特許第5976206号(P5976206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イーライ リリー アンド カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000137
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000138
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000139
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000140
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000141
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000142
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000143
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000144
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000145
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000146
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000147
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000148
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000149
  • 特許5976206-神経機能障害を検出するための造影剤 図000150
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976206
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】神経機能障害を検出するための造影剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20160809BHJP
   A61K 51/00 20060101ALI20160809BHJP
   C07B 59/00 20060101ALN20160809BHJP
【FI】
   C07D471/04 103S
   C07D471/04CSP
   A61K49/02 C
   !C07B59/00
【請求項の数】5
【全頁数】106
(21)【出願番号】特願2015-513993(P2015-513993)
(86)(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公表番号】特表2015-517572(P2015-517572A)
(43)【公表日】2015年6月22日
(86)【国際出願番号】US2012061912
(87)【国際公開番号】WO2013176698
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2014年12月12日
(31)【優先権主張番号】13/477,095
(32)【優先日】2012年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138900
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】アンナ・カトリン・シャルデニングス
(72)【発明者】
【氏名】ハルトムート・ツェー・コルプ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・シー・ウォルシュ
(72)【発明者】
【氏名】ガン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ウメッシュ・ビー・ガンガーダルマト
(72)【発明者】
【氏名】ダナラクシュミ・カシ
(72)【発明者】
【氏名】リウ・チャンホイ
(72)【発明者】
【氏名】アンジャナ・シンハ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ワン
(72)【発明者】
【氏名】チュル・ユー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ツァン
(72)【発明者】
【氏名】カイ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァニ・ピー・モチャルラ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ジェイ・エイチ・スコット
【審査官】 小川 由美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−512354(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/073719(WO,A1)
【文献】 特表2011−529086(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/132454(WO,A1)
【文献】 実験化学講座13 有機化合物の合成I−炭化水素・ハロゲン化物−,2004年,第5版,p.347-348
【文献】 BLOM ELISABETH,SYNTHESIS AND IN VITRO EVALUATION OF 18F-β- CARBOLINE ALKALOIDS AS PET LIGANDS,JOURNAL OF LABELLED COMPOUNDS AND RADIOPHARMACEUTICALS,英国,JOHN WILEY,2008年 5月 1日,V51 N6,P277-282
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D,A61K
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
7−(3−フルオロプロポキシ)−5H−ピリド[4,3−b]インドール;
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−5H−ピリド[4,3−b]インドール;
7−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)−5H−ピリド[4,3−b]インドール;
7−((2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)メチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール;
7−(3−フルオロプロピル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール;
7−(2−フルオロエチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール;および
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドー
らなる群から選択される化合物またはその製薬上許容される塩であって、
フルオロが、所望により放射性核種で置換されている、化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項2】
フルオロが18Fである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
7−(2−ニトロエチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール;および
7−(3−ニトロプロピル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール
からなる群から選択される化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項4】
哺乳動物においてアルツハイマー病またはその素因を診断するための医薬組成物であって、a)前記哺乳動物に診断上有効量の請求項2記載の放射性標識化合物を投与すること;b)前記化合物を脳組織に分布させること;およびc)前記脳組織を画像化することを特徴とする、組成物。
【請求項5】
哺乳動物におけるアルツハイマー病またはその素因を診断するための診断薬の製造における請求項1〜3のいずれか記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2012年5月22日出願の米国特許出願第13/477,095号(「‘095号出願」)に対する優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に援用される。この‘095号出願は、2011年5月24日出願の米国特許仮出願第61/489,284号に対する優先権を主張し;その全内容は参照により本明細書に援用される。この‘095号出願は、2009年2月17日出願の米国特許出願第12/372,717号の一部継続出願であり;その全内容は参照により本明細書に援用される。米国特許出願第12/372,717号は、2008年2月14日出願の米国特許仮出願第60/066,101号に対する優先権を主張し、これも参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)は、認知症の主要原因であり、65歳〜69歳の間の人口の1パーセントが発症し、95歳以上ではそれは40〜50%に増加する。AD患者は認知障害および記憶機能の欠陥を含む、自ずと現れる臨床症状を示す。これらの患者において、死後の病理組織学的検査により検証される、大脳皮質に見出される重度の老人斑の生体内総量がADの存在を裏付ける。成熟した老人斑は、過剰リン酸化タウタンパク質のフィラメントに由来する細胞内神経原線維変化(NFT)、およびアミロイド前駆体タンパク質の酵素プロセシングに由来する細胞外β−アミロイドペプチドからなる。興味深いことに、正常な認知機能をもつ高齢者において、老人斑の発生および存在にかかわらず、NFTおよび老人斑沈着の重症度は、認知機能の喪失および神経回路の劣化と相関するといわれている。
【0003】
ADの神経学的画像化には、プラークおよび原線維に媒介されるトレーサー取り込みに基づいてADの存在を確認すると思われるイメージングトレーサーの出現が見られ、その後これは目下広範な臨床検査を受けている。これらのトレーサーの多くは蛍光染料に由来する化学型を含む(表1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Hardy,J.およびD.Selkoe著、「アルツハイマー病のアミロイド仮説:治療学への道の進行および問題(The Amyloid Hypothesis of Alzheimer’s Disease :Progress and Problems on the Road to Therapeutics)」サイエンス誌、2002年、第297巻:353−356頁
【非特許文献2】Talaga,P.著、「βアミロイド凝集の阻害:まだ構造および機能の問題か?(Inhibitors of beta−amyloid aggregation:still an issue of structure and function?)」、ドラッグ・ディスカバリー・トゥデイ:セラピューティック・ストラテジーズ(Drug Discovery Today:Therapeutic Strategies)、2004年、第1巻:7〜12頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の多数のAD造影剤は、ADの確立された徴候を確認できるにすぎず、この後期の診断は36カ月を過ぎたさらなる疾患の進行に対する防御をほとんど提供しない。第2に、老人斑および濃縮体の検出は、初期のADの発症に相関しない可能性がある。近年のデータは、アミロイドカスケードモデル[非特許文献1]が、AD患者における認知機能低下につながる主要因を正確に表していないこと、およびその他の要因、例えば神経毒性可溶性オリゴマーおよび凝集体などが神経変性に寄与する役割を果たしている可能性があることを示唆する。[非特許文献2]。これまで、FDDNPおよびPIBは、神経毒性可溶性オリゴマーおよび凝集体と結合することが知られておらず、したがって患者における初期のADと進行期のADを正確に区別すると思われていない。
【0006】
PETおよびSPECTを含むいくつかの医用診断法は放射性標識化合物を利用する。PETおよびSPECTは非常に高感度の技術であり、トレーサーと呼ばれる少量の放射性標識化合物を必要とする。標識された化合物は、対応する非放射性化合物とまさに同じ方法で生体内で運搬され、蓄積され、変換される。トレーサー、またはプローブは、PETイメージングに有用な放射性核種、例えば11C、13N、15O、18F、64Cuおよび124Iなどで、またはSPECTイメージングに有用な放射性核種、例えば99Tc、77Br、61Cu、153Gd、123I、125I、131Iおよび32Pなどで放射標識され得る。
【0007】
PETは、患者の組織における陽電子放出同位体を有する分子イメージングトレーサーの分布に基づいて画像を作成する。PET法は、調査される組織または器官において細胞レベルでの機能不全を検出する可能性を有する。PETは、これまでに臨床腫瘍学で例えば腫瘍および転移の画像化のために使用されており、また特定の脳疾患の診断のため、ならびに脳および心臓機能のマッピングに使用されてきた。同様に、SPECTは、忠実な3次元表現が有用であり得るガンマ線イメージング調査、例えば、腫瘍、感染(白血球)、甲状腺または骨の画像化を補完するために使用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、式7の放射性標識化合物:
【化1】
ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体が提供され、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
Pは、NまたはCRであり;かつ
Qは、NまたはCRであり;
Xは、結合であるかまたはC1−14アルキルであり、ここで、少なくとも1つの炭素は、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキルで置換され、かつ、C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、C1−6アルキルで置換され;
は、H、保護基、脱離基、アジド、アルキン、OH、ハロ、NH、N(C1−8アルキル)、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、SO、NH、またはC1−6アルキルで置換され、前記C1−6アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、またはC3−8シクロアルキルで置換され、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロで置換され、かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりO、OH、S、SH、NH、N−C1−8アルキルで置換され;
〜Rは、独立に、H、OH、ハロ、NH、CH、SO、NO、脱離基、保護基、アリール、ヘテロアリール、NHR12、N(R123−8シクロアルキル、(−CH1−12−R12であり、ここで、R12は、CH、アリール、Hまたはヘテロアリールであり、
(−CH1−12−R12、C3−8シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、かつ
(−CH1−12−R12の少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、SまたはNH、N−C1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、脱離基、保護基で置換され、
少なくとも1つのハロは、所望により放射性核種または蛍光タグで置換されている。
【0009】
もう一つの実施形態では、本発明は、式7aの化合物:
【化2】
ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体であり、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
Xは、結合であるかまたはC1−14アルキルであり、少なくとも1つの炭素は、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキルで置換され、かつ、C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、C1−6アルキルで置換され;
は、H、保護基、脱離基、アジド、アルキン、OH、ハロ、NH、N(C1−8アルキル)、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、SO、NH、またはC1−6アルキルまたはC1−6アルキルで置換され、前記C1−6アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、またはC3−8シクロアルキルで置換され、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロで置換され、かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりO、OH、S、SH、NH、N−C1−8アルキルで置換され;
、R、RおよびRは、独立に、H、OH、ハロ、NH、CH、SO、NO、脱離基、保護基、アリール、ヘテロアリール、NHR12、N(R123−8シクロアルキル、(−CH1−12−R12であり、ここで、R12は、CH、アリール、Hまたはヘテロアリールであり、
(−CH1−12−R12、C3−8シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、かつ
(−CH1−12−R12の少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、SまたはNH、N−C1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、脱離基、保護基で置換され、
少なくとも1つのハロは、所望により放射性核種または蛍光タグで置換されている。
【0010】
もう一つの実施形態では、本発明は、式8の化合物:
【化3】
ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体であり、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
Xは、結合であるかまたはC1−14アルキルであり、ここで、少なくとも1つの炭素は、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキルで置換され、かつ、C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、C1−6アルキルで置換され;
は、H、保護基、脱離基、アジド、アルキン、OH、ハロ、NH、N(C1−8アルキル)、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、SO、NH、またはC1−6アルキルまたはC1−6アルキルで置換され、前記C1−6アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、またはC3−8シクロアルキルで置換され、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロで置換され、かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりO、OH、S、SH、NH、N−C1−8アルキルで置換され;
は、結合であるかまたはO、S、C(O)、SO、NH、N−C1−8アルキル、(CH1−12の少なくとも1つであり、ここで、(CH1−12の少なくとも1つのCは、所望によりC(O)、O、S、SO、NH、N−C1−8アルキルで置換され、かつ、少なくとも1つのHは、所望によりC1−8アルキルまたはハロで置換され、
20はアリールまたはヘテロアリールであり;
21はH、OH、ハロ、NH、CH、SO、NO、脱離基、保護基、(−CH1−12−CH、C3−8シクロアルキルであり、
前記(−CH1−12−CHまたはC3−8シクロアルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記(−CH1−12−CHの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、N−C1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
少なくとも1つのハロは、所望により放射性核種または蛍光タグで置換されている。
【0011】
もう一つの実施形態では、本発明は、式7bの化合物:
【化4】
ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体であり、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
は、H、保護基、脱離基、ハロ、またはCHであり;
、R、RおよびRは、独立に、H、OH、ハロ、NH、CH、SO、NO、脱離基、保護基、アリール、ヘテロアリール、NHR12、N(R123−8シクロアルキル、(−CH1−12−R12であり、ここで、R12は、CH、アリール、Hまたはヘテロアリールであり、
(−CH1−12−R12、C3−8シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、かつ
(−CH1−12−R12の少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、SまたはNH、N−C1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、脱離基、保護基で置換され、
少なくとも1つのハロは、所望により放射性核種または蛍光タグで置換されている。
【0012】
もう一つの実施形態では、本発明は、式7cの化合物:
【化5】
ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体であり、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
Pは、NまたはCRであり;かつ
Qは、NまたはCRであり;
Xは、結合であるかまたはC1−14アルキルであり、ここで、少なくとも1つの炭素は、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキルで置換され、かつ、C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、C1−6アルキルで置換され;
は、H、保護基、脱離基、OH、NH、N(C1−8アルキル)、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールまたはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりSO、NH、またはC1−6アルキルで置換され、前記C1−6アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりC3−8シクロアルキルで置換され、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりO、OH、S、SH、NH、N−C1−8アルキルで置換され;
およびR〜Rは、独立に、Hまたは(−CH1−12−R13であり、R13は、アジドまたはアルキンであり、
(−CH1−12−R13の少なくとも1つのHは、所望によりOH、NH、およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりOH、NHで置換され、かつ
(−CH1−12−R13の少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりOH、NHで置換されている。
【0013】
もう一つの実施形態では、本発明は、(a)本明細書に記載の式のいずれかおよび/または請求項1〜43に示される化合物ならびに(b)製薬上許容される担体を含む、アミロイド沈着およびタウタングルの生体内イメージングのための医薬組成物である。
【0014】
もう一つの実施形態では、本発明は、哺乳動物においてアルツハイマー病またはそれに対する素因を診断する方法であり、該方法は、a)哺乳動物に診断上有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの放射性標識化合物を投与すること(この際、化合物は血液脳関門を通過し、脳組織でアミロイド斑および/またはタウタングルと優先的に結合し、かつ、化合物は、例えば式7の放射性標識化合物からなる群から選択される);b)化合物を脳組織の中に分布させること;およびc)脳組織を画像化することを含む。この際、正常な対照レベルの結合と比較した、化合物と脳組織との結合の増加が、該哺乳動物がアルツハイマー病に罹患しているか、アルツハイマー病を発症するリスクがあることを示す。
【0015】
もう一つの実施形態では、本発明は、哺乳動物においてアルツハイマー病またはそれに対する素因を診断する方法であり、該方法は、a)哺乳動物に診断上有効量の、請求項1〜43のいずれか一項に記載の放射性標識化合物を投与すること(この際、化合物は血液脳関門を通過し、脳組織でアミロイド斑および/またはタウタングルと優先的に結合し、かつ、化合物は、式1の放射性標識化合物からなる群から選択される);b)化合物を脳組織の中に分布させること;およびc)脳組織を画像化することを含む。この際、正常な対照レベルの結合と比較した、化合物と脳組織との結合の増加が、該哺乳動物がアルツハイマー病に罹患しているか、アルツハイマー病を発症するリスクがあることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】[18F]−T794のオートラジオグラフィー(Audoradiography)を示す図である。
図2】[18F]−T794とタウおよびアミロイドの負荷量およびKD(30nM)の相関を示す図である。
図3】マウスにおける[18F]−T794PKを示す図である。
図4】[18F]−T805のオートラジオグラフィー(Audoradiography)を示す図である。
図5】[18F]−T805とタウおよびアミロイドの負荷量との相関を示す図である。
図6】マウスにおける[18F]−T805PKを示す図である。
図7】[18F]−T807のオートラジオグラフィー(Audoradiography)を示す図である。
図8】[18F]−T807とタウおよびアミロイドの負荷量との相関を示す図である。
図9】マウスにおける[18F]−T807PKを示す図である。
図10】ヒト脳切片上の化合物T687およびPHF−タウIHC染色の二重標識を示す図である。
図11】ヒト脳切片上の化合物T794および全タウIHC染色の二重標識を示す図である。
図12】マウスにおける18F−T805:脳内取り込みを示す図である。
図13】マウスにおける18F−T807:脳内取り込みを示す図である。
図14】WTおよびタウマウスにおける18F−T794を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、F、Cl、BrおよびIを意味する。
【0018】
「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖部分を有する飽和一価炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
【0019】
「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有するアルキル部分を意味し、アルキルは上に定義される通りである。アルケニルの例としては、限定されるものではないが、エテニルおよびプロペニルが挙げられる。
【0020】
「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有するアルキル部分を意味し、アルキルは上に定義される通りである。アルキニル基の例としては、限定されるものではないが、エチニルおよび2−プロピニルが挙げられる。
【0021】
「アルキレン」または「アルケニレニル」とは、飽和二価炭化水素基を意味する、すなわち一般に直鎖または分枝鎖部分を有する他の2つの基間の結合もしくは連結基として存在する。アルキレン基の例としては、−CH−(メチレン);−CHCH−(エチレン);−CHCHCH−(プロピレン)、−CH(CH)CH−(イソプロピレン)などが挙げられる。
【0022】
「アミノ」とは、水素または炭素原子が窒素に結合している、2個のさらなる置換基を有する窒素部分を意味する。例えば、代表的なアミノ基としては、−NH、−NHCH、−N(CH、−NHC2−3アルキル、−N(C2−3−アルキル)および同類のものが挙げられる。特に指定のない限り、アミノ部分を含有する本発明の化合物にはその保護された誘導体が含まれ得る。アミノ部分に適した保護基としては、アセチル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルおよび同類のものが挙げられる。
【0023】
「アリール」とは、1個の水素の除去による芳香族炭化水素に由来する有機基、例えばフェニル、ナフチル、インデニル、インダニルおよびフルオレニルなどを意味する。「アリール」は、少なくとも1つの環が芳香族である縮合環基を包含する。
【0024】
「シクロアルキル」とは、1以上の環からなる非芳香族飽和環状アルキル部分を意味し、前記環(2以上の場合)は少なくとも1つの炭素原子を共有し、アルキルは上に定義される通りである。シクロアルキルの例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ−[3.1.0]−ヘキシル、ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタ−1−イル、ノルボルニル、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[4.3]オクチル、スピロ[4.2]ヘプチルおよびアダマンタニルが挙げられる。
【0025】
「ハロC1−6アルキル」とは、アルキル基の炭素原子上で少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されているC1−6アルキル基を意味する。そのようなハロC1−6アルキルの非排他的な、代表的な例としては、F−CH−、F−CHCH−、F−CHCHCH−、CHF−、CHFCH−、CHFCHCH−、Br−CH−、Br−CHCH−、Br−CHCHCH−、CHBr−、CHBrCH−、CHBrCHCH−および同類のものが挙げられる。
【0026】
「複素環式」または「ヘテロシクロアルキル」とは、1以上の環からなる非芳香族環式基を意味し、前記環(2以上の場合)は1または2個の原子を共有し、各々の環は4個までのヘテロ原子(すなわち、少なくとも1つの環が少なくとも1つのヘテロ原子を含有するという条件で、0〜4個のヘテロ原子)を含有する。本発明の複素環基はまた、ヘテロ原子として1以上のO、S(O)0−2、および/またはN−R10で置換された環系も含むことができ、この際、R10は、本明細書中に定義される通りであり、かつ、S(O)0−2の下付文字「0−2」は0、1または2の整数を表す。したがって、S(O)は、S、S(=O)、およびS(O)からなる基を表す。非芳香族複素環基の例は、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、ピペラジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、キノリジニル、キヌクリジニル、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デシル、1,4−ジオキサスピロ[4.4]ノニル、1,4−ジオキサスピロ[4.3]オクチルおよび1,4−ジオキサスピロ[4.2]ヘプチルである。
【0027】
「ヘテロアリール」とは、1以上のヘテロ原子(O、S、またはN)、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含有する芳香族基を意味する。ヘテロアリールは、単環式基であっても多環式基であってもよい。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロギノリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、イソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾフリル、フロピリジニル、ピロロピリミジニルおよびアザインドリルである。本願の特定の態様では、ヘテロアリールは、4−置換−1H−1,2−3−トリアゾール−1−イルである。
【0028】
本明細書において、二価の基、例えばリンカーなどが、下に示されるような構造−A−B−で表される場合、それは下の2つの構造に示されるように両方の可能な順列で結合されてよい基も表すことが意図される。
【化6】
【0029】
例えば、基「N(R10)C(O)−」などの二価の基が例えば与えられる場合、この基は両方の二価の基N(R10)C(O)−と二価の基−C(O)N(R10)−もまた含むことが意図される。
【0030】
変数R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10の置換基または基C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−12シクロアルキルC1−5アルキル、C6−14アリール、C6−14アリールオキシ、C6−10アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシなども、所望によりアミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、−SH、−SC1−6アルキル、−C(O)NH、−C(S)NH、ハロC1−6アルキル、ペルハロC1−6アルキル、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−12シクロアルキル、C6−14アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される置換基でさらに置換されている。
