【実施例1】
【0009】
図1〜
図3を用いて本実施例で説明する紙幣処理装置の説明を行う。
図1は、本実施例の紙幣処理装置10の構成例である。紙幣処理装置10は、入出金口シャッタ機構101、入出金口102、入金リジェクト口103、入出金口-識別部間搬送路104、識別部105、識別部-紙幣収納庫間搬送路106、入金リジェクト搬送路107、出金リジェクト搬送路108、紙幣収納庫A搬送路109、紙幣収納庫B搬送路110、紙幣収納庫C搬送路111、紙幣収納庫D搬送路112、紙幣収納庫E搬送路113、紙幣収納庫A151、紙幣収納庫B152、紙幣収納庫C153、紙幣収納庫D154、紙幣収納庫E155、紙幣処理装置10の動作を制御する制御部121、紙幣処理装置の情報を保持する記憶部122とを備えている。
【0010】
紙幣処理装置10の各構成について詳細に説明する。入出金口シャッタ機構101は入出金口102の上部にあり、利用者から紙幣を入出金口102に受け入れる、または利用者へ入出金口102から紙幣を受け取らせる場合などにシャッタを開放し、それ以外の場合は入出金口102にアクセスできないようにシャッタを閉じる動作を行う。入出金口102は利用者からの紙幣の受け入れまたは利用者への紙幣の受け渡しを行う。入金リジェクト口103は、識別部105で正しい紙幣と識別されなかった紙幣を返却する。識別部105は搬送されてきた紙幣を、紙幣処理装置10内に取り込んでよい紙幣であるかまたは搬送された紙幣が偽券かどうかを識別する。また識別部は紙幣の識別の際に、紙幣の記番号についても読み取る。紙幣収納庫A151〜紙幣収納庫E155は各金種の紙幣を収納または排出する他、装填回収動作にも用いられる。
【0011】
入出金口-識別部間搬送路104は入出金口102から識別部105を接続し紙幣を搬送する紙幣搬送路であり、識別部-紙幣収納庫間搬送路106は識別部105から各収納庫近傍までを接続する紙幣搬送路である。識別部-紙幣収納庫間搬送路106から各紙幣収納庫までは、それぞれ紙幣収納庫A搬送路109、紙幣収納庫B搬送路110、紙幣収納庫C搬送路111、紙幣収納庫D搬送路112、紙幣収納庫E搬送路113により接続される。入金リジェクト搬送路107は入金リジェクト口103まで紙幣を搬送する搬送路であり、図示しない識別部-紙幣収納庫間搬送路106上にある切り替えポイントに接続し、入金リジェクトが発生した場合に紙幣をする。出金リジェクト搬送路108は、識別部105から識別部-紙幣収納庫間搬送路106上にある図示しない切り替えポイントに接続し、出金リジェクトが発生した場合に紙幣を搬送する搬送路である。
【0012】
なお本実施例では、紙幣収納庫A151を千円用、紙幣収納庫B152を五千円用、紙幣収納庫C153を万円用、紙幣収納庫D154を2千円兼オーバーフロー用とする。また、紙幣収納庫E155を出金リジェクト用とする。また装填回収を行う際には、出金リジェクト用のカセットを入れ替えて実施する事ができるが詳細は省略する。入金リジェクト口103と出金リジェクト用の紙幣収納庫E155とを分けて構成することで、装置外から投入された紙幣(利用者紙幣)と予め装置内にある紙幣(機内紙幣)とを分離して管理することができる。分離させることで、管理権限が異なる紙幣を分けて運用する事ができる。
【0013】
また、紙幣処理装置10は上位装置である現金取扱装置1000が有している上位制御部161に制御部121と接続するインターフェース123から各種の制御信号を送受信する通信網163を経由して接続している。上位制御部161には、利用者からの入力操作を受け付ける操作入力部162が接続される。
【0014】
図2は本実施例で説明する紙幣処理装置を搭載した現金取扱装置1000の外観図である。利用者は操作入力部162に表示されたガイダンスに従い画面操作を行い、入出金口シャッタ機構101が開放された入出金口102に紙幣を入金する。また入金取引の際に識別部105により識別不能とされた紙幣は入金リジェクト口103に搬送され、利用者は搬送されたリジェクト紙幣を受け取る。なお実施例では、操作入力部162はタッチパネルを採用しているが表示装置及び入力装置がそれぞれ独立しているものであってもよい。また、図示をしてはいないが現金取扱装置1000には利用者情報を取得するために非接触ICリーダライタを搭載してもよい。
