(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976124
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】流量制限システムを有するマスタシリンダ
(51)【国際特許分類】
B60T 11/22 20060101AFI20160809BHJP
B60T 11/20 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
B60T11/22 Z
B60T11/20 A
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-545316(P2014-545316)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2015-513307(P2015-513307A)
(43)【公表日】2015年5月7日
(86)【国際出願番号】EP2012075618
(87)【国際公開番号】WO2013087875
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】1103907
(32)【優先日】2011年12月15日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】ロラン・リュイリエー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ロドリゲス
【審査官】
竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0084665(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 10/00 −11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタシリンダ(200)の壁を貫通する穿孔(23)によって、ピストンが静止する時、ピストン(プライマリピストン及び/又はセカンダリピストン)の孔(220)を通して圧力室(222)と連通するために、マスタシリンダ上部の穿孔内に係合された首部(201)によってマスタシリンダに連結されたブレーキ液リザーバ(20)を備えたマスタシリンダであって、
前記マスタシリンダ上部の穿孔(23)は、リザーバ(20)首部(201)の縁部によって上部(241)が部分的に閉鎖され、かつ底部(242)が前記穿孔(23)と連通する室(24)を形成し、
前記室(24)内で運動自在に収容された浮動プレート(30)が、前記室の上部(241)によって形成された上部止め具と、その底部(242)との間で平坦に保持され、
前記浮動プレート(30)は、前記底部(242)に通じる前記穿孔(23)の周りで自由に支持されるために下面に支持体(31)を有し、
前記浮動プレート(30)は、前記リザーバ(20)から前記圧力室(222)に向かう液体の流量を抑える邪魔板を形成し、
前記浮動プレート(30)が、両面に支持体(31、32)を備えたディスクであること、を特徴とするマスタシリンダ。
【請求項2】
前記浮動プレート(30)が、少なくとも下面にヒールの形状の支持体(31)を備えたディスクであることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
【請求項3】
前記浮動プレート(30)が、前記室(24)の円形断面の直径(DM)よりも小さいが、前記首部(201)の開口部(202)の直径(Dm)よりも大きい直径(D)の円形ディスクであることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
【請求項4】
前記支持体(31、32)が、規則正しく配分されることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
【請求項5】
前記浮動プレート(30)が、プラスチック製部品であることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
【請求項6】
前記浮動プレート(30)が、板によって構成され、前記板の縁部が少なくとも、前記板の面の少なくとも1つに関して支持体を形成する凹凸を構成するために変形されることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
【請求項7】
前記マスタシリンダが、それぞれプライマリピストンと、セカンダリピストンとによって画定され、かつ浮動プレート(30)を備えた室を通じてリザーバ首部に各々が連結される2つの穿孔(23、12)によってブレーキ液リザーバから供給される、プライマリ圧力室と、セカンダリ圧力室とを有するタンデムマスタシリンダであることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスタシリンダの壁を貫通する穿孔によって、ピストンが静止する時、ピストン(プライマリピストン及び/又はセカンダリピストン)の孔を通して圧力室と連通するために、マスタシリンダ上部の穿孔内に係合された首部によってマスタシリンダに連結されたブレーキ液リザーバを備えたマスタシリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のマスタシリンダは、一般的にアルミニウム製であり、かつ一般的に加工されたアルミニウム製のブレーキのマスタシリンダ本体の軸方向ボア内に両方が連続して取り付けられるプライマリピストンと、セカンダリピストンとを含む。かかるマスタシリンダは、特許文献1に記載されている。プライマリピストンのキャビティ内のプッシュロッドは、プライマリ圧力室を加圧するプライマリピストンの移動を作動させることができ、セカンダリピストンは、セカンダリ圧力室を加圧する。プライマリ及びセカンダリスプリングは、圧力上昇を行う移動の反対方向にピストンを押しやる。
