特許第5975091号(P5975091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5975091
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】荷物積載船舶及び荷物積載方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 15/00 20060101AFI20160809BHJP
   B63B 15/02 20060101ALI20160809BHJP
   B63B 29/00 20060101ALI20160809BHJP
   B63B 11/02 20060101ALI20160809BHJP
   B63C 9/00 20060101ALI20160809BHJP
   B63B 19/14 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   B63B15/00 Z
   B63B15/02 Z
   B63B29/00 Z
   B63B11/02
   B63C9/00 Z
   B63B19/14 Z
【請求項の数】23
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-248553(P2014-248553)
(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-113115(P2015-113115A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2014年12月10日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0153465
(32)【優先日】2013年12月10日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0066886
(32)【優先日】2014年6月2日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0060018
(32)【優先日】2014年5月19日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0152720
(32)【優先日】2014年11月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514313513
【氏名又は名称】ヒュンデ ヘビー インダストリーズ カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】514313535
【氏名又は名称】チョ,デ スン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】イム,ホン イル
(72)【発明者】
【氏名】キム,ファ ス
(72)【発明者】
【氏名】リ,ビョン ロク
(72)【発明者】
【氏名】リ,ド ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,デ スン
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−044591(JP,A)
【文献】 実開昭54−144590(JP,U)
【文献】 特開昭55−029614(JP,A)
【文献】 特公昭47−015150(JP,B1)
【文献】 米国特許第3361274(US,A)
【文献】 特開昭58−008485(JP,A)
【文献】 実開平02−087695(JP,U)
【文献】 実開昭49−067388(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3110611(JP,U)
【文献】 特開昭58−097588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 15/00,25/00,
27/12,29/02
B65G 69/00−69/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の上部方向に突出し、船体の長さ方向に移動可能な複数の側壁と、
前記複数の側壁の上部に位置するデッキハウスと、
少なくとも前記デッキハウスの下部面及び前記複数の側壁の対向面を介して取り囲まれ、前記船体の長さ方向にオープンした荷物積載部とを備え
前記船体の長さ方向に所定の長さを有する前記複数の側壁は、内部の少なくとも一部に居住空間を有する、荷物積載船舶。
【請求項2】
前記複数の側壁は前記船体に陥没するか、または前記船体から突出し、前記移動側壁の移動を支持する移動支持部備えることを特徴とする請求項1に記載の荷物積載船舶。
【請求項3】
前記移動支持部は、
その両端に前記移動側壁の移動の止めを支援するストッパーを有することを特徴とする請求項2に記載の荷物積載船舶。
【請求項4】
前記デッキハウス及び前記移動側壁が、一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の荷物積載船舶。
【請求項5】
移動過程において前記移動側壁の外れ程度を提供する動作認識センサをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の荷物積載船舶。
