特許第5976028号(P5976028)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976028
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20160809BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20160809BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   H04N1/00 107A
   G06F3/12 D
   G06F3/12 K
   B41J29/38 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-66955(P2014-66955)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-192236(P2015-192236A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年2月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】石田 敬之
【審査官】 花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−056409(JP,A)
【文献】 特開2013−246662(JP,A)
【文献】 特開2009−049481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00 −29/70
G06F 3/09 − 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器において、
スマートメーターと通信可能な通信装置と、
当該電子機器の起動時に前記通信装置を使用して、前記通信装置が通信可能なスマートメーターのスマートメーターIDを取得するスマートメーターID取得部と、
前記スマートメーターID取得部により今回取得された前記スマートメーターIDが前記スマートメーターID取得部により前回取得されたスマートメーターIDとは異なる場合に、今回取得された前記スマートメーターIDを有するスマートメーターについて配電事業者に登録されている設置場所を示す登録位置情報を外部サーバーから取得する登録位置情報取得部と、
前記登録位置情報取得部により今回取得された前記登録位置情報が前記登録位置情報取得部により前回取得された前記登録位置情報とは異なる場合に、当該電子機器が移転されたと判定し、前記登録位置情報取得部により今回取得された前記登録位置情報が前記登録位置情報取得部により前回取得された前記登録位置情報と同一である場合には、当該電子機器が移転されていないと判定する移転判定部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
不揮発性の記憶装置をさらに備え、
前記記憶装置に前記スマートメーターIDおよび前記登録位置情報が格納されていない場合、今回取得された前記スマートメーターIDおよび今回取得された前記登録位置情報が前記記憶装置に格納され、
前記記憶装置に前記スマートメーターIDおよび前記登録位置情報が格納されている場合、前記登録位置情報取得部は、今回取得された前記スマートメーターIDが前記記憶装置に格納されている前記スマートメーターIDとは異なる場合に、前記登録位置情報を前記外部サーバーから取得し、前記移転判定部は、今回取得された前記登録位置情報が前記記憶装置に格納されている前記登録位置情報とは異なる場合に、当該電子機器が移転されたと判定し、今回取得された前記登録位置情報が前記記憶装置に格納されている前記登録位置情報と同一である場合には、当該電子機器が移転されていないと判定すること、
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記記憶装置に前記スマートメーターIDおよび前記登録位置情報が格納されている場合、今回取得された前記スマートメーターIDが前記記憶装置に格納されている前記スマートメーターIDとは異なるが、今回取得された前記登録位置情報が前記記憶装置に格納されている前記登録位置情報と同一であるときには、前記記憶装置に格納されている前記スマートメーターIDが、今回取得された前記スマートメーターIDで更新されることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記移転判定部により当該電子機器が移転されたと判定された場合に当該電子機器の所定の機能についての動作を禁止する動作禁止部をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の電子機器。
【請求項5】
前記移転判定部は、前記記憶装置に前記スマートメーターIDおよび前記登録位置情報が格納されている場合において、前記登録位置情報取得部が、前記外部サーバーからの前記登録位置情報の取得に失敗したときには、当該電子機器が移転されたと判定することを特徴とする請求項2または請求項3記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
保守管理、資産保全などの観点から、家庭用電気機器、OA(Office Automation)機器などといったデバイスの所在地を遠隔から特定可能なシステムが提案されている。ある位置検出システムでは、端末が、GPS(Global Positioning System)で測位し、測位結果を監視センターへ送信している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−288916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、GPS、携帯電話網などを使用したシステムでは、電波の届かない屋内にデバイスが配置されている場合には、現在位置を検出することが困難であり、例えばリース契約に基づいて設置されたOA機器を不正に移転させているような場合であっても、そのような電子機器の不正な移転を検出することが困難となってしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、電子機器の不正な移転を検出することができる電子機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、スマートメーターと通信可能な通信装置と、当該電子機器の起動時に前記通信装置を使用して、前記通信装置が通信可能なスマートメーターのスマートメーターIDを取得するスマートメーターID取得部と、前記スマートメーターID取得部により今回取得された前記スマートメーターIDが前記スマートメーターID取得部により前回取得されたスマートメーターIDとは異なる場合に、今回取得された前記スマートメーターIDを有するスマートメーターについて配電事業者に登録されている設置場所を示す登録位置情報を外部サーバーから取得する登録位置情報取得部と、前記登録位置情報取得部により今回取得された前記登録位置情報が前記登録位置情報取得部により前回取得された前記登録位置情報とは異なる場合に、当該電子機器が移転されたと判定し、前記登録位置情報取得部により今回取得された前記登録位置情報が前記登録位置情報取得部により前回取得された前記登録位置情報と同一である場合には、当該電子機器が移転されていないと判定する移転判定部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子機器の不正な移転を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る電子機器であるOA機器を含むシステムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1におけるOA機器13の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、図2に示すOA機器13の起動時の動作について説明するフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施の形態2に係るデバイス管理システムの構成を示すブロック図である。
図5図5は、図4に示すシステムにおいてデバイス数が監視される複数の地区の一例を示す図である。
図6図6は、図5に示す複数の地区におけるデバイスの不正移転の検出について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
実施の形態1.
