(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連結部材は、前記アームの片面に密接する頭部及び前記アームの嵌合孔に回動自在に嵌合されると共に前記羽根の嵌合孔に嵌合されてカシメ処理が施される胴部を含み、
前記粘着部材は、前記アームの片面において前記頭部の周りに環状に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のフォーカルプレンシャッタ。
前記連結部材は、前記アームの片面に密接する頭部及び前記アームの嵌合孔に回動自在に嵌合されると共に前記羽根の嵌合孔に嵌合されてカシメ処理が施される胴部を含み、
前記粘着部材は、前記アームの片面において前記頭部を除く領域を覆う面状に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のフォーカルプレンシャッタ。
前記地板から離隔して配置され前記地板と協働して羽根室を画定すると共に開口部を有する裏板と、前記地板と前記裏板の間に配置されて前記羽根室を第1羽根室及び第2羽根室に二分すると共に開口部を有する中間板を含み、
前記羽根部材は、シャッタ動作時に、前記開口部を開放するべく前記第1羽根室及び第2羽根室の一方に配置された先羽根部材及び前記開口部を閉鎖するべく前記第1羽根室及び第2羽根室の他方に配置された後羽根部材を含み、
前記先羽根部材のアームに設けられた粘着部材及び前記後羽根部材のアームに設けられた粘着部材は、それぞれ、前記中間板と反対側の方向を向くように配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一つに記載のフォーカルプレンシャッタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、部品点数の削減、装置の薄型化及び小型化等を図りつつ、地板の開口部を開閉する羽根部材において発生した摩耗粉等の異物が飛散して撮像素子側に入り込むのを抑制ないし防止し、より高精細な画像を撮影することのできるフォーカルプレンシャッタ及びそれを用いたカメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフォーカルプレンシャッタは、開口部を有する地板と、開口部を開閉する羽根部材とを備え、羽根部材は、地板に回動自在に支持される複数のアームと、少なくとも一つの羽根と、複数のアーム及び羽根を回動自在に連結する複数の連結部材により形成される、フォーカルプレンシャッタであって、上記羽根部材は、アームに設けられた粘着部材を含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、羽根部材が(地板に対して)回動することにより、アームと羽根が連結部材の回りに相対的に回動して、羽根部材の羽根が開口部を開閉する。
ここで、アーム及び羽根の少なくとも一方と連結部材の間には相対的な移動(摺動)が生じるため、摩耗粉等が発生し得る状態にあり、発生した摩耗粉等は連結部材の近傍において(例えば、静電気等により)アームの表面等に付着する。そこで、アームの表面(片面又は両面)に粘着部材(例えば、アームの表面に貼付された両面粘着シート、アームの表面に薄膜状に塗布された粘着剤等)が設けられているため、発生した摩耗粉等の異物は、羽根部材の動作に伴って振り落とされて飛散する前に、粘着部材に吸着されて捕獲される。それ故に、羽根部材において発生した摩耗粉等が飛散してその背後に配置される撮像素子等に達して付着する摩耗粉等の異物を低減ないし防止することができる。
【0007】
上記構成において、粘着部材は、少なくとも連結部材の近傍に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、連結部材の近傍においてアームの表面(片面又は両面)に粘着部材(例えば、アームの表面に貼付された両面粘着シート、アームの表面に薄膜状に塗布された粘着剤等)が設けられているため、連結部材の近傍において発生した摩耗粉等の異物は、即座に粘着部材に吸着されて捕獲される。それ故に、発生した摩耗粉等が飛散してその背後に配置される撮像素子等に達して付着する摩耗粉等の異物を低減ないし防止することができる。
【0008】
上記構成において、アームは、駆動ピンを連結する連結孔を有し、粘着部材は、連結孔の近傍に(例えば環状に又は円弧状に)配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動ピンが連結孔に挿入された状態で相対的に摺動する際に、連結孔の近傍において発生した摩耗粉等の異物は、即座に粘着部材に吸着されて捕獲される。それ故に、発生した摩耗粉等が飛散してその背後に配置される撮像素子等に達して付着する摩耗粉等の異物を低減ないし防止することができる。
【0009】
上記構成において、連結部材は、アームの片面に密接する頭部及びアームの嵌合孔に回動自在に嵌合されると共に羽根の嵌合孔に嵌合されてカシメ処理が施される胴部を含み、粘着部材は、アームの片面において頭部の周りに環状に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、連結部材は、胴部をアームの嵌合孔及び羽根の嵌合孔に挿入した後にカシメ処理を施す(胴部の先端領域を潰す)ことにより、羽根に一体的に固定されると共に、頭部及び胴部がアームの(頭部が密接する)片面及び嵌合孔の内周面と相対的に摺動する状態に組み立てられる。