【0015】
図3は紙幣処理装置10の機能ブロック図である。
図3に示すように、紙幣処理装置10の制御部121は各部を制御し、インターフェース123及び通信網163を経由して、上位制御部と通信を行っている。なお、
図1などには図示はしていないが、紙幣処理装置10は各搬送路及び紙幣収納庫にそれぞれ紙幣検知センサ(104a〜113a)を供えている。この紙幣検知センサを用いて紙幣の通過検知や通過した紙幣のカウント、搬送路上で紙幣がジャムした場合にジャムをした紙幣がある搬送路を特定などを行うことが可能である。また、各紙幣検知センサは検知結果を制御部121に送信している。
【0016】
図4は、記憶部122にて記憶する情報を示す例である。記憶部122には記番号保存領域200が備えられている。記番号保存領域200の中には、収納庫別の紙幣の記番号と収納順序を記憶する保存領域として紙幣収納庫A保存領域201、紙幣収納庫B保存領域202、紙幣収納庫C保存領域203、紙幣収納庫D保存領域204、紙幣収納庫E保存領域205が備えられている。さらに、搬送中紙幣の記番号と搬送順序の情報を保持する搬送中情報保存領域206、識別部105により出金リジェクトと判断された紙幣の記番号を保持する出金リジェクト未登録情報保存領域210が備えられ、出金リジェクト未登録情報保存領域210の中には、収納庫別に紙幣収納庫A出金リジェクト未登録情報211、紙幣収納庫B出金リジェクト未登録情報212、紙幣収納庫C出金リジェクト未登録情報213、紙幣収納庫D出金リジェクト未登録情報214、紙幣収納庫E出金リジェクト未登録情報215を備えている。
【0017】
各紙幣収納庫保存領域が記憶している内容を
図5を用いて説明する。紙幣収納庫A保存領域201は紙幣の収納順序とその収納された紙幣の記番号を記憶する。
図5は紙幣収納庫A保存領域201を示しているが、その他の保存領域も同様の内容を記憶する構成である。なお、図示しないが搬送中情報保存領域206については識別した紙幣の金種についても記憶する。
【0018】
次に本実施例の紙幣処理装置の入金処理について説明する。
図6は、紙幣処置装置10の入金処理を示すフローチャートである。
上位制御部161より制御部121へ入金処理要求されると、入出金口シャッタ機構101が開き、利用者は入出金口101へ紙幣を投入する。投入後入出金口シャッタ機構101を閉じる(ステップS301)。投入された紙幣は、入出金口101から1枚ずつ繰出される(ステップ302)。繰出された紙幣は、入出金口-識別部間搬送路104を通り、識別部105にて紙幣識別および記番号読み取りを実施する。(ステップS303)。
【0019】
正常な紙幣と識別された場合(ステップS304:YES)は、識別部-紙幣収納庫間搬送路106を通り、識別した金種に応じて紙幣収納庫A151、紙幣収納庫B152、紙幣収納庫C153、紙幣収納庫D154のいずれかへ搬送され、記憶部122内の対応する保存領域(紙幣収納庫A保存領域201、紙幣収納庫B保存領域202、紙幣収納庫C保存領域203、紙幣収納庫D保存領域204)に記録する(ステップS305)。例えば、搬送した紙幣の金種が千円の場合、紙幣は紙幣収納庫A151に搬送され、紙幣収納庫A保存領域201に記番号を記録する。また、記番号は紙幣収納順に対応付けて記録される。正常な紙幣と識別されなかった場合(ステップS304:NO)は、識別部-紙幣収納庫間搬送路106、入金リジェクト搬送路107を通り入金リジェクト口103へ搬送される(ステップS306)。
【0020】
紙幣の搬送は入出金口へ投入された全ての紙幣が繰出されるまで搬送を続ける(ステップS307:NO)。入出金口へ投入された全ての紙幣が繰出された後(ステップS307:YES)、入金確定処理操作待ちとなる。入金確定操作待ちでは、利用者が操作部162より入金確定またはキャンセルの操作を行う(ステップS308)。入金確定が操作された場合(ステップS309:YES)は入金処理を終了する。
