特許第5975687号(P5975687)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5975687
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】DC−DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20160809BHJP
   H02M 3/07 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   H02M3/155 H
   H02M3/155 P
   H02M3/07
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-57245(P2012-57245)
(22)【出願日】2012年3月14日
(65)【公開番号】特開2013-192383(P2013-192383A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年2月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 社団法人電気学会主催、「平成24年電気学会全国大会 講演論文集2012年3月5日発行」に発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000222037
【氏名又は名称】東北電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】加藤 康司
(72)【発明者】
【氏名】中島 洋一郎
(72)【発明者】
【氏名】有松 健司
(72)【発明者】
【氏名】和山 亘
(72)【発明者】
【氏名】大日向 敬
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/014912(WO,A1)
【文献】 特開2002−369501(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/016199(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
H02M 3/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入出力端子と第2入出力端子との間に接続された第1平滑コンデンサと、第3入出力端子と第4入出力端子との間に接続された第2平滑コンデンサとの間でいずれか一方向もしくは両方向に電力を供給するDC−DCコンバータであって、
前記第2平滑コンデンサの一端と他端との間に接続され、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチの順に直列に接続されたスイッチ回路と、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続点と、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続点との間に接続されたフライングキャパシタと、
前記第2スイッチと前記第3スイッチとの接続点と、前記第1平滑コンデンサの一端との間に接続されたリアクトルと、
前記リアクトルに流れる電流を検出する電流検出回路と、
前記第1平滑コンデンサと前記第2平滑コンデンサとのいずれか一方もしくは両方の両端電圧を検出する第1電圧検出回路と、
前記第1平滑コンデンサと前記第2平滑コンデンサとの間で電力を供給する方向に応じた第1電圧指令値及び前記第1電圧検出回路からの第1電圧検出値に基づき第1電流指令値を生成し、この第1電流指令値と前記電流検出回路からの電流検出値とに基づきデューティ指令値を生成し、このデューティ指令値により前記スイッチ回路の各スイッチをオンオフさせる制御回路と、
前記フライングキャパシタの両端電圧を検出する第2電圧検出回路とを有し、
前記制御回路は、第2電圧指令値及び前記第2電圧検出回路からの第2電圧検出値に基づき生成されたデューティ補正値を前記デューティ指令値に加算して補正デューティ指令値を得る第1加算器と、
1から前記デューティ指令値を減算して得られた値に、前記デューティ補正値を加算する第2加算器とを有し、
前記第1加算器の出力と前記第2加算器の出力とにより前記スイッチ回路の各スイッチをオンオフさせて前記フライングキャパシタの両端電圧を一定電圧に制御することを特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項2】
前記第1電圧検出回路からの第1電圧検出値は、前記第1平滑コンデンサから前記第2平滑コンデンサに電力を供給する方向であるときは前記第2平滑コンデンサの両端電圧を検出した検出値であり、前記第2平滑コンデンサから前記第1平滑コンデンサに電力を供給する方向であるときは前記第1平滑コンデンサの両端電圧を検出した検出値であることを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチトキャパシタ方式のDC−DCコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
高効率なDC−DCコンバータとして、スイッチトキャパシタ方式のDC−DCコンバータが注目されている。
【0003】
図7に、スイッチトキャパシタ方式を用いた従来のDC−DCコンバータの回路構成図を示す。このDC−DCコンバータは、起動開始とともに、コントロール部102によりスイッチS11,S13をオン状態とし、スイッチS12,S14をオフ状態として充電期間とし、昇圧コンデンサC1を充電する。
【0004】