ここで、アームの片面において頭部の周りに環状(例えば、円環状又は楕円環状)の粘着部材が設けられているため、主として、頭部とアーム(の片面)との密接領域から発生する摩耗粉等は、頭部の周りにおいて(例えば、静電気等により)付着しつつアームの動作に伴う遠心力等の振落し作用により飛散する前に、近傍に設けられた環状の粘着部材により吸着されて捕獲される。
このように、頭部が位置するアームの片面にのみかつ頭部の周りに環状に粘着部材を設けることにより、部品点数を削減しつつ、又、軽量化を達成しつつ、発生した摩耗粉等を、効率よく捕獲してその飛散を防止することができる。
【0010】
上記構成において、アームの片面には、連結部材の頭部の周りにおいて環状のけがき線が設けられている、構成を採用することができる。
この構成によれば、アームの片面には、頭部の周りにおいて環状のけがき線が設けられているため、例えば、けがき線を目印としてその外側に(けがき線の上に貼付しないようにして)、粘着部材を頭部の周りの所定位置に高精度に貼付することができ、貼付作業を容易に行うことができる。
【0011】
上記構成において、連結部材は、アームの片面に密接する頭部及びアームの嵌合孔に回動自在に嵌合されると共に羽根の嵌合孔に嵌合されてカシメ処理が施される胴部を含み、粘着部材は、アームの片面において頭部を除く領域を覆う面状に配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、連結部材は、胴部をアームの嵌合孔及び羽根の嵌合孔に挿入した後にカシメ処理を施す(胴部の先端領域を潰す)ことにより、羽根に一体的に固定されると共に、頭部及び胴部がアームの(頭部が密接する)片面及び嵌合孔の内周面と相対的に摺動する状態に組み立てられる。
ここで、アームの片面において頭部を除く領域を覆う面状をなす(例えば、頭部を露出させる円孔を含み片面の略全域を覆うシート状をなす)粘着部材が設けられているため、主として、頭部とアーム(の片面)との密接領域から発生する摩耗粉等は、頭部の周りにおいて(例えば、静電気等により)付着しつつアームの動作に伴う遠心力等の振落し作用により飛散する前に、アームの片面を覆う面状に設けられた粘着部材により吸着されて捕獲される。
このように、アームの片面でかつ頭部を除いて面状に(略全域を覆うように)粘着部材を設けることにより、部品点数を削減しつつ、発生した摩耗粉等を、増加した粘着面積の分だけ効率よく捕獲してその飛散を防止することができる。
【0012】
上記構成において、粘着部材は、複数の連結部材のうちアームの最も自由端側寄りに位置する連結部材の近傍から自由端側の領域を除いて配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、アームの片面に面状に粘着部材を設けつつも、アームの先端側寄りに位置する連結部材の(頭部の)近傍から自由端側の領域を除いて(例えば、頭部の略中心から先端側に向けて、頭部の周りが半円凹状に除かれるように)配置されているため、仮にアームの先端側が作動時にバタツキを生じても、そのバタツキによる変形等で粘着部材が剥がれ落ちることはなく、所期の作動特性を確保することができる。
【0013】
上記構成において、粘着部材は、頭部の高さ寸法よりも低い厚さ寸法に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、粘着部材は、連結部材の頭部よりも突出しない厚さでアームの片面に設けられているため、粘着部材が地板等の固定部材に干渉して貼り付くのを防止することができ、羽根部材を円滑に移動させることができる。
【0014】
上記構成において、地板から離隔して配置され地板と協働して羽根室を画定すると共に開口部を有する裏板と、地板と裏板の間に配置されて羽根室を第1羽根室及び第2羽根室に二分すると共に開口部を有する中間板を含み、羽根部材は、シャッタ動作時に、開口部を開放するべく第1羽根室及び第2羽根室の一方に配置された先羽根部材及び開口部を閉鎖するべく第1羽根室及び第2羽根室の他方に配置された後羽根部材を含み、先羽根部材のアームに設けられた粘着部材及び後羽根部材のアームに設けられた粘着部材は、それぞれ、中間板と反対側の方向を向くように配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、先羽根部材が中間板の一方側の面に沿って開閉駆動され、後羽根部材が中間板の他方側の面に沿って開閉駆動され、シャッタ動作(露光動作)が行われる。
ここで、先羽根部材及び後羽根部材の連結部材の領域から発生する摩耗粉等の異物は、先羽根部材及び後羽根部材の動作に伴って振り落とされて飛散する前に、それぞれのアームに設けられた粘着部材に吸着されて捕獲され、又、先羽根部材のアームに設けられた粘着部材及び後羽根部材のアームに設けられた粘着部材は、それぞれ中間板と反対側の方向を向くように配置されているため、それぞれの粘着部材が中間板に干渉して貼り付くのを防止することができ、それ故に、先羽根部材及び後羽根部材を中間板に沿って円滑に移動させることができる。
【0015】
