(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記識別図柄に付随して停止または仮停止した少なくとも二つの前記特定図柄に割り当てられた前記第一特性の組み合わせが所定の組み合わせである場合には、当該少なくとも二つの特定図柄とともに前記合成図柄が表示されることを示唆する結合図柄が表示されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、
図1では、遊技機1の枠体、遊技球を発射する発射装置、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は省略している。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0013】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0014】
遊技領域902には、表示装置91、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91は、後述する報知演出や選択演出に用いられる。かかる表示装置91の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。
【0015】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0016】
このような遊技機1では、発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。大当たりの抽選(当否判定)は、始動入賞口904または905への遊技球の入賞を契機として実行する。その他の構成等は公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。
【0017】
本実施形態にかかる遊技機1には、当否判定結果を報知する演出の一つとして「配合演出」が搭載されている。以下、かかる配合演出について詳細に説明する。なお、本実施形態における配合演出は、
図2に示すサブ制御基板52によって制御されるものである。サブ制御基板52は、大当たりの判定等を実行する主制御基板51から送られた信号(コマンド)に応じて、各種演出の態様を決定・制御する。
【0018】
図3のコマンド受信処理(S1)に示すように、主制御基板51から信号を受信したサブ制御基板52は、その信号に基づき、実行する演出を決定する。サブ制御基板52によって配合演出を実行することが決定された場合(S1−1「Yes」)には、配合予告処理を行う。配合演出を実行しない場合(S1−1「No」)には、配合演出以外の演出から実行する演出を決定する(S1−2)。配合演出以外の演出はどのようなものであってもよいため、説明を省略する。
【0019】
図4に示す配合予告処理(S2)では、まず、主制御基板51から受信したコマンドが大当たりとなるものかどうか(つまり、配合演出によって報知される当否判定結果が、大当たりとなるものかどうか)が判断される(S2−1)。大当たりとなるものである場合(S2−1「Yes」)には、大当たり時の配合演出テーブルから実行する演出(演出パターン)を選択する(S2−2)。大当たり時の配合演出テーブルに含まれる配合演出は、全て、最終的に大当たりであることが報知される演出である。大当たりでない、すなわちはずれとなる場合(S2−1「No」)には、はずれ時の配合演出テーブルから実行する演出(演出パターン)を選択する(S2−3)。はずれ時の配合演出テーブルに含まれる配合演出は、全て、最終的にはずれであることが報知される演出である。以下の具体例で説明するように、配合演出には種々のパターンが考えられる。大当たり時の配合演出テーブルやはずれ時の配合演出テーブルの内容、すなわち大当たり時やはずれ時における各配合演出の選択されやすさ(各配合演出のいわゆる大当たり信頼度)は、適宜設定することが可能である。本例は、後述する合成図柄の第二特性が、大当たりの信頼度に影響を与えるものとなる。
【0020】
配合演出の具体例について説明する。
図6に、配合演出の一例である第一具体例を示す。ある当否判定結果が報知されるに際し、表示装置91に表示される識別図柄(識別図柄群)が変動を開始する(
図6(a)参照)。本例では、表示装置91の左、中、右に複数の識別図柄から構成される識別図柄群が配列されている。
