特許第5975275号(P5975275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5975275
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】杖に仕込ませた写真機用脚立
(51)【国際特許分類】
   A45B 3/00 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   A45B3/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-178339(P2012-178339)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-33924(P2014-33924A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】506100945
【氏名又は名称】中野 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】中野 勝彦
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−210194(JP,A)
【文献】 特開2010−264214(JP,A)
【文献】 実開昭48−113935(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3166753(JP,U)
【文献】 特開平09−248208(JP,A)
【文献】 実公昭11−005585(JP,Y1)
【文献】 実開昭59−118896(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
杖と、
杖を構成する柱部分にあって、柱部分の長手方向に沿うように設けられる3本の三脚用足部と、柱部分の長手方向にスライドさせた三脚用足部を開脚させる円錐形又は角錐形のガイドと、三脚用足部の上端部を束ねて押さえる固定部材と、固定部材の上側に設けられ三脚用足部の閉脚時及び開脚時に三脚用足部の可動を規制する異形袋ナットと、
を備え、異形袋ナットは、三脚用足部の閉脚時にあってはガイドとの間に三脚用足部を挟むように杖の柱部分と螺合し、三脚用足部の開脚時にあってガイドと螺合することを特徴とする杖に仕込ませた写真機用脚立。
【請求項2】
ガイドには、三脚用足部をガイドに沿わせて導くための溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の杖に仕込ませた写真機用脚立。
【請求項3】
三脚用足部には、開閉状態を制限するための鎖又は紐状の部材を連通したことを特徴とする請求項1又は2記載の杖に仕込ませた写真機用脚立。
【請求項4】
三脚用足部の上端部及び下端部並びに固定部材が三脚用足部と当接する部分に磁石を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の杖に仕込ませた写真機用脚立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、杖と写真機用脚立を両立させたものである。
【背景技術】
【0002】
杖の特徴は人間が歩行する場合において体重移動するが杖を使うと体重移動を杖の支えにより歩行を助ける上、より安全に歩行が可能である。一方、写真機用脚立は撮影時には手振れを防止するために使用したいが持ち運びが極めて面倒で邪魔になるのが現状である。ここで、杖と三脚を両立させたものとして、次の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−52428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は杖の中に3本の脚を収納させる方法であるが、以下のような課題がある。
(1)脚を収納させる杖の部分について特に太さは指示されていないが、太くなれば杖としての用途には不向きである。