【0012】
図1は、本発明の実施の形態1に係る電子機器であるOA機器を含むシステムの構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すシステムにおいて、スマートメーター11は、ユーザー建屋に設置されており、所定の通信網で配電事業者の電力情報収集装置21と通信可能な電力量計である。この通信網は、スマートグリットにおけるAルートであり、例えば、送配電網ケーブルにおけるPLC(Power Line Communication)、送配電網に併設された無線設備(950MHz帯マルチホップ通信など)である。
【0014】
スマートメーター11は、ユーザー建屋の消費電力を計測し、自動検針機能によって消費電力量を遠隔の配電事業者へ送信したり、供給契約時および解約時に遠隔の配電事業者から受信される指令に基づきリモート接続および切断を行ったりする。さらに、スマートメーター11は、ユーザー建屋内のLAN(Local Area Network)12に接続されており、そのLAN12に接続された家庭用機器やOA機器13の制御、モニタリングなどを行う。このLAN12は、スマートグリッドにおけるBルートであり、例えば、ユーザー建屋内の屋内配電網におけるPLC、無線設備(IEEE802.15.4、ZigBee、920MHz帯など)などである。
【0015】
OA機器13は、ネットワーク通信機能を有し、スマートメーター11による制御、モニタリングなどのためにスマートメーター11と通信可能な機器である。
【0016】
電力情報収集装置21は、配電事業者のサイトに設置され、複数の契約者のユーザー建屋のスマートメーター11からデータ収集を行う。
【0017】
さらに、配電事業者のサイトでは、電力情報収集装置21がLAN22に接続されており、LAN22には、顧客情報管理サーバー23が接続されている。
【0018】
顧客情報管理サーバー23は、内蔵コンピューターでサーバープログラムを実行し、そのサーバープログラムに従って、スマートメーターが需要場所に設置された契約者の顧客情報として少なくともスマートメーターID(各スマートメーターに固有の識別子)および需要場所の住所情報を関連付けてデータベースで管理する。なお、需要場所が、集合住宅や商業ビルの場合、需要場所の住所情報にはフロアナンバー(階数)、部屋番号などまで含まれる。
【0019】
また、LAN22には、配電事業者側のフロントエンドサーバーである通信サーバー24が接続されており、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)31を介してサービス事業者との通信を行う。このWAN31は、スマートグリットのCルートである。さらに、ユーザー建屋のOA機器13またはスマートメーター11が、このWAN31に接続されている(ここでは、OA機器13がWAN31に接続されている)。
【0020】
サービス事業者のサイトには、デバイス管理サーバー41が設置されており、管理対象のデバイス(ここでは、OA機器13)をデバイスID(各デバイスに固有の識別子)に関連付けて管理している。ここでは、サービス事業者は、例えばOA機器13のベンダーであったり、そのベンダーのOA機器13の所在地を把握するサービスを提供する企業であったりする。
【0021】
実施の形態1では、OA機器13は、複合機などの画像形成装置である。
【0022】
図2は、図1におけるOA機器13の構成例を示すブロック図である。OA機器13は、通信装置61、通信処理部62、スマートメーターID取得部63、登録位置情報取得部64、移転判定部65、記憶装置66、および動作禁止部67を備える。
【0023】
通信装置61は、LAN12およびWAN31を介して通信可能なネットワークインターフェイスなどの装置である。通信処理部62、スマートメーターID取得部63、登録位置情報取得部64、移転判定部65、記憶装置66、および動作禁止部67は、例えばOA機器13内のコンピューターでプログラムを実行することで実現される。
【0024】
通信装置61は、LAN12に接続されると、スマートメーター11と通信可能となる。
【0025】
通信処理部62は、通信装置61を制御して、所定のプロトコルで、スマートメーター11とデータ通信を行うとともに、所定のプロトコルで、デバイス管理サーバー41とデータ通信を行う。
【0026】
スマートメーターID取得部63は、当該OA機器13の起動時に通信装置61および通信制御部62を使用して、通信装置61が通信可能なスマートメーター11から、そのスマートメーター11のスマートメーターIDを取得する。
【0027】
