【文献】
山崎公義 他,「フロー制御技術を用いたネットワーク品質の全体最適化手法」,電子情報通信学会技術研究報告,一般社団法人電子情報通信学会,2012年 3月 8日,pp. 107-112
【文献】
山田 啓 他,「サービスの優先度に対応したフロー制御技術によるネットワーク品質の全体最適化手法」,電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント,2013年 1月17日,pp.121-126
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定部は、前記ネットワークにおける通信経路に関する情報を取得し、取得した前記通信経路に関する情報に基づいて前記通信フローの前記通信経路の変更が可能か否かを判定し、前記通信フローの前記通信経路の変更が不可能であるとき、前記通信フローが通過する前記輻輳リンクの前記帯域制限し、
前記通信経路の変更は、複数の前記通信フローの束ごとに実施され、複数の前記通信フローの束で実施不可能なときに、前記束を分割して前記通信経路を変更すること、
を特徴とする請求項1に記載のネットワーク制御システム。
複数の中継装置間がリンクで接続されたネットワークに対して、各通信フローの通信経路を制御するネットワーク制御装置を含むネットワーク制御システムにおけるネットワーク制御装置であって、
前記ネットワークの前記リンク各々の品質値に関する情報を取得するネットワーク情報取得部と、
前記ネットワーク情報取得部が取得した前記リンク各々の品質値に関する情報に基づいて、前記リンクのうち輻輳状態にある輻輳リンクを通過する前記通信フローを抽出する抽出部と、
前記ネットワーク情報取得部が取得した前記リンク各々の品質値に関する情報に基づいて、前記抽出部が抽出した前記通信フローの前記通信経路を変更させるか否か、又は前記輻輳リンクの帯域制限をするか否かを、前記品質値に関する情報が改善されているか否かを判定することで前記通信経路の変更又は前記帯域制限を実施するよりも前に決定する決定部と、
を備え、
前記ネットワーク情報取得部と、前記抽出部と、前記決定部と、における各々の処理を繰り返すし、
前記リンク各々の品質値に関する情報は品質指標QoEであること、
を特徴とするネットワーク制御装置。
複数の中継装置間がリンクで接続されたネットワークに対して、各通信フローの通信経路を制御するネットワーク制御装置を含むネットワーク制御システムにおけるネットワーク制御方法であって、
前記ネットワークの前記リンク各々の品質値に関する情報を取得するネットワーク情報取得過程と、
前記ネットワーク情報取得過程において取得した前記リンク各々の品質値に関する情報に基づいて、前記リンクのうち輻輳状態にある輻輳リンクを通過する前記通信フローを抽出する抽出過程と、
前記ネットワーク情報取得過程において取得した前記リンク各々の品質値に関する情報に基づいて、前記抽出過程において抽出した前記通信フローの前記通信経路を変更させるか否か、又は前記輻輳リンクの帯域制限をするか否かを、前記品質値に関する情報が改善されているか否かを判定することで前記通信経路の変更又は前記帯域制限を実施するよりも前に決定する決定過程と、
を有し、
前記ネットワーク情報取得過程と、前記抽出過程と、前記決定過程と、における各々の処理を繰り返すし、
前記リンク各々の品質値に関する情報は品質指標QoEであること、
を特徴とするネットワーク制御方法。
複数の中継装置間がリンクで接続されたネットワークに対して、各通信フローの通信経路を制御するネットワーク制御装置を含むネットワーク制御システムにおけるネットワーク制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記ネットワークの前記リンク各々の品質値に関する情報を取得するネットワーク情報取得ステップと、
前記ネットワーク情報取得ステップにおいて取得した前記リンク各々の品質値に関する情報に基づいて、前記リンクのうち輻輳状態にある輻輳リンクを通過する前記通信フローを抽出する抽出ステップと、
前記ネットワーク情報取得ステップにおいて取得した前記リンク各々の品質値に関する情報に基づいて、前記抽出ステップが抽出した前記通信フローの前記通信経路を変更させるか否か、又は前記輻輳リンクの帯域制限をするか否かを、前記品質値に関する情報が改善されているか否かを判定することで前記通信経路の変更又は前記帯域制限を実施するよりも前に決定する決定ステップと、
を有し、
前記ネットワーク情報取得ステップと、前記抽出ステップと、前記決定ステップと、における各々の処理を繰り返し実行させるためのプログラムであって、
前記リンク各々の品質値に関する情報は品質指標QoEである、
ネットワーク制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るネットワーク制御システムS1の構成の一例を示す概略図である。
ネットワーク制御システムS1は、制御対象ネットワークN1と、制御対象ネットワークN1とは別のネットワークN2と、ネットワーク情報収集装置2と、経路制御装置3と、経路決定装置4と、パケット転送装置制御装置5と、を含んで構成される。
【0016】
制御対象ネットワークN1は、複数のパケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7を含んで構成される。各パケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7は、近傍のパケット転送装置と接続リンクR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12で接続されている。制御対象ネットワークN1には、制御対象ネットワークN1外のネットワークなどから通信フローCF1およびCF2などが流入し、該通信フローCF1、CF2は、制御対象ネットワークN1から別のネットワークなどに流出する。
【0017】
例えば、制御対象ネットワークN1外のネットワークなどから制御対象ネットワークN1に流入した通信フローCF1は、パケット転送装置1−1から接続リンクR3を通過しパケット転送装置1−2に、接続リンクR7を通過しパケット転送装置1−5に、接続リンクR11を通過してパケット転送装置1−7に流れる。通信フローCF1は、パケット転送装置1−7から制御対象ネットワークN1外のネットワークなどに流出していく。また、通信フローCF2は、通信フローCF1と同様に外部のネットワークなどから制御対象ネットワークN1に流入し、パケット転送装置1−3から接続リンクR5を通過しパケット転送装置1−2に流れ、接続リンクR4を経由してパケット転送装置1−4に流れ、制御対象ネットワークN1外のネットワークなどに流出していく。
【0018】
ここで、通信フローとは、制御対象ネットワークN1のパケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7を経由して転送されるパケットなどの流れのことであり、特に記載しない限り、本実施形態では、ある送信元のソースノードからある送信先のディスティネーションノードまでのエンド−エンド(End−to−End)を流れる通信フローのうち、制御対象ネットワークN1に流入するパケット転送装置と、制御対象ネットワークN1から流出するパケット転送装置との各々が共通し、かつ、優先度が同じであるフローの集まりである。また、通信フローには、品質を維持すべき通信フローと、品質を考慮しないベストエフォート(BE)の通信フローとが存在する。なお、品質を維持すべき通信フローには、通信の種別や緊急呼などの通信の重要度によって優先度が存在する。