次に、スイッチS11,S13をオフ状態とし、スイッチS12,S14をオン状態として昇圧期間とし、昇圧コンデンサC1で昇圧し出力コンデンサC3を充電する。以後、この充電期間と昇圧期間とを交互に切り替え、出力コンデンサC3の充電電圧、即ち出力電圧Voが定常時の出力電圧Voに安定していく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−369501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図7に示すスイッチトキャパシタ方式を用いた従来のDC−DCコンバータは、昇圧比が2(整数)で固定されるため、入力電圧に対して出力電圧を任意の電圧に可変制御することができない。
【0007】
本発明の課題は、昇圧比や降圧比を可変でき、入力電圧に対して出力電圧を任意の電圧に可変制御することができるDC−DCコンバータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、第1入出力端子と第2入出力端子との間に接続された第1平滑コンデンサと、第3入出力端子と第4入出力端子との間に接続された第2平滑コンデンサとの間でいずれか一方向もしくは両方向に電力を供給するDC−DCコンバータであって、前記第2平滑コンデンサの一端と他端との間に接続され、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチの順に直列に接続されたスイッチ回路と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続点と、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続点との間に接続されたフライングキャパシタと、前記第2スイッチと前記第3スイッチとの接続点と、前記第1平滑コンデンサの一端との間に接続されたリアクトルと、前記リアクトルに流れる電流を検出する電流検出回路と、前記第1平滑コンデンサと前記第2平滑コンデンサとのいずれか一方もしくは両方の両端電圧を検出する第1電圧検出回路と、前記第1平滑コンデンサと前記第2平滑コンデンサとの間で電力を供給する方向に応じた第1電圧指令値及び前記第1電圧検出回路からの第1電圧検出値に基づき第1電流指令値を生成し、この第1電流指令値と前記電流検出回路からの電流検出値とに基づきデューティ指令値を生成し、このデューティ指令値により前記スイッチ回路の各スイッチをオンオフさせる制御回路と、前記フライングキャパシタの両端電圧を検出する第2電圧検出回路とを有し、前記制御回路は、第2電圧指令値及び前記第2電圧検出回路からの第2電圧検出値に基づき生成されたデューティ補正値を前記デューティ指令値に加算して補正デューティ指令値を得る第1加算器と、1から前記デューティ指令値を減算して得られた値に、前記デューティ補正値を加算する第2加算器とを有し、前記第1加算器の出力と前記第2加算器の出力とにより前記スイッチ回路の各スイッチをオンオフさせて前記フライングキャパシタの両端電圧を一定電圧に制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リアクトルを用いたので、昇圧比や降圧比を可変でき、入力電圧に対して出力電圧を任意の電圧に可変制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態のDC−DCコンバータの回路構成図である。
図2】第1の実施形態のDC−DCコンバータの制御回路の回路構成図である。
図3】第1の実施形態のDC−DCコンバータの昇圧動作時の各モードを示す図である。
図4】第1の実施形態のDC−DCコンバータの各スイッチのオン/オフの状態を示す図である。
図5】第2の実施形態のDC−DCコンバータの制御回路の回路構成図である。
図6】第2の実施形態のDC−DCコンバータの出力電力とフライングキャパシタの両端電圧との関係を示す図である。
図7】スイッチトキャパシタ方式を用いた従来のDC−DCコンバータの回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して本発明の実施形態のDC−DCコンバータを図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のDC−DCコンバータの回路構成図である。本発明の第1の実施形態のDC−DCコンバータは、スイッチトキャパシタ方式のDC−DCコンバータであり、蓄電池等のエネルギー蓄積要素1,7の充放電に適用し両方向に電力供給(昇圧動作、降圧動作)を行うため、低圧側及び高圧側のそれぞれに、平滑コンデンサCdc1と平滑コンデンサCdc2とが設けられている。
【0013】
図1において、エネルギー蓄積要素1はエネルギー蓄積要素7よりも低圧で、低圧側の端子A(第1入出力端子)及び端子B(第2入出力端子)に接続される。エネルギー蓄積要素7はエネルギー蓄積要素1よりも高圧で、高圧側の端子C(第3入出力端子)及び端子D(第4入出力端子)に接続される。
【0014】
端子A及び端子Bには平滑コンデンサCdc1(第1平滑コンデンサ)が接続され、端子C及び端子Dには平滑コンデンサCdc2(第2平滑コンデンサ)が接続されている。
【0015】
なお、第1の実施形態のDC−DCコンバータは、昇圧動作のみに用いても良く、あるいは降圧動作のみに用いても良い。昇圧動作のみに用いる場合にはエネルギー蓄積要素7に代えて負荷装置を用いても良く、降圧動作のみに用いる場合にはエネルギー蓄積要素1に代えて負荷装置を用いても良い。
【0016】