【0031】
例えば、本願の特定の態様では、ヘテロアリール置換基は、4−置換−1H−1,2−3−トリアゾール−1−イルである。本願の放射性標識化合物において、放射性核種は、
【化7】
として表される化合物などの2−18F−‘カルバゾール誘導体、または例えば、2−(18F−フルオロエチル)−‘カルバゾール、2−(18F−フルオロメチル)−‘カルバゾール、11C−メトキシ基のように、式Iの化合物のアリール基に結合していてよく、かつ/または放射性核種は、変数R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10のいずれか1以上に、18F−フルオロエチル基、18F−フルオロメチル基、11C−メトキシ基、4−[(18F−フルオロエチル)−1H−1,2−3−トリアゾール−1−イル]−エトキシ基、4−[(18F−フルオロエチル)−1H−1,2−3−トリアゾール−1−イル]−プロピルオキシ基、123I、124I、125Iもしくは131I基、および同類のものを経由して結合されていてもよい。特に断りのない限り、原子で置換されているとして表される化合物、例えばF−CHCH−(‘カルバゾール)またはF−CHCHO−(‘カルバゾール)中のフッ素原子によって一般的に表されるものなどは、天然に存在する1または複数の元素19F(フッ素−19)ならびにその元素自体の18F(フッ素−18)同位体の両方を網羅することが意図される。
【0032】
用語「所望により置換されている」または「置換されている」とは、基の1〜4個の水素原子が、例えば、置換基アミノ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、−SH、−SC1−6アルキル、−C(O)NH、−C(S)NH、ハロC1−6アルキル、ペルハロC1−6アルキル、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−12シクロアルキル、C6−14アリールおよびヘテロアリールから独立に選択される、または本明細書において具体的に開示される1〜4個の置換基で置換されていてよい、具体的な置換基または基をさす。その上、置換基には、アルキル、アリール、アルキレン−アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ペルハロアルコキシ、ヘテロシクリル、アジド、アミノ、グアニジノ、アミジノ、ハロ、アルキルチオ、オキソ、アシルアルキル、カルボキシエステル、カルボキシル、カルボキサミド、アシルオキシ、アミノアルキル、アルキルアミノアリール、アルキルアミノアルキル、アルコキシアリール、アリールアミノ、ホスホノ、スルホニル、カルボキサミドアリール、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキルおよびペルハロアルキルも含まれ得る。その上、変数R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10に関して、用語「所望により置換されている」または「置換されている」には、上に特定されるように1〜4個の置換基で置換されている基が含まれ、それは陽電子またはガンマ放出体をさらに含む。かかる陽電子放出体としては、限定されるものではないが、11C、13N、15O、18F、123I、124I、125I、131Iおよび77Brが挙げられる。
【0033】
本明細書において用語「放射性標識化合物」とは、放射性標識を提供することができるかまたは放射性標識に変換されることのできる、例えば非放射性原子から活性な放射性核種、例えば、11C、13N、15O、18F、123I、124I、125I、131Iおよび77Brなどに変換されることのできる原子または基を有する化合物をさす。その上、本願の目的において、そのような「放射性標識化合物」は、非活性核種、例えば19Fなどのハロゲンを含む原子または基をさすこともあり、この際、該化合物は治療上有効な量で使用および投与され得る。
【0034】
本明細書に開示される式の化合物は光学中心を有してよく、そのために様々なエナンチオマーおよびジアステレオマー立体配置で存在することがある。本発明には、本明細書に開示される式のそのような化合物のすべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、およびその他の立体異性体、ならびにそのラセミ化合物およびラセミ混合物および立体異性体の他の混合物が含まれる。本明細書に開示される式の化合物の製薬上許容される塩には、その酸付加塩および塩基塩が含まれる。適した酸付加塩は、無毒の塩を形成する酸から形成される。例としては、限定されるものではないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、硫酸メチル、ナフチル酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸、リン酸塩/リン酸水素/リン酸二水素、ピログルタミン酸、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。適した塩基塩は、無毒の塩を形成する塩基から形成される。例としては、限定されるものではないが、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩が挙げられる。酸および塩基のヘミ塩、例えばヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩も形成されてよい。適した塩の概説には、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use by Stahl and Wermuth(Wiley−VCH、2002)を参照されたい。本明細書に開示される式の化合物の製薬上許容される塩は、3つの方法:(i)本明細書に開示される式の化合物を所望の酸または塩基と反応させることによる方法;(ii)酸不安定性もしくは塩基不安定性の保護基を本明細書に開示される式の化合物の適した前駆体から除去することによる方法;あるいは(iii)本明細書に開示される式の化合物の1つの塩を適切な酸もしくは塩基との反応によるかまたは適したイオン交換カラムによって別の塩に変換することによる方法の1以上により調製することができる。
【0035】
もう一つの実施形態では、画像化は、脳の中または脳の一部の中での放射標識されたまたはタグをつけた化合物の分布をモニターするかまたは視覚化するための蛍光イメージング技術および/または核イメージング技術である、陽電子放射型断層撮影法(PET)および単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)からなる群から選択される蛍光イメージング技術または核イメージング技術を用いることによる。
【0036】
もう一つの実施形態では、本発明は、哺乳動物に治療上有効な量の式7〜8の化合物を投与することを含む、不安症、鬱病、統合失調症、アルツハイマー病、ストレス関連疾患、パニック、恐怖症、強迫性障害、肥満症、外傷後ストレス症状群、または癲癇からなる群から選択される疾患または状態を、治療を必要とする哺乳動物において治療するための方法である。
【0037】
一実施形態では、式:
【化8】
の放射性標識化合物ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体が提供され、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
Pは、NまたはCRであり;かつ
Qは、NまたはCRであり;
Xは、結合であるかまたはC1−14アルキルであり、ここで、少なくとも1つの炭素は、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキルで置換され、かつC1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、C1−6アルキルで置換され;
は、H、保護基、脱離基、アジド、アルキン、OH、ハロ、NH、N(C1−8アルキル)、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、SO、NH、またはC1−6アルキルで置換され、前記C1−6アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、またはC3−8シクロアルキルで置換され、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロで置換され、かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりO、OH、S、SH、NH、N−C1−8アルキルで置換され;
〜Rは、独立に、H、OH、ハロ、NH、CH、SO、脱離基、保護基、アリール、ヘテロアリール、NHR12、N(R123−8シクロアルキル、(−CH1−12−R12であり、ここで、R12は、CH、アリール、Hまたはヘテロアリールであり、
(−CH1−12−R12、C3−8シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、かつ
(−CH1−12−R12の少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、SまたはNH、N−C1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、脱離基、保護基で置換され、
少なくとも1つのハロは、所望により放射性核種または蛍光タグで置換されている。
【0038】
もう一つの実施形態では、本発明は、式:
【化9】
の化合物ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体であり、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
Xは、結合であるかまたはC1−14アルキルであり、ここで、少なくとも1つの炭素は、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキルで置換され、かつC1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、C1−6アルキルで置換され;
は、H、保護基、脱離基、アジド、アルキン、OH、ハロ、NH、N(C1−8アルキル)、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、SO、NH、またはC1−6アルキルまたはC1−6アルキルで置換され、前記C1−6アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、またはC3−8シクロアルキルで置換され、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロで置換され、かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりO、OH、S、SH、NH、N−C1−8アルキルで置換され;
、R、RおよびRは、独立に、H、OH、ハロ、NH、CH、SO、脱離基、保護基、アリール、ヘテロアリール、NHR12、N(R123−8シクロアルキル、(−CH1−12−R12であり、ここで、R12は、CH、アリール、Hまたはヘテロアリールであり、
(−CH1−12−R12、C3−8シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、かつ
(−CH1−12−R12の少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、SまたはNH、N−C1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、脱離基、保護基で置換され、
少なくとも1つのハロは、所望により放射性核種または蛍光タグで置換されている。
【0039】
もう一つの実施形態では、本発明は、式:
【化10】
の化合物ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体であり、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
Xは、結合であるかまたはC1−14アルキルであり、ここで、少なくとも1つの炭素は、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキルで置換され、かつC1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、C1−6アルキルで置換され;
は、H、保護基、脱離基、アジド、アルキン、OH、ハロ、NH、N(C1−8アルキル)、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールまたはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、SO、NH、またはC1−6アルキルまたはC1−6アルキルで置換され、前記C1−6アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、またはC3−8シクロアルキルで置換され、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロで置換され、かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりO、OH、S、SH、NH、N−C1−8アルキルで置換され;
は、結合であるかまたはO、S、C(O)、SO、NH、N−C1−8アルキル、(CH1−12の少なくとも1つであり、(CH1−12の少なくとも1つのCは、所望によりC(O)、O、S、SO、NH、N−C1−8アルキルで置換され、かつ、少なくとも1つのHは、所望によりC1−8アルキルまたはハロで置換され、
20はアリールまたはヘテロアリールであり;
21は、H、OH、ハロ、NH、CH、SO、脱離基、保護基、(−CH1−12−CH、C3−8シクロアルキルであり、
前記(−CH1−12−CHまたはC3−8シクロアルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記(−CH1−12−CHの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、N−C1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
少なくとも1つのハロは、所望により放射性核種または蛍光タグで置換されている。
【0040】
もう一つの実施形態では、本発明は、式:
【化11】
の化合物ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体であり、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
は、H、保護基、脱離基、ハロ、またはCHであり;
、R、RおよびRは、独立に、H、OH、ハロ、NH、CH、SO、脱離基、保護基、アリール、ヘテロアリール、NHR12、N(R123−8シクロアルキル、(−CH1−12−R12であり、ここで、R12は、CH、アリール、Hまたはヘテロアリールであり、
(−CH1−12−R12、C3−8シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基およびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、かつ
(−CH1−12−R12の少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、NH、脱離基、保護基で置換され、
かつ、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、SまたはNH、N−C1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、脱離基、保護基で置換され、
少なくとも1つのハロは、所望により放射性核種または蛍光タグで置換されている。
【0041】
もう一つの実施形態では、本発明は、式:
【化12】
の化合物ならびにその製薬上許容される塩および立体異性体であり、
上式で、
Lは、NまたはCRであり;
Mは、NまたはCRであり;
Pは、NまたはCRであり;かつ
Qは、NまたはCRであり;
Xは、結合であるかまたはC1−14アルキルであり、ここで、少なくとも1つの炭素は、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキルで置換され、かつC1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりハロ、OH、C1−6アルキルで置換され;
は、H、保護基、脱離基、OH、NH、N(C1−8アルキル)、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールまたはヘテロアリールの少なくとも1つのHは、所望によりSO、NH、またはC1−6アルキルで置換され、前記C1−6アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりC3−8シクロアルキルで置換され、前記C3−8シクロアルキルの少なくとも1つのCHは、所望によりO、OH、S、SH、NH、N−C1−8アルキルで置換され;
およびR〜Rは、独立にHまたは(−CH1−12−R13であり、R13はアジドまたはアルキンであり、
(−CH1−12−R13の少なくとも1つのHは、所望によりOH、NHおよびC1−8アルキルで置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりOH、NHで置換され、かつ
(−CH1−12−R13の少なくとも1つのCHは、所望によりC(O)、O、S、SO、またはNH、NH−C1−8アルキル、N(C1−8アルキル)で置換され、前記C1−8アルキルの少なくとも1つのHは、所望によりOH、NHで置換されている。
【0042】
もう一つの実施形態では、本発明は、(a)上記の式のいずれかまたは請求項1〜43に示される化合物および(b)製薬上許容される担体を含む、アミロイド沈着およびタウタングルの生体内イメージングのための医薬組成物である。
【0043】
もう一つの実施形態では、本発明は、哺乳動物においてアルツハイマー病またはそれに対する素因を診断する方法であり、該方法は、a)哺乳動物に診断上有効量の放射性標識化合物を投与すること(この際、化合物は血液脳関門を通過し、脳組織でアミロイド斑および/またはタウタングルと優先的に結合し、かつ、化合物は、例えば式7の放射性標識化合物からなる群から選択される);b)化合物を脳組織の中に分布させること;およびc)脳組織を画像化することを含む。この際、正常な対照レベルの結合と比較した、化合物と脳組織との結合の増加が、該哺乳動物がアルツハイマー病に罹患しているか、アルツハイマー病を発症するリスクがあることを示す。
【0044】
もう一つの実施形態では、本発明は、哺乳動物においてアルツハイマー病またはそれに対する素因を診断する方法であり、該方法は、a)哺乳動物に診断上有効量の、下記の請求項1〜43のいずれか一項に記載の放射性標識化合物を投与すること(この際、化合物は血液脳関門を通過し、脳組織でアミロイド斑および/またはタウタングルと優先的に結合し、かつ、化合物は、例えば式7の放射性標識化合物からなる群から選択される);b)化合物を脳組織の中に分布させること;およびc)脳組織を画像化することを含む。この際、正常な対照レベルの結合と比較した、化合物と脳組織との結合の増加が、該哺乳動物がアルツハイマー病に罹患しているか、アルツハイマー病を発症するリスクがあることを示す。
【0045】
もう一つの実施形態では、本発明は、脳組織における老人斑および/または神経原線維変化の画像化および検出のための方法であり、該方法は、組織を神経疾患の検出のために式7〜8の化合物で処理することを含む。
【0046】
神経疾患は、式7〜8の化合物のタウ凝集体に対する親和性を測定することにより検出され得る。
【0047】
一実施形態では、検出は、PETまたはSPECTによるガンマ線イメージングによるものであり得る。
【0048】
【表1-1】
【0049】
【表1-2】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【0050】
本発明のその他の実施形態には、以下の表3が含まれる:
【表3】
【0051】
本発明のその他の実施形態には、以下の表4が含まれる:
【表4】
【0052】
これらのカルバゾール系化合物のハロゲン、例えば、Fは、放射性であってもよいし、それは「コールド」であってもよいことは当然理解される。特に、それは18Fであってよい。その他の適した放射性原子には、11C、13N、15O、18F、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、124I、125I、131I、99Tc、75Br、153Gdおよび32Pが含まれ得る。
例えば、放射性標識化合物には:
【化13】
が含まれてよい。
【0053】
本発明の化合物はまた、前駆体であってもよい:
【化14】
その他の前駆体には:
【化15】
が含まれ得る。
【0054】
本発明の化合物はまた:
【化16】
であってよく、上式で、R13はハロまたは放射性核種である。
【0055】
マウスに静脈内注射されると、カルバゾール系化合物;特に、T807、T805およびT794は優れた脳内取り込みを示した。これらの化合物はまた、タウ原線維との高い結合親和性も示す。本発明の化合物を用いるオートラジオグラフィーは、AD脳切片におけるNFTのラベリングを実証した。蛍光アッセイデータは、これらの薬剤のタウ凝集体およびAβ原線維との結合能を示す。神経病理学的染色では、本発明の化合物は、アミロイド斑および/またはタウ凝集体を染色した。
【0056】
もう一つの実施形態では、本発明は、本明細書において開示される式を含む化合物および組成物に関し、該化合物はアミロイドおよび/またはタウタンパク質結合化合物である。本発明のアミロイドおよび/またはタウタンパク質結合化合物は、患者にアミロイド沈着および/またはNTFの生体内イメージングに適した量で投与され、アミロイド沈着および/またはNTfを含む神経学的組織と正常な神経学的組織とを識別することができる。
【0057】
Aβ化合物は、一般に合成Aβ1〜42原線維を用いる競合的結合実験において評価される(IC50)。状況はタウに関してより複雑である。なぜなら、単一のタウ遺伝子の交互スプライシングの産物としてAD脳に存在する可能性のあるタウの6つのイソ型が存在するためである。そのため、文献の大部分の報告書は1つの組換え型イソ型、タウ−441だけに頼っている。さらに複雑さを加えるために、様々なタウイソ型は生体内で過剰リン酸化する(生体外で模倣することは困難)。さらに、これらのタウ原線維に関する構造情報は不足しており、それが化合物の結合の解釈を困難にしている。
【0058】
天然型のタウ(様々なイソ型、過剰リン酸化したもの)およびアミロイド凝集体は脳切片に存在し、そのため化合物試験に好ましい。試験化合物の自己蛍光を使用することにより、化合物がタウタングル/PHFおよび/またはアミロイド斑と結合したかどうか示すことができる。このことは、Aβおよびタウ抗体で免疫染色することならびに画像を重ね合わせることによってさらに確認される。欠点は、一部の化合物が他よりも強い(stronge)蛍光シグナルを示すかもしれないために蛍光シグナルを定量化に使用できないこと、およびAD脳でのAβ斑とタウタングルの共存である。しかし、シグナル強度を質的に「評価する」こと、およびこれらの凝集体との結合を示す化合物を区別することが可能である。
【0059】
さらに、Aβ斑だけを含み/タウ凝集体を含まない脳、Aβ斑/およびタウ凝集体を含む脳、および対照脳において選択性を評価することができる。残念ながら、タウだけを含みAβを含まないAD脳は存在しない。脳切片はすべて同じ放射性トレーサーを含んでいるので、放射標識したトレーサーをこれらの脳切片において試験することにより、様々な試験化合物の相対結合強度(シグナル強度)および選択性をより定量的に評価することができる。例えば、試験トレーサーがタウだけに結合してアミロイドに結合しないならば、それはAβ斑だけの脳切片ではシグナルを示さないはずである。化合物がアミロイドだけに結合する場合、それは両方の種類の脳において取り込みを示すはずである。選択的化合物を同定しさらに定量することの困難さは、測定することが困難なアミロイドのタウに対する相対存在量にある。
【0060】
本発明のアミロイドおよび/またはタウタンパク質プローブを用いて、アミロイド沈着および/またはNTFを、限定されるものではないが、地中海熱、マックルウェルズ症状群、特発性骨髄腫(idiopathetic myeloma)、アミロイド多発神経炎、アミロイド心筋症、全身性老人性アミロイドーシス(systemic senile myloidosis)、アミロイド多発神経炎、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、ダウン症状群、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症状群、甲状腺髄様癌、限局性心房アミロイド、透析患者におけるβ−ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋消耗疾患におけるβ−アミロイド沈着物、慢性外傷性脳障害(CTE)、およびランゲルハンス島II型糖尿病インスリノーマを含む疾患において検出および定量することができる。
【0061】
本発明のその他の実施形態では、標識した化合物を検出可能な量で患者に導入し、化合物がアミロイド沈着および/またはタウタンパク質と会合するのに十分な時間が経過した後、標識した化合物を非侵襲的に検出する。本発明のもう一つの実施形態では、本明細書に開示される式の標識化合物を患者に導入し、化合物がアミロイド沈着と会合するのに十分な時間を見込んだ後に、患者由来組織の試料を取り出し、患者から離れて組織の中の標識化合物を検出する。本発明のもう一つの実施形態では、組織試料を患者から取り出し、例えば、式7の標識化合物を組織試料に導入する。化合物がアミロイド沈着および/またはタウタンパク質と結合するのに十分な時間の後に、化合物を検出する。
【実施例】
【0062】
リガンドおよびそれらの標識前駆体の合成:
ハロゲン化および放射性ハロゲン化:
本明細書に開示されるように、多数の様々なADリガンド、例えば本明細書において開示されるフラボン、クマリン、カルバゾール、キノリノン、クロメノン、三置換イミダゾールおよびそれらの誘導体に関して、放射標識された原子、例えばハロゲン原子などは、当技術分野で周知のいくつかの異なる方法を用いてそのリガンドに容易に導入され得る。したがって、式7〜8の放射性標識化合物は、特定の置換基を有するかかる放射性標識化合物を調製するための当分野で公知の標準法を用いて調製することができ、該化合物は、11C、13N、15O、18F、123I、124I、125I、131Iおよび77Brからなる群から選択される特定の放射性核種とともに導入されてよい。
【0063】
ある特定の例では、ハロゲンは、スズをハロゲン交換プロセスに使用する方法により導入することができる。例えば、ヨウ素などの非放射性ハロゲンを、金属、例えばパラジウム組成物などによって有機スズ化合物で置換して、下に示されるような放射標識スズ前駆体を形成することができる。次に、この前駆体を、例えばNa125I源による置換によって放射性ハロゲン化に供して放射性リガンドを得る。
【化17】
【0064】
あるいは、放射性標識したハロゲンは、直接ハロゲン化によって容易に導入することができる。例えば、芳香環を足場の一部として含むリガンド、またはリガンドの芳香族置換基に関して、確立された放射ヨウ素標識手順を用いて芳香環を直接ヨウ素化することができる。カルバゾールリガンドを使用するそのような例の一つが下に示される。
【化18】
【0065】
11C標識化合物に関して、標識化合物は、例えば対応するC−11標識メトキシ誘導体を得るために[11C]CHIを用いて、ヒドロキシル基のアルキル化またはメチル化により調製することができる。例えば、そのようなプロセスは、下に示されるフラボン誘導体の反応によって表される。
【化19】
【0066】
放射標識されたリガンドを調製するその他の方法は、当技術分野で周知である。そのような方法の例は、例えば:1)Jewett,D.M.(1992)A Simple Synthesis of [11C]Methyl Triflate Appl.Radiat.Isot.43,1383−1385;2)Crouzel,C.Langstrom,B.,Pike,V.W.,and Coenen,H.H.(1987)Recommendations for a practical production of [11C]methyl iodide Appl.Radiat.Isot.Int.J.Appl.Instrum.Part A 38,601−603;Dannals,R.F.,Ravert,H.T.;3)Wilson,A.A.(1990)Radiochemistry of Tracers for Neurotransmitter Receptor Studies.In:Quantitative Imaging:Neuroreceptors,Neurotransmitters,and Enzymes.(Edited by Frost,J.J.Wagner Jr.,H.N.pp.19−35,Raven Press,New York;4)Jewett,D.M.,Manger,T.J.,and Watkins,G.L.(1991) Captive Solvent Methods for Fast Simple Carbon−11 Radioalkylations.In:New Trends in Radiopharmaceutical Synthesis,Quality Assurance and Regulatory Control(Edited by Emran,A.M.)pp.387−391.Plenum Press,New York;5)Marazano,C.,Maziere,M.,Berger,G.,and Comar,D.(1977)Synthesis of methyl iodide−11C and formaldehyde−11C Appl.Radiat.Isot.28,49−52;6)Watkins,G.,Jewett,D.,Mulholland,G.,Kitbourn,M.,and Toorongian,S.(1988)A Captive Solvent Method for Rapid N−[11C]Methylation of Secondary Amides:Application to the Benzodiazepine,4’−Chlorodiazepam(RO5−4864)Appl.Radiat.Isot.39,441−444;および7)Wilson,A.A.,DaSilva,J.N.,and Houle,S.(1996)In vivo evaluation of [11C] and [15F]−labelled cocaine analogues as potential dopamine transporter ligands for positron emission tomography Nucl.Med.Biol.23,141−146に開示されている。本明細書に引用されるすべての参照文献の主題は、参照によりその全文が本明細書に援用される。
【0067】
AD−CB−WZ01013の合成
【化20】
NMP1mL中のヒドロキシカルバゾール(73mg、0.4ミリモル)に、CsCO(130mg、0.4ミリモル)およびブロモフルオロエタン(51mg、0.4ミリモル)を添加した。混合物を室温で15時間撹拌し、EtO(50mL)で希釈した。それを1M HCl(30mL)および水(2×40mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中4%EtOAc〜25%)で精製して、所望の生成物(36mg)を灰白色固体として得た。
【0068】
H NMR (400 MHz, CDCl/アセトン−d) δ 9.98 (s, 1 H), 7.95 (t, J = 8.8 Hz, 2 H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.28 (t, J = 8 Hz, 1 H), 7.13 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.00 (d, J = 2 Hz, 1 H), 6.83 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1 H), 4.85 (t, J = 4 Hz, 1 H), 4.73 (t, J = 4 Hz, 1 H), 4.35 (t, J = 4 Hz, 1 H), 4.28 (t, J = 4 Hz, 1 H); MS(ESI) m/z 230 (M+H)。
【0069】
AD−C−WZ01011の合成
【化21】
NMP4mL中のヒドロキシカルバゾール(183mg、1ミリモル)に、CsCO(326mg、1ミリモル)およびエチレンジ−トシレート(370mg、1ミリモル)を添加した。混合物を室温で15時間撹拌し、EtO(80mL)で希釈した。それを1M HCl(50mL)および水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中50%DCM〜100%DCM)で精製して、所望の生成物(75mg)を灰白色固体として得た。
【0070】
H NMR (400 MHz, アセトン−d) δ 10.21 (s, 1 H), 8.00 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.95 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.84 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.45 (m, 3 H), 7.30 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.13 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), ); 6.98 (s, 1 H), 6.73 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 4.44 (t, J = 4.0 Hz, 2 H), 4.30 (t, J = 4.0 Hz, 2 H), 2.42 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 382 (M+H), 404 (M+Na)。