【0019】
ここで、優先度は、TOS(Type of Service:トス)値、DSCP(Differentiated Service Code Point:ディーエスシーピー)値によって設定されるものである。TOS値とは、パケットのヘッダを構成するフィールドの一つで、通信サービスの種別を伝達するものであり、転送の際における優先度などを8段階で示すために使用されるヘッダの8ビット(1バイト)が使用され、該8ビットのうち4ビットに、遅延、スループット、信頼性、コストなどの情報があり、該項目の中から重視するものを選択するものである。また、DSCP値とは、8ビットのうち6ビットを用いて64段階の優先度などの設定を行うものである。
【0020】
パケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7各々は、パケット転送装置制御装置5とネットワークN1およびネットワークN2とは別のネットワークであるSNで接続される。
パケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7は、制御対象ネットワークN1内にあるルータやスイッチなどであり、パケット転送装置制御装置5からの指示により、通信フローの通信経路を変更する。例えば、パケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7は、オープンフロー(Open Flow)対応スイッチであり、パケット転送装置制御装置5は、例えば、オープンフロー(Open Flow)コントローラである。
【0021】
ネットワーク情報収集装置2と、経路制御装置3と、経路決定装置4と、パケット転送装置制御装置5とは、制御対象ネットワークN1とは別のネットワークN2を介して接続され、互いに通信を行う。
【0022】
ネットワーク情報収集装置2は、各リンクの使用帯域と、各通信フローの使用帯域と、各パケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7のパケット情報とを収集する。ネットワーク情報収集装置2は、各リンクの使用帯域と、各リンクの帯域幅とから、各リンクにおける帯域使用率を算出する。また、ネットワーク情報収集装置2は、各パケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7のパケット情報から、各リンクの品質指標、例えば、QoS(Quality of Service:キューオーエス)などを算出する。以下、リンクの品質指標をリンクの品質値と称する。ネットワーク情報収集装置2は、各リンクの帯域使用率と、各リンクの品質値とを含む品質値情報と、各通信フローの通信経路情報と、各通信フローの使用帯域とを経路制御装置3に送信する。
【0023】
経路制御装置3は、ネットワーク情報収集装置2が収集した各リンクの品質値情報および通信フロー情報に基づいて、経路制御対象候補通信フローを決定する。また、経路制御装置3は、経路決定装置4が探索した経路情報に対して、経路制御対象候補通信フローの経路変更を実施するか否かを決定する。
経路制御装置3は、決定した経路制御対象候補通信フローの経路変更の実施などをパケット転送装置制御装置5に送信する。
経路決定装置4は、経路制御装置3から経路制御対象候補通信フローの情報を取得すると品質値が最良となる経路を探索し、探索した経路情報を経路制御装置3に送信する。経路決定装置4が用いる探索方法は、公知の技術を用いて経路を探索すればよい。
【0024】
パケット転送装置制御装置5は、経路制御装置3から受信した経路制御対象候補通信フローの経路変更の実施の指示に基づいて、制御対象ネットワークN1内のパケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7に対して、通信フローの経路変更などをさせる指示をする。
【0025】
図2は、本実施形態に係る経路制御装置3の構成の一例を示す概略ブロック図である。
経路制御装置3は、NW情報取得部31と、トポロジー情報記憶部32と、フロー情報更新部33と、フロー情報記憶部34と、経路制御決定部35と、経路情報送信部36と、品質情報テーブル記憶部37とを含んで構成される。また、経路制御決定部35は、経路制御対象候補抽出部351と、経路制御対象フロー決定部352とを含んで構成される。
【0026】
NW情報取得部31は、ネットワーク情報収集装置2から各リンクの品質値情報と、各通信フローの通信経路情報と、各通信フローの使用帯域とを取得する。NW情報取得部31は、取得した品質値情報を、トポロジー情報記憶部32に記憶させる。NW情報取得部31は、取得した各通信フローの通信経路情報と、各通信フローの使用帯域とをフロー情報更新部33に出力する。なお、NW情報取得部31は、ネットワーク情報収集装置2に対して、取得したいリンクを識別する情報を送信し、当該リンクの情報のみを取得してもよい。
トポロジー情報記憶部32は、各リンクの品質値情報を、リンクIDと、SrcノードIDと、DstノードIDと、を対応付けて記憶する。ここで、Srcノードとは、あるリンクで接続される2つのパケット転送装置のうち、送信元のパケット転送装置であり、Dstノードとは、送信先のパケット転送装置である。
【0027】
フロー情報更新部33は、NW情報取得部31から入力された各通信フローの通信経路情報と、各通信フローの使用帯域とに基づいてフロー情報記憶部34を更新する。フロー情報更新部33の詳細な動作については、後述の
図3に示すフローチャートを参照して後述する。
フロー情報記憶部34は、フローIDと、始点ノードIDと、終点ノードIDと、通信フローの通信経路情報と、品質値と、優先度と、使用帯域とを対応付けて記憶する。
ここで、始点ノードとは、制御対象ネットワークN1に外部のネットワークなどから通信フローが流入するパケット転送装置であり、終点ノードとは、制御対象ネットワークN1から外部のネットワークなどに通信フローを流出させるパケット転送装置である。
【0028】
経路制御対象候補抽出部351は、トポロジー情報記憶部32に格納されたリンク各々の品質値情報を参照して、複数のリンクのうち輻輳状態にある輻輳リンクを検出し、該輻輳リンクを通過する通信フローを経路制御対象候補通信フローとして抽出する。経路制御対象候補抽出部351は、抽出した経路制御対象候補通信フローの通信経路情報を経路決定装置4に送信する。なお、経路制御対象候補抽出部351は、経路制御対象候補通信フローを抽出する際に、後述する品質情報テーブルを生成し、品質情報テーブル記憶部37を更新する。
【0029】
経路制御対象フロー決定部352は、トポロジー情報記憶部32に格納されたリンク各々の品質値情報を参照して、経路制御対象候補抽出部351が抽出した通信フローの通信経路を変更させるか否かを決定する。具体的には、経路制御対象フロー決定部352は、経路決定装置4から経路制御対象候補通信フロー移動先の通信経路の候補を表す移動先経路候補情報を受信する。そして、経路制御対象フロー決定部352は、受信した移動先経路候補情報と、トポロジー情報記憶部32に格納されているトポロジー情報とから、通信フローの品質値が改善されているか否か、または、移動先経路候補の空き帯域が、経路制御対象候補通信フローの使用帯域よりも大きいか否かを判定し、移動先経路候補情報にしたがい、通信経路を変更させるか否かを決定する。経路制御対象フロー決定部352は、通信経路を変更させると決定したときは、該移動先経路候補情報を経路情報送信部36に出力する。