【0021】
入金がキャンセルされた場合(ステップS309:NO)は、紙幣収納庫に収納した紙幣を識別部-紙幣収納庫間搬送路106を通り、識別部105にて記番号読取りを実施する。その際、読取った記番号を記憶部122内の紙幣収納庫A保存領域201、紙幣収納庫B保存領域202、紙幣収納庫C保存領域203、紙幣収納庫D保存領域204の内繰出しを行った紙幣収納庫の保存領域から削除する。例えば、繰出した紙幣の金種が万円の場合、紙幣は紙幣収納庫C153から繰出され、識別部105にて記番号読取り後、紙幣収納庫保存領域C203から当該の記番号を削除する。
【0022】
その後入出金口-識別部間搬送路104を通り、紙幣投入口へ搬送される(ステップS310)。入出金口シャッタ機構101を開き、利用者が紙幣を取出す。取出し後、入出金シャッタ機構101を閉じる(ステップS311)。
【0023】
次に本実施例の紙幣処理装置の出金処理について説明する。
図7は、紙幣処理装置10の出金処理を示すフローチャートである。
まず、上位制御部161から送信された出金枚数指示を制御部が受信する。(ステップS401)。制御部121は、該当紙幣収納庫より紙幣の繰出しを行う(ステップS402)。繰出された紙幣は、識別部-紙幣収納庫間搬送路106を通り、識別部105にて記番号読取りを実施する(ステップS403)。正常な紙幣と識別されなかった場合(ステップS404:NO)、出金リジェクト搬送路108を通り紙幣収納庫E155へ搬送され(ステップS405)、出金リジェクト未登録情報210の該当収納庫別出金リジェクト未登録情報に未登録有り(出金リジェクト発生)をセットする。
【0024】
正常な紙幣と識別された場合(ステップS404:YES)は、入出金口-識別部間搬送路104を通り、入出金口102へ搬送される(ステップS407)。読取った記番号を記憶部122内の搬送中情報保存領域206に記録する(ステップ408)。入出金口102へ搬送した紙幣を繰出したのと同一紙幣収納庫に対応する出金リジェクト未登録情報210の該当収納庫別出金リジェクト未登録情報が未登録有りとなっている場合(ステップ409:YES)、記番号保存領域200内の該当紙幣収納庫保存領域から、搬送中情報保存領域206の記番号前までの記番号を記憶部122の紙幣収納庫E保存領域205へ移動する。出金は、最後に収納された紙幣から行われるため、記番号のサーチは最後に記録された記番号から順に行う(ステップ410)。その後、搬送中情報保存領域206に保存した記番号を記番号保存領域200内の該当紙幣収納庫保存領域から削除する(ステップS411)。
【0025】
搬送した紙幣を繰出した同一紙幣収納庫から出金リジェクトが発生していない、または出金リジェクト未登録情報210の該当収納庫別出金リジェクト未登録情報に未登録が無い場合(ステップ409:NO)、搬送中情報保存領域206に保存した記番号を記番号保存領域200内の該当紙幣収納庫保存領域から削除する(ステップS411)。
【0026】
指示された出金枚数全てが紙幣入出金口へ搬送された場合(ステップS412:YES)、入出金口シャッタ機構101を開き利用者が出金紙幣を取出し、取出し後入出金口シャッタ機構101を閉じる(ステップS413)。指示されている出金枚数が全て出金されていない場合は紙幣収納庫からの繰出しを継続する(ステップS412:NO)。紙幣収納庫からの繰出しの際、繰出す紙幣収納庫が空となった場合(ステップS414:YES)、出金リジェクト未登録情報210の該当収納庫別出金リジェクト未登録情報に未登録有りの場合(ステップ415:YES)、記番号保存領域200内の空となった紙幣収納庫保存領域から紙幣収納庫E保存領域205へ記番号を移動する。
【0027】
次に、入金、出金動作中に搬送異常が発生した場合の復旧動作について
図8〜
図11を用いて説明する。最初に搬送異常復旧の全体動作について