【0071】
18F標識AD−CB−001P−WZ−01019([18F]2−(2−フルオロ−エトキシ)−9H−カルバゾール)の合成
【化22】
18F]フッ化物(600〜900mCi)をH18O中の濃縮液として合成モジュールに送った。[18F]フッ化物をイオン交換カラムに捕捉させ、次に炭酸カリウム水溶液(HO 0.4mL中3.0mg)を用いて反応容器に溶出させた。クリプトフィックス−2.2.2相間移動試薬(MeCN 1.0mL中20.0mg)を添加し、水−アセトニトリル共沸混合物を蒸発乾固した。トルエン−4−スルホン酸2−(9H−カルバゾール−2−イルオキシ)−エチルエステル前駆体(MeCN 0.9mL/DMSO 0.1mL中4mg)を反応器に添加した後、フッ素化反応物をを115℃で10分間加熱した。次に、粗反応混合物を半分取HPLCにより精製した(カラム:フェノメネクス・ルナC−18、250mm×10mm;移動相勾配95:5 HO(+0.05%TFA):MeCN(+0.05%TFA)〜100%MeCN(+0.05%TFA);流量:5mL/分)。
【0072】
18F]2−(2−フルオロ−エトキシ)−9H−カルバゾールに対応するピークを収集し、同時に滅菌水(10mL)で希釈した。得られる混合物をC−18Sep−Pakに通して、生成物を捕捉し、残留するアセトニトリルをさらなる水(10mL)で洗い流すようにした。次に、[18F]2−(2−フルオロ−エトキシ)−9H−カルバゾールを、USP等級エタノール(0.5mL)を含む生成物バイアルに溶出させ、滅菌水(9.5mL)で希釈して、注射に適した最終製剤を得た(10mL中19〜34mCi)(減衰補正収率7.5%、放射化学的純度100%)。
【0073】
純度は、放射能検出器を装備した分析HPLCにより決定し、身元を対応する非標識の標準試料のHPLCデータとの比較により確認した(米国特許出願第12/372,717号の図3Aおよび図3B)。
【0074】
AD−CB−002P−WZ01031の合成
【化23】
NMP2mL中のヒドロキシカルバゾール(92mg、0.5ミリモル)に、CsCO(163mg、0.5ミリモル)およびアジドエチルトシレート(121mg、0.5ミリモル)を添加した。混合物を室温で15時間撹拌し、EtO(50mL)で希釈した。それを0.5M HCl(50mL)および水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中80%DCM〜100%DCM)で精製して所望の生成物(76mg)を白色固体として得た。
【0075】
H NMR (400 MHz, CDCl/アセトン−d) δ 9.98 (s, 1 H), 7.95 (m, 2 H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.29 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.14 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), ); 7.01(s, 1 H), 6.84 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 4.28 (t, J = 4.8 Hz, 2 H), 3.67 (t, J = 4.8 Hz, 2 H); MS(ESI) m/z 253 (M+H)。
【0076】
AD−CB−002S−WZ01033の合成
【化24】
DMF0.5mL中のアジドカルバゾール(32mg、0.127ミリモル)に、CuI(7.6mg、0.04ミリモル)、DIPEA(16.4mg、0.127ミリモル)、およびフルオロペンチン(16.4mg、0.19ミリモル)を添加した。反応混合物を1時間激しく撹拌し、EtOAc(30mL)で希釈した。それを水(50mL)、0.5M HCl(30mL)、水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカ(3g)に予め吸収させ、4gシリカカラムに装入し、ヘキサン中30%EtOAc〜50%で溶出して所望の化合物(20mg)を得た。
【0077】
H NMR (400 MHz, CDCl/CDOD) δ 7.95 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.91 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.76 (s, 1 H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.31 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.14 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 6.94 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 6.78 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 4.83−4.78 (m, 2 H), 4.53−4.48 (m, 3 H), 4.40 (t, J = 6.0 Hz, 1 H), 2.85 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.10− 1.99 (m, 2 H); MS(ESI) m/z 339 (M+H)。
【0078】
18F標識AD−CB−002S−WZ01033の合成:
18F]5−フルオロ−ペンタ−1−インの調製
【化25】
18F]フッ化物(600〜900mCi)をH18O中の濃縮液として合成モジュールに送る。[18F]フッ化物をイオン交換カラムに捕捉させ、次に炭酸カリウム水溶液(HO 0.4mL中3.0mg)を用いて反応容器に溶出させる。クリプトフィックス−2.2.2相間移動試薬(MeCN 1.0mL中20.0mg)を添加し、水−アセトニトリル共沸混合物を蒸発乾固させる。
【0079】
トルエン−4−スルホン酸ペンタ−4−イニルエステル(MeCN 0.8mL中20mg)を反応器に添加し、フッ素化反応物を110℃で5分間加熱する。フッ素化の後、粗反応混合物を蒸留により精製し、[18F]5−フルオロ−ペンタ−1−インをアセトニトリル中の溶液として得る(生成物が揮発性であるため−78℃で捕捉)。
【0080】
トリアゾールの調製:
【化26】
アジド前駆体(5mg)、アスコルビン酸ナトリウム(40mg)、トリス−(ベンジルトリアゾリルメチル)アミン(TBTA、25mg)および硫酸銅水溶液(0.1M、0.25mL)のDMF(0.4mL)および水(0.1mL)中混合物を、上記の冷却したペンチン溶液に添加する。次に、反応混合物を室温まで温め、30分間撹拌する。この後、反応物を半分取HPLCにより精製する。生成物に対応するピークを収集し、同時に滅菌水(10mL)で希釈する。得られる混合物をC−18Sep−Pakに通し、残留するアセトニトリルをさらなる水(10mL)で洗い流す。生成物を、USP等級エタノール(0.5mL)を含む生成物バイアルに溶出させ、滅菌水(9.5mL)で希釈して注射に適した最終製剤を得る。
【0081】
純度は、放射能検出器を装備した分析HPLCにより決定し、身元を対応する非標識の標準試料のHPLCデータとの比較により確認する。
【0082】
18F標識CB−003の合成
【化27】
18F]フッ化物(600〜900mCi)をH18O中の濃縮液として合成モジュールに送る。[18F]フッ化物をイオン交換カラムに捕捉させ、次に炭酸カリウム水溶液(HO 0.4mL中3.0mg)を用いて反応容器に溶出させる。クリプトフィックス−2.2.2相間移動試薬(MeCN 1.0mL中20.0mg)を添加し、水−アセトニトリル共沸混合物を蒸発乾固する。前駆体(MeCN 0.9mL/DMSO 0.1mL中4mg)を反応器に添加し、フッ素化反応物を115℃で10分間加熱する。混合物を55℃に冷却し、大部分のアセトニトリルを、以前のように真空およびアルゴン流下で蒸発させた。粗Boc保護生成物に、塩酸水溶液(1.0M、1.0mL)を添加し、混合物を3分間105℃に加熱した。35℃に冷却した後、酢酸ナトリウム水溶液(2.0M、0.5mL)を撹拌しながら添加した。次に、粗反応混合物を半分取HPLC(カラム:フェノメネクス・ルナC−18、250mm×10mm;移動相勾配95:5 HO(+0.05%TFA):MeCN(+0.05%TFA)〜100%MeCN(+0.05%TFA);流量:5mL/分;時間=25分)により精製する。最終生成物に対応するピークを収集し、および同時に滅菌水(10mL)で希釈する。得られる混合物をC−18Sep−Pakに通して、生成物を捕捉し、残留するアセトニトリルをさらなる水(10mL)で洗い流すようにする。次に、生成物を、USP等級エタノール(0.5mL)を含む生成物バイアルに溶出させ、滅菌水(9.5mL)で希釈して、注射に適した最終製剤を得る(減衰未補正収率31%、放射化学的純度100%)。純度は、放射能検出器を装備した分析HPLCにより決定し、身元を対応する非標識の標準試料のHPLCデータとの比較により確認した。
【0083】
18F標識CB−004の合成
【化28】
18F]フッ化物(600〜900mCi)をH18O中の濃縮液として合成モジュールに送る。[18F]フッ化物をイオン交換カラムに捕捉させ、次に炭酸カリウム水溶液(HO 0.4mL中3.0mg)を用いて反応容器に溶出させる。クリプトフィックス−2.2.2相間移動試薬(MeCN 1.0mL中20.0mg)を添加し、水−アセトニトリル共沸混合物を蒸発乾固する。前駆体(MeCN 0.9mL/DMSO 0.1mL中4mg)を反応器に添加し、フッ素化反応物を115℃で10分間加熱する。混合物を55℃に冷却し、大部分のアセトニトリルを、以前のように真空およびアルゴン流下で蒸発させた。粗Boc保護生成物に、塩酸水溶液(1.0M、1.0mL)を添加し、混合物を3分間105℃に加熱した。35℃に冷却した後、酢酸ナトリウム水溶液(2.0M、0.5mL)を撹拌しながら添加した。次に、粗反応混合物を、半分取HPLC(カラム:フェノメネクス・ルナC−18、250mm×10mm;移動相勾配95:5 HO(+0.05%TFA):MeCN(+0.05%TFA)〜100%MeCN(+0.05%TFA);流量:5mL/分;時間=25分)により精製する。最終生成物に対応するピークを収集し、同時に滅菌水(10mL)で希釈する。得られる混合物をC−18Sep−Pakに通して、生成物を捕捉し、残留するアセトニトリルをさらなる水(10mL)で洗い流すようにする。次に、生成物を、USP等級エタノール(0.5mL)を含む生成物バイアルに溶出させ、滅菌水(9.5mL)で希釈して、注射に適した最終製剤を得る(減衰未補正収率3%、放射化学的純度100%)。純度は、放射能検出器を装備した分析HPLCにより決定し、身元を対応する非標識の標準試料のHPLCデータとの比較により確認した。
【0084】
18F標識CB−007の合成
【化29】
18F]フッ化物(600〜900mCi)をH18O中の濃縮液として合成モジュールに送る。[18F]フッ化物をイオン交換カラムに捕捉させ、次に炭酸カリウム水溶液(HO 0.4mL中3.0mg)を用いて反応容器に溶出させる。クリプトフィックス−2.2.2相間移動試薬(MeCN 1.0mL中20.0mg)を添加し、水−アセトニトリル共沸混合物を蒸発乾固する。前駆体(MeCN 0.9mL/DMSO 0.1mL中4mg)を反応器に添加し、フッ素化反応物を115℃で10分間加熱する。混合物を55℃に冷却し、大部分のアセトニトリルを、以前のように真空およびアルゴン流下で蒸発させた。粗Boc保護生成物に、塩酸水溶液(1.0M、1.0mL)を添加し、混合物を3分間105℃に加熱した。35℃に冷却した後、酢酸ナトリウム水溶液(2.0M、0.5mL)を撹拌しながら添加した。次に、粗反応混合物を、半分取HPLC(カラム:フェノメネクス・ルナC−18、250mm×10mm;移動相勾配95:5 HO(+0.05%TFA):MeCN(+0.05%TFA)〜100%MeCN(+0.05%TFA);流量:5mL/分;時間=25分)により精製する。最終生成物に対応するピークを収集し、同時に滅菌水(10mL)で希釈する。得られる混合物をC−18Sep−Pakに通して、生成物を捕捉し、残留するアセトニトリルをさらなる水(10mL)で洗い流すようにする。次に、生成物を、USP等級エタノール(0.5mL)を含む生成物バイアルに溶出させ、滅菌水(9.5mL)で希釈して、注射に適した最終製剤を得る(減衰未補正収率1.2%、放射化学的純度100%)。純度は、放射能検出器を装備した分析HPLCにより決定し、身元を対応する非標識の標準試料のHPLCデータとの比較により確認した。
【0085】
18F標識CB−012の合成
【化30】
18F]フッ化物(600〜900mCi)をH18O中の濃縮液として合成モジュールに送った。[18F]フッ化物をイオン交換カラムに捕捉させ、次に炭酸カリウム水溶液(HO 0.4mL中3.0mg)を用いて反応容器に溶出させた。クリプトフィックス−2.2.2相間移動試薬(MeCN 1.0mL中20.0mg)を添加し、水−アセトニトリル共沸混合物を蒸発乾固した。トルエン−4−スルホン酸2−(9H−カルバゾール−2−イルオキシ)−エチルエステル前駆体(MeCN 0.9mL/DMSO 0.1mL中4mg)を反応器に添加した後、フッ素化反応物を115℃で10分間加熱した。次に、粗反応混合物を半分取HPLCにより精製した(カラム:フェノメネクス・ルナC−18、250mm×10mm;移動相勾配95:5 HO(+0.05%TFA):MeCN(+0.05%TFA)〜100%MeCN(+0.05%TFA);流量:5mL/分)。生成物に対応するピークを収集し、同時に滅菌水(10mL)で希釈した。得られる混合物をC−18Sep−Pakに通して、生成物を捕捉し、残留するアセトニトリルをさらなる水(10mL)で洗い流すようにした。次に、[18F]2−(2−フルオロ−エトキシ)−9H−カルバゾールを、USP等級エタノール(0.5mL)を含む生成物バイアルに溶出させ、滅菌水(9.5mL)で希釈して、注射に適した最終製剤を得た(10mL中19〜34mCi)(減衰未補正収率2%、放射化学的純度100%)。純度は、放射能検出器を装備した分析HPLCにより決定し、身元を対応する非標識の標準試料のHPLCデータとの比較により確認した。
【0086】
カルバゾール誘導体のアッセイ:
Biacoreアッセイから、2つのカルバゾール誘導体がオリゴマー/ポリマーおよび原線維に対して有望な結合親和性を示した(表4)。ハルマラアルカロイド類のメンバーであるβ−カルボリンハルモールは、ハルミンの尿代謝物である。ハルマラアルカロイド類はMAO阻害薬であり、そのいずれもが強い幻覚発現作用を有するとされているシリアンルー、すなわちペガヌム・ハルマラ(Peganum harmala)および南米のつる植物バニステリオプシス・カーピ(Banisteriopsis caapi)に一般に見出される。β−カルボリン(beta−carbolenes)は、5−HT、5−HT1a、グルタミン酸NMDAおよびイミダゾリン受容体との結合;MAO−A酵素の阻害およびドーパミン作動性伝達への干渉を含む様々な影響を中枢神経系に及ぼす。また、β−カルボリンは細胞毒性であると考えられているが、それらはまた、ドーパミンおよびグルタミン酸に対する神経保護を提供するといわれ、そのうえに活性酸素種を除去することによって、神経保護特性を維持している。近年の報告書は、β−カルボリンアルキロイド(alkyloid)がマウスでの物体認識課題において短期および長期記憶の促進を誘発することを実証したが、アルキロイド(alkyloid)がその効果を発揮する手段は不明である。Moura,D.J.,et al.,Effects of b−carboline alkaloids in the object recognition task in mice.Life Sciences,2006,79:p.2099−2104。
【0087】
同アッセイで見出された第2の活性カルバゾールは、2−ヒドロキシカルバゾールである。2−ヒドロキシカルバゾールは、近年、別個の薬理学的経路を通じてCa2+イオンを骨格および心筋から放出することが示された。一般的なカルバゾール足場は、非ステロイド系抗炎症薬カルプロフェン、カラゾロール(β遮断薬)およびYM−53601(スクアレンシンターゼ阻害薬)を含むいくつかの治療薬に存在する。近年の研究は、カルバゾール誘導体がγ−セクレターゼ修飾薬として機能することができることを示した。[Narlawar,R.,et al.,N−Substituted carbazolyloxyacetic acids modulate Alzheimer associated g−secretas.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2007,17:p.176−182]別のAD関連プロジェクトでは、ハウレットがカルベジロールなどの高度に合成されたカルバゾールが原線維形成を阻害することを見出したが、原線維に対する結合親和性は確定されなかった[Howlett,D.R.,et al.,Common Structural Features Determine the Effectiveness of Carvedilol,Daunomycin and Rotiletracycline as Inhibitors of Alzheimer b−Amyloid Fibril Formation.Biochemical Journal,1999,343:p.419−423]興味深いことに、細胞透過性に基づいてカルバゾールを原線維阻害薬として使用する実用性を決定することを意図する記事には、カルバゾールは、それらがPGP基質であるので血液脳関門を通過する可能性が低く、それが原線維の阻害のための治療薬としてのそれらの使用を不可能にしていることが示唆されている。[Saengkhae,C.,et al.,Ability of Carbazole Salts,Inhibitors of Alzheimer b−Amyloid Fibril Formation,to Cross Cellular Membranes.European Journal of Pharmacology,2007,559:p.124−131]
【0088】
適切な画像化モダリティを使用することにより、トレーサーの体内分布パターンが即座に目に見え、理解しやすくなる。例えば、18F標識トレーサーを使用することにより、陽電子放射型断層撮影法(PET)を用いて脳へのトレーサーの取り込みおよび脳からの洗い出しを容易に定量することができる。正常な脳において取り込みが高く洗い出しが遅いトレーサーは低い信号対雑音比を生成する。正常な脳において取り込みが高く洗い出しが速いトレーサーは高い信号対雑音比を有し、理想的であると思われる。18F標識カルバゾールは、理想的な脳画像化特性を有する。例えば、18F標識カルバゾールを調製し、正常な白色のスプラーグドーリーラットに投与した(米国特許出願第12/372,717号の図6)。数分以内に、トレーサーは脳の中に入り、数分で洗浄された。
【0089】
非放射性カルバゾールはまた、脳組織切片においてチオフラビンTとFDDNPの両方とうまく競合するので、トレーサーが同様の結合部位に結合することが示唆される。(米国特許出願第12/372,717号の図4および5)。
表4:Biacoreアッセイから得られるカルバゾールによるヒット数。「+」の記号はヒットを表し、「+」記号の増加は結合親和性の増加に関連する。「−」の記号は結合がないことを表す。
【化31】
【0090】
カルバゾール系造影剤の例のリストを表5に示す。化合物の多くが18F−または11C標識されている。
【0091】
【表5-1】
【表5-2】
【0092】
詳細なBiacoreアッセイプロトコール:
β−アミロイド(Aβ42)可溶性凝集体(オリゴマー/可溶性ポリマー)。ビオチン−LC−Aβ42をAβ42と3:2の比で混合した。1%NHOHおよびdHOに溶解した後、混合物(濃度40uM)を1×PBS(pH7.4)緩衝液中、室温で6時間インキュベートしてオリゴマー/可溶性ポリマーを形成した。試料中のAβ42の遊離モノマーを、10KDaのMWカットオフを有するMicrocon遠心濾過チューブを用いて除去した。ビオチン−LC−Aβ42オリゴマー/ポリマーを、ストレプトアビジン−ビオチン捕捉によりSAチップに固定した。
【0093】
β−アミロイド(Aβ42)不溶性凝集体(原線維)。すでに公開されている方法に従って原線維を調製した(Agdeppa ED et al.2001)。手短に言えば、0.5mgのAβ42(ビオチン−LC−Aβ42:Aβ42=1:1)を1mlのPBS、pH7.4に溶解し、磁気撹拌子とともに37℃で3日間混合し、その結果目に見えて曇った溶液を得た。原線維ペレットを遠心分離により回収した。ビオチン−LC−Aβ42原線維を、ストレプトアビジン−ビオチン捕捉によりSAチップに固定した。
【0094】
Biacore(表面プラズモン共鳴分析)によるアミロイド結合化合物のスクリーニング。Aβ42オリゴマー/可溶性ポリマーまたは原線維を、センサーチップのフローセル2(Fc2)またはフローセル3(Fc3)に固定し、Fc1を対照として使用した。スクリーニング化合物を10uM濃度でFc1、Fc2、およびFc3に30ul/分の流量で2分間流した。次に、フローセルを流動緩衝液(1×PBS)で2分間洗浄し、50mMのNaOHで30秒間再生させた。チップ表面に固定したスクリーニング化合物とアミロイド凝集体との間のリアルタイム相互作用をセンサーグラムで記録した。
【0095】
チオフラビンTによる脳切片の免疫染色。アルツハイマー病のドナー由来の脳試料を固定した後にパラフィンワックス浸透させた。脳試料を包埋したパラフィンブロックをミクロトームに取り付け、薄片に切り分けた。次に、切片を脱パラフィンし、水和させた後、AD−CB−001S−WZ01013を用いてまたは用いずにインキュベートした。染色は、1uMチオフラビンTを用いて行った。画像は蛍光顕微鏡によって得た(米国特許出願第12/372,717号の図4)。
【0096】
FDDNPによる脳切片の免疫染色。アルツハイマー病のドナー由来の脳試料を固定した後にパラフィンワックス浸透させた。脳試料を包埋したパラフィンブロックをミクロトームに取り付け、薄片に切り分けた。次に、切片を脱パラフィンし、水和させた後、AD−CB−001S−WZ01013を用いてまたは用いずにインキュベートした。染色は、1uM FDDNPを用いて行った。画像は蛍光顕微鏡によって得た(米国特許出願第12/372,717号の図5)。
【0097】
AD−CB−001のイメージング結果
白色のスプラーグドーリーラットに、10%EtOH:水中に配合した約850uCi AD−CB−001を尾静脈から注射した。ダイナミックスキャンをR4マイクロPETスキャナで30分間行った。1分のフレーミングを用いてデータを再構成した。数分以内に、トレーサーはラットの脳に入り、素早く洗浄された(米国特許出願第12/372,717号の図6)。
【0098】
AD−CB−002P−WZ01031の合成
【化32】
NMP2mL中のヒドロキシカルバゾール(92mg、0.5ミリモル)に、CsCO(163mg、0.5ミリモル)およびエチルアジドトシレート(121mg、0.5ミリモル)を添加した。混合物を室温で15時間撹拌し、EtO(50mL)で希釈した。それを0.5M HCl(50mL)および水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中80%DCM〜100%DCM)で精製して、所望の生成物(76mg)を白色固体として得た。
【0099】
H NMR (400 MHz, CDCl/アセトン−d6) δ 9.98 (s, 1 H), 7.95 (m, 2 H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.29 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.14 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), ); 7.01(s, 1 H), 6.84 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 4.28 (t, J = 4.8 Hz, 2 H), 3.67 (t, J = 4.8 Hz, 2 H); MS(ESI) m/z 253 (M+H)。
【0100】
AD−CB−002S−WZ01033の合成
【化33】
DMF0.5mL中のエチルアジドカルバゾール(32mg、0.127ミリモル)に、CuI(7.6mg、0.04ミリモル)、DIPEA(16.4mg、0.127ミリモル)、およびフルオロペンチン(16.4mg、0.19ミリモル)を添加した。反応混合物を1時間激しく撹拌し、EtOAc(30mL)で希釈した。それを水(50mL)、 0.5M HCl(30mL)、水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカ(3g)に予め吸収させ、4gシリカカラムに装入し、ヘキサン中30%EtOAc〜50%で溶出して所望の化合物(20mg)を得た。
【0101】
H NMR (400 MHz, CDCl/CDOD) δ 7.95 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.91 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.76 (s, 1 H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.31 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.14 (t, J = 7.6 Hz, 1 H); 6.94 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 6.78 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 4.83−4.78 (m, 2 H), 4.53−4.48 (m, 3 H), 4.40 (t, J = 6.0 Hz, 1 H), 2.85 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.10− 1.99 (m, 2 H); MS(ESI) m/z 339 (M+H)。
【0102】
18F標識AD−CB−002S−WZ01033の合成
トリアゾールの調製
【化34】
アジド前駆体(5mg)、アスコルビン酸ナトリウム(40mg)、トリス−(ベンジルトリアゾリルメチル)アミン(TBTA、25mg)および硫酸銅水溶液(0.1M、0.25mL)のDMF(0.4mL)および水(0.1mL)中の混合物を、上記の冷却したペンチン溶液に添加する。次に、反応混合物を室温まで温め、30分間撹拌する。この後、反応物を半分取HPLCにより精製する。生成物に対応するピークを収集し、同時に滅菌水(10mL)で希釈する。得られる混合物をC−18Sep−Pakに通し、残留するアセトニトリルをさらなる水(10mL)で洗い流す。生成物を、USP等級エタノール(0.5mL)を含む生成物バイアルに溶出させ、滅菌水(9.5mL)で希釈して注射に適した最終製剤を得る。
【0103】
純度は、放射能検出器を装備した分析HPLCにより決定し、身元を対応する非標識の標準試料のHPLCデータとの比較により確認する。
【0104】
カルバゾールN−Boc保護の一般手順:
THF(40容量)を含有する、磁気撹拌子、ゴム製セプタム、およびアルゴン導入口を装備した丸底フラスコにカルバゾール(1.0当量)を入れた。この溶液に、NaH(油中60%分散体、3当量)を0℃で添加し、反応物を0℃で30分間撹拌させた。この反応物に、(Boc)O(1.2当量)を0℃で添加し、反応物を1時間撹拌させた。LCMSにより反応が完了した後、水(25容量)の中に注ぎ、EtOAc(3×20容量)に抽出した。合した有機抽出物を水(2×25容量)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。ヘキサン:EtOAcを溶出剤として用いて残渣をシリカゲルで精製して最終生成物を得た。
【0105】
カルバゾールN−メチル化の一般手順:
THF(50容量)を含有する、磁気撹拌子、ゴム製セプタム、およびアルゴン導入口を装備した丸底フラスコに、カルバゾール(1.0当量)を入れた。この溶液に、NaH(油中60%分散体、3当量)を0℃で添加し、反応物を0℃で30分間撹拌させた。この反応物に、MeOTf(1.0当量)を0℃で添加し、反応物を1時間撹拌させた。LCMSにより反応が完了した後、水(25容量)の中に注ぎ、EtOAc(3×20容量)に抽出した。合した有機抽出物を水(2×25容量)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。ヘキサン:EtOAcを溶出剤として用いて残渣をシリカゲルで精製して最終生成物を得た。
【0106】
フェノールアルキル化の一般的試験手順:
DMF(20容量)を含有する、磁気撹拌子を装備した丸底フラスコに、フェノール(1当量)を入れた。この溶液に、アルキル化剤(1.0当量)、CsCO(1.2当量)を添加し、反応物を60℃で16時間撹拌させた。次に、反応物を水(25容量)の中に注ぎ、EtOAc(3×20容量)に抽出した。合した有機抽出物を水(2×25容量)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。ヘキサン:EtOAcを溶出剤として用いて残渣をシリカゲルで精製して最終生成物を得た。
【0107】
スズキカップリング反応の一般的試験手順:
トルエン:HO(1:1、40容量)を含有する、磁気撹拌子、ゴム製セプタム、およびアルゴン導入口を装備した丸底フラスコに、クロロ化合物(1当量)を入れた。この溶液に、ボロン酸(1.5当量)、Pd(PPh(0.02当量)、KCOを添加し、反応物を110℃で16時間撹拌させた。次に、反応物を水(25容量)の中に注ぎ、EtOAc(3×20容量)に抽出した。合した有機抽出物を水(2×25容量)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。ヘキサン:EtOAcを溶出剤として用いて残渣をシリカゲルで精製して最終生成物を得た。
【0108】
P(OEt)を用いるカルバゾール形成の一般的試験手順:
P(OEt)(25容量)を含有する、磁気撹拌子を装備した丸底フラスコに、ビアリール(1当量)を入れた。反応物を150℃で16時間撹拌させた。反応が完了した後、P(OEt) を真空除去した。ヘキサン:EtOAcを溶出剤として用いて残渣をシリカゲルで精製して最終化合物を得た。
【0109】
CB1−ノシレート(nosylate)前駆体の合成:
【化35】
【0110】
エタン−1,2−ジイルビス(2−ニトロベンゼンスルホネート)(DHK−4−14)の調製:
DCM(10mL)を含有する、磁気撹拌子を装備した50mL丸底フラスコに、1,2−エタンジオール(0.25g、4.0ミリモル)を入れた。この溶液に、塩化ノシル(nosyl chloride)(1.9g、8.5ミリモル)およびEtN(0.90g、8.9ミリモル)を0℃で添加し、反応物を室温で16時間撹拌させた。反応が完了した後、白色の固体を濾過し、DCM(100mL)で洗浄し、真空乾燥させてDHK−4−14(1.3g、75%)を無色の固体として得た。
MS:[M+Na]:455.0
【0111】
2−(9H−カルバゾール−2−イルオキシ)エチル2−ニトロベンゼンスルホネート(DHK−4−15)の調製:
DMF(5容量)を含有する、磁気撹拌子を装備した25mL丸底フラスコに、カルバゾール(0.2g、1.1ミリモル)を入れた。この溶液に、DHK−4−14(0.52g、1.2ミリモル)、CsCO(0.43g、1.3ミリモル)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌させた。次に、反応物を水(25mL)の中に注ぎ、EtOAc(4×50mL)に抽出した。合した有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。粗残渣を、Combiflash精製系でヘキサン:EtOAc(50:50)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、DHK−4−15を白色固体として得た(0.28g、62%)。MS:[M+Na]:435.0
【0112】
CB−5の合成:
【化36】
【0113】
tert−ブチル2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレート:CB−5:DHK−4−27の調製
カルバゾールN−Boc保護の一般的試験手順に従った。反応は、0.03gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で30〜35%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.03g(74%)のCB−5を無色の油状物質として単離した。MS:[M+H]:418.0
【0114】
CB−6:DHK−4−28の合成
【化37】
【0115】
2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9−メチル−9H−カルバゾール:CB−6の調製
カルバゾールN−メチル化の一般的試験手順に従った。反応は、0.05gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で40〜45%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.04g(78%)のCB−6を白色固体として単離した。MS:[M+H]:332.1。
【0116】
N−Boc保護CB−3前駆体の合成:
【化38】
【0117】
tert−ブチル2−(2−(2−(2−(トシルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレート:DHK−4−32の調製
カルバゾールN−Boc保護の一般的試験手順に従った。反応は、0.07gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で40%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.07g(82%)のDHK−4−32を白色の固体として単離した。MS:[M+Na]:592。
【0118】
N−メチルCB−3前駆体の合成:
【化39】