【0030】
一方、通信経路を変更させないと決定したときは、経路制御対象フロー決定部352は、経路制御対象候補通信フローが通過する輻輳リンクに対し帯域制限を行うと決定する。経路制御対象フロー決定部352は、帯域制限を行うと決定した輻輳リンクのうち、帯域制限をどの優先度のリンクにするかと帯域制限幅を決定し、帯域制限情報として経路情報送信部36に出力する。ここで、帯域制限幅とは、帯域制限の対象となっているリンクが使用可能な帯域幅のことである。
【0031】
経路情報送信部36は、経路制御対象フロー決定部352から入力された通信フローの移動先経路候補情報または帯域制限情報をパケット転送装置制御装置5に送信する。
品質情報テーブル記憶部37は、経路制御対象候補抽出部351において生成される品質情報テーブルを記憶する。
【0032】
図3は、本実施形態に係る経路制御装置3の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
ステップST1において、NW情報取得部31は、ネットワーク情報収集装置2から各リンクの品質値情報および通信フロー情報を取得する。NW情報取得部31が取得する各リンクの品質値情報は、リンクを識別する各リンクのリンクIDと、リンクのソース側のパケット転送装置を識別するソースノードID(SrcノードID)と、リンクのディスティネーション側のパケット転送装置を識別するディスティネーションノードID(DstノードID)と、リンクごとの品質値と、リンクごとの帯域使用率と、優先度と、を含む情報である。
【0033】
なお、NW情報取得部31は、制御対象ネットワークN1のトポロジー情報、例えば、リンクID、SrcノードID、DstノードIDについては、予め把握できているものとする。
【0034】
また、通信フロー情報は、通信フローを識別する各通信フローのフローIDと、制御対象ネットワークN1において、当該通信フローが入ってきたパケット転送装置を識別する始点ノードIDと、制御対象ネットワークにおいて、当該通信フローが出ていくパケット転送装置を識別する終点ノードIDと、通信フローが通過するリンクを識別する経路と、通信フローが通過する経路内の各リンクの品質値から算出される通信フローの品質を表す品質値と、データ転送の優先順位を表す優先度とを含む情報である。
【0035】
ステップST2において、NW情報取得部31は、取得した各リンクの品質値情報および通信フロー情報に基づいてトポロジー情報記憶部32を更新する。フロー情報更新部33は、NW情報取得部31から入力された通信フローの通過経路の各リンクの品質値情報から、経路制御対象候補通信フローのエンド−エンド(End−to−Endで)の品質値情報を導出する。
【0036】
フロー情報更新部33は、NW情報取得部31から入力された通信フロー情報に基づいて、フロー情報記憶部34を更新する。フロー情報更新部33は、NW情報取得部31が取得した通信フロー情報と、フロー情報記憶部34から読み出した通信フロー情報とを比較し、通信フローの追加または削除など、フロー情報記憶部34を更新する。
【0037】
また、フロー情報記憶部34は、通信フローの品質値情報を記憶する。ここで、通信フローの品質値情報は、リンクの品質値情報と同一の品質指標でなくてもよい。例えば、リンクの品質値情報が単一の品質指標(遅延、ロス、ゆらぎ等のいずれか)である場合には、通信フローの品質値もエンド−エンド(End−to−End)での当該の品質指標を用いることが想定されるが、リンクの品質値情報が複数の品質指標である場合には、それらを用いて算出される別の品質指標、例えば、QoEなどを通信フローの品質値情報としてもよい。また、リンクの品質値情報が単一の品質指標であっても、それが帯域利用率等であれば、通信フローの品質値情報は、利用帯域幅等の異なる品質指標となる場合もある。
【0038】
ステップST3において、経路制御対象候補抽出部351は、フロー情報記憶部34に格納されている制御対象ネットワークN1内の通信フロー情報を参照し、移動対象候補または帯域制御対象候補となる通信フローを決定する。また、経路制御対象フロー決定部352は、品質値または帯域使用率が改善されているか否かを判定し、経路制御を実施するか否かを決定する。以降、経路制御を実施すると決定された通信フローを経路制御対象候補通信フローと称する。ステップST3における経路制御決定部35の詳細な移動・帯域制御処理は、後述する。
【0039】
ステップST4において、経路情報送信部36は、経路制御決定部35から入力された経路制御対象候補通信フロー情報と、移動先経路候補情報とをパケット転送装置制御装置5に送信する。パケット転送装置制御装置5は、受信した経路制御対象候補通信フロー情報と、移動先経路候補情報とを、パケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7に送信し、経路の移動処理を実施する。
以上のステップST1からステップST4までの処理を一連の処理として、ステップRP1とステップRP2との間のステップST1からステップST4の処理を繰り返す。
【0040】
図4は、本実施形態に係る経路制御装置3の経路制御決定部35の移動・帯域制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、
図5は、本実施形態に係る経路制御装置3の経路制御決定部35における経路制御対象候補通信フローの抽出処理および経路制御実施判断処理を説明する概略図である。
経路制御装置3の経路制御決定部35における経路制御対象候補通信フローの抽出処理および経路制御実施判断処理は、
図5に示すように制御対象ネットワークN1内を流れている通信フローCF3_H、CF4_H、CF5_H、CF6_L、CF_7_L1本ずつの制御ではなく、同一優先度かつ同一エンド−エンド(End−to−End)の通信フローの束CF_Hとしてまとめて処理する。
【0041】
図4に戻って、ステップST31において、経路制御決定部35の経路制御対象候補抽出部351は、帯域使用率または品質値に基づいて、制御対象ネットワークN1内に品質が悪い通信フローが存在するか否かを判定する。品質が悪い通信フローが存在する場合、経路制御対象候補抽出部351は、ステップST32の処理を行う。一方、品質の悪い通信フローが存在しない場合、経路制御対象候補抽出部351は、ステップST35に進み、以前に帯域制限を行ったリンクに対し帯域制御緩和処理を実施する。
【0042】
ステップST32において、経路制御対象候補抽出部351は、フロー情報記憶部34およびトポロジー情報記憶部32に記憶された帯域使用率または品質値を参照し、品質の悪い通信フロー順に経路制御対象候補通信フローとして抽出する。経路制御対象フロー決定部352は、経路制御対象候補通信フローに対し、経路の移動経路が可能か否かを判定する。経路制御対象候補通信フローの経路の移動が可能である場合、経路制御対象フロー決定部352は、経路情報送信部36を介し、パケット転送装置制御装置5に通信フローを束で移動させ、通信フローを束で移動できない場合、パケット転送装置制御装置5に通信フローの束を分割して移動させる。一方、経路制御対象候補通信フローの経路の移動が不可能である場合、経路制御対象フロー決定部352は、経路情報送信部36を介し、パケット転送装置制御装置5に経路制御対象候補通信フローの利用帯域を通信フローが必要とする帯域分、経路制御対象候補通信フローの帯域が圧縮させ、リンクの帯域制限を行う。詳細な経路移動および帯域圧縮処理の説明は、後述する。