【請求項6】
前記デッキハウスは、
少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることを特徴とする請求項に記載
の荷物積載船舶。
【請求項7】
前記デッキハウスは、
少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることを特徴とする請求項4に記載
の荷物積載船舶。
【請求項8】
前記デッキハウスが、前記移動側壁上で前記船体の長さ方向に移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の荷物積載船舶。
【請求項9】
移動過程において前記移動側壁の外れ程度を提供する動作認識センサをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の荷物積載船舶。
【請求項10】
前記デッキハウスは、
少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることを特徴とする請求項9に記載の荷物積載船舶。
【請求項11】
前記デッキハウスは、
少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることを特徴とする請求項8に記載の荷物積載船舶。
【請求項12】
前記デッキハウス及び前記移動側壁が、一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の荷物積載船舶。
【請求項13】
移動過程において前記移動側壁の外れ程度を提供する動作認識センサをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の荷物積載船舶。
【請求項14】
前記デッキハウスは、
少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることを特徴とする請求項13に記載の荷物積載船舶。
【請求項15】
前記デッキハウスが、前記移動側壁上で前記船体の長さ方向に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の荷物積載船舶。
【請求項16】
移動過程において前記移動側壁の外れ程度を提供する動作認識センサをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の荷物積載船舶。
【請求項17】
前記デッキハウスは、
少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることを特徴とする請求項16に記載の荷物積載船舶。
【請求項18】
前記デッキハウス及び前記移動側壁が、一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の荷物積載船舶。
【請求項19】
移動過程において前記移動側壁の外れ程度を提供する動作認識センサをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の荷物積載船舶。
【請求項20】
前記デッキハウスは、
少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることを特徴とする請求項19に記載の荷物積載船舶。
【請求項21】
前記デッキハウスが、前記移動側壁上で前記船体の長さ方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の荷物積載船舶。
【請求項22】
移動過程において前記移動側壁の外れ程度を提供する動作認識センサをさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の荷物積載船舶。
【請求項23】
前記デッキハウスは、
少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることを特徴とする請求項22に記載の荷物積載船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物積載技術に関し、さらに詳細には、船舶の荷物積載量を極大化させることができる荷物積載船舶及び荷物積載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、船舶の居住区は、機関室の上部(1−Island type)または船体中央部の船倉の上部(2−Island type)に位置し、船体と一体に熔接されており、長期間航海する船員のために各種の生活設備を取り揃えている。
【0003】
下記の特許文献1(韓国公開特許第10−2010−0069982号)は、居住区を船舶の中央部に配置し、居住区の下部に燃料油タンクを配置する機関室区域と分離、離隔配置された居住区を有するコンテナ船舶を開示する。このようなコンテナ船舶は、航海時に船橋視野が向上し、同じ大きさの船舶よりコンテナを甲板の上部に多く積載でき、燃料油タンクを二重保護することができる。また、機関室から発生する振動騷音の影響が減少して、機関室区域に隣接する居住区を有する船舶に比べて安楽な船室を維持できる。
【0004】
下記の特許文献2(韓国公開特許第10−2012−0105306号)は、コンテナ船の最適設計のために、船室居住区と燃料タンクを互いに異なる区画に配置して、船室居住区の下部にコンテナを積載できるコンテナ船の船室居住区下部のコンテナ積載方法及び装置を開示する。このような積載方法は、コンテナ船の最適設計のための設計自由度を高くしながら積載できるコンテナの総個数の減少は最小化できる。