本発明のカメラは、上記の構成をなすいずれか一つのフォーカルプレンシャッタと、フォーカルプレンシャッタの後方に配置された撮像素子を含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、構造の簡素化、装置の薄型化及び小型化等を達成しつつ、羽根部材の連結部材の領域から発生した摩耗粉等の異物が飛散して撮像素子側に入り込むのを抑制ないし防止でき、それ故に、高精細な画像を撮影することができる。
【発明の効果】
【0016】
上記構成をなすフォーカルプレンシャッタによれば、構造の簡素化、装置の薄型化及び小型化等を達成しつつ、羽根部材の連結部材の領域から発生した摩耗粉等の異物が飛散して撮像素子側に入り込むのを抑制ないし防止でき、それ故に、より高精細な画像を撮影することのできるフォーカルプレンシャッタ及びカメラを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
この実施形態に係るフォーカルプレンシャッタは、
図1ないし
図3に示すように、露光用の開口部10a及び二つの長孔10b,10cを有する地板10、地板10と所定間隔をおいて配置されると共に露光用の開口部20a及び二つの長孔20b、20cを有する裏板20、地板10と裏板20の間に配置されると共に露光用の開口部30aを有する中間板30、地板10と中間板30の間の第1羽根室W1に移動自在に配置された羽根部材としての先羽根部材40、中間板30と裏板20の間の第2羽根室W2に移動自在に配置された羽根部材としての後羽根部材50、先羽根部材40及び後羽根部材50に設けられた粘着部材60、先羽根部材40を駆動するべく地板10の外側に移動自在に配置された駆動部材としての先羽根駆動部材70、後羽根部材50を駆動するべく地板10の外側に移動自在に配置された駆動部材としての後羽根駆動部材80、先羽根駆動部材70(の駆動ピン70a)及び後羽根駆動部材80(の駆動ピン80a)をそれぞれ当接させるべく長孔10b,10cの一端側に設けられた二つの緩衝部材90,90、先羽根部材40及び後羽根部材50(すなわち、先羽根駆動部材70及び後羽根駆動部材80)をシャッタ動作前(露光動作前)のセット位置にセットするセット部材(不図示)、セット部材を駆動する駆動機構(不図示)、先羽根駆動部材70及び後羽根駆動部材80をセット位置に吸着保持する二つの電磁石(不図示)等を備えている。
尚、上記構成をなすフォーカルプレンシャッタ、CCD等の撮像素子E(
図3を参照)、ハウジング(不図示)等により、カメラが構成されるようになっている。
【0019】
地板10は、
図1及び
図2に示すように、略矩形の平板状に形成されており、略矩形をなす露光用の開口部10a、円弧部分及び半円部分が連続する長孔10b及び長孔10c、先羽根部材40を回動自在に支持するべく内側(羽根室側)に立設された支軸10d,10e、後羽根部材50を回動自在に支持するべく内側(羽根室側)に立設された支軸10f,10g、先羽根駆動部材70を回動自在に支持するべく外側に立設された支軸10h、後羽根駆動部材80を回動自在に支持するべく外側に立設された支軸10i等を備えている。
【0020】
裏板20は、
図1ないし
図3に示すように、地板10と平行に所定間隔をおいて配置されて地板10に着脱自在に固定され、開口部10aに対応すると共に開口面積が若干大きい露光用の開口部20a、地板10の長孔10b,10cに対応する長孔20b,20c等を備えている。
そして、裏板20は、地板10と協働して羽根部材(先羽根部材40及び後羽根部材50)を収容する羽根室Wを画定するようになっている。
【0021】
中間板30は、
図1ないし
図3に示すように、開口部10aに対応すると共に開口面積が若干大きい露光用の開口部30aを備え、地板10及び裏板20の長孔10b,10c、20b、20cに対応する領域(駆動ピン70a,80aが移動する領域)から外れた領域において地板10と裏板20の間に介在するように配置されて、地板10と協働して先羽根部材40を収容する第1羽根室W1を画定しかつ裏板20と協働して後羽根部材50を収容する第2羽根室W2を画定し、すなわち、羽根室Wを第1羽根室W1と第2羽根室W2に二分すると共に先羽根部材40をその一方側の面にかつ後羽根部材50をその他方側の面に沿わせて移動自在に案内するように形成されている。
【0022】
先羽根部材40は、
図1、
図2、
図3、
図4に示すように、2つのアーム41,42、4枚の羽根43,44,45,46、2つのアーム41,42と4枚の羽根43,44,45,46を連結する連結部材としての8個のリベット47等により構成されている。
アーム41は、
図4、
図6、
図7に示すように、平板状に形成され、支軸10dが通されて回動自在に軸支される軸受孔41a、先羽根駆動部材70の駆動ピン70aが連結される連結孔41b、リベット47の胴部47b(の拡径胴部47b´)が嵌合される4つの嵌合孔41c、嵌合孔41cの周りに形成された(リベット47の頭部47aの外径よりも大きい径をなす)4つの円環状のけがき線41d等を備えている。
アーム42は、
図4、
図6、
図7に示すように、平板状に形成され、支軸10eが通されて回動自在に軸支される軸受孔42a、リベット47の胴部47b(の拡径胴部47b´)が嵌合される4つの嵌合孔42c、嵌合孔42cの周りに形成された(リベット47の頭部47aの外径よりも大きい径をなす)4つの円環状のけがき線42d等を備えている。