【0119】
2−(2−(2−(9−メチル−9H−カルバゾール−2−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート:DHK−4−30の調製
カルバゾールN−メチル化の一般的試験手順に従った。反応は、0.075gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で40%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.07g(91%)のDHK−4−30を白色固体として単離した。MS:[M+H]:484.2
【0120】
CB−7 Stdの合成:
【化40】
【0121】
1−クロロ−4−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−ニトロベンゼン:DHK−4−51の調製
フェノールアルキル化の一般的試験手順に従った。反応は、0.25gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で20〜30%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.44g(99%)のDHK−4−51を黄色の油状物質として単離した。MS:[M+H]:308.0。
【0122】
4’−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−N,N−ジメチル−2’−ニトロビフェニル−4−アミン:DHK−4−26の調製
スズキカップリング反応の一般的試験手順に従った。反応は、0.11gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で50〜60%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.06g(43%)のDHK−4−26を黄色の油状物質として単離した。MS:[M+H]:393.1
【0123】
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−N,N−ジメチル−9H−カルバゾール−2−アミン:DHK−4−29:CB−7の調製
P(OEt)を用いるカルバゾール形成の一般的試験手順に従った。反応は、0.06gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で70〜80%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.03g(49%)のDHK−4−29CB−7を白色の固体として単離した。MS:[M+H]:361.1。
【0124】
CB−9 Stdの合成:
【化41】
【0125】
1−クロロ−4−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−ニトロベンゼン:DHK−4−51の調製
フェノールアルキル化の一般的試験手順に従った。反応は、0.25gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で20〜30%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.44g(99%)のDHK−4−51を黄色の油状物質として単離した。MS:[M+H]:308.0。
【0126】
N−(4’−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2’−ニトロビフェニル−4−イル)アセトアミド:DHK−4−31の調製
スズキカップリング反応の一般的試験手順に従った。反応は、0.11gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で80〜90%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.14g(100%)のDHK−4−31を黄色の油状物質として単離した。MS:[M+H]:407.0。
【0127】
N−(7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)アセトアミド:DHK−4−33:CB−9の調製
P(OEt)を用いるカルバゾール形成の一般的試験手順に従った。反応は、0.15gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で90%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.03g(49%)のCB−9を白色の固体として単離した。MS:[M+H]:375.1。
【0128】
CB−28 Stdの合成:
【化42】
【0129】
1−クロロ−4−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−ニトロベンゼン:DHK−4−51の調製
フェノールアルキル化の一般的試験手順に従った。反応は、0.25gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で20〜30%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.44g(99%)のDHK−4−51を黄色の油状物質として単離した。MS:[M+H]:308.0。
【0130】
3−(4−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−ニトロフェニル)ピリジン:DHK−4−56の調製
スズキカップリング反応の一般的試験手順に従った。反応は、0.095gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で40〜50%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.01g(9%)のDHK−4−56を黄色の油状物質として単離した。MS:[M+H]:351.1。
【0131】
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−ピリド[2,3−b]インドール DHK−4−58:CB−28の調製
P(OEt)を用いるカルバゾール形成の一般的試験手順に従った。反応は、0.01gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で50%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.002g(22%)のCB−28を白色の固体として単離した。MS:[M+H]:319
【0132】
CB−7−前駆体の合成
【化43】
【0133】
4−(ベンジルオキシ)−1−クロロ−2−ニトロベンゼン:DHK−4−63の調製
フェノールアルキル化の一般的試験手順に従った。反応は、1gのスケールで実施した。KCOを塩基として使用し、アセトンを溶媒として使用した。反応時間は4時間であった。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で20〜30%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。1.45g(95%)のDHK−4−63を白色の結晶性固体として単離した。MS:[M+H]:264.0
【0134】
3 4’−(ベンジルオキシ)−N,N−ジメチル−2’−ニトロビフェニル−4−アミン:DHK−4−66の調製
スズキカップリング反応の一般的試験手順に従った。反応は、0.47gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で20〜30%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.21g(34%)のDHK−4−66を橙色の固体として単離した。 MS:[M+H]:349.1
【0135】
7−(ベンジルオキシ)−N,N−ジメチル−9H−カルバゾール−2−アミン DHK−4−68:の調製
P(OEt)を用いるカルバゾール形成の一般的試験手順に従った。反応は、0.21gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で20〜30%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.13g(68%)のDHK−4−68を白色の固体として単離した。MS:[M+H]:317.1
【0136】
tert−ブチル2−(ベンジルオキシ)−7−(ジメチルアミノ)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレート:DHK−4−69の調製
カルバゾールN−Boc保護の一般的試験手順に従った。反応は、0.13gのスケールで実施した。反応温度は室温で16時間行った。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で10%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.12g(70%)のDHK−4−69を白色の固体として単離した。MS:[M+H]:417.2。
【0137】
tert−ブチル2−(ジメチルアミノ)−7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−9−カルボキシレート:DHK−4−71の調製
EtOAc(50mL)を含有する、磁気撹拌子を装備した50mL丸底フラスコに、DHK−4−69(0.11g、0.19ミリモル)を入れた。この溶液に、Pd/C(10%、20mg)を添加し、反応物をH(1気圧)下、室温で16時間撹拌させた。反応が完了した後、反応混合物をセライトに通して濾過し、揮発性物質を真空除去して、DHK−4−71(0.09g、100%)を白色の固体として得た。
【0138】
tert−ブチル2−(ジメチルアミノ)−7−(2−(2−(2−(トシルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレート:DHK−4−72:CB−7前駆体:の調製
フェノールアルキル化の一般的試験手順に従った。反応は、0.09gのスケールで実施した。生成物は、Combiflash精製系での勾配溶出で45%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.07g(41%)のCB−7前駆体を白色の固体として単離した。MS:[M+H]:613.2。
【0139】
AD−CB−003S−WZ0129の合成:
【化44】
2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(8.7g、19ミリモル)に、TBAF(22.8mL、1.0M THF溶液、22.8ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下で1時間加熱還流し、室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中5%〜40%THF)で精製して、2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネートを透明の油状物質として得た(2.5g、43%)。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.80 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 4.61 (m, 1 H), 4.49 (m, 1 H), 4.16 (m, 2 H), 3.75 (m, 1 H), 3.71−3.67 (m, 3 H), 3.62 (m, 4 H); MS(ESI) m/z 307 (M+H)。
【0140】
NMP0.5mL中の2−ヒドロキシカルバゾール(45mg、0.25ミリモル)および2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(82mg、0.27ミリモル)に、CsCO(82mg、0.25ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下、室温で15時間撹拌し、EtO(50mL)で希釈した。それを水(3×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中5%〜50%EtOAc)で精製して、所望の生成物を白色の固体として得た(37mg、47%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.02 (s, 1 H), 7.96 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 7.91 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.38−7.33 (m, 2 H), 7.20 (m, 1 H), 6.91 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 6.86 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 4.63 (m, 1 H), 4.51 (m, 1 H), 4.21 (m, 2 H), 3.90 (m, 2 H), 3.80−3.76 (m, 3 H), 3.74−3.71 (m, 3 H); MS(ESI) m/z 318 (M+H)。
【0141】
AD−CB−003P−WZ0141の合成
【化45】
NMP5mL中の2−ヒドロキシカルバゾール(183mg、1ミリモル)および2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(687mg、1.5ミリモル)に、CsCO(326mg、1ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下、室温で15時間撹拌し、EtO(100mL)で希釈した。それを水(3×100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中5%〜60%EtOAc)で精製して所望の生成物を白色の固体として得た(165mg、35%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.21 (s, 1 H), 7.95 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 7.91 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.77−7.75 (m, 2 H), 7.37−7.30 (m, 2 H), 7.28 (s, 1 H), 7.25 (m, 1 H), (td, J = 7.6, 1.2 Hz, 1 H), 6.92 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 6.83 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 4.15 (m, 4 H), 3.84 (m, 2 H), 3.69−3.65 (m, 4 H), 3.62−3.59 (m, 2 H), 2.38 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 470 (M+H), 492 (M+Na)。
【0142】
AD−CB−004S−WZ01165
【化46】
アセトン25mL中の4−クロロ−3−ニトロフェノール(1.74g、10ミリモル)およびベンジル臭化物(2.05g、12ミリモル)に、KCO(2.76g、20ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下、60℃で4時間加熱し、室温まで冷却した。それを濾過し、固体をエーテル(80mL)で洗浄し、合した濾液を濃縮し、クロマトグラフィー法で分離して(ヘキサン中EtOAc、3%〜30%勾配)、4−(ベンジルオキシ)−1−クロロ−2−ニトロベンゼンを淡黄色の固体として得た(2.5g、95%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.46 (d, J = 2.8 Hz, 1 H), 7.42−7.34 (m, 5 H), 7.11 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1 H), 5.08 (s, 2 H); MS(ESI) m/z 264 (M+H)。
【0143】
ジオキサン12mL中の4−(ベンジルオキシ)−1−クロロ−2−ニトロベンゼン(526mg、2ミリモル)およびtert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカルバメート(670mg、2.1ミリモル)に、4mLの1M NaCO(水)溶液およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(69mg、0.06ミリモル)を添加した。懸濁液をAr雰囲気下で15時間加熱還流し、室温まで冷却した。それにEtOAc(100mL)を添加し、ブライン(80mL)、水(80mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィー法で分離して(ヘキサン/EtOAc)、tert−ブチル4’−(ベンジルオキシ)−2’−ニトロビフェニル−4−イルカルバメートを黄色の固体として得た(740mg、88%)。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.44−7.34 (m, 8 H), (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.20−7.16 (m, 3 H), 6.50 (s, 1 H), 5.12 (s, 2 H), 1.51 (s, 9 H); MS(ESI) m/z 443 (M+Na)。
【0144】
tert−ブチル4’−(ベンジルオキシ)−2’−ニトロビフェニル−4−イルカルバメート(740mg、1.67ミリモル)のトリエチルホスファイト2mL中の懸濁液を、Ar雰囲気下145℃で15時間加熱し、室温まで冷却した。それに10mLのヘキサンを添加し、10分間静置した。濾過によって固体を回収し、エーテル/ヘキサン(v:v 1/1、10mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて、tert−ブチル7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−イルカルバメートを灰白色の固体として得た(480mg、74%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.89 (s, 1 H), 7.83−7.78 (m, 3 H), 7.46 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.38 (m, 2 H), 7.32 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 6. 94 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.88 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 6.83 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.60 (s, 1 H), 5.15 (s, 2 H), 1.52 (s, 9 H); MS(ESI) m/z 389 (M+H)。
【0145】
MeOH50mL中のtert−ブチル7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−イルカルバメート(220mg、0.56ミリモル)に、パラジウム活性炭(80mg)を添加した。混合物をH雰囲気下室温で3時間撹拌した。固体を濾去し、濾液を濃縮して、tert−ブチル7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イルカルバメートを褐色の固体として得た(165mg、100%)。この材料は精製を行わずにそのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/z 619(2M+Na)。
【0146】
NMP2mL中のtert−ブチル7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イルカルバメート(165mg、0.55ミリモル)および2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(202mg、0.66ミリモル)に、CsCO(179mg、0.55ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下、室温で15時間撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈した。それを水(3×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィー法で分離して(ヘキサン/EtOAc)、tert−ブチル7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−2−イルカルバメートを白色固体として得た(130mg、55%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.94 (s, 1 H), 7.83−7.79 (m, 3 H), 6.91 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.86 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.83 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 6.63 (s, 1 H), 4.64 (m, 1 H), 4.51 (m, 1 H), 4,21 (m, 2 H), 3.91 (m, 2 H), 3.81−3,71 (m, 6 H), 1.55 (s, 9 H); MS(ESI) m/z 433 (M+H)。
【0147】
tert−ブチル7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−2−イルカルバメート(130mg、0.3ミリモル)に、ジオキサン溶液中4M HCl 10mLを添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をエーテル(15mL)で洗浄し、EtOAc(50mL)に懸濁した。この懸濁液に10mLのNaHCO(飽和)を添加し、混合物を5分間撹拌した。有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮して、7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−2−アミンを褐色の固体として得た(95mg、95%)。MS(ESI)m/z 333(m+H)。
【0148】
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−2−アミン(95mg、0.28ミリモル)、パラホルムアルデヒド(43mg、1.43ミリモル)、およびNaOMe(492mg、25%MeOH溶液、2.3ミリモル)のMeOH 8mL中の混合物を、Ar雰囲気下で1.5時間加熱還流し、室温まで冷却した。この混合物に、NaBH(54mg、1.43ミリモル)を添加し、混合物を2時間加熱還流した。室温まで冷却した後、混合物を氷の上でクエンチした。それをエーテル(3×30mL)で抽出し、合した有機相をMgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)で精製して、7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−N−メチル−9H−カルバゾール−2−アミン(AD−CB−003P−WZ0141)を淡褐色の固体として得た(55mg、56%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.76 (s, 1 H), 7.77 (t, J = 8.8 Hz, 2 H), 6.78 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1 H), 6.77 (s, 1 H), 6.53 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.46 (s, 1 H), 4.62 9m, 1 H), 4.50 (m, 1 H), 4.13 (t, J = 5.2 Hz, 2 H), 3.85 (t, J = 5.2 Hz, 2 H), 3.83 (s, 1 H), 3.79−3.67 (m, 6 H), 2.87 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 347 (M+H)。
【0149】
AD−CB−004Pa−WZ01179
【化47】
tert−ブチル7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−イルカルバメート(200mg、0.51ミリモル)に、ジオキサン溶液中4M HCl 10mLを添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をエーテル(15mL)で洗浄し、EtOAc(50mL)に懸濁した。この懸濁液に、NaHCO(飽和)10mLを添加し、混合物を5分間撹拌した。有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮して、7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−アミンを褐色の固体として得た(150mg、100%)。H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 11.33 (s, 1 H), 7.99 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.92 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.42 (d, J=6.8 Hz, 2 H), 7.34−7.21 (m, 3 H), 7.27−7.23 (m, 1 H), 7.00−6.97 (m, 2 H), 6.81 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1 H), 5.12 (s, 2 H); MS(ESI) m/z 289(M+H)。
【0150】
7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−アミン(150mg、0.52ミリモル)、パラホルムアルデヒド(78mg、2.6ミリモル)およびNaOMe(900mg、25%MeOH溶液、4.16ミリモル)のMeOH 15mL中の混合物を、Ar雰囲気下で2時間加熱還流し、室温まで冷却した。この混合物にNaBH(98mg、2.6ミリモル)を添加し、混合物を2時間加熱還流した。室温まで冷却した後、混合物を氷(30g)の上でクエンチした。それをEtOAc(3×50mL)で抽出し、合した有機相をMgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)で精製して、7−(ベンジルオキシ)−N−メチル−9H−カルバゾール−2−アミンを淡褐色の固体として得た(130mg、82%)。H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 9.78 (s, 1 H), 7.72 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.66 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.49 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 7.37 (m, 2 H), 7.32−7.28 (m, 1 H), 6.98 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 6.78 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1 H), 6.56 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 6.49 (dd, J= 8.4, 2.4 Hz, 1 H), 5.13 (s, 2 H), 4.96 (s, 1 H), 2.82 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 303(M+H)。
【0151】
ピリジン3mL中の7−(ベンジルオキシ)−N−メチル−9H−カルバゾール−2−アミン(120mg、0.4ミリモル)、ギ酸(55mg、1.2ミリモル)およびDMAP(5mg、0.04ミリモル)に、EDC(230mg、1.2ミリモル)を少量ずつ添加した。混合物をAr雰囲気下、室温で3時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、水(2×50mL)、0.5M HCl(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を除去した後、粗生成物をクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)で精製して、N−(7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)−N−メチルホルムアミドを白色の固体として得た(110mg、83%)。H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 10.34 (s, 1 H), 8.49 (s, 1 H), 8.02 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.98 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.51 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 7.39 (m, 2 H), 7.34−7.28 (m, 1 H), 7.13 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 7.08 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1 H), 6.91 (dd, J= 8.4, 2.4 Hz, 1 H), 5.19 (s, 2 H), 3.31 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 331(M+H)。
【0152】
MeOH 50mL中のN−(7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)−N−メチルホルムアミド(110mg、0.33ミリモル)に、パラジウム活性炭(50mg)を添加した。混合物をH2雰囲気下、室温で15時間撹拌した。固体を濾去し、濾液を濃縮して、N−(7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イル)−N−メチルホルムアミドを褐色の固体として得た(75mg、94%)。この材料は精製を行わずにそのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/z241(M+H)。
【0153】
NMP 0.5mL中のN−(7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イル)−N−メチルホルムアミド(45mg、0.187ミリモル)および2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(172mg、0.38ミリモル)に、CsCO(65mg、0.2ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下、室温で15時間撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈した。それを水(2×50mL)、0.5M HCl(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)で精製して、2−(2−(2−(7−(N−メチルホルムアミド)−9H−カルバゾール−2−イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(AD−CB−004Pa−WZ01179)を淡褐色の油状物質として得た(48mg、48%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.52 (s, 1 H), 8.45 (s, 1 H), 7.95 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.90 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.80−7.77 (m, 2 H), 7.30 (d, J=8.0 Hz, 2 H), 7.17 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 7.02 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.01 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 1 H), 6.89 (dd, J= 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 4.23 (m, 1 H), 4.17 (m, 2 H), 3.88 (m, 2 H), 3.72−3.68 (m, 4 H), 3.66−3.61 (m, 2 H), 3.39 (s, 3 H), 2.41 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 527(M+H)。