図5に示すように、本例における識別図柄は、「1」から「7」までの数字であって、一部は詳細を後述する特定図柄と一体化されている。変動を開始した左、中、右の識別図柄群は、それぞれが一の識別図柄を表示させた状態で停止する。停止した左識別図柄、中識別図柄、右識別図柄の組み合わせにより大当たりか否か(当否判定結果)を報知する。本例では、大当たりである場合、最終的に停止する左識別図柄、中識別図柄、右識別図柄が同じ(例えば「7」「7」「7」)となる。はずれの場合はそれ以外の組み合わせで停止する(このように識別図柄を制御する手段が、本発明における識別図柄制御手段に相当する)。
【0021】
特定図柄は、識別図柄の少なくとも一部に付随する図柄である。本例では、「馬」(競走馬)を模したものを特定図柄として用いている。なお、ここでいう「付随する」とは、特定図柄と識別図柄が一体となって変動、停止する、という意であって、両図柄の大小関係等を規定するものではない。また、特定図柄が識別図柄そのものであってもよい。このような構成である特定図柄も「識別図柄に付随する」ものであるとする。
図5に示すように、本例では、特定図柄のうち、左識別図柄群の少なくとも一部に付随する特定図柄を第一種特定図柄として設定し、右識別図柄群の少なくとも一部に付随する特定図柄を第二種特定図柄として設定している。より詳しくは、第一種特定図柄として複数種の「雄馬」が設定され、第二種特定図柄として複数種の「雌馬」が設定されている。本例では、演出開始時において、第一種特定図柄として、左識別図柄の「1」に付随する雄馬の「トマトソース」と、左識別図柄の「2」に付随する雄馬の「トマトランチ」が設定されている。また、第二種特定図柄として、右識別図柄の「3」に付随する雌馬の「オリーブランチ」と、右識別図柄の「4」に付随する雌馬の「ラムベース」と、右識別図柄の「7」に付随する雌馬の「トマトベース」が設定されている。
【0022】
上記各特定図柄には、第一特性および第二特性が割り当てられている。第一特性は、後述する配合(結合)が実行されるか否かに関わる要素であり、第二特性は、配合(結合)した後に生ずる結合図柄(後述)の特性に関わる要素である。本例では、第一特性としてレベル(Lv)が、第二特性として競走馬の速さ(競走馬の能力)が設定されている。本例においては、「トマトソース」はレベル1・速さ1に、「トマトランチ」はレベル2・速さ1に、「オリーブランチ」はレベル1・速さ1に、「ラムベース」はレベル1・速さ2に、「トマトベース」はレベル2・速さ2に設定されている。
【0023】
また、中識別図柄群(第三識別図柄群と称することもある)の少なくとも一部に付随する図柄として、結合図柄が設定されている。本例では、結合図柄として、中識別図柄の「2」に付随する「強配合」の文字が付された図柄と、中識別図柄の「4」に付随する「配合」の文字が付された図柄が設定されている。
【0024】
変動する識別図柄(
図6(a)参照)は、所定時間経過後に停止する(
図6(b)参照)。配合演出が実行される場合、停止する左識別図柄および右識別図柄は、特定図柄が付随するものとなる。また、停止する中識別図柄は、結合図柄が付随するものとなる。
図6に示した例では、左識別図柄の「1」に付随する第一種特定図柄である雄馬「トマトソース」と、右識別図柄の「3」に付随する第二種特定図柄である雌馬「オリーブランチ」と、中識別図柄の「4」に付随する結合図柄「配合」が各識別図柄とともに停止する。
【0025】
このように各図柄が停止した後、第一種特定図柄と第二種特定図柄が結合図柄によって結合され、それによって合成図柄が生じたような画像(映像)が表示される。具体的には、雄馬「トマトソース」と雌馬「オリーブランチ」が掛け合わされ(配合され)、それによって両者の子供である馬(
図6に示した例では雄馬「トマトオリーブ」)が誕生したような画像が表示される(
図6(c)参照)。
【0026】
配合演出において、このような配合(結合)がなされるか否かは、第一種特定図柄と第二種特定図柄の第一特性が一致するかどうかで決まるように設定されている。つまり、本例であれば、停止した左識別図柄に付随する第一種特定図柄のレベルと、停止した右識別図柄に付随する第二種特定図柄のレベルが一致した場合にのみ、配合がなされるように設定されている。したがって、例えば仮に、停止した左識別図柄に付随する第一種特定図柄が「トマトランチ」(レベル2)であり、停止した右識別図柄に付随する第二種特定図柄が「オリーブランチ」(レベル1)である場合には、両特定図柄の第一特性が一致しないため、配合は実行されない。なお、第一特性が一致した場合は必ず配合が実行されるような設定であってもよいし、一致した場合の一部で配合が実行されるような設定であってもよい。また、合成図柄である「トマトオリーブ」の第一特性も適宜設定される。本例では「トマトオリーブ」のレベルが2に設定される。
