【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、上側ハウジング部分の吸入路が穿孔要素に接続された粉末薬剤の分散用ユニットを有し、上側ハウジング部分がブリスター空洞部を開放するために下側ハウジング部分に対して移動可能であることによって達成される。
【0008】
当該吸入器は、少数の個別部分を用いる使い捨てであるために安価に製造することができ、不可欠な構成要素のみを含むという点で有利である。分散用ユニットは、射出成形法によって上側ハウジング部分と一体に製造されているか、溶接、接着、プレスまたは他の公知の接合技術によって吸入路に固定的かつ永久的に接続されている。分散用ユニットによって、使用者が吸引した空気中に薬剤の粒子が細かく、吸入可能に分散される。使い捨て吸入器として設計されていることにより、定期的な洗浄が不要であり、特に吸入路および/または分散用ユニット中の薬剤残留物によって薬剤の送達が損なわれる可能性が低いため、その取り扱いは単純化されている。上側ハウジング部分およびさらには吸い口も、人間工学的な設計を有しない単純なチューブの形態とすることができ、下側ハウジング部分と同様に、プラスチック材料で製造することができる。プラスチック材料は、好ましくは、ポリマー、熱可塑性重縮合製品、重付加物(polyadduct)、変性天然材料またはゴムあるいはこれらのプラスチック材料の混合物である。ポリオレフィン、塩化ビニルポリマー、スチレンポリマー、ポリアセタール、ポリアミド、熱可塑性ポリエステルおよびポリアリールエーテルまたはこれらのプラスチック材料の混合物が特に好ましい。これらのプラスチック材料の例は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオキシ−メチレン、ポリアセタール、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸エステル(ASA)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)またはポリ(フェニレンエーテル)である。そのようなプラスチック材料は、例えば、ドイツのヌフリンゲン(Nufringen)に所在するEnsinger社から入手することができる。
【0009】
HandiHaler(登録商標)、Spinhaler(登録商標)、Rotahaler(登録商標)、Aerolizer(登録商標)、Flowcaps(登録商標)、Turbospin(登録商標)、AIR DPI(登録商標)、Orbital(登録商標)、Directhaler(登録商標)という商品名の吸入器が知られておりかつ/またはドイツ特許第3345722号、欧州特許第0591136号、ドイツ特許第4318455号、国際公開第WO91/02558号、仏国特許2146202号、米国特許第4,069,819号、欧州特許第666085号、欧州特許第869079号、米国特許第3,991,761号、国際公開第WO99/45987号、国際公開第WO20051672号、Bell, J. Pharm. Sci. 60, 1559 (1971); Cox, Brit. Med. J. 2, 634
(1969)に開示されている。粉末吸入器として、単回投与用または複数回投与用の粉末吸入器、特に、Spinhaler(登録商標)、Rotahaler(登録商標)、Aerolizer(登録商標)、Inhalator(登録商標)、HandiHaler(登録商標)、Diskhaler(登録商標)、Diskus(登録商標)、Accuhaler(登録商標)、Aerohaler(登録商標)、Eclipse(登録商標)、Turbohaler(登録商標)、Turbuhaler(登録商標)、Easyhaler(登録商標)、Novolizer(登録商標)、Clickhaler(登録商標)、Pulvinal(登録商標)、Novolizer(登録商標)、SkyeHaler(登録商標)、Xcelovair(登録商標)、Pulvina(登録商標)、Taifun(登録商標)、MAG−haler(登録商標)、Twisthaler(登録商標)およびJethaler(登録商標)が知られている。
【0010】
後述する化合物を単独で、あるいは組み合わせて、本発明に係る装置で使用することができる。後述する化合物では、Wは、薬理学的に活性な成分であり、(例えば)β受容体刺激薬(betamimetic)、抗コリン薬、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、LTD4拮抗薬、EGFR阻害剤、ドーパミン作動薬、H1抗ヒスタミン剤、PAF拮抗薬およびPI3キナーゼ阻害剤からなる群から選択される。さらに2剤または3剤の組み合わせを調製し、それらを本発明に係る装置で使用することもできる。上記Wの組み合わせの例としては、抗コリン薬、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤またはLTD4拮抗薬と組み合わせたβ受容体刺激薬、β受容体刺激薬、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤またはLTD4拮抗薬と組み合わせた抗コリン薬、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤またはLTD4拮抗薬と組み合わせた副腎皮質ステロイド、EGFR阻害剤またはLTD4拮抗薬と組み合わせたPDE4阻害剤、LTD4拮抗薬と組み合わせたEGFR阻害剤が挙げられる。
【0011】
β受容体刺激薬としては、アルブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、サルメテロール、ソテレノール、sulphonterol、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール(tolubuterol)、ジンテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、および
3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホンアミド、
5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}−エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、
1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−(3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、
5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3−(4H)−オン、
1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフロオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノール、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸エチルエステル)1,1−ジメチルエチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ酢酸)1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、
8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、
2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−ベンズアルデヒド、
N−[2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド、
8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
8−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2−(6−フェニルエチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン、
5−[2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
[3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−尿素、
4−(2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジルスルホンアミド、
3−(3−{7−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンジルスルホンアミド、
4−(2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
N−アダマンタン−2−イル−2−(3−{2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−アセトアミド、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から選択されるβ受容体刺激薬の酸付加塩が好ましい。
【0012】
抗コリン薬として、チオトロピウム塩(好ましくはその臭化物塩)、オキシトロピウム塩(好ましくはその臭化物塩)、フルトロピウム塩(好ましくはその臭化物塩)、イプラトロピウム塩(好ましくはその臭化物塩)、グリコピロニウム塩(好ましくはその臭化物塩)、トロスピウム塩(好ましくはその塩化物塩)、トルテロジンからなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。上記塩では、陽イオンは薬理学的に活性な成分を表わす。上記塩は、好ましくは、陰イオンとして塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、マレイン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、琥珀酸イオン、安息香酸イオンまたはp−トルエンスルホン酸イオンを含むことができ、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、メタンスルホン酸イオンまたはp−トルエンスルホン酸イオンが対イオンとして好ましい。全ての塩のうち、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩およびメタンスルホン酸塩が特に好ましい。
【0013】
同様に好ましい抗コリン薬は、式AC−1:
【化1】
(式中、X
−は、負の電荷を持つ陰イオン、好ましくはフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、マレイン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、琥珀酸イオン、安息香酸イオンおよびp−トルエンスルホン酸イオンからなる群から選択される陰イオン、好ましくは1つの負の電荷を持つ陰イオン、特に好ましくは、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、メタンスルホン酸イオンおよびp−トルエンスルホン酸イオンからなる群から選択される陰イオン、特に好ましくは、臭化物イオン、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体または水和物を表す)の塩から選択される。式AC−1−en:
【化2】
(式中、X
−は、上記意味を有することができる)の鏡像異性体を含む薬剤の組み合わせは特に重要である。さらに好ましい抗コリン薬は、式AC−2:
【化3】
(式中、Rは、メチルまたはエチルのいずれかを表わすことができ、X
−は、上記意味を有することができる)の塩から選択される。他の実施形態では、式AC−2:
【化4】
の化合物は、遊離塩基AC−2−baseの形態とすることができる。
【0014】
さらなる上記化合物は:
2,2−ジフェニルプロピオン酸トロペノールエステルメトブロミド、
2,2−ジフェニルプロピオン酸スコピンエステルメトブロミド、
2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸スコピンエステルメトブロミド、