(2)脚の部分の材質は鋼線となっているが、鋼線は0.8ミリと為ると硬くて手に負えない。曲がったら曲がったままになる。ステンレスはもっと硬くて手で曲げることも不可能である。0.3ミリ位だと両手で折り曲げられるが、曲げたら元に戻そうとしても元通りにはなならい。細い鉄パイプにしても曲げ伸ばしは不可能である。H型の形状は傘の骨であるが、周知のように湾曲にはなるが横の力には脆弱である。脚立として使用する場合は上からの重量と横ぶれに耐えなければならない。杖本体の重量と写真機の重量に人間の手のアクションによる重みが加わるので、写真機をセットした場合安定性、固定がもっとも重要である。杖に使用していて即座に写真機をセットして撮影すると為ると簡便さが要求される。しかし、この必要な要件を何にも満たされていない。因ってこのような技術的思想は現実性が無いと思われる。
【0005】
そこで、本願発明者は、前述した杖の特徴に加えて、邪魔な写真機用脚立を組みながらも、杖も軽量でしかも写真機用脚立も軽量で、嵩張らないことが持ち運び、携帯には最重要課題であると認識し、本願発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の発明は、杖と、杖を構成する柱部分にあって、柱部分の長手方向に沿うように設けられる3本の三脚用足部と、柱部分の長手方向にスライドさせた三脚用足部を開脚させる円錐形又は角錐形のガイドと、三脚用足部の上端部を束ねて押さえる固定部材と、固定部材の上側に設けられ三脚用足部の閉脚時及び開脚時に三脚用足部の可動を規制する異形袋ナットと、を備えたことを特徴とする杖に仕込ませた写真機用脚立である。
第2の発明は、異形袋ナットが、三脚用足部の閉脚時にあってはガイドとの間に三脚用足部を挟むように杖の柱部分と螺合し、三脚用足部の開脚時にあってガイドと螺合することを特徴とする同杖に仕込ませた写真機用脚立である。
第3の発明は、ガイドには、三脚用足部をガイドに沿わせて導くための溝を形成したことを特徴とする同杖に仕込ませた写真機用脚立である。
第4の発明は、三脚用足部には、開閉状態を制限するための鎖又は紐状の部材を連通したことを特徴とする同杖に仕込ませた写真機用脚立である。
第5の発明は、三脚用足部の上端部及び下端部並びに固定部材が三脚用足部と当接する部分に磁石を備えたことを特徴とする同杖に仕込ませた写真機用脚立である。
【0007】
素材はアルミニューム、磁石(合成樹脂、FRP、UV,鉄、カーボン、竹、木)で試作品を製作した。大変軽く丈夫で携帯に支障を来たすことなく目的を達することが出来る。小型の磁石を要所要所に取り付けたことにより、杖から三脚が外れることなく、固定している。いざ撮影となれば三脚をずらし、固定部品にセットすれば三脚は安定する。杖の握り部分に隠れているボールトを出してカメラに固定する。水平から斜頚変更はつまみ式のオスねじで調整できる。
旅行に出かける場合など本願発明品を携えて、歩行には杖として歩きの補助として使用しながら、いざ撮影に関して写真機を取り付け近景撮影から望遠撮影まで、手振れ防止に役立つことと思われる。
各部材および寸法は使用する人間の大きさ背丈の高さにより随時選定可能のためあえて限定するものではないが、一応日本人の平均身長にあわせて設定した(図1参照)。この製品の特徴は本願発明だけに限定する。
【発明の効果】
【0008】
上記発明によれば、以下のような効果を有する。
最近の小型軽量なデジタルカメラの機能が向上して大型機種並みの性能が組み込まれている。特に望遠レンズの装置を使って撮影する場合は手振れが生じやすく、上手に撮影が出来ないのが現状である。この本願発明品はすばやく杖から脚立に変わるので写真機をセットして撮影に望める。因って大型サイズの機種もセットすることが可能である。発明品は軽量かつ小型に設計した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願発明に係わる杖としての説明する見取り図
図2】本願発明に係わる杖を写真機用脚立にする場合を説明する見取り図
図3】本願発明に係わる杖の握り部分にカメラを固定して撮影する説明図
図4】本願発明に係わる杖の柱部分の説明図
図5】本願発明に係わる撮影用三脚の詳細説明図
図6】本願発明に係わる三脚の固定、安定部品の詳細説明図