図8を用いて説明する。搬送異常を検知し、上位制御部161から搬送異常復旧処理指示を受信した制御部121は、搬送路に設けられたセンサの出力結果を確認する(ステップS501)。次に
図11に示すエラーコードテーブル801とステップS501にて確認したセンサ出力結果とを比較し、搬送異常の種別を特定する(ステップS502)。
【0028】
ここでエラーコードテーブル801について説明する。
図11はエラーコードテーブル801を示している。エラーコードテーブル801は取引種別、障害種類、エラコード、確認枚数から構成されている。取引種別は、搬送障害が発生した際にどの取引が行われていたかを表し、障害種類はその搬送障害の種別を示す。本実施例では、「誤搬送(別収納庫)」、「誤搬送(未収納)」、「搬送ジャム(収納庫近傍)」、「搬送ジャム(搬送路上)」の4つから構成されている。なお、この4つに限定されるものではなく別の分類や別種の搬送障害であっても良い。また、入金取引の際に搬送障害が発生した場合の方が出金取引の際に搬送障害が発生した場合より確認枚数が多くなっているが入金取引時には利用者の紙幣と装置内紙幣とが収納庫内で混在した状態になるため出金取引時よりも厳密に管理する必要があるためである。
【0029】
確認枚数は紙幣収納庫から紙幣を繰出し、識別部により繰出した紙幣の記番号を確認することで、搬送障害が解消したあとに紙幣収納庫に収納された紙幣を確認する枚数である。紙幣収納庫から確認枚数分の紙幣を搬送することで、搬送障害時に紙幣がどこに搬送されたを、あるいはどの紙幣が搬送ジャムになったかを特定することができる。確認枚数はエラーコードテーブル801に示すとおり、障害種類により決定される。紙幣処理装置10にて発生する搬送異常は、搬送路でのジャム、紙幣収納庫近傍でのジャム、搬送先異常等、発生場所や発生内容により様々な状態があるため、各エラーコード毎に確認実施枚数を決定することで発生事象毎に無駄な紙幣繰出しを抑止することが可能となる。なお、実施例では、収納庫近傍でジャムが発生した際に他の搬送異常よりも確認紙幣が多くなっているが、収納庫近傍での障害対応により紙幣の収納順序が変化する可能性があるためである。また処理時間についても確認に必要な最低限の時間で済むことになる。
【0030】
例えば、本来搬送すべき紙幣収納庫に搬送できなかった「誤搬送(別収納庫)」の場合に紙幣繰出し対象となる紙幣収納庫は誤搬送した紙幣収納庫と、本来搬送すべき紙幣収納庫とから確認枚数分の紙幣を繰出し、識別部105によって識別して搬送状況を確認する。言い換えると、誤搬送した紙幣収納庫から確認枚数である3枚の紙幣を繰出し、本来搬送すべき紙幣収納庫から2枚繰出して、識別部105にて識別する。その識別結果と記憶部122に記憶されている記番号保存領域200と搬送中情報保存領域206とを比較することで、紙幣処理装置10内の紙幣収納庫の中身や搬送状況を確定することができる。
【0031】
なお、確認枚数はエラーコードテーブル801に示すように予め定められてもよいし、障害発生時の紙幣の搬送状況によって設定されてもよい。例えば、識別部105で識別した枚数が3枚であるときに誤配送が発生した場合は、制御部121がエラーコードテーブル801で示す枚数よりも少ない枚数を確認枚数として設定するなど、搬送状況に依存して確認枚数を設定してもよい。また、全ての搬送異常について一律に確認枚数を決定してもよい。上記する誤搬送以外の場合は、エラーコードテーブル801に設定された確認枚数を搬送先である紙幣収納庫より繰出して、紙幣収納庫と搬送状況の確認を行う。
【0032】
搬送障害の種類を特定した後、各搬送障害に対応したエラー処理を実行する(ステップS503)。各搬送障害に対応した処理について、詳細は後述する。エラー処理が終了すると、上位制御部へエラー処理完了を通信し(ステップS504)、上位装置からの復旧確認指令を受信する(ステップS505)ことで復旧処理を完了する。
【0033】
次に各搬送障害の内容に応じた搬送異常復旧処理について説明する。
図9は、搬送異常(搬送路上での紙幣ジャム)が発生した場合の処理フローである。
