(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976238
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】調整可能携帯デバイス保持器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20160817BHJP
F16M 13/00 20060101ALI20160817BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20160817BHJP
F16M 11/10 20060101ALI20160817BHJP
F16M 11/08 20060101ALI20160817BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20160817BHJP
F16B 2/22 20060101ALI20160817BHJP
F16B 2/24 20060101ALI20160817BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
G06F1/16 313B
F16M13/00 S
B60R11/02 T
F16M11/10 Z
F16M11/08 Z
F16B5/06 D
F16B2/22 B
F16B2/24 A
F16C11/04 H
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-557246(P2015-557246)
(86)(22)【出願日】2014年5月15日
(65)【公表番号】特表2016-513218(P2016-513218A)
(43)【公表日】2016年5月12日
(86)【国際出願番号】US2014038253
(87)【国際公開番号】WO2014186609
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2015年8月5日
(31)【優先権主張番号】13/897,062
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513125142
【氏名又は名称】ケヌ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Kenu,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ミン、 ケネス ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ、 デイビッド イー.
【審査官】
宮下 誠
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3151546(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3164223(JP,U)
【文献】
特開2000−245818(JP,A)
【文献】
特開2003−232309(JP,A)
【文献】
特開2008−202771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
B60N 3/00
B60R 11/02
H04M 1/04
F16C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能携帯デバイス保持器であって、
調整可能クランプ要素と、
回転可能取り付け要素と
を含み、
前記調整可能クランプ要素は、複数の異なるサイズの携帯デバイスの一つを前記調整可能携帯デバイス保持器に取り外し可能に固定するべくアクティブ状態への偏り及び非アクティブ状態への偏り解除が可能であり、
前記調整可能クランプ要素は、互いに対向して配向された2つの側方把持部を含み、
各側方把持部は、前記調整可能クランプ要素の前記アクティブ状態において、一携帯デバイスに当接係合するデバイス係合面を有し、
前記2つの側方把持部は、前記調整可能クランプ要素の前記アクティブ状態及び前記非アクティブ状態間の遷移時に互いに対して直線的に並進し、
前記調整可能クランプ要素はさらに、少なくとも一つのロッド及び少なくとも一つのばねを含み、
前記ばねは各一つが、各ロッドまわりに挿入されて、対応するロッドの一端に固着されたねじによって所定位置に保持され、
前記回転可能取り付け要素は、前記回転可能取り付け要素に対する前記調整可能クランプ要素の360度の時計回り及び反時計回りの回転を許容する回転接続によって前記調整可能クランプ要素に付着され、
前記回転可能取り付け要素は、互いから一定距離だけ離間して互いに向かって収束する一対の取り付けアームを含み、
各取り付けアームが前記回転可能取り付け要素の底面から離れて一定角度に延びることにより、前記一対の取り付けアームの間に取り付けスロットが形成され、