【0003】
マスタシリンダのボアは、プライマリ及びセカンダリ圧力室に供給するために、ブレーキ液リザーバに接続された2つの供給穿孔によってブレーキ液を供給される。これらの穿孔は、環状室に通じ、カップ(coupelles)と呼ばれる環状シール材が、環状室の両側にピストンによって設けられる。
【0004】
圧力室のブレーキ液供給は、ピストンが
図1に示した位置に静止する時になされる。供給は、供給穿孔及び環状室を、ピストンの壁の孔によってそれぞれこれらの室に通じるプライマリ及びセカンダリピストンの内部と連通させる、ピストンの壁の孔によってなされる。これらの孔の軸は、一般的にピストンの軸に垂直である。ピストンが前進する時(
図1で矢印(d)の方向)、ピストンの孔は、供給室を隔離し、かつプライマリ及びセカンダリ圧力室内でブレーキ圧の確立を可能にするために、シール材を乗り越える。
【0005】
マスタシリンダのアセンブリは、制動を補助するサーボモータに取り付けられる。
【0006】
ピストンが、プッシュロッドによって矢印(d)の方向に沿って移動する時、カップ4は、プライマリ供給アクセス穿孔からプライマリ圧力室を隔離し、かつカップ6は、供給アクセス穿孔からセカンダリ圧力室を隔離する。プッシュロッドに対する応力が緩和される時、ブレーキ内に蓄積されたブレーキ液量及びマスタシリンダのスプリングは、ピストンを静止位置に押しやる。プッシュロッドの急速な弛緩の際に、マスタシリンダの圧力室のブレーキ液が、ブレーキ液のマスタシリンダ内への到達よりも速くピストンを押しやるスプリングの作用のために、大気圧下で通過することもあり得る。ピストンが静止位置に到達する時、大気圧のリザーバと、マスタシリンダの室との間の連通が、直接的に開かれ、マスタシリンダ内に「水衝作用」と呼ばれる騒音を発生させる速く、かつ激しいブレーキ液の通過又は流れを作り出す。
【0007】
水衝作用によって引き起こされる騒音は、車両に対する設置に応じて多少緩和され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2827244号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、マスタシリンダ内でのブレーキ液の循環に起因する騒音を抑えることを可能にし、かつ車両での応用に応じて、かつマスタシリンダの加工部品を変更せずに容易に取り付けられる手段を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、本発明は、以上に定義したタイプのブレーキのマスタシリンダであって、マスタシリンダ上部の穿孔は、リザーバ首部の縁部によって上部が部分的に閉鎖され、かつ底部が穿孔と連通する室を形成し、室内で運動自在に収容された浮動プレートが、室の上部によって形成された上部止め具と、その底部との間で平坦に保持され、浮動プレートは、底部に通じる穿孔の周りで自由に支持されるために下面に支持体を有し、プレートは、リザーバから圧力室に向かう液体の流量を抑える邪魔板を形成するマスタシリンダを対象とする。このように配置されたこの部品により、邪魔板を作り出し、かつ水衝作用タイプの騒音を低減又は取り除くためにブレーキ液の速度を抑えられるようになる。マスタシリンダの設計は、一層標準化され、かつ車両でのマスタシリンダの応用に応じて、水衝作用現象は、車両の運転者が多少感じることがあり、従って適したマスタシリンダを製作することは、マスタシリンダの製造を非標準化する必要なしに、水衝作用の問題を解決するための簡単かつ経済的な解決法である。実際に本発明によれば、マスタシリンダのピストンが急速に戻る際に、圧力室の圧力は、大気圧よりも低い。従って、ピストンが静止位置に到達する時、ピストンの孔の形状の通路は、リザーバと、圧力室との間の通過を可能にするカップによって形成された密封ゾーンを通過する。リザーバと、マスタシリンダとの間のブレーキ液の通路で浮動するプレートは、ブレーキ液の流れを減速し、かつ圧力室に到達するリザーバからのブレーキ液によって発生する騒音を抑える邪魔板を作り出す。水衝作用は、ピストンが静止位置に急速に戻る際に、リザーバから激しく落ち、かつ圧力室と、ピストンの内部キャビティの壁にぶつかるようになる液体の柱に起因する。騒音の大きさに応じて、浮動プレートの寸法は、騒音の問題を解決するために、適応させることができるが、マスタシリンダの機能、特にABS(車輪アンチロック)又はESP(車両安定性援助)タイプのシステムの働きに必要な流量の機能を低下させない。浮動プレートの直径及び支持体の高さの変動により、マスタシリンダを非標準化せずに、騒音に関して顧客の要求、及び流量に関してABS及びESPシステムの働きの要求に適した騒音/流量の妥協点が得られるようになる。
