特許第5976160号(P5976160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976160
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】バスバモジュール及び電源装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20160809BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
   H01M2/20 Z
   H01M2/10 M
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-90792(P2015-90792)
(22)【出願日】2015年4月27日
(62)【分割の表示】特願2011-60605(P2011-60605)の分割
【原出願日】2011年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-133338(P2015-133338A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2015年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝則
(72)【発明者】
【氏名】向笠 博貴
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−180738(JP,A)
【文献】 特開2010−170884(JP,A)
【文献】 特開2001−052770(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/021614(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池が一方向に重ねられて構成された電池集合体の互いに隣り合う一つの電池の正の電極と当該電池集合体の当該互いに隣り合う他の電池の負の電極とに直列に接続される複数のバスバと、前記一方向に対して平行方向に設けられ前記複数のバスバに接続される複数本の電線と、前記複数のバスバ及び前記複数本の電線を収容する絶縁体枠と、を備えたバスバモジュールにおいて、
前記複数のバスバのそれぞれが、前記一つの電池の正の電極に接続されるバスバ孔及び前記他の電池の負の電極に接続されるバスバ孔が設けられた金属板と、前記金属板の縁部に連なり、前記電線と接続される電線接続部と、を一体に備え、かつ、
前記電線接続部には、前記電線が圧接される圧接刃が設けられ、
前記圧接刃が、前記電線が圧入されるスリットを有するとともに、当該スリットの貫通方向が前記一方向となるように形成され、
前記複数のバスバのそれぞれの前記電線接続部が、前記金属板から前記一方向と交差する同一の他方向に突出して設けられ、
前記複数のバスバのそれぞれにおける前記金属板から前記圧接刃までの距離が、前記電線の布線ラインに対応して異なる長さに設定されていることを特徴とするバスバモジュール。
【請求項2】
前記複数のバスバが、前記一方向に並べて配置され、
前記複数のバスバのそれぞれにおける前記金属板から前記圧接刃までの距離が、前記一方向の一端側から他端側に向かうにしたがって順次短くなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のバスバモジュール。
【請求項3】
複数の電池が一方向に重ねられて構成された電池集合体と、前記電池集合体に取り付けられ当該電池集合体の複数の電池を直列に接続するバスバモジュールと、を備えた電源装置において、
前記バスバモジュールとして、請求項1又は2に記載のバスバモジュールを備えている
ことを特徴とする電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車などに用いられる電源装置の複数の電池を直列に接続するバスバを備えたバスバモジュール、及び当該バスバモジュールを備えた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータを用いて走行する電気自動車や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車などには、前記電動モータの駆動源としての電源装置が搭載されている。
【0003】
電源装置は、一端に正の電極と他端に負の電極とが設けられた複数の電池から構成される電池集合体を備え、所望の電圧を得るために前記複数の電池は直列に接続されている。これら複数の電池は、正の電極と負の電極とが互いに隣り合う状態で、一方向に沿って並べられている。
【0004】