前記回転接続により前記取り付けスロットが、360度の回転全体にわたって前記調整可能クランプ要素に対する様々な配向に位置決めされ、
前記取り付けスロットは、前記回転可能取り付け要素が取り付けられる対象に対し、前記回転接続に基づく異なる位置に配向可能である調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項2】
前記取り付けスロットの幅が、前記回転可能取り付け要素の底面から離れて細くなり、
前記回転接続は、前記取り付けスロットを、垂直及び水平に配向された複数の取り付け面との択一的係合を目的として、2つの180度離間した垂直配向及び2つの180度離間した水平配向に解除可能に設定することができる請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項3】
前記取り付け面は自動車内の空調器通気孔ブレードである請求項2に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項4】
前記取り付けアームはそれぞれが、前記回転可能取り付け要素の底面から離れて細くなる請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項5】
前記取り付けアームは、把持材料から形成された把持面を含む請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項6】
前記把持材料は、ゴム、ポリマー材料、プラスチック、金属、合金及び複合材料からなる群から選択された少なくとも一つの材料である請求項5に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項7】
前記把持面はざらざらである請求項5に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項8】
前記ばねは、前記調整可能クランプ要素を前記アクティブ状態へと偏らせるべく、適用される拡張力によって負荷がかけられ得る請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項9】
前記調整可能クランプ要素は、把持材料から形成された把持面を含む請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項10】
前記携帯デバイスはスマートフォンである請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項11】
前記回転可能取り付け要素は、ねじによって前記調整可能クランプ要素に付着される請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項12】
前記回転可能取り付け要素は、ラチェットデバイスによって前記調整可能クランプ要素に付着される請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項13】
前記回転可能取り付け要素は、ピンによって前記調整可能クランプ要素に付着される請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項14】
前記回転可能取り付け要素は、前記調整可能クランプ要素に摩擦嵌めされる請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項15】
前記回転可能取り付け要素は、互いから一定距離だけ離間して互いに向かって収束する第2の一対の取り付けアームを含み、
各取り付けアームが前記回転可能取り付け要素の底面から離れて一定角度に延びることにより、前記第2の一対の取り付けアームの間に取り付けスロットが形成され、
前記一対の取り付けアームの自由端間隙は、前記第2の一対の取り付けアームの自由端間隙と同じである請求項1に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項16】
前記一対の取り付けアームの間の自由端間隙は、前記一対の取り付けアームと前記第2の一対の取り付けアームとの自由端間隙と異なる請求項15に記載の調整可能携帯デバイス保持器。
【請求項17】
調整可能携帯デバイス保持器であって、
調整可能クランプ要素と、
回転可能取り付け要素と
を含み、
前記調整可能クランプ要素は、複数の異なるサイズの携帯デバイスの一つを前記調整可能携帯デバイス保持器に取り外し可能に固定するべくアクティブ状態への偏り及び非アクティブ状態への偏り解除が可能であり、
前記調整可能クランプ要素は、互いに対向して配向された2つの側方把持部を含み、
前記回転可能取り付け要素は、前記回転可能取り付け要素に対する前記調整可能クランプ要素の360度の時計回り及び反時計回りの回転を許容する回転接続によって前記調整可能クランプ要素に付着され、
