(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記重複発生通知部は、前記重複検出部により重複が検出された場合に、前記重複の発生を前記他のBMCに対して通知することに加えて、さらに、重複が検出された識別アドレスを宛先として、前記内部ネットワークを介して前記重複の発生を通知することを特徴とする請求項1に記載のBMC。
前記重複発生報知部は、他の情報処理装置に含まれる請求項1または請求項2に記載のBMCから重複の発生を通知された場合にも、該重複の発生を報知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のBMC。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態としての情報処理装置1の機能ブロック構成を
図1に示す。
図1において、情報処理装置1は、BMC(Baseboard Management Controller)10aおよび10bと、出力装置14aおよび14bとを含む。
【0015】
ここで、情報処理装置1は、二重化された機能モジュール(図示せず)を有する装置である。例えば、各機能モジュールには、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等が含まれる。二重化された機能モジュールのうち、一方の機能モジュールは稼働系として動作し、他方は待機系として動作する。また、情報処理装置1には、固定のIP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられている。IPアドレスは、本発明における識別アドレスの一実施形態である。稼働系として動作する機能モジュールは、情報処理装置1に割り当てられた固定のIPアドレスを用いて外部との通信を行う。
【0016】
また、
図1に示すように、情報処理装置1は、ネットワーク90に接続可能となっている。具体的には、例えば、外部接続端子15が、外部のネットワーク90を構成する中継装置等に接続されると、情報処理装置1は、ネットワーク90に接続される。
【0017】
また、
図1に示すように、ネットワーク90には、1つ以上の他の装置9が接続されている。また、各装置9には、IPアドレスが割り当てられている。なお、
図1には、1つの他の装置9を示しているが、本発明の情報処理装置が接続されるネットワークに含まれる他の装置の数を限定するものではない。
【0018】
BMC10aおよび10bは、それぞれ、二重化された各機能モジュールに対する管理処理を実行する装置である。また、BMC10aおよび10bには、それぞれ、別々の固定のIPアドレスが割り当てられている。以降、BMC10aに割り当てられたIPアドレスを、IPアドレスaとも記載する。また、BMC10bに割り当てられたIPアドレスを、IPアドレスbとも記載する。IPアドレスaおよびbは、それぞれ、情報処理装置1に割り当てられた固定のIPアドレスとは異なるアドレスである。
【0019】
また、BMC10aおよび10bは、内部ネットワーク12に接続される。内部ネットワーク12は、情報処理装置1の内部で、IPアドレスを用いた通信が行われるネットワークである。例えば、内部ネットワーク12は、情報処理装置1内に設けられた1つ以上の中継装置121を含んで構成されていてもよい。具体的には、
図2に示すように、内部ネットワーク12は、BMC10aおよび10bにそれぞれ接続される中継装置121aおよび121bを含んでいてもよい。BMC10aおよび10bは、内部ネットワーク12を介して、それぞれIPアドレスaおよびbを用いた通信を行う。したがって、BMC10aおよび10bは、IPアドレスaおよびbを用いて互いに通信可能である。
【0020】
また、内部ネットワーク12は、外部接続端子15を介して、外部のネットワーク90に接続可能となっている。なお、
図1には、1つの外部接続端子15を示しているが、内部ネットワーク12は、複数の外部接続端子15を有していてもよい。例えば、内部ネットワーク12は、
図2に示したように、中継装置121aおよび121bにそれぞれ対応する外部接続端子15aおよび15bを有していてもよい。この場合、内部ネットワーク12は、任意の外部接続端子15により、外部のネットワーク90に接続される。内部ネットワーク12が外部のネットワーク90に接続されると、BMC10aおよび10bは、それぞれIPアドレスaおよびbを用いて、他の装置9と通信可能となる。
【0021】
また、BMC10aおよび10bは、BMC間通信経路13を介して互いに通信可能に接続される。BMC間通信経路13を介する通信では、IPアドレスは用いられない。
【0022】