【0154】
AD−CB−004Pb−WZ01191
【化48】
乾燥THF 5mL中のN−(7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)−N−メチルホルムアミド(140mg、0.42ミリモル)に、Ar雰囲気下、0℃で、NaH(50mg、油中60%、1.26ミリモル)を4回に分けて添加した。次に、混合物を室温で20分間撹拌し、それに続いてシリンジでtert−ブチルフェニルカーボネート(244mg、1.26ミリモル)の添加を行った。反応物を室温で3時間撹拌させ、氷(30g)の上でクエンチした。混合物をEtOAc(2×40mL)で抽出し、合した有機相をMgSOで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィー法で分離して、tert−ブチル2−(ベンジルオキシ)−7−(N−メチルホルムアミド)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレートを白色の固体として得た(120mg、66%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.56 (s, 1 H), 8.15 (s, 1 H), 7.98 (s, 1 H), 7.86 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.83 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.50−7.49 (m, 2 H), 7.43−7.39 (m., 2 H), 7.37−7.32 (m, 1 H), 7.13 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.05 (dd, J= 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 5.18 (s, 2 H), 3.41 (s, 3 H), 1.75 (s, 9 H); MS(ESI) m/z 431(M+H)。
【0155】
MeOH 50mL中のtert−ブチル2−(ベンジルオキシ)−7−(N−メチルホルムアミド)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレート(120mg、0.28ミリモル)に、パラジウム活性炭(50mg)を添加した。混合物をH2雰囲気下、室温で3時間撹拌した。固体を濾去し、濾液を濃縮して、tert−ブチル2−ヒドロキシ−7−(N−メチルホルムアミド)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレートを褐色の固体として得た(95mg、100%)。この材料は精製を行わずにそのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/z341(M+H)。
【0156】
NMP 0.5mL中のtert−ブチル2−ヒドロキシ−7−(N−メチルホルムアミド)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレート(65mg、0.19ミリモル)および2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(174mg、0.38ミリモル)に、CsCO(68mg、0.21ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下、室温で15時間撹拌し、EtOAc(80mL)で希釈した。それを水(3×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)で精製して、tert−ブチル2−(N−メチルホルムアミド)−7−(2−(2−(2−(トシルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−9−カルボキシレート(AD−CB−004Pb−WZ01191)を透明な油状物質として得た(75mg、63%)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.56 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.89 (s, 1 H), 7.87 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.83 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.79 (m, 2 H), 7.32 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.15 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.00 (dd, J= 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 4.23 (m, 1 H), 3.89 (m, 2 H), 3.88 (m, 2 H), 3.73−3.68 (m, 4 H), 3.66−3.63 (m, 2 H), 3.41 (s, 3 H), 2.42 (s, 3 H), 1.76 (s, 9 H); MS(ESI) m/z 527(M+H)。
【0157】
AD−CB−010S−WZ01183
【化49】
ジオキサン6mL中の4−(ベンジルオキシ)−1−クロロ−2−ニトロベンゼン(394mg、1.5ミリモル)、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ホルムアミド(370mg、1.5ミリモル)に、1M NaCO(水)溶液3mLおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(52mg、0.045ミリモル)を添加した。懸濁液をAr雰囲気下で15時間加熱還流し、室温まで冷却した。それをEtOAc(80mL)に添加し、ブライン(50mL)、水(2×80mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィー法で分離して(ヘキサン/EtOAc)、N−(4’−(ベンジルオキシ)−2’−ニトロビフェニル−4−イル)ホルムアミドを黄色の固体として得た(395mg、75%)。MS(ESI)m/z349(M+H)。
【0158】
N−(4’−(ベンジルオキシ)−2’−ニトロビフェニル−4−イル)ホルムアミド(350mg、1ミリモル)のトリエチルホスファイト2mL中の懸濁液を、Ar雰囲気下、145℃で15時間加熱し、室温まで冷却した。それをヘキサン10mLに添加し、10分間静置した。濾過によって固体を回収し、エーテル/ヘキサン(v:v 1/1、10mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて、N−(7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミドを淡褐色の固体として得た(280mg、88%)。MS(ESI)m/z317(M+H)。
【0159】
MeOH 50mL中のN−(7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミド(250mg、0.79ミリモル)に、パラジウム活性炭(60mg)を添加した。混合物をH2雰囲気下、室温で15時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させて、触媒と混ざったN−(7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミドを黒色の固体として得た(240mg)。この材料は精製を行わずにそのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/z227(M+H)。
【0160】
NMP 0.3mL中のN−(7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミド(30mg)および2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(48mg、0.156ミリモル)に、CsCO(42mg、0.13ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下、室温で15時間撹拌し、EtOAc(30mL)で希釈した。それを水(3×30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をクロマトグラフィー法で分離して(ヘキサン/EtOAc)、N−(7−(2−フルオロエトキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミド(AD−CB−010S−WZ01183)を白色の固体として得た(17mg、36%)。主なロトマー(rotomer)については:H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 10.10 (s, 1 H), 9.28 (s, 1 H), 8.39(d, J=1.6 Hz, 1 H), 8.11 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.91 (s, 1 H), 7.87 (d, J=8.4, Hz, 2 H), 7.17 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.01 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 6.80 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 4.58 (m, 1 H), 4.46 (m, 1 H), 4,21 (m, 2 H), 3.88 (m, 2 H), 3.77 (m, 1 H), 3.73−3.66 (m, 5 H); MS(ESI) m/z 361(M+H)。
【0161】
AD−CB−012S−WZ01185
【化50】
AD−CB−010S−WZ01183の調製と同じ手順を用い、化合物AD−CB−012S−WZ01185を調製した。主なロトマー(rotomer)については:H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 10.08 (s, 1 H), 9.19 (s, 1 H), 8.26(d, J=1.6 Hz, 1 H), 8.00 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.84−7.77 (m, 3 H), 7.07 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.93 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 6.69 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 4.73 (m, 1 H), 4.61 (m, 1 H), 4,24 (m, 1 H), 4.17 (m, 1 H); MS(ESI) m/z 273(M+H)。
【0162】
AD−CB−024S−WZ02033
【化51】
AD−CB−010S−WZ01183の調製と同じ手順を用い、化合物AD−CB−024S−WZ02033を調製した。主なロトマー(rotomer)については:H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 10.19 (s, 1 H), 9.31 (s, 1 H), 8.38(d, J=1.6 Hz, 1 H), 8.11 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.88 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 7.19 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.03 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 6.79 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 4.62 (m, 1 H), 4.50 (m, 1 H), 4,20 (m, 2 H), 3.88 (m, 2 H), 3.83 (m, 1 H), 3.75 (m, 1 H); MS(ESI) m/z 317(M+H)。
【0163】
AD−CB−013S−WZ−02001
【化52】
酢酸パラジウム(37mg、0.165ミリモル)およびBINAP(154mg、0.248ミリモル)のジオキサン5mL中の混合物を、Ar雰囲気下で10分間撹拌した。この混合物に1−ブロモ−4−ニトロベンゼン(1.11g、5.5ミリモル)、4−メトキシアニリン(745mg、6.07ミリモル)、CsCO(2.5g、7.73ミリモル)およびジオキサン10mLを添加した。混合物を15時間加熱還流し、冷却し、エーテル(80mL)で希釈した。固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー法で分離して(ヘキサン/EtOAc)、4−メトキシ−N−(4−ニトロフェニル)アニリンを黄色の固体として得た(786mg、58%)。MS(ESI)m/z245(M+H)。
【0164】
AcOH 5mL中の4−メトキシ−N−(4−ニトロフェニル)アニリン(785mg、3.2ミリモル)に、Pd(OAc)2(1.43g、6.4ミリモル)を添加した。混合物を空気雰囲気下、100℃で15時間加熱し、室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(100mL)に溶かし、NaHCO(2×100mL)および水(100mL)で洗浄した。溶媒を除去した後、粗物質(the crude)をクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)で精製して、3−メトキシ−6−ニトロ−9H−カルバゾールを橙色の固体として得た(495mg、64%)。H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 10.90 (s, 1 H), 9.09 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 8.27 (dd, J=9.2, 2.4 Hz, 1 H), 7.96 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 7.62 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 7.53 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.14 (dd, J=8.8, 2.8 Hz, 1 H), 3.92 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 243(M+H)。
【0165】
MeOH 40mL中の3−メトキシ−6−ニトロ−9H−カルバゾール(100mg、0.41ミリモル)に、パラジウム活性炭(50mg)を添加した。混合物をH2雰囲気下、室温で5時間撹拌した。固体を濾去し、濾液を濃縮して、6−メトキシ−9H−カルバゾール−3−アミンを褐色の固体として得た(80mg、92%)。この材料は精製を行わずにそのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/z213(M+H)。
【0166】
NMP 0.3mL中の6−メトキシ−9H−カルバゾール−3−アミン(16mg、0.075ミリモル)および1−ブロモ−2−フルオロエタン(48mg、0.375ミリモル)に、CsCO(30mg、0.09ミリモル)を添加した。混合物をAr雰囲気下、室温で72時間撹拌し、EtOAc(30mL)で希釈した。それを水(3×30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣を逆相HPLC(バッファーA:0.05%TFA水溶液;バッファーB:MeCN中0.05%TFA)により精製して、淡褐色の蝋状物を得た(5mg、26%)。H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 7.75 (s, 1 H), 7.67 (s, 1 H), 7.52 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 7.35 (t, J=9.6 Hz, 2 H), 7.14 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.00 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1 H), 4.81 (t, J=5.2 Hz, 1 H), 4.69 (t, J=4.8 Hz, 1 H), 3.89 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 259(M+H)。
【0167】
CB14〜16、19および20の合成スキーム
【化53】
7−((4−フルオロブチル)(メチル)アミノ)−9H−カルバゾール−2−オール(CB−14)
【化54】
DMF(1ml)中の化合物6(21mg、0.073ミリモル)を含有する丸底フラスコに、炭酸セシウム(28.5mg、0.087ミリモル)および1−ブロモ−4−フルオロブタン(56.4mg、0.364ミリモル)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。反応物をEtOAc(15mL×3)および水(10mL)で後処理した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ、真空濃縮した。残渣をMeOH(10ml)に溶かした。反応混合物に、Pd/C(22mg)を添加した。混合物を水素(1気圧)下、室温で一晩撹拌した。反応物をセライトプラグに通して濾過し、真空濃縮し、HPLCで精製して、CB−14を得た(11mg、0.029ミリモル、収率40.3%)。H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.74 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.85 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.25 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.85 (s, 1H), 6.73 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.44 (m, 1H), 4.32 (m, 1H), 3.70 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 1.74−1.67 (m, 4H); C1919+HについてのLRMS, 計算値: 384.1, 実測値: 287.2(M+H−TFA)。
【0168】
7−((2−フルオロエチル)(メチル)アミノ)−9H−カルバゾール−2−オール(CB−15)
【化55】
DMF(0.5ml)中の化合物6(37mg、0.122ミリモル)を含有する丸底フラスコに、炭酸セシウム(47.8mg、0.147ミリモル)および1−ブロモ−2−フルオロエタン(78mg、0.612ミリモル)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。反応物をEtOAc(15mL×3)および水(10mL)で後処理した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ、真空濃縮した。残渣をMeOH(10ml)に溶かした。反応混合物に、Pd/C(22mg)を添加した。混合物を水素(1気圧)下、室温で一晩撹拌した。反応物をセライトプラグに通して濾過し、真空濃縮し、HPLCで精製して、CB−15を得た(5mg、0.019ミリモル、収率7.3%)。H−NMR (400 MHz, CDCN) δ: 7.96 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.87 (d, J =8.4 Hz, 1H), 7.31 (d, J =2.0 Hz, 1H), 7.05 (dd, J=8.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.76 (dd, J=8.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 4.86 (m, 1H), 4.74 (m, 1H), 4.60−4.52 (m, 2H), 3.28 (br, 1H), 3.03 (s, 3H); C1715+HについてのLRMS, 計算値: 356.1, 実測値: 259.2(M+H−TFA)。
【0169】
7−(2−フルオロエチルアミノ)−9H−カルバゾール−2−オール(CB−16)
【化56】
DMF(1ml)中の化合物5(21mg、0.073ミリモル)を含有する丸底フラスコに、炭酸セシウム(28.5mg、0.087ミリモル)および1−ブロモ−2−フルオロエタン(46mg、0.36ミリモル)を添加した。反応物を室温で72時間撹拌した。反応物をEtOAc(15mL×3)および水(10mL)で後処理した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ、真空濃縮した。残渣をMeOH(10ml)に溶かした。反応混合物に、Pd/C(20mg)を添加した。混合物を水素(1気圧)下、室温で一晩撹拌した。反応物をセライトプラグに通して濾過し、真空濃縮し、HPLCで精製して、CB−16を得た(5mg、0.015ミリモル、収率20%)。H−NMR (400 MHz, CDCN) δ: 9.00 (br, 1H), 7.77−7.73 (m, 2H), 6.82 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.72−6.65 (m, 2H), 4.71 (m, 1H), 4.60 (m, 1H), 3.60−3.50 (m, 2H); C1613+HについてのLRMS, 計算値: 342.3, 実測値: 245.1(M+H−TFA)。
【0170】
7−((2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル)(メチル)アミノ)−9H−カルバゾール−2−オール(CB−19)
【化57】
DMF(0.5ml)中の化合物6(41mg、0.14ミリモル)を含有する丸底フラスコに、炭酸セシウム(53mg、0.16ミリモル)および2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(125mg、0.407ミリモル)を添加した。反応物を室温で4週間撹拌した。反応物をEtOAc(15mL×3)および水(10mL)で後処理した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ、真空濃縮した。残渣をMeOH(10ml)に溶かした。反応混合物に、Pd/C(20mg)を添加した。混合物を水素雰囲気(1気圧)下、室温で一晩撹拌した。反応物をセライトプラグに通して濾過し、真空濃縮し、HPLCで精製して、CB−19を得た(7mg、0.020ミリモル、収率14%。H−NMR (400 MHz, CDCN) δ: 9.43 (br, 1H), 8.07 ( (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.91 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.58 (d, J =2.4 Hz, 1H), 7.24 (dd, J=8.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 6.93 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.77 (dd, J=8.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 4.59 (m, 1H), 4.52 (m, 1H), 3.74−3.50 (m, 10H), 3.28 (s, 3H);C2123+NaについてのLRMS, 計算値: 444.2, 実測値: 347.2(M+H−TFA)。
【0171】
7−(2−フルオロエトキシ)−N−メチル−9H−カルバゾール−2−アミン(CB−20)
【化58】
MeOH(10ml)中の化合物6(90mg、0.29ミリモル)を含有する丸底フラスコに、Pd/C(20mg)を添加した。反応物を水素でパージし、水素雰囲気(1気圧)下、室温で2時間を撹拌した。反応物をセライトプラグに通して濾過し、真空濃縮して、暗色の固体を得た(60mg、0.28ミリモル、収率95%)。DMF(0.5mL)中の上記暗色固体(15mg、0.071ミリモル)を含有する丸底フラスコに、炭酸セシウム(21mg、0.65ミリモル)および2−ブロモ−1−フルオロエタン(8.1mg、0.065ミリモル)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応物を、MeCN共蒸発を介して真空濃縮した。残渣をHPLCで精製して、CB−20を得た(7.0mg、0.027ミリモル、収率38%)。H NMR (400 MHz, CDCN) δ: 9.52 (br, 1H), 7.91−7.86 (m, 2H), 7.13 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.88 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.82 (dd, J=7.6 Hz, J=2.4 Hz 1H), 4.85 (m, 1H), 4.72 (m, 1H), 4.34−4.25 (m, 2H), 2.96 (s, 3H); C1715+HについてのLRMS, 計算値: 356.1, 実測値: 259.1(M+H−TFA)。
【0172】
CB25、26の合成スキーム:
【化59】
4’−(ベンジルオキシ)−2’−ニトロビフェニル−4−オール(化合物7)
【化60】
化合物2(1.96g、7.44ミリモル)、4−ヒドロキシフェニルボロン酸ピナコールエステル(1.56g、7.09ミリモル)、テトラキス(terakis)(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.410g、0.354ミリモル)を装入した丸底フラスコをアルゴンでパージした。混合物に、DME(10ml)、および水(2ml)中の炭酸カリウム(1.96g、14.2ミリモル)を添加した。混合物を60時間加熱した。反応物をHCl(1N、10mL)およびブライン(40mL)で希釈し、次にEtOAc(50mL×3)で抽出した。合した有機層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製して(EtOAc:ヘキサン=1:4)、化合物7を黄色の固体として得た(2g、6.22ミリモル、収率88%)。H−NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.45−7.33 (m, 7H), 7.37−7.15 (m, 3H), 6.88−6.85 (m, 2H), 5.14 (s, 2H), 5.03 (s, 1H); C1915NO+HについてのLRMS, 計算値: 322.1, 実測値: 322.1(M+H)。
【0173】
7−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール−2−オール(化合物8)
【化61】
耐圧バイアルに、化合物7(2.00g、6.22ミリモル)およびトリエチルホスファイト(6.53ml、37.3ミリモル)を添加した。混合物を160℃まで一晩加熱した。反応混合物を真空濃縮した。残渣をクロロホルム(20mL)に懸濁し、固体沈殿物が生じ、それを濾過し、エーテル(10mL×2)で洗浄して、化合物8を得た(900mg、3.11ミリモル、収率50.0%)。H−NMR (400 MHz, DMSO) δ: 10.81 (br, 1H), 9.25 (br, 1H), 7.80 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.72 (d, J=8.4 Hz , 1H), 7.50−7.33 (m, 5H), 6.95 (s, 1H), 6−78−6.76 (m, 2H), 6.56 (dd, J=8.4, 2.0 Hz 1H), 5.16 (s, 2H); C1915NO+HについてのLRMS, 計算値: 290.1, 実測値: 290.1(M+H)。
【0174】
7−(2−フルオロエトキシ)−9H−カルバゾール−2−オール(CB−25)
【化62】
DMF(1ml)中の化合物8(50mg、0.17ミリモル)を含有する丸底フラスコに、炭酸セシウム(62mg、0.19ミリモル)および1−ブロモ−2−フルオロエタン(33mg、0.26ミリモル)を添加した。反応物を室温で15時間撹拌し、次に水(15mL)で希釈した。白色の沈殿物(50mg)を濾過によって回収し、真空乾燥させた。固体をMeOH(10mL)に溶かした。反応物に、Pd/C(30mg)および酢酸(5滴)を添加した。混合物を水素雰囲気(1気圧)下で20時間撹拌し、次にセライトプラグに通して濾過し、真空濃縮した。残渣をHPLCで精製して、CB−25を得た(18mg、0.053ミリモル、収率31%)。H NMR (400 MHz, CDCN) δ: 8.99 (br, 1H), 7.72 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.67 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.88 (d, J =2.0 Hz, 1H), 6.76 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.67 (dd, J=8.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 6.58(dd, J=8.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 4.75−4.74 (m, 1H), 4.63−4.61 (m, 1H), 4.23−4.13 (m, 2H); C1612NO+HについてのLRMS, 計算値: 343.1, 実測値: 246.0(M+H−TFA)。
【0175】
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−2−オール(CB−26)
【化63】
DMF(1ml)中の化合物8(50mg、0.17ミリモル)を含有する丸底フラスコに、炭酸セシウム(56mg、0.17ミリモル)および2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(53mg、0.17ミリモル)を添加した。反応物を室温で15時間撹拌し、次に水(15mL)で希釈した。白色の沈殿物(72mg)を濾過によって回収し、真空乾燥させた(in vacou)。固体をMeOH(10mL)に溶かした。反応物に、Pd/C(20mg)および酢酸(5滴)を添加した。混合物を水素(1気圧)雰囲気下で20時間撹拌し、次にセライトプラグに通して濾過し、真空濃縮した。残渣をHPLCで精製して、CB−26を得た(20mg、0.046ミリモル、収率27%)。H NMR (400 MHz, CDCN) δ: 9.03 (br, 1H), 7.81−7.75 (m, 2H), 6.96 (d, J =2.4 Hz, 1H), 6.84 (d, J=2.4 Hz, 1H), 6.76 (dd, J=7.6 Hz, 2.0 Hz, 1H), 6.67(dd, J=7.6 Hz, 2.0 Hz, 1H), 4.59−4.57 (m, 1H), 4.47−4.45 (m, 1H), 4.17−4.15 (m, 2H), 3.83−3.63 (m, 8H); C2020NO+HについてのLRMS, 計算値: 431.1, 実測値: 334.1(M+H−TFA)。
【0176】
CB27の合成スキーム:
【化64】
tert−ブチル7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イルカルバメート(化合物9)
【化65】
MeOH(150mL)中の化合物4(1.0g、2.6ミリモル)を含有する丸底フラスコに、パラジウム炭素(400mg)を添加した。そのフラスコを水素ガスでパージし、水素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物をセライトプラグに通して濾過し、濃縮して、化合物9を灰色の固体として得た(700mg、2.34ミリモル、収率90%)。H NMR (400 MHz, (CDCO) δ: 9.99 (br, 1H), 8.41 (br, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.81−7.78 (m, 2H), 7.18 (dd, J =8.4 Hz, 2.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.70 (dd, J=8.4 Hz, 2.0 Hz, 1H), 1.51 (s, 9H)。
【0177】
tert−ブチル7−(4−ニトロフェノキシ)−9H−カルバゾール−2−イルカルバメート(化合物10)
【化66】
DMF(2mL)中の化合物9(80mg、0.268ミリモル)を含有する丸底フラスコに、炭酸カリウム(74.1mg、0.536ミリモル)および4−フルオロ−ニトロベンゼン(41.6mg、0.295ミリモル)を添加した。反応混合物を140℃で20分間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(20mL×3)で抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(EtOAc:ヘキサン=3:7)で精製して、化合物10を黄色の固体として得た(50mg、0.12ミリモル、収率44%)。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.22 (d, J =9.2 Hz, 2H), 8.10 (br, 1H), 8.00−7.90 (m, 3H), 7.12 (s, 1H), 7.06−6.90 (m, 4H), 6.70 (br, 1H), 1.56 (s, 9H).; C2321+HについてのLRMS, 計算値: 420.2, 実測値: 420.2(M+H)。