【0027】
また、配合されて誕生した馬「トマトオリーブ」は、「トマトランチ」と「オリーブランチ」の能力(速さ)に応じた能力を持つ馬として設定される(競走馬の血統を考慮したものとなっている)。つまり、合成図柄の第二特性は、第一種特定図柄の第二特性と第二種特定図柄の第二特性に基づいて設定される。本例では「トマトオリーブ」は速さ2に設定される。例えば、配合される第一種特定図柄の速さが2、第二種特定図柄の速さが1であれば、合成図柄の速さが3となる、といったように、第一種特定図柄の第二特性と第二種特定図柄の第二特性に基づいて合成図柄の第二特性が設定される。
【0028】
かかる合成図柄の第二特性の設定(どのように第一種特定図柄と第二種特定図柄の第二特性を受け継ぐか)は予め決められていてもよいし、毎回異なるように(毎回抽選等で決定されるように)してもよい。第一種特定図柄および第二種特定図柄の第二特性が優れたものであればあるほど、合成図柄の第二特性が優れたものとなる確率(すなわち、大当たりとなる確率(信頼度))が高くなるように設定されていればよい。つまり、第一種特定図柄および第二種特定図柄の第二特性は、間接的に大当たりとなる確率(信頼度)に影響を与える図柄であると言える。
【0029】
また、本例のように、中識別図柄に付随する結合図柄を複数種設定し、その結合図柄に応じて合成図柄の第二特性が決定される構成としてもよい。上述したように、本例では、結合図柄として「配合」「強配合」の二種類が設定されている。同じ特定図柄同士が配合されるとしても、結合図柄として「配合」が停止した場合よりも「強配合」が停止した場合の方が、合成図柄の第二特性が優れたものとなる確率(すなわち、大当たりとなる確率(信頼度))が高くなるように設定されている。したがって、遊技者は結合図柄として「強配合」が停止することを願いつつ、演出(変動)を見守ることになる。つまり、結合図柄は、間接的に大当たりとなる確率(信頼度)に影響を与える図柄であると言える。
【0030】
その後、誕生した馬「トマトオリーブ」を用いた演出に移行する(
図6(d)参照)。本例では、「トマトオリーブ」が出走する競馬の演出が実行され、大当たりとなる場合には「トマトオリーブ」が勝利(
図6(e)、
図6(f)参照)、外れとなる場合には「トマトオリーブ」が敗北となる(
図6(g)、
図6(h)参照)。つまり、「トマトオリーブ」の勝敗によって当否判定結果が報知される。「トマトオリーブ」が勝利する可能性は、第二特性である速さに応じて設定される。つまり、合成図柄の第二特性が優れていればいるほど大当たりとなる可能性が高まる。換言すれば、合成図柄の第二特性は、第一種特定図柄の第二特性と第二種特定図柄の第二特性に基づいて設定されるのであるから、配合される両特定図柄の第二特性によって大当たりとなる可能性が示唆されるということである。したがって、当否判定結果が大当たりである場合は、外れである場合よりも、合成図柄の第二特性が優れたものとなる可能性が高い(このような関係を満たすように、上述した大当たり時の配合演出テーブルやはずれ時の配合演出テーブルが設定される)。このように、本例では、識別図柄に付随して停止した第一種特定図柄と第二種特定図柄の第二特性に応じた所定の状態(演出)に移行し、それを経由して当否判定結果等の遊技に関する情報が報知されることになる。
【0031】
配合演出の第二具体例について、上記第一具体例と異なる点を中心に
図7を参照しつつ説明する。第一種特定図柄と第二種特定図柄が配合され、両特定図柄の第二特性に応じた合成図柄(「トマトオリーブ」)が生ずるまで(
図7(a)〜
図7(c))は上記第一具体例と同じである。ここで、本例では、合成図柄に応じた演出に移行するのではなく、当該合成図柄が第一種特定図柄および第二種特定図柄の一方となる。例えば、合成図柄「トマトオリーブ」が、左識別図柄「4」に付随する第一種特定図柄となって再び変動を開始する(
図7(d)参照)。
【0032】