なお、BMC10aに対して、BMC10bは、本発明における「他のBMC」として機能する。また、BMC10bに対して、BMC10aは、本発明における「他のBMC」として機能する。以降、BMC10aおよび10bを、総称してBMC10とも記載する。また、BMC10aおよび10bのそれぞれに対するBMC10bおよび10aを、総称して「他のBMC10」とも記載する。また、以降、「自装置」とは、BMC10aに含まれる機能ブロックにとってのBMC10a、または、BMC10bに含まれる機能ブロックにとってのBMC10bを指すものとする。
【0023】
出力装置14aおよび14bは、それぞれ、BMC10aおよび10bの状態を表す情報を出力する装置である。以降、出力装置14aおよび14bを、総称して出力装置14とも記載する。例えば、出力装置14は、LED(light emitting diode)ランプによって構成されていてもよい。具体的には、出力装置14は、複数色(例えば2色)に発光するLEDランプを含んで構成されてもよい。例えば、そのようなLEDランプについて、正常色やエラー色を定めておいてもよい。これにより、出力装置14は、点灯中の色により、対応するBMC10が正常であるかエラーであるか示すことが可能である。あるいは、出力装置14は、複数の1色発光のLEDランプの組によって構成されていてもよい。この場合、各LEDランプは、それぞれが異なる色に発光するものであってもよい。この場合も、これらのLEDランプの組について正常色やエラー色を定めておけばよい。これにより、出力装置14は、点灯中の色により、対応するBMC10が正常であるかエラーであるか示すことが可能である。なお、出力装置14は、情報処理装置1の外部から視認可能な位置に設けられることが望ましい。
【0024】
次に、BMC10の機能ブロック構成を、
図3に示す。
【0025】
図3において、BMC10は、接続検出部101と、処理通知部102と、重複検出部103と、重複発生通知部104と、接続制御部105と、重複発生報知部106とを含む。また、BMC10のハードウェア構成の一例を
図4に示す。
図4において、BMC10は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、バスインタフェース1003と、BMC間通信インタフェース1004と、ネットワークインタフェース1005とを含む集積回路によって構成可能である。この場合、メモリ1002には、BMC10を機能させるためのコンピュータ・プログラムおよび各種データが記憶される。また、バスインタフェース1003は、バスを介して管理対象の機能モジュールに含まれる各部品や出力装置14に接続する。また、BMC間通信インタフェース1004は、BMC間通信経路13を介して他のBMC10に接続する。また、ネットワークインタフェース1005は、内部ネットワーク12に接続する。また、プロセッサ1001は、メモリ1002に格納されたコンピュータ・プログラムおよび各種データを読み込んで実行することにより、管理対象の機能モジュールに対する管理処理を行うことに加えて、BMC10の各機能ブロックの機能を実現する。なお、BMC10のハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
【0026】
接続検出部101は、内部ネットワーク12が外部に接続されたことを検出する。例えば、内部ネットワーク12が、情報処理装置1の内部に設けられた中継装置を含んで構成され、内部の中継装置が外部接続端子15に接続されているとする。この場合、接続検出部101は、内部の中継装置の外部接続端子15側のリンクアップを、所定のタイミング毎に確認することにより、外部との接続を検出可能である。
【0027】
処理通知部102は、接続検出部101により内部ネットワーク12の外部との接続が検出されると、他のBMC10に対して、重複検出処理の開始を通知する。この通知は、BMC間通信経路13を介して行われる。
【0028】
また、処理通知部102は、後述の重複検出部103により重複が検出されなかった場合に、重複検出処理の終了を他のBMC10に通知してもよい。この通知も、BMC間通信経路13を介して行われる。
【0029】
重複検出部103は、処理通知部102による重複検出処理の開始の通知後、他のBMC10に割り当てられたIPアドレスを宛先として、応答を要求する情報を送信する。この応答要求は、内部ネットワーク12を介してネットワーク90に送信される。応答要求は、例えば、pingと呼ばれる公知のソフトウェアによって実現されてもよい。そして、重複検出部103は、応答を要求する情報の送信に対する応答があった場合に、IPアドレスの重複として検出する。また、重複検出部103は、応答が所定期間ない場合には、IPアドレスの重複が発生してないと判断する。
【0030】
重複発生通知部104は、重複検出部103により重複が検出された場合に、他のBMC10に対して、重複の発生を通知する。この通知は、BMC間通信経路13を介して行われる。
【0031】