【0043】
ステップST33において、経路制御対象候補抽出部351は、帯域使用率が閾値以上であるリンクが存在するが、該リンクを経由する通信フローの品質が問題ない場合、当該リンクを通過するベストエフォート(Best Effort:BE)の通信フローを経路制御対象候補通信フローとして抽出する。経路制御対象フロー決定部352は、経路制御対象候補抽出部351が抽出した経路制御対象候補通信フローであるBEの通信フローに対し、後述する経路移動および帯域圧縮処理における経路制御実施判定(帯域値を利用)を実施する。
【0044】
ステップST34において、経路制御決定部35は、上述のステップST31からステップST33までの処理が所定回数以上か否かを判定する。所定回数未満である場合、経路制御決定部35は、
図4に示す処理を終了し、
図3に示すステップST4に戻る。一方、所定回数以上の場合、経路制御決定部35は、ステップST35に進み、回数カウンタをリセットし、ステップ36に進み、以前に帯域制限を行った通信フローに対し、帯域制限緩和処理を実施する。
【0045】
ステップST36において、経路制御対象候補抽出部351は、帯域圧縮処理をされているリンク(以降、制御リンクと称する。)を優先度毎に抽出する。以降、該リンクのリストを制御リンクリストと称する。次いで、経路制御対象候補抽出部351は、制御リンクリストに含まれる各リンクを通過する被帯域制限通信フローを全て抽出する。経路制御対象候補抽出部351が抽出した被帯域制限通信フローのリストを、以降、フローリストと称する。経路制御対象フロー決定部352は、フローリストの中から最も優先度が高く、通過する制御リンク数が多く、かつ通信フロー束アドレス空間が大きい通信フローから順に、帯域制限の緩和が可能か否かを判定する。経路制御対象候補抽出部351は、上記順にフローリスト内の全ての通信フローに対して同様の判定を行う。帯域制限の緩和が可能か否かの判定方法は、後述する。
【0046】
ステップST37において、経路制御対象候補抽出部351は、後述する経路移動および帯域圧縮処理を実施した通信フローの中で、該処理を実施したタイミングが最も古い通信フローを経路制御対象候補通信フローとして抽出する。ただし、経路制御対象候補抽出部351は、抽出した通信フローに帯域制限が実施されている場合は対象外として、該通信フローを抽出しない。次いで、経路制御対象フロー決定部352は、当該通信フローを経路移動前の経路(以下、デフォルトルートと称する。)に移動させても問題ないか否かを判定する。
【0047】
まず、経路制御対象フロー決定部352は、当該通信フローのデフォルトルート上のリンクにおいて、帯域制限がされているか否かを判定する。帯域制限がされている場合、経路制御対象フロー決定部352は、当該通信フローを対象外とする。次いで、当該通信フローがベストエフォート以外の通信フロー、すなわち、品質を維持したい通信フローである場合、経路制御対象フロー決定部352は、当該通信フローをデフォルトルートに戻した際の品質値を推定(推定品質値)し、現在の通信フローの品質値と推定品質値とを比較する。経路制御対象フロー決定部352は、推定品質値が所定の閾値以上の改善が見込まれる場合、経路情報送信部36を介してパケット転送装置制御装置5に当該通信フローの経路をデフォルトルートへ戻す。そして、通信フローの分割処理を実施していた場合、経路制御対象フロー決定部352は、分割していた通信フローを統合する。当該通信フローがベストエフォートの通信フローである場合、経路制御対象フロー決定部352は、当該通信フローをデフォルトルートに戻した際の各リンクの帯域使用率を推定(推定帯域使用率)する。経路制御対象フロー決定部352は、当該通信フローを移動後の帯域使用率が、所定の閾値以下である場合、当該通信フローをデフォルトルートに戻し、分割していた通信フローを統合する。
【0048】
ここで、ステップST36における帯域制限の緩和が可能か否かの判定方法について詳述する。経路制御対象候補抽出部351は、制御リンクを抽出する。次いで、経路制御対象候補抽出部351は、制御リンクのリストの中から各制御リンクを通過する被帯域制限通信フローを全て抽出する。経路制御対象候補抽出部351が抽出した被帯域制限通信フローを、以降、フローリストと称する。経路制御対象フロー決定部352は、フローリストの中から最も優先度が高い通信フローのうち、通過する制御リンク数が多くかつ通信フローアドレス空間が大きい通信フローから順に、帯域制限の緩和が可能か否かを判定する。経路制御対象候補抽出部351は、上記順にフローリスト内の全ての通信フローに対して同様の判定を行う。
【0049】
経路制御対象候補抽出部351は、経路制御対象候補通信フローが通過するリンクの中で最も上流に位置する、すなわち、ソースノードに近い制御リンクを抽出する。経路制御対象候補抽出部351は、当該制御リンクが含まれるリンクに、経路制御対象候補通信フローより優先度の高い通信フローの制御リンクが含まれず、かつ開放フラグが立っていなかった場合、開放フラグをオンにする。また、経路制御対象候補通信フローが通過する最も上流の制御リンク以外の制御リンクについては、開放フラグをオフにする。
経路制御対象候補抽出部351は、当該制御リンクにおいて既に開放フラグがオンまたはオフである場合、経路制御対象候補通信フローが通過する当該リンクの下流側に位置する制御リンク全てに対して開放フラグをオフにする。
【0050】
経路制御対象候補抽出部351は、経路制御対象候補通信フローの経路において、当該リンクより下流側の任意のリンクを共有する通信フローがフローリスト内に存在すれば、該通信フローの経路上にある、上記リンクを共有する通信フローの上流側にある最も近い制御リンクの開放フラグをオフにする。
経路制御対象候補抽出部351は、上記処理により開放フラグがオンとなった制御リンクの帯域制限の緩和を行う。帯域制限の緩和する量は、当該制御リンクが含まれるリンクに対するトラフィック量の閾値と、リンク内のトラフィック量との差分である。
【0051】
ただし、以下の場合においては、経路制御対象候補抽出部351は、下記のように制御リンクの帯域制限の緩和を行う。
(1) 同一リンクに異なる優先度の通信フローが存在する場合、経路制御対象候補抽出部351は、優先度の高い通信フローの開放フラグをオンにし、優先度の低い通信フローの開放フラグをオフにする。
(2) 同一優先度の通信フローが一部の制御リンクを共有している場合、すなわち、通信フローCFXが制御リンクLX、LYの順で帯域制限され、通信フローCFYが制御リンクLYで帯域制限されている場合、制御リンクLYは、通信フローCFYの最上流の制御リンクであるが、通信フローCFXに対しては、下流の制御リンクであるため、経路制御対象候補抽出部351は、通信フローCFXにおける最上流の制御リンクLXの開放フラグをオンにし、制御リンクLYの開放フラグをオフにする。