入金処理中に搬送異常が発生した場合、紙幣処理装置10は搬送動作を停止し障害復旧待ちとなる。復旧操作は最初に、搬送路に滞留している紙幣を取出す。取出しは人手により実施する。取出し後、操作入力部162にて紙幣を取出した者により取出し完了を選択すると上位制御部161から取出し完了を示す信号が制御部121へ送信される(ステップS601)。取出し完了受信後、制御部121は搬送路内に滞留(取り残し)紙幣が無いか搬送路内滞留確認処理を各紙幣検知センサを用いて実施する(ステップS602)。確認後、再度滞留紙幣が確認された場合は取出操作へ戻る(ステップ603:NO)。
【0034】
滞留紙幣無し確認後(ステップ603:YES)、エラーコードテーブル801より発生した搬送異常に対応した確認に必要な枚数を取得する(ステップ604)。エラーコードテーブル801にて取得した確認枚数分の紙幣を入金紙幣の搬送先となっていた紙幣収納庫から繰出しを行い、入出金口へ搬送する(ステップ605)。繰出した紙幣は、識別部105を通過する際に記番号を読取り、記憶部122の搬送中情報保存領域206に記録する(ステップ606)。
【0035】
次に、搬送中情報保存領域206の情報と記番号保存領域200内の繰出しを行った紙幣収納庫保存領域の比較を行う。比較は、搬送中情報保存領域206内の記番号と繰出しを行った紙幣収納庫保存領域に最後に記録された記番号から順に一致チェックを行い搬送中情報保存領域206内の記番号と全て一致した場合比較処理を終了する。比較処理の結果、全て一致するまでの間、搬送中情報保存領域206の記番号と一致しなかった機番号については、紙幣処理装置10から既に人手により取出されたものと判断し、収納庫保存領域から削除する(ステップ607)。比較終了後、入出金口へ搬送した紙幣を紙幣収納庫へ収納する(ステップ608)。本比較動作実施の際、比較を実施する紙幣収納庫が複数ある場合は、個々の紙幣収納庫ごとに紙幣収納庫からの繰出し(ステップ605)〜収納庫への収納(ステップ608)を実施してもよいし、比較が必要な紙幣収納庫全て一度に紙幣収納庫からの繰出し(ステップ605)〜収納庫への収納(ステップ608)を実施してもよい。
【0036】
上記に示すように構成することで、入金処理中に紙幣ジャムによる障害が発生した場合であっても、利用者が入金した紙幣と装置内にある紙幣とを切り分ける事が可能となり、入金処理をキャンセルした場合であっても2種類の紙幣(管理者が異なる紙幣)が混在した状態で利用者に返却することは無くなる。また、例えば入金口から直接収納庫へ入金した際に搬送異常が発生した場合でも収納庫内の在高を確定することが可能となり、障害に対応した処理を行う事により全体の処理時間を短縮することが可能となる。
【0037】
なお、入金取引の際には、紙幣ジャムが発生した場合に搬送中情報保存領域206を使用しているがジャムが発生していない場合であっても搬送中情報保存領域206に紙幣情報を記憶するようにしてもよい。その場合は、復旧処理中に記憶する搬送中情報と障害が発生する前に記憶される搬送情報とは搬送中情報保存領域206内の異なる領域に記憶され、紙幣収納庫保存領域と障害発生前の搬送中情報と障害発生後の搬送中情報の3つを用いることができる。
【0038】
次に入金処理中に誤搬送が発生した場合の搬送異常復旧処理を
図10を用いて説明する。
図10は誤搬送発生の際の処理フローチャートである。
搬送路に備え付けられた各紙幣検知センサにより誤搬送が発生したことを検知した場合、一旦搬送が停止し、搬送路内に滞留している紙幣は全て入出金口102へと逆搬送させる(ステップS701)。入出金口102へと搬送させる際に、識別部105を通過するため、識別部105では通過する紙幣の記番号を取得し、搬送路上に滞留していた紙幣を特定し、搬送中情報保存領域206に記憶する(ステップS702)。次に搬送路上に紙幣が滞留していないかを搬送路の各紙幣検知センサを用いて確認する(ステップS703)。紙幣が滞留していた場合(ステップS704:No)、制御部121は搬送路を制御し、滞留している紙幣を入出金口102まで搬送する。