前記回転可能取り付け要素は、互いから一定距離だけ離間して互いに向かって収束する第1対及び第2対の取り付けアームを含み、
各取り付けアームが前記回転可能取り付け要素の底面から離れて一定角度に延びることにより、前記第1対の取り付けアームの間に第1取り付けスロットが形成され、かつ、前記第2対の取り付けアームの間に第2取り付けスロットが形成され、
前記第1対の取り付けアームの第1自由端間隙は、前記第2対の取り付けアームの第2自由端間隙と同じであり、
前記第1自由端間隙は、前記第1対の取り付けアームと前記第2対の取り付けアームとの自由端間隙と異なる調整可能携帯デバイス保持器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、調整可能携帯デバイス保持
器に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2013年5月17日に出願された発明の名称「調整可能携帯デバイス保持器」の米国特許出願第13/897,062号の利益を主張する。これはその全体がここに参照として組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
様々な電子及び他のデバイスの取り付け台が、業界において知られている。入手可能なデバイス取り付け台には多くの欠点がある。例えば、吸着カップ式取り付け台は、大きくかさばるのが典型的であり、フロントガラスのような大きな取り付け面を必要とする。デバイス取り付け台は、取り付け面への適切かつ一貫した付着ができない場合が多い。いくつかのデバイス取り付けソリューションは、車両ダッシュボードに取付台を固定する接着剤を必要とし、経年的に摩耗して当該取り付け面に不快な残留物を残す。現行のデバイス取り付け台はまた、広範なデバイス又は取り付け面を有効に収容することもできない。
【0004】
現在入手可能なデバイス取り付け台の欠陥ゆえに、人々は、電子デバイス取り付け台を使用しないことを選択するので、国及び州のハンズフリー運転法に違反する場合が多い。他の国及び州の法律は、運転者の視界の妨げを防止するべく、フロントガラスへの物体の取り付けを禁止している。
【0005】
本明細書は、改善された携帯デバイス保持器のシステム、及びその製造方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,441,872号明細書
【特許文献2】米国特許第7,080,812号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0190978号明細書
【特許文献4】米国特許第6,103,201号明細書
【特許文献5】米国特許第7,284,737号明細書
【特許文献6】米国特許第5,109,411号明細書
【特許文献7】米国特許第5,338,252号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2014/0097306号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2010/0019059号明細書
【特許文献10】米国特許第7,140,553号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2011/0278885号明細書
【発明の概要】
【0007】
調整可能携帯デバイス保持器のシステム及び同システムの製造方法がここに開示される。一実施形態によれば、調整可能携帯デバイス保持器は、携帯デバイスを当該調整可能携帯デバイス保持器に取り外し可能に固定するための調整可能クランプ要素と当該調整可能クランプ要素に付着された回転可能取り付け要素とを含む。調整可能クランプ要素は、複数の異なるサイズの携帯デバイスの一つを調整可能携帯デバイス保持器に固定するべくアクティブ状態への偏り及び非アクティブ状態への偏り解除が可能である。調整可能クランプ要素に付着された回転可能取り付け要素は、それぞれが互いから特定の距離だけ離間して当該回転可能取り付け要素の底面から特定の角度に延びる複数の取り付けアームを含む。複数の取り付けアームの各対が互いの間に取り付けスロットを形成する。回転可能取り付け要素は回転して、垂直、水平又は対角配向の第1取り付けスロットと、垂直、水平又は対角配向の第2取り付けスロットとを、垂直、水平若しくは対角配向の第1取り付け面又は垂直、水平若しくは対角配向の第2取り付け面に係合させるべく位置決めすることができる。
【0008】
