特許第5975638号(P5975638)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5975638スロットレス電気機械用の円筒形巻線を製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5975638
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】スロットレス電気機械用の円筒形巻線を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/04 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   H02K15/04 C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-281054(P2011-281054)
(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公開番号】特開2012-135202(P2012-135202A)
(43)【公開日】2012年7月12日
【審査請求日】2014年12月8日
(31)【優先権主張番号】10196906.1
(32)【優先日】2010年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511304350
【氏名又は名称】インフラノール・ホールディング・エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジャンピエロ・タッシナリオ
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン・フロタツ
(72)【発明者】
【氏名】フランセスク・クルエリャス
(72)【発明者】
【氏名】ホアキム・ガルセラン
【審査官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第02/045239(WO,A1)
【文献】 特開昭58−112445(JP,A)
【文献】 特開2004−336969(JP,A)
【文献】 実開昭57−021243(JP,U)
【文献】 特開昭59−096853(JP,A)
【文献】 特開2008−043101(JP,A)
【文献】 特開平11−234939(JP,A)
【文献】 特開昭57−062761(JP,A)
【文献】 特開2009−183043(JP,A)
【文献】 特開昭51−020501(JP,A)
【文献】 米国特許第05606791(US,A)
【文献】 特開昭63−059751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットレス電気機械用の円筒形巻線を製造するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)三つの軸線X,Y,Zに従って移動可能な巻線ヘッドによって、所定の巻線プログラムに従って、2セットのニードルの周囲および第1の円筒形チューブの外面上に、ワイヤを連続的に巻き付けるステップであって、前記ニードルは、軸方向に並置されかつ軸方向にかつ回転可能に動作できる二つの同一の円筒体の円錐形端面上に配置され、前記円筒体は前記円筒形チューブ内に部分的に配置されるステップと、
b)前記第1の円筒形チューブの360°周面の全周囲で全ての電気機械位相の巻線作業を実施した後、第2の円筒形チューブを、得られた巻線の周囲に配置するステップと、
c)前記2セットのニードルを取り外し、かつ、前記二つの円筒体を軸方向に離間するように移動させるステップと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1および第2の円筒形チューブは型枠の二つの対応部分であり、前記第2の円筒形部分が、得られた巻線の周囲に配置された後、形成された型枠にはモールディング物質が充填され、冷却後、前記型枠が取り外されて、剛性のある円筒形巻線を得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記巻線はステータ巻線であり、前記巻線を支持する前記第1の円筒形チューブはガラス繊維などの非磁性素材からなり、かつ、前記第2の円筒形チューブは、スチール層のスタックなどの磁性素材あるいは磁性パウダーからなるスロットレスステータであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記巻線はローター巻線であり、前記巻線を支持する前記第1および第2の円筒形チューブはガラス繊維などの非磁性素材からなり、かつ、前記方法の最後において、整流リングが前記巻線に結合されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記巻線はローター巻線であり、かつ、前記方法の最後において、整流リングが前記巻線に結合されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記巻線の各コイルを形成する前記ワイヤは、前記コイルのターンの戻りループにおける前記ワイヤの交差を回避するために、かつ、全体的に同じ厚みを有する巻線を得ることを可能とするように、同心状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法を実施するための装置であって、
