助装置であって、
上昇力付与機構は、
前記昇降架台に対して一定の引き上げ力を付与できるように構成された上昇駆動源と、
前記移動台車に設けられた滑車と、
前記滑車に掛けられており、一端が前記昇降架台に連結されて、他端が前記上昇駆動源に連結されている紐状部材と、
を有することを特徴とするタイヤ取付け作業補助装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたタイヤ取付け作業補助装置であって、
前記上昇駆動源は、バネ力により前記昇降架台を引き上げる構成であり、
前記バネ力は、前記タイヤの重量と昇降架台の重量とを加えた重量よりは小さな値に設定されていることを特徴とするタイヤ取付け作業補助装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載されたタイヤ取付け作業補助装置であって、
前記移動台車と前記昇降架台間には、前記昇降架台の昇降を禁止する昇降ブレーキが設けられており、
前記昇降ブレーキを動作状態と動作解除状態とに切替えるための操作レバーが前記昇降架台に設けられていることを特徴とするタイヤ取付け作業補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両組立ラインにおいて作業者がタイヤを車両の床下に固定する際に使用されるタイヤ取付け作業補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタイヤ取付け作業補助装置に関する技術が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載のタイヤ取付け作業補助装置100は、スペアタイヤTの取付け作業において使用される装置であり、図13に示すように、移動台車102と、その移動台車102に対して昇降可能、かつ傾斜可能に構成されたタイヤ支持台104とを備えている。タイヤ支持台104は、スペアタイヤTを支持するテーブルであり、所定位置まで上昇した状態で傾斜可能に構成されている。
上記したタイヤ取付け作業補助装置100を使用する場合には、スペアタイヤTをタイヤ供給装置(図示省略)から取り出し、移動台車102上で水平に保持されているタイヤ支持台104にスペアタイヤTを横向きにセットする。次に、移動台車102を高位置搬送領域にある車両Cのスペアタイヤ収納部Ctの直下まで移動させて、タイヤ支持台104を上昇させつつ、傾斜させる。次に、車両Cのスペアタイヤ収納部Ctから垂下されているケーブル(図示省略)のフックを傾斜状態のスペアタイヤTのホイール穴に係止する。これにより、スペアタイヤTは車両Cのケーブル(図示省略)に吊られた状態で、タイヤ取付け作業補助装置100から離れ、車両Cと共に移動するようになる。そして、車両Cが低位置搬送領域まで搬送された状態で、作業者が車室内から前記ケーブルを巻取り、スペアタイヤTを車両Cのスペアタイヤ収納部Ctに格納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−247107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したタイヤ取付け作業補助装置100では、スペアタイヤTをタイヤ供給装置(図示省略)から取り出して、そのスペアタイヤTを水平に保持されているタイヤ支持台104に対して横向きにセットする。このため、作業者は、スペアタイヤTを持った状態でタイヤ支持台104にセットする必要がある。ここで、スペアタイヤTは約13Kgあるため、スペアタイヤTを持ってタイヤ支持台104にセットするのは、作業者の負担が大きい。
さらに、作業者が車両Cの車室内から前記ケーブルを巻取ることでスペアタイヤTを車両Cのスペアタイヤ収納部Ctに格納する構成のため、スペアタイヤTの重量以上の力で前記ケーブルを巻取らなくてはならず、作業者の負担が大きい。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車両組立ラインにおいてタイヤを車両の床下に取付ける際の作業者の負担軽減を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、車両組立ラインにおいて作業者がタイヤを車両の床下に水平に取付ける際のタイヤ取付け作業補助装置であって、移動台車と、前記移動台車に対して昇降可能な状態で装着された昇降架台と、ヒンジ機構を介して前記昇降架台上に取付けられて、前記ヒンジ機構を中心にして水平位置と起立位置間で上下回動が可能な構成であり、立てられたタイヤを起立位置で受け取れるように構成されているタイヤ支持テーブルと、前記昇降架台に対して上昇する方向に力を加える上昇力付与機構と、前記移動台車に対して前記昇降架台が上昇する動作により、前記タイヤ支持テーブルを前記ヒンジ機構の回りに起立位置から水平位置まで回動させて、そのタイヤ支持テーブルに支持されているタイヤを立てられた状態から水平に寝かせるテーブル回動機構とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明によると、タイヤ支持テーブルは、起立位置で立てた状態のタイヤを受け取れるように構成されている。このため、タイヤを転がしながらタイヤ支持テーブルにセットできるようになり、従来のように、前記タイヤを持ってセットする場合と比較して、作業者の負担軽減を図ることができる。
