特許第5975992号(P5975992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5975992異なる閾値電圧を備えたCMOSトランジスタ製造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5975992
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】異なる閾値電圧を備えたCMOSトランジスタ製造
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8238 20060101AFI20160809BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20160809BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20160809BHJP
   H01L 21/76 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   H01L27/08 321B
   H01L21/265 F
   H01L21/76 L
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-524959(P2013-524959)
(86)(22)【出願日】2011年8月17日
(65)【公表番号】特表2013-537718(P2013-537718A)
(43)【公表日】2013年10月3日
(86)【国際出願番号】US2011048072
(87)【国際公開番号】WO2012024391
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2014年7月9日
(31)【優先権主張番号】12/857,954
(32)【優先日】2010年8月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ワイゼ シオン
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ シー ボールドウィン
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−291779(JP,A)
【文献】 特開2001−085533(JP,A)
【文献】 特開2010−073739(JP,A)
【文献】 特開2003−249570(JP,A)
【文献】 特開2003−051552(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/093192(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0140720(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8238
H01L 21/265
H01L 21/76
H01L 27/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CMOSトランジスタを製造する方法であって、
ロジックNMOSトランジスタとロジックPMOSトランジスタとI/O NMOSトランジスタとI/O PMOSトランジスタとの隔離された領域を含む半導体基板を提供することと、
前記I/O NMOSトランジスタにP型ドーパントを注入することにより前記I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定することと、
前記ロジックNMOSトランジスタと前記I/O PMOSトランジスタとの双方にディープNウェルを形成するために前記ロジックPMOSトランジスタと前記I/O NMOSトランジスタとをマスクして前記ロジックNMOSトランジスタと前記I/O PMOSトランジスタにN型ドーパントを注入することにより前記I/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定することと、
前記ロジックPMOSトランジスタにNウェル領域を形成するために前記設定されたVを有する前記I/O NMOSランジスタと前記設定されたVを有する前記I/O PMOSトランジスタとの双方をマスクすることと、
前記ロジックNMOSトランジスタにPウェルを形成するために前記設定されたVを有する前記I/O NMOSランジスタと前記設定されたVを有する前記I/O PMOSトランジスタとの双方をマスクすることと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定することが、前記ロジックNMOSトランジスタと前記ロジックPMOSトランジスタと前記I/O NMOSトランジスタと前記I/O PMOSトランジスタとの各々にP型ドーパントを包括的に注入することを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記P型ドーパントを包括的に注入することが、300KeV〜500KeVの範囲のエネルギーで1×e12atm/cm〜1×e13atm/cmの範囲の注入量を使用する、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