他の実施形態において、典型的調整可能携帯デバイス保持器を製造するプロセスが開示される。プロセスは、複数の携帯デバイスサイズの一つを調整可能携帯デバイス保持器に固定するべくアクティブ状態への偏り及び非アクティブ状態への偏り解除が可能な調整可能クランプ要素を設けることを含む。プロセスはまた、複数の取り付けアームを含む回転可能取り付け要素を設けることであって、各取り付けアームが互いから特定の距離だけ離間して当該回転可能取り付け要素の底面から特定の角度に延びることも含む。複数の取り付けアームの各対が互いの間に取り付けスロットを形成する。回転可能取り付け要素は回転して、垂直、水平又は対角配向の第1取り付けスロットと、垂直、水平又は対角配向の第2取り付けスロットとを、垂直、水平若しくは対角配向の第1取り付け面又は垂直、水平又は対角配向の第2取り付け面に係合させるべく位置決めすることができる。プロセスはまた、回転可能取り付け要素を調整可能クランプ要素に付着することも含む。
【0009】
本開示に係る上述の及び他の目的、特徴及び利点が、ここに開示される典型的実施形態の以下の詳細な説明から容易に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付図面を参照して、本願の実施形態が例示としてのみ開示される。
【0011】
【
図1】一実施形態に係る
、非アクティブ状態とも称される引き込み設定の調整可能携帯デバイス保持器を例示する。
【
図2】一実施形態に係る
、アクティブ状態とも称される拡張設定の調整可能携帯デバイス保持器を例示する。
【
図3】一実施形態に係る引き込み設定の調整可能携帯デバイス保持器を例示する。
【
図4】
図4A及び4Bは、一実施形態に係る、デバイス及び取り付け面に付着された調整可能携帯デバイス保持器を例示する。
【
図5】一実施形態に係る典型的調整可能携帯デバイス保持器の製造プロセスのフローチャートを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
わかることだが、例示の簡潔性及び明確性を目的として、適切とみなされる場合、参照番号が複数の図の間で、対応する又は類似の要素を示すべく繰り返される。加えて、ここに記載の典型的実施形態の完全な理解を与えるべく、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、ここに記載の典型的実施形態が、かかる具体的な詳細がなくとも実施できることは、当業者に理解される。他の例において、ここに記載の実施形態が不明瞭とならないように、方法、手順及びコンポーネントが詳細には記載されない。
【0013】
本明細書に記載の調整可能携帯デバイス保持器は、回転可能取り付け要素に付着された調整可能クランプ要素を含むことができる。調整可能携帯デバイス保持器は、携帯デバイスを取り付け面に付着しかつ取り付けるべく使用することができる。携帯デバイスは、調整可能クランプ要素に嵌まる任意のデバイスであり得る。当該デバイスは、調整可能クランプ要素に嵌まり込むことができるスマートフォン若しくは他の電話機、タブレット、電子書籍リーダー、パワーバンク、スピーカー、マルチメディアプレーヤー、懐中電灯若しくは他の照明器、テレビ若しくは他の表示器、レーザー若しくはレーダー検出器、空気清浄器、ファン、飲料、又は他のデバイスを含むがこれらに限られない。調整可能携帯デバイス保持器は、様々な取り付け面に取り付けることができる。当該取り付け面は、自動車空調器通気孔ブレード、自動車ダッシュボード、自動車サンバイザー、クレジットカード、帽子のつば、カウンター、三脚、自転車、バックパック、道具、棚、又は他の表面を含むがこれらに限られない。
【0014】
図1は、一実施形態に係る引き込み設定の調整可能携帯デバイス保持器100を例示する。調整可能携帯デバイス保持器100は、回転可能取り付け要素104に付着された調整可能クランプ要素102を含む。
【0015】
図2は、一実施形態に係る拡張設定の調整可能携帯デバイス保持器100を例示する。調整可能携帯デバイス保持器100は、回転可能取り付け要素104に付着された調整可能クランプ要素102を含む。
【0016】
図3は、一実施形態に係る引き込み設定の調整可能携帯デバイス保持器100を例示する。調整可能携帯デバイス保持器100は、回転可能取り付け要素104に付着された調整可能クランプ要素102を含む。
【0017】
図1〜3に例示される調整可能クランプ要素102は、異なるサイズのデバイスを調整可能携帯デバイス保持器100に付着させるべく、拡張及び引き込みが可能である。調整可能クランプ要素102をアクティブ状態(
図2に示される)へと拡張又は偏らせるべく力を及ぼすことができる。当該力は、調整可能クランプ要素102を非アクティブ状態(
図1及び3に示される)へと引き込むべく解放することができる。調整可能クランプ要素102には、圧縮又はねじりばねのような弾性的引き込み又は付勢要素(図示せず)を組み入れることができる。圧縮又はねじりばねにより、調整可能クランプ要素102の表面への
拡張力を及ぼし又は解放するときに、調整可能クランプ要素102の拡張及び引き込みが容易となる。
【0018】