【0023】
4枚の羽根43(44,45,46)は、
図4、
図6、
図7に示すように、それぞれ、平板状に形成され、リベット47の胴部47b(の縮径胴部47b´´)が嵌合される2つの嵌合孔43a(44a,45a,46a)を備え、一方の嵌合孔43a(44a,45a,46a)に対してアーム41の嵌合孔41cに嵌合されたリベット47の胴部47b(の縮径胴部47b´´)が嵌合されてカシメ処理が施されて一体的に固定され、又、他方の嵌合孔43a(44a,45a,46a)に対してアーム42の嵌合孔42cに嵌合されたリベット47の胴部47b(の縮径胴部47b´´)が嵌合されてカシメ処理が施されて一体的に固定されるようになっている。
リベット47は、
図7に示すように、鍔状の頭部47a、頭部47aに連続して形成されると共にカシメ処理前において二段円柱状をなす胴部47bを備えている。
頭部47aは、
図7に示すように、アーム41,42の嵌合孔41c,42cよりも大きい外径D及び所定の高さHをなす円形の鍔状に形成されている。
胴部47bは、
図7に示すように、頭部47aよりも小さい外径をなすと共にアーム41,42の嵌合孔41c,42cに回動自在に嵌合される拡径胴部47b´、拡径胴部47b´よりも小さい外径をなすと共に羽根43,44,45,46の嵌合孔43a,44a,45a,46aに嵌合される縮径胴部47b´´(
図7中の二点鎖線で示す部分)を備えている。
【0024】
上記のように、先羽根部材40は、2つのアーム41,42と4枚の羽根43,44,45,46をリベット47で連結し、リベット47と羽根43,44,45,46とが一体的に固定された状態で、アーム41,42と羽根43,44,45,46が各々のリベット47回りに相対的に回動自在に組み付けられており、リベット47の頭部47aがアーム41,42の片面Sに対して摺動し、又、リベット47の拡径胴部47b´がアーム41,42の嵌合孔41c,42cに対して摺動するようになっている。
そして、アーム41が、
図1に示すように先羽根駆動部材70により図中の上方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより、4枚の羽根43,44,45,46が展開して開口部10a(20a,30a)を閉鎖し、一方、
図2に示すように先羽根駆動部材70により図中の下方に向けて(時計回りに)駆動されることにより、4枚の羽根43,44,45,46が重なり合って開口部10a(20a,30a)を開放するようになっている。
また、先羽根部材40は、
図3に示すように、中間板30の一方側の面に沿って開閉駆動されると共に、アーム41,42に設けられた粘着部材60は中間板30と反対側の方向(すなわち、地板10の内側の面)を向くように配置されているため、粘着部材60が中間板30に干渉して貼り付くのを防止することができ、それ故に、先羽根部材40を中間板30に沿って円滑に移動させることができる。
【0025】
後羽根部材50は、
図1、
図2、
図3、
図5に示すように、2つのアーム51,52、4枚の羽根53,54,55,56、2つのアーム51,52と4枚の羽根53,54,55,56を連結する連結部材としての8個のリベット57等により構成されている。
アーム51は、
図5、
図6、
図7に示すように、平板状に形成され、支軸10fが通されて回動自在に軸支される軸受孔51a、後羽根駆動部材80の駆動ピン80aが連結される連結孔51b、リベット57の胴部57b(の拡径胴部57b´)が嵌合される4つの嵌合孔51c、嵌合孔51cの周りに形成された(リベット57の頭部57aの外径よりも大きい径をなす)4つの円環状のけがき線51d等を備えている。
アーム52は、
図5、
図6、
図7に示すように、平板状に形成され、支軸10gが通されて回動自在に軸支される軸受孔52a、リベット57の胴部57b(の拡径胴部57b´)が嵌合される4つの嵌合孔52c、嵌合孔52cの周りに形成された(リベット57の頭部57aの外径よりも大きい径をなす)4つの円環状のけがき線52d等を備えている。
【0026】
4枚の羽根53(54,55,56)は、
図5、
図6、
図7に示すように、それぞれ、平板状に形成され、リベット57の胴部57b(の縮径胴部57b´´)が嵌合される2つの嵌合孔53a(54a,55a,56a)を備え、一方の嵌合孔53a(54a,55a,56a)に対してアーム51の嵌合孔51cに嵌合されたリベット57の胴部57b(の縮径胴部57b´´)が嵌合されてカシメ処理が施されて一体的に固定され、又、他方の嵌合孔53a(54a,55a,56a)に対してアーム52の嵌合孔52cに嵌合されたリベット57の胴部57b(の縮径胴部57b´´)が嵌合されてカシメ処理が施されて一体的に固定されるようになっている。
リベット57は、
図7に示すように、鍔状の頭部57a、頭部57aに連続して形成されると共にカシメ処理前において二段円柱状をなす胴部57bを備えている。
頭部57aは、
図7に示すように、アーム51,52の嵌合孔51c,52cよりも大きい外径D及び所定の高さHをなす円形の鍔状に形成されている。
胴部57bは、