【0178】
tert−ブチル7−(4−ニトロフェノキシ)−9H−カルバゾール−2−イルカルバメート(CB−27)
【化67】
MeOH(5mL)中の化合物10(35mg、0.083ミリモル)を含有する丸底フラスコに、パラジウム炭素(10mg)を添加した。そのフラスコを水素ガスでパージし、水素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物をシリカゲルプラグに通して濾過し、濃縮して、アミン中間体を得た(23mg)。DCM(1mL)中2−フルオロプロパン酸(10.87mg、0.118ミリモル)が入ったバイアルに、EDC(22.64mg、0.118ミリモル)およびDMAP(1mg)を添加した。混合物を室温で5分間撹拌した。上記アミン中間体をDCM(1ml)に溶かし、それを反応バイアル中へ滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。次に反応混合物を水(3mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をHCl(ジオキサン中4.0M、5mL)に再び溶かし、一晩撹拌した。混合物を濃縮し、HPLCで精製して、CB−27を得た(12mg、0.026ミリモル、収率31%)。H NMR (400 MHz, CDCN) δ: 9.42 (br, 1H), 8.69 (br, 1H), 7.92 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.87 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.60 (m, 2H), 7.04−7.01 (m, 4H), 6.86 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.84 (d, J=8.0 Hz, 1H), 5.11 (dt, J=49.2, 6.8 Hz, 1H), 1.58 (dd, J=24.8, 6.8 Hz, 3H); C2318+HについてのLRMS, 計算値: 460.1, 実測値: 364.1(M+H−TFA)。
【0179】
カルバゾール誘導体の調製についての実験項
【化68】
4−(ベンジルオキシ)−N−(4−ニトロフェニル)アニリン1:炉乾燥させたフラスコに、Pd(OAc)(81mg、0.36ミリモル)および(S)−(−)−BINAP(336mg、0.54ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を装入した。混合物をAr下、室温で5分間撹拌した。この混合物に4−ニトロヨードベンゼン(3.0g、12ミリモル)、4−ベンジルオキシアニリンヒドロクロリド(3.39g、14.4ミリモル)、CsCO(9.8g、30ミリモル)およびトルエン(40mL)を添加した。得られる混合物をAr下、100℃で16時間加熱し、次に室温まで冷却し、HO(100mL)中へ注いだ。相を分離した。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合した有機層をブライン(2×20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過した。濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、5〜40%EtOAc/ヘキサン)を介して精製して、所望の生成物を橙色の固体として得た(1.2g、31%)。H NMR (CDCl, 400 MHz) δ: 8.09 (d, J=9.2 Hz, 2H), 7.30−7.49 (m, 5H), 7.15 (d, J=9.2 Hz, 2H), 7.01 (d, J=9.2 Hz, 2H), 6.77 (d, J=8.8 Hz, 2H), 6.10 (br s, 1H), 5.09 (s, 2H). MS:m/z=321(M+H
【0180】
3−(ベンジルオキシ)−9−ニトロ−9H−カルバゾール2:4−(ベンジルオキシ)−N−(4−ニトロフェニル)アニリン1(0.5g、1.56ミリモル)およびPd(OAc)(0.8g、3.56ミリモル)の酢酸(20mL)中の混合物を、還流し、TLCによりモニタリングした。2時間還流した後、TLCは出発材料が存在しないことを示した。それを真空濃縮して、酢酸を除去した。残渣をEtOAc(30mL)で希釈し、HO(20mL)、飽和NaHCO溶液(2×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、次に乾燥させ(MgSO)、濾過した。濾液を真空濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、5〜40%EtOAc/ヘキサン)を介して精製して、所望の生成物2を濃黄色の固体として得た(100mg、20%)。H NMR (アセトン−d, 400 MHz) δ: 10.92 (br s, 1H), 9.08 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.28 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 8.07 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.63 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.55 (d, J=8.8 Hz, 3H), 7.40 (t, J=7.2 Hz, 2H), 7.33 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.24 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H). MS:m/z=319(M+H
【0181】
3−アミノ−6−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール3:3−(ベンジルオキシ)−9−ニトロ−9H−カルバゾール2(100mg、0.31ミリモル)およびCu(OAc)(57mg、0.31ミリモル)のEtOH(20mL)懸濁液に、NaBH(240mg、6.3ミリモル)を添加した。得られる混合物を室温で3時間撹拌し、次に真空濃縮した。残渣をHO(30mL)に溶かし、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合した有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空濃縮して、固体を得た(90mg)。それは、さらなる精製を行わずにそのまま次の工程で使用した。H NMR (アセトン−d, 400 MHz) δ: 9.67 (br s, 1H), 7.57 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.52 (d, J=6.8 Hz, 2H), 7.39 (t, J=6.8 Hz, 2H), 7.26−7.33 (m, 3H), 7.19 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.03 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.81 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 5.17 (s, 2H), 4.24 (br s, 2H). MS:m/z=289(M+H
【0182】
6−(ベンジルオキシ)−N−メチル−9H−カルバゾール−3−アミン4:3−アミノ−6−(ベンジルオキシ)−9H−カルバゾール3(90mg、0.31ミリモル)およびパラホルムアルデヒド(47mg、1.57ミリモル)のMeOH(20mL)懸濁液に、NaOMeのMeOH溶液(0.32mL、1.56ミリモル)を添加した。得られる混合物を80℃で1時間加熱し、次にNaBH(59mg、1.55ミリモル)を添加した。得られる混合物を80℃で2時間加熱し、次に室温まで冷却した。この溶液に、NaOH(1N、30mL)を添加した。次に、混合物をCHCl(3×20mL)で抽出した。合した有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過した。濾液を真空濃縮して、褐色の固体(93mg、100%)を得た。それは、さらなる精製を行わずにそのまま次の工程で使用した。H NMR (アセトン−d, 400 MHz) δ: 9.68 (br s, 1H), 7.67 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.53 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.20−7.42 (m, 6H), 7.03 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.79 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1H), 5.17 (s, 2H), 2.85 (s, 3H). MS:m/z=303(M+H
【0183】
6−(メチルアミノ)−9H−カルバゾール−3−オール5:6−(ベンジルオキシ)−N−メチル−9H−カルバゾール−3−アミン4(93mg、0.31ミリモル)、Pd/C(10mg)および酢酸(10滴)のMeOH(10mL)中の混合物を、室温で1.5時間水素化した。それを短セライトパッドに通した。濾液を真空濃縮して、所望の生成物5を得た(66mg)。それは、さらなる精製を行わずにそのまま次の工程で使用した。MS:m/z=213(M+H
【0184】
[3−(ベンジルオキシ)−6−(ジメチルアミノ)−9H−カルバゾール−9−イル]メタノール7:6−(ベンジルオキシ)−N−メチル−9H−カルバゾール−3−アミン4(110mg、0.38ミリモル)およびホルムアルデヒド水溶液(37%、1.0mL)のアセトニトリル(30mL)溶液に、NaB(OAc)(323mg、1.52ミリモル)を添加した。得られる混合物を室温で6時間撹拌し、次に濃縮した。残渣をHO(30mL)に溶かし、CHCl(2×30mL)で抽出した。合した有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過した。濾液を真空濃縮して、所望の生成物を得た(0.12g)。それは、さらなる精製を行わずにそのまま次の工程で使用した。MS:m/z=347(M+H
【0185】
6−(ジメチルアミノ)−9−(メトキシメチル)−9H−カルバゾール−3−オール8:[3−(ベンジルオキシ)−6−(ジメチルアミノ)−9H−カルバゾール−9−イル]メタノール7(120mg、)、Pd/C(100mg)および酢酸(触媒量)のMeOH(15mL)中の混合物を、室温で4時間水素化した。それを短セライトパッドに通して濾過した。濾液を真空濃縮して、所望の生成物を得た(94mg、100%)。H NMR (アセトン−d, 400 MHz) δ: 7.38−7.50 (m, 4H), 7.05 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.97 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1H), 5.62 (s, 2H), 3.20 (s, 3H), 2.94 (s, 6H). MS:m/z=271(M+H
【0186】
【化69】
O−アルキル化カルバゾール誘導体の調製のための一般的手順:カルバゾール−3−オール誘導体(1当量)およびCsCO(1.5当量)のDMF(10mL)溶液に、2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル−4−メチルベンゼンスルホネート(1.2当量)のDMF(1.0mL)溶液を添加した。得られる混合物を室温で一晩撹拌し、次に真空濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、5〜50%EtOAc/ヘキサン)を介して精製して、所望の生成物を得た。
【0187】
6−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−N−メチル−9H−カルバゾール−3−アミン6:(3 mg, 5%). H NMR (アセトン−d, 400 MHz) δ: 7.59 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.28−7.33 (m, 2H), 7.26 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.97 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.85 (dd, J=8.8, 2.0 Hz, 1H), 4.51 (dt, J=48, 4.0 Hz, 2H), 4.19 (t, J=4.4 Hz, 2H), 3.61−3.88 (m, 8H), 3.87 (s, 3H). MS:m/z=347(M+H
【0188】
6−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9−(メトキシメチル)−N,N−ジメチル−9H−カルバゾール−3−アミン9:(50 mg, 36%). H NMR (アセトン−d, 400 MHz) δ: 7.68 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.46−7.52 (m, 3H), 7.04−7.08 (m, 2H), 5.66 (s, 2H), 4.52 (dt, J=48.4, 4.4 Hz, 2H), 4.21 (t, J=4.8 Hz, 2H), 3.63−3.87 (m, 8H). MS:m/z=405(M+H
【0189】
【化70】
アシル化カルバゾール誘導体の調製のための一般的手順:2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール(1.0当量)のDMF(3.0mL)溶液に、NaH(過剰)を添加した。室温で5分間撹拌した後、ハロゲン化アシル(過剰)を添加した。得られる混合物を室温で一晩撹拌し、次に真空濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜40%EtOAc/ヘキサン)を介して精製して、所望の生成物を得た。
【0190】
【化71】
1−(2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−9−イル)エタノン:(4 mg, 36%). H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 8.21 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.99−8.25 (m, 2H), 7.94 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.36−7.46 (m, 2H), 7.06 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1H), 4.52 (dt, J=48, 4.4 Hz, 2H), 4.27 (t, J=4.4 Hz, 2H), 3.89 (t, J=8.8 Hz, 2H), 3.64−3.78 (m, 6H), 2.91 (s, 3H). MS:m/z=360(M+H
【0191】
【化72】
1−(2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−カルバゾール−9−イル)フェニルメタノン:(51 mg, 78%). H NMR (CDCl, 400 MHz) δ: 7.84−7.92 (m, 2H), 7.62−7.74 (m, 3H), 7.53 (t, J=8.0 Hz, 2H), 7.27−7.33 (m, 2H), 7.17−7.23 (m, 1H), 6.99 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1H), 4.57 (dt, J=47.6, 4.4 Hz, 2H), 4.06 (t, J=4.8 Hz, 2H), 3.70−3.87 (m, 8H). MS:m/z=422(M+H
【0192】
2−(7−ホルムアミド−9H−カルバゾール−2−イルオキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネートの調製:AD−CB−012P−WZ02039
【化73】
AD−CB−012S−WZ01185)の調製と同じ手順を用い、N−(7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミド(100mg)およびエタン−1,2−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(325mg)から、化合物2−(7−ホルムアミド−9H−カルバゾール−2−イルオキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(AD−CB−012P−WZ02039)を調製した。(白色の固体、22mg、12%)。主なロトマー(rotomer)については:H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 10.19 (s, 1 H), 9.31 (s, 1 H), 8.38(d, J=1.6 Hz, 1 H), 8.11 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.90−7.81 (m, 4 H), 7.45 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.19 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.95 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 6.69 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 4.43−4.41 (m, 2 H), 4.29−4.27 (m, 2 H); MS(ESI) m/z 425(M+H)。
【0193】
N−(7−(4−フルオロブトキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミドの調製:AD−CB−30S−WZ02055
【化74】
AD−CB−012S−WZ01185)の調製と同じ手順を用い、N−(7−ヒドロキシ−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミド(20mg)および1−ブロモ−4−フルオロブタン(27mg)から、化合物N−(7−(4−フルオロブトキシ)−9H−カルバゾール−2−イル)ホルムアミド(AD−CB−30S−WZ02055)を調製した。(白色の固体、11mg、42%)。H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 10.18 (s, 1 H), 9.31 (s, 1 H), 8.39(d, J=2.0 Hz, 1 H), 8.11 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.95 (d, J=1.6 Hz, 2 H), 7.88 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.20 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.03 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 6.79 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1 H), 4.61 (m, 1 H), 4.49 (m, 1 H), 4.11 (m, 2 H), 1.97−1.88 (m, 4 H); MS(ESI) m/z 301(M+H)。
【0194】
2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−ピリド[2,3−b]インドール−7−アミンヒドロクロリドの調製:
【化75】
【0195】
WZ02045の調製:
DCM 40mL中の4−クロロ−3−ニトロアニリン(2.5g、14.5ミリモル)に、TEA(2.9g、29ミリモル)、DMAP(177mg、1.45ミリモル)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(4.7g、21.7ミリモル)を添加した。混合物を室温で24時間撹拌し、濃縮した。残渣をEt2O(100mL)で希釈し、ブライン(100mL)、水(100mL)、0.5M HCl(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、tert−ブチル4−クロロ−3−ニトロフェニルカルバメート(WZ02045)を黄色の固体として得た(1.5g、38%)。MS(ESI)m/z295(M+Na)。
【0196】
WZ02049の調製:
tert−ブチル4−クロロ−3−ニトロフェニルカルバメート(818mg、3ミリモル)、2−(ベンジルオキシ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(933mg、3ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(104mg、0.09ミリモル)、ジオキサン10mL、および1M NaCO 6mLの混合物を15時間加熱還流した。それをEtO 50mLで希釈し、ブライン(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、tert−ブチル4−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)−3−ニトロフェニルカルバメート(WZ02049)を黄色の蝋状物として得た(1.2g、95%)。MS(ESI)m/z444(M+Na)。
【0197】
WZ02057の調製:
上記化合物(800mg、1.9ミリモル)のトリエチルホスファイト2mL中の懸濁液を148℃で15時間加熱した。冷却した後、それを減圧下で濃縮して、揮発性物質を除去した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、tert−ブチル2−(ベンジルオキシ)−9H−ピリド[2,3−b]インドール−7−イルカルバメート(WZ02057)を灰白色の固体として得た(400mg、54%)。MS(ESI)m/z390(M+H)。
【0198】
WZ02061の調製:
MeOH 80mLに溶解した上記化合物(220mg、0.56ミリモル)に、パラジウム活性炭(80mg)を添加した。混合物をH雰囲気下、室温で15時間撹拌した。固体を濾去し、濾液を濃縮して、tert−ブチル2−ヒドロキシ−9H−ピリド[2,3−b]インドール−7−イルカルバメート(WZ02061)を白色の固体として得た(105mg、100%)。この材料は精製を行わずにそのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/z300(M+H)。
【0199】
WZ02063の調製:
NMP 1nL中の上記化合物(50mg、0.167ミリモル)に、2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(76mg、0.25ミリモル)およびCsCO(65mg、0.2ミリモル)を添加した。混合物を室温で15時間撹拌し、Et2O(40mL)で希釈し、水(3×30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、tert−ブチル2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−ピリド[2,3−b]インドール−7−イルカルバメート(WZ02063)を透明な蝋状物として得た(45mg、62%)。MS(ESI)m/z434(M+H)。
【0200】
AD−CB−032S−WZ02067の調製:
上記化合物(45mg、0.1ミリモル)を、室温で5時間ジオキサン溶液中4M HCl 2mLで処理し、減圧下で濃縮した。残渣をエーテル(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させ、2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−ピリド[2,3−b]インドール−7−アミンヒドロクロリド(AD−CB−032S−WZ02067)を淡黄色の固体として得た(23mg、62%)。H NMR (400 MHz, メタノール−d4) δ 8.42 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 8.12 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.53 (d, J=2.0Hz, 1 H), 7.21 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.77 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 4.58−4.54 (m 3 H), 4.43 (m, 1 H), 3.91 (m, 2 H), 3.76−3.72 (m, 3 H), 3.70−3.66 (m, 3 H); MS(ESI) m/z 334(M+H)。
【0201】
2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−N−メチル−9H−ピリド[2,3−b]インドール−7−アミンの調製:AD−CB−034S−WZ02069
AD−CB−004Sの調製と同じ手順を用い、2−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−9H−ピリド[2,3−b]インドール−7−アミンヒドロクロリド(AD−CB−032S−WZ02067、20mg)から、化合物AD−CB−034S−WZ02069を調製した(10mg、53%)。H NMR (400 MHz, メタノール−d4) δ 8.06 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.66 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 6.65 (d, J=2.0Hz, 1 H), 6.58 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.53 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 4.58 (m 1 H), 4.53−4.45 (m, 3 H), 3.88 (m, 2 H), 3.76 (m, 1 H), 3.73−3.67 (m, 5 H), 3.03 (s, 3 H); MS(ESI) m/z 348(M+H)。
【0202】
6−ブロモ−9H−カルバゾール−2−オールの調製:W138
【化76】
【0203】
WZ02013の調製:
DMF 10mLおよびDCM 20mL中の9H−カルバゾール−2−オール(915mg、5ミリモル)に、TEA(1.0g、10ミリモル)、続いて、塩化アセチル(589mg、7.5ミリモル)を0℃で添加した。次に反応混合物を室温で1時間撹拌し、氷(50g)上へ注いだ。混合物をEtOAc(2×60mL)で抽出し、合した有機相をMgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィーにより精製して、9H−カルバゾール−2−イルアセテート(WZ02013)を灰白色の固体として得た(800mg、71%)。MS(ESI)m/z348(M+H)。
【0204】
WZ02025の調製:
9H−カルバゾール−2−イルアセテート(500mg、2.2ミリモル)のDCM(40mL)溶液に、NBSのDCM 25mL中溶液を室温で滴下した。反応混合物を暗所で5時間撹拌した。それを水(3×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、6−ブロモ−9H−カルバゾール−2−イルアセテート(WZ02025)を灰白色の固体として得た(250mg、17%の二臭素化物を含有)。MS(ESI)m/z305(M+H)。
【0205】
W138の調製:
6−ブロモ−9H−カルバゾール−2−イルアセテート(200mg、0.65ミリモル)のMeOH 30mLおよび1.0M LiOH水溶液4mL中の懸濁液を5時間撹拌した。それを1M HClで中和し、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、6−ブロモ−9H−カルバゾール−2−オール(W138)を灰白色の固体として得た(125mg、15%の二臭素化物を含有)。H NMR (400 MHz, アセトン−d6) δ 8.58 (s, 1 H), 8.10 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 1 H), 7.92 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.42 (dd, J=8.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.35 (s, 1 H), 7.13 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 6.92 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 6.76 (dd, J=8.8, 2.0 Hz, 1 H); MS(ESI) m/z 263(M+H)。
【0206】
アミロイド(AD患者の脳切片)オートラジオグラフィー染色を用いた生体外競合アッセイ
カルバゾール系のAD造影剤は、これまでに確認されている、別のもので達成された結果と比較すると、驚くほど良好な品質を示す。先行技術のデータは、より高いLogP値を有する化合物がより高いアミロイド親和性を有することを示唆するが、これらの同じ化合物は高非特異的結合、つまり、不十分な脳洗い出しを欠点としてもち得る(J.Molecular Neuroscience 2003,20,255−260)。本出願において開示する研究では、LogP値の代わりにcLogP値を使用した。
【0207】
4つの異なるトレーサー:CB−001、CB−003、FDDNPおよびF−PiBについての灰白質−白質結合比を調べるための研究を行った(米国特許出願第12/372,717号の図7および図8)。この研究では、公知のカルバゾール含有造影剤である18F−フルオロカラゾロールを調べなかったが、その理由は、FDDNPおよびPiBと比較して18F−フルオロカラゾロールのcLogP値が比較的低く(2.77)、βアドレナリン受容体への特異的取り込みが競合することであった。その上、18F−フルオロカラゾロールがAD斑と結合することを示す先行技術データもない。AD患者のヒト脳切片を所定のトレーサーとともに30分間インキュベートした後、灰白質−白質比を最適化するための試みとして、切片を様々なEtOH:水の溶液で洗浄した(米国特許出願第12/372,717号の図9)。結果は、別の研究者らによって行われたこれまでの研究を考えると驚くべきものであり、予想外であった。CB−001は、FDDNPより少し高いcLogPを有し(3.4に対して3.8)、これらの値に基づき、その洗い出しはFDDNPよりも不十分であると予想される。しかし、cLogP値の違いにもかかわらず、CB−001は、FDDNPと比較して非特異的結合傾向が低く、はるかに優れた灰白質−白質比を示す(上記部分を参照、「初期洗浄(original wash)」)。より具体的には、FDDNPの白質結合はCB−001の白質結合よりも数階調濃く、CB−001の非特異的結合が低いことを示す。これに対して、cLogP値が3.99であるF−PiBは、全体的に非常に弱いシグナルを示すにもかかわらず、妥当な、CB−001と類似した結合比を示す。洗浄データは、カルバゾールの特有の結合特性および洗い出し特性から、カルバゾールがAD関連標的を画像化するための実行可能な新規標的であることを示唆する。
【0208】
これらの結果を詳しく説明するために、FDDNPと類似したcLogP値を有するトレーサーであるCB−003を調製し、試験した。厳しい洗浄条件よりもはるかに温和な洗浄条件を用いると(米国特許出願第12/372,717号の図9)、CB−003はFDDNP、PiBおよびCB−001から得られた結果をはるかに上回る優れた灰白質−白質結合比を示した。これらの有利な特有の結果は、CB−003が、生物系においてより有利な脳洗い出しを受け、より特異的な取り込みおよび非特異的結合の減少をもたらし、FDDNPおよびPiBイメージングと比較して明らかな利点をもたらすことを示唆する。
【0209】
洗浄結果の概要:
【表6】
【0210】
結果は、1)PiBは、濃度の増加に伴って[18F]−CB001染色を妨害し、2つの化合物が同じアミロイド結合ポケットを求めて競合することが示唆される;2)PiBは、コールドCB001と同じ強さのトレーサー結合をブロックするようであり、双方が類似した結合親和性を有することが示唆される;3)FDDNPは、アミロイド結合親和性が低いことに起因して、[18F]−CB001染色を妨害する可能性がかなり低い、ことを示す。
【0211】
このデータは(非特異的)白質結合について次の順序を示す:
FDDNP>CB001>[18F]−PiB>CB003
【0212】
オートラジオグラフィー染色を用いる生体外競合アッセイによる[18F]−PiBによるIC50の決定
【表7】
【0213】
