【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、強塩基水溶液と、酸基のペンダントエステルを有するポリマーを含む反応混合物を形成することにより、ポリマーのエステル基を酸基に変換するためのプロセスを提供し、反応混合物は、(i)実質的に不活性の雰囲気を有する、(ii)最大14時間反応させる、および/または(iii)酸基のペンダントエステルを有する少なくとも1kgのポリマーを含有する、のいずれかである。追加の態様は、ポリマーがビーズ形態であることである。
【0006】
本発明の多くの態様のうちの1つは、ポリマーのエステル基を酸基に変換するためのプロセスである。本プロセスは、実質的に不活性の雰囲気を有する反応混合物を形成することを含み、反応混合物は、強塩基水溶液と、加水分解して、ペンダント酸基またはその塩
を含むポリマー
およびアルコールを生成する酸基のペンダントエステルを有するポリマーとを含む。
【0007】
別の態様は、反応混合物を形成することを含む、ポリマーのエステル基を酸基に変換するためのプロセスであり、反応混合物は、強塩基水溶液と、加水分解して、ペンダント酸基またはその塩
を含むポリマー
およびアルコールを生成する酸基のペンダントエステルを有するポリマーとを含み、反応混合物は、最大14時間反応する。
【0008】
また別の態様は、反応混合物を形成することを含む、ポリマーのエステル基を酸基に変換するためのプロセスであり、反応混合物は、強塩基水溶液と、加水分解して、ペンダント酸基またはその塩
を含むポリマー
およびアルコールを生成する酸基のペンダントエステルを有する少なくとも1kgのポリマーとを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ポリマーのエステル基を酸基に変換するためのプロセスであって、
実質的に無酸素の雰囲気を有する反応混合物であって、強塩基水溶液と、加水分解して、ペンダント酸基またはその塩
を含むポリマー
およびアルコールを生成する、前記酸基のペンダントエステルを有するポリマーと、を含む、反応混合物を形成することを含む、プロセス。
(項目2)
ポリマーのエステル基を酸基に変換するためのプロセスであって、
強塩基水溶液と、加水分解して、ペンダント酸基またはその塩
を含むポリマー
およびアルコールを生成する、前記酸基のペンダントエステルを有するポリマーと、を含む、反応混合物を形成することを含み、
前記反応混合物を、最大14時間反応させる、プロセス。
(項目3)
ポリマーのエステル基を酸基に変換するためのプロセスであって、
強塩基水溶液と、加水分解して、ペンダント酸基またはその塩
を含むポリマー
およびアルコールを生成する、前記酸基のペンダントエステルを有する少なくとも1kgのポリマーと、を含む、反応混合物を形成することを含む、プロセス。
(項目4)
前記ポリマーが、疎水性ポリマーである、項目1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目5)
前記酸基が、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、スルホン酸基、硫酸基、スルファミン酸基、またはそれらの塩である、項目1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目6)
前記ポリマーが、ビーズ形態である、項目1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目7)
前記ポリマーが、架橋される、項目1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目8)
酸基のペンダントエステルを有する前記疎水性ポリマーが、式1および2、式1および3、または式1、2、および3に対応する構造単位を含み、
式1、式2、および式3が、次の構造
【化101】
により表され、式中、
R
1およびR
2が、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり、
A
31が、カルボン酸基、ホスホン酸基、またはリン酸基のエステルであり、
X
1が、アリーレンであり、
X
2が、アルキレン、エーテル部分、またはアミド部分である、項目4〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目9)
酸基のペンダントエステルを有する前記疎水性ポリマーが、式1、2、および3に対応する構造単位を含む、項目8に記載のプロセス。
(項目10)
式1、2、および3により表される前記構造単位が、次の構造
【化102】
により表される、項目8に記載のプロセス。
(項目11)
酸基のペンダントエステルを有する前記疎水性ポリマーが、式1A、2A、および3Aに対応する構造単位を含む、項目10に記載のプロセス。
(項目12)
酸基のペンダントエステルを有する前記疎水性ポリマーが、(i)式11および22、(ii)式11および33、または(iii)式11、22、および33のいずれかのモノマーを含む重合混合物の反応生成物を含み、
式11、式22、および式33が、次の構造
【化103】
により表され、式中、
R
1およびR
2が、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールであり、
A
31が、カルボン酸基、ホスホン酸基、またはリン酸基のエステルであり、
X
1が、アリーレンであり、
X
2が、アルキレン、エーテル部分、またはアミド部分である、項目4〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目13)
酸基のペンダントエステルを有する前記疎水性ポリマーが、式11、22、および33のモノマーを含む重合混合物の反応生成物を含む、項目12に記載のプロセス。
(項目14)
式11、22、および33が、次の構造
【化104】
により表される、項目12に記載のプロセス。
(項目15)
酸基のペンダントエステルを有する前記疎水性ポリマーが、式11A、22A、および33Aのモノマーを含む重合混合物の反応生成物を含む、項目14に記載のプロセス。
(項目16)
前記エステルの前記アルキル基が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1,1−ジメチル−1−プロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、または2−エチル−1−ブチルエステルである、項目1〜15のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目17)
前記エステルの前記アルキル基が、メチルエステルである、項目16に記載のプロセス。
(項目18)
酸基のペンダントエステルを有する前記疎水性ポリマーが、ポリ−α−フルオロアクリル酸のメチルエステルを含む、項目4〜17のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目19)
前記ポリ−α−フルオロアクリル酸のメチルエステルが、架橋モノマーで架橋される、項目18に記載のプロセス。
