(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976239
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】弁アッセンブリ
(51)【国際特許分類】
F02M 59/46 20060101AFI20160809BHJP
F02M 51/04 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
F02M59/46 Y
F02M51/04 Z
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-559527(P2015-559527)
(86)(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公表番号】特表2016-508579(P2016-508579A)
(43)【公表日】2016年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2014070833
(87)【国際公開番号】WO2015055410
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2015年8月26日
(31)【優先権主張番号】102013220768.9
(32)【優先日】2013年10月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ミュールバウアー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ブレーク
(72)【発明者】
【氏名】ブルハン ダークデーレン
(72)【発明者】
【氏名】イェアク ベアンハート
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ボーマン
【審査官】
二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102010031600(DE,A1)
【文献】
特開2006−329180(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/079693(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 59/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ポンプに用いられる弁アッセンブリ(2)において、該弁アッセンブリ(2)が、
凹部(22)を備えたポンプハウジング(24)と、
該ポンプハウジング(24)に設けられた凹部(22)に対応して形成されていて、該凹部(22)内に挿入可能である弁ハウジング(4)と、
緊締ディスク(6)と
を有しており、
弁ハウジング(4)が、第1の軸方向の制限面(5)と、該第1の軸方向の制限面(5)と反対の側に配置された第2の軸方向の制限面(44)とを備えた少なくとも1つの半径方向の凸部(36)を有しており、
緊締ディスク(6)が、弁ハウジング(4)の半径方向の凸部(36)にわたって半径方向に延びていて、弁ハウジング(4)の第2の軸方向の制限面(44)に面一に載置する第3の軸方向の制限面(46)を有しており、
緊締ディスク(6)が、周面側にねじ山(40)を有しており、該ねじ山(40)が、凹部(22)の内面に設けられたねじ山(42)に螺入可能であり、これによって、弁ハウジング(4)が、緊締ディスク(6)を介してポンプハウジング(24)内に緊締されるようになっており、
弁ハウジング(4)と緊締ディスク(6)とが、それぞれ1つの孔(50,52)を有しており、両孔(50,52)が、互いに移行し合っており、直径が、互いに対応している、
ことを特徴とする、高圧ポンプに用いられる弁アッセンブリ。
【請求項2】
凹部(22)が、段部(34)を有しており、該段部(34)に弁ハウジング(4)の第1の軸方向の制限面(5)が載置している、請求項1記載の弁アッセンブリ。
【請求項3】
ポンプハウジング(24)に設けられた凹部(22)が、弁ハウジング(4)の円筒状の区分(26)を収容するための別の段部(35)を有している、請求項1または2記載の弁アッセンブリ。
【請求項4】
弁ハウジング(4)が、円筒状の区分(26)に、全周にわたって配置された環状のリング用溝(28)を有しており、該リング用溝(28)内にシールリング(30)が配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の弁アッセンブリ。
【請求項5】
リング用溝(28)内に、さらに、バックアップリング(62)が配置されている、請求項4記載の弁アッセンブリ。
【請求項6】
弁ハウジング(4)の、緊締ディスク(6)に向けられた第2の軸方向の制限面(44)が、緊締ディスク(6)に向かって軸方向に延びる段部(45)を有しており、該段部(45)が、緊締ディスク(6)の第3の軸方向の制限面(46)に設けられた段部(47)に対応しており、これによって、弁ハウジング(4)が、緊締ディスク(6)にセンタリングされるようになっている、請求項1から5までのいずれか1項記載の弁アッセンブリ。
【請求項7】