また、テーブル回動機構の働きで、移動台車に対して昇降架台が上昇する動作により、タイヤ支持テーブルが起立位置から水平位置まで回動し、そのタイヤ支持テーブルに支持されているタイヤを起立状態から水平に寝かせることができる。即ち、タイヤを水平な状態で上昇させることができるため、タイヤを車両の床下に取付け易くなる。
さらに、昇降架台は上昇力付与機構により上昇方向の力を受けているため、タイヤの持ち上げが容易になる。
【0008】
請求項2の発明によると、テーブル回動機構は、移動台車に支柱状に設けられた押圧ロッドを備えており、タイヤ支持テーブルが前記押圧ロッドに対して下降することで、前記押圧ロッドの先端が前記タイヤ支持テーブルの回動自由端側を上方に押圧して前記タイヤ支持テーブルが起立方向に回動し、前記タイヤ支持テーブルが前記押圧ロッドに対して上昇することで、そのタイヤ支持テーブルが自重で水平方向に回動する構成であることを特徴とする。
このように、移動台車に対して昇降架台が上昇する動作により、タイヤ支持テーブルが起立位置から水平位置まで回動する構成のため、タイヤ支持テーブルを回動させるためのモータ等の駆動源が不要になる。
【0009】
請求項3の発明によると、上昇力付与機構は、昇降架台に対して一定の引き上げ力を付与できるように構成された上昇駆動源と、移動台車に設けられた滑車と、前記滑車に掛けられており、一端が前記昇降架台に連結されて、他端が前記上昇駆動源に連結されている紐状部材とを有することを特徴とする。
また、請求項4の発明によると、上昇駆動源は、バネ力により前記昇降架台を引き上げる構成であり、バネ力は、前記タイヤの重量と昇降架台の重量とを加えた重量よりは小さな値に設定されていることを特徴とする。
このように、上昇駆動源は、バネ力により昇降架台を引き上げる構成のため、ランニングコストが掛らない。
【0010】
請求項5の発明によると、移動台車と昇降架台間には、前記昇降架台の昇降を禁止する昇降ブレーキが設けられており、前記昇降ブレーキを動作状態と動作解除状態とに切替えるための操作レバーが前記昇降架台に設けられていることを特徴とする。
このため、タイヤを車両の床下に固定する際に、操作レバーにより昇降ブレーキの動作タイミングを調整して、タイヤの高さ位置を調整することが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、車両組立ラインにおいてタイヤを車両の床下に取付ける際の作業者の負担軽減を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係るタイヤ取付け作業補助装置を備える車両組立ラインの模式図である。
図2】前記車両組立ラインのタイヤ運搬装置の全体斜視図である。
図3】前記タイヤ運搬装置のタイヤセット状態を表す側面図である。
図4図3のIV部拡大図である。
図5】前記タイヤ運搬装置のタイヤ保持状態を表す側面図である。
図6図5のVI部拡大図である。
図7】前記タイヤ運搬装置におけるタイヤ持ち上げ時の荷重を表す側面図である。
図8】前記タイヤ取付け作業補助装置の全体斜視図である。
図9】前記タイヤ取付け作業補助装置の側面図である。
図10】前記タイヤ取付け作業補助装置の背面図である。
図11】前記タイヤ取付け作業補助装置を使用したタイヤ固定作業を表す側面図である。
図12】前記タイヤ取付け作業補助装置の昇降架台を表す斜視図である。
図13】従来のスペアタイヤ取付け作業における補助装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態1]
以下、図1から図12に基づいて本発明の実施形態1に係るタイヤ取付け作業補助装置について説明する。
本実施形態のタイヤ取付け作業補助装置50は、車両組立ライン10において作業者が車両Cの床下にスペアタイヤTを取付ける際にその取付け作業の補助として使用される装置である。
ここで、図1図12の前後左右、及び上下は、図1における前後左右、及び上下を基準にして記載している。
【0014】
<車両組立ライン10の概要について>
先ず、タイヤ取付け作業補助装置50について説明する前に、車両組立ライン10の概要、及びタイヤ運搬装置20について簡単に説明する。