登録位置情報取得部64は、スマートメーターID取得部63により今回取得されたスマートメーターIDがスマートメーターID取得部63により前回取得されたスマートメーターIDとは異なる場合に、今回取得されたスマートメーターIDを有するスマートメーターについて配電事業者に登録されている設置場所を示す登録位置情報をデバイス管理サーバー41から取得する。
【0028】
なお、スマートメーターID取得部63により今回取得されたスマートメーターIDがスマートメーターID取得部63により前回取得されたスマートメーターIDと同一である場合には、登録位置情報取得部64は、登録位置情報の取得を行わない。
【0029】
移転判定部65は、登録位置情報取得部64により今回取得された登録位置情報が登録位置情報取得部64により前回取得された登録位置情報とは異なる場合に、当該OA機器13が移転されたと判定し、登録位置情報取得部64により今回取得された登録位置情報が登録位置情報取得部64により前回取得された登録位置情報と同一である場合には、当該OA機器13が移転されていないと判定する。
【0030】
また、実施の形態1では、移転判定部65は、記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されている場合において、登録位置情報取得部64がデバイス管理サーバー41からの登録位置情報の取得に失敗したときに、当該OA機器13が移転されたと判定する。なお、移転判定部65は、記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されていない場合において、登録位置情報取得部64がデバイス管理サーバー41からの登録位置情報の取得に失敗したときには、当該OA機器13が移転されたとは判定しない。
【0031】
記憶装置66は、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置である。
【0032】
実施の形態1では、記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されていない場合、今回取得されたスマートメーターIDおよび今回取得された登録位置情報が記憶装置66に格納される。
【0033】
一方、実施の形態1では、記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されている場合、(a)登録位置情報取得部64は、今回取得されたスマートメーターIDが記憶装置66に格納されているスマートメーターIDとは異なる場合、登録位置情報をデバイス管理サーバー41から取得し、(b)移転判定部65は、今回取得された登録位置情報が記憶装置66に格納されている登録位置情報とは異なる場合、当該OA機器13が移転されたと判定し、今回取得された登録位置情報が記憶装置66に格納されている登録位置情報と同一である場合には、当該OA機器13が移転されていないと判定する。
【0034】
なお、記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されている場合において、今回取得されたスマートメーターIDが記憶装置66に格納されているスマートメーターIDとは異なるが、今回取得された登録位置情報が記憶装置66に格納されている登録位置情報と同一であるときには、移転判定部65によって、記憶装置66に格納されているスマートメーターIDが、今回取得されたスマートメーターIDで更新される。
【0035】
動作禁止部67は、移転判定部65により当該OA機器13が移転されたと判定された場合に当該OA機器13の所定の機能についての動作を禁止する。例えば、OA機器13が複合機である場合、印刷機能についての動作が禁止される。
【0036】
次に、実施の形態1におけるOA機器13の動作について説明する。図3は、図2に示すOA機器13の起動時の動作について説明するフローチャートである。
【0037】
OA機器13が起動すると、移転判定部65は、記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されているか否かを判定する(ステップS1)。
【0038】
記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されていないと判定された場合、スマートメーターID取得部63は、通信装置61および通信制御部62を使用して、通信装置61が通信可能なスマートメーター11のスマートメーターIDを取得する(ステップS2)。
【0039】
また、登録位置情報取得部64は、通信装置61および通信制御部62を使用して、デバイス管理サーバー41から公開鍵を取得し(ステップS3)、その公開鍵で、取得されたスマートメーターIDおよび当該OA機器13のデバイスIDを暗号化し、暗号化されたスマートメーターIDおよびデバイスIDを、通信装置61および通信制御部62を使用して、デバイス管理サーバー41へ送信する(ステップS4)。