前記P型ドーパントの付加的な表面注入により前記I/O NMOSトランジスタの設定されたVを調整することを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、
前記I/O NMOSトランジスタの前記Vが0.2V〜1.0Vの範囲に設定される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記ディープNウェルを形成することが、500KeV〜700KeVの範囲のエネルギーで1×e13atm/cm〜2×e13atm/cmの範囲の注入量を使用する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記N型ドーパントの付加的な表面注入により前記I/O PMOSトランジスタの前記設定されたVを調整することを更に含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記I/O PMOSトランジスタの前記Vが−0.2V〜−1.0Vの範囲に設定される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記ロジックPMOSトランジスタに前記Nウェル領域を形成するために前記設定されたVを有する前記I/O NMOSトランジスタと前記設定されたVを有する前記I/O PMOSトランジスタと前記ロジックNMOSトランジスタとをマスクすることを更に含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記ロジックNMOSトランジスタに前記Pウェル領域を形成するために前記設定されたVを有する前記I/O NMOSトランジスタと前記設定されたVを有する前記I/O PMOSトランジスタと前記ロジックPMOSトランジスタとをマスクすることを更に含む、方法。
【請求項11】
CMOSトランジスタを製造する方法であって、
ロジックNMOSトランジスタとロジックPMOSトランジスタとI/O NMOSトランジスタとI/O PMOSトランジスタとの隔離された領域を含む半導体基板を提供することと、
1×e12atm/cmより大きく2×e13atm/cmまでの範囲の注入量を用いて前記I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)を0.3V〜1.0Vに設定するために前記半導体基板の各隔離された領域にP型ドーパントを包括的に注入することと、
前記ロジックPMOSトランジスタと前記I/O NMOSトランジスタとの双方をマスクすることと、
前記I/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定するために前記I/O PMOSトランジスタにN型ドーパントを注入することであって、前記ロジックNMOSトランジスタにディープNウェルを形成することを含む、前記N型ドーパントを注入することと、
前記ロジックPMOSトランジスタにNウェル領域を形成するために前記設定されたVを有する前記I/O NMOSトランジスタと前記設定されたVを有する前記I/O PMOSトランジスタと前記ロジックNMOSトランジスタとをマスクすることと、
前記ロジックNMOSトランジスタにPウェル領域を形成するために前記設定されたVを有する前記I/O NMOSトランジスタと前記設定されたVを有する前記I/O PMOSトランジスタと前記ロジックPMOSトランジスタとをマスクすることと、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記I/O PMOSトランジスタの前記Vを設定するために前記I/O PMOSトランジスタに前記N型ドーパントを注入することが、500KeV〜700KeVの範囲のエネルギーで1×e13atm/cm〜2×e13atm/cmの範囲の注入量を使用する、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記I/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)が−0.2V〜−1.0Vの範囲に設定される、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記ロジックNMOSトランジスタに前記Pウェル領域を形成するために5×e12atm/cm以上の注入量を用いることを更に含む、方法。
【請求項15】
CMOSトランジスタを製造する方法であって、
ロジックNMOSトランジスタとロジックPMOSトランジスタとI/O NMOSトランジスタとI/O PMOSトランジスタとの隔離された領域を含む半導体基板を提供することと、
前記I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定するために前記半導体基板の各隔離された領域にボロンを包括的に注入することと、
表面ボロン注入により前記I/O NMOSトランジスタの前記設定されたVを任意に調整することと、
前記ロジックPMOSトランジスタと前記I/O NMOSトランジスタとの双方をマスクし、前記I/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定するために前記ロジックNMOSトランジスタと前記I/O PMOSトランジスタとの双方にディープNウェルを形成することと、