図7に示すように、頭部57aよりも小さい外径をなすと共にアーム51,52の嵌合孔51c,52cに回動自在に嵌合される拡径胴部57b´、拡径胴部57b´よりも小さい外径をなすと共に羽根53,54,55,56の嵌合孔53a,54a,55a,56aに嵌合される縮径胴部57b´´(
図7中の二点鎖線で示す部分)を備えている。
【0027】
上記のように、後羽根部材50は、2つのアーム51,52と4枚の羽根53,54,55,56をリベット57で連結し、リベット57と羽根53,54,55,56とが一体的に固定された状態で、アーム51,52と羽根53,54,55,56が各々のリベット57回りに相対的に回動自在に組み付けられており、リベット57の頭部57aがアーム51,52の片面Sに対して摺動し、又、リベット57の拡径胴部57b´がアーム51,52の嵌合孔51c,52cに対して摺動するようになっている。
そして、アーム51が、
図1に示すように後羽根駆動部材80により図中の上方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより、4枚の羽根53,54,55,56が重なり合って開口部10a(20a,30a)を開放し、一方、
図2に示すように後羽根駆動部材80により図中の下方に向けて(時計回りに)駆動されることにより、4枚の羽根53,54,55,56が展開して開口部10a(20a,30a)を閉鎖するようになっている。
また、後羽根部材50は、
図3に示すように、中間板30の他方側の面に沿って開閉駆動されると共に、アーム51,52に設けられた粘着部材60は中間板30と反対側の方向(すなわち、裏板20の内側の面)を向くように配置されているため、粘着部材60が中間板30に干渉して貼り付くのを防止することができ、それ故に、後羽根部材50を中間板30に沿って円滑に移動させることができる。
【0028】
粘着部材60は、
図4、
図5、
図6、
図7に示すように、薄膜状の両面粘着シートにより円環状に形成され、アーム41,42,51,52のけがき線41d,42d,51d,52dよりも大きい内径をなすと共に、所望の面積を確保するべく所定外径をなすように形成されている。
ここで、粘着部材60を形成する両面粘着シートとしては、例えば、ポリエステルフィルム又は不織布を基材とし、その両面にアクリル系の粘着剤を塗布した三層構造のものを使用することができる。
また、粘着部材60の厚さ寸法は、
図7に示すように、アーム41,42,51,52の片面Sに貼付した状態で、リベット47,57の頭部47a,57aの高さ寸法Hよりも低い厚さ寸法hとなるように形成されている。
そして、粘着部材60は、予め、ライナー(平面紙)上において複数個円環状に型抜きして形成されたシート状のものをそれぞれ剥がして、先羽根部材40及び後羽根部材50のアーム41,42,51,52の片面Sに対して、リベット47,57の頭部47a,57aの周りのけがき線41d,42d,51d,52dを目印として、その外側に貼り付けられるようになっている。
【0029】
このように、先羽根部材40及び後羽根部材50のアーム41,42,51,52の片面Sにおいてリベット47,57の頭部47a,57aの周りに円環状の粘着部材60が設けられているため、主として、頭部47a,57aとアーム41,42,51,52(の片面S)との密接領域から発生する摩耗粉等は、頭部47a,57aの周りにおいて(例えば、静電気等により)付着しつつアーム41,42,51,52の動作に伴う遠心力等の振落し作用により飛散する前に、近傍に設けられた薄膜状の粘着部材60により吸着されて捕獲される。
ここでは、リベット47,57の頭部47a,57aが位置するアーム41,42,51,52の片面Sにのみ粘着部材60を設けることにより、部品点数を削減しつつ、発生した摩耗粉等を、効率よく捕獲してその飛散を防止することができる。
また、粘着部材60は、リベット47,57の頭部47a,57aよりも突出しない厚さhに設けられているため、粘着部材60が地板10等の固定部材に干渉して貼り付くのを防止することができ、先羽根部材40及び後羽根部材50を円滑に移動させることができる。
さらに、アーム41,42,51,52の片面Sには、リベット47,57の頭部47a,57aの周りにおいて円環状のけがき線41d,42d,51d,52dが設けられているため、けがき線41d,42d,51d,52dを目印としてその外側に(けがき線の上に貼付しないようにして)、粘着部材60を頭部47a,57aの周りの所定位置に高精度に貼付することができ、貼付作業を容易に行うことができる。
【0030】
先羽根駆動部材70は、
図1及び
図2に示すように、先羽根部材40のアーム41が連結される駆動ピン70a、シャッタ動作前(露光動作前)のセット位置にセットする際にセット部材が係合して反時計回りに回転力が及ぼされる係合部70b、電磁石により吸着される被吸着部(不図示)等を備えている。
そして、先羽根駆動部材70は、地板10の外側において支軸10hにより回動自在に支持されると共に付勢バネ(不図示)により時計回りに回転付勢され、駆動ピン70aが長孔10b,20bに移動自在に挿入されると共に先羽根部材40のアーム41に連結されており、休止状態で付勢バネにより時計回りに回転させられて先羽根部材40を開放位置に移動させると共に駆動ピン70aが緩衝部材90に当接し、一方、セット部材により反時計回りに回転させられて先羽根部材40を閉鎖位置に移動させ、レリーズ等の信号による露光動作時に電磁石の通電により被吸着部が吸着されてシャッタ動作前のセット位置に保持され、電磁石を非通電とすることにより磁力による吸着が解除されて、付勢バネの付勢力により時計回りに回転させられて先羽根部材40を開放位置に移動させるようになっている。