これらのCB関連トレーサーをAD造影剤として用いる効率をさらに実証するために、CB−003を使用して、正常脳とAD脳とを明確に鑑別した(米国特許出願第12/372,717号の図10)。より具体的には、温和な洗浄プロトコールを用いることにより、アミロイド沈着は灰白質ではっきりと見えるが白質への取り込みはほとんどなかった。結果は抗体IHCおよびチオフラビンTアミロイド染色の両方によって実証し、取り込みの特異性を確認した。これらの驚くべき結果は、このトレーサーが、白質からの迅速な洗い出しと、AD斑に特有の灰白質における重要な高い取り込みという特有の性質を有することを示す。
【0214】
カルバゾールは、ヒトAD脳内の同じ結合部位を求めて18F−PiBと直接競合する(米国特許出願第12/372,717号の図11)。この驚くべき結果は、それらの異なる構造、ならびにAD斑との結合に必須と考えられるフェノール性OHおよび末端NH−Me基をCB−003が有していないことから考えると、予測できなかったことである。CB−003はこれらの官能基の両方を欠いているにもかかわらず、CB−003はそれでもなお、ヒトAD脳内の結合部位を求めて18F−PiBと競合する。その構造が単純であることから、CB−001およびCB−003の標識率は18F−PiBの標識率よりも各段に高く、良好である。
【0215】
表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイ
金表面に固定した標的タンパク質上にリガンドを導入し、結果として得られる結合および解離の速度を測定する、Biacore社の装置を用いてアッセイを開発し、可溶性ADオリゴマー、ポリマーおよび原線維と結合する様々な化合物を試験した(米国特許出願第12/372,717号の図12図17)。
【0216】
カルバゾール系は、可溶性凝集体(262nM)に優先して、不溶性凝集体(9nM)と有利にかつ優先的に結合する特有の驚くべき能力も示した(米国特許出願第12/372,717号の図12および図13)。また、PiBは、不溶性凝集体(16nM)と十分に結合するだけでなく、可溶性凝集体(48nM)とも基本的に同様に結合する(米国特許出願第12/372,717号の図14および図15)。トレーサーの不溶性凝集体への結合と可溶性凝集体への結合との鑑別が有利であるイメージング用途では、CB−003はより大きな結合比29:1をもたらすが、それに対してPiBは3:1という比しかもたらさない。このように、CB−003は、PiBと比較して、より選択性の高い結合情報をもたらす可能性がある。結果は、1)可溶性凝集体結合に関して、PIB>CB3>CB4であり;2)不溶性凝集体結合に関して、PIB=CB3>CB4であることを示す。
【0217】
WTマウスおよびAppマウスにおける[18F]−CB−001または[18F]−CB−003を用いるマイクロPETイメージング
結果は、1)WTマウスとAppマウスは脳内でのトレーサー保持において統計的に有意な差を示すこと(米国特許出願第12/372,717号の図18A図18Bおよび図19);2)AppマウスはWTマウスと比較して最大25%大きい脳/筋肉比を示すこと(米国特許出願第12/372,717号の図20および図21)を示している。カルバゾールは、マウス脳内への驚くべき高い取り込み(WTおよびAPPの両方)と、十分に緩やかな洗い出しの両方を示すので、WTマウスとAPPマウスとを識別することができる(米国特許出願第12/372,717号の図22および図23)。本明細書において提案するいかなる理論にも縛られることを望むものではないが、本発明者らは、これらの結果の背後にある理由は、CB−003が18F−PiBよりも速い洗い出し速度を有することであろうと推測し、これは染色データと一致する、つまり、18F−PiBは、妥当な灰白質−白質比を得るためにより厳しい洗浄条件を必要とする。CB−003の迅速な洗い出しは、恐らく、その低い非特異的結合の主要因であろうが、その洗い出しはWTとAPPとを識別するのに十分に緩やかである。これは、カルバゾールが、先行技術データからは明らかでない、ヒトAD脳内での優れた洗い出し特性と保持特性の特有の組合せを示すことを示唆する。また、中性化合物であるCB−003は、メチレンブルーなどの両性イオン系造影剤よりも大きな取り込み値を有するであろう。
【0218】
7−(3−フルオロプロピル)−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール*TFA:T793
【化77】
カルバゾール形成のための一般的な試験手順に従った。反応は、8.9mgスケールの2−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)−5−メチル−3−ニトロピリジンで行った。T793 3.6mg(45%)を白色の固体として単離した。H NMR (CDOD): δ 8.48 (1H, d, J=1.6 Hz), 8.39 (1H, d, J=1.6 Hz), 8.21 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.55 (1H, d, J=1.6 Hz), 7.34 (1H, d, J=8.4, 1.6 Hz), 4.52 (1H, t, J=6.0 Hz), 4.40 (1H, t, J=6.0 Hz), 2.97 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.68 (3H, s), 2.03−2.15 (2H, m); MS: 243(M+H)。
【0219】
7−(2−フルオロエチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール:T805
【化78】
カルバゾール形成のための一般的な試験手順に従った。(T794と同じ)反応は、28.5mgスケールの3−(4−(2−フルオロエチル)フェニル)−4−ニトロピリジンで行った。T805 13.3mg(54%)を白色の固体として単離した。H NMR (CDOD): δ 9.14 (1H, d, J=1.2 Hz), 8.31 (1H, d, J=5.6 Hz), 8.07 (1H, dd, J=8.0, 0.8 Hz), 7.40−7.43 (2H, m, overlapped), 7.17 (1H, dd, J=8.0, 1.6 Hz), 4.72 (1H, t, J=6.4 Hz), 4.60 (1H, t, J=6.4 Hz), 3.17 (1H, t, J=6.4 Hz), 3.11 (1H, t, J=6.4 Hz); MS: 215(M+H)。
【0220】
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール:T813
【化79】
tert−ブチル7−(2−ヒドロキシエチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール−5−カルボキシレート(9.0mg、0.0288ミリモル)のDMF(1.0mL)溶液に、NaH(鉱油中60%、3.6mg、0.09ミリモル)を添加した。混合物を15分間撹拌した後、2−(2−フルオロエトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(23mg、0.0878ミリモル)を添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、水で2回洗浄した。DCM層を分離し、TFA(DCM中10%TFA)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、HPLC(アセトニトリル/水)により精製して、T813 4.5mg(52%)を白色の固体として得た。H NMR (CDOD): δ 9.46 (1H, d, J=1.6 Hz), 8.51 (1H, dd, J=6.8, 0.8 Hz), 8.28 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.09 (1H, dd, J=6.8, 0.4 Hz), 7.76 (1H, d, J=0.8 Hz), 7.45 (1H, dd, J=8.4, 1.6 Hz), 4.79 (2H, m), 4.36 (1H, m), 4.25 (1H, m), 3.98 (2H, t, J=5.0 Hz), 3.88 (2H, t, J=6.8 Hz), 3.60 (1H, m), 3.53 (1H, m), 3.08 (2H, t, J=6.8 Hz); MS: 303(M+H)。
【0221】
T757およびT758の合成
【化80】
【0222】
3−(3−ニトロピリジン−2−イル)フェノールの調製。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(ferrocnee)]ジクロロパラジウム(II)、w/DCM(0.039g、0.047ミリモル)を、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(0.292g、1.325ミリモル)、2−クロロ−3−ニトロピリジン(0.15g、0.946ミリモル)、ヨウ化銅(I)(0.018g、0.095ミリモル)および炭酸カリウム(0.946ml、1.892ミリモル)を含有する溶液に添加した。反応物を110℃まで15分間加熱した。反応物を室温まで冷却した。水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合し、乾燥させ、濾過し、濃縮し、精製して、3−(3−ニトロピリジン−2−イル)フェノールを得た(0.1g、0.463ミリモル、収率48.9%)。
【0223】
2−(3−(2−フルオロエトキシ)フェニル)−3−ニトロピリジンの調製。水素化ナトリウム60%(0.021g、0.925ミリモル)を、3−(3−ニトロピリジン−2−イル)フェノール(0.2g、0.925ミリモル)および1−ブロモ−2−フルオロエタン(0.138ml、1.850ミリモル)を含有するDMF(容量:3.08ml)溶液に添加した。反応物を2時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合し、乾燥させ、濾過し、ヘキサン中35%酢酸エチルを用いるISCOカラムにより精製して、2−(3−(2−フルオロエトキシ)フェニル)−3−ニトロピリジンを得た(0.11g、0.419ミリモル、収率45.3%)。
【0224】
T757およびT758の調製。トリエチルホスファイト(1.100ml、6.29ミリモル)中の2−(3−(2−フルオロエトキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン(0.11g、0.419ミリモル)を125℃まで6時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、濃縮し、分取HPLCにより精製して、T757(0.005g、0.022ミリモル、収率5.18%)MS(ESI、Pos.)m/z:231.0[M+H]およびT758(0.005g、0.022ミリモル、収率5.18%)MS(ESI、Pos.)m/z:231.0[M+H]を得た。
【0225】
T789の合成
【化81】
【0226】
6’−フルオロ−5−ニトロ−6−フェニル−3,3’−ビピリジンの調製。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(ferrocnee)]ジクロロパラジウム(II)、w/DCM(7.32mg、8.96マイクロモル)を、5−ブロモ−3−ニトロ−2−フェニルピリジン(0.05g、0.179ミリモル)、(6−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸(0.025g、0.179ミリモル)、ヨウ化銅(I)(3.41mg、0.018ミリモル)および炭酸カリウム(0.134ml、0.269ミリモル)を含有するDMF(容量:0.597ml)溶液に添加した。反応物を110℃で15分間マイクロ波加熱した。反応物を室温まで冷却させた。反応物を水で希釈し、乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘキサン中0%〜25%酢酸エチルを用いるCombiflashで精製して、6’−フルオロ−5−ニトロ−6−フェニル−3,3’−ビピリジンを得た(0.03g、0.102ミリモル、収率56.7%)。
【0227】
T789の調製。6’−フルオロ−5−ニトロ−6−フェニル−3,3’−ビピリジン(0.03g、0.102ミリモル)およびトリエチルホスファイト(1ml、5.72ミリモル)を125℃まで3時間加熱した。反応物を室温まで冷却させた。濃縮し、PREP HPLCにより精製して、T789を得た(0.002g、7.60マイクロモル、収率7.48%)MS(ESI、Pos.)m/z:264.0[M+H]
【0228】
T810の合成
【化82】
【0229】
5−(ベンジルオキシ)−2−ブロモピリジンの調製。臭化ベンジル(1.367ml、11.49ミリモル)を、6−ブロモピリジン−3−オール(2g、11.49ミリモル)および炭酸カリウム(2.383g、17.24ミリモル)を含有するアセトン(容量:38.3ml)溶液に添加した。反応物を4時間撹拌させた。濃縮し、ヘキサン中15%酢酸エチルを用いるCombiflashにより精製して、5−(ベンジルオキシ)−2−ブロモピリジンを得た(2.5g、9.47ミリモル、収率82%)。
【0230】
5−(ベンジルオキシ)−2−(2−ニトロフェニル)ピリジンの調製。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(ferrocnee)]ジクロロパラジウム(II)、w/DCM(0.077g、0.095ミリモル)を、(2−ニトロフェニル)ボロン酸(0.316g、1.893ミリモル)、5−(ベンジルオキシ)−2−ブロモピリジン(0.5g、1.893ミリモル)、ヨウ化銅(I)(0.036g、0.189ミリモル)および炭酸カリウム(1.420ml、2.84ミリモル)を含有するDMF(容量:6.31ml)溶液に添加した。反応物を室温まで冷却させた。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層を合し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。ヘキサン中15%酢酸エチルを用いるCombiflashで精製して、5−(ベンジルオキシ)−2−(2−ニトロフェニル)ピリジンを得た(0.3g、0.979ミリモル、収率51.7%)。
【0231】
3−(ベンジルオキシ)−5H−ピリド[3,2−b]インドールの調製。トリエチルホスファイト(3ml、17.15ミリモル)および5−(ベンジルオキシ)−2−(2−ニトロフェニル)ピリジン(0.3g、0.979ミリモル)を125℃まで4時間加熱した。反応物を室温まで冷却させた。濃縮し、酢酸エチル、続いて、DCM中15%メタノールを用いるCombiflashカラムで精製して、3−(ベンジルオキシ)−5H−ピリド[3,2−b]インドールを得た(0.09g、0.328ミリモル、収率33.5%)。
【0232】
5H−ピリド[3,2−b]インドール−3−オールの調製。MeOH(容量:5ml)中の3−(ベンジルオキシ)−5H−ピリド[3,2−b]インドール(0.09g、0.328ミリモル)およびパラジウム炭素(Pd 10%)(0.035g、0.033ミリモル)を水素下で2時間撹拌した。濾過し、濃縮して、5H−ピリド[3,2−b]インドール−3−オールを得た(0.06g、0.326ミリモル、収率99%)。
【0233】
T810の調製。水素化ナトリウム60%(0.019g、0.489ミリモル)を、2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エチル4−メチルベンゼンスルホネート(0.100g、0.326ミリモル)、5H−ピリド[3,2−b]インドール−3−オール(0.06g、0.326ミリモル)を含有するDMF(容量:1.086ml)溶液に添加した。反応物を2時間撹拌した。濃縮し、PREP HPLCにより精製して、T810を得た(0.006g、0.019ミリモル、収率5.79%)MS(ESI、Pos.)m/z:319.0[M+H]
【化83】
【0234】
3−(4−(4−ニトロピリジン−3−イル)フェニル)プロパン−1−オール。ボロン酸エステル(524mg、2ミリモル)、臭化物(406mg、2ミリモル)、Pd(0)(116mg、0.1ミリモル)およびNa2CO3溶液(1M、4mL)のジオキサン8mL中の混合物を、マイクロ波反応装置で90℃で10分間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、有機相をMgSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、5%〜90%)で精製して、標題化合物を黄色の油状物質として得た(412mg)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.83−8.79 (m, 2H), 7.64 (dd, J=5.2, 0.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.32 (d, J=8.4 Hz, 2H), 3.71 (t, J=6.2 Hz, 2H), 2.79 (t, J=7.6 Hz, 2H), 1.94 (m, 2H); MS(ESI) m/z [M+H] 259。
【0235】
3−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)−4−ニトロピリジン。0℃の乾燥DCM 2mL中の3−(4−(4−ニトロピリジン−3−イル)フェニル)プロパン−1−オール(60mg、0.23ミリモル)に、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド(111mg、0.69ミリモル)を滴下した。反応物を室温まで加温し、1時間撹拌し、飽和NaCO(20mL)中の氷(20g)の上でクエンチした。混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出し、有機相をMgSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、5%〜30%)により精製して、3−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)−4−ニトロピリジンを淡黄色の油状物質として得た(12mg、20%)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.82−8.80 (m, 2H), 7.64 (d, J=5.2, 1H), 7.33−7.27 (m, 2H), 4.55 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.43 (t, J=5.6 Hz, 1H), 2.82 (t, J=7.6 Hz, 2H), 2.12−1.99 (m, 2H); MS(ESI) m/z [M+H] 261。
【0236】
7−(3−フルオロプロピル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール。3−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)−4−ニトロピリジン(12mg、0.046ミリモル)のトリエチルホスフェート0.3mL溶液を125℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(DCM中MeOH、0%〜10%)により精製して、灰白色の固体を得た。次にこの材料を逆相HPLCによりさらに精製して、7−(3−フルオロプロピル)−5H−ピリド[4,3−b]インドールを白色の固体として得た(3mg、28%)。H NMR (400 MHz, メタノール−d4): δ 9.15 (s, 1H), 8.32 (d, J=4.4, 1H), 8.07 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.44 (d, J=6 Hz, 1H), 7.37 (m, 1H), 7.16 (dd, J=8.0, 1.2 Hz, 1H), 4.50 (t, J=6 Hz, 1H), 4.43 (t, J=6 Hz, 1H), 2.90 (t, J=7.6 Hz, 2H), 2.12−1.99 (m, 2H); MS(ESI) m/z [M+H] 229。
【0237】
2−(5−フルオロペンタ−1−イン−1−イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(T806)。0℃の、乾燥DCM 1mL中の5−(ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)ペンタ−4−イン−1−オール(20mg、0.08ミリモル)に、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド(64mg、0.4ミリモル)を滴下した。反応物を室温まで加温し、1時間撹拌し、氷(10g)の飽和NaCO(10mL)中混合物でクエンチした。混合物をEtOAc(2×10mL)で抽出し、有機相をMgSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィー(DCM中EtOAc、5%〜50%)により精製して、2−(5−フルオロペンタ−1−イン−1−イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−a]ピリミジンを黄色の油状物質として得た(3mg、15%)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.65 (d, J=6.8 Hz, 1H), 8.03 (d, J=8 Hz, 1H), 7.85 (d, J=8 Hz, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.43 (m, 1H), 6.93 (d, J=7.2 Hz, 1H), 4.69 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.57 (t, J=5.6 Hz, 1H), 2.70 (t, J=5.6 Hz, 2H), 2.14−2.00 (m, 2H); MS(ESI) m/z [M+H] 254。
【0238】
【化84】
4−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)フェノール。4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(300mg、1.36ミリモル)、2,5−ジブロモ−3−ニトロピリジン(383mg、1.36ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(31mg、0.027ミリモル)、NaCO(4.3mL、2M水溶液)、トルエン4.3mLおよびEtOH 2.1mLの混合物を55℃で2時間激しく撹拌した。室温まで冷却した後、揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、5%〜35%)で精製して、4−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)フェノールを黄色の蝋状物として得た(285mg、71%)。MS(ESI)m/z[M+H]295、297。
【0239】
5−ブロモ−2−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン。4−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)フェノール(280mg、0.95ミリモル)およびDIPEA(360mmg、2.85ミリモル)の乾燥DCM 5mL中の混合物に、0℃で、クロロ(メトキシ)メタン(210mg、1.9ミリモル)を滴下した。反応物を室温まで加温し、撹拌を3時間継続し、EtOAc(30mL)で希釈し、水(3×30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、5%〜35%)により精製して、5−ブロモ−2−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−3−ニトロピリジンを黄色の蝋状物として得た(260mg、80%)。MS(ESI)m/z[M+H]339、341。
【0240】
6’−フルオロ−6−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−5−ニトロ−3,3’−ビピリジン。5−ブロモ−2−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン(68mg、0.2ミリモル)、2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(45mg、0.2mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(12mg、0.01ミリモル)、NaCO(0.5mL、1M水溶液)およびジオキサン(1.5mL)の混合物をマイクロ波反応装置で100℃で10分間加熱した。室温まで冷却した後、反応物をEtOAc(20mL)で希釈し、ブライン(20mL)および水(2×20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、5%〜40%)により精製して、6’−フルオロ−6−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−5−ニトロ−3,3’−ビピリジンを黄色の固体として得た(48mg、67%)。MS(ESI)m/z[M+H]356。
【0241】
2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(T783)。6’−フルオロ−6−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−5−ニトロ−3,3’−ビピリジン(45mg、0.12ミリモル)のトリエチルホスフェート1mL溶液を125℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、10%〜100%)により精製して、2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(T783)を灰白色の固体として得た(8mg、20%)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.00 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.52 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.24 (d, J=2.4 Hz, 1H), 8.06 (td, J=8.4, 2.8 Hz, 1H), 7.59−7.56 (m, 2H), 5.22 (s, 2 H), 3.51 (s, 3H); MS(ESI) m/z [M+H] 324。
【0242】
3−(6−フルオロピリジン−3−イル)−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−オール(T784)。2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(7mg、0.02ミリモル)のHCl(ジオキサン中4M)0.5mL溶液を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣を逆相HPLC(TFAバッファーを添加した水/MeCN)により精製して、3−(6−フルオロピリジン−3−イル)−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−オール(T784)を白色の固体として得た(4mg、71%)。H NMR (400 MHz, メタノール−d4): δ 8.81 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.66 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.64 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.39 (td, J=8.8, 2.8 Hz, 1H), 8.17 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.28 (dd, J=8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.02 (d, J=1.6 Hz, 1H), 6.98 (dd, J=8.8, 2.0 Hz, 1H); MS(ESI) m/z [M+H] 280。
【0243】
【化85】
7−(3−フルオロプロポキシ)−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール(T773)。7−(2−フルオロエトキシ)−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール(T703)の調製の場合と同じ手順を用いて標題化合物を合成した。7−(3−フルオロプロポキシ)−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール(T773)を白色の固体として得た(8mg、15%)。H−NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.25 (m, 1H), 8.13 (dd, J=9.2, 0.8 Hz, 1H), 7.66 (m, 1H), 7.06 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.91 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 4.74 (t, J=6.0 Hz, 1H), 4.62 (t, J=6.0 Hz, 2H), 4.22 (t, J=6.0 Hz, 1H), 2.22 (dp, J=25.2, 6.0 Hz, 1H); MS(ESI) m/z [M+H] 259。
【0244】
タウトレーサーとしてのアザカルバゾール誘導体の調製:(T660、T686、T687、T688、T692、T703、T722、T726、T728、T731、T733、T734、T735、T740、T741、T742、T744、T775、T779、T787、T788、T790、T803、T804、T811)。
【化86】
【0245】
アルキル化(または還元的アミノ化)、ホウ素化、スズキカップリングおよびアザカルバゾール環化の一般的手順を用いる上記スキームによって前記化合物を合成した。
【0246】
アリールボロン酸ピナコールエステルへの臭化アリールのホウ素化の一般的試験手順
【化87】
【0247】
磁気撹拌子を備えたマイクロ波バイアルに、臭化アリール出発材料(1当量)、Pd(dppf)Cl2(0.05当量)、酢酸カリウム(3当量)およびビス(ピナコール)ボラート(1.2当量)を添加した。固体をDMSO(5容量)に溶かし、密閉し、油浴中で80℃まで40〜50時間加熱した。反応物をブラインで希釈し、エーテル/ヘキサンまたはDCMで抽出した。合した有機層を濃縮し、溶出剤としてヘキサン:EtOAcまたはDCM:EtOAcまたはDCM:MeOHを用いるシリカゲルで残渣を精製して、ボロン酸エステルを得た。
【0248】
ニトロ置換ビアリール前駆体からのアザ−カルバゾールの環化のための一般的な試験手順:
【化88】
【0249】
磁気撹拌子を備えたマイクロ波バイアルに、ニトロ置換ビアリール前駆体であるアリール/複素環ハロゲン化物(1当量)、トリエチルホスファイト(4〜8当量)を添加した。懸濁液を油浴中で120〜135℃(出発材料の反応性および生成物の安定性に依存する)で2時間加熱した。反応物を真空濃縮して、すべての揮発性物質を除去した。溶出剤としてヘキサン:EtOAcまたはDCM:EtOAcまたはDCM:MeOHを用いるシリカゲルで残渣を精製して、アザ−カルバゾールを得た。
【0250】
7−(2−フルオロエトキシ)−1−メチル−9H−ピリド[3,4−b]インドール;T660
【化89】
【0251】
H−NMR (400 MHz, CDCN) δ: 10.77 (br, 1H), 8.24−8.16 (m, 3H), 7.15 (s, 1H), 7.08−7.05 (m, 1H), 4.89−4.88 (m, 2H), 4.44−4.35 (m, 2H), 2.95 (s, 3H); C1413FNO+HについてのLRMS, 計算値: 245.1, 実測値: 245.1(M+H)。
【0252】
7−(2−フルオロエトキシ)−9H−ピリド[3,4−b]インドール T686
【化90】
【0253】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.97 (s, 1H), 8.51−8.50 (m, 1H), 8.38−8.37 (m, 1H), 8.30−8.28 (m, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.10−7.09 (m, 1H), 4.85−4.75 (m, 2H), 4.42−4.35 (m, 2H), C1311FNO+HについてのLRMS, 計算値: 231.1, 実測値: 231.1(M+H)。
【0254】
N−(3−フルオロプロピル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−7−アミン T687
【化91】
【0255】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.66 (s, 1H), 8.20−8.15 (m, 2H), 7.99−7.97 (m, 1H), 6.80−6.77 (m, 1H), 6.51 (s, 1H), 4.63−4.51 (m, 2H), 3.39−3.35 (m, 2H), 2.08−2.01 (m, 2H); C1414FN+HについてのLRMS, 計算値: 244.1, 実測値: 244.1(M+H)。
【0256】
7−(2−フルオロエトキシ)−5H−ピリド[3,2−b]インドール T688
【化92】
【0257】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.52−8.44 (m, 2H), 8.21−8.19 (m, 1H), 7.80−7.78 (m, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.10−7.07 (m, 1H), 4.88−4.72 (m, 2H), 4.42−4.33 (m, 2H); C1311FNO+HについてのLRMS, 計算値: 231.1, 実測値: 231.1(M+H)。