【0011】
もう1つの好適な特徴によれば、浮動プレートは、強い負圧の影響を受けても、プレートがマスタシリンダの圧力室に連結された穿孔に対して接着され、かつ充填を不可能にする危険がないように、少なくとも浮動プレートの下面にヒールの形状の支持体を備えたディスクである。
【0012】
特に好適には、浮動プレートは、マスタシリンダの室内での浮動プレートの設置が、配向に関して特別な注意を必要とせず、浮動プレートが、室の底部に対して接着される危険がないように両面に支持体を備えたディスクの形状である。
【0013】
浮動プレート、支持体を有するその厚さ、それを受ける室の高さ、及び幅又は長さに関するプレートの寸法、室の断面の寸法の寸法的な特徴によれば、プレートは、裏返され、かつマスタシリンダの圧力室に至る穿孔と連通する、リザーバからの室入口と、底部内の室出口との間に有効な邪魔板を実際に作り出すために平坦さが失われる危険がない。
【0014】
1つの特徴によれば、支持体は、規則正しく配分される。室が円形断面を有するならば、プレート自体が室の断面の直径よりも小さいが、室内のリザーバ首部の口の直径よりも大きい直径であり、当然に室の底部に通じる穿孔の直径よりも大きい直径の円形ディスク形状の部品であることが好適である。
【0015】
プレートは、好適にはプラスチック製部品である。
【0016】
もう1つの好適な特徴によれば、浮動プレートは、片面又は両面に支持体を構成する変形を備えた板によって構成され、かつ特には浮動プレートは、支持体を形成するために少なくとも縁部が波形にされた部品である。
【0017】
本発明の様々な対象及び特徴は、説明及び添付図面において更に明瞭に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】先行技術によるマスタシリンダの軸方向断面図である。
【
図2A】本発明によるマスタシリンダの軸方向断面図である。
【
図2B】浮動プレートを備えたマスタシリンダの
図2Aに類似した軸方向断面図である。
【
図3A】円筒形部品の形状の浮動プレートの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、プライマリピストン2、セカンダリピストン3、並びにプライマリ7及びセカンダリ8スプリングを受けるボア11を有するブレーキのマスタシリンダ100を示す。ピストン2、3は、プライマリ9及びセカンダリ10圧力室を加圧することを役割とする。ブレーキ液供給アクセス穿孔12、13は、ブレーキ液リザーバ(図示せず)に接続されるためにある。アクセス穿孔12の両側に、カップ33、4が設けられ、かつアクセス孔13の両側にカップ5、6が設けられる。マスタシリンダが、静止中の時、プライマリピストン2は、
図1に示す位置にある。通路14、15を備えたピストン2、3の壁は、穿孔12、13を、各ピストン2、3の内部、並びにプライマリ圧力室9及びセカンダリ圧力室8と連通させる。静止時に、カップ4、6は、アクセス穿孔12、13と、ブレーキ液を供給されるプライマリ及びセカンダリ圧力室9、10との間の連通を可能にする。
【0020】
プライマリピストン2のキャビティ17内でプッシュロッド16により方向(d)に沿って及ぼされるブレーキ力の影響で、プライマリピストンは、矢印(d)の方向に移動する。カップ4は、通路14を塞ぎ、かつカップ6は、通路15を塞ぐ。プライマリ及びセカンダリ圧力室9、10は、穿孔12、13から隔離され、圧力が室9、10内に生じる。この圧力は、プッシュロッド16により方向(d)に沿って及ぼされる応力に比例する。
【0021】
図2Aは、図示及び記述された本発明の手段が、
図1に現れるプライマリピストンと、プライマリ室と、穿孔12及び接管によるリザーバとの連通に同じ条件で応用されると理解して、セカンダリピストン22及びセカンダリ室222の側のタンデムマスタシリンダの、端部が限定された本発明によるマスタシリンダ200の一部を示す。マスタシリンダ200は、タンデムマスタシリンダであり得るマスタシリンダのリザーバ首部201を保持する密封スリーブ21の介在によりマスタシリンダ200の本体29に連結されたリザーバ20を備える。
【0022】
首部201の下で、本体29は、上部241が、首部201の縁部及びスリーブ21の縁部によって部分的に閉鎖される室24を形成する。室24の底部242は、マスタシリンダの本体の壁に製作された通路23を備える。このキャビティ24は、室24内を自由に動けるために、首部201の口202よりも大きいが、室24の断面よりも小さい寸法のディスク形状の浮動プレート30を受けるためにある。
【0023】
この浮動プレート30の厚さ(e)は、室24の高さhよりも小さい。室24内に置かれた(
図2B)このプレート30は、ピストン22によってその静止位置に戻る時に作り出される負圧によって汲み上げられたブレーキ液の流量(流れ)を減速する邪魔板を構成する。
【0024】
図2Cは、
図2Bに示すように浮動プレートが内部に存在する室24のための浮動プレート30の断面図である。
【0025】
リザーバ20と、室220との間で、室24、通路23及び孔220を通るブレーキ液の循環は、矢印Fによって描かれる。ディスク又は薄い円筒部品の形状のプレート30は、通路23の入口231の周りで底部242に支持されるための支持要素31を含むので、負圧の影響で通路23を決して塞がず、負圧の影響で通路23を密封して塞ぎ、かつ底部に押し付けられる危険がない。