【0039】
滞留している紙幣が無い場合(ステップS704:Yes)、制御部121は誤搬送が別の収納庫に誤って搬送され、収納されたために発生したものであるか、または、搬送路の切り替えエラーにより搬送先の収納庫に収納できなかったかを各紙幣検知センサの検知結果により判定する(ステップS705)。誤搬送により紙幣が別収納庫に収納された場合(ステップS705:Yes)、制御部121はエラーコードテーブル801を参照し、搬送先の収納庫から繰り出す紙幣枚数と誤って搬送された紙幣が収納された別の収納庫から繰り出す紙幣枚数を確認する(ステップS706)。繰出す枚数を確認した後、各収納庫からそれぞれ確認枚数分の紙幣を繰出し(ステップS707)、識別部105により繰出した紙幣の記番号を読取り、記憶部122の搬送中情報保存領域206に記録する(ステップS708)。
【0040】
搬送中情報保存領域206の情報と記番号保存領域200内の繰出しを行った各紙幣収納庫保存領域の比較を行う。比較は、搬送中情報保存領域206内の記番号と繰出しを行った各紙幣収納庫保存領域に最後に記録された記番号から順に一致チェックを行い搬送中情報保存領域206内の記番号と全て一致した場合比較処理を終了する。比較処理の結果、全て一致するまでの間、搬送中情報保存領域206の記番号と一致しなかった記番号については、誤搬送により収納順序が変わってしまったものと判断し、収納庫保存領域から削除する(ステップS709)。比較終了後、入出金口へ搬送した紙幣を紙幣収納庫へ収納する(ステップS710)。なお、本実施例の場合、配送先収納庫と誤配送先収納庫とで確認枚数が異なるように設定しているが、同じ枚数を確認するとしてもよい。
【0041】
搬送路の切り替えエラーにより紙幣が未収納である場合(ステップS705:No)、エラーコードテーブル801より確認紙幣の枚数と繰り出す収納庫の確認を行う。その後、搬送先である収納庫から確認枚数分の紙幣を繰出し(ステップS711)、識別部105により繰出した紙幣の記番号を読取り、記憶部122の搬送中情報保存領域206に記録する(ステップS712)。別収納庫に搬送した場合と同様に、搬送中情報保存領域206と収納庫保存領域とを比較し、比較処理の結果、全て一致するまでの間、搬送中情報保存領域206の記番号と一致しなかった記番号については、誤搬送により収納順序が変わってしまったものと判断し、収納庫保存領域から削除する(ステップS709)。比較終了後、入出金口へ搬送した紙幣を紙幣収納庫へ収納する(ステップS710)。
【0042】
また、出金処理中に搬送異常が発生した場合においても同様な処置となる。紙幣収納庫領域内の情報を確定させることが可能となり、機器内の在高を確定させることが可能となる。
【0043】
本実施例の構成を有しているため搬送障害の1つである誤搬送が発生した場合であっても上記構成を本実施例は有しているため利用者の投入紙幣と装置に予め入っていた紙幣(管理者が異なる紙幣)とを切り分けることが可能である。また、例えば入金口から直接収納庫へ入金した際に搬送異常が発生した場合でも収納庫内の在高を確定することが可能となり、障害に対応した処理を行う事により全体の処理時間を短縮することが可能となる。
【0044】
以上、本発明の実施例について図面を用いて説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、他の構成の追加・削除・置換をした様々な変形例が含まれていても良い。例えば、センサにより特定した搬送異常の内容からエラーコードを参照し、収納庫から繰り出す紙幣を確認する構成としたが、
図12に示すエラー発生を示す画面が操作入力部162に表示され、障害が発生した箇所を利用者に選択させ(斜線部が利用者が選択した障害発生箇所)、利用者から障害時に取り出した紙幣の入力を受け付けることにより確認枚数を決定してもよい。また、利用者に選択させるのではなく
図12の斜線部のようにエラー発生場所を表示し、障害時に取り出した枚数ではなく確認枚数を入力させてもよい。