緊締ディスク(6)が、第3の軸方向の制限面(46)と反対の側に配置された第4の軸方向の制限面(48)を有しており、該第4の軸方向の制限面(48)が、工具のための取付け異形部(54,56,58)を備えている、請求項1から6までのいずれか1項記載の弁アッセンブリ。
【請求項8】
コモンレールシステムに用いられる、請求項1から7までのいずれか1項記載の弁アッセンブリ(2)を備えた高圧ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁アッセンブリ、特にコモンレールシステムのための高圧ポンプに用いられる弁アッセンブリに関する。
【0002】
内燃機関、特にディーゼルエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するためのコモンレールシステムとして公知の噴射装置は、加圧される燃料蓄え器、つまり、コモンレールを有している。このコモンレールに燃料を連続的に供給するためには、高圧ポンプが必要となる。
【0003】
高圧ポンプは、偏心体を介して駆動されるピストンのほかに、能動的なまたは受動的な弁を備えた弁アッセンブリも有している。この弁アッセンブリは、通常、サンドイッチ構造の形態の高い組込み度によってポンプ内に直に組み込まれている。このことは、たとえばプレス・溶接工程ならびに付随した調整プロセスによって行われる。しかしながら、このような製造では、弁アッセンブリをポンプ内で直に検査することしかできないので、弁の故障の際には、ポンプ全体が不良品となってしまう。
【0004】
国際公開第2013/079693号に基づき、弁を中心ねじ山によって高圧ポンプに取外し可能に取り付けることが公知である。弁ハウジングへの中心ねじ山の配置と、弁ハウジングに対する複数のシールリングの使用の必要性とによって、これらのシールリングが組付けの間に回転・並進運動させられ、その際、引っ掛かってしまうかまたは損傷してしまう。
【0005】
したがって、本発明の課題は、ポンプへの可能な限り確実な、更には、取外し可能な固定が可能となると同時に、組付けに起因したシールリングの損傷が阻止され、それにもかかわらず、可能な限りコンパクトな構造を有する、ポンプに用いられる弁アッセンブリを提案することである。
【0006】
この課題は、独立請求項1の特徴を備えた弁アッセンブリによって解決される。有利な改良態様および態様は、従属請求項および以下の記述から認めることができる。
【0007】
高圧ポンプに用いられる弁アッセンブリが提案される。この弁アッセンブリは、凹部を備えたポンプハウジングと、このポンプハウジングに設けられた凹部に対応して形成されていて、この凹部内に挿入可能である弁ハウジングと、緊締ディスクとを有している。弁ハウジングは、第1の軸方向の制限面と、この第1の軸方向の制限面と反対の側に配置された第2の軸方向の制限面とを備えた少なくとも1つの半径方向の凸部を有している。緊締ディスクは、弁ハウジングの半径方向の凸部にわたって半径方向に延びていて、弁ハウジングの第2の軸方向の制限面に面一に載置する第3の軸方向の制限面を有している。緊締ディスクは、周面側にねじ山を有しており、このねじ山は、凹部の内面に設けられたねじ山に螺入可能であり、これによって、弁ハウジングが、緊締ディスクを介して第1の軸方向の制限面でもってポンプハウジング内に緊締されるようになっている。
【0008】
弁ハウジングは、対応する構成によって、ポンプハウジングの凹部内に差込み可能にもしくは押込み可能に形成されている。弁ハウジングとポンプハウジングとの間の境界面は、従来のシールリングまたはこれに類するものを備えて形成されてよい。このようなシール部材は、弁ハウジングの螺合の省略に基づき、ポンプハウジング内で回転運動させられない。したがって、このような組付けによって、シールリングのシール作用の確実性に影響が与えられないようになっている。
【0009】
弁ハウジングの半径方向の凸部は、ポンプハウジング内に螺入可能な緊締ディスクを介して、ポンプハウジングへの弁ハウジングの緊締を実施するために適している。高圧ポンプ内の350bar以上の高い運転圧に基づき、弁には、比較的大きな軸方向の力が作用する。この力は、弁ハウジングの取付け部によって受け止められなければならない。周面側にねじ山を配置して、弁ハウジングをポンプハウジングに緊締することによって、このような軸方向の力が十分に好適に受け止められ、さらに、ねじ山を半径方向外側に変位させたことによって、ねじ山を十分に少なく寸法設定することが必要となり、これによって、弁アッセンブリのコンパクトな構成が可能となる。
【0010】
有利な態様では、凹部が、段部を有しており、この段部に弁ハウジングの第1の軸方向の制限面が載置している。したがって、当該段部が、弁ハウジングをポンプハウジング内に緊締するための環状の制限面を提供することができる。段部は、好適には、相対的に大きな内径から相対的に小さな内径への段状の移行部である。大きい方の内径は、凹部に設けられたねじ山の内径にほぼ相当していてもよいし、この内径と異なっていてもよい。
【0011】
ポンプハウジング内での弁ハウジングのセンタリングを改善するためには、凹部が、別の段部を有していてよい。この別の段部は、凹部の内部に位置する区分の盲穴状の構造に繋がっている。この区分には、弁ハウジングの円筒状の区分を容易に導入することができる。弁ハウジングは、凹部内に容易に導入可能であることが望ましい。以下、凹部の内部に位置する当該区分を「シール区分」と呼ぶ。