その後、変動していた識別図柄が所定時間経過後に停止する。合成図柄から第一種特定図柄となった「トマトオリーブ」が左に停止するとともに、第二種特定図柄の一つである「トマトベース」が右に停止し、中図柄に結合図柄(「配合」または「強配合」)が停止する(
図7(e)参照)と、第一種特定図柄と第二種特定図柄の第一特性がレベル2で一致することになるから、合成図柄から第一種特定図柄となった「トマトオリーブ」と第二種特定図柄「トマトベース」が配合(結合)された新たな合成図柄「オリーブベース」が誕生したような画像が表示される(
図7(f)参照)。そして、誕生した「オリーブベース」を用いた演出に移行し、当該演出によって当否判定結果を報知する(
図7(g)参照)。
【0033】
このように、本例では、変動が停止した後表示された合成図柄が第一種特定図柄および第二種特定図柄の一方となり、再び変動を開始する。その後、第一種特定図柄および第二種特定図柄の一方となった合成図柄が、第一種特定図柄および第二種特定図柄の他方と結合し、新たな合成図柄として表示される。そして、当該新たな合成図柄に基づく所定の状態(演出)に移行し、それを経由して当否判定結果等の遊技に関する情報が報知されることになる。「馬」を掛け合わせていく(配合する)演出である点でいえば、「孫」の世代まで誕生する一連の演出であるといえる。
【0034】
合成図柄が第一種特定図柄および第二種特定図柄の一方となった後、再び変動を開始する回数は限定されるものではない。当該回数が多くなるほど、合成図柄の第二特性が優れたものとなり、その結果大当たりとなる可能性が高くなるように構成されているとよい。また、本例では、合成図柄が形成されるたびに変動が停止することになるが、当該合成図柄が形成される契機となる停止は、遊技者に変動が停止したかのように見せかける仮停止(擬似停止)(具体的には図柄が停止しているのではなく、図柄の少なくとも一部が少し動いているが、見た目上停止しているように見えているものをいう)であってもよい。つまり、本例は、複数の当否判定結果に跨って発生する(ある当否判定結果を報知するに際し、それより以前の当否判定結果を報知する変動を利用する、いわゆる保留連続予告として適用されるものである)が、一の当否判定結果を報知するに際し一または複数回仮停止を発生させるいわゆる擬似連続予告として適用することも可能である。
【0035】
配合演出の第三具体例について、上記第二具体例と異なる点を中心に
図8を参照しつつ説明する。ある第一種特定図柄と第二種特定図柄が配合され、両特定図柄の第二特性に応じた合成図柄が生じ、当該合成図柄(「トマトオリーブ」)が第一種特定図柄および第二種特定図柄の一方(
図8では第一種特定図柄)となり、再び変動を開始するまで(
図8(a)〜
図8(d)参照)は上記第二具体例と同じである。ここで、本例では、別の組み合わせの第一種特定図柄と第二種特定図柄(最初に配合に使用された第一種特定図柄と第二種特定図柄と全く同じ組み合わせ以外の組み合わせのことをいう。つまり、第一種特定図柄と第二種特定図柄の少なくともいずれか一方が、最初に配合に使用された第一種特定図柄や第二種特定図柄と異なっていればよい)により、最初に表示された合成図柄とは別の合成図柄が表示される(
図8(e)参照)。その後、当該合成図柄が第一種特定図柄および第二種特定図柄の他方となる。例えば、
図8に示すように、第一種特定図柄「トマトソース」と第二種特定図柄「ラムベース」が配合されて、合成図柄「トマトラム」が表示され(
図8(f)参照)、当該合成図柄が右識別図柄「6」に付随する第二種特定図柄となって再び変動を開始する(
図8(g)参照)。
【0036】
その後、変動していた識別図柄が所定時間経過後に停止する。合成図柄から第一種特定図柄となった「トマトオリーブ」が左に停止するとともに、合成図柄から第二種特定図柄となった「トマトラム」が右に停止し、中図柄に結合図柄(「配合」または「強配合」)が停止する(
図8(h)参照)と、第一種特定図柄と第二種特定図柄の第一特性がレベル2で一致することになるから、合成図柄から第一種特定図柄となった「トマトオリーブ」と合成図柄から第二種特定図柄となった「トマトラム」が配合(結合)された新たな合成図柄「オリーブラム」が誕生したような画像が表示される(
図8(i)参照)。そして、誕生した「オリーブラム」を用いた演出に移行し、当該演出によって当否判定結果を報知する(
図8(j)参照)。
【0037】