接続制御部105は、他のBMC10から重複検出処理の開始を通知されると、内部ネットワーク12への自装置の接続を無効にする。ここで、BMC10は、内部ネットワーク12への接続が有効な場合に、自装置に割り当てられたIPアドレスを用いた通信が可能である。したがって、接続制御部105により内部ネットワーク12への接続が無効にされると、BMC10は、自装置のIPアドレスを宛先とする他の装置からの通信を受信できずに応答不能となる。
【0032】
また、接続制御部105は、他のBMC10から重複検出処理の終了を通知されると、内部ネットワーク12への自装置の接続を有効にする。
【0033】
重複発生報知部106は、他のBMC10から重複の発生が通知されると、重複の発生を出力装置14を介して報知する。前述のように、出力装置14が、エラー色または正常色に点灯可能なLEDランプによって構成されていることを想定する。この場合、重複発生報知部106は、出力装置14に対して、エラー色に点灯するよう制御する制御信号を送出してもよい。
【0034】
以上のように構成された情報処理装置1におけるBMC10の動作について、
図5を参照して説明する。ここでは、BMC10bに割り当てられたIPアドレスbの重複を、BMC10aが検出する動作について述べる。なお、
図5において、左図は、BMC10aの動作を示す。また、右図は、BMC10bの動作を示す。
【0035】
まず、BMC10aの接続検出部101は、内部ネットワーク12が外部と接続したか否かを判断する(ステップS1)。
【0036】
ここで、接続していないと判断した場合、接続検出部101は、所定期間経過後に、再度ステップS1を実行する。
【0037】
一方、接続したと判断した場合、処理通知部102は、重複検出処理の開始を、BMC間通信経路13を介してBMC10bに通知する(ステップS2)。
【0038】
次に、開始の通知を受けたBMC10bにおいて、接続制御部105は、内部ネットワーク12への自装置の接続を無効にする(ステップS3)。
【0039】
次に、BMC10aの重複検出部103は、BMC10bに割り当てられたIPアドレスbを宛先として、内部ネットワーク12を介して、応答を要求する情報を送信する(ステップS4)。
【0040】
次に、重複検出部103は、ステップS4での応答要求に対する応答を受信したか否かを判断する(ステップS5)。
【0041】
ここで、重複検出部103によって応答が受信された場合、重複検出部103は、IPアドレスbの重複が発生したと判断する(ステップS6)。
【0042】
これは、BMC10bの内部ネットワーク12への接続が無効となっているにもかかわらず受信される応答は、ネットワーク90上の他の装置9からのIPアドレスbを名乗る応答であるとみなせるからである。
【0043】
そこで、この場合、次に、重複発生通知部104は、BMC10bに対して、重複の発生を、BMC間通信経路13を介して通知する(ステップS7)。
【0044】
次に、重複の発生を通知されたBMC10bにおいて、重複発生報知部106は、重複の発生を、出力装置14を介して報知する(ステップS8)。
【0045】
例えば、前述のように、重複発生報知部106は、BMC10bの状態を示すよう設けられた出力装置14としてのLEDランプを、エラー色に点灯させてもよい。
【0046】
一方、ステップS5において、応答が受信されなかった場合の動作を
図6に示す。
【0047】
例えば、重複検出部103は、ステップS4で送信した要求に対する応答を所定期間受信できない場合、応答を受信しなかったと判断するものとする。
【0048】
この場合、重複検出部103は、IPアドレスbの重複は発生していないと判断する(ステップS9)。
【0049】
次に、処理通知部102は、重複検出処理の終了を、BMC間通信経路13を介してBMC10bに通知する(ステップS10)。
【0050】
次に、重複検出処理の終了を通知されたBMC10bにおいて、接続制御部105は、内部ネットワーク12への自装置の接続を有効にする(ステップS11)。
【0051】
以上で、BMC10aは、BMC10bに割り当てられたIPアドレスaの重複検出動作を終了する。
【0052】
続いて、BMC10bは、BMC10aに割り当てられたIPアドレスaの重複検出動作を行ってもよい。なお、BMC10bの重複検出動作については、上記の動作の説明および
図5〜
図6において、BMC10aを10bと読み替え、BMC10bを10aと読み替えることにより同様に説明される。
【0053】
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について述べる。
【0054】
本発明の第1の実施の形態としての情報処理装置は、処理負荷を抑えながら、多重化された情報処理装置におけるBMCの識別アドレスに対する重複を検出することができる。
【0055】