調整可能クランプ要素102はまた、調整可能クランプ要素102内に固定されたデバイスに対する良好な把持、良好な視認角度、又は良好な付着を与えるべく、調整可能クランプ要素102の表面上に把持材料を含み得る。把持材料は、調整可能クランプ要素102の一部分に適用することができる。または、調整可能クランプ要素102全体を当該把持材料から作ることもできる。把持材料は、調整可能クランプ要素102の把持面と調整可能クランプ要素102内に固定されたデバイスの表面との間の接着、把持又は摩擦係数を増加させる任意の材料であり得る。把持材料は、調整可能クランプ要素102の把持面と調整可能クランプ要素102内に固定されたデバイスの表面との間の接着、把持又は摩擦係数を増加させることができるゴム、ポリマー材料若しくは他のプラスチック、金属、合金、織物、複合材料、又は他の材料を含み得るがこれらに限られない。把持材料及び把持面は、ざらざらにすること、及び同じ又は異なる材料から構成することができる。
【0019】
図1〜3に例示される回転可能取り付け要素104は、直接的に又は間接的に調整可能クランプ要素102に付着することができる。調整可能クランプ要素102及び回転可能取り付け要素104は、一つの一体部品とすること、又は、回転可能取り付け要素104の回転を許容する任意の付着手段によって一緒に付着された複数のコンポーネント部品とすることができる。回転可能取り付け要素104は、ベースプレート106と、ベースプレート106から延びる複数の取り付けアーム108とを含む。ベースプレート106及び複数の取り付けアーム108は、一つの一体部品とすること、又は、任意と付着手段によって一緒に付着された複数のコンポーネント部品とすることができる。
【0020】
図3を参照すると、ベースプレート106は、時計回り又は反時計回りに360度回転可能な円筒形状の円板又は他の要素とすることができる。ベースプレート106により回転台が得られ、当該回転台から複数の取り付けアーム108が延びる。複数の取り付けアーム108は、ベースプレート106上で互いに対して特定の距離だけ離間する。複数の取り付けアーム108はまた、ベースプレート106に対して特定の角度をなしてベースプレート106から延びる。複数の取り付けアーム108のサイズ、取り付けアーム108同士の間の距離、及び取り付けアーム108がベースプレート106から延びる角度によって、取り付けスロット110、112が取り付けアーム108の複数対間に確立かつ画定される。回転可能取り付け要素104は、任意数の取り付けアーム108及び任意数の取り付けスロット110、112を含み得る。
【0021】
複数の取り付けアーム108はまた、取り付けアーム108同士の間に固定された取り付け面に対する良好な把持、良好な視認角度、又は良好な付着を与えるべく、取り付けアーム108の表面上に把持材料を含み得る。把持材料は、取り付けアーム108の一部分に適用することができる。または、取り付けアーム108全体を当該把持材料から作ることもできる。把持材料は、取り付けアーム108の把持面と取り付けアーム108同士の間に固定された取り付け面との間の接着、把持又は摩擦係数を増加させる任意の材料であり得る。把持材料は、取り付けアーム108の把持面と取り付けアーム108同士の間に固定された取り付け面との間の接着、把持又は摩擦係数を増加させることができるゴム、ポリマー材料若しくは他のプラスチック、金属、合金、織物、複合材料、又は他の材料を含み得るがこれらに限られない。把持材料及び把持面は、ざらざらにすること、及び同じ又は異なる材料から構成することができる。
【0022】
一の典型的実施形態において、回転可能取り付け要素104は、4つの取り付けアーム及び4つの取り付けスロットを含む。他の典型的実施形態において、回転取り付け要素104は、6つの取り付けアーム及び6つの取り付けスロットを含む。
【0023】
取り付けアーム108及び取り付けスロット110、112は、調整可能携帯デバイス保持器100を取り付ける取り付け面(図示せず)に係合し得る。調整可能携帯デバイス保持器100は、取り付け面を、2以上の取り付けアーム108に係合するように一以上の取り付けスロット110、112内に位置決め、圧力嵌め又は割り込みすることによって取り付け面に取り付けられる。調整可能携帯デバイス保持器100は、様々な取り付け面に取り付けることができる。当該取り付け面は、2以上の取り付けアーム108同士の間の一以上の取り付けスロット110、112内に位置決め、圧力嵌め又は割り込みすることができる自動車空調器通気孔ブレード、自動車ダッシュボード、自動車サンバイザー、クレジットカード、帽子のつば、カウンター、三脚、自転車、バックパック、道具、棚、又は他の表面を含むがこれらに限られない。
【0024】
回転可能取り付け要素104は、任意数の取り付けスロット110、112を形成かつ画定する任意数の取り付けアーム108を含み得る。
図1〜3からわかるように、取り付けアーム108の複数対間に形成された取り付けスロット110、112のサイズ
及び形状は、
対にされた取り付けアーム108のサイズ
及び形状、
当該対の取り付けアーム108同士の間の距離、及び、
2つの取り付けアーム108がベースプレート106から延び