表面N型注入により前記I/O PMOSトランジスタの前記設定されたVを任意に調整することと、
前記ロジックPMOSトランジスタにNウェル領域を形成するために前記設定されたVを有する前記I/O NMOSトランジスタと前記設定されたVを有する前記I/O PMOSトランジスタと前記ロジックNMOSトランジスタとをマスクすることと、
前記ロジックNMOSトランジスタにPウェル領域を形成するために前記設定されたVを有する前記I/O NMOSトランジスタと前記設定されたVを有する前記I/O PMOSトランジスタと前記ロジックPMOSトランジスタとをマスクすることと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記I/O PMOSトランジスタの前記Vを設定するために前記ロジックNMOSトランジスタと前記I/O PMOSトランジスタとの双方に前記ディープNウェルを形成することが、1×e13atm/cm〜2×e13atm/cmの範囲の注入量を使用し、前記ロジックNMOSトランジスタに形成された前記Pウェル領域が、5×e13atm/cm以上の注入量を使用する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、デュアル電圧CMOSトランジスタデバイスのために閾値電圧(V)を設定することを含む、半導体デバイス製造の方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
相補型金属酸化物半導体(CMOS)製造技術を用いる半導体デバイスの製造は、典型的に、単一ダイ基板上に高電圧及び低電圧オペレーショントランジスタを形成することに関与する。
【0003】
典型的にロジック又はコアトランジスタである低供給電圧トランジスタは、チップの内部に用いられる。ロジックトランジスタは通常、ダイ又はチップ(後述では「チップ」)の中央部にあり、高パッキング密度及び性能のため最適化される。ロジックトランジスタは、より小さく、かつ、低電圧で速度を最大化するため薄いゲート酸化物層を有する。
【0004】
高供給電圧トランジスタは通常、外部デバイス/チップと通信するために用いられ、そのため、入力/出力(I/O)トランジスタと呼ばれる。これらのトランジスタは、より大きく、かつ、信頼性の高い高電圧オペレーションのためより厚いゲート酸化物層を有する。2つの異なる供給電圧の利用は、2つの異なるゲート酸化物厚みを必要とする。例えば、I/Oトランジスタは大抵、ロジックトランジスタより2〜4倍厚いゲート酸化物厚みを有し得る。
【0005】
ロジックトランジスタ及びI/Oトランジスタが受ける注入間の変動は、マスクの2つの個別のセットの利用を必要とする。両方のセットを最適化することは、4〜5個の付加的なマスクを必要とする。低電圧及び高電圧トランジスタ両方のために同一の注入を用いるテストは、製造観点から好ましいが、必要な寿命及び性能要件を満たす高電圧トランジスタを提供しない。ロジックトランジスタに必要な高ドーピングは、たとえこれらのトランジスタのために酸化物厚みが増大されるとしても、周辺I/Oトランジスタに高過ぎる電界を持たせる。その結果、ロジックトランジスタ閾値電圧(V)は目標値にあるが、I/Oトランジスタ閾値電圧(V)は高過ぎとなりI/Oトランジスタの性能が悪くなる。
【0006】
図2A図2Dは、ロジックNMOSトランジスタ、ロジックPMOSトランジスタ、I/O NMOSトランジスタ、及びI/O PMOSトランジスタの隔離された領域を有する半導体デバイスを形成するための従来の方法を示す。図2Aにおいて、I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定するように包括的P型基板注入40が実行される。図2Bにおいて、従来のI/O PMOSトランジスタ、ロジックPMOSトランジスタ、及びI/O NMOSトランジスタは、フォトレジスト50により覆われて、ロジックNMOSトランジスタにおいて55でDNウェルを形成するようにロジックNMOS領域のみを露出させる。
【0007】
図2Cにおいて、ロジックPMOSトランジスタを形成するように標準的なNウェルパターニングが実行される(65参照)とき、I/O PMOSトランジスタもフォトレジスト60によりによるNウェル注入に晒される。図2Dにおいて、フォトレジスト70を用いて従来のロジックNMOSトランジスタにおいてPウェルパターニングが実行される(75参照)とき、I/O NMOSトランジスタもPウェル注入に晒される。I/O NMOSトランジスタのこの露出は、図2Aで予め設定されたI/O NMOSトランジスタの閾値電圧に影響を及ぼし得る。
【0008】
そのため、適切なI/Oトランジスタ閾値電圧(V)を備えるが、付加的なマスクを用いることなく、CMOSデバイス製造するための方法を提供することが求められている。
【発明の概要】
【0009】