車両組立ライン10は、図1に示すように、車両Cの床下に部品(図示省略)を組み付けるためのラインであり、本工程では車両Cの床下にスペアタイヤTの取付けを行う。
車両組立ライン10は、車両Cを定速で搬送する床状の車両搬送部12を備えている。車両搬送部12は、工場の床面FLに対して所定寸法だけ高い位置に設置されており、図1の紙面に対して直角方向に車両Cを搬送できるように構成されている。車両搬送部12上には、車両Cを予め決められた高さ位置まで持ち上げた状態で支持する車両支持支柱14がその車両搬送部12の左右両端位置に設置されている。そして、車両搬送部12を幅方向両側から挟むように、作業床15が設けられている。ここで、作業床15の床面と車両搬送部12の床面とは等しい高さに設定されている。
車両組立ライン10におけるスペアタイヤ取付け工程では、本実施形態に係るタイヤ取付け作業補助装置50とタイヤ運搬装置20とが使用される。タイヤ取付け作業補助装置50は、作業者が車両Cの床下にスペアタイヤTを取付ける際にその作業の補助として使用される装置であり、作業床15から車両搬送部12間を移動できるように構成されている。また、タイヤ運搬装置20は、タイヤ取付け作業補助装置50までスペアタイヤTを運搬する装置であり、工場の床面FL上を移動できるように構成されている。
【0015】
<タイヤ運搬装置20について>
次に、図2から図7に基づいてタイヤ運搬装置20の説明を行う。
タイヤ運搬装置20は、運搬台車22を備えている。運搬台車22は、図2図3等に示すように、角形フレーム状に形成された台車であり、その運搬台車22の下端部分に角形下枠22wが設けられている。そして、運搬台車22の角形下枠22wの下面側四隅に車輪23が取付けられている。
また、運搬台車22の角形下枠22wの四隅(前後左右)には、角部支柱22mが立設されており、その角形下枠22wの左寄り位置の前後に中間支柱22pが立設されている。さらに、前後の中間支柱22pは、上部の位置で横梁部(図示省略)によって相互に連結されている。また、右端に位置する前後の角部支柱22mは、同じく上部の位置で横梁部22yによって相互に連結されている。
【0016】
<運搬台車22のタイヤ載せ部25について>
運搬台車22の上部には、複数個のスペアタイヤTを立てた状態で保持できるように構成されたタイヤ載せ部25が設けられている。前記タイヤ載せ部25は、図2に示すように、運搬台車22の幅方向(図2の前後方向)に三セット平行に並べられた状態で等しい高さ位置に設けられている。
各々のタイヤ載せ部25は、図2図3に示すように、前後の中間支柱22pをつなぐ横梁部(図示省略)と右端の角部支柱22mをつなぐ横梁部22yとに両端部が支持されるローラコンベヤ部25kを備えている。ローラコンベヤ部25kは、スペアタイヤTを立てた状態で載せる部分であり、運搬台車22の中間支柱22pの位置から右側の角部支柱22mの位置まで左右方向に延びるように形成されている。さらに、各々のローラコンベヤ部25kには、右側で低くなるように緩やかな(約5°程度)傾斜が設けられている。このため、ローラコンベヤ部25kに載せられたスペアタイヤTは自重で運搬台車22の右方向に転動するようになる。
さらに、各々のタイヤ載せ部25には、ローラコンベヤ部25kに載せられたスペアタイヤTを幅方向両側から支えて運搬台車22の左右方向にガイドする手摺部25tが設けられている。
また、各々のタイヤ載せ部25の右端位置には、各々のローラコンベヤ部25k上を右方向に転動するスペアタイヤTをそれらのローラコンベヤ部25kの右端位置で止めるためのストッパ26が設けられている。
【0017】
<タイヤ持ち上げ機構30について>
運搬台車22には、各々のタイヤ載せ部25の左側位置にスペアタイヤTをタイヤ載せ部25まで持ち上げるためのタイヤ持ち上げ機構30が設けられている。
タイヤ持ち上げ機構30は、図3に示すように、スペアタイヤTを立てた状態でセットできるように構成されたタイヤ支持部32と、そのタイヤ支持部32にセットされたスペアタイヤTを持ち上げる方向に回動できるように構成されたタイヤ持ち上げアーム34と、タイヤ持ち上げアーム34に対して持ち上げ方向に力を加えるダンパー36とから構成されている。
タイヤ持ち上げアーム34は、図4等に示すように、側面形状が略楔形に形成されたアームであり、そのタイヤ持ち上げアーム34の幅寸法がスペアタイヤTの幅寸法よりも若干小さな値に設定されている。また、タイヤ持ち上げアーム34の長さ寸法がスペアタイヤTの直径寸法よりも若干小さな値に設定されている。
タイヤ持ち上げアーム34は、そのタイヤ持ち上げアーム34の基端部34xが連結ピン33を介して中間支柱22pの固定ブラケット31に上下回動可能な状態で連結されている。即ち、連結ピン33の位置がタイヤ持ち上げアーム34の回動中心C0となる。