【0005】
居住区の下部空間は、一般に燃料油またはその他機器類(例えば、電線等)が配置され、居住区の周辺と共に余裕空間が相存して空間活用面において効率的でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2010−0069982号
【特許文献2】韓国公開特許第10−2012−0105306号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一実施形態は、船舶の荷物積載量を極大化させることができる荷物積載船舶を提供しようとする。
【0008】
本発明の一実施形態は、船舶のデッキハウス下端を船舶の長さ方向に開口して荷物積載量を極大化させることができる荷物積載船舶を提供しようとする。このために、本発明の一実施形態は、少なくともデッキハウスを船舶の長さ方向へ移動させることができる。
【0009】
本発明の一実施形態は、船舶の危急状況発生時に自力で浮上できるデッキハウスを備えた荷物積載船舶を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態において、荷物積載船舶は、船体の上部方向に突出した複数の側壁と、前記複数の側壁の上部に位置するデッキハウスと、少なくとも前記デッキハウスの下部面及び前記複数の側壁の対向面を介して取り囲まれ、前記船体の長さ方向にオープンした荷物積載部とを備える。
【0011】
一実施形態において、前記複数の側壁は、前記デッキハウスと共に前記船体の長さ方向へ移動できる移動側壁と、前記船体に陥没するか、または前記船体から突出し、前記移動側壁の移動を支持する移動支持部とを備える。
【0012】
前記移動支持部は、前記船体の移動方向に沿って前記船体の側面に配置され、前記移動側壁の移動距離を限定することができる。前記移動支持部は、その両端に前記移動側壁の移動の止めを支援するストッパーを有することができる。
【0013】
前記デッキハウス及び前記移動側壁は、一体に形成されて前記移動支持部に向かって折り曲げられることができる。前記移動側壁は、その少なくとも一部において居住区(accommodation)を備えることができる。前記デッキハウス及び前記移動支持部は、動輪、スライディングレールまたはラックピニオンギアを介して前記移動を支援することができる。
【0014】
一実施形態において、荷物積載船舶は、前記移動過程において前記移動側壁の外れ程度を提供する動作認識センサをさらに備えることができる。
【0015】
前記複数の側壁は、前記船体の長さ方向に前記デッキハウスの移動を支持し、前記デッキハウスの下端に形成された移動支持部を備えることができる。
【0016】
一実施形態において、前記デッキハウスは、少なくともその両下端に形成される水密隔壁を備えることができる。前記デッキハウスは、前記水密隔壁に一定大きさ以上の浮力が加えられると、前記複数の側壁から分離されることができる。前記荷物積載部は、前記船体の上部面を開閉できるハッチカバーを介して船倉と分離されることができる。
【0017】
実施形態において、荷物積載船舶は、船体の長さ方向に沿ってデッキハウス(複数の側壁の上部に位置する)を第1位置から第2位置へ移動させるステップと、前記第1位置にある少なくとも前記デッキハウスの下部面及び前記複数の側壁の対向面を介して取り囲まれた荷物積載空間上に、荷物を積載するステップと、前記デッキハウスを前記第2位置から前記第1位置へ復帰させるステップとを含む。
【0018】
一実施形態において、前記デッキハウスを第1位置から第2位置へ移動させるステップは、前記デッキハウスを結合した前記複数の側壁のうち、移動側壁を移動させるステップとを含むことができる。
【0019】
前記荷物を積載するステップは、ハッチカバーを介して前記船体の上部面をオープンして、船倉に前記荷物を積載するステップと、前記ハッチカバーを閉鎖して前記船体の上部面に前記荷物を積載するステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施形態による荷物積載船舶は、船舶の荷物積載量を極大化させることができる。
【0021】
本発明の一実施形態による荷物積載船舶は、船舶のデッキハウス下端を船舶の長さ方向に開口して荷物積載量を極大化させることができる。このために、本発明の一実施形態による荷物積載船舶は、少なくともデッキハウスを船舶の長さ方向へ移動させることができる。
【0022】
本発明の一実施形態による荷物積載船舶は、船舶の危急状況発生時に自力で浮上できるデッキハウスを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本発明の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
図1B】本発明の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
図1C】本発明の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
図1D】本発明の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
図2】本発明の他の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