(3) 異なる優先度の通信フローが一部で制御リンクを共有している場合、すなわち、優先度が低い通信フローCFYが制御リンクLX、LYの順に帯域制限され、優先度の高い通信フローCFXが制御リンクLYで帯域制限されている場合、経路制御対象候補抽出部351は、各通信フローCFX、CFYの最上流の制御リンクの開放フラグをオンにする。すなわち、経路制御対象候補抽出部351は、通信フローCFYに対して、制御リンクLXの開放フラグをオンにし、制御リンクLYの開放フラグをオフにする。また、経路制御対象候補抽出部351は、通信フローCFXに対して、制御リンクLXの開放フラグをオンにする。
(4) 異なる優先度の通信フローが一部で制御リンクを共有している場合、すなわち、優先度の低い通信フローCFYが制御リンクLYで帯域制限され、優先度の高い通信フローCFXが制御リンクLX、LYの順に帯域制限されている場合、経路制御対象候補抽出部351は、制御リンクLXの開放フラグをオンにし、制御リンクLYにおける通信フローCFX、CFYの開放フラグをオフにする。
(5) 優先度の異なる通信フローが任意のリンクを共有する場合、すなわち、優先度の低い通信フローCFYの経路がリンクLX、LY、LZの順であり、そのうち帯域制限されている制御リンクは、リンクLX、LYであるとする。また、優先度の高い通信フローCFXの経路がリンクLW、LZの順であり、そのうち帯域制限されている制御リンクが、リンクLWである場合、経路制御対象候補抽出部351は、通信フローCFXの最上流である制御リンクLWの開放フラグをオンにし、通信フローCFYに対するリンクLYの開放フラグをオフにする。
【0052】
図6は、本実施形態に係る経路制御装置3の経路制御決定部35の経路移動および帯域圧縮処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップST321において、経路制御対象候補抽出部351は、帯域使用率がある閾値以上となるリンクを抽出する。以降、このリンクを「輻輳リンク」と称する。経路制御対象候補抽出部351は、輻輳リンクを通過する経路制御対象候補通信フローの品質値を抽出する。
【0053】
また、経路制御対象候補抽出部351は、通信フローの帯域使用率の閾値を下回る各通信フローの通過経路内において、帯域使用率が閾値以上となるリンクが無い場合、経路制御対象候補通信フローおよびその品質値を抽出する。経路制御対象候補抽出部351は、抽出した経路制御対象候補通信フロー情報、輻輳リンク情報、品質値などに基づいて、品質情報テーブルを生成する。品質情報テーブルは、通信フロー、リンクなどを識別する種別情報と、優先度、例えば、高、中、低の3段階などと、該優先度に対応する通信フローの品質値の情報を関連付けたテーブルである。経路制御対象候補抽出部351は、生成した品質情報テーブルを品質情報テーブル記憶部37に記憶させ、品質情報テーブルを更新する。
【0054】
このとき、同一リンク内に、同一優先度の通信フローであって、品質の良い通信フローと、悪い通信フローとが混在している場合、当該リンクの影響によって品質の低下となっていると考えられないことから、経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブル内の当該箇所の情報を全て削除し、以降当該箇所には情報追加は行わない。
【0055】
ステップST322において、経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブル記憶部37に記憶されている品質情報テーブルを、優先度が高い順にソートする。同一の優先度の場合、経路制御対象候補抽出部351は、品質が悪い順に、品質情報テーブルをソートする。経路制御対象候補抽出部351は、ソートした品質情報テーブルにおける順位の高いものから順に経路制御対象候補通信フローとして抽出する。経路制御対象候補抽出部351は、同一優先度内に同一品質の情報が品質情報テーブル含まれている場合、2番目に悪い品質値を比較してソートする。以降のステップにおける処理は、この品質情報テーブル、1つずつに対してソートした順に実施する。詳細な品質情報テーブルの更新処理については、後述する。
【0056】
ステップST3221において、経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブルの種別が通信フローであるか否かを判定する。通信フローである場合、ステップST328に進み、経路制御実施判断(品質値を利用)を行う。一方、通信フローでない場合、ステップST323に進み、経路制御対象候補抽出部351は、リンクの中にBEの通信フローが存在するか否かを判定する。
【0057】
ステップST323において、経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブルの種別が通信フローでない場合、すなわち、リンクを表している場合、リンク中にベストエフォート(BE)の通信フローが存在するか否かを判定する。BEの通信フローが存在する場合、ステップST324に進み、経路制御対象候補抽出部351は、経路制御実施判断(帯域値を利用)を行う。一方、BEの通信フローが存在しない場合、ステップST328に進み、経路制御対象候補抽出部351は、経路制御実施判断(品質値を利用)を行う。
【0058】
ステップST324において、経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブル記憶部37から品質情報テーブルを読み出す。読み出した品質情報テーブルの種別にリンクとして登録されている場合は、該リンクの帯域使用率がある閾値を越える状態にあることを意味する。そこで、経路制御対象候補抽出部351は、該リンクの帯域使用率と、リンクの帯域使用率の閾値とを比較し、当該リンクが帯域使用率の閾値よりどれだけ帯域使用率を越えているかを算出する。経路制御対象フロー決定部352は、リンク中に存在するベストエフォートの通信フローの情報を経路決定装置4に送信し、経路決定装置4から移動先経路候補情報を取得する。
【0059】
ステップST325において、経路制御対象フロー決定部352は、ベストエフォートの通信フローの経路移動が可能か否かを判定する。ベストエフォートの通信フローの経路移動が可能である場合、ステップST326に進み、経路制御対象フロー決定部352は、該通信フローを経路移動対象候補フローに決定する。一方、ベストエフォートの通信フローの経路移動が不可能である場合、ステップST327に進み、経路制御対象フロー決定部352は、ベストエフォートの通信フローの帯域を圧縮する。
【0060】
ステップST326において、経路制御対象フロー決定部352は、ベストエフォートの通信フローを経路移動対象候補フローに決定する。具体的には、経路制御対象フロー決定部352は、ベストエフォートの通信フローの使用帯域と、移動先経路候補情報に含まれる空き帯域の値と比較する。経路制御対象フロー決定部352は、移動先経路候補の空き帯域がベストエフォートの通信フローの利用帯域より大きい場合、経路情報送信部36を介し、パケット転送装置制御装置5にベストエフォートの通信フローを移動先経路候補に移動させる。一方、移動先経路候補の空き帯域が経路制御対象候補通信フローの使用帯域より小さい場合、経路制御対象フロー決定部352は、空き帯域に収まる単位にベストエフォートの通信フローを分割し、該ベストエフォートの通信フローを、経路情報送信部36を介しパケット転送装置制御装置5に移動先経路候補に移動させる。
【0061】