【0018】
そして、タイヤ持ち上げアーム34が上方に回動する際に上面側となるタイヤ持ち上げアーム34の側面にタイヤ当接面34fが形成されている。ここで、タイヤ持ち上げアーム34が下限位置にある状態では、図4に示すように、タイヤ持ち上げアーム34のタイヤ当接面34fは斜め下方を指向しており、そのタイヤ当接面34fはスペアタイヤTの外周面に斜め方向から当接可能になる。そして、タイヤ持ち上げアーム34が上方に回動する過程でタイヤ当接面34fは徐々にスペアタイヤTの下側に入り込み、スペアタイヤTを持ち上げる。このようにして、前記タイヤ持ち上げアーム34が上限位置まで回動した段階で、図5に示すように、タイヤ持ち上げアーム34のタイヤ当接面34fはローラコンベヤ部25kの上面と連続するようになる。
【0019】
タイヤ持ち上げアーム34の先端部には、図4図5等に示すように、タイヤ持ち上げアーム34のタイヤ当接面34fと共にスペアタイヤTを支持するタイヤ支持部32が設けられている。タイヤ支持部32は、タイヤ持ち上げアーム34のタイヤ当接面34fに対して直角に突出するように設けられており、図4に示すように、スペアタイヤTの下部を囲む角枠部32wと、その角枠部32wの底位置でスペアタイヤTの外周面が当接する底枠部32bとを備えている。そして、タイヤ持ち上げアーム34のタイヤ当接面34fに対する角枠部32wの突出端と底枠部32bの突出端とが相互に連結されて、作業者がタイヤ持ち上げアーム34を持ち上げる際に把持するハンドル部32hが構成されている。さらに、タイヤ支持部32には、ハンドル部32hから突出してタイヤ持ち上げアーム34のタイヤ当接面34fと反対側からスペアタイヤTの外周面を押える押え突起32zが設けられている。
【0020】
タイヤ持ち上げアーム34の基端部寄りの位置34cには、図6等に示すように、ダンパー36の可動ロッド部36pの先端が上下回動可能な状態で連結されている。そして、ダンパー36のシリンダ部36sの基端部が運搬台車22の中間支柱22pに連結部材37を介して上下回動可能な状態で連結されている。ダンパー36は、シリンダ部36sから可動ロッド部36pを軸方向に一定の力で押し出せるように構成されている。ここで、ダンパー36の可動ロッド部36pとタイヤ持ち上げアーム34との連結位置X、及びダンパー36のシリンダ部36sと中間支柱22pとの連結位置Yは、図4に示すように、タイヤ持ち上げアーム34が下限位置まで下回動した状態で、ダンパー36の軸心の延長線上にタイヤ持ち上げアーム34の回動中心C0が位置するように設定されている。これにより、タイヤ持ち上げアーム34が下限位置にある状態では、ダンパー36の力がタイヤ持ち上げアーム34の持ち上げ方向に加わらなくなり、タイヤ持ち上げアーム34は下限位置に保持される。
なお、ダンパー36の軸心の延長線が、図4において、タイヤ持ち上げアーム34の回動中心C0の若干右側を通るようにしても良い。
【0021】
このように、タイヤ持ち上げ機構30のタイヤ持ち上げアーム34が下限位置に保持されている状態で、作業者はタイヤ支持部32にスペアタイヤTを立てた状態でセットできるようになる。即ち、タイヤ持ち上げアーム34の下限位置がスペアタイヤTのタイヤセット位置となる。
前記スペアタイヤTがセットされた状態で、作業者がタイヤ支持部32のハンドル部32hを持ってタイヤ持ち上げアーム34を上方に持ち上げると、タイヤ持ち上げアーム34は作業者の持ち上げ力とダンパー36の力とにより上方に回動するようになる。そして、タイヤ持ち上げアーム34が上限位置まで回動した段階で、図5に示すように、タイヤ持ち上げアーム34のタイヤ当接面34fがタイヤ載せ部25のローラコンベヤ部25kの上面と連続するようになる。これにより、タイヤ支持部32にセットされたスペアタイヤTは、自重でタイヤ支持部32から転がり出て、タイヤ載せ部25のローラコンベヤ部25kの右端位置まで移動するようになる。
上限位置にあるタイヤ持ち上げアーム34を空の状態で下限位置(タイヤセット位置)まで戻す場合には、タイヤ支持部32のハンドル部32hを持ってタイヤ持ち上げアーム34をダンパー36の力に抗して下方に押し下げるようにする。これにより、下限位置まで戻されたタイヤ持ち上げアーム34は、上記したように、ダンパー36の力で下限位置に保持されるようになる。
【0022】
図7は、タイヤ支持部32にスペアタイヤTがセットされた状態でタイヤ持ち上げアーム34を持ち上げるのに必要な力F0(持上必要力F0)と、タイヤ持ち上げアーム34の持ち上げ方向に加わるダンパー36の力Fd(ダンパー持上力Fd)と、作業者がタイヤ持ち上げアーム34を持ち上げるときの力Fh(作業力Fh)との関係を下限位置から10°毎(上限位置近傍では13°)に表した図である。即ち、作業力Fhは、持上必要力F0からダンパー持上力Fdを減じた値となる。ここで、スペアタイヤTの重量は約13Kgで計算されている。