三つの異なる軸線X,Y,Zに従って移動するよう設計された巻線ヘッドを備えたデバイスと、
前記巻線のターンと平行な軸線を中心として回転可能な巻線支持デバイスであって、軸方向に移動するよう設計された二つの軸方向に並置された、その遠隔端部に設けられた円筒体を具備してなり、この円筒体は、そこから円錐形部分が延在するショルダーを備え、前記円錐形部分は一組のピンを保持するように設計された手段を備える巻線支持デバイスと、
両方の円筒体が閉じられたとき前記ショルダー間に当接状態で存在するよう設計された第1の円筒形チューブと、
軸方向に移動可能であり、かつ、前記円筒形巻線の周囲に存在するよう設計された第2の円筒体と、
前記巻線ヘッドおよび前記巻線支持デバイスの回転動作を制御するよう設計された電子制御手段と、
を具備してなることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットレス電気機械用の円筒形巻線を製造するための方法、当該方法を実施することを可能とする装置、および当該方法に基づいて製造された巻線に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の主たる対象は、電気機械円筒形巻線を自動的に製造するための方法である。ある種の巻線は、電気スチールのスタックのスロット内に配置されない。なぜなら、それは広く標準化されているからである。コイルのワイヤは互いに隣り合って一緒に配置され、この結果、歯の存在に起因した磁束の変調は存在しない。使用される技術は、スロットレス巻線として公知である。
【0003】
標準的な巻線において、コイルは積層されたスタックのスロット内に配置されるという事実は、当該方法を、何らかのタイプのワイヤ直径を選択するために十分なほどフレキシブルなものではなくする。というのは、スロットは特殊な断面を有しており、しかも、それに対する入口は使用されるポンチのタイプによって制限されるからである。これは特許文献1において言及されており、この特許発明においては巻線システムはまた鉄を用いずに製造されるが、これに由来する特異な問題は、ワイヤは電気機械ローターの周囲のスペースの全てを満たすように配置されている、という事実である。
【0004】
スロットを用いずに巻線を備えた電気機械を製造する際の困難の一つは、それを維持するための歯を伴わずにワイヤを保持するのは容易ではないので、この技術は頻繁には使用されない、というものである。
【0005】
本発明は、電気機械が高性能動作を行うことを可能とする技術を用いることの利点を伴って、この種の巻線を形成することが可能であるシステムを提供する。それを変調させる歯が存在しないことに起因した磁束変調が存在しないので、この種の電気機械は脈動トルクが最小であり、コギングトルクが存在せず、それゆえ、これら電気機械のローターを配置するのは、いかなる角ポジションにおいても、より容易であり、ローター直径を、より大きくできるので、より大きなトルクを提供でき、なぜなら巻線は、外側に配置されるクラウン内に配置されるからである。磁石内の渦電流が回避され、それゆえ、より高いレベルの速度に到達でき、低いレベルの鉄飽和が積層スチール中に存在し、それゆえロスはより低く、よりパワフルであり、したがって効率はより高い。特許文献2あるいは特許文献3に記載されたような、ある特許は、この種の技術の大きな利点のいくつかを述べている。
【0006】
特許文献4においてはまた、スロットレス巻線を製造するための工程技術が説明されている。だが、このシステムは、巻線を製造するのが、本発明に係る方法に基づく場合のように格段に容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】スペイン国特許第531635号明細書(ES531635)
【特許文献2】欧州特許第0159069号明細書(EP0159069B1)
【特許文献3】欧州特許第0123347号明細書(EP0123347)
【特許文献4】欧州特許第0313514号明細書(EP0313514B1)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に基づく方法は、請求項1の特徴部分によって特徴付けられる。
【0009】
従属請求項によれば、巻線はモールディング素材の注入を伴うか、あるいはそれを伴わない、ステータの、あるいはローターの巻線であってもよい。
【0010】
本発明はまた、上記方法を実施することを可能とする装置、ならびに本発明の方法に基づいて製造された巻線に関する。
【0011】
本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の方法に基づいて製造された巻線を備えた電気機械の側面図である。
図2】同心状に配置されたターンを備えたコイルの斜視図である。
図3】巻線支持デバイスの主要素の側面図である。
図4】動作ポジションでの図3の要素の側面図である。
図5】本発明の方法を実施することを可能とする装置の概略図である。
図6】巻線支持デバイスの斜視図である。
図7】上記方法の最後のステップを大まかに示す図である。