前述した電源装置は、電池集合体の互いに隣り合う各電池の正の電極と負の電極とを接続部材によって接続して、前記電池集合体の複数の電池を直列に接続するバスバモジュールを備えている(例えば、特許文献1参照。)。前述した特許文献1に記載のバスバモジュールは、絶縁性の合成樹脂で構成された絶縁体枠と、互いに隣り合う電池の電力同士を接続するバスバと、前記バスバの電力を電動モータ等に供給する電線と、を備えている。
【0005】
バスバは、前記電池集合体上に重ねられた前記絶縁体枠内に取り付けられ、互いに隣り合う電池の電極同士を電気的に接続するバスバ孔と、前記電線に電気的に接続される電線接続部と、を備えている。電線は、前記絶縁体枠の長手方向に沿って当該絶縁体枠内に配索され、前記バスバと1対1で対応して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−170884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記した特許文献1に示された電源装置は、バスバの電線接続部に電気的に接続された電線が、隣り合う電池の電極同士を電気的に接続する複数のバスバ孔同士を結ぶ線上に対して直交する方向に接続されているため、絶縁体枠の長手方向に沿って配索された前記電線を略90度屈曲させるスペースが必要であった。このため、絶縁体枠の幅方向にバスバモジュールが大型化するという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、配索された電線を屈曲させずに電気的に接続するバスバを備え前記電線が配索される絶縁体枠が小型化されたバスバモジュール、および、当該バスバモジュールを備えた電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載された発明は、複数の電池が一方向に重ねられて構成された電池集合体の互いに隣り合う一つの電池の正の電極と当該電池集合体の当該互いに隣り合う他の電池の負の電極とに直列に接続される複数のバスバと、前記一方向に対して平行方向に設けられ前記複数のバスバに接続される複数本の電線と、前記複数のバスバ及び前記複数本の電線を収容する絶縁体枠と、を備えたバスバモジュールにおいて、前記複数のバスバのそれぞれが、前記一つの電池の正の電極に接続されるバスバ孔及び前記他の電池の負の電極に接続されるバスバ孔が設けられた金属板と、前記金属板の縁部に連なり、前記電線と接続される電線接続部と、を一体に備え、かつ、前記電線接続部には、前記電線が圧接される圧接刃が設けられ、前記圧接刃が、前記電線が圧入されるスリットを有するとともに、当該スリットの貫通方向が前記一方向となるように形成され、前記複数のバスバのそれぞれの前記電線接続部が、前記金属板から前記一方向と交差する同一の他方向に突出して設けられ、前記複数のバスバのそれぞれにおける前記金属板から前記圧接刃までの距離が、前記電線の布線ラインに対応して異なる長さに設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載された発明は、複数の電池が一方向に重ねられて構成された電池集合体と、前記電池集合体に取り付けられ当該電池集合体の複数の電池を直列に接続するバスバモジュールと、を備えた電源装置において、前記バスバモジュールとして、請求項1又は2に記載のバスバモジュールを備えていることを特徴とする電源装置である。
【発明の効果】
【0011】
バスバは、複数の電池が一方向に重ねられた方向に対して平行方向に一対の圧接刃が設けられているため、前記一方向に対して平行に配索される電線を略90度屈曲させることなく、平行を保った状態で電線とバスバとが接続できる。
【0012】
また、バスバは、電線接続部がバスバの長手方向の一端側に設けられているため、前記バスバが隣り合う電池の電極間で変形した場合であっても、その変形が電線接続部には及ばないため、当該電線接続部と電線との接続を確実に安定して維持できる。
【0013】
また、バスバモジュールは、従来のように電線を略90度屈曲させるスペースを設けなくて良いため、バスバモジュールを小型化することができる。
【0014】
また、バスバモジュールは、バスバの電線接続部の変形が防止されるため、電線と前記電線接続部との電気的な接続を確実に安定して維持することができる。
【0015】
また、電源装置は、前述したバスバモジュールを備えているため、バスバモジュールが小型化される上に、バスバと電線とを確実に安定して接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一の実施形態にかかる電源装置の分解斜視図である。
図2図1に示す電源装置のバスバモジュールの平面図である。
図3図2に示すバスバモジュールのバスバの斜視図である。
図4図3に示すバスバの構成を示す分解斜視図である。
図5】自動布線機の一例を示す側面図である。
図6図5に示す自動布線機の部分拡大斜視図である。