例えば、タイヤ持ち上げアーム34が下限位置にある状態では、ダンパー持上力Fdはタイヤ持ち上げアーム34を下限位置に保持する方向に加わるため、ダンパー持上力Fd=0 となる。このため、作業力Fhは、持上必要力F0と等しくなり、作業力Fh=持上必要力F0=6.6Kgとなる。
そして、タイヤ持ち上げアーム34が下限位置から上方に回動するにつれて、ダンパー持上力Fdが大きくなり、作業力Fh=持上必要力F0−ダンパー持上力Fdは、上昇するにつれて小さくなる。
【0023】
さらに、タイヤ持ち上げアーム34が回動中間位置を上方に超えると、スペアタイヤTの重心がタイヤ持ち上げアーム34の回動中心C0側に近づくことで、持上必要力F0が徐々に小さくなる。一方、ダンパー持上力Fdはほとんど変化しない。このため、作業力Fh=持上必要力F0−ダンパー持上力Fdは、上昇するにつれて小さくなる。そして、タイヤ持ち上げアーム34が上限位置に近づくと、ダンパー持上力Fdが持上必要力F0よりも大きくなり、タイヤ持ち上げアーム34はダンパー36のみの力で上限位置まで回動するようになる。そして、タイヤ持ち上げアーム34はダンパー36の力で上限位置に保持される。
また、上限位置にあるタイヤ持ち上げアーム34を空の状態で下限位置(タイヤセット位置)まで戻す場合には、ダンパー持上力Fdを超える力でタイヤ持ち上げアーム34を下限位置まで押し下げるようにする。
ここで、ダンパー持上力Fdは、上限位置、及びその近傍以外では、持上必要力F0よりも小さく設定されているため、比較的容易に下限位置まで押し下げられるようになる。
【0024】
<タイヤ取付け作業補助装置50について>
次に、図8から図12に基づいてタイヤ取付け作業補助装置50の説明を行う。
タイヤ取付け作業補助装置50は、作業者が車両Cの床下にスペアタイヤTを取付ける際にその取付け作業の補助として使用される装置である。タイヤ取付け作業補助装置50は、移動台車52と、昇降架台60、及びタイヤ支持テーブル70と、タイヤ支持テーブル70を起立位置から水平位置(倒伏位置)まで回動させるテーブル回動機構77と、昇降架台60に対して上昇する方向に力を加える上昇力付与機構80と、昇降ブレーキ87とから構成されている。
【0025】
<移動台車52について>
移動台車52は、図11等に示すように、角形フレーム状に形成された台車であり、その移動台車52の下端部分に角形下枠52wが設けられている。そして、移動台車52の角形下枠52wの下側四隅に車輪53が取付けられている。さらに、移動台車52の角形下枠52wの下側前部中央には、図8に示すように、移動台車52を作業位置に固定するための足踏み式固定機構53xが設けられている。
移動台車52の角形下枠52wの四隅には、左右の前部支柱54と左右の後部支柱55とが立設されている。前部支柱54は、後部支柱55のほぼ半分の長さ寸法に設定されており、左右の前部支柱54の上部が横梁部54yによってそれぞれ左右の後部支柱55の中央側面に連結されている。また、左右の前部支柱54上には、スペアタイヤTを立てた状態で載せる帯状のタイヤ支持板56が渡されている。ここで、タイヤ支持板56の高さ位置は、工場の床面FL上にあるタイヤ運搬装置20のローラコンベヤ部25kのストッパ26(右端位置)とほぼ等しい高さに設定されている。
そして、タイヤ支持板56の右端位置にタイヤストッパ56sが立設されている。さらに、左右の前部支柱54の上部には、タイヤ支持板56上のスペアタイヤTの側面を前側から支える側面略逆U字形の手摺部56uが設けられている。
左右の後部支柱55は、後記する昇降架台60の昇降ガイドとしても使用される支柱であり、図10等に示すように、左右の後部支柱55の互いに対向する側面に上下方向に延びるガイドレール55yが固定されている。さらに、左右の後部支柱55の背面には、図10に示すように、左右の後部支柱55の上部をつなぐ上梁部55uと、左右の後部支柱55の下部をつなぐ下梁部55dとが連結されている。
【0026】
<昇降架台60、及びタイヤ支持テーブル70について>
昇降架台60は、移動台車52の左右の後部支柱55に沿って昇降可能に構成された架台であり、図12等に示すように、水平に設置される角形上枠部62と、その角形上枠部62の後端位置の左右両側で下方に延びる縦支柱部63とにより、側面逆L字形に形成されている。そして、左右の縦支柱部63の下端位置にそれぞれ摺動部材64が取付けられている。左右の摺動部材64は、図10に示すように、移動台車52の左右の後部支柱55に設けられたガイドレール55yに沿って上下に移動可能なように、それぞれのガイドレール55yに嵌合している。