CMOSトランジスタを製造する記載される例示の方法は、ロジックNMOSトランジスタ、ロジックPMOSトランジスタ、I/O NMOSトランジスタ、及びI/O PMOSトランジスタの隔離された領域を含む半導体基板を提供することを含む。その後、I/O NMOSトランジスタ内にP型ドーパントを注入することによりI/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)が設定され得、I/O PMOSトランジスタにN型ドーパントを注入することによりI/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)が設定され得る。設定されたVを備えたI/O NMOSトランジスタ及び設定されたVを備えたI/O PMOSトランジスタ両方をマスキングすることにより、その後、ロジックPMOSトランジスタ内にNウェル領域が形成され得、ロジックNMOSトランジスタ内にPウェル領域が形成され得る。
【0010】
記載される例示のCMOSトランジスタが、ロジックNMOSトランジスタ、ロジックPMOSトランジスタ、I/O NMOSトランジスタ、及びI/O PMOSトランジスタの隔離された領域を含む半導体基板内に形成され得る。半導体基板の各隔離された領域においてP型ドーパントの包括的注入が実行され得、I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定する。ロジックPMOSトランジスタ及びI/O NMOSトランジスタ両方がマスクされた状態でI/O PMOSトランジスタにN型ドーパントを注入することにより、I/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)が設定され得る。設定されたVを備えたI/O NMOSトランジスタ、設定されたVを備えたI/O PMOSトランジスタ、及びロジックNMOSトランジスタはその後、ロジックPMOSトランジスタ内にNウェル領域を形成するためにマスクされ得る。この後、設定されたVを備えたI/ONMOSトランジスタ、設定されたVを備えたI/O PMOSトランジスタ、及びロジックPMOSトランジスタをマスクすることが続き、ロジックNMOSトランジスタ内にPウェル領域を形成する。
【0011】
記載される例示のCMOSトランジスタが、ロジックNMOSトランジスタ、ロジックPMOSトランジスタ、I/O NMOSトランジスタ、及びI/O PMOSトランジスタの隔離された領域を含む半導体基板に形成され得る。半導体基板の各隔離された領域においてボロンの包括的注入が実行され得、I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定する。I/O NMOSトランジスタの設定されたVは、任意で表面ボロン注入により調節され得る。ロジックPMOSトランジスタ及びI/O NMOSトランジスタ両方をマスキングすることにより、I/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定するためロジックNMOSトランジスタ及びI/O PMOSトランジスタ両方においてディープNウェルが形成され得る。I/O PMOSトランジスタの設定されたVは任意で表面N型注入により調節され得る。設定されたVを備えたI/O NMOSトランジスタ、設定されたVを備えたI/O PMOSトランジスタ、及びロジックNMOSトランジスタをマスキングすることにより、Nウェル領域をロジックPMOSトランジスタ内に形成することができる。設定されたVを備えたI/O NMOSトランジスタ、設定されたVを備えたI/O PMOSトランジスタ、及びロジックPMOSトランジスタをマスキングすることにより、ロジックNMOSトランジスタ内にPウェル領域を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
例示の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0013】
図1A図1Aは、製造の種々の段階の一例の半導体デバイスを示す。
図1B図1Bは、製造の種々の段階の一例の半導体デバイスを示す。
図1C図1Cは、製造の種々の段階の一例の半導体デバイスを示す。
図1D図1Dは、製造の種々の段階の一例の半導体デバイスを示す。
【0014】
図2A図2Aは、図1Aのものに対応する製造段階の従来の半導体デバイスを示す。
図2B図2Bは、図1Bのものに対応する製造段階の従来の半導体デバイスを示す。
図2C図2Cは、図1Cのものに対応する製造段階の従来の半導体デバイスを示す。
図2D図2Dは、図1Dのものに対応する製造段階の従来の半導体デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
記載される例示の実施例は、所望のI/Oトランジスタ閾値電圧を得るためデュアル供給電圧CMOSデバイスを製造するための方法を示す。デュアル供給電圧CMOSデバイスは、ロジックNMOSトランジスタ、ロジックPMOSトランジスタ、I/O NMOSトランジスタ、及びI/O PMOSトランジスタのための隔離された領域を含む半導体基板内に製造され得る。デュアル供給電圧CMOSデバイスの製造はまず、I/O NMOSトランジスタ及びI/O PMOSトランジスタの各々の閾値電圧(V)を所望のレベルまで設定及び/又は調節することを含み得る。その後、I/O NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタがマスクされた状態で、これらのI/Oトランジスタの設定/調節されたVに影響を与えることなく、ロジックNMOSトランジスタ及びロジックPMOSトランジスタが成形され得る。
【0016】