図7図3に示すバスバが隣接する電池の電極に固定された状態を示す図である。
図8】本発明の第二の実施形態にかかる電源装置のバスバを示す斜視図である。
図9図8に示すバスバが隣接する電池の電極に固定された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図1図9を参照して説明する。
【0018】
本発明の第一の実施形態にかかる電源装置1は、図1に示すように、電池集合体2と、前記電池集合体2の上面に取り付けられるバスバモジュール3と、を備えている。電池集合体2は、複数の電池5と、これらの複数の電池5を一方向Xに互いに重ねて固定する固定部材6と、を備えている。
【0019】
複数の電池5は、図1に示すように、それぞれ、長方体状に形成された電池本体と、正の電極(以下、正極と記す)8と、負の電極(以下、負極と記す)9と、を備えている。正極8は、電池本体の上面の一端に設けられている。負極9は、電池本体の上面の他端に設けられている。正極8と負極9とは、導電性の金属で構成され、かつ、ナット81が螺合される円柱状に形成されている。正極8と負極9とは、電池本体の上面に互いに間隔を空けて平行に設けられている。
【0020】
複数の電池5は、図1に示すように、前記正極8と負極9とが設けられた上面が互いに略同一平面上に位置する状態で、互いに隣り合う電池5同士の前記正極8と前記負極9とが互いに隣り合うように、一方向Xに沿って並べられている。即ち、複数の電池5は、正極8と負極9とが交互に逆向きとなる状態で重ねられている。なお、以下、本明細書では、前述した方向Xは複数の電池5同士が重ねられた方向と記し、前記上面に平行で且つ重ねられた方向Xに対して直交する方向を幅方向Zと記し、前記重ねられた方向Xと幅方向Zとの双方に対して直交する方向を高さ方向Yと記す。なお、本実施形態では、電池5は、28個設けられている。
【0021】
固定部材6は、図1に示すように、一対のエンドプレート12と、拘束バンド11と、を備えている。一対のエンドプレート12は、それぞれ、絶縁性の材料からなり且つ長方体状に形成されている。一対のエンドプレート12は、互いの間に前述した複数の電池5を挟む格好で、電池集合体2の複数の電池5同士の重ねられた方向Xの両端部のそれぞれに配されている。
【0022】
拘束バンド11は、図1に示すように、絶縁性の材料からなり且つ帯板状に形成されている。拘束バンド11は、複数(図示例では2つ)設けられており、電池集合体2の複数の電池5の上面に配されている。複数の拘束バンド11は、複数の電池5同士の重ねられた方向Xと平行に配されると共に、複数の電池5同士の重ねられた方向Xと直交する方向に互いに間隔を空けて設けられている。
【0023】
前述した構成の固定部材6は、図1に示すように、一対のエンドプレート12の間に前述した複数の電池5を挟み、複数の拘束バンド11の各々の長手方向の両端部がそれぞれナット等で各エンドプレート12と固定され、複数の電池5を束ねて一体化して保持する。
【0024】
バスバモジュール3は、図1に示すように、絶縁体枠としてのバスバプレート20と、前記バスバプレート20に収容される複数のバスバ30と、前記バスバプレート20に収容され前記複数のバスバ30の各々に接続される電線51と、を備えている。
【0025】
バスバプレート20は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。バスバプレート20は、図1に示すように、前述した重ねられた方向Xに沿って直線状に延在しており、電池集合体2の上面に設けられている。バスバプレート20は、図1および図2に示すように、バスバ収容部21と、電線収容部22と、電線接続部収容部23と、を備えている。
【0026】
バスバ収容部21は、図1に示すように、前記重ねられた方向Xに沿って並べられ且つ枠状に形成されている。バスバ収容部21は、前記バスバ30が嵌め込まれる形状に形成されている。バスバ収容部21は、前記重ねられた方向Xに沿って並べられるバスバ30と同数の28個設けられているバスバ収容部21は、その内側の平面形状が、バスバ30の平面形状と略等しい矩形状に形成されている。バスバ収容部21は、それぞれ、バスバ30を一つ収容する。バスバ収容部21には、それぞれ、バスバ30の電線接続部35を収容する電線接続部収容部23が連設されている。
【0027】
電線収容部22は、図1に示すように、前記電池集合体2の幅方向の両端側で且つ前記バスバ収容部に沿って前記重ねられた方向Xに沿って直線状に設けられている。電線収容部22は、図2に示すように、前記各々のバスバ収容部21に連設され前記各々のバスバ30に接続された複数本の電線51が挿通される樋形状に形成されている。
【0028】