このように、本例では、変動が停止した後表示された合成図柄が第一種特定図柄および第二種特定図柄の一方となり、再び変動を開始する。その後、変動が停止した後表示された合成図柄が第一種特定図柄および第二種特定図柄の一方となり、再び変動を開始する。そして、第一種特定図柄および第二種特定図柄の一方となった合成図柄と、第一種特定図柄および第二種特定図柄の他方となった合成図柄とが結合し、新たな合成図柄として表示される。そして、当該新たな合成図柄に基づく所定の状態(演出)に移行し、それを経由して当否判定結果等の遊技に関する情報が報知されることになる。「馬」を掛け合わせていく(配合する)演出である点でいえば、ある馬同士を配合して誕生した「子」同士を掛け合わせて、「孫」の世代まで誕生する一連の演出であるといえる。
【0038】
本例では、合成図柄が形成されるたびに変動が停止することになるが、当該停止は、一の当否判定結果を報知するに際し複数回発生(いわゆる擬似連続予告として適用)するようにしてもよいし、複数の当否判定結果に跨って発生(ある当否判定結果を報知するに際し、それより以前の当否判定結果を報知する変動を利用する、いわゆる保留連続予告として適用)するようにしてもよい。
【0039】
上記各具体例は、それぞれを組み合わせて用いてもよい。例えば、第二具体例のような演出が発生することもあれば、第三具体例のような演出が発生することがある態様としてもよい。この場合、第二具体例として
図7に示したような演出(配合回数一回)が発生した場合よりも、第三具体例として
図8に示したような演出(配合回数二回)が発生した場合の方が、大当たりとなる可能性が高くなるように設定するとよい。
【0040】
また、
図6〜
図8に示した例は、「配合」(結合)が実現される例のみを示したが、「配合」が実現されない場合があってもよい。停止した両特定図柄の第一特性が一致し、結合図柄が停止したときであっても、「配合」が行われない場合があってもよい。例えば、第一特定図柄と第二特定図柄の組み合わせや、停止する結合図柄の種類によっては、「配合」が行われない場合があるようにしてもよい。また、結合図柄を用いない構成(停止した両特定図柄の第一特性が一致した場合に「配合」が行われる可能性がある)としてもよい。
【0041】
以上説明した本実施形態における配合演出は、識別図柄の一部に「馬」の図柄である特定図柄を付随させ、その特定図柄が停止したときに新たな「馬」が誕生し、その「馬」によって演出が展開されていくものである。演出が発展するか否かや大当たりとなるか否かは「馬」の特性(第一特性および第二特性)によって左右されるから、飽きのこない趣向性の高い演出とすることが可能である。良い馬同士を掛け合わせると良い馬が誕生しやすいという「馬の血統」を、遊技機の演出として巧みに利用したものである。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態にかかる遊技機1には、大当たりか否か(当否判定結果)を報知する演出として配合演出が搭載されていることを説明したが、配合演出によってその他の遊技に関する情報を報知するようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、特定図柄の第一特性として「レベル」を、第二特性として「速さ」を設定していることを説明したが、特性の内容はどのようなものであってもよい。また、第一特性および第二特性として、複数の種類が設定された構成(上記「馬」の配合演出であれば、第二特性として「スタミナ」「気質」等、その他の馬の特性が設定されていてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、停止した左識別図柄に付随する第一種特定図柄のレベルと、停止(仮停止)した右識別図柄に付随する第二種特定図柄のレベルが一致したこと、すなわち第一特性が一致したことを契機として配合がなされるように設定されていることを説明したが、当該契機は第一特性の一致に限定されない。第一特性が所定の組み合わせとなったことを契機としてもよい。例えば、第一特性として性別(雄・雌)を設定し、雄と雌が停止(仮停止)したときに配合がなされるような設定(雄と雄、雌と雌では配合がなされない設定)としてもよい。このような構成において、ある特別図柄群に付随する特定図柄として、雄という第一特性を有する特定図柄と、雌という第一特性を有する特定図柄を混在させて、第一特性が雄である特定図柄と第一特性が雌である特定図柄が停止(仮停止)した場合に合成図柄が形成されるようにしてもよい。