【0031】
後羽根駆動部材80は、
図1及び
図2に示すように、後羽根部材50のアーム51が連結される駆動ピン80a、シャッタ動作前(露光動作前)のセット位置にセットする際にセット部材が係合して反時計回りに回転力が及ぼされる係合部80b、電磁石により吸着される被吸着部(不図示)等を備えている。
そして、後羽根駆動部材80は、地板10の外側において支軸10iにより回動自在に支持されると共に付勢バネ(不図示)により時計回りに回転付勢され、駆動ピン80aが長孔10c,20cに移動自在に挿入されると共に後羽根部材50のアーム51に連結されており、休止状態で付勢バネにより時計回りに回転させられて後羽根部材50を閉鎖位置に移動させると共に駆動ピン80aが緩衝部材90に当接し、一方、セット部材により反時計回りに回転させられて後羽根部材50を開放位置に移動させ、レリーズ等の信号による露光動作時に電磁石の通電により被吸着部が吸着されてシャッタ動作前のセット位置に保持され、電磁石を非通電とすることにより磁力による吸着が解除されて、付勢バネの付勢力により時計回りに回転させられて後羽根部材50を閉鎖位置に移動させるようになっている。
【0032】
緩衝部材90,90は、弾性変形可能なゴム材料等により形成されており、
図1及び
図2に示すように、地板10の長孔10b,10cの一端側の半円部分に嵌め込まれて固定され、シャッタ動作完了時に、駆動ピン70a,80aを当接させて衝撃を緩和するようになっている。
【0033】
次に、このフォーカルプレンシャッタの動作について、
図1及び
図2を参照しつつ説明する。
先ず、シャッタ動作完了後(露光動作完了後)の休止状態においては、
図2に示すように、先羽根駆動部材70は時計回りに回転して、駆動ピン70aが緩衝部材90に当接して停止すると共に、先羽根部材40は重なり合って開口部10aを開放した位置に停止し、又、後羽根駆動部材80は時計回りに回転して、駆動ピン80aが緩衝部材90に当接して停止すると共に、後羽根部材50は展開して開口部10aを閉鎖した位置に停止している。
【0034】
ここで、レリーズ動作等により、シャッタ動作の準備指令が発せられると、セット部材によりセット動作が行われて、
図1に示すように、先羽根駆動部材70が反時計回りに回転してシャッタ動作前のセット位置(先羽根部材40が展開して開口部10aを閉鎖した状態)に位置付けられ、かつ、後羽根駆動部材80が反時計回りに回転してシャッタ動作前のセット位置(後羽根部材50が重なり合って開口部10aを開放した状態)に位置付けられ、続いて、電磁石が通電されるとそれぞれの被吸着部が吸着されて、先羽根駆動部材70及び後羽根駆動部材80が時計回りに回転付勢する付勢バネの付勢力に抗してセット位置に保持される。そして、セット部材が休止位置に戻されて、先羽根駆動部材70及び後羽根駆動部80の時計回りの回転を規制する状態が解除される。
【0035】
続いて、所望のタイミングで、一方の電磁石の通電が断たれると、
図1に示すように、先羽根駆動部材70が付勢バネの付勢力により時計回りに回転して、駆動ピン70aが長孔10b内を移動して緩衝部材90に当接すると共に、先羽根部材40が重なり合って開口部10aを開放した位置に停止する。
続いて、所望のタイミングで、他方の電磁石の通電が断たれると、
図1に示すように、後羽根駆動部材80が付勢バネの付勢力により時計回りに回転して、駆動ピン80aが長孔10c内を移動して緩衝部材90に当接すると共に、後羽根部材50が展開して開口部10aを閉鎖した位置に停止する。
以上により、先羽根部材40及び後羽根部材50による開口部10aの開閉動作が行われて、1回のシャッタ動作が完了する。
【0036】
上記シャッタ動作(開閉動作)に際して、アーム41,42,51,52とリベット47,57の間には相対的な移動(摺動)が生じて摩耗粉等が発生し、発生した摩耗粉等はリベット47,57の近傍において(例えば、静電気等により)アーム41,42,51,52の表面(片面S)等に付着するが、リベット47,57の近傍において薄膜状の粘着部材60が設けられているため、発生した摩耗粉等の異物は羽根部材(先羽根部材40及び後羽根部材50)の動作に伴って振り落とされて飛散する前に、粘着部材60に吸着されて捕獲される。それ故に、地板10及び裏板20により形成される羽根室W内から飛散してその背後に配置される撮像素子E等に達して付着する摩耗粉等の異物を低減ないし防止することができる。
【0037】
図8は、羽根部材に設けられる粘着部材の他の実施形態を示すものであり、先羽根部材40´及び後羽根部材50´の片面S上に外輪郭が楕円形状をなす粘着部材60´が貼付されたものであり、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。尚、後羽根部材50´は、先羽根部材40´と形状が若干異なるが、説明の便宜上同一の図面を用いて説明する。
この実施形態において、先羽根部材40´及び後羽根部材50´は、けがき線を備えていない点を除いて前述の実施形態と同一のものである。