ステップST327において、経路制御対象フロー決定部352は、ベストエフォートの通信フローの帯域を圧縮する。具体的には、移動先経路候補が見つからなかった場合、経路制御対象フロー決定部352は、ベストエフォートの通信フローの利用帯域を、ベストエフォートの通信フロー以外の通信フローが必要とする帯域分だけベストエフォートの通信フローに制限をかけ、ベストエフォートの通信フローの帯域を圧縮する。
【0062】
ステップST328において、経路制御対象候補抽出部351は、経路制御対象候補通信フローが最も優先度の低い通信フロー以外の場合、経路制御対象候補通信フローの情報を経路決定装置4に送信し、経路決定装置4から品質値が最良の経路情報(移動先経路候補情報)を取得する。
【0063】
ステップST329において、経路制御対象フロー決定部352は、経路制御対象候補通信フローの経路が移動可能か否かを判定する。経路制御対象候補通信フローの経路が移動可能である場合、経路制御対象フロー決定部352は、ステップST3210に進み、経路移動対象候補通信フローの経路移動を決定する。一方、経路制御対象候補通信フローの経路が移動不可能である場合、ステップST3211に進み、経路制御対象フロー決定部352は、経路制御対象候補通信フローの必要帯域分を圧縮し、経路移動対象通信フローに決定する。
【0064】
ステップST3210において、経路制御対象フロー決定部352は、経路移動対象候補通信フローの移動を決定する。具体的には、経路制御対象候補抽出部351は、移動先経路候補に経路移動対象通信フローを移動させた場合におけるフローの品質値を推定(推定品質値)し、現在の経路移動対象通信フローの品質値と推定品質値とを比較する。改善が見込まれる場合、経路制御対象フロー決定部352は、経路情報送信部36を介しパケット転送装置制御装置5に経路移動対象通信フローを移動先経路候補に移動させる。移動先経路候補に移動しても品質の改善が見込まれない場合、経路制御対象フロー決定部352は、Srcノード、Dstノード、優先度、使用帯域などの情報を含む経路移動対象通信フロー情報を経路決定装置4に送信し、経路決定装置4から新たな移動先経路候補を取得する。
【0065】
なお、このときに経路制御対象フロー決定部352が経路決定装置4から取得する移動先経路候補は、経路移動対象通信フローの利用帯域をX bps(bit per second:ビーピーエス)、各リンクにおける該経路移動対象通信フローより優先度の低い通信フローの利用帯域Y bps、空き帯域をβ bpsとしたとき、「(Y+β)≧X」の関係が成り立つリンクで構成される有向グラフを用いて探索した結果である。
【0066】
ステップST3211において、経路制御対象フロー決定部352は、再度、経路決定装置4から取得した移動先経路候補に経路移動対象通信フローを移動させた場合に品質の改善が望める場合、当該経路上の優先度の低いフローの利用帯域を経路移動対象通信フローが必要とする帯域分だけ帯域を圧縮し、経路移動対象通信フローを、経路情報送信部36を介し、パケット転送装置制御装置5に該移動先経路候補に移動させる。
【0067】
図7は、本実施形態に係る制御対象ネットワークN1の構成の一例を示す概略図である。
図7において、制御対象ネットワークN1は、パケット転送装置1a−1、1a−2、1a−3、1a−4、1a−5、1a−6、1a−7、1a−8を含んで構成される。パケット転送装置1a−1、1a−2、1a−3、1a−4、1a−5、1a−6、1a−7、1a−8各々は、所定のリンクLXで接続されており、例えば、パケット転送装置1a−1と、パケット転送装置1a−2とはリンクL1で接続され、パケット転送装置1a−2と、パケット転送装置1a−5とは、リンクL2で接続され、パケット転送装置1a−5と、パケット転送装置1a−8とは、リンクL3で接続され、パケット転送装置1a−3と、パケット転送装置1a−6とは、リンクL4で接続されている。また、パケット転送装置1a−2と、パケット転送装置1a−7とは、リンクL5で接続され、パケット転送装置1a−2と、パケット転送装置1a−6とは、リンクL6で接続され、パケット転送装置1a−4と、パケット転送装置1a−5とは、リンクL7で接続されている。
【0068】
通信フローCF8、CF9、CF10、CF11、CF12、CF13各々は、制御対象ネットワークN1内を流れる通信フローの一例を示している。通信フローCF8は、パケット転送装置1a−1からパケット転送装置1a−8に向けて、リンクL1、L2、L3の順に制御対象ネットワークN1内のパケット転送装置1a−2、1a−5を経由して流れる。また、通信フローCF9およびCF10は、パケット転送装置1a−1からパケット転送装置1a−7に向けて、リンクL1、L5の順に制御対象ネットワークN1内のパケット転送装置1a−2を経由して流れる。また、通信フローCF11は、パケット転送装置1a−1からパケット転送装置1a−6に向けて、リンクL1、L6の順に制御対象ネットワークN1内のパケット転送装置1a−2を経由して流れる。また、通信フローCF12は、パケット転送装置1a−4からパケット転送装置1a−8に向けて、リンクL7、L3の順に制御対象ネットワークN1内のパケット転送装置1a−5を経由して流れる。また、通信フローCF13は、パケット転送装置1a−3からパケット転送装置1a−6に向けてリンクL4を流れる。
【0069】
ここで、リンクL1、L2、L3は、各リンクL1、L2、L3の帯域使用率が所定の閾値以上となったリンクとし、リンクL4、L5,L6、L7は、リンクL4、L5、L6、L7の各々の帯域使用率が所定の閾値未満であるリンクとする。また、通信フローCF8、CF9、CF10、CF11、CF13は、通信フローCF8、CF9、CF10、CF11、CF13各々の品質が所定の閾値未満(品質が悪い)の状態とし、通信フローCF12は、通信フローCF12の品質が所定の閾値以上の状態であるとしたときの一例である。
【0070】
図8は、本実施形態に係る経路制御装置3のフロー情報記憶部34が記憶する通信フロー情報の一例を示すテーブルT1、T2である。
フロー情報テーブルT1は、フローIDと、始点ノードと、終点ノードと、経路と、品質値と、優先度と、使用帯域の各項目の列を有している。
フロー情報更新部33は、ネットワーク情報収集装置2からNW情報取得部31を介し入力されたフロー情報、使用帯域などに基づいて、品質値などのデータを格納し、フロー情報記憶部32を更新する。なお、フロー情報更新部33においてネットワーク情報収集装置2からNW情報取得部31を介し入力されたフロー情報に、フロー情報記憶部34の記憶するフロー情報テーブルT1に含まれない新規の通信フロー情報がある場合、フロー情報更新部33は、該新規の通信フロー情報、例えば、フローID、始点ノード、終点ノード、経路などをフロー情報テーブルT1に格納し、フロー情報記憶部34が記憶するフロー情報テーブルT1を更新する。
【0071】
更新されたフロー情報テーブルT2は、フローIDと、始点ノードと、終点ノードと、経路と、品質値と、優先度と、使用帯域の各項目の列を有している。
フロー情報テーブルT2は、例えば、フローIDの項目列にCF8を、始点ノードの項目列に1a−1を、終点ノードの項目列に1a−8を、経路の項目列にL1、L2、L3を、品質値の項目列に2.6を、優先度の項目列に中を、使用帯域の項目列に5Mbitを各々格納している2次元の表形式のデータである。品質値の項目列には、フロー情報更新部33がネットワーク情報収集装置2から取得した通信フローCF8の品質値として、例えば、QoEを用いて算出した値「2.6」である場合の例である。
【0072】