【0040】
そして、登録位置情報取得部64は、通信装置61および通信制御部62を使用して、デバイス管理サーバー41から、当該OA機器13の登録位置情報を受信する(ステップS5)。
【0041】
このとき、デバイス管理サーバー41は、暗号化されたスマートメーターIDおよびデバイスIDを受信し、上述の公開鍵に対応する秘密鍵で、暗号化されたスマートメーターIDおよびデバイスIDを復号し、そのスマートメーターIDに対応する住所情報を登録位置情報として配電事業者側の通信サーバー24を介して顧客情報管理サーバー23から取得し、当該OA機器13へ送信する。
【0042】
そして、移転判定部65は、ステップS2で取得されたスマートメーターIDおよびステップS5で受信された登録位置情報を記憶装置66に格納する(ステップS6)。
【0043】
このように、記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されていない場合には、スマートメーターIDおよび登録位置情報が記憶装置66に格納される。つまり、当該OA機器13が正当な設置場所に設置され最初に起動した際に、その設置場所のスマートメーター11のスマートメーターIDおよび登録位置情報が記憶装置66に格納される。
【0044】
一方、記憶装置66にスマートメーターIDおよび登録位置情報が格納されていると判定された場合、スマートメーターID取得部63は、通信装置61および通信制御部62を使用して、通信装置61が通信可能なスマートメーター11のスマートメーターIDを取得する(ステップS11)。
【0045】
移転判定部65は、今回取得されたスマートメーターIDが記憶装置66に格納されているスマートメーターIDとは異なるか否かを判定する(ステップS12)。
【0046】
今回取得されたスマートメーターIDが記憶装置66に格納されているスマートメーターIDとは異なると判定された場合、登録位置情報取得部64は、上述の公開鍵で、今回取得されたスマートメーターIDおよび当該OA機器13のデバイスIDを暗号化し、暗号化されたスマートメーターIDおよびデバイスIDを、通信装置61および通信制御部62を使用して、デバイス管理サーバー41へ送信する(ステップS13)。そして、登録位置情報取得部64は、通信装置61および通信制御部62を使用して、デバイス管理サーバー41から、当該OA機器13の登録位置情報を受信する(ステップS14)。
【0047】
そして、移転判定部65は、今回取得された登録位置情報が記憶装置66に格納されている登録位置情報とは異なるか否かを判定する(ステップS15)。
【0048】
今回取得された登録位置情報が記憶装置66に格納されている登録位置情報とは異なると判定された場合、移転判定部65は、当該OA機器13が移転されたと判定し、動作禁止部67は、当該OA機器13の所定の機能についての動作を禁止する(ステップS16)。
【0049】
一方、今回取得された登録位置情報が記憶装置66に格納されている登録位置情報と同一であると判定された場合、移転判定部65は、当該OA機器13は移転されていないと判定し、今回取得されたスマートメーターIDで、記憶装置66に格納されているスマートメーターIDを更新する(ステップS17)。
【0050】
また、ステップS12において、今回取得されたスマートメーターIDが記憶装置66に格納されているスマートメーターIDと同一であると判定された場合、登録位置情報の取得(ステップS13,S14)、動作禁止(ステップS16)、およびスマートメーターIDの更新(ステップS17)は、行われない。
【0051】
以上のように、上記実施の形態1によれば、スマートメーターID取得部63は、当該OA機器13の起動時に通信装置61を使用して、通信装置61が通信可能なスマートメーター11のスマートメーターIDを取得する。登録位置情報取得部64は、今回取得されたスマートメーターIDが前回取得されたスマートメーターIDとは異なる場合に、今回取得されたスマートメーターIDを有するスマートメーターについて配電事業者に登録されている設置場所を示す登録位置情報をデバイス管理サーバー41から取得する。移転判定部65は、今回取得された登録位置情報が前回取得された登録位置情報とは異なる場合に、当該OA機器13が移転されたと判定する。
【0052】
これにより、OA機器13の不正な移転を検出することができる。例えば、サービス事業者がリース契約に基づいて設置したOA機器が不当に移転されたことを検出することができる。
【0053】
実施の形態2.