て互いに収束する角度を調整することによって制御することができる。
描かれるように、各取り付けアーム108及び取り付けスロット110、112は、回転可能取り付け要素104の底面から離れる方向に細くなる。回転可能取り付け要素104は、異なるサイズの取り付け面を収容するべく、一以上の異なるサイズの取り付けスロット110、112を含み得る。例えば
図3において、間隙Aを有する一の取り付けスロット110を、間隙Bを有する他の取り付けスロット112よりも大きくすることができる。回転可能取り付け要素104に形成された取り付けスロット110の一以上は、回転可能取り付け要素104に形成された他の取り付けスロット112よりも大きな取り付け面を収容することができる。回転可能取り付け要素104は、取り付けアーム108及び取り付けスロット110、112を水平面、垂直面、対角面、円形面、凹面、凸面、又は重力に関する垂直面及び水平面間の任意の平面内で位置決めするべく、回転することができる。取り付けアーム108及び取り付けスロット110、112は、任意の係合面内に取り付け面を、取り付け要素104が360度回転する範囲内で位置決めすることができる。回転可能取り付け要素104は、間隙Aの相対的に大きな取り付けスロット110を水平、垂直、対角、円形、凹又は凸の面内で位置決めして水平、垂直、対角、円形、凹又は凸の係合面内の相対的に大きな取り付け面に係合させるべく、回転することができる。回転可能取り付け要素104はまた、間隙Bの相対的に小さな取り付けスロット112を水平、垂直、対角、円形、凹又は凸の面内で位置決めして水平、垂直、対角、円形、凹又は凸の係合面内の相対的に小さな取り付け面に係合させるべく、回転することもできる。
【0025】
回転可能取り付け要素は、水平面、垂直面、対角面、円形面、凹面、凸面、又は垂直面及び水平面間の任意の平面内にある異なるサイズの取り付け面に係合するべく、時計回り又は反時計回りに360度回転することができる。調整可能クランプ要素102を介して調整可能携帯デバイス保持器100に付着されたデバイスはまた、調整可能携帯デバイス保持器100に付着されている間、回転可能取り付け要素104を回転させることによって時計回り又は反時計回りに360度回転することができる。
【0026】
図4A及び4Bは、一実施形態に係る、デバイス214及び取り付け面216に付着された調整可能携帯デバイス保持器200を例示する。デバイス214はスマートフォンであり、かつ、取り付け面216は自動車空調器通気孔ブレードである。
【0027】
タブレット、電子書籍リーダー、パワーバンク、スピーカー、マルチメディアプレーヤー、懐中電灯若しくは他の照明器、テレビ若しくは他の表示器、レーザー若しくはレーダー検出器、空気清浄器、ファン、飲料、又は他のデバイスを含むがこれらに限られない他の携帯デバイスもまた、調整可能クランプ要素に嵌まることができる。調整可能携帯デバイス保持器200はまた、自動車空調器通気孔ブレード、自動車ダッシュボード、自動車サンバイザー、クレジットカード、帽子のつば、カウンター、三脚、自転車、バックパック、道具、棚、又は他の表面を含むがこれらに限られない他の取り付け面にも取り付けることができる。
【0028】
調整可能携帯デバイス保持器200は、回転可能取り付け要素204に付着された調整可能クランプ要素202を含む。調整可能クランプ要素202は、異なるサイズのスマートフォンを調整可能携帯デバイス保持器200に付着させるべく拡張及び引き込みが可能である。調整可能クランプ要素202をアクティブ状態へと拡張又は偏らせるべく力を及ぼすことができる。当該力は、調整可能クランプ要素202を非アクティブ状態へと引き込んでスマートフォン214まわりをクランプするべく解放することができる。圧縮又はねじりばねのような弾性的引き込み又は付勢要素(図示せず)を、調整可能クランプ要素202に組み入れることにより、調整可能クランプ要素202の拡張及び引き込みを容易として異なるサイズのスマートフォンを収容することができる。
【0029】
調整可能クランプ要素202はまた、調整可能クランプ要素202内に固定されたスマートフォン214又は他のデバイスに対する良好な把持、良好な視認角度、又は良好な付着を与えるべく、調整可能クランプ要素202の表面上に把持材料を含み得る。把持材料は、調整可能クランプ要素202の一部分に適用することができる。または、調整可能クランプ要素202全体を当該把持材料から作ることもできる。把持材料は、調整可能クランプ要素202の把持面と調整可能クランプ要素202内に固定されたデバイスの表面との間の接着、把持又は摩擦係数を増加させる任意の材料であり得る。把持材料は、調整可能クランプ要素202の把持面と調整可能クランプ要素202内に固定されたデバイスの表面との間の接着、把持又は摩擦係数を増加させることができるゴム、ポリマー材料若しくは他のプラスチック、金属、合金、織物、複合材料、又は他の材料を含み得るがこれらに限られない。把持材料及び把持面は、ざらざらにすること、及び同じ又は異なる材料から構成することができる。