また、昇降架台60の角形上枠部62の右側には、図12に示すように、作業者が昇降架台60を持ち上げる際にその作業者が把持する手摺状のハンドル部65が設けられている。さらに、昇降架台60の角形上枠部62の前端部には、図9等に示すように、ヒンジ機構66を介してタイヤ支持テーブル70が上下回動可能なように連結されている。
【0027】
タイヤ支持テーブル70は、図9に示すように、移動台車52のタイヤ支持板56上に立てた状態で載せられたスペアタイヤTを受け取って支持するテーブルである。タイヤ支持テーブル70の表面には、図11図12等に示すように、スペアタイヤTを車両Cの床下に取付ける際に使用されるタイヤ支持金具Tsと、スペアタイヤTとを位置決めするための複数の位置決め突起72が設けられている。位置決め突起72は、タイヤ支持テーブル70の表面中央位置で円周方向に等間隔で三箇所に設けられており、タイヤ支持金具Tsがそれらの位置決め突起72の周囲にセットされるようになっている。さらに、この状態で、位置決め突起72がスペアタイヤTのホイールに嵌め込まれることで、スペアタイヤTがタイヤ支持テーブル70に対して位置決めされるようになる。
昇降架台60の角形上枠部62の後端位置には、図12に示すように、タイヤ支持テーブル70がヒンジ機構66を中心にして下限位置(倒伏位置)まで回動したときに、そのタイヤ支持テーブル70の回動自由端を下方から支える支持梁部62xが設けられている。支持梁部62xは、タイヤ支持テーブル70が倒伏位置まで回動した状態で、タイヤ支持テーブル70がほぼ水平となるように高さ寸法が設定されている。
【0028】
<テーブル回動機構77について>
テーブル回動機構77は、昇降架台60が移動台車52に対して上昇する動作により、タイヤ支持テーブル70を起立位置から水平位置(倒伏位置)まで回動させる機構である。テーブル回動機構77は、図11等に示すように、移動台車52の左右の横梁部54y間に渡された中央梁部54c(図8参照)に立設された押圧ロッド78と、押圧ロッド78の上端位置に回転自在な状態で装着されたローラ78rとから構成されている。そして、押圧ロッド78のローラ78rが移動台車52に対して下降する昇降架台60のタイヤ支持テーブル70の回動自由端側を下から押上げられるように構成されている。ここで、押圧ロッド78の長さ寸法は、図9に示すように、昇降架台60の角形上枠部62が移動台車52のタイヤ支持板56の高さ位置まで下降した状態で、タイヤ支持テーブル70を所定傾斜角度の起立位置まで押上げられる長さ寸法に設定されている。そして、移動台車52に対して昇降架台60が上昇すると、図11の点線に示すように、タイヤ支持テーブル70に対する押圧ロッド78のローラ78rの位置が相対的に低くなり、タイヤ支持テーブル70は自重でヒンジ機構66を中心に倒伏方向に回動するようになる。そして、タイヤ支持テーブル70から押圧ロッド78のローラ78rが離れた状態で、タイヤ支持テーブル70は水平位置(倒伏位置)に保持されるようになる。
【0029】
<上昇力付与機構80について>
上昇力付与機構80は、昇降架台60に対して上昇する方向に力を加える機構であり、図10に示すように、移動台車52の上梁部55uに支持されている滑車82と、その滑車82に掛けられているワイヤ84と、移動台車52の下梁部55dの位置に固定されて、バネ力によりワイヤ84を巻き取れるように構成された巻取りドラム86とを備えている。そして、前記ワイヤの先端が昇降架台60の左側の摺動部材64に連結されている。ここで、巻取りドラム86のバネ力は、スペアタイヤTの重量(13Kg)の約半分の値(6.5Kg)に設定されている。このため、昇降架台60に対して常に約6.5Kgの力が上昇方向に加わるようになる。したがって、作業者は、約半分の力でスペアタイヤTを持ち上げられるようになる。また、上限位置まで持ち上げられた昇降架台60を巻取りドラム86のバネ力に抗して下限位置まで下降させることが可能になる。
即ち、前記ワイヤ84が本発明の紐状部材に相当し、前記巻取りドラム86が本発明の上昇駆動源に相当する。
【0030】
<昇降ブレーキ87について>
昇降ブレーキ87は、移動台車52に対する昇降架台60の昇降を許容し、あるいは昇降を禁止する機構である。昇降ブレーキ87は、図10に示すように、昇降架台60の右側の摺動部材64に取付けられたブレーキ本体部88と、移動台車52のガイドレール55yと平行な状態で移動台車52の背面に設けられたガイドバー89と、昇降架台60のハンドル部65(図12参照)に設けられて前記ブレーキ本体部88を操作するブレーキレバー88rとを備えている。そして、ブレーキレバー88rとブレーキ本体部88とが、図12に示すように、可撓性チューブ88uに通された操作力伝達ワイヤ88wによって連結されている。ここで、前記可撓性チューブ88uは、昇降架台60の縦支柱部63に沿って固定されている。