スイッチ回路4は、平滑コンデンサCdc2の両端に接続され、平滑コンデンサCdc2の一端から他端に向かって、スイッチS1(第1スイッチ)、スイッチS2(第2スイッチ)、スイッチS3(第3スイッチ)、スイッチS4(第4スイッチ)の順に直列に接続されている。スイッチS1〜S4の各々は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、IGBTと称する。)のエミッタとダイオードのアノードとが接続され、IGBTのコレクタとダイオードのカソードとが接続され、IGBTのゲートにゲート信号が入力されるようになっている。
【0017】
平滑コンデンサCdc1の一端には電流センサ3を介して連続的な電圧可変制御を行うための昇圧用のチョッパリアクトルLchop(リアクトル)の一端が接続され、チョッパリアクトルLchopの他端にはスイッチS2の他端(ダイオードのアノード側)とスイッチS3の一端(ダイオードのカソード側)とが接続されている。
【0018】
スイッチS2の一端(ダイオードのカソード側)にはスイッチS1の他端(ダイオードのアノード側)が接続され、スイッチS3の他端(ダイオードのアノード側)にはスイッチS4の一端(ダイオードのカソード側)が接続されている。スイッチS4の他端(ダイオードのアノード側)は平滑コンデンサCdc1及び平滑コンデンサCdc2の他端に接続されている。スイッチS1の一端(ダイオードのカソード側)は平滑コンデンサCdc2の一端に接続されている。
【0019】
スイッチS1とスイッチS2との接続点と、スイッチS3とスイッチS4との接続点とには、フライングキャパシタCfcが接続されている。電圧検出回路2(第1電圧検出回路)は、平滑コンデンサCdc1の両端電圧Vdc1を検出して、制御回路8に出力する。電流センサ3(電流検出回路)は、チョッパリアクトルLchopに流れる電流を検出し、制御回路8に出力する。電圧検出回路5(第2電圧検出回路)は、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcを検出して、制御回路8に出力する。電圧検出回路6(第1電圧検出回路)は、平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2を検出して、制御回路8に出力する。
【0020】
制御回路8は、平滑コンデンサCdc1と平滑コンデンサCdc2との間で電力を供給する方向(昇圧動作、降圧動作)に応じたチョッパ電流指令値ichopref(第1電流指令値)を生成する。即ち、平滑コンデンサCdc1から平滑コンデンサCdc2に電力を供給する方向(昇圧動作)であるときには、電圧指令値Vdcref(第1電圧指令値)と電圧検出回路6で検出された平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2(第1電圧検出値)とに基づいてチョッパ電流指令値ichoprefを生成する。また、平滑コンデンサCdc2から平滑コンデンサCdc1に電力を供給する方向(降圧動作)であるときには、電圧指令値Vdcref(第1電圧指令値)と電圧検出回路2で検出された平滑コンデンサCdc1の両端電圧Vdc1(第1電圧検出値)とに基づいてチョッパ電流指令値ichoprefを生成する。なお、電圧指令値Vdcrefは、昇圧動作時と降圧動作時とで同一もしくは異なる値としても良い。
【0021】
また、制御回路8は、チョッパ電流指令値ichoprefと電流センサ3で検出されたチョッパリアクトルLchopに流れる電流ichop(電流検出値)とに基づいてデューティ指令値を生成し、デューティ指令値によりスイッチS1〜S4のゲート信号を生成し、ゲート信号をスイッチS1〜S4に出力し、スイッチS1とスイッチS4とを交互にオン/オフさせ、スイッチS2とスイッチS3とを交互にオン/オフさせることで、昇圧動作、降圧動作を行う。
【0022】
図2は、第1の実施形態のDC−DCコンバータの制御回路の回路構成図である。図2において、制御回路8は、加算器11,13,16、比例積分回路(以下、PI回路と称する。)12,14、リミッタ回路15、コンパレータ17,18、インバータ19,20を備えている。
【0023】
加算器11は、降圧動作時には、平滑コンデンサCdc1の両端電圧Vdc1の目標値を示す所定の電圧指令値Vdcrefと電圧検出回路2で検出された平滑コンデンサCdc1の両端電圧Vdc1との偏差をPI回路12に出力し、昇圧動作時には、平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2の目標値を示す所定の電圧指令値Vdcrefと電圧検出回路6で検出された平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2との偏差をPI回路12に出力する。PI回路12は、加算器11からの偏差に対してPI演算してチョッパ電流指令値ichoprefを加算器13に出力する。加算器13は、PI回路12からのチョッパ電流指令値ichoprefと電流センサ3で検出された電流ichopとの偏差をPI回路14に出力する。
【0024】
PI回路14は、加算器13からの偏差に対してPI演算を行う。リミッタ回路15は、PI回路14からの出力に対して、リミット処理を施し、デューティ指令値として出力する。
【0025】
コンパレータ17は、リミッタ回路15からの出力が三角波信号からなるキャリア信号よりも大きいときにHレベル、リミッタ回路15からの出力がキャリア信号よりも小さいときにLレベルとする第1パルス信号を生成し、この第1パルス信号をスイッチS4のゲートに印加する。インバータ19は、コンパレータ17からの第1パルス信号を反転し、反転されたパルス信号をスイッチS1のゲートに印加する。
【0026】
加算器16は、「1」からリミッタ回路15からの出力を減算する。コンパレータ18は、キャリア信号が加算器16からの出力よりも大きいときにHレベル、キャリア信号が加算器16からの出力よりも小さいときにLレベルとする第2パルス信号を生成し、この第2パルス信号をスイッチS2のゲートに印加する。インバータ20は、コンパレータ18からの第2パルス信号を反転し、反転されたパルス信号をスイッチS3のゲートに印加する。