図8】上記方法の最後のステップを大まかに示す図である。
図9】本方法に基づいて製造された巻線を備えた電気機械の軸方向断面を示す図である。
図10】本方法に基づいて製造された巻線を備えた電気機械の軸方向断面を示す図である。
図11】本発明に基づいて製造された巻線ダイヤグラムを慣例的に示す図である。
図12】ローター用のモールド巻線の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1にはスロットレスステータ1を示しており、巻線4は、ガラス繊維素材などの非磁性素材からなる薄い円筒体6の360°全周面の周りに規則正しく配置されており、永久磁石3はローター2の周面上に配置されている。この例では、カーボンあるいはガラス繊維素材からなる第2の薄い円筒体5が、それらを半径方向に保持するために、永久磁石3の周囲に配置されている。
【0014】
巻線を製造するための方法を説明する前に、図5に示す装置の主要素について言及する。当該装置の主デバイスは、巻線のコイル41のターンと平行な軸線を中心としてデバイス11を回転させることを可能とする手段を備えた巻線支持デバイス11、および三つの軸線X,Y,Zに従って巻線ヘッド211を駆動するよう設計されたデバイス21である。巻線ヘッド駆動デバイスは大まかに示しているが、三つの軸線に従って巻線ヘッドを動作させることを可能とする、その他のデバイスが使用されてもよい。所定のプログラムに従って巻線ヘッド211および巻線支持デバイス11を制御するよう設計された電子的手段(図示せず)もまた必要である。当該プログラムは、巻線コイルの種類(オーバーラップコイル、同心コイル、瓦状、波状など)、電気機械の位相および極の数に基づいて、デバイス11および21を駆動する。
【0015】
デバイス11は、矢印Rに従ってデバイス11を駆動することを可能とする回転可能なデバイス上に設けられている。デバイス11の主要素は、軸方向に移動可能な二つの同一の円筒体7,8、第1の円筒形チューブ6、そして第2の円筒形チューブ10である(図3および図4)。各円筒体は円筒形部分71,81を備え、これはショルダー72,82まで延在しており、これに続いて円錐形部分73,83が存在している。円筒形部分に続いては、別な円筒形部分74,84が、あるいは円筒体7,8を取り付けることならびにそれを軸方向に駆動することを可能とする要素が存在してもよい。円錐形部分74,84はニードルを受けるよう設計された一組の穴を備え(図5図6)、その周囲には、コイル41のリターンループの端部が形成される。穴内でのニードルの配置は巻線コイルの種類に依存する。
【0016】
第1の円筒形チューブ6は、円筒体7,8が互いに近接したとき、ショルダー72,82(図7)に対して当接状態となるよう設計されている。第2の円筒形チューブ10(図3図4)は、巻線ステップの終わりに、巻線を取り囲むように設計されている。
【0017】
円筒形チューブ6,10の機能および素材は、製造される巻線の種類に依存する。スロットが存在しないように巻線を製造するために、巻線作業の間、ワイヤを保持するためのサポートが必要である。第1の円筒形チューブ6が、このサポートである。
【0018】
準備するための巻線がモールディング物質の注入を伴わないスロットレスステータ用である場合、円筒形チューブ6は、最小厚みを備えたガラス繊維円筒体であり、0.3mmから0.7mmの値が普通である。最小値が常に望ましく、それゆえ、巻線と交差するためのより大量の磁石を提供する必要がない。だが、それは固定値となることはできない。というのは、それはまた、十分な剛性を持つためのチューブの直径、巻線において使用されるワイヤの太さ、そして遂行ファクターに依存するからである。第1の円筒形チューブ6が電気機械内に留まるので、電気機械の作動中に生じ得る過剰ストレス、すなわち巻線によって生じる熱を抑止することが重要である。明らかに、巻線を支持する第1の円筒形チューブ6は、磁気回路における影響を回避するために、非磁性素材からなっている必要がある。第2の円筒形チューブ10は、磁性スチール積層体あるいは磁性パウダーからなるスロットレスステータである。
【0019】
準備する巻線が、巻線を剛体化するためにモールディング物質の注入を伴うスロットレスステータあるいはローター用である場合、第1および第2の円筒形チューブ6,9は型枠の二つの対応部分である。第1の円筒形チューブ6上での巻線作業の終わりに、第2の円筒形チューブ10が巻線の周囲に配置され、そしてモールディング物質が注入される。冷却後、型枠は除去され、剛体化された円筒形巻線を得る。
【0020】
準備する巻線がモールディング物質の注入を伴わないスロットレスローター用である場合、両円筒形チューブ6,10は、ローター巻線を支持する薄い非磁性素材チューブである。この場合、巻線のワニスは、遠心力によるチューブの移動を回避するために結合物質と同様の役割を果たす。両円筒形チューブ6,10は電気機械内に留まる。モールディング物質によってモールドされるか、あるいはされないローター巻線のために、整流リングがこの方法の最後に付加される。モールドローター巻線に関して、整流リングが、モールディング作業の前に巻線に接続される。
【0021】
モールディング物質は、コイルの変形を伴わずに、ワイヤークーパーの高い温度に耐えるように選択する必要がある。