その理由について述べる。本実施の形態では、多重化された機能モジュールをそれぞれ管理するBMCのうち、あるBMCにおいて接続検出部が、内部ネットワークと外部との接続を検出する。すると、そのBMCの処理通知部が、他の機能モジュールを管理する他のBMCに対して、重複検出処理の開始を通知する。すると、重複検出処理の開始を通知された他のBMCでは、接続制御部が、内部ネットワークへの自装置の接続を無効にする。これにより、他のBMCは、自装置に割り当てられたIPアドレスを用いた通信ができない状態となる。そして、重複検出処理の開始を通知したBMCでは、重複検出部が、内部ネットワークを介して、他のBMCに割り当てられた識別アドレスを宛先として応答を要求する情報を送信する。ここで、応答があった場合には、他のBMC以外で、情報処理装置と同じネットワークに属する他の装置が、他のBMCに割り当てられたIPアドレスと同じIPアドレスを名乗って応答していることになる。そこで、重複検出部は、応答があった場合には、識別アドレスの重複として検出することができる。そして、重複発生通知部は、他のBMCに対して、重複の発生を通知する。そして、重複の発生を通知された他のBMCでは、重複発生報知部が、重複の発生を報知するからである。
【0056】
これにより、本実施の形態は、多重化された機能モジュールを有する情報処理装置をネットワークに接続した際に、BMCの識別アドレスの重複に気付かないためにBMC間で正常な通信ができなくなることを防止する。もし、重複に気付かない場合、各機能モジュールを管理するBMCのうち、一方のBMCは、既にネットワークに接続されている他の装置と重複する識別アドレスを有する他のBMCに対して、識別アドレスを用いて通信を試みることになる。すると、一方のBMCは、誤って、他のBMCの代わりに、重複する識別アドレスを有する他の装置との間で通信してしまう場合がある。本実施の形態は、多重化された情報処理装置に含まれるBMC自身が、自装置を含む情報処理装置がネットワークに接続される際に重複をチェックする。したがって、本実施の形態は、そのような識別アドレスの重複によるBMC間通信の障害を防止することになる。
【0057】
また、利用者は、多重化された情報処理装置をネットワークに接続した段階で、該情報処理装置に含まれるBMCの識別アドレスが、既にネットワークに接続されている他の装置のIPアドレスと重複していることを、出力装置の出力に基づき即座に認識できる。その結果、利用者は、ネットワークの構築ミスをより迅速に修正することができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0059】
まず、本発明の第2の実施の形態としての情報処理装置2の機能ブロック構成を
図7に示す。
図7において、情報処理装置2は、本発明の第1の実施の形態としての情報処理装置1に対して、BMC10(10aおよび10b)に替えて、BMC20(20aおよび20b)を備える点が異なる。また、情報処理装置2は、さらに、入力装置26を備える。
【0060】
また、
図7に示すように、情報処理装置2は、ネットワーク90に接続可能となっている。また、ネットワーク90には、1つ以上の他の情報処理装置2が接続されている。なお、
図7には、1つの他の情報処理装置2を示しているが、本発明の情報処理装置が接続されるネットワークに含まれる他の情報処理装置の数を限定するものではない。
【0061】
入力装置26は、重複解消を表す情報のユーザによる入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置26は、操作ボタン(障害クリアボタン)によって構成されていてもよい。
【0062】
また、BMC20の機能ブロック構成を、
図8に示す。BMC20は、本発明の第1の実施の形態としてのBMC10に対して、重複発生通知部104に替えて重複発生通知部204と、接続制御部105に替えて接続制御部205と、重複発生報知部106に替えて重複発生報知部206とを備える点が異なる。また、BMC20は、さらに、重複解消検出部207を備える。なお、BMC20は、
図4を参照して説明した本発明の第1の実施の形態としてのBMC10と同一のハードウェア要素によって構成可能である。ただし、BMC20のハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
【0063】
重複発生通知部204は、重複検出部103により重複が検出された場合に、本発明の第1の実施の形態における重複発生通知部104と同様に、重複の発生を他のBMC20に対して通知する。加えて、本実施の形態では、重複発生通知部204は、さらに、重複が検出されたIPアドレスを宛先として、重複の発生を通知する。なお、他のBMC20への通知は、BMC間通信経路13を介して行われる。また、重複が検出されたIPアドレスへの通知は、内部ネットワーク12を介して行われる。
【0064】