【0046】
このように、第一特性と第二特性の各々には複数の種類があって、複数の種類の少なくとも二つが同じ特性であっても異なることを意味する。以上を概念で言うと、「表示装置と、前記表示装置に表示される配列された複数の識別図柄群のそれぞれから識別図柄を停止させ、当該停止した識別図柄の組み合わせにより遊技の当否判定結果を報知する識別図柄制御手段と、前記識別図柄に付随する特定図柄を前記表示装置に表示させる特定図柄制御手段と、を備え、前記特定図柄は、前記複数の識別図柄群のうち少なくとも二つの識別図柄群の各々に含まれており、前記少なくとも二つの識別図柄群に含まれる各々の特定図柄には第一特性と前記第一特性とは異なる第二特性を有し、前記第一特性は少なくとも二つの前記特定図柄で異なる特性となるように割付け、停止或いは仮停止した前記識別図柄の組み合わせに前記互いに異なる特性である第一特性を有する特定図柄同士が所定の組み合わせとなることが可能に設定されており、前記第二特性は少なくとも二つの前記特定図柄の各々の少なくとも一部が異なる特性を有するように設定されており、停止或いは仮停止した前記識別図柄の組み合わせで前記互いに異なる特性の第一特性を有する特定図柄同士が所定の組み合わせである場合には、当該少なくとも二つの特定図柄の各々が有する互いに異なる第二特性の少なくとも一部の特性を受け継ぐ合成図柄が合成表示され、当該合成図柄に応じた所定の遊技状態に移行することを特徴とする遊技機。」ということになる。
【0047】
また、上記実施形態における配合演出は、二種の特定図柄(第一特定図柄および第二特定図柄)が設定された演出であることを説明したが、三種以上の特定図柄が設定された演出としてもよい。例えば、四つの識別図柄群が設定され、そのうち三つの識別図柄群を構成する識別図柄の少なくとも一部に、特定図柄が付随する設定としてもよい。この場合、停止(仮停止)した三種の特定図柄の第一特性が所定の組み合わせとなった場合に、各特定図柄の第二特性に基づいた合成図柄が表示された上で、演出が進行することとなる。このように三種以上の特定図柄が設定される場合、停止(仮停止)した三種以上の特定図柄全部ではなく、一部の第二特性に基づいた合成図柄が表示されることがあるようにしてもよい。
【0048】
また、本実施例では、特定図柄を識別図柄を利用して表示しているが、特定図柄をいわゆるブランク図柄を利用して表示する構成としてもよい。
【0049】
上記実施形態から得られる具体的手段の例を以下に記載する。
手段1にかかる遊技機は、表示装置と、前記表示装置に表示される配列された複数の識別図柄群のそれぞれから識別図柄を停止させ、当該停止した識別図柄の組み合わせにより遊技の当否判定結果を報知する識別図柄制御手段と、前記識別図柄の少なくとも一部に付随する特定図柄を前記表示装置に表示させる特定図柄制御手段と、を備え、前記特定図柄は、前記複数の識別図柄群のうちの少なくとも二つの識別図柄群を構成する少なくとも一部の識別図柄に付随するとともに、それぞれに第一特性および第二特性が割り当てられており、前記識別図柄に付随して停止または仮停止した少なくとも二つの前記特定図柄に割り当てられた前記第一特性の組み合わせが所定の組み合わせである場合には、当該停止または仮停止した少なくとも二つの前記特定図柄に割り当てられた前記第二特性に基づく合成図柄が表示され、当該合成図柄に応じた所定の状態に移行することを特徴とする。
【0050】
手段2にかかる遊技機は、手段1に記載の遊技機において、前記遊技の当否判定結果が当たりとなる信頼度が、前記合成図柄に応じて変化するように設定されていることを特徴とする。
【0051】
手段3にかかる遊技機は、手段1または手段2に記載の遊技機において、前記識別図柄に付随して停止または仮停止した少なくとも二つの前記特定図柄に割り当てられた前記第一特性の組み合わせが所定の組み合わせである場合には、当該少なくとも二つの特定図柄とともに前記合成図柄が表示されることを示唆する結合図柄が表示されることを特徴とする。
【0052】
手段4にかかる遊技機は、手段3に記載の遊技機において、複数種の前記結合図柄が設けられ、前記第一特性が所定の組み合わせとなるように少なくとも二つの前記特定図柄が停止または仮停止したときに表示される前記結合図柄の種類に応じて、前記合成図柄の特性が設定されることを特徴とする。