図7】本願発明に係わる三脚の固定部品の詳細説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1
通常の杖としての機能を有し、写真撮影用の脚立を組み込んでいる。三脚の部材は杖に組み込まれている。三脚の脚は上下に強力な磁石が組み込まれている。固定部品の上部と内部に磁石が組み込まれているので磁石の力で柱から外れない。
【0011】
図2
図2は、図1を写真機撮影用にセットした図である。1は杖の握り部分であり写真機の固定ボールトと水平、斜頚が可能である。2は20ミリパイの外形であり、撮影時にカメラ目線を上に伸ばすことが可能で有る。3は微調整させる留め具であり、柱にはねじ山がきってあり袋ナットで固定、移動が出来ます。
4は15ミリパイのパイプであり、このパイプに沿って三脚(6)を下まで下げると図5固定部品により固定安定される。なおかつ、図7の5−2の固定部品により三脚を上から押さえ、図7の5−1の異形袋ナット(図4の5−1)が図4の4−4に固定する。三脚は図5の6−a、6−bの鎖で開閉が制限されるので、図4の5−3に固定する。
【0012】
図3
図3は、杖の握り部分の詳細図である。
1は杖の握り部分です、a図の握りは水平状態です。3はハンドルの詳細図を参考に説明すると、カメラ取り付けのネジを上げ下げをさせるダイヤルである。すなわち、3を捻ると2が出てくるカメラの固定ねじである。逆に捻ると2がハンドルの中に納まり、杖にしたときに邪魔にならない。4はオスねじでカメラの方向を微調整できる。5は1の握り部分を6の柱に固定している袋ナットである。
7はハンドルと杖の柱をつなぐ4の穴である。8は2のボールトがスムースに回転するためのワッシャーである。9はハンドルと杖の柱をつなぐ部品であり、水平から任意の斜頚角度にするためであるが、形状は円弧にして有る。表面は摩擦が生じる様に表面をざらつかせて有るので、4をまし締めすると任意の角度に固定されます。
b図は握りを上下に移動している説明図である。
【0013】
図4
図4は、杖の柱部分の説明図である。2−1柱の上部20パイ、3−1は柱の高さ調整と撮影時にカメラ目線により引き伸ばして使用可能、3−2は5−1の袋ナットの固定用ねじ、4−1は2−1を引き伸ばして使用する場合の調整穴、4−2は4−4に取り付けた袋ナット用ねじ三脚の浮き上がりをさせないため5−2を固定させる。4−3は鉄材である。三脚を杖の状態にする時には開いたままでは邪魔になるので4−4に固定する。その場合4−3と三脚下に6−1(図5参照)の強力磁石が付いているから磁力により固定する。また三脚にセットした場合三脚の上部にも6−1の磁石がついているから(図5参照)、磁力で外れない。5−3は三脚固定、安定部品つまりガイドである。5ミリの溝が掘ってあるため三脚の棒は三角形の溝に容易に収まり固定されて安定する。5−4は杖の下部であり5−6の調節あなにより内部に入っている伸縮パイプを出し杖の高さを微調整できる。5−5は杖の石突きゴムカバー。
【0014】
図5
図5は、三脚の詳細説明図である。足の太さは12ミリパイにしたが、この限りでは無い。6−1磁石、6−2脚、長さは三本同じ長さにする。6−3設定した脚の長さに対して延長可能伸縮脚を内蔵、この脚を伸ばすことにより、脚立全体の高さを高くすることも可能であり、足場の悪い場所にも対応可能である。6−4の穴に6−a鎖を通し脚を開くときの固定になる。6−5の穴に6−bを通し脚が開きすぎない固定鎖を通す。2−5は三脚固定安定部品三角錘に平面的に三角の位置に5ミリの深さの溝をつけてあり、この溝に沿って三脚をセットする。
【0015】
図6
図6は、2−5の詳細図である。円錐形の部材に平面から三角形になるように溝を掘ってある。これは三脚の部材三本が正しく三角形になるガイドであり、図4の5−2で押さえて同5−1の袋ナットで締めつけるとこのガイドにより三脚は固定しているので脚立全体は安定する。なお、図6のaは円錐形の部品を使わずに2枚の板状の部材も考えられるので詳細図に入れておく。
【0016】
図7