重複発生報知部206は、本発明の第1の実施の形態における重複発生報知部106と同様に、他のBMC20から重複の発生を通知されると、重複の発生を報知する。加えて、本実施の形態では、重複発生報知部206は、他の情報処理装置2に含まれるBMC20から重複の発生を通知された場合にも、該重複の発生を報知する。例えば、重複発生報知部206は、本発明の第1の実施の形態と同様に、自装置に対応する出力装置14としてのLEDランプを、エラー色に点灯させてもよい。
【0065】
また、重複発生報知部206は、後述の重複解消検出部207によって重複の解消が検出されると、重複発生の報知を終了する。例えば、出力装置14がLEDランプによって構成されるとする。この場合、重複発生報知部206は、自装置に対応する出力装置14の発光を、エラー色から正常色に変更すればよい。
【0066】
重複解消検出部207は、重複発生が解消されたことを検出する。例えば、重複解消検出部207は、重複解消を表す情報の入力装置26に対する入力を検出してもよい。前述のように、入力装置26が障害クリアボタンによって構成される場合、重複解消検出部207は、障害クリアボタンの押下を検出すると、重複が解消したとみなしてもよい。
【0067】
接続制御部205は、重複解消検出部207によって重複の解消が検出されると、内部ネットワーク12への自装置の接続を有効にする。
【0068】
以上のように構成された情報処理装置2におけるBMC20の動作について、
図9を参照して説明する。本実施の形態では、ネットワーク90には、既に他の情報処理装置2が接続されているものとする。
【0069】
ここでは、BMC20bに割り当てられたIPアドレスbの重複を、BMC20aが検出する動作について述べる。なお、
図9において、左図は、BMC20aの動作を示す。また、中図は、BMC20bの動作を示す。また、右図は、他の情報処理装置2に含まれるBMC20の動作を示す。
【0070】
まず、情報処理装置2のBMC20aおよび20bは、ステップS1〜S6まで、本発明の第1の実施の形態と同様に動作することにより、BMC20bに割り当てられたIPアドレスbの重複を検出する。ここでは、既にネットワーク90に接続されていた他の情報処理装置2に含まれるBMC20にも、固定のIPアドレスbが割り当てられていたことを想定する。
【0071】
次に、BMC20aの重複発生通知部204は、BMC20bとIPアドレスbとの双方に対して、重複の発生を通知する(ステップS17)。
【0072】
具体的には、重複発生通知部204は、BMC20bに対して、BMC間通信経路13を介して、重複の発生を通知する。さらに、重複発生通知部204は、IPアドレスbを宛先として、内部ネットワーク12を介して、重複の発生を通知する。ここで、BMC20bは、内部ネットワーク12への接続を無効にしている。このため、IPアドレスbを宛先とした通信は、他の情報処理装置2においてIPアドレスbが割り当てられているBMC20が受信することになる。
【0073】
そして、重複の発生を通知されたBMC20bにおいて、重複発生報知部206は、本発明の第1の実施の形態と同様にステップS8を実行し、重複の発生を報知する。
【0074】
また、重複の発生を通知された他の情報処理装置2に含まれるBMC20において、重複発生報知部206は、重複の発生を報知する(ステップS18)。
【0075】
例えば、他の情報処理装置2に含まれるBMC20の重複発生報知部206は、自装置に対応する出力装置14(LEDランプ)をエラー色に点灯させてもよい。
【0076】
また、ステップS5において応答が受信されなかった場合、BMC20aおよび20bは、本発明の第1の実施の形態と同様に
図6に示したステップS9〜S11を実行する。これにより、BMC20bの内部ネットワーク12への接続が有効になる。
【0077】
以上で、BMC20aは、BMC20bに割り当てられたIPアドレスaの重複検出動作を終了する。
【0078】
続いて、BMC20bは、BMC20aに割り当てられたIPアドレスaの重複検出動作を行ってもよい。なお、BMC20bの重複検出動作については、上記の動作の説明および
図9において、BMC20aを20bと読み替え、BMC20bを20aと読み替えることにより同様に説明される。
【0079】
次に、BMC20が、重複解消を検出した際の動作を、
図10に示す。
【0080】
図10では、まず、重複解消検出部207は、重複が解消されたか否かを判断する(ステップS21)。
【0081】
例えば、前述のように、重複解消検出部207は、障害クリアボタンの押下を検出すると、重複が解消されたと判断してもよい。
【0082】
ここで、重複が解消されたと判断された場合、重複発生報知部206は、重複発生の報知を終了する(ステップS22)。
【0083】
また、接続制御部205は、内部ネットワーク12への自装置の接続を有効にする(ステップS23)。
【0084】
なお、ステップS22およびS23は、順不同に実行される。
【0085】
以上で、BMC20は、重複解消検出時の動作を終了する。
【0086】