【0053】
手段5にかかる遊技機は、手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機において、停止または仮停止した少なくとも二つの前記特定図柄に割り当てられた前記第二特性に基づく合成図柄が表示された後、前記識別図柄が再び変動を開始するとともに、当該合成図柄がある前記第一特性および前記第二特性を有する特定図柄の一つとなり、その後、当該特定図柄の一つとなった合成図柄が、前記第一特性の組み合わせが所定の組み合わせとなるように他の合成図柄とともに停止または仮停止し、当該合成図柄の第二特性と他の合成図柄の第二特性に基づく別の合成図柄が表示され、当該別の合成図柄に応じた所定の遊技状態に移行する場合があることを特徴とする。
【0054】
手段6にかかる遊技機は、手段1から手段5のいずれかに記載の遊技機において、停止または仮停止した少なくとも二つの前記特定図柄に割り当てられた前記第二特性に基づく第一合成図柄が表示された後、前記識別図柄が再び変動を開始するとともに、当該第一合成図柄がある識別図柄に付随する特定図柄の少なくとも一つとなり、その後、停止または仮停止した少なくとも二つの前記特定図柄に割り当てられた前記第二特性に基づく前記第一合成図柄とは異なる第二合成図柄が表示された後、前記識別図柄が再び変動を開始するとともに、当該第二合成図柄がある識別図柄に付随する特定図柄の少なくとも一つとなり、その後、前記特定図柄の少なくも一つとなった前記第一合成図柄と、前記特定図柄の少なくも一つとなった前記第二合成図柄が停止または仮停止し、当該停止または仮停止した第一合成図柄と第二合成図柄の第二特性に基づく別の合成図柄が表示され、当該別の合成図柄に応じた所定の状態に移行する場合があることを特徴とする。
【0055】
手段1にかかる遊技機では、識別図柄に付随して停止または仮停止した少なくとも二つの特定図柄に割り当てられた第一特性の組み合わせが所定の組み合わせである場合には、当該停止または仮停止した少なくとも二つの特定図柄に割り当てられた第二特性に基づく合成図柄が表示され、当該合成図柄に応じた所定の遊技状態に移行する。つまり、第一特性が所定の組み合わせとなるかどうかによって遊技状態が変化する可能性が示唆されるとともに、発展した場合には第二特性に基づいて表示される合成図柄に応じた遊技状態に移行する。つまり、遊技者は、識別図柄が一致しない場合でも、停止または仮停止した少なくとも二つの特定図柄に割り当てられた第一特性が所定の組み合わせとなること、および停止または仮停止した少なくとも二つの特定図柄に割り当てられた第二特性が優れたものであることを願いつつ、図柄の変動を見守ることになるから、趣向性の高い演出とすることが可能である。
【0056】
手段2にかかる遊技機のように、合成図柄によって当否判定結果が当たりとなる信頼度を示唆させることが可能である。
【0057】
手段3にかかる遊技機のように、停止または仮停止した少なくとも二つの前記特定図柄に割り当てられた前記第一特性の組み合わせが所定の組み合わせである場合に結合図柄が表示されるようにすれば、合成図柄が表示されることになることを遊技者に分かりやすく示すことが可能となる。
【0058】
また、手段4にかかる遊技機のように、複数の結合図柄を設定し、結合図柄の種類に応じて、合成図柄の特性が設定されるようにすれば、当否判定結果が当たりとなる信頼度に影響を与える合成図柄の特性が、表示される結合図柄によって変化することになり、遊技者が停止する結合図柄の種類にも注目する演出となるから、演出の趣向性をさらに高めることが可能である。
【0059】
手段5にかかる遊技機のように、合成図柄が表示された後、当該合成図柄がある識別図柄に付随する特定図柄となることがあるような態様とすれば、演出の幅を広げることが可能となる。具体的には、例えば、いわゆる擬似連続予告や、保留連続予告に適用することが可能となる。
【0060】
手段6にかかる遊技機のように、第一合成図柄が表示され、当該第一合成図柄がある識別図柄に付随する特定図柄となった後、第二合成図柄が表示され、表示された第二合成図柄が別の特定図柄となり、その後、特定図柄となった第一合成図柄と第二合成図柄に基づく別の合成図柄が表示され、当該別の合成図柄に応じた状態に移行することがあるような態様とすれば、演出の幅を広げることが可能となる。具体的には、例えば、いわゆる擬似連続予告や、保留連続予告に適用することが可能となる。