【0022】
ここで、図3ないし図8を参照して、スロットレスステータの巻線に関する方法について説明する。この説明および図5図6は、そのコイルのターンが同心状に配置される(図2参照)巻線の製造に関する。それ以外の種類の巻線が本発明に基づいて製造されてもよく、主要な差異は、ニードル80の設定、および巻線ヘッド211の動作および巻線支持デバイス11の回転動作を制御する電子制御手段プログラムである。
【0023】
最初に、第1の円筒形チューブ6(これは薄いガラス繊維チューブである)が、円筒体7,8間のスペース内に配置される。円筒体7,8は、そのショルダー72,82が第1の円筒形チューブ6の端部に当接するまで移動させられる(図4)。ニードル80が円錐形部分73,83上に配置される。巻き取りヘッドが巻き取り処理を開始し、そして、図11から分かるように、第1の電気位相のコイル41を連続的に(直列に)形成し、その後、第2の電気位相などとなる。巻線のタイプ、すなわちWYE(スター)接続あるいはトライアングルに依存して、コイルは直列あるいは並列にすることができ、かつ、コイル間の接続は変更される。プログラムは、それらを低減するために、それを制御し、それゆえ、たとえば、それがトライアングル接続される場合、コイルは直列となることができ、そして、ワイヤは巻線作業の終了まで切断されず(図11参照)、それゆえ、コイルの接続部の数は最小値まで低減され、出力ケーブルのみをハンダ付けすればよい。
【0024】
図示した実施例では、コイルのワイヤを同心状に配置し、それゆえ、使用スペースが最適化される。というのは、太さあるいはワイヤを損傷させる問題を引き起こし得るワイヤの交差が生じないからである。図2においては、コイルのワイヤがどのように配置されるかが示されている。これは、巻線ヘッド211を、三つの次元内で正確にワイヤを配置するのに十分なほど鋭敏なものとする。こうした理由から、デバイス21は、コイル41が配置されている場所で、ワイヤを正確に配置するために、かつ、巻線支持デバイス11をモニターするために、三つの軸線X,YおよびZ(図5)に従って作動できる。本装置は全ての種類の巻線を、オーバーラップ型、集中型、多位相、そして瓦状あるいは波状毛羽タイプでさえ、巻き上げることができる。
【0025】
巻き取り作業が完了した後、第2の円筒形チューブ10(これはスリットレスステータである)が、形成された巻線の周囲に配置される(図7)。ニードル80が取り外され、これには矢印F2,F3に従って両円筒体7,8が続く(図8)。ニードルを伴わずに円筒形チューブ7,8を移動させるとき、コイルの円錐形部分は、図8に示す四つの矢印にしたがって半径方向に押圧される。円筒形7,8の取り外し後、コイル41の端部は、第1の円筒形チューブ6の幾何学的軸線に向かって曲がった、その初期のポジションに向かって弾性的に復帰する。このように第1の円筒形チューブ6が保持され、そして、同時に、第2の円筒形チューブ10から巻線が落下するのを阻止する。ガラス繊維チューブ6は、電気機械内に留まる。全ては圧力によって保持される。
【0026】
巻線の同心状ターンは隆起端部の形成を回避する。なぜなら、それらはリターンループの交点ではないからである。それゆえ、巻線の厚みは全体にわたって均一である。本発明は、図9に示すような隆起した端部を備えた、あるいは図10に示すような全体にわたって均一な厚みの巻線の製造を可能とする。第2の例では、ステータはより長く、かつ、機械の性能は改善される。同一出願人の欧州特許出願第10195053.3号において説明されるように、コイルのターンが同心状でない場合でさえ、全体を通じて一定厚みの巻線を製造することができる。
【0027】
コイルが一対一で注入されかつさらに適切な接続をなす巻線は、本発明とは比較できない。
【0028】
モールド巻線を製造するための方法は、以下の差異と共に先に説明したとおりである。第1および第2の円筒形チューブ6,10は型枠の対応部分である。巻き取りの完了後、第2の円筒形チューブ10は巻線の周囲に配置され、かつ、第1の円筒形チューブ6aと共に、その中にモールディング物質が注入される型枠を形成する。型枠を冷却した後、二つの円筒形チューブは取り除かれ、モールド巻線が得られる。モールド巻線がローターのそれである場合、モールディング物質の注入前に、接続リングを付加し、関連するコイルに接続する必要がある(図12参照)。
【0029】
巻線がローター用の非モールド巻線である場合、第1の円筒形チューブ6は、巻線を支持するための薄いガラス繊維チューブであり、かつ、巻き取りの最後に、やはりガラス繊維の第2の円筒形チューブ10が巻線の周囲に配置される。両チューブは巻線を支持し、かつ、それらはローターの周囲に留まる。接続リングを、やはり、関連するコイルに付加し、かつ、接続する必要がある。
【符号の説明】
【0030】
1 スロットレスステータ
2 ローター
3 永久磁石
4 巻線
5 円筒体
6 円筒形チューブ
7,8 円筒体
10 円筒形チューブ
11 巻線支持デバイス
21 デバイス
41 コイル
71,81 円筒形部分
72,82 ショルダー
73,83 円錐形部分
74,84 円筒形部分
80 ニードル
211 巻線ヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12