ブレーキ本体部88は、ブレーキレバー88rがバネ力に抗して引き操作されることでブレーキを解除し、ブレーキレバー88rがバネ力で元の状態に戻されたときに(ブレーキレバー88rが操作されない状態で)ブレーキが掛かるように構成されている。ブレーキ本体部88は、移動台車52のガイドバー89と嵌合しており、ブレーキ解除状態でガイドバー89に沿って移動できるようになっている。一方、ブレーキ動作状態では、ブレーキ本体部88はガイドバー89を把持してそのガイドバー89に対する移動が禁止される。この結果、ブレーキレバー88rが操作されない状態では、ブレーキ本体部88を備える昇降架台60は、ガイドバー89を備える移動台車52に対して昇降が禁止される。
即ち、前記ブレーキレバー88rが本発明の操作レバーに相当する。
【0031】
<スペアタイヤTの運搬から車両Cに取付けるまでの手順について>
スペアタイヤTの運搬する場合には、空荷状態のタイヤ運搬装置20の運搬台車22をスペアタイヤTのタイヤ供給位置(図示省略)まで移動させる。タイヤ供給位置で、作業者は、図2に示すように、上限位置にあるタイヤ支持部32のハンドル部32hを持ってタイヤ持ち上げアーム34をダンパー36の力に抗して下方に押し下げる。これにより、下限位置まで戻されたタイヤ持ち上げアーム34は、ダンパー36の力でタイヤセット位置(下限位置)に保持される。
次に、タイヤセット位置(下限位置)に保持されたタイヤ持ち上げアーム34のタイヤ支持部32に、図3等に示すように、スペアタイヤTを立てた状態でセットする。そして、タイヤ支持部32のハンドル部32hを持ってタイヤ持ち上げアーム34を持ち上げる。これにより、タイヤ持ち上げアーム34は、作業者の力とダンパー36の力とにより上方に回動するようになる。そして、タイヤ持ち上げアーム34が上限位置まで回動した段階で、図5に示すように、タイヤ持ち上げアーム34のタイヤ当接面34fがタイヤ載せ部25のローラコンベヤ部25kの上面と連続するようになる。これにより、タイヤ支持部32にセットされたスペアタイヤTは、自重でタイヤ支持部32から転がり出て、タイヤ載せ部25のローラコンベヤ部25kの右端位置まで移動するようになる。
そして、上記手順を繰り返すことで、タイヤ運搬装置20に複数のスペアタイヤTを積み込めるようになる。
次に、スペアタイヤTを積み込んだタイヤ運搬装置20を、図1に示すように、車両組立ライン10の作業床15の位置まで移動させ、車両搬送部12の搬送方向に対して直角に配置する。
【0032】
次に、タイヤ取付け作業補助装置50を作業床15の位置まで移動させ、そのタイヤ取付け作業補助装置50の移動台車52のタイヤ支持板56をタイヤ運搬装置20におけるローラコンベヤ部25kの延長線上の位置に配置する。このとき、タイヤ取付け作業補助装置50の昇降架台60は移動台車52のタイヤ支持板56とほぼ等しい高さ位置にあって、タイヤ支持テーブル70は起立位置に保持されている。この状態で、タイヤ運搬装置20のローラコンベヤ部25k上に載置されているスペアタイヤTを転がしてストッパ26を乗り越えさせ、タイヤ取付け作業補助装置50の移動台車52のタイヤ支持板56上まで移動させる。これにより、スペアタイヤTは、図9に示すように、起立位置に保持されたタイヤ支持テーブル70と手摺部56uの間に配置される。
【0033】
次に、タイヤ支持テーブル70の位置決め突起72の周囲にタイヤ支持金具Tsをセットし、スペアタイヤTをタイヤ支持テーブル70側に倒すことで、位置決め突起72をスペアタイヤTのホイールに嵌め込むようにする。この状態で、タイヤ支持テーブル70に対するスペアタイヤTのセットが完了する。
次に、タイヤ取付け作業補助装置50の移動台車52を車両組立ライン10の車両搬送部12における車両Cの真下位置まで移動させる。そして、移動台車52を車両Cに対して位置決めした状態で、足踏み式固定機構53xにより移動台車52を作業位置に固定する。
次に、昇降架台60のハンドル部65(図12参照)を持ち、ブレーキレバー88rを引き操作した状態で、昇降架台60、タイヤ支持テーブル70、及びスペアタイヤTを移動台車52に対して押上げる。これにより、昇降架台60等は、作業者の押上げ力と上昇力付与機構80の巻取りドラム86のバネ力により、移動台車52のガイドレール55yに沿って上昇するようになる。そして、昇降架台60が上昇することにより、タイヤ支持テーブル70に対する押圧ロッド78のローラ78rの高さ位置が相対的に低くなり、図11の点線に示すように、タイヤ支持テーブル70、及びスペアタイヤTはヒンジ機構66を中心に倒伏方向に回動するようになる。このようにして、タイヤ支持テーブル70が押圧ロッド78のローラ78rから離れると、タイヤ支持テーブル70、及びスペアタイヤTは水平位置(倒伏位置)に保持された状態で上昇するようになる。
【0034】