図1A図1Dは、製造の種々の段階の一例の半導体デバイスを示す。比較のため、図2A図2Dは、従来の製造プロセスの対応する段階の半導体デバイスを示す。
【0017】
図1Aに示すように、例示の製造プロセスが、例えばシリコン基板である、半導体基板110内の隔離構造120の形成で始まる。隔離構造120は、LOCOS(シリコンの局所酸化)酸化、シャロートレンチアイソレーション(STI)、又はその他の隔離構造であり得る。図1A図1Dは、代表的な例示の構造として、STI構造を示す。図1Aの基板110は、ロジックNMOSトランジスタ、ロジックPMOSトランジスタ、I/O NMOSトランジスタ、及びI/O PMOSトランジスタの1つ又は複数のための、隔離された領域を含み得る。開示したCMOSデバイスを形成するための後続の注入の間基板110の例示のシリコン表面を保護するため、薄いディスポーザブル酸化物層130が成長されてもよい。
【0018】
実施例では、I/O NMOSトランジスタにおいてI/O NMOS V注入が実行されて、I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)を設定する。一実施例において、図1Aの140で、半導体基板110の各隔離された領域において、例えば、包括的Pウェルボロン注入である、包括的P型注入が実行される。例示の包括的P型注入は、I/O NMOSトランジスタの後に形成されるNウェルを、ロジックNMOSトランジスタのNウェルから隔離するためにも用いられ得る。I/O NMOSトランジスタ及びロジックNMOSトランジスタにおけるNウェル形成は、当業者に知られているような従来の手順を用いることができる。
【0019】
図1A及び図2Aの両方の場合において包括的P型基板注入140が実行され得るが、開示したデバイス(図1A参照)の注入量、エネルギー、及び/又は深さは、従来のデバイス(図2A参照)とは異なっていてもよいことに留意されたい。例えば、従来のI/O NMOS V注入のための図2AのP型基板注入40は、約0.1V〜約0.2Vで従来のI/O NMOSトランジスタの閾値電圧Vに設定するため、約300KeV〜約500KeVのエネルギーで約1×e11atm/cm〜約1×e12atm/cmの注入量のボロンを有し得る。これに対し、開示したI/O NMOSVに対する図1Aの包括的P型基板注入140は、開示したI/O NMOSトランジスタのVを所望のVレベルに又はそのレベル近辺まで設定するように、約300KeV〜約500KeVのエネルギーで約1×e12atm/cm〜約1×e13atm/cmの注入量のボロンを有し得る。
【0020】
幾つかの実施例において、140での包括的P型注入により設定されたI/O NMOSトランジスタのVを調節するように、付加的な表面P型注入が実行されてもよい。実施例において、I/O NMOSトランジスタの閾値電圧(V)は、約0.2V〜約1.0V、又は約0.2V〜約0.7V、又は約0.3〜約1.0Vの範囲の所望のレベルまで設定及び/又は調節され得る。
【0021】
図1Aに示すように、ロジックPMOSトランジスタ及び/又はI/O PMOSトランジスタもP型注入を受け得るが、これらのP型注入は、例えば、図1B及び図1Cに示すように、後続のN型注入で補償され得る。
【0022】
実施例において、例えば、I/O PMOSトランジスタにおけるI/O PMOSV注入により、I/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)が設定及び/又は調節され得る。一実施例において、図1Bに示すように、フォトレジスト150が堆積され、ロジックPMOSトランジスタ及びI/O NMOSトランジスタを覆うように、かつ、I/O PMOSトランジスタ及びロジックNMOSトランジスタを露出するように、パターニングされる。その後、I/O PMOSトランジスタ及びロジックNMOSトランジスタの露出された領域に、155でN型注入が適用される。その結果、従来のトリプルウェルCMOSプロセスにおいて実行されるのと同様に、ロジックNMOSトランジスタ内にディープNウェル(即ち、DNウェル)が形成され得る。実施例において、ディープNウェル注入は、軽い補償N型注入であり得、これは、その後続くロジックNMOSトランジスタにおける重いP型ウェル/チャネルストップ注入により補償され得る。
【0023】
従来のように既存のDNウェルマスクを用いることにより、フォトレジスト150は更に、I/O PMOSトランジスタにDNウェル形成を開口することもできる。これは、ロジックPMOSトランジスタ及びI/O NMOSトランジスタだけでなく従来のI/O PMOSトランジスタもフォトレジスト50により覆われ、ロジックNMOSトランジスタ内にDNウェルを形成するようにロジックNMOS領域のみを露出させる、図2Bに示す対応する従来の製造工程とは異なる。
【0024】