図9は、本実施形態に係る経路制御装置3のトポロジー情報記憶部32が記憶するリンクリストの一例を示すテーブルT3、T4である。
リンクリストのテーブルT3は、リンクIDと、SrcノードIDと、DstノードIDと、品質値と、帯域使用率との各項目列を有している。
リンクリストのテーブルT3は、例えば、1行目には、L1と、1a−1と、1a−2とのように各リンクの情報が格納されている。品質値の項目列および帯域使用率の各項目列は、NW情報取得部31がネットワーク情報収集装置2から取得した各リンクの情報を参照してトポロジー情報記憶部32の記憶するリンクリストのテーブルT2を更新することで、後述する更新されたリンクリストのテーブルT4を生成し、該項目列に品質値および帯域使用率のデータを格納する。
【0073】
更新されたリンクリストのテーブルT4は、リンクIDと、SrcノードIDと、DstノードIDと、品質値と、帯域使用率との各項目列を有している。更新されたリンクリストのテーブルT4は、例えば、リンクIDの項目列には、L1と、SrcノードIDの項目列には、1a−1と、DstノードIDの項目列には、1a−2と、品質値の項目列には、遅延:10msec、ロス:1%、ゆらぎ:2msecと、帯域使用率の項目列には、85%と、各々のデータ格納されている2次元の表形式のテーブルである。NW情報取得部31は、ネットワーク情報収集装置2から取得した各リンクの情報を参照して品質値として、遅延、ロス、ゆらぎなどのデータを格納し、当該リンクを通過する通信フロー全ての使用帯域の和と、当該リンクの帯域幅から帯域使用率を算出し、算出した帯域使用率を帯域使用率の項目列に格納することでリンクリストを更新し、トポロジー情報記憶部32が記憶するリンクリストのテーブルT4を生成する。
【0074】
図10は、本実施形態に係る経路制御装置3の経路制御決定部35が参照するトポロジー情報記憶部32およびフロー情報記憶部34が記憶するリンクリストおよび通信フロー情報の一例を示すテーブルである。
経路制御装置3の経路制御決定部35が参照するフロー情報記憶部34が記憶するフロー情報のテーブルT5は、フローIDと、経路と、品質値と、優先度との各項目列を有しており、各項目列に各々のデータを格納する2次元の表形式のテーブルである。
【0075】
例えば、フロー情報テーブルT5における1行目の通信フロー情報は、CF9と、L1、L5と、3.8と、中とであり、2行目の通信フロー情報は、CF10と、L1、L5と、2.9と、高とであり、3行目の通信フロー情報は、CF8と、L1、L2、L3と、2.6と、中とであることを表している。また、フロー情報テーブルT5における4行目の通信フロー情報は、CF11と、L1、L6と、2.8と、低とであり、5行目の通信フロー情報は、CF12と、L7、L3と、3.3と、高とであり、6行目の通信フロー情報は、CF13と、L4と、2.0と、低とであることを表している。
【0076】
また、経路制御装置3の経路制御決定部35が参照するトポロジー情報記憶部32が記憶するリンクリストのテーブルT6は、リンクIDと、帯域使用率との各項目列を有している。
リンクリストのテーブルT6は、リンクID毎に帯域使用率が格納される行と列からなる2次元の表形式のテーブルである。
例えば、リンクリストのテーブルT6における1行目のリンクリストは、L1と、85%とであり、2行目のリンクリストは、L2と、80%とであり、3行目のリンクリストは、L3と、85%とであり、4行目のリンクリストは、L4と、30%とである。また、5行目のリンクリストは、L5と、40%であり、6行目のリンクリストは、L6と、60%であり、7行目のリンクリストは、L7と、70%とであることを表している。
【0077】
ここで、経路制御対象候補抽出部351は、リンクリストのテーブルT6を参照し、各リンクの帯域使用率と閾値とを比較し、輻輳リンクを抽出する。例えば、該閾値が80%であるとすると、経路制御対象候補抽出部351は、リンクリストのテーブルT6を参照し、各リンクの帯域使用率が閾値未満である(帯域使用率が所定の品質を満たさない)リンクL1、L2、L3を輻輳リンクとして抽出する。経路制御決定部35の経路制御対象候補抽出部351は、フロー情報テーブルT5を参照し、各通信フローの品質値と閾値とを比較し、経路内に輻輳リンクが含まれない品質の悪い通信フローを抽出する。例えば、該閾値が3.5であるとすると、経路制御対象候補抽出部351は、フロー情報テーブルT5を参照し、各通信フローの品質値が該閾値未満であり(品質値が所定の品質を満たさず)、輻輳リンクL1、L2、L3が経路に含まれない通信フローCF13を品質の悪い通信フローとして抽出する。
【0078】
図11は、本実施形態に係る経路制御装置3の品質情報テーブル記憶部37が記憶する品質情報テーブルT7、T8、T9の一例を示すテーブルである。
品質情報テーブルT7、T8、T9は、種別と、優先度:高と、優先度:中と、優先度:低との各項目列を有している。品質情報テーブルT7、T8、T9は、通信フローまたはリンクなどを表す種別ごとに、優先度:高、優先度:中、優先度:低のうち少なくともいずれかの項目列に品質値のデータが格納される2次元の表形式のテーブルである。
【0079】
例えば、品質情報テーブルT7の1行目は、種別の項目列にL1を、優先度:高の項目列に3.8、2.6を、優先度:中の項目列に2.9を、優先度:低の項目列に2.8を格納し、2行目は、種別の項目列にL2を、優先度:高の項目列に2.6を格納し、3行目は、種別の項目列にL3を、優先度:高の項目列に2.6、3.3を格納し、4行目は、種別の項目列にCF13を、優先度:低の項目列に2.0を格納していることを表している。
【0080】
このとき、経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブルT7を参照し、リンクL1の優先度:高の項目列に品質値の閾値以上である品質が良い品質値3.8と、該閾値未満である品質が悪い品質値2.6とが混在するデータを処理対象から除外する。
該データを除外した品質情報テーブルの一例は、品質情報テーブルT8である。
該品質情報テーブルT8は、1行目のL1の優先度:高の項目列の品質値が(除外)とされている。その他の各項目列および該データ項目列に格納されるデータは、品質情報テーブルT7と同様であるので説明は省略する。
【0081】
次いで、経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブルT8を品質情報テーブル記憶部37から読み出して、種別と対応付けられた優先度毎の品質値の該品質情報テーブルの行の情報を優先度、品質値の順に昇順にソートし、優先度が高く、品質が悪い順に経路制御対象候補通信フローとして抽出する。具体的には、経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブルT8を参照し、優先度:高の項目列に品質値が格納されている種別、L2、L3を経路制御対象候補通信フローとして抽出する。
【0082】