電線接続部収容部23は、図2に示すように、前記各々のバスバ収容部21と前記電線収容部22とに連設して設けられている。電線接続部収容部23は、前記バスバ30の電線接続部35が収容される幅にスリット状に形成されている。
【0029】
電線51は、導電性の芯線と、絶縁性の被覆部とを備え、断面円形状に形成された所謂被覆電線とされている。芯線は、複数本の導線が撚られて形成されている。導線は、銅や銅合金等の導電性の金属からなる。被覆部は、ポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂などからなり、前記芯線の外周面に設けられ当該芯線を被覆している。このため、電線の外表面は、前記被覆部の外表面となっている。なお、芯線は、一本の導線から構成されても良い。複数の電線51は、図示しない電圧検出回路に接続されている。電線51は、前記自動車のモータに接続されて、当該モータに走行用の電力を供給する。
【0030】
バスバ30は、図3に示すように、前記電線51が接続される電線接続部35が設けられ略矩形の薄板状に形成された第一金属板31と、前記第一金属板31に積層され略矩形の薄板状に形成された第二金属板32と、を備えている。バスバ30は、導電性の金属にプレス加工が施されるなどして得られるものであり、本実施形態では、全部で28個設けられている。バスバ30は、図1に示すように、前記電池集合体2の上面の幅方向Zの両端側に14個ずつ前記重ねられた方向Xに沿って直線状に並べられている。
【0031】
第一金属板31には、図4に示すように、前記第一金属板31の長手方向に間隔を空けて開孔され一方が前記正極8に取り付けられ他方が前記負極9に取り付けられる二つのバスバ孔34と、前記電線51が接続される電線接続部35と、が設けられている。バスバ孔34は、ナット81が螺合され円柱状に形成された前記正極8と前記負極9とが挿通される大きさの円形とされている。
【0032】
電線接続部35は、図4に示すように、前記第一金属板31の前記電池集合体2の前記幅方向Zの外側よりの縁で且つ当該外側よりの縁の長手方向の中央部から、前記幅方向Zに平行に延設されている。電線接続部35は、図4に示すように、前記第一金属板31から延設された延長片36と、前記延長片36の先端部の両縁からY方向に立設され前記電線51に圧接する一対の圧接刃37と、を備えている。
【0033】
電線接続部35は、図2に示すように、電線収容部22に配索される電線51の布線ラインに応じて、幅方向Zに延長量が増加あるいは減少して形成されている。なお、延長量を一定とし、電線51の布線ラインに対応した位置に圧接刃37を設けるようにしても良い。
【0034】
一対の圧接刃37は、図4に示すように、Y字形状に形成され、先端部が前記電線51の被覆を切り裂く尖鋭部と、前記電線51の被覆を突き破って芯線に電気的に接続するスリット39と、を備えている。一対の圧接刃37は、前記バスバ孔34同士を結ぶ線上に平行する方向に並設されていると共に、圧接刃37の厚さ方向が前記線上に平行する方向に形成されている。このため、一対の圧接刃37は、前記重ねられた方向Xに対して平行に電線51が圧入されて圧接接続される。
【0035】
第二金属板32には、図4に示すように、前記第二金属板32の長手方向に間隔を空けて開孔され一方が前記正極8に取り付けられ他方が前記負極9に取り付けられる二つのバスバ孔41が設けられている。バスバ孔41は、前記第二金属板32と前記第一金属板31とが積層された際に、当該第一金属板31に設けられたバスバ孔34に連通すると共に、前記正極8と前記負極9とに取り付けられる位置に設けられている。バスバ孔41は、前記第一金属板31のバスバ孔34よりも大径に形成されている。
【0036】
以下、前述した構成の電源装置1の組立方法について説明する。まず、予め、バスバモジュール3のバスバプレート20、バスバ30、電線51などを別々に製造しておき、各バスバプレート20のバスバ収容部21内に各バスバ30を嵌め込む。このとき、バスバ30の電線接続部35を電線接続部収容部23内に収容させる。なお、前記各バスバ30は、バスバプレート20にインサート成形することによって各バスバ収容部21内に配置しても良い。
【0037】
次いで、例えば、図5に示す自動布線機61を用いて、電線51の端部を前記電線接続部35に接続すると共に、電線51を前記電線収容部22内に配索する。なお、作業員の手作業によって電線51の端部を前記電線接続部35に接続し、前記電線51を前記電線収容部22内に配索しても良い。
【0038】
自動布線機61は、固定フレーム62と、前記固定フレーム62上に設けられ前後方向(重ねられた方向X)と左右方向(幅方向Z)とに移動する可動ステージ63と、前記可動ステージ63上に設けられ前記バスバプレート20が載置される布線板と、前記固定フレーム62の上方に設けられた上部フレーム64と、前記上部フレーム64の下面に設けられた布線ヘッド65と、を備えている。自動布線機61は、前記可動ステージ63や布線ヘッド65等が図示しないマイクロコンピュータによって制御されている。