図3】本発明のさらに他の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
図4A図1にある荷物積載船舶を説明する断面図である。
図4B図1にある荷物積載船舶を説明する断面図である。
図5図1にある荷物積載船舶に積載された複数のカートリッジを例示する断面図である。
図6A】本発明のデッキハウス及び移動支持部の移動を支援する移動部材を例示する図である。
図6B】本発明のデッキハウス及び移動支持部の移動を支援する移動部材を例示する図である。
図7A】本発明のデッキハウスに形成された水密隔壁による浮遊機能を説明する図である。
図7B】本発明のデッキハウスに形成された水密隔壁による浮遊機能を説明する図である。
図8A図2にある荷物積載船舶での荷物積載過程を説明する図である。
図8B図2にある荷物積載船舶での荷物積載過程を説明する図である。
図8C図2にある荷物積載船舶での荷物積載過程を説明する図である。
図8D図2にある荷物積載船舶での荷物積載過程を説明する図である。
図8E図2にある荷物積載船舶での荷物積載過程を説明する図である。
図8F図2にある荷物積載船舶での荷物積載過程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかしながら、本発明は、様々な形態で具現化されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略しており、明細書全般にわたって類似の部分に対しては類似の図面符号を付した。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
【0026】
図1に示すように、荷物積載船舶100は、船体110、複数の側壁120、デッキハウス130及び荷物積載部140を備える。
【0027】
船体110は、波止場ないし港湾に設置された外部クレインを介して複数の荷物10を積載できる複数の船倉を備える。一実施形態において、複数の船倉は、船体110の甲板下から横方向へ設置される船体横撃壁により区分されることができる。
【0028】
船体110は、その上部(すなわち、甲板)の両側面に複数の側壁120を配置できる。すなわち、船体110の甲板の両側面は、複数の側壁120を支持することができ、両側面の長さは、複数の側壁120の幅より大きくありうる。
【0029】
複数の側壁120は、船体110の上部方向に突出して両上部にそれぞれ配置される。複数の側壁120は、船体110の両上部において互いに対応する位置(すなわち、各々の前端及び後端が同じ延長線上にある)に配置されて、デッキハウス130を支持することができる。複数の側壁120は、デッキハウス130の一端及び他端にそれぞれ連結されて、デッキハウス130と一体に形成されることができる。複数の側壁120は、荷物積載船舶100の種類及び大きさのうち、少なくとも一つに応じて、相異なる長さ及び幅を有するように形成されることができる。
【0030】
一実施形態において、複数の側壁120は、動輪、スライディングレールまたはラック−ピニオンギアを介して移動を支援できる。例えば、複数の側壁120は、その下端に動輪が配置されて船体110の両上部に配置されたスライディングレールに沿って船体110の長さ方向へ移動できる。
【0031】
【0032】
荷物積載部140は、少なくともデッキハウス130の下部面及び複数の側壁120の対向面を介して取り囲まれ、船体110の長さ方向にオープンする。荷物積載部140は、船体110の上部面を開閉できるハッチカバー160を介して船体110の内部の船倉と分離できる。一実施形態において、荷物積載部140は、船体110の長さ方向にオープンせずに船首方向または船尾方向が密閉した空間から形成されることができる。
【0033】
一実施形態において、荷物積載船舶100は、動作認識センサ(図示せず)をさらに備えることができる。動作認識センサ(図示せず)は、複数の側壁120の移動過程において複数の側壁120の外れ程度を提供できる。動作認識センサ(図示せず)は、デッキハウス130でのモニターリングを通じて制御されることができ、複数の側壁120の離脱及び損傷を防止できる。例えば、動作認識センサ(図示せず)は、レーザーセンサにより具現化されて、複数の側壁120にレーザーを送信した後、複数の側壁120から反射されるレーザーを受信すると、複数の側壁120が外れないと判断し、レーザーを受信しないと、複数の側壁120が外れたと判断できる。
【0034】
図2は、本発明の他の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
【0035】
図2に示すように、荷物積載船舶200は、船体110、移動側壁220、移動支持部230、デッキハウス130及び荷物積載部240を備える。
【0036】
船体110及びデッキハウス130は、図1にて説明した内容と同一であるから省略する。
【0037】
移動側壁220は、複数の側壁120に備えられ、デッキハウス130と共に船体110の長さ方向へ移動できる。移動側壁220は、移動支持部230により移動が支持されることができる。移動側壁220は、デッキハウス130と一体に形成されて移動支持部230に向かって折り曲げられることができる。移動側壁220は、その少なくとも一部において居住区(accommodation)を備えることができる。
【0038】
一実施形態において、移動側壁220は、動輪、スライディングレールまたはラックピニオンギアを介して移動を支援できる。例えば、移動側壁220は、その下端に動輪が配置されて移動支持部ら230の両上部に配置されたスライディングレールに沿って船体110の長さ方向へ移動できる。