【0038】
粘着部材60´は、
図8に示すように、薄膜状の両面粘着シートにより外輪郭が楕円形状に形成され、アーム41,42,51,52に取り付けられたリベット47,57の頭部47a,57aの外径Dよりも大きい内径をなす円孔を有し、前述の粘着部材60よりも広い面積をなすように形成されている。
ここで、粘着部材60´を形成する両面粘着シートとしては、前述同様に、例えば、ポリエステルフィルム又は不織布を基材とし、その両面にアクリル系の粘着剤を塗布した三層構造のものを使用することができる。
この実施形態によれば、粘着部材60´の面積を広くした分だけ摩耗粉等を捕獲する面積が増えるため、より確実に摩耗粉等を捕獲することができる。
上記実施形態においては、粘着部材の形状として、円環状の粘着部材60又は外輪郭が楕円形状の粘着部材60´を示したが、これに限定されるものではなく、連結部材(リベット47,57)の近傍に設けられるものであれば、円弧状の粘着部材、径の異なる複数の環状の粘着部材を同心円状に配置した形態、その他の形態を採用することができる。
【0039】
図9は、羽根部材に設けられる粘着部材のさらに他の実施形態を示すものであり、先羽根部材40´及び後羽根部材50´の片面S上において略矩形形状をなす粘着部材60´´が貼付されたものであり、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。尚、後羽根部材50´は、先羽根部材40´と形状が若干異なるが、説明の便宜上同一の図面を用いて説明する。
この実施形態において、先羽根部材40´及び後羽根部材50´は、けがき線を備えていない点を除いて前述の実施形態と同一のものである。
【0040】
粘着部材60´´は、
図9に示すように、薄膜状の両面粘着シートにより外輪郭が略矩形形状に形成され、アーム41,42,51,52に取り付けられたリベット47,57の頭部47a,57aの間に配置されるように形成されている。
ここで、粘着部材60´´を形成する両面粘着シートとしては、前述同様に、例えば、ポリエステルフィルム又は不織布を基材とし、その両面にアクリル系の粘着剤を塗布した三層構造のものを使用することができる。
この実施形態によれば、粘着部材60´´が、各々の頭部47a,57aの間にそれぞれ配置されているため、貼付面積を減らしつつも、確実に摩耗粉等を捕獲することができる。
上記実施形態においては、粘着部材の形状として、矩形形状の粘着部材60´´を示したが、これに限定されるものではなく、連結部材(リベット47,57)同士の間に配置されるものであれば、長楕円形状の粘着部材、その他の形態をなす粘着部材を採用することができる。
【0041】
図10及び
図11は、羽根部材に設けられる粘着部材のさらに他の実施形態を示すものであり、前述の
図9に示す粘着部材60´´に加えて、先羽根部材40´及び後羽根部材50´の片面S上でかつ連結孔41b,51bの周りに環状をなす粘着部材60´´が貼付されたものであり、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。尚、後羽根部材50´は、先羽根部材40´と形状が若干異なるが、説明の便宜上同一の図面を用いて説明する。
【0042】
粘着部材60´´´は、
図10及び
図11に示すように、薄膜状の両面粘着シートにより円環状に形成され、駆動ピン70a,80aが挿入される連結孔41b,51bの周りに配置されるように形成されている。
ここで、粘着部材60´´´を形成する両面粘着シートとしては、前述同様に、例えば、ポリエステルフィルム又は不織布を基材とし、その両面にアクリル系の粘着剤を塗布した三層構造のものを使用することができる。
【0043】
この実施形態によれば、駆動ピン70a,80aが連結孔41b,51bに挿入された状態で相対的に摺動する際に、連結孔41b,51bの近傍において発生した摩耗粉等の異物は、即座に粘着部材60´´´に吸着されて捕獲される。それ故に、発生した摩耗粉等が飛散してその背後に配置される撮像素子E等に達して付着する摩耗粉等の異物を低減ないし防止することができる。
上記実施形態においては、粘着部材の形状として、円環状の粘着部材60´´´を示したが、これに限定されるものではなく、連結孔41b,51bの近傍に配置されるものであれば、円弧状をなす粘着部材、その他の形態をなす粘着部材を採用することができる。
【0044】
図12ないし
図15は、羽根部材としての先羽根部材40´´を裏板20と中間板30の間に画定される第2羽根室W2に配置しかつ後羽根部材50´´を地板10と中間板30の間に画定される第1羽根室W1に配置した構成において、先羽根部材40´´及び後羽根部材50´´の片面S上を覆う面状をなす粘着部材160を貼付したさらに他の実施形態を示すものであり、その他の構成については前述の実施形態と同一であり、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
この実施形態において、先羽根部材40´´は、
図13及び
図15に示すように、2つのアーム41,42、4枚の羽根43,44,45,46、連結部材としての4つのリベット47、アーム41,42の片面Sにおいてリベット47の頭部47aを除く領域を面状に覆うように配置された粘着部材160を備えている。