【0258】
7−(2−フルオロエトキシ)−2−メトキシ−5H−ピリド[3,2−b]インドール T692
【化93】
【0259】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.24−8.22 (m, 1H), 8.06−8.04 (m, 1H), 7.17−7.15 (m, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.97−6.95(m, 1H), 4.82−4.71 (m, 2H), 4.40−4.29 (m, 2H), 4.15 (s, 3H); C1413FN+HについてのLRMS, 計算値: 261.1, 実測値: 261.1(M+H)。
【0260】
7−(2−フルオロエトキシ)−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール T703
【化94】
【0261】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.39 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.15 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.08 (d, J=9.2 Hz, 1H), 4.85−4.70 (m, 2H), 4.40−4.32 (m, 2H), 2.64 (s, 3H); C1413FNO+HについてのLRMS, 計算値: 245.1, 実測値: 245.1(M+H)。
【0262】
N−(2−フルオロエチル)−N−メチル−9H−ピリド[3,4−b]インドール−7−アミン T722
【化95】
【0263】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.71 (s, 1H), 8.26−8.23 (m, 2H), 8.12 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.02 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 4.72−4.62 (m, 2H), 3.90−3.83 (m, 2H), 3.18 (s, 3H); C1414FN+HについてのLRMS, 計算値: 244.1, 実測値: 244.0(M+H)。
【0264】
N−(2−フルオロエチル)−N−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−アミン T726
【化96】
【0265】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.29−8.22 (m, 2H), 8.06 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.60 (m, 1H), 7.04 (m, 1H), 6.77 (s, 1H), 4.72−4.60 (m, 2H), 3.90−3.84 (m, 2H), 3.19 (s, 3H); C1414FN+HについてのLRMS, 計算値: 244.1, 実測値: 244.1(M+H)。
【0266】
N−(2−フルオロエチル)−N,3−ジメチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−アミン T728
【化97】
【0267】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.17 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.01 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.97 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 4.83−4.60 (m, 2H), 3.90−3.81 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 2.59 (s, 3H); C1516FN+HについてのLRMS, 計算値: 258.1, 実測値: 258.1(M+H)。
【0268】
N−(2−フルオロエチル)−2−メトキシ−N−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−アミン T731
【化98】
【0269】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 7.95 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.78−6.65 (m, 3H), 4.67−4.55 (m, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.90−3.86 (m, 2H), 3.07 (s, 3H); C1516FNO+HについてのLRMS, 計算値: 274.1, 実測値: 274.1(M+H)。
【0270】
N−(3−フルオロプロピル)−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−アミン T733
【化99】
【0271】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.28−8.19 (m, 2H), 7.95 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.58−7.55 (m, 1H), 6.81 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.61 (s, 1H), 4.66−4.52 (m, 2H), 3.42−3.38 (m, 2H), 2.10−2.03 (m, 2H); C1414FN+HについてのLRMS, 計算値: 244.1, 実測値: 244.1(M+H)。
【0272】
N−(3−フルオロプロピル)−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−アミン T734
【化100】
【0273】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.14 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.90 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.76 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 4.64−4.62 (m, 2H), 3.40−3.35 (m, 2H), 2.59 (s, 3H), 2.10−2.00 (m, 2H); C1516FN+HについてのLRMS, 計算値: 258.1, 実測値: 258.1(M+H)。
【0274】
N−(3−フルオロプロピル)−2−メトキシ−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−アミン T735
【化101】
【0275】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.12 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.89 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.03 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.78 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.56 (s, 1H), 4.65−4.52 (m, 2H), 4.16 (s, 3H), 3.37−3.31 (m, 2H), 2.10−2.03 (m, 2H); C1516FNO+HについてのLRMS, 計算値: 274.1, 実測値: 274.1(M+H)。
【0276】
7−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール T740
【化102】
【0277】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.39 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.14 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.05 (d, J =9.2 Hz, 1H), 4.60−4.50 (m, 2H), 4.29−4.28 (m, 2H), 3.95−3.68 (m, 4H), 2.65 (s, 3H); C1617FN+HについてのLRMS, 計算値: 289.1, 実測値: 289.1(M+H)。
【0278】
7−(4−(2−フルオロエトキシ)フェニル)−5H−ピリド[3,2−b]インドール T741
【化103】
【0279】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.60−8.35 (m, 3H), 7.86−7.70 (m, 5H), 7.08 (d, J=8.8 Hz, 2H), 4.80−4.69 (m, 2H), 4.35−4.11 (m, 2H); C1915FNO+HについてのLRMS, 計算値: 307.1, 実測値: 307.1(M+H)。
【0280】
7−(6−フルオロピリジン−3−イル)−5H−ピリド[3,2−b]インドール T742
【化104】
【0281】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.68−8.34 (m, 5H), 7.98 (s, 1H), 7.93−7.89 (m, 1H), 7.75−7.73 (m, 1H), 7.23−7.21 (m, 1H); C1610FN+HについてのLRMS, 計算値: 264.1, 実測値: 264.1(M+H)。
【0282】
N−(2−フルオロエチル)−N−メチル−4−(3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドール−7−イル)アニリン T744
【化105】
【0283】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.47 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.28 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.73−7.67 (m, 3H), 6.91 (d, J=8.4 Hz, 2H), 4.69−4.57 (m, 2H), 3.80−3.70 (m, 2H), 3.10 (s, 3H), 2.70 (s, 3H) C2120FN+HについてのLRMS, 計算値: 334.2, 実測値: 334.2(M+H)。
【0284】
7−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドールTFA塩;T775
【化106】
【0285】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.26 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.06 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.95−4.90 (m, 1H), 3.70−3.50 (m, 4H), 2.62 (s, 3H), 2.15−1.90 (m, 4H); C1918O+HについてのLRMS, 計算値: 381.1, 実測値: 284.2(M+H−TFA)。
【0286】
7−(3−フルオロプロポキシ)−5H−ピリド[4,3−b]インドール T779
【化107】
【0287】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 9.38 (s, 1H), 8.47−8.45 (m, 1H), 8.23−8.21 (m, 1H), 7.89−7.87 (m, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.14−7.11 (m, 1H), 4.75−4.60 (m, 2H), 3.32−3.30 (m, 2H), 2.30−2.10 (m, 2H) C1413FNO+HについてのLRMS, 計算値: 245.1, 実測値: 245.1(M+H)。
【0288】
4−(7−(3−フルオロプロポキシ)−5H−ピリド[3,2−b]インドール−3−イル)アニリン T787
【化108】
【0289】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.79 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.23 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.85−7.82 (m, 2H), 7.31−7.28 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 7.11−7.09 (m, 1H), 5.48, (s, 2H), 4.87−4.61 (m, 2H), 4.31−4.29 (m, 2H), 2.30−2.04 (m, 2H); C2018FNO+HについてのLRMS, 計算値: 336.1, 実測値: 336.1(M+H)。
【0290】
(E)−7−(3−フルオロプロポキシ)−3−(プロパ−1−エニル)−5H−ピリド[3,2−b]インドール T788
【化109】
【0291】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.30 (s, 1H), 8.07 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.89−6.86 (m, 1H), 6.61−6.40 (m, 2H), 4.73−4.58 (m, 2H), 4.22−4.20 (m, 2H), 2.24−2.08 (m, 2H); C1717FNO+HについてのLRMS, 計算値: 285.1, 実測値: 285.1(M+H)。
【0292】
3−シクロプロピル−7−(3−フルオロプロポキシ)−5H−ピリド[3,2−b]インドール T790
【化110】
【0293】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.20 (s, 1H), 8.08−8.06 (m, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.88−6.86 (m, 1H), 4.74−4.61 (m, 2H), 4.22−4.19 (m, 2H), 2.24−2.18 (m, 2H), 1.30 (m, 1H), 1.10−1.07 (m, 2H), 0.82−0.80 (m, 2H); C1717FNO+HについてのLRMS, 計算値: 285.1, 実測値: 285.1(M+H)。
【0294】
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−5H−ピリド[4,3−b]インドール T803
【化111】
【0295】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 9.35 (s, 1H), 8.45−8.43 (m, 1H), 8.20−8.18 (m, 1H), 7.86−7.84 (m, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.12−7.09 (m, 1H), 4.54−4.42 (m, 2H), 4.26−4.25 (m, 2H), 3.92−3.90 (m, 2H), 3.74−3.70 (m, 6H); C1719FN+HについてのLRMS, 計算値: 319.4, 実測値: 319.4(M+H)。
【0296】
7−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)−5H−ピリド[4,3−b]インドール T804
【化112】
【0297】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 9.09 (s, 1H), 8.28−8.27 (m, 1H), 8.04−8.02 (m, 1H), 7.43−7.41 (m, 1H), 7.07 (s, 1H), 6.96−6.93 (m, 1H), 4.60−4.50 (m, 2H), 4.24−4.22 (m, 2H), 3.92−3.79 (m, 4H); C15FN+HについてのLRMS, 計算値: 275.1, 実測値: 275.1(M+H)。
【0298】
7−((2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)メチル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール T811
【化113】
【0299】
H−NMR (400 MHz, CDOD) δ: 9.50 (s, 1H), 8.51−8.49 (m, 1H), 8.31−8.29 (m, 1H), 7.92−7.90 (m, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.50−7.48 (m, 1H), 4.78 (s, 2H), 4.59−4.45 (m, 2H), 3.79−3.73 (m, 6H); C1617FN+HについてのLRMS, 計算値: 289.1, 実測値: 289.1(M+H)。
【0300】
7−(6−フルオロピリジン−3−イル)−5−メチル−H−ピリド[4,3−b]インドールTFA塩(AS−5357−55、T−820)
【化114】
T−807 0.010gをDMF中のジメチルアセトン(2当量)、およびCsCO(0.5当量)によって160℃で3時間アルキル化した。残渣を、0.05%TFAを添加したACN−HOを用いるHPLCにより精製した。T−820を灰白色の固体として単離した、0.006g(72%);H NMR (400 MHz, CDOD): δ 9.58 (s, 1H), 8.64 (d, J=2.4 Hz, 1H), 8.61 (dd, J=6.8 および 0.8 Hz), 8.49 (dd, J=8.4 および 0.8 Hz, 1H), 8.38 (qd, J=8.0 および 2.4 Hz, 1H), 8.15 (d, J=0.8 Hz, 1H), 8.11 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J=8.0 および 1.2 Hz, 1H), 7.23 (dd, J=8.4 および 2.8 Hz, 1H), 4.16 (s, 3H); MS (ESI): 278.1 [+H, 遊離塩基]。
【0301】
7−(6−フルオロピリジン−3−イル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール(AS−5357−18、T−807)
【化115】
【0302】
スズキカップリング(方法A)のための一般的な試験手順に従い、中間体Aを調製した。反応は0.6gスケールで行った。生成物を、Combiflash精製系でヘキサン−EtOAcに溶出し、中間体A0.600g(72%)を淡黄色の固体として単離した;MS(ESI):277および279(M)および(M+2H)。中間体A 0.6gを、カルバゾール合成の一般法(方法CC)を用いて環化し、カルバゾールBを得た。カルバゾールBを、Combiflash精製系でDCM−MeOHによって溶出し、淡褐色の固体として単離した、0.21g(40%);H NMR(400MHz,DMSO−d):δ 11.9(s,1H)、9.36(d,J=0.88Hz,1H)、8.45(d,J=0.8Hz,1H)、8.20(d,J=8.4Hz,1H)、7.76(d,J=0.8Hz,1H)、7.43(d,J=2.0Hz,1H)、7.41(d,J=1.6Hz,1H);MS(ESI):247[M]および249[M+2H]。カルバゾールBをスズキカップリング(方法A)のためにさらに用いた。反応は0.1gスケールで行った。生成物T−807を、Combiflash精製系でDCM−MeOHによって溶出し、灰白色の固体として単離し、0.056g(56%)、これを、0.05%TFAを添加したACN−HOを用いるHPLCによりさらに精製した;H NMR(400MHz,DMSO−d):δ 11.81(s,1H)、9.34(s,1H)、8.61(dd,J=1.6および0.8Hz,1H)、8.41−8.30(m,3H)、7.80(dd,J=4.0および0.4Hz,1H)、7.57(dd,J=8.4および1.6Hz,1H)、7.46(dd,J=6.4および0.8Hz,1H)、7.29(dd,J=8.4および2.8Hz,1H);MS(ESI):264.3[M+H、遊離塩基]。
【0303】
8−フルオロ−7−(2フルオロエトキシ)3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドールTFA塩(AS−5357−14−1、T−801および6−フルオロ−7−(2フルオロエトキシ)3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドールTFA塩 AS−5357−14−2、T−801)
【化116】
【0304】
スズキカップリング(方法A)とそれに続くO−アルキル化(方法C)のための一般的な試験手順に従い、中間体Cを調製した。反応は0.172gスケールで行った。中間体Cを、Combiflash精製系でヘキサン−EtOAcによって溶出し、0.158g(2段階で54%)を灰白色の固体として単離した;MS(ESI):295.25(M+H)。中間体C 0.030gを、カルバゾール合成(方法CC)の一般的な試験法を用いて環化し、カルバゾール混合物を得た。生成物T−800(0.015g、42%)およびT−801(0.006g、16%)を、0.05%TFAを添加したACN−HOを用いるHPLCにより精製した;H NMR (400 MHz, CDOD) (T−800): δ 8.44 (dd, J=1.6 および 0.8 Hz, 1H), 8.29 (br s, 1H), 7.95 (d, J=10.4 Hz, 1H), 7.32 (d, J=6.8 Hz, 1H), 4.89−4.85 (m, 1H), 4.77−4.75 (m, 1H), 4.49−4.48 (m, 1H), 4.42−4.40(m, 1H), 2.64 (s, 3H); MS (ESI): 263.20 [M+H, 遊離塩基]。
【0305】
H NMR (400 MHz, CDOD) T−801: δ 8.44 (d, J=0.8 Hz, 1H), 8.24 (br s, 1H), 8.01 (dd, J=8.8 および 1.2 Hz, 1H), 7.25 (dd, J=8.8 および 7.2 Hz, 1H), 4.85−4.83 (m, 1H), 4.73−4.71 (m, 1H), 4.52−4.50 (m, 1H), 4.45−4.43 (m,1H), 2.64 (s, 3H); MS (ESI): 263.20 [M+H, 遊離塩基]。
【0306】
8−フルオロ−7−メトキシ−3−メチル−5H−ピリド[3,2−b]インドールTFA塩(AS−5357−12、T−799)
【化117】
【0307】
スズキカップリング(方法A)のための一般的な試験手順に従い、中間体Dを調製した。反応は0.172gスケールで行った。生成物を、Combiflash精製系でヘキサン−EtOAcによって溶出し、中間体D 0.185g(70%)を淡黄色の固体として単離した;H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.63(dd,J=1.6および0.8Hz,1H)、7.88(dd,J=1.6および0.8Hz,1H)、7.34(dd,J=11.6および2.0Hz,1H)、7.23−7.21(m,1H)、6.99(t,J=8.4Hz,1H)、3.92(s,3H);MS(ESI):263.10[M+H]。中間体D 0.027gを、カルバゾール合成(方法CC)の一般的な試験法を用いて環化し、カルバゾール混合物を得、これを、0.05%TFAを添加したACN−HOを用いるHPLCにより精製し、T−999を灰白色の固体として得た(0.002g、6%);H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.19 (dd, J=1.6 および 0.8 Hz, 1H), 7.84 (d, J=10.8 Hz, 1H), 7.64 (dd, J=1.6 および 0.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J=6.8 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 2.49 (s, 3H); MS (ESI): 231.10 [M+H, 遊離塩基]。
【0308】
7−フルオロ−3−メチル−5H−ピロロ[2,3−b:4,5−b’]ジピリジンTert−ブチル−(AS−5357−3、T−782)
【化118】
【0309】
スズキカップリング(方法A)のための一般的な試験手順に従い、中間体Eを調製した。反応は0.172gスケールで行い、中間体Eを、Combiflash精製系でDCM−EtOAcに0.180gの灰白色の固体として溶出した(77%);中間体EのH NMR(400MHz,CDCl):δ 8.70(dd,J=1.2および0.8Hz,1H)、8.39(m,1H)、8.05(dd,J=2.0および0.8Hz,1H)、7.93(m,1H)、7.00(dd,J=8.8および3.6Hz,1H)、2.50(s,3H);LC−MS(ESI):234.1[M+H]。中間体E 0.048gを、一般的な試験法(方法cc)を用いて環化し、T−782の固体を得、これを、濾過により回収した 0.012g(29%);H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.63 (t, J=8.0 Hz, 1H), 8.34 (m, 1H), 7.76 (dd, J=1.6 および 0.8 Hz, 1H), 6.91 (dd, J=8.4 および 0.8 Hz, 1H), 2.53 (s, 3H); LC−MS (ESI): 202.1 [M+H]。
【0310】
2−フルオロ−7−メトキシ−5H−ピリド[3,2−b]インドール(AS−5332−192−1、T−781)
【化119】
【0311】
スズキカップリング(方法A)のための一般的な試験手順に従い、中間体Fを調製した。中間体Fを、Combiflash精製系での勾配溶出で12%EtOAc:ヘキサン混合物に溶出した。0.048g(36%)を淡黄色の固体として単離した;LC−MS(ESI):249.1[M+H]。中間体Fを、カルバゾール合成(方法cc)のための一般的な試験手順を用いて環化した。反応は0.048gスケールで行った。T−781を、Combiflash精製系で淡黄色の固体として15%DCM−EtOAcに溶出した(0.003g、5%);H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.12 (dt, J=8.4 および 0.8 Hz, 1H), 8.02 (br s, 1H), 7.71 (dd, J=8.4 および 6.8 Hz, 1H), 6.92 (d, J=2.4 Hz, 1H), 6.90−6.89 (m, 1H), 6.86 (dd, J=8.8 および 2.0 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H); LC−MS (ESI): 217.2 [M+H]。
【0312】
7−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3−メチル−5H−ピロロ[2,3b:4,5−b’]ジピリジンTFA塩(AS−5357−10、T−795)
【化120】
【0313】
塩基としてKCOを用いるT−782のN−アルキル化および180℃で20分間のMW加熱のための一般的な試験手順(方法D)を用いた。反応は0.020gスケールで行った。後処理後、粗残渣0.032(90%)をDAST反応(方法)のために用いた。反応は0.010gスケールで行った。後処理後、生成物T−795を、0.05%TFAを添加したACNおよびHOを用いるHPLCにより、白色の固体0.002mgとして精製した(12%);H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.45 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.45 (t, J=0.8 Hz, 1H), 8.30 (br s, 1H), 6.89 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.64−4.61 (m, 2H), 4.54−4.52 (m,1H), 4.42−4.40 (m, 1H), 3.91−3.89 (m, 2H), 3.74−3.64 (m, 6H), 2.64 (s, 3H); LC−MS (ESI): 334.1 [M+H, 遊離塩基]。
【化121】
【0314】
3−(4−(4−ニトロピリジン−3−イル)フェニル)プロパン−1−オール。ボロン酸エステル(524mg、2ミリモル)、臭化物(406mg、2ミリモル)、Pd(0)(116mg、0.1ミリモル)およびNa2CO3溶液(1M、4mL)のジオキサン8mL中の混合物を、マイクロ波反応装置で90℃で10分間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、有機相をMgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、5%〜90%)で精製して、標題化合物を黄色の油状物質として得た(412mg)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.83−8.79 (m, 2H), 7.64 (dd, J=5.2, 0.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.32 (d, J=8.4 Hz, 2H), 3.71 (t, J=6.2 Hz, 2H), 2.79 (t, J=7.6 Hz, 2H), 1.94 (m, 2H); MS(ESI) m/z [M+H] 259。
【0315】
3−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)−4−ニトロピリジン。0℃の、乾燥DCM 2mL中の3−(4−(4−ニトロピリジン−3−イル)フェニル)プロパン−1−オール(60mg、0.23ミリモル)に、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド(111mg、0.69ミリモル)を滴下した。反応物を室温まで加温し、1時間撹拌し、飽和NaCO(20mL)中の氷(20g)の上でクエンチした。混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出し、有機相をMgSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、5%〜30%)により精製して、3−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)−4−ニトロピリジンを淡黄色の油状物質として得た(12mg、20%)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.82−8.80 (m, 2H), 7.64 (d, J=5.2, 1H), 7.33−7.27 (m, 2H), 4.55 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.43 (t, J=5.6 Hz, 1H), 2.82 (t, J=7.6 Hz, 2H), 2.12−1.99 (m, 2H); MS(ESI) m/z [M+H] 261。
7−(3−フルオロプロピル)−5H−ピリド[4,3−b]インドール。3−(4−(3−フルオロプロピル)フェニル)−4−ニトロピリジン(12mg、0.046ミリモル)のトリエチルホスフェート0.3mL溶液を125℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後、揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィー(DCM中MeOH、0%〜10%)により精製し、灰白色の固体を得た。次にこの材料を逆相HPLCによりさらに精製して、7−(3−フルオロプロピル)−5H−ピリド[4,3−b]インドールを白色の固体として得た(3mg、28%)。H NMR (400 MHz, メタノール−d4): δ 9.15 (s, 1H), 8.32 (d, J=4.4, 1H), 8.07 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.44 (d, J=6 Hz, 1H), 7.37 (m, 1H), 7.16 (dd, J=8.0, 1.2 Hz, 1H), 4.50 (t, J=6 Hz, 1H), 4.43 (t, J=6 Hz, 1H), 2.90 (t, J=7.6 Hz, 2H), 2.12−1.99 (m, 2H); MS(ESI) m/z [M+H] 229。
【0316】
本発明の有利な実施形態をこのように詳細に説明したが、上記段落によって定義される本発明は、本発明の精神または範囲を逸脱することなく、その多くの明らかな変形形態が可能であるので、上記説明において述べられる特定の詳細に限定されるものではないことは当然理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14