図7は、5−1〜5−7の詳細図である。5−1は異型袋ナットである。上部の溝の役目は杖にしたときに図2の2の柱に固定する。三脚をセットする場合脚を押し下げて5−2で三脚を固定する。同袋ナットの下部は図6の2−6のオスねじに増しねじ固定することにより5−2が三脚の下からの圧力に対して固定されて脚立は安定を保つ。5−2の内側のベースに鉄板を貼り強力な磁石を上下に取り付けてある。5−3磁石を取り付けてあるのは杖にした場合、三本の三脚を上部に押し上げても5−2の磁石へ磁力によりくっ付いているので杖として使っても容易に外れない。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本願発明に係る製品は、ますます発展してゆくカメラ業界、と脚立の必要な写真撮影において、望遠など手振れ防止策における脚立の必要性を考えた。しかし脚立は嵩張るという思いをなくせば撮影にはどんなに便利か又、人間社会において高齢化が進んでいる現状高齢者の趣味としてカメラは大変な人気になっている現状特に旅行には必需品となっており、撮影の未熟者、老人などに少しでも援助になるようにと杖に脚立の役目を持たせたものである。
【符号の説明】
【0018】
図1] 杖の見取り図
図2] 杖を写真機用脚立にした見取り図
1 杖の握りの部分
2 杖の柱、伸ばして撮影用カメラ目線に調節
3 4の柱とのジョイントオスねじ、杖の高さの微調整穴
4 杖の柱部分2の中に入る太さ
5 三脚部分を押し下げて固定部材にセットした図
6 三脚部材の説明図
図3] 杖の握り部分詳細図
a 握り部分の水平状態
b 握り部分を上下に移動した詳細図
1 杖の握り部分
2 カメラを取り付けるボールトネジ
3 カメラ取り付けボールトネジを上下させるためのダイヤル
4 指で締めたり緩めたり出来るネジを使いその調節により、ハンドルの水平と斜頚することが可能
5 ハンドル[握り]部分と柱をつなぐ袋ナット
6 杖の柱
7 杖の柱と握り(ハンドル)を4のボールトでとめる穴
8 カメラを取り付けるボールトを上げ下げするときにスムースにボールトが回転するためのワッシャー
9 握り(ハンドル)部分と杖の部分に接続させる部品である。形状を円弧にすることにより水平から任意の斜頚角度になる。この部品の表面は凸凹させた状態にする又受けの部分も滑らないように凸凹状態にする。
図4] 柱部分詳細図
2−1 柱上下にスライドさせて撮影時に伸ばすことが可能
3−1 杖の高さ調節、スライド時の調節穴
3−2 5−1をとめるオスねじ
4−1 2−1の柱をとめる穴
4−2 4−4につけたオスねじ5−1の異型袋ナットを止める。
4−3 磁石がくっ付きやすい金属版図5の三脚に付けて居る磁石が杖の状態にセットしている時には磁力により三脚が容易に外れない役目
5−1 異型袋ナット
5−2 三脚にした時の押さえ部品
5−3 三本の三脚を固定安定するガイド
5−4 杖の下部
5−5 杖の石突き
5−6 杖の高さ調節穴
5−7 内部に入れた伸縮可能な柱。
図5] 三本の三脚の詳細図
6−1 磁石
6−2 三脚部材
6−3 三脚部材の長さよりも引き伸ばして使用する場合の部材
6−4 三脚をとめておく穴この穴に計算された必要な長さの鎖6−aを通す
6−5 三脚が計算上に設定された角度に保つように鎖6−bを通す穴
6−6 6−3を引き伸ばすときの穴
図6] 三脚をセットするときに用いる円錐形のガイドおよび固定安定させる部品
2−5 円錐形の部材に柱が通る穴を開ける、
2−6 柱に取り付けたオスねじ
2−7 2−5の円錐形の部材を平面的に正三角形に為る位置に10ミリパイの幅で5ミリの深さの溝を掘る。この円錐形の角度により脚がこの角度の三角形になる。尚、溝に脚をはめ込むことにより三角形がずれることは無く、固定安定させることが出来き、しかもすばやくセットできる。
a 上下2枚の板を使用してもガイドの役割は果たすが今回は円錐形の部材にした。
図7] 異型袋ナット、固定部材の説明
5−1 異型袋ナット
5−2 三脚の固定と杖にした時の三脚の固定する仕掛け
5−3 磁石を5−2の内部に取り付ける、三脚を終い杖の柱に取り付ける場合、三脚の上部につけた磁石と5−3の磁石が反応して強固にくっ付く事により杖の柱から簡単には外れない。
5−4 5−3の磁石の磁力を有効にするために5−2の内側に鉄板を取り付け5−3の磁石を貼り付ける。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7