【0012】
特に好適には、シール区分が、シールリングを介した密封のために適した嵌合部を備えて形成されている。弁ハウジングは、対応する円筒状の区分に、全周にわたって配置された環状のリング用溝を有しており、このリング用溝内にシールリングが配置されている。シール区分への弁ハウジングの押込み時には、シールリングの押潰しひいてはシール区分と弁ハウジングとの間の密封が行われる。前述したように、押込みによって、組付け時のシールリングの連続的な回転は回避される。これによって、組付けに起因してシール作用が損なわれることをほぼ排除することができる。
【0013】
さらに有利には、リング用溝内にバックアップリングが配置されていてよい。このバックアップリングは、リング用溝と凹部との間に形成されるシールギャップ内にシールリングがはみ出すことを阻止する。
【0014】
有利な態様では、弁ハウジングの、緊締ディスクに向けられた第2の軸方向の制限面が、緊締ディスクに向かって軸方向に延びる段部を有している。したがって、緊締ディスクに設けられた第3の軸方向の制限面も、弁ハウジングの第2の制限面に設けられた段部に対応する段部を有することができる。これによって、付加的にセンタリング作用を得ることができる。このセンタリング作用によって、ポンプハウジングへの緊締ディスクの螺合時に、弁ハウジングの特に正確な位置決めが行われかつ/または維持される。
【0015】
別の態様として、特に簡単に製作することができる制限面の平らな載置も可能である。
【0016】
特に好適な態様では、緊締ディスクが、第3の軸方向の制限面と反対の側に配置された第4の軸方向の制限面を有しており、この第4の軸方向の制限面が、工具のための取付け異形部を備えている。弁構成要素は、緊締ディスクを通して軸方向でポンプハウジングにわたって延びていてよく、さらに、緊締ディスクが、ほぼ完全にポンプハウジング内に沈み込んでいることもあるので、緊締ディスクを螺合するための相応の工具を緊締ディスクに解離可能に配置することができると特に有利である。このことは、工具を取り付けるための上述のような異形部によって達成される。この異形部は、全く異なる形状を有していてよい。回転軸線から間隔を置いて配置されていて、相互間に一種のクローフットレンチを配置することができる複数の孔のほかに、一貫して延びる規則的な異形部、たとえば、放射状の切欠きも可能である。
【0017】
さらに、好適には、弁ハウジングと緊締ディスクとが、それぞれ1つの孔を有しており、両孔の直径が、互いに対応している。体積流量制御弁のアクチュエータのアクチュエータハウジングは、たとえば対応する両孔を通して弁ハウジング内に差し込まれるかもしくは弁ハウジングによってクランプされてよい。アクチュエータハウジングを取り囲むように、制御電磁石のコイルが配置されていてよい。さらに、電磁石を取り囲む別のハウジングが緊締ディスクに螺合されてもよい。
【0018】
本発明は、さらに、このような弁アッセンブリを備えた高圧ポンプに関する。この高圧ポンプは、特にコモンレールシステムの高圧ポンプである。
【0019】
上述した態様および改良態様は、互いに任意に組み合わされてよい。
【0020】
本発明の更なる可能な態様、改良態様および実行態様には、本発明の前述した特徴または以下に実施の形態を参照しながら説明する特徴の、明示的には記載していない組合せも含まれている。
【0021】
添付の図面によって、本発明の実施の形態が一層理解しやすくなっているはずである。添付の図面は実施の形態を示していて、明細書に関連して、本発明のコンセプトの説明に役立っている。
【0022】
別の実施の形態および多数の上述した利点は、図面に関連して明らかである。図示のエレメントは、必ずしも互いに寸法通りに示してはいない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】種々異なる形態で形成された緊締ディスクを示す図であり、
図2a)には、工具を取り付けるための第1の形態の取付け異形部を備えた緊締ディスクが示してあり、
図2b)には、第2の形態の取付け異形部を備えた緊締ディスクが示してあり、
図2c)には、第3の形態の取付け異形部を備えた緊締ディスクが示してある。
【0024】
図中、同一のまたは同機能のエレメント、構成部材、構成要素または方法ステップには、逆のことを記載しない限り、同じ符号が付してある。
【0025】
図1には、弁ハウジング4と、緊締ディスク6と、アクチュエータハウジング10内のアクチュエータ8とを備えた弁アッセンブリ2が示してある。この弁アッセンブリ2の中心構成要素は弁プランジャ12である。この弁プランジャ12は、ばね14を介してストッパ16に押圧される。アクチュエータ8は、弁プランジャ12をばね力に抗して軸方向に運動させることができる。制御電流に応じて、アクチュエータ8を介して、弁プランジャ12と弁座60との間の開口面積が制御される。これによって、流体入口18から出口20への体積流の量が制御される。
【0026】