【0027】
次に、このように構成された第1の実施形態に係るDC−DCコンバータの動作を図3及び図4を参照しながら、詳細に説明する。図3は、第1の実施形態のDC−DCコンバータの昇圧動作時の各モードを示す図である。図3(a)は、昇圧動作時のモード1の動作回路図を示し、図3(b)は、昇圧動作時のモード2の動作回路図を示す。
【0028】
図4は、第1の実施形態のDC−DCコンバータの各スイッチのオン/オフの状態を示す図である。図4において、低圧側と高圧側との電圧比が1:2である場合には、モード1、モード2のみの動作となる。低圧側と高圧側との電圧比が任意の電圧比である場合には、モード3、モード4の動作を行う。デューティ指令値が0〜0.5の場合、モード1、モード2、モード3でスイッチング動作し、デューティ指令値が0.5〜1の場合、モード1、モード2、モード4でスイッチング動作を行う。
【0029】
なお、ここでは、デューティ50%でオン/オフさせた場合の昇圧動作を説明する。昇圧動作時のモード1では、図4に示すように、スイッチS2とスイッチS4とがオンし、スイッチS1とスイッチS3とがオフする。このため、図3(a)に示すように、Cdc1→Lchop→S2→Cfc→S4の経路で電流が流れ、チョッパリアクトルLchopにエネルギーが蓄積されるとともに、平滑コンデンサCdc1の両端電圧Vdc1がフライングキャパシタCfcに充電される。
【0030】
昇圧動作時のモード2では、図4に示すように、スイッチS2とスイッチS4とがオフし、スイッチS1とスイッチS3とがオンする。このため、図3(b)に示すように、Cdc1→Lchop→S3→Cfc→S1→Cdc2の経路で電流が流れる。その結果、平滑コンデンサCdc1の両端電圧Vdc1にフライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcが加わり、平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2は、2Vdc1となり、この電圧がエネルギー蓄積要素7に供給される。
【0031】
次に、デューティ50%でオン/オフさせた場合の降圧動作を説明する。降圧動作時のモード2では、平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2の半分の電圧がフライングキャパシタCfcに充電される。降圧動作時のモード1では、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcが平滑コンデンサCdc1の両端電圧Vdc1となり、この電圧がエネルギー蓄積要素1に供給される。
【0032】
また、第1の実施形態では、チョッパリアクトルLchopを設け、電流センサ3がチョッパリアクトルLchopに流れる電流を検出し、電圧検出回路2が平滑コンデンサCdc1の両端電圧Vdc1を検出し、電圧検出回路6が平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2を検出し、制御回路8がこれらの検出値に基づいてスイッチS1〜S4のゲート信号を生成し、ゲート信号をスイッチS1〜S4に出力している。
【0033】
即ち、チョッパリアクトルLchopを用いて、電流(ichop)フィードバック制御を行うことにより、昇圧比や降圧比を可変でき、入力電圧に対して出力電圧を任意の電圧に可変制御することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
第1の実施形態のDC−DCコンバータでは、通常、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcは、平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2の1/2倍でクランプされる。しかし、負荷の変動、スイッチ回路4を構成する各スイッチのばらつき、図示しない駆動回路の遅延等により、フライングキャパシタCfcに充電される時間と放電される時間とに差異が生じた場合は、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcが変動し、平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2の1/2倍にバランスされない。このような場合、スイッチ回路4を構成する各スイッチに印加される電圧が変動するため、各スイッチの耐圧を超過し、破壊することが懸念される。
【0035】
そこで、第2の実施形態のDC−DCコンバータは、上記課題を解決したものであり、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcを検出する電圧検出回路5(第2電圧検出回路)を備え、制御回路8は、電圧指令値Vfcref(第2電圧指令値)と電圧検出回路5で検出されたフライングキャパシタCfcの両端電圧Vfc(第2電圧検出値)とに基づいてデューティ補正値を生成し、デューティ補正値をデューティ指令値に加算して得られた補正デューティ指令値により、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcの電圧不平衡を解消するためのバランス制御(平衡制御)を行うことを特徴とする。
【0036】
図5は、第2の実施形態のDC−DCコンバータの制御回路の回路構成図である。図5に示す第2の実施形態の制御回路は、図2に示す第1の実施形態の制御回路に対して、さらに、加算器21、PI回路22、リミッタ回路23、加算器24,25を設けたことを特徴とする。
【0037】