本明細書に開示するように、ディープNウェル注入は、I/O PMOSトランジスタのVを所望のVレベルまで設定するためのI/O PMOSV注入であり得る。例えば、ディープNウェル注入は、約500KeV〜約700KeVの範囲のエネルギーで1×e13atm/cm〜約2×e13atm/cmの範囲の量で実行され得る。DNウェル注入は、I/O PMOSトランジスタを所望のVまで設定するのに充分であるよう選択され得る。一方、このDNウェル注入は、I/O NMOSトランジスタ、ロジックPMOSトランジスタ、及び/又はロジックNMOSトランジスタを含むチップ内の他のトランジスタの閾値電圧に全く又はわずかしか影響を与えないよう充分に軽く選択され得る。例えば、I/O PMOSトランジスタ及びロジックNMOSトランジスタ(図1B参照)内にDNウェルを形成するために用いられる注入量は、その後ロジックNMOSトランジスタ内にPウェル及び/又はPチャネル(図1D参照)を形成するための注入量により著しく低くし得る。具体的には、図1Dに関連して後に説明するように、ロジックNMOS基板内の後続のPウェル形成は、約5×e12atm/cm又はそれ以上の注入量を用いることができる。
【0025】
幾つかの実施例において、図1BのDNウェル注入により設定されるI/O PMOSトランジスタのVを調節するように、付加的な表面N型注入が実行され得る。実施例において、I/O PMOSトランジスタの閾値電圧(V)は、約−0.2V〜約−1.0V、又は−0.2V〜約−0.7V、又は−0.3V〜約−1.0Vの範囲の所望のレベルまで設定及び/又は調節され得る。
【0026】
このようにして、I/O NMOSトランジスタ及びI/O PMOSトランジスタの各々のための閾値電圧Vは、如何なる付加的なマスクを用いることなく、望ましいレベルまで設定及び/又は調節され得る。各々適切なVを備えたI/O NMOSトランジスタ及びI/O PMOSトランジスタはその後、開示したデュアル供給電圧CMOSデバイスのその後の形成の間、マスクされ得る。このように、ロジックトランジスタの形成及びV制御は、I/Oトランジスタから離され得る。例えば、従来のマスキング及び注入プロセスにより、但し、例示として図1C図1Dに示すように、I/Oトランジスタがマスクされた状態で、ロジックNMOS及びPMOSトランジスタ内にチャネル及びウェルを形成することができる。
【0027】
図1Cにおいて、フォトレジスト150を取り除いた後、別のフォトレジスト160が堆積され得、例えば、I/O NMOSトランジスタ、I/O PMOSトランジスタ、及びロジックNMOSトランジスタを覆うようにパターニングされる。フォトレジスト160は、ロジックPMOSトランジスタのP領域において標準的なNウェルパターニングを実行するように、ロジックPMOSトランジスタを露出させることができる。
【0028】
図2Cに示される従来の方式と比較されるように、ロジックPMOSトランジスタを形成するために標準のNウェルパターニングが実行されるとき、フォトレジスト60によりI/O PMOSトランジスタもNウェル注入に晒される。
【0029】
図1Dにおいて、図1CのNウェルパターニングのためのフォトレジスト160を取り除いた後、第3のフォトレジスト170が堆積され得、例えば、I/O NMOSトランジスタ、I/O PMOSトランジスタ、及びロジックPMOSトランジスタを覆うようにパターニングされ得る。フォトレジスト170は、ロジックNMOSトランジスタ内のディープNウェル領域において標準的なPウェルパターニングを実行するようにロジックNMOSを露出させることができる。
【0030】
比較のため、図2Dに示すフォトレジスト70を用いることにより従来のロジックNMOSトランジスタにおいてPウェルパターニングが実行されるとき、I/O NMOSトランジスタもPウェル注入に晒される。I/O NMOSトランジスタのこの露出は、既に設定又は調節されたI/O NMOSトランジスタの閾値電圧に影響を及ぼし得る。
【0031】
実施例では、開示されるデュアル電源CMOSデバイスの形成を完了するため、酸化物層130のロジックトランジスタに関連する部分がその後エッチングにより除かれる。ゲート誘電体、酸化物又は窒化された酸化物のいずれか、が成長され得る。ポリシリコン又は金属ゲートがその後形成され得る。一般的に、全てのゲートがポリシリコンの単一層であってよいが、PMOS及びNMOSゲートを形成するために、異なってドープされた層を用いることができる。
【0032】
実施例において、トランジスタの形成は、当業者に知られているように、チャネル注入、側壁スペーサ形成、ソース/ドレイン注入、ゲート上及びソース/ドレインエリア上のシリサイド形成、誘電体の堆積及び/又はメタライゼーションなどを含むよう継続され得る。
【0033】
実施例では、N型注入又はNウェル形成は、例えば、リン、シリコン、ゲルマニウム、セレン、硫黄、及び/又はテルルを含む種々のドーパントを用いることができ、P型注入又はPウェル形成は、例えば、ボロン、ベリリウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、及び/又はマグネシウムを含むドーパントを用いることができる。その他のドーパントを用いることもできる。実施例において、N型及びP型領域の位置及び/又は形成順は、開示したCMOSデバイスとは逆にされてもよい。
【0034】
当業者であれば、他の多くの実施例及び変形が本願の特許請求の範囲に包含されること、及び、簡潔さ或いは平易さのため、特徴又は工程は、例示の実施例の文脈で説明したような特徴又は工程のすべて又はその幾つかを有する例示の実施例の文脈で説明したが、説明した一つ又は複数の特徴又は工程の異なる組み合わせを有する実施例も、本明細書に包含されることが理解されるであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D