(項目20)
前記架橋モノマーが、ジビニルベンゼン、1,7−オクタジエン、またはそれらの組み合わせである、項目19に記載のプロセス。
(項目21)
前記反応混合物が、酸基のペンダントエステルを有する少なくとも1kgの前記疎水性ポリマーを含む、項目1、2、および4〜20のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目22)
前記反応混合物が、酸基のペンダントエステルを有する少なくとも5kgのポリマーを含む、項目21に記載のプロセス。
(項目23)
前記反応混合物が、酸基のペンダントエステルを有する少なくとも10kgのポリマーを含む、項目21に記載のプロセス。
(項目24)
前記反応混合物に添加される酸基のペンダントエステルを有する前記ポリマーの水性懸濁液の前記ポリマー含量が、約15重量%〜約30重量%である、項目1〜23のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目25)
前記反応混合物に添加される酸基のペンダントエステルを有する前記ポリマーの前記水性懸濁液の前記ポリマー含量が、約20重量%である、項目24に記載のプロセス。
(項目26)
前記強塩基が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化物ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、またはそれらの組み合わせである、項目1〜25のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目27)
前記強塩基が、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである、項目26に記載のプロセス。
(項目28)
前記強塩基が、水酸化ナトリウムである、項目27に記載のプロセス。
(項目29)
前記反応混合物に添加される前記強塩基水溶液の前記濃度が、約15重量%〜約50重量%である、項目1〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目30)
前記反応混合物に添加される前記強塩基水溶液の前記濃度が、約25重量%である、項目29に記載のプロセス。
(項目31)
前記反応混合物に添加される前記強塩基水溶液の前記濃度が、約10mol%〜約20mol%である、項目1〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目32)
前記強塩基の、酸基のペンダントエステルを有する前記ポリマーに対するモル比が、約0.8〜約1.5である、項目1〜31のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目33)
前記強塩基の、酸基のペンダントエステルを有する前記ポリマーに対するモル比が、約1.22である、項目32に記載のプロセス。
(項目34)
前記強塩基水溶液が、アルコールをさらに含む、項目1〜33のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目35)
前記水性反応溶液が、アルコールをさらに含む、項目1〜33のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目36)
前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、またはそれらの組み合わせである、項目34および35に記載のプロセス。
(項目37)
前記反応混合物を最大約14時間反応させる、項目1〜36のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目38)
前記反応混合物を最大約10時間反応させる、項目37に記載のプロセス。
(項目39)
前記反応混合物を最大約8時間反応させる、項目37に記載のプロセス。
(項目40)
前記反応混合物を最大約6時間反応させる、項目37に記載のプロセス。
(項目41)
前記反応混合物を最大約5時間反応させる、項目37に記載のプロセス。
(項目42)
前記反応混合物を最大約4時間反応させる、項目37に記載のプロセス。
(項目43)
前記強塩基水溶液が、約5重量%〜約25重量%のアルコールを含む、項目34〜42のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目44)
前記強塩基水溶液が、約10重量%のアルコールを含む、項目43に記載のプロセス。(項目45)
前記水性反応溶液が、約5重量%〜約15重量%のアルコールを含む、項目35〜42のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目46)
前記水性反応溶液が、約7重量%のアルコールを含む、項目45に記載のプロセス。
(項目47)
前記反応混合物が、実質的に無酸素の雰囲気を有する、項目2〜46のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目48)
前記無酸素雰囲気が、不活性ガスを含み、前記不活性ガスが、ヘリウム、ネオン、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノン、またはそれらの組み合わせである、項目1および4〜47のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目49)
前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、またはそれらの組み合わせである、項目48に記載のプロセス。
(項目50)
前記反応混合物中の酸素の濃度が、約5ppm未満である、項目1および4〜49のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目51)
前記強塩基水溶液が、前記反応混合物に添加される前に不活性ガスでパージされる、項目1〜50のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目52)
前記反応混合物の温度が、約55℃〜約95℃である、項目1〜51のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目53)
前記反応混合物の温度が、約80℃〜約85℃である、項目52に記載のプロセス。
(項目54)
前記強塩基水溶液が、約1〜3時間にわたって前記反応混合物に添加される、項目1〜53のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目55)
前記強塩基水溶液が、約2時間にわたって前記反応混合物に添加される、項目54に記載のプロセス。
(項目56)
前記強塩基水溶液が、前記反応混合物が約80℃〜約85℃の温度を有するとき、前記反応混合物に添加される、項目54または55に記載のプロセス。
(項目57)
前記ポリマーの前記エステル基の前記酸基への前記変換が、前記反応混合物からのサンプルを酸で滴定することにより監視される、項目1〜56のいずれか1項に記載のプロセス。