【0026】
図2Cの断面図によれば、プレート30は、室24の直径D
Mより小さく、かつ通路23の入口231の直径D
mより大きい直径Dの円形ディスクの形状である。支持要素31は、プレート30の下面から突出したボス又はヒールである。好適には、プレートの上部は、プレート30の機能を、リザーバ20/室24の界面における取り付け位置に左右されないようにし、かついかなる取り付けの間違いも回避するようにボス32を同様に備える。
【0027】
支持要素31(32)及びプレート30上のそれらの配置、並びにプレート30(例えば円形状のプレートの場合に、その直径)及び室の断面の相対的寸法は、室24内のプレート30の位置がいかなるものであれ、動かなくなり、かつ通路23を塞ぐ危険がないようになっている。
【0028】
製造のために好ましくは、室24が円形断面を有するので、プレート30は、円形ディスクであるが、多角形又は星形のような他の形状が検討可能である。
【0029】
図示しない実施態様によれば、プレート30は、波形であるか、又は少なくとも縁部が波形であるか、又はプレート面に対して変形された表面であり、かつ好ましくは通路23を遮る危険がある接着を回避するヒール又はボス31、32に類似した支持体を製作するための2つの側面である。
【0030】
浮動プレート30は、好適にはプラスチック材で製作される。
【0031】
タンデムマスタシリンダの部分の一方又は他方によって供給されるプライマリ回路又はセカンダリ回路の室24内の浮動プレート30の配設は、リザーバ20のマスタシリンダ200上の設置前に行われる。
【0032】
プレート30が片面にしか支持体31を有さないならば、適切に配設されねばならず、他方でプレート30が両面に支持体31、32を有するならば、取り付けにはいかなる特別な注意も必要でない。
【0033】
リザーバの配設は、浮動プレート30を室24内に閉じ込める。プレート30の断面及び室の断面、並びに室の自由高さ(h)は、プレートが裏返される危険があることを回避し、その結果プレートは常に「平坦である」。
【0034】
図示した実施例によれば、プレートは、少なくとも3つの接触片31を備えた円筒形部品である。円筒形部品は、ブレーキ液の通路に配置され、かつリザーバ20と、マスタシリンダ200との間で、キャビティ24内に置かれ、接触片31は、底部27に支持される。
【0035】
底部27は、カップ25及び26によって画定された環状室に通じるブレーキ液の通路23によって開放される。この環状室は、キャビティ221の底部及びマスタシリンダのボアの底部に支持されるスプリング28を収容するキャビティ221に通じる孔220を備えたピストン22が内部に存在し、圧力室222を作り出すマスタシリンダのボアの一部である。浮動プレート30は、ここでは円筒形部品の形状であるが、リザーバ20と、マスタシリンダ200の圧力室222との間でブレーキ液の通過速度を抑えることを機能とする。このように配置されたこの部品30は、水衝作用の騒音を低減又は取り除くために、邪魔板を作り出すこと、及びブレーキ液の速度を抑えることを可能にする。この場合に3つの接触片を備え、ブレーキ液の通路に配置され、かつリザーバと、マスタシリンダとの間に置かれたこの円筒形部品を配設することにより、ブレーキ液を減速する邪魔板を作り出せるようになる。騒音の大きさに応じて、この円筒形部品30の寸法は、特にその直径及び接触片の高さ(a)によって適応させられる。直径を修正して、キャビティ24の直径、円筒形部品30の直径の間で通路の断面を決定し、接触片の高さ(a)により、キャビティ24の底部27と、円筒形部品30の面32との間の通路の断面を決定できるようになる。浮動プレート又は円筒形部品30のこれらの寸法修正により、邪魔板の形状を適応させ、かつ騒音の問題を解決できるようになる。従って接触片の高さ、及びこの部品の直径の変動により、マスタシリンダを非標準化せずに、顧客の要求に適した騒音/流量の妥協点が得られるようになる。
【0036】
図3A及び
図3Bは、好適にはプラスチック製の円筒形部品30の形状のプレートの例を示す。もう1つの好適な特徴は、円筒形部品30が、120度で配分された少なくとも3つの接触片31を持つことである。
【0037】
浮動プレート30は、プライマリ及び/又はセカンダリ回路内に置かれ得る。
【0038】
以上では、浮動プレート30のマスタシリンダのセカンダリ部分への応用において記載されたが、同じタイプのプレートは、マスタシリンダの主ピストン部分の供給回路に応用される。
【符号の説明】
【0039】
1 本体
2 プライマリピストン
3 セカンダリピストン
4 カップ
5 カップ
6 カップ
7 スプリング
8 スプリング
9 セカンダリ圧力室
10 プライマリ圧力室
11 ボア
12 穿孔
13 穿孔
14 溝
15 孔
16 プッシュロッド
17 プライマリピストンのキャビティ
18 カップ
19 前部キャビティ
20 リザーバ
21 密封スリーブ
22 ピストン
23 通路
24 キャビティ
25 カップ
26 カップ
27 底部
28 スプリング
29 本体
30 円筒形部品
31 接触片
32 下面
33 カップ
220 通路
221 ピストンのキャビティ
222 圧力室