【0030】
回転可能取り付け要素204は、直接的に又は間接的に調整可能クランプ要素202に付着することができる。調整可能クランプ要素202及び回転可能取り付け要素204は、一つの一体部品とすること、又は、回転可能取り付け要素204の回転を許容する任意の付着手段、例えばねじ、ラチェット、ピン、ロッド、又は摩擦若しくは他のデバイスによって一緒に付着された複数のコンポーネント部品とすることができる。回転可能取り付け要素204は、ベースプレート206と、ベースプレート206から延びる複数の取り付けアーム208とを含む。ベースプレート206及び複数の取り付けアーム208は、一つの一体部品とすること、又は、任意と付着手段によって一緒に付着された複数のコンポーネント部品とすることができる。
【0031】
ベースプレート206は、時計回り又は反時計回りに360度回転可能な円筒形状の円板又は他の要素とすることができる。ベースプレート206により回転台が得られ、当該回転台から複数の取り付けアーム208が延びる。複数の取り付けアーム208は、ベースプレート206上で互いに対して特定の距離だけ離間する。複数の取り付けアーム208はまた、ベースプレート206に対して特定の角度をなしてベースプレート206から延びる。取り付けアーム208のサイズ、取り付けアーム208同士の間の距離、及び取り付けアーム208がベースプレート206から延びる角度によって、取り付けスロット210、212が取り付けアーム208の複数対間に確立かつ画定される。回転可能取り付け要素204は、4つの取り付けアーム208及び4つの取り付けスロット210、212を含む。
【0032】
取り付けアーム208及び取り付けスロット210、212は、空調器通気孔ブレード216に係合かつ付着して調整可能携帯デバイス保持器200を取り付けることができる。調整可能携帯デバイス保持器200は、空調器通気孔ブレード216の一表面を、2以上の取り付けアーム208に係合するように一以上の取り付けスロット210、212内に位置決め、圧力嵌め又は割り込みすることによって空調器通気孔ブレード21に取り付けられる。
【0033】
取り付けアーム208はまた、取り付けアーム208同士の間に固定された空調器通気孔ブレード216に対する良好な把持、良好な視認角度、又は良好な付着を与えるべく、取り付けアーム208の一表面上に把持材料を含み得る。把持材料は、取り付けアーム208の一部分に適用することができる。または、取り付けアーム208全体を当該把持材料から作ることもできる。把持材料は、取り付けアーム208の把持面と取り付けアーム208同士の間に固定された空調器通気孔ブレード216との間の接着、把持又は摩擦係数を増加させる任意の材料であり得る。把持材料は、取り付けアーム208の把持面と取り付けアーム208同士の間に固定された空調器通気孔ブレード216との間の接着、把持又は摩擦係数を増加させることができるゴム、ポリマー材料若しくは他のプラスチック、金属、合金、織物、複合材料、又は他の材料を含み得るがこれらに限られない。把持材料
及び把持面
は、
ざらざらにすること、及び同じ又は異なる材料から構成することができる。
【0034】
回転可能取り付け要素204は、異なるサイズの空調器通気孔ブレード216又は他の取り付け面を収容する2つの異なるサイズの取り付けスロット210、212を含む。間隙Aを有する2つの取り付けスロット210は、間隙Bを有する他の2つの取り付けスロット212よりも大きい。
【0035】
回転可能取り付け要素204は、取り付けアーム208及び取り付けスロット210、212を水平、垂直、対角、円形、凹、凸、又は垂直面及び水平面間の任意の面内で位置決めして水平、垂直、対角、円形、凹、凸、又は垂直面及び水平面間の任意の面内に配向された空調器通気孔ブレード216に係合させるべく、回転することができる。取り付けアーム208及び取り付けスロット210、212は、取り付け要素204の360度回転範囲内にある任意の係合面内で空調器通気孔ブレードに付着するべく位置決めされ得る。回転可能取り付け要素204は、間隙Aの大きな取り付けスロット210を水平、垂直、対角、円形、凹、凸、又は垂直面及び水平面間の任意の面内に位置決めして水平、垂直、対角、円形、凹、凸、又は垂直面及び水平面間の任意の面内に配向された大きな空調器通気孔ブレード216に係合又は付着させるべく、回転することができる。回転可能取り付け要素204はまた、間隙Bの小さな取り付けスロット212を水平、垂直、対角、円形、凹、凸、又は垂直面及び水平面間の任意の面内で位置決めして水平、垂直、対角、円形、凹、凸、又は垂直面及び水平面間の任意の面内に配向された小さな空調器通気孔ブレード216に係合又は付着させるべく、回転することができる。
【0036】