経路制御対象候補抽出部351は、複数の経路制御対象候補通信フローが抽出された場合、当該項目内の各品質値を比較し、品質値の悪い通信フローを経路制御対象候補通信フローとして抽出する。ここで、複数の経路制御対象候補通信フローが抽出され、かつ同一の品質値が同一項目列に格納されている場合において、該経路制御対象候補通信フローの複数の項目列に品質値が格納されている、例えば、優先度:高と優先度:中とに品質値が格納されている通信フローを経路制御対象候補通信フローとして抽出する。また、経路制御対象候補抽出部351は、複数の経路制御対象候補通信フローが抽出され、かつ同一の品質値が同一項目列に格納されている場合において、該経路制御対象候補通信フローの優先度の高い項目列に品質値が多い通信フロー、例えば、優先度:高の項目列に1つの品質値が格納された通信フローと、該項目列に2つの品質値が格納された通信フローとを比較し、該項目列に2つの品質値が格納されている通信フローを経路制御対象候補通信フローとして抽出する。
【0083】
経路制御対象候補抽出部351は、品質情報テーブルT8を参照して、種別L3のリンクリストが格納された行を最上位に、次いでL2のリンクリストが格納された行を、次いでL1のリンクリストが格納された行を、次いで、CF13のリンクリストが格納された行の順にソートして品質情報テーブルT8を更新し、品質情報テーブルT9を生成する。
【0084】
例えば、品質情報テーブルT9の1行目は、種別の項目列にL3を、優先度:高の項目列に2.6、3.3を格納し、2行目は、種別の項目列にL2を、優先度:高の項目列に2.6を格納し、3行目は、種別の項目列にL1を、優先度:高の項目列に(除外)を、優先度:中の項目列に2.9を、優先度:低の項目列に2.8を格納し、4行目は、種別の項目列にCF13を、優先度:低の項目列に2.0を格納していることを表している。
このように、経路制御対象候補抽出部351は、更新した品質情報テーブルT9を参照し、最上位の通信フロー、すなわち品質が悪く、優先度の高い通信フローから順に経路制御対象候補通信フローとして抽出する。
【0085】
図12は、本実施形態に係る経路制御装置3の経路制御決定部35における経路移動および帯域圧縮処理を説明するための概略図である。
通信フローCFH1、CFH2、CFM、CFBE各々は、ある2つのパケット転送装置間のリンクLXを通過している。該通信フローは、優先度が高である通信フローCFH1、CFH2と、優先度が中である通信フローCFMと、ベストエフォートの通信フローCFBEとである。例えば、リンクLXの帯域幅が100Mとし、各通信フローCFH1、CFH2、CFM、CFBEの合計の帯域使用率UBが85%であり、閾値SHが80%であるとした場合、経路制御対象フロー決定部352は、当該リンクLXの品質を改善するための帯域幅(要求帯域幅RB)を5Mと算出する。経路制御対象フロー決定部352は、算出した要求帯域幅RB分、経路制御対象候補抽出部351が抽出した経路制御対象候補通信フローに対し、経路移動もしくは帯域圧縮処理する。
【0086】
ここで、当該リンクLXには、ベストエフォートの通信フローCFBEが存在する。経路制御対象候補抽出部351は、該通信フローCFBEを経路制御対象候補通信フローとして抽出する。経路制御対象フロー決定部352は、経路制御対象候補通信フローである通信フローCFBEに対し、経路移動および帯域圧縮処理における経路制御実施判定を行う。
【0087】
このように、本実施形態によれば、複数の中継装置(パケット転送装置1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7、1a−1、1a−2、1a−3、1a−4、1a−5、1a−6、1a−7、1a−8)間がリンクで接続されたネットワーク(制御対象ネットワークN1)に対して、各通信フローの通信経路を制御するネットワーク制御装置(経路制御装置3)を含むネットワーク制御システムS1であって、ネットワーク(制御対象ネットワークN1)のリンク各々の品質に関する情報を取得するネットワーク情報取得部(NW情報取得部31)と、ネットワーク情報取得部(NW情報取得部31)が取得したリンク各々の品質に関する情報に基づいて、リンクのうち輻輳状態にある輻輳リンクを通過する通信フローを抽出する抽出部(経路制御対象候補抽出部351)と、ネットワーク情報取得部(NW情報取得部31)が取得したリンク各々の品質に関する情報に基づいて、抽出部(経路制御対象候補抽出部351)が抽出した通信フローの通信経路を変更させるか否かを決定する決定部(経路制御対象フロー決定部352)と、を備え、ネットワーク情報取得部(NW情報取得部31)と、抽出部(経路制御対象候補抽出部351)と、決定部(経路制御対象フロー決定部352)と、における各々の処理を繰り返す。
【0088】
これにより、通信トラフィックが時間変動しても通信品質が維持されるように制御できる。
【0089】
また、抽出部(経路制御対象候補抽出部351)は、通信フローを品質が悪く優先度が高い順に、抽出する。決定部(経路制御対象フロー決定部352)は、抽出部(経路制御対象候補抽出部351)が抽出した通信フローの順に通信経路を変更させるか否かを決定する。
【0090】
これにより、ネットワーク制御システムS1は、制御対象ネットワークN1に流れる優先度の高い順に通信フローを抽出でき、優先度に応じて制御対象ネットワークN1中の制御ができ、通信トラフィックが時間変動しても通信品質が維持されるように制御することができる。
【0091】
また、決定部(経路制御対象フロー決定部352)は、ネットワーク(制御対象ネットワークN1)における通信経路に関する情報を取得し、取得した通信経路に関する情報に基づいて通信フローの通信経路の変更が可能か否かを判定し、通信フローの通信経路の変更が不可能であるとき、通信フローが通過する輻輳リンクの帯域制限をする。
【0092】
これにより、ネットワーク制御システムS1は、ベストエフォートなどの通信フローに対して通信帯域の制限を行うことで、通信フローの通信経路の変更ができない場合においても、通信フローの品質を向上させることができる。
【0093】
また、抽出部(経路制御対象候補抽出部351)は、帯域制限されたリンクを通過する通信フローを抽出し、決定部(経路制御対象フロー決定部352)は、抽出部(経路制御対象候補抽出部351)が抽出した通信フローが通過する帯域制限されたリンクのうち、最も上流に位置するリンクに対する帯域制限を緩和する。
【0094】
これにより、ネットワーク制御システムS1は、帯域制限された通信フローに対し、該帯域制限の緩和をすることができ、通信トラフィックが時間変動しても通信品質が維持されるように制御できる。
【0095】
なお、上述した実施形態における経路制御装置3(ネットワーク制御装置)の一部、または全部をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、経路制御装置3(ネットワーク制御装置)に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0096】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。
【0097】
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0098】
また、上述した実施形態における経路制御装置3(ネットワーク制御装置)の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。経路制御装置3(ネットワーク制御装置)の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0099】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。