なお、図5に示すその他の構成は、図2に示す構成と同一であるので、同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0038】
加算器21は、平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2の目標値を示す所定の電圧指令値Vfcrefと電圧検出回路5で検出されたフライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcとの偏差をPI回路22に出力する。
【0039】
PI回路22は、加算器21からの偏差に対してPI演算を行う。リミッタ回路23は、PI回路22からの出力に対して、リミット処理を施し、デューティ補正値として出力する。
【0040】
加算器24は、リミッタ回路15からのデューティ指令値とリミッタ回路23からのデューティ補正値とを加算して得られた補正デューティ指令値をコンパレータ17の非反転入力端子(+)に出力する。加算器25は、リミッタ回路23からのデューティ補正値と加算器16からの出力とを加算してコンパレータ18の反転入力端子(−)に出力する。
【0041】
コンパレータ17は、加算器24からの出力が三角波信号からなるキャリア信号よりも大きいときにHレベル、加算器24からの出力がキャリア信号よりも小さいときにLレベルとする第1パルス信号を生成し、この第1パルス信号をスイッチS4のゲートに印加する。インバータ19は、コンパレータ17からの第1パルス信号を反転し、反転されたパルス信号をスイッチS1のゲートに印加する。
【0042】
コンパレータ18は、キャリア信号が加算器25からの出力よりも大きいときHレベル、キャリア信号が加算器25からの出力よりも小さいときLレベルとする第2パルス信号を生成し、この第2パルス信号をスイッチS2のゲートに印加する。インバータ20は、コンパレータ18からの第2パルス信号を反転し、反転されたパルス信号をスイッチS3のゲートに印加する。
【0043】
次に、このように構成された第2の実施形態に係るDC−DCコンバータの動作を説明する。
【0044】
まず、電圧検出回路5で検出されたフライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcは加算器21に入力される。電圧指令値Vfcrefと検出されたフライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcとの偏差が加算器21から出力される。加算器21からの偏差は、PI回路22によりPI演算され、リミッタ回路23を介して加算器24,25にデューティ補正値として出力される。
【0045】
リミッタ回路15からの出力とリミッタ回路23からの出力とが加算器24により加算される。リミッタ回路23からの出力と加算器16からの出力とが加算器25により加算される。
【0046】
即ち、電圧指令値Vfcrefと電圧検出回路5で検出されたフライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcとに基づいてデューティ補正値を生成し、デューティ補正値をデューティ指令値に加算して得られた補正デューティ指令値により、スイッチ回路4を構成するスイッチS1,S2又はスイッチS3,S4が同時にオンし、フライングキャパシタCfcが充放電しない期間を生成する。この充放電しない期間を用いて、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcを制御する。そして、電圧指令値Vfcrefと電圧検出回路5で検出されたフライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcとの偏差がゼロになると、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcの電圧不平衡を解消することができる。
【0047】
図6は、第2の実施形態のDC−DCコンバータの出力電力とフライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcとの関係を示す図である。デューティ指令値がデューティ補正量で補正される平衡制御(図6の■)を行った場合には、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcは、出力電力の大きさに関係なく、一定電圧に制御されていることがわかる。
【0048】
しかし、デューティ指令値がデューティ補正量で補正されない不平衡制御(図6の◆)では、重負荷になるほど、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcが変動している。従って、本発明の有用性を確認することができる。
【0049】
このように、直流電圧を昇圧もしくは降圧するDC−DCコンバータにおいて、フライングキャパシタCfcの両端電圧Vfcを平滑コンデンサCdc2の両端電圧Vdc2の1/2倍でバランスする制御を確立することできる。これにより、スイッチ回路4を構成する各スイッチの耐圧を超過し、破壊することを防止することができる。また、低耐圧のスイッチが使用できコストを低減できる。
【符号の説明】
【0050】
1,7 エネルギー蓄積要素
2,5,6 電圧検出回路
3 電流センサ
4 スイッチ回路
8 制御回路
11,13,16,21,24,25 加算器
12,14,22 PI回路
15,23 リミッタ回路
17,18 コンパレータ
19,20 インバータ
S1〜S4 スイッチ
Cdc1,Cdc2 平滑コンデンサ
Cfc フライングキャパシタ
Lchop チョッパリアクトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7