また、後羽根部材50´´は、
図14及び
図15に示すように、2つのアーム51,52、4枚の羽根53,54,55,56、連結部材としての4つのリベット57、アーム51,52の片面Sにおいてリベット57の頭部57aを除く領域を面状に覆うように配置された粘着部材160を備えている。
【0046】
粘着部材160は、具体的には、
図13ないし
図15に示すように、アーム41,42,51,52の片面Sにおいて、頭部47a,57aの外径Dによも大きい円孔により頭部47a,57aを露出させ、アーム41,42,51,52の外縁部を所定幅にて僅かに露出させ、さらに、4つのリベット47,57のうちアーム41,42,51,52の最も自由端側寄りに位置するリベット47,57の近傍から自由端側の領域TAを露出させる(領域TAを除く)ように配置されている。
粘着部材160としては、前述同様に、両面粘着シート等を用いることができ、例えば、ポリエステルフィルム又は不織布を基材とし、その両面にアクリル系の粘着剤を塗布した三層構造のものを使用することができる。
【0047】
このように、粘着部材160が、頭部47a,57aを除く領域を覆う面状に配置されているため、主として、頭部47a,57aとアーム41,42,5,52(の片面S)との密接領域から発生する摩耗粉等は、頭部47a,57aの周りにおいて(例えば、静電気等により)付着しつつアーム41,42,51,52の動作に伴う遠心力等の振落し作用により飛散する前に、面状に設けられた薄膜状の粘着部材160により吸着されて捕獲される。
このように、アーム41,42,51,52の片面Sでかつ頭部47a,57aを除いて面状に(略全域を覆うように)粘着部材160を設けることにより、部品点数を削減しつつ、発生した摩耗粉等を、増加した粘着面積の分だけ効率よく捕獲してその飛散を防止することができる。
【0048】
また、ここでは、粘着部材160がアーム41,4,51,52の先端側寄りに位置するリベット47,57の(頭部47a,57aの)近傍から自由端側の領域TAを除いて(例えば、頭部47a,57aの略中心から先端側に向けて、頭部47a,57aの周りが半円凹状に除かれるように)配置されているため、仮にアーム41,42,51,52の先端側が作動時にバタツキを生じても、そのバタツキによる変形等で粘着部材160が剥がれ落ちることはなく、所期の作動特性を確保することができる。
【0049】
上記実施形態においては、粘着部材として、両面粘着シートを用いた粘着部材60,60´,60´´,60´´´,160を示したが、これに限定されるものではなく、先羽根部材40,40´,40´´のアーム41,42及び後羽根部材50,50´,50´´の51,52の表面に直接塗布される粘着剤を用いてもよい。
上記実施形態においては、粘着部材60,60´,60´´,60´´´,160をアーム41,42,51,52の片面Sにのみ貼付した場合を示したが、これに限定されるものではなく、羽根43,44,45,46,53,54,54,56との干渉がなければ他方の面に貼付する構成を採用してもよい。
【0050】
上記実施形態においては、羽根部材として、2つのアーム41,42,51,52及び4枚の羽根43,44,45,46,53,54,55,56を含む先羽根部材40,40´,40´´及び後羽根部材50,50´,50´´を示したが、これに限定されるものではなく、2つのアームに一枚の羽根、3枚の羽根、5枚以上の羽根が連結された構成をなす羽根部材を採用してもよい。
上記実施形態においては、連結部材として、リベット47,57を示したが、これに限定されるものではなく、羽根部材を構成するアームと羽根を相対的に回動自在に連結し得るものであれば、その他の形態をなす連結部材を採用することができる。
【0051】
上記実施形態においては、羽根部材として先羽根部材40,40´,40´´及び後羽根部材50,50´,50´´を備えた構成において、先羽根部材40,40´,40´´及び後羽根部材50,50´,50´´にそれぞれ粘着部材60,60´,60´´,60´´´,160を設けた場合を示したが、これに限定されるものではなく、中間板を廃止し、地板及び裏板の間に配置された一つの羽根部材が単に開口部を開放した状態から閉鎖した状態に移動することでシャッタ動作を行う構成において、一つの羽根部材に粘着部材を設ける構成を採用してもよく、又、裏板及び中間板を廃止して、地板に回動自在に取り付けられた一つの羽根部材が単に開口部を開放した状態から閉鎖した状態に移動することでシャッタ動作を行う構成において、一つの羽根部材に粘着部材を設ける構成を採用してもよい。
【0052】
上記実施形態においては、レンズ光学系、フォーカルプレンシャッタ、撮像素子等を含むカメラにおいて、地板10に駆動部材(先羽根駆動部材70、後羽根駆動部材80)が配置された側(ここでは表側)がレンズ光学系の光軸L方向における被写体側に向けられ、地板10と協働して羽根室Wを画定する裏板20がレンズ光学系の光軸L方向における撮像素子E側に向けられる構成を前提として、本発明の作用効果を説明したが、これに限定されるものではなく、逆に、裏板20側がレンズ光学系の光軸L方向におけるに被写体側に向けられる構成においても、同様の作用効果が得られるものであり、それ故に、このような配置において本発明を採用してもよい。