【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
ドア用電装品のスイッチの周りを覆うスイッチベゼルがメインボードに取り付けられ、
前記スイッチベゼルに隣接するオーナメントが前記メインボード又は前記スイッチベゼルに取り付けられているドアトリムであって、
前記スイッチベゼルの第1固定部が、前記メインボードの第1被固定部に車幅方向に固定されるとともに、前記スイッチベゼルの第2固定部が前記メインボードの第2被固定部に上下方向に固定され、
前記オーナメントの第3固定部が、前記メインボード又はスイッチベゼルの第3被固定部に車幅方向に固定され、
前記第1固定部と第2固定部は前記スイッチベゼルに上下に並んで一体に設けられている点にある。(請求項1)
【0006】
一般に、スイッチベゼルはアームレストとして使用され、上方を向くベゼル面(肘掛面)を備えている。このベゼル面に肘掛に耐えるだけの耐久性を備えさせるには、前記ベゼル面をメインボードに車両の上下方向に固定することが有効である。本発明の上記の構成によれば、スイッチベゼルの第2固定部がメインボードの第2被固定部に上下方向に固定されているから、前記ベゼル面に前記耐久性を備えさせることができる。これにより、スイッチベゼルがアームレストとして使用される場合、スイッチベゼルにアームレストとしての機能を十分発揮させることができる。
また、本発明の上記構成によれば、スイッチベゼルの第1固定部がメインボードの第1被固定部に車幅方向に固定され、オーナメントの第3固定部がメインボード又はスイッチベゼルの第3被固定部に車幅方向に固定されている。従って、自動車の側突時にドアトリムに加わる側方からの衝撃荷重に対して、ドアトリムが強い構造になる。その結果、衝撃荷重に対する耐久性を向上させることができ、オーナメントのように加飾によりじん性が低下した部品を備えたドアトリムに特に有効になる。これにより、自動車の衝突時のドアトリムの部品の分離を防止することができて、安全性を向上させることができる。つまり、スイッチベゼルにアームレストとしての機能を発揮させることと、自動車の衝突時に部品が分離することを防止することとを両立させることができる。
さらに、前記第1固定部と第2固定部は前記スイッチベゼルに上下に並んで一体に設けられているから、スイッチベゼルの固定部の構造自体の強度を向上させることができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記スイッチベゼルの第1固定部と前記メインボードの第1被固定部から成る第1固定構造は、前記オーナメントの第3固定部と前記メインボード又はスイッチベゼルの第3被固定部とから成る第3固定構造に対して車幅方向に間隔を空けて位置していると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
一般に、衝撃荷重を受けた場合には、一方の部品の固定部と他方の部品の被固定部から成る固定構造に荷重が集中する。そのために、固定構造が一か所にまとまっていると、固定構造が破壊する虞がある。
これに対して、本発明の上記構成によれば、車体側方からの衝撃荷重(側突荷重)に強い第1固定構造と第3固定構造を車幅方向に互いに離間させてある。従って、乗員近くに配置されているオーナメントに車体側方から衝撃荷重が到達するまでに、衝撃荷重を最初に第1固定構造で受け、次に第3固定構造で受けることができて、衝撃荷重を分散させることができる。これにより、第1固定構造と第3固定構造の耐久性を向上させることができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記スイッチベゼルの第1固定部は第2固定部の上方に位置し、
前記第3被固定部は前記スイッチベゼルに前記第1固定部よりも車室内側に位置する状態に設けられ、
前記オーナメントの第3固定部は前記スイッチベゼルの第3被固定部に車室内側から固定され、
前記スイッチベゼルの第1固定部の上端部と前記スイッチベゼルの第3被固定部の上端部とが前記スイッチベゼルの第1連結部で連結され、
前記第1連結部に設けられた第4被固定部に他部品の第4固定部が固定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
第1固定構造と第3固定構造とを車幅方向に離間させたことにより、スイッチベゼルの第1固定部(第1固定構造の第1固定部)の上端部と、スイッチベゼルの第3被固定部(第3固定構造の第3被固定部)の上端部とを連結するスイッチベゼルの第1連結部に大きな衝撃荷重が加わる。本発明の上記構成によれば、第1連結部に設けられた第4被固定部に他部品の第4固定部が固定されているから、第1連結部を補強することができる。その結果、第1固定構造と第3固定構造とを車幅方向に離間させた構造でありながら、第1連結部の折れを防止することができる。(請求項3)
【0011】
本発明において、
前記スイッチベゼルの第3被固定部の下方に第5固定部が設けられ、
前記第5固定部が前記メインボードの第5被固定部に固定され、
前記メインボードの第2被固定部と第5被固定部とは前記メインボードの第2連結部で連結されていると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
【0012】
前記第1固定部を含むスイッチベゼル部分と、スイッチベゼルの第1連結部と、前記第3被固定部を含むスイッチベゼル部分と、第1被固定部を含むメインボード部分と、第2被固定部を含むメインボード部分と、メインボードの第2連結部と、第5被固定部を含むメインボード部分とで閉じ断面が形成される。その結果、スイッチベゼルとメインボードとオーナメントの固定構造の補強効果を高めることができる。(請求項4)
【0013】
本発明において、
前記第1固定構造は前記第3固定構造に対して車両前後方向に間隔を空けて位置していると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0014】
例えば、第1固定構造と第3固定構造が車両前後方向で同一位置に位置していると、車体側方からの衝撃荷重(側突荷重)が第1固定部から第3固定部に最短距離で伝わる。
これに対して、本発明の上記構成によれば、第1固定構造と第3固定構造を車両前後方向に互いに離間させてあるから、前記衝撃荷重が第1固定構造から第3固定構造に最短距離で伝達することを防止することができ、衝撃荷重を分散することができる。これにより、第1固定構造と第3固定構造の耐久性を、より向上させることができる。(請求項5)
【0015】
本発明において、
前記スイッチベゼルはドア前後方向に長く形成され、
前記スイッチベゼルの第1固定部と第2固定部は前記スイッチベゼルの長手方向の端部に設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項6)
【0016】
スイッチベゼルがメインボードから分離する場合、スイッチベゼルの長手方向の端部から分離し始めることが多い。本発明の上記構成によれば、前記スイッチベゼルの第1固定部と第2固定部は前記スイッチベゼルの長手方向の端部に設けられているから、スイッチベゼルの長手方向の端部がメインボードに強固に固定される。従って、自動車の衝突時にスイッチベゼルがメインボードから分離することを確実に防止することができる。(請求項6)
【0017】
本発明において、
前記オーナメントはドア前後方向に長く形成され、
前記オーナメントの上下両端部は前記オーナメントの裏面側に折曲され、
前記スイッチベゼルとメインボードに、上下方向で対向する上側嵌合部と下側嵌合部がドア前後方向に沿って各別に設けられ、
前記オーナメントの上下両端部が前記上側嵌合部と下側嵌合部に内嵌していると、次の作用を奏することができる。(請求項7)
【0018】
オーナメントが前記衝撃荷重を受けた時に、オーナメントの上下両端部がスイッチベゼルの上側嵌合部と、メインボードの下側嵌合部に受け止められて、オーナメントがメインボードとスイッチベゼルから分離することを防止することができる。(請求項7)