【0039】
移動支持部230は、複数の側壁120に備えられ、船体110に陥没するか、または船体110から突出して移動側壁220の移動を支持することができる。移動支持部230は、船体110の移動方向に沿って船体110の側面に配置され、移動側壁220の移動距離を限定できる。一実施形態において、移動支持部230は、移動側壁220の長さ(すなわち、船体110の長さ方向に該当する)より長く形成されて、移動側壁220が船体110の長さ方向へ移動可能なように支持することができる。
【0040】
移動支持部230は、その両端に移動側壁220の移動の止めを支援するストッパーを有することができる。ストッパーは、移動側壁220が船体110の長さ方向に沿って第1位置から第2位置へ移動すると、第2位置において移動側壁220の移動を止めることができる。
【0041】
荷物積載部240は、少なくともデッキハウス130の下部面、移動側壁220及び移動支持部230の対向面を介して取り囲まれ、船体110の長さ方向にオープンする。
【0042】
一実施形態において、荷物積載船舶200は、動作認識センサ(図示せず)をさらに備えることができる。動作認識センサ(図示せず)は、移動側壁220の移動過程において移動側壁220の外れ程度を提供できる。動作認識センサ(図示せず)は、デッキハウス130でのモニターリングを介して制御でき、移動側壁220の離脱及び損傷を防止できる。例えば、動作認識センサ(図示せず)は、レーザーセンサにより具現化されて、移動側壁220にレーザーを送信した後、移動側壁220から反射されるレーザーを受信すると、移動側壁220が外れないと判断し、レーザーを受信しないと、移動側壁220が外れたと判断できる。
【0043】
図3は、本発明のさらに他の一実施形態による荷物積載船舶を説明する図である。
【0044】
図3に示すように、荷物積載船舶300は、船体110、複数の側壁320、デッキハウス130及び荷物積載部340を備える。
【0045】
船体110及びデッキハウス130は、図1にて説明した内容と同一であるので、省略する。
【0046】
複数の側壁320は、船体110の長さ方向にデッキハウス130の移動を支持し、デッキハウス130の下端に形成された移動支持部を備えることができる。複数の側壁320は、デッキハウス130の長さ(すなわち、船体110の長さ方向に該当する)より長く形成されて、デッキハウス130が船体110の長さ方向へ移動可能なように支持することができる。複数の側壁320は、その両端にデッキハウス130の移動の止めを支援するストッパーを有することができる。
【0047】
一実施形態において、複数の側壁320は、動輪、スライディングレールまたはラック−ピニオンギアを介して移動を支援できる。例えば、複数の側壁320は、その上部にスライディングレールが配置されてデッキハウス130の両下部に配置された動輪がスライディングレールに沿って船体110の長さ方向へ移動するようにすることができる。
【0048】
荷物積載部340は、少なくともデッキハウス130の下部面及び複数の側壁320の対向面により取り囲まれ、船体110の長さ方向にオープンする。
【0049】
一実施形態において、荷物積載船舶300は、動作認識センサ(図示せず)をさらに備えることができる。動作認識センサ(図示せず)は、複数の側壁320の移動過程において複数の側壁320の外れ程度を提供できる。動作認識センサ(図示せず)は、デッキハウス130でのモニターリングにより制御でき、複数の側壁320の離脱及び損傷を防止できる。例えば、動作認識センサ(図示せず)は、レーザーセンサにより具現化されて、複数の側壁320にレーザーを送信した後、複数の側壁320から反射されるレーザーを受信すると、複数の側壁320が外れないと判断し、レーザーを受信しないと複数の側壁320が外れたと判断できる。
【0050】
一方、前記図1、2及び3にて説明した船体110、複数の側壁120、320、移動側壁220、移動支持部230及びデッキハウス130の形状は、一つの例に過ぎず、本発明の権利範囲を限定しない。また、船体110、複数の側壁120、320、移動側壁220、移動支持部230及びデッキハウス130は、船舶の設計要件によって大きさ、形状などの変更が可能である。
【0051】
図4は、図1にある荷物積載船舶を説明する断面図である。
【0052】
図4に示すように、荷物積載船舶100は、ハッチ150及びハッチカバー160が配置されるか、または配置されない。図4の(a)は、ハッチ150及びハッチカバー160が配置された荷物積載船舶100の断面図を示し、図4の(b)は、ハッチ150及びハッチカバー160が配置されない荷物積載船舶100の断面図を示す。
【0053】
ハッチ150は、複数の荷物10を船倉に積載するために船体
110の上部(すなわち、最上甲板)に形成された開口部に該当し、その上部にハッチカバー160が配置される。
【0054】
ハッチカバー160は、ハッチ150の上部に形成されて荷物積載部140と船倉とを分離できる。ハッチカバー160は、ハッチ150を開閉する装置であって、鋼材から製作されることができる。一実施形態において、ハッチカバー160は、外部衝撃から安全なように充分の強度を有し、水密(ここで、水密は、機械または装置のある部分に満たされた水が外部に漏れずに密封している状態に該当する)が良好に製作されることができる。