弁アッセンブリ2の個々の構成要素をそれぞれ別個に検査しかつ/または交換することができるようにするために、本発明に係る弁アッセンブリ2では、機能が機械的に分離されており、この分離が、図示の構造を招いている。弁ハウジング4は、ポンプハウジング24に設けられた凹部22内に差込み可能であるように形成されている。これは、弁ハウジング4が軸方向の運動によって凹部22内に押込み可能であり、その際、たとえば螺合のための回転が不要であることを意味している。凹部22は、盲穴のように、平らな底部または円錐形の底部を備えていて、この底部に出口20が続いている。
【0027】
凹部22は出口20の領域で円筒状に形成されており、弁ハウジング4も同じく円筒状の区分26を有している。この円筒状の区分26の外径は、凹部22の内径に相当している。円筒状の区分26は、全周にわたって配置されたリング用溝28を有している。このリング用溝28は、シールリング30を支持するバックアップリング62を備えている。凹部22内への弁ハウジング4の押込みによって、シールリング30が僅かに圧縮されて、リング用溝28内のバックアップリング62だけでなく、ポンプハウジング24の、対応するシール面32にも、面一となるように押圧される。これによって、所望のシール作用が得られる。
【0028】
ポンプハウジング24は段部34を有している。この段部34の内側の直径は、弁ハウジング4に設けられた凸部36の外側の直径よりも小さく寸法設定されている。これによって、弁ハウジング4が、凹部22内への押込み時に、第1の軸方向の制限面5でもって段部34に当接させられ、これによって、入口18からの流入通路の幾何学的な位置が、弁ハウジング4に設けられた通流開口38に対応するようになっている。
【0029】
弁ハウジング4をポンプハウジング24に緊締するためには、緊締リング6が使用される。この緊締リング6は、その外周面側にねじ山40が配置されているように形成されている。このねじ山40は、ポンプハウジング24に設けられたねじ山42に対応している。コモンレールシステムの高い圧力により生じる液圧的な力FHは、緊締リング6により加えられる軸方向の緊締力FSによって打ち消される。
【0030】
弁ハウジング4は、緊締リング6に向けられた側に第2の軸方向の制限面44を有している。この第2の軸方向の制限面44は、緊締リング6の、弁ハウジング4に向けられた側に設けられた第3の軸方向の制限面46に対応している。したがって、緊締リング6は、螺合時に、第3の軸方向の制限面46でもって第2の軸方向の制限面44に載着される。
【0031】
この第2の軸方向の制限面44は、緊締リング6と反対の側の環状の平坦部を成す段部45によって制限されていてよい。この段部45には、緊締リング6に設けられた段部47が対応しており、これによって、緊締リング6の緊締時に、弁ハウジング4のセンタリングが自動的に行われる。
【0032】
第3の制限面46と反対の側に配置された第4の制限面48には、工具取付け異形部(図示せず)が設けられている。この工具取付け異形部によって、緊締ディスク6に締付けトルクを加えることが可能となる。緊締ディスク6は、好適には、弁ハウジング4の緊締状態でポンプハウジング24と面一になっているかまたはポンプハウジング24内に僅かに沈み込んですらいるように寸法設定されている。
【0033】
さらに、弁ハウジング4と緊締ディスク6とは、それぞれ1つの中心の孔50;52を有している。両孔50,52は、互いに等しい直径を有しており、これによって、アクチュエータハウジング10が、互いに整合した両孔50,52内に差込み可能となる。アクチュエータ8の残りの構成部材は、アクチュエータハウジング10の組付け後、緊締ディスク6に固定することができる。
【0034】
シールリング30を介した封止の機能分離と、緊締ディスク6を介した弁ハウジング4の緊締とによって、弁アッセンブリ2を、独立した液圧的なアッセンブリとして大幅に短くかつ十分にコンパクトに形成することができる。このことは、円筒状の区分26よりも大幅に大きな外径を有する、弁ハウジング4と異なる構成部材へのねじ山の配置転換によって達成される。したがって、同じ緊締力を加えるために、より短いねじ山が必要となる。さらに、弁ハウジング4は差し込まれさえすればよく、この弁ハウジング4の回転は必要なくなる。このことは、シールリング30のシール作用に有利な影響を与える。
【0035】
図2a〜
図2cには、緊締ディスク6に設けられた、工具を取り付けるために形成された種々異なる取付け異形部54,56,58が示してある。
図2aには、孔52に設けられた半径方向外向きに延びる4つの切欠き54が示してあるのに対して、
図2bでは、孔52から半径方向に間隔を置いて配置された複数の別個の孔56を使用することが提案される。
図2cには、孔52に全周にわたって配置された一連の三角形の切欠き58が示してある。これらの切欠き58は孔52を拡張して、歯形を形成している。当然ながら、本発明の要旨を逸脱することなしに、異なる取付け異形部も可能である。ただし、全ての取付け異形部には、工具を中心の孔52以外に導入することを可能にするために、緊締ディスク6の回転軸線に対して所定の間隔が維持され、少なくとも2つの切欠きが存在していることが共通していなければならない。
【0036】
本発明を複数の好適な実施の形態に基づき前述したにもかかわらず、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、多種多様に変更可能である。特に本発明は、その要旨から逸脱することなしに、多種多様に変化させられてもよいし、変更されてもよい。