そして、図11の実線に示すように、スペアタイヤTが車両Cの床下の取付け位置まで上昇した状態で作業者がブレーキレバー88rから手を離すことでブレーキ本体部88のブレーキが掛かり、昇降架台60はこの位置に保持される。この状態で、作業者がタイヤ支持金具Tsを車両Cの床下の取付け位置にボルト止めすることで、スペアタイヤTが車両Cの床下に取付けられる。
スペアタイヤTの取付けが完了した後は、昇降架台60のハンドル部65(図12参照)を持ち、ブレーキレバー88rを引き操作した状態で、昇降架台60、タイヤ支持テーブル70を上昇力付与機構80の巻取りドラム86のバネ力に抗して押し下げるようにする。これにより、昇降架台60の下降過程で、タイヤ支持テーブル70の回動自由端側が押圧ロッド78のローラ78rによって押し上げられ、タイヤ支持テーブル70は水平位置(倒伏位置)から徐々に起立するようになる。そして、昇降架台60の角形上枠部62が移動台車52のタイヤ支持板56の位置(下限位置)まで下降することで、タイヤ支持テーブル70は所定傾斜角度の起立位置まで回動するようになる。そして、下限位置で、作業者がブレーキレバー88rから手を離すことでブレーキ本体部88のブレーキが掛かり、昇降架台60はこの下限位置に保持される。
【0035】
<本実施形態に係るタイヤ取付け作業補助装置50の長所について>
本実施形態に係るタイヤ取付け作業補助装置50によると、タイヤ支持テーブル70は、起立位置で立てた状態のスペアタイヤTを受け取れるように構成されている。このため、スペアタイヤTを転がしながらタイヤ支持テーブル70にセットできるようになり、従来のように、スペアタイヤTを持ってセットする場合と比較して、作業者の負担軽減を図ることができる。
また、テーブル回動機構77の働きで、移動台車52に対して昇降架台60が上昇する動作により、タイヤ支持テーブル70が起立位置から水平位置まで回動し、そのタイヤ支持テーブル70に支持されているスペアタイヤTを起立状態から水平に寝かせることができる。即ち、スペアタイヤTを水平な状態で上昇させることができるため、スペアタイヤTを車両Cの床下に取付け易くなる。
さらに、昇降架台60は上昇力付与機構80により上昇方向の力を受けているため、スペアタイヤTの持ち上げが容易になる。
【0036】
また、移動台車52に対して昇降架台60が上昇する動作により、タイヤ支持テーブル70が起立位置から水平位置まで回動する構成のため、タイヤ支持テーブル70を回動させるためのモータ等の駆動源が不要になる。
また、上昇力付与機構80の巻取りドラム86(上昇駆動源)は、バネ力により昇降架台60を引き上げる構成のため、ランニングコストが掛らない。
また、移動台車52と昇降架台60間には、昇降架台60の昇降を禁止する昇降ブレーキ87が設けられており、昇降ブレーキ87を動作状態と動作解除状態とに切替えるためのブレーキレバー88r(操作レバー)が昇降架台60に設けられている。このため、スペアタイヤTを車両Cの床下に固定する際に、ブレーキレバー88rにより昇降ブレーキ87の動作タイミングを調整して、スペアタイヤTの高さ位置を調整することができる。
【0037】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態に係るタイヤ取付け作業補助装置50の上昇力付与機構80では、バネ力を利用した巻取りドラム86でワイヤ84を巻取り、昇降架台60を引き上げるようにする例を示した。しかし、巻取りドラム86の代わりに、例えば、重りを使用する構成でも可能である。また、巻取りドラム86のバネ力を小さくできるように、滑車82を複数設ける構成とすることも可能である。
また、本実施形態に係るタイヤ取付け作業補助装置50では、タイヤ支持テーブル70を回動させるテーブル回動機構77を押圧ロッド78とローラ78rとから構成する例を示した。しかし、例えば、タイヤ支持テーブル70の回動自由端側をバネ力等で押上げて起立位置に保持し、昇降架台60を上昇させてスペアタイヤTが車両Cの床下に当接した状態で、さらに昇降架台60を上昇させることで、タイヤ支持テーブル70をバネ力等に抗して水平位置まで回動させる構成でも可能である。
【符号の説明】
【0038】
52・・・・・移動台車
60・・・・・昇降架台
70・・・・・タイヤ支持テーブル
77・・・・・テーブル回動機構
78r・・・・ローラ
78・・・・・押圧ロッド
80・・・・・上昇力付与機構
82・・・・・滑車
84・・・・・ワイヤ(紐状部材)
86・・・・・巻取りドラム(上昇駆動源)
87・・・・・昇降ブレーキ
88r・・・・ブレーキレバー(操作レバー)
88・・・・・ブレーキ本体部
T・・・・・・スペアタイヤ
図1
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