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について述べる。
【0087】
本発明の第2の実施の形態としての情報処理装置は、処理負荷を抑えながら、多重化された情報処理装置が2つ以上接続されるネットワークにおいて、各情報処理装置に含まれるBMCに割り当てられた識別アドレスの重複を検出することができる。
【0088】
その理由について述べる。本実施の形態では、重複検出部により重複が検出された場合に、重複発生通知部が、他のBMCに重複の発生を通知することに加えて、重複が検出された識別アドレスを宛先として重複の発生を通知する。これにより、他のBMCに加えて、他のBMCに重複する識別アドレスが割り当てられた他の情報処理装置におけるBMCが、重複発生の通知を受信する。そして、重複発生の通知を受信した双方の情報処理装置におけるBMCでは、重複発生報知部が重複発生を報知する。
【0089】
つまり、本実施の形態は、重複する識別アドレスを有する双方の情報処理装置におけるBMCについて、それぞれに対応する出力装置により重複の発生を報知することになる。したがって、利用者は、識別アドレスの重複が発生している双方の情報処理装置におけるBMCを、迅速に認識することができる。そして、利用者は、ネットワークの構築ミスをさらに迅速に修正することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、重複解消検出部によって重複の解消が検出されると、重複発生報知部が、重複発生の報知を終了し、接続制御部が、内部ネットワークへの自装置の接続を有効にする。したがって、本実施の形態は、重複の解消後、迅速に運用を開始することができる。
【0091】
なお、本発明の各実施の形態において、識別アドレスがIPアドレスである例を中心に説明したが、IPアドレスに限るものではない。識別アドレスは、ネットワークを介した通信の際に各装置を識別可能なアドレスであれば、他のプロトコルに基づくアドレスであってもよい。
【0092】
また、本発明の各実施の形態において、情報処理装置は、二重化された機能モジュールをそれぞれ管理する2つのBMCを含む例を中心に説明した。ただし、本発明における情報処理装置の多重度および含まれるBMCの数を限定するものではない。例えば、各実施の形態のBMCは、多重度が3以上の情報処理装置においてそれぞれの機能モジュールを管理するBMCとしても適用可能である。
【0093】
また、本発明の各実施の形態において、重複発生報知部は、出力装置としてのLEDランプをエラー色に点灯させることにより重複発生を報知する例を中心に説明した。ただし、本発明における重複を報知する出力装置の構成および報知方法を限定するものではない。例えば、重複発生報知部は、出力装置としての表示装置に、重複発生を表す情報を表示してもよい。その他、重複発生報知部は、多重化された情報処理装置に含まれるBMCのうちいずれのBMCに割り当てられた識別アドレスに重複が発生しているかを報知可能な手法であれば、その他の出力装置やその他の手法を用いて報知を行ってもよい。
【0094】
また、本発明の第2の実施の形態において、重複解消検出部は、入力装置を介して入力される情報に基づき重複解消を検出する例を中心に説明した。ただし、本発明おける重複検出の手法は限定されない。重複解消検出部は、その他の公知の手法により識別アドレスの重複が解消されたことを検出してもよい。
【0095】
また、本発明の第2の実施の形態において、入力装置として操作ボタン(障害クリアボタン)を適用する例を中心に説明したが、入力装置の構成を限定するものではない。例えば、入力装置は、キーボードによって構成されていてもよい。その場合、重複解消検出部は、例えば、キーボードに対する所定キーの入力を、重複解消を表す情報として検出してもよい。
【0096】
また、本発明の各実施の形態において、BMCの各機能ブロックが、メモリに記憶されたコンピュータ・プログラムを実行するプロセッサによって実現される例を中心に説明した。これに限らず、各機能ブロックの一部、全部、または、それらの組み合わせが専用のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0097】
また、上述した本発明の各実施の形態において、各フローチャートを参照して説明したBMCの動作を、本発明のコンピュータ・プログラムとしてメモリ(記憶媒体)に格納しておく。そして、係るコンピュータ・プログラムをプロセッサが読み出して実行するようにしてもよい。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコードあるいは記憶媒体によって構成される。
【0098】
また、上述した各実施の形態は、適宜組み合わせて実施されることが可能である。
【0099】
また、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、様々な態様で実施されることが可能である。