【0054】
図4は、本発明の実施の形態2に係るデバイス管理システムの構成を示すブロック図である。
【0055】
図4に示すシステムでは、複数の地区において複数のOA機器13が稼動している。また、複数のOA機器13と通信する複数のスマートメーター11がそれぞれのユーザー建屋内に設置されている。この複数のOA機器13は、サービス事業者に対して付与されている、複数の機器に共通の(つまり、単一の)識別コードをそれぞれ記憶しており、その識別コードを、定期的にスマートメーター11へ送信する。
【0056】
複数の地区のそれぞれにおけるスマートメーター11からマルチホップ無線通信などでデータ収集を行う複数のコンセントレーター101が配電事業者によって複数の地区にそれぞれ設置されている。図5は、図4に示すシステムにおいてデバイス数が監視される複数の地区の一例を示す図である。図5に示す例では、A地区からD地区のそれぞれにコンセントレーター101が設置されている。
【0057】
各スマートメーター11は、その識別コードを受信し、定期的にまとめて、そのスマートメーター11が位置する地区に対応するコンセントレーター101へ送信する。
【0058】
各コンセントレーター101は、その地区の機器情報として、その地区において識別コードをスマートメーター11へ送信したOA機器13の数(つまり、稼働中のOA機器13の数)を、電力情報収集装置21へ送信する。
【0059】
電力情報収集装置21は、複数の地区のコンセントレーター101から、複数の地区の稼働中のOA機器13の数を受信し、サービス事業者のデバイス管理サーバー41からの要求に応じて、その稼働中のOA機器13の数(つまり、そのサービス事業者に割り当てられた識別コードを有するOA機器13であって稼働中のものの数)を、通信サーバー24を使用してデバイス管理サーバー41へ送信する。
【0060】
デバイス管理サーバー41は、複数のコンセントレーター101により特定された複数の地区のそれぞれにおいて稼動しているOA機器13の数を受信し、その数に基づいて、複数の地区に対するOA機器13の転入および転出の少なくとも一方を検出する。
【0061】
具体的には、デバイス管理サーバー41は、複数の地区のそれぞれにおいて設置場所が登録されているOA機器13の数(例えば、各地区において、リース契約などで定められている設置場所がその地区に含まれているOA機器13の数)および複数のコンセントレーター101により特定された複数の地区のそれぞれにおいて稼動しているOA機器13の数に基づいて、複数の地区に対するOA機器13の転入および転出の少なくとも一方を検出する。
【0062】
図6は、図5に示す複数の地区におけるデバイスの不正移転の検出について説明する図である。例えば図6に示すD地区のように、デバイス管理サーバー41は、複数の地区におけるある地区について、当該地区に設置場所が登録されているOA機器13の数より、当該地区において稼動しているOA機器13の数が多い場合、当該地区へのOA機器13が転入があったと判定し、当該地区を警告地区としてサービス事業者に報知する。
【0063】
また、例えば図6に示すA地区のように、デバイス管理サーバー41は、複数の地区におけるある地区について、平日の所定のタイミング(一般的な営業時間内でOA機器13の稼動が想定される時刻、例えば午前11時など)で、当該地区に設置場所が登録されているOA機器13の数の所定の割合(例えば70%)より、当該地区において稼動しているOA機器13の数が少ない場合、当該地区からのOA機器13が転出があったと判定し、当該地区を注意地区としてサービス事業者に報知する。
【0064】
なお、実施の形態2に係るシステムにおける各要素のその他の構成および動作については実施の形態1のものと同様であるので、その説明を省略する。
【0065】
以上のように、上記実施の形態2によれば、複数のコンセントレーター101は、複数の地区のそれぞれにおいて、地区内のスマートメーター11からデータ収集を行い、複数の地区のそれぞれにおいて稼働中のOA機器13の数を特定する。そして、デバイス管理サーバー41は、複数のコンセントレーター101により特定された複数の地区のそれぞれにおいて稼動しているOA機器13の数に基づいて、複数の地区に対するOA機器13の転入および転出の少なくとも一方を検出する。
【0066】
これにより、OA機器13の不正な移転を検出することができる。
【0067】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0068】
例えば、上記実施の形態1では、OA機器13は、サービス事業者から登録位置情報を取得しているが、その代わりに、登録位置情報を配電事業者の通信サーバー24などから直接取得するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、例えば、OA機器の不正移転の検出に適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
11 スマートメーター
13 OA機器(電子機器の一例)
41 デバイス管理サーバー(外部サーバーの一例)
61 通信装置
63 スマートメーターID取得部
64 登録位置情報取得部
65 移転判定部
66 記憶装置
67 動作禁止部
101 コンセントレーター(情報集約装置の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6