回転可能取り付け要素204は、水平、垂直、対角、円形、凹、凸、又は重力に関する垂直面及び水平面間の任意の平面内で異なるサイズの取り付け面に係合するべく、時計回り又は反時計回りに360度回転することができる。調整可能携帯デバイス保持器200に付着されたスマートフォン214は、回転可能取り付け要素204を回転させることにより、縦方向(
図4Aに示される)及び横方向(
図4Bに示される)に回転することができる。調整可能携帯デバイス保持器200に付着されたスマートフォン214が、調整可能携帯デバイス保持器200に付着されている間、スマートフォン214及び調整可能クランプ要素202を回転させることによって時計回りに又は反時計回りに360度回転することができる一方、回転可能取り付け要素204は取り付け面に固定されている。
【0037】
図5は、一実施形態に係る典型的調整可能携帯デバイス保持器の製造プロセスのフローチャートを例示する。ステップ301においてプロセスは、携帯デバイスを調整可能携帯デバイス保持器に取り外し可能に固定する調整可能クランプ要素を設けることを含む。調整可能クランプ要素は、複数の異なるサイズの携帯デバイスの一つを調整可能携帯デバイス保持器に固定するべくアクティブ状態への偏り及び非アクティブ状態への偏り解除が可能である。例えば
、調整可能携帯デバイス保持器を製造するべく、2つのステンレス鋼ロッドを、二重射出成形金型の拡張可能アームキャビティに挿入することができる。当該ロッドが所定位置に保持されて調整可能クランプ要素の拡張可能アーム、本体及びカバーが作られるように、PC/ABSが金型のキャビティ内に射出される。その後、金型が回転されてTPEが射出され、拡張可能アームの側方把持部、及び調整可能クランプ要素の本体が形成される。ステンレス鋼ばねが、各ロッドまわりに挿入され、かつ、当該ロッドの端に固着されたステンレス鋼ねじによって所定位置に保持される。グリースが、当該ばね及びロッドの下方部分(ねじ頭近く)に添加される。拡張可能アームが当該本体に挿入され、かつ、当該ばねが下げられて調整可能クランプ要素の本体内の所定位置に保持される。カバーがその後、当該本体上を摺動して調整可能アームを所定位置に保持する。
【0038】
調整可能クランプ要素又はその表面はまた、ゴム、ポリマー材料若しくは他のプラスチック、金属、合金、又は、剛体、半剛体若しくはざらざらの複合材料から形成することもできる。
【0039】
ステップ302においてねじ、ラチェット、ピン、ロッド、又は摩擦若しくは他の付着手段を介して調整可能クランプ要素に付着される回転可能取り付け要素が設けられる。回転可能取り付け要素は、それぞれが互いから特定の距離だけ離間して当該回転可能取り付け要素の底面から特定の角度に延びる複数の取り付けアームを含む。複数の取り付けアームの各対が互いの間に取り付けスロットを形成する。回転可能取り付け要素は回転して、垂直、水平又は対角配向の第1取り付けスロットと、垂直、水平又は対角配向の第2取り付けスロットとを、垂直、水平若しくは対角配向の第1取り付け面又は垂直、水平若しくは対角配向の第2取り付け面に係合させるべく位置決めすることができる。
【0040】
例えば、回転可能取り付け要素の全体又は一部分は、ステンレス金属若しくは他の金属、合金、又はプラスチックのシートをスタンピングしてクリップ又はベースプレートを形成することによって形成することができる。4つのアームが、当該ベースプレートから延び、特定の距離だけ離間され、及び所望角度だけ曲げられる。金属又は他の熱処理可能材料では、回転可能取り付け要素は、剛構造を形成するべく熱処理を行うことができる。回転可能取り付け要素又はその表面はまた、ゴム、ポリマー材料若しくは他のプラスチック、金属、合金、又は、剛体、半剛体若しくはざらざらの複合材料から形成することもできる。
【0041】
回転可能取り付け要素を調整可能クランプ要素に付着させる亜鉛合金ナット又は他の合金若しくは材料を、ダイカスト成形金型を使用して形成することができる。当該ナットのキャビティには接着材が添加される。回転可能取り付け要素は、当該ナット及び第2ステンレスねじを介して調整可能クランプ要素の本体に固着される。回転可能取り付け要素の回転力をモニタリングするべくフォースゲージが使用されて、ねじがきつすぎ又は緩すぎる場合には当該回転可能取り付け要素が調整される。
【0042】
一のスカート及び4つのソックスを作るべくTPEが金型に射出される。一のスカート及び4つのソックスはまた、ゴム、ポリマー材料若しくは他のプラスチック、金属、合金、又は、剛体、半剛体若しくはざらざらの複合材料から形成することもできる。スカートは、回転可能取り付け要素の取り付けアームまわりに組み付けられる。回転可能取り付け要素の各取り付けアームには接着材が添加される。スカートを所定位置に保持するソックスが、各取り付けアームまわりに挿入される。
【0043】
調整可能携帯デバイス保持器のシステム及び方法についての典型的実施形態が上述された。開示の典型的実施形態に対する様々な修正及び逸脱が当業者に想起される。本開示の要旨内にあると意図される主題は以下の特許請求の範囲に記載される。