【0055】
ハッチカバー160は、機械により作動されて迅速な開閉が可能なように具現化されることができる。例えば、ハッチカバー160は、ポンツーンタイプ(Pontoon Type)、シングルフルタイプ(Single Type)、折り畳みタイプ(Folding Type)またはローリングタイプ(Rolling Type)のうちの何れか一つにより具現化されることができる。
【0056】
荷物の積載過程は、ハッチ150及びハッチカバー160が配置された荷物積載船舶100とハッチ150及びハッチカバー160が配置されない荷物積載船舶100とに同様に適用されることができる。
【0057】
図5は、図1にある荷物積載船舶に積載された複数のカートリッジを例示する断面図である。
【0058】
図5に示すように、複数の船倉は、複数の荷物10または交換可能な複数のカートリッジ20のうちの少なくとも一つが積載されることができる。複数のカートリッジ20は、船舶の運航に使用される燃料(例えば、LNG乃至油類)が貯蔵され、デッキハウス130の下部に形成された船倉に積載されて海上で船舶に燃料を供給するバンカーリング(Bunkering)過程が省略されることができる。一実施形態において、複数のカートリッジ20は、一つずつ交換できるように積載されることができる。
【0059】
図6は、本発明のデッキハウス及び移動支持部の移動を支援する移動部材を例示する図面である。
【0060】
図6に示すように、移動部材は、動輪、スライディングレールまたはラックピニオンギアにより具現化されることができる。以下、移動部材は、動輪及びスライディングレールにより具現されると仮定して説明する。
【0061】
スライディングレール610は、一定高さに突出してH形状の動輪620がその上部に沿って移動可能なようにすることができる。スライディングレール610は、レールクランプ(Rail Clamp)を介して船体110の上部、移動支持部230の上部または複数の側壁320に固定されることができる。
【0062】
動輪620は、複数の側壁120、移動側壁220またはデッキハウス130の両下部のそれぞれに形成された一定深さの溝内部に収容されて特定軸(図示せず)を介して複数の側壁120、移動側壁220またはデッキハウス130に連結されることができる。動輪620は、スライディングレール610に沿って船体110の長さ方向に滑らかに動くことができるように複数構成されることができる。
【0063】
図7は、本発明のデッキハウスに形成された水密隔壁による浮遊機能を説明する図である。
【0064】
図7に示すように、デッキハウス130は、少なくともその両下端に水密隔壁710が形成されて複数の側壁120から分離されることができる。水密隔壁710は、デッキハウス130と複数の側壁120との境界面に形成されて、その内部を区画できる。水密隔壁710は、複数の側壁120に浸水が発生して一定大きさ以上の浮力が加えられると、複数の側壁120との結束が解体されて、複数の側壁120からデッキハウス130を分離させることができる。
【0065】
デッキハウス130は、複数の側壁120から分離された後、水密隔壁710により海水に浮遊できる。
【0066】
図8は、図2にある荷物積載船舶での荷物積載過程を説明する図である。
【0067】
図8に示すように、荷物積載船舶200に荷物10を積載する過程は、荷物積載部240及び荷物積載部240の下部船倉を除いた残りのすべての空間に荷物10が積載されたと仮定して説明する。
【0068】
船体110の長さ方向に沿ってデッキハウス130(複数の側壁の上部に位置する)を第1位置から第2位置へ移動させる(a)。
【0069】
ハッチカバーを介して船体110の上部面をオープンして、第1位置にある少なくともデッキハウス130の下部面にある船倉に荷物10を積載する(b)。
【0070】
ハッチカバーを閉鎖して第1位置にある少なくともデッキハウス130の下部面及び複数の側壁220、230の対向面を介して取り囲まれた荷物積載空間上に荷物を積載する(c)。
【0071】
デッキハウス130を第2位置から第1位置へ復帰させる(d)。
【0072】
ハッチカバーを介して船体110の上部面をオープンして、第2位置にある少なくともデッキハウス130の下部面にある船倉に荷物10を積載する(e)。
【0073】
ハッチカバーを閉鎖して第2位置にある少なくともデッキハウス130の下部面及び複数の側壁220、230の対向面を介して取り囲まれた荷物積載空間上に荷物を積載する(f)。
【0074】
一実施形態において、荷物積載船舶200は、デッキハウス130の干渉を避けて荷物10を積載できるように適切な表示またはガイドを含むことができる。
【0075】
以上、本出願の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から外れない範囲内で本出願を多様に修正及び変更させることができることを理解できるはずである。
【符号の説明】
【0076】
100 荷物積載船舶
200 荷物積載船舶
300 荷物積載船舶
110 船体
120 複数の側壁
320 複数の側壁
130 デッキハウス
140 荷物積載部
240 荷物積載部
340 荷物積載部
150 ハッチ
160 ハッチカバー
220 移動側壁
230 移動支持部
610 移動部材
620 移動部材
710 水密隔壁
10 荷物
20 カートリッジ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F