【0039】
布線ヘッド65は、図5に示すように、前記上部フレーム64に設けられ電線51を引き込む電線引込管68と、前記布線ヘッド65のハウジング66の下端に設けられ前記電線51を供給する電線供給管69と、前記ハウジング66の側面に設けられ前記電線51をバスバ30の電線接続部35に圧入させる圧接クリンパ67と、が設けられている。
【0040】
圧接クリンパ67は、図5および図6に示すように、昇降可能に形成され、電線51を圧入する逆V字形状の一対の圧接クリンパ67が2つ前記重ねられた方向Xに平行に設けられている。
【0041】
上述のように構成された自動布線機61の可動ステージ63上に設けられた布線板に、前記バスバ30がバスバ収容部22に収容されたバスバプレート20を載置して固定する。次いで、布線ヘッド65の圧接クリンパ67をバスバプレート20の電線収容部22の前記重ねられた方向Xの一端に合わせ、前記電線供給管69から供給された電線51を前記一端から前記電線収容部22内に沿って導入させる。
【0042】
次いで、可動ステージ63を、前記重ねられた方向Xの前記電線収容部22の他端側に向かって、バスバ30の電線接続部35の位置にまで移動させる。次いで、圧接クリンパ67を下降させ、前記電線接続部35の圧接刃37上に配索された電線51を当該圧接刃37に圧入する。このとき、電線51の被覆部が引き裂かれ、芯線が圧接刃37の切込部に圧接接続する。次いで、他のバスバ30の電線接続部35についても同様の操作を繰り返して、電線51を連続して圧入する。
【0043】
こうして組み立てられたバスバプレート20を、電池集合体2の上面の幅方向Zの両端部に重ねると共に、バスバ30のバスバ孔34,41内に互いに隣り合う電池5の一方の電池5の正極8と他方の電池の負極9とを挿通し、図7に示すように、前記正極8と前記負極9にナット81をねじ込む。こうして、各バスバ30を電池集合体2に固定することで、バスバモジュール3を電池集合体2に取り付ける。
【0044】
前述のように、バスバ30および電線51が取り付けられたバスバプレート20、即ちバスバモジュール3の全体が電池集合体2に重ねられて当該電池集合体2に取り付けられることで、電源装置1が組み立てられる。
【0045】
本実施形態によれば、バスバ30の電線接続部35には、正極8に接続されるバスバ孔34,41と負極9に接続されるバスバ孔34,41とを結ぶ線上に対して平行(重ねられた方向X)に電線51が圧入され当該電線51の被覆部が突き破られて前記芯線に圧接される圧接刃37が設けられているため、電線51を略90度屈曲させるスペースを電線収容部22に設けなくて良い。このため、バスバモジュール3を小型化することができる。このため、小型化された電源装置1を提供することができる。
【0046】
(第二の実施形態)
次に、本発明にかかる電源装置1の第二の実施形態について、図8および図9を参照して説明する。なお、前述した実施形態と同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
電源装置1のバスバモジュール3に収容されたバスバ30Aは、図8に示すように、電線接続部35Aが設けられた第一金属板31Aと、第二金属板32とが積層されて形成されている。
【0048】
電線接続部35Aは、前記第一金属板31Aの前記電池集合体2の前記幅方向Zの外側よりの縁で且つ当該外側よりの縁の長手方向の一端側から、前記幅方向Zに平行に延設されている。
【0049】
電線接続部35Aは、図8に示すように、前記第一金属板31Aから延設された延長片36と、前記延長片36の先端部の両縁からY方向に立設され前記電線51に圧接する一対の圧接刃37と、前記圧接刃37によって被覆部が切り裂かれた電線51の芯線を圧接接続するスリット39と、を備えている。
【0050】
本実施形態によれば、バスバ30Aの長手方向の一端側に電線接続部35Aが設けられているため、図9に示すように、隣り合う電池5同士の高さ方向Yの公差hによってバスバ30Aが変形した場合であっても、当該変形の影響を前記電線接続部35Aが受けないため、当該電線接続部35と電線51との接続信頼性が向上する。このため、バスバ30と電線51との接続が確実となり安定した接続状態を得られる電源装置1を提供することができる。
【0051】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 電源装置
2 電池集合体
3 バスバモジュール
5 電池
8 正極(正の電極)
9 負極(負の電極)
20 絶縁体枠
30 バスバ
34,41 バスバ孔
35 電線接続部
37 圧接刃
X 一方向
h 公差
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9