2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸トロペノールエステルメトブロミド、
3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジル酸トロペノールエステルメトブロミド、
3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジル酸スコピンエステルメトブロミド、
4,4’−ジフルオロベンジル酸トロペノールエステルメトブロミド、
4,4’−ジフルオロベンジル酸スコピンエステルメトブロミド、
3,3’−ジフルオロベンジル酸トロペノールエステルメトブロミド、
3,3’−ジフルオロベンジル酸スコピンエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−フルオロ−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
9−フルオロ−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
ベンジル酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
2,2−ジフェニルプロピオン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
4,4’−ジフルオロベンジル酸メチルエステルシクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
9−エチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミドである。
【0015】
上記化合物は、塩metho−X(式中、Xは、X
−についての上記意味を有することができる)がメトブロミドの代わりに使用されている塩の形態で本発明の範囲内で使用することもできる。
【0016】
副腎皮質ステロイドとしては、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、ブチキソコルト、シクレソニド、デフラザコート、デクサメタゾーン、エチプレドノール、フルニソリド、フルチカゾン、ロテプレドノール、モメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、トリアムシノロン、RPR−106541、NS−126、ST−26、および
6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオン酸(S)−フルオロメチルエステル、
6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオン酸(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)エステル、
6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸シアノメチルエステル、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマー、および、場合によりそれらの塩および誘導体、それらの溶媒和物および/または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。ステロイドについてのあらゆる言及は、存在し得るその任意の塩または誘導体、水和物または溶媒和物についての言及も含む。ステロイドの可能な塩および誘導体の例としては、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩またはフロ酸塩が挙げられる。
【0017】
PDE4阻害剤としては、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン、リリミラスト、アロフィリン、アチゾラム、D−4418、Bay−198004、BY343、CP−325,366、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T−2585、V−11294A、Cl−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370、および
N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンズアミド、
(−)p−[(4aR
*,10bS
*)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド、
(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、
3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N’−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、
シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロ−ヘキサン−1−カルボン酸]、
2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、
シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]、
(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−ピロリジン−2−イリデン]アセタート、
(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−ピロリジン−2−イリデン]アセタート、
9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、
9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から選択されるPDE4阻害剤の酸付加塩が好ましい。
【0018】
LTD4拮抗薬としては、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、および
1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸、
1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)−プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸、
[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシ−メチル]フェニル]酢酸、
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、これらの酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から好ましくは選択される。場合によりLTD4拮抗薬の形成が可能な塩または誘導体は、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ塩、アルカリ土類塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩またはフロ酸塩であることが分かるであろう。
【0019】
EGFR阻害剤としては、セツキシマブ、トラスツズマブ、ABX−EGF、Mab
ICR-62、および
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシ−メチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−エチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N−シクロプロピル−N−メチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(モルホリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、
4−{[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[(2−メタンスルホニルエチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)−メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)−メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシ−カルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタン−スルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イル−オキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシ−メチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノエトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニル−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)スルホニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタン−スルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシ−カルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(N−メチル−N−2−メトキシエチルアミノ)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシ−エチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシ−プロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタン−スルホニル−N−メチルアミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチルアミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチルアミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、これらの酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から好ましくは選択される。
【0020】
ドーパミン作動薬としては、ブロモクリプチン、カベルゴリン、α−ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリドおよびバイオザン、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、これらの酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から好ましくは選択される。
【0021】
H1抗ヒスタミン剤としては、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラチジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、デクスクロルフェニラミン、フェニラミン、ドキシルアミン、クロルフェノキサミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、デスロラチジン(desloratidine)およびメクロジン、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、これらの酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から好ましくは選択される。
【0022】
例えば、欧州特許1,003,478号に開示されているような吸入可能な巨大分子などの任意の吸入可能な化合物が、薬学的に活性な物質、物質製剤または物質混合物として使用される。吸入器の分野で使用されている呼吸器疾患の治療用の物質、物質製剤または物質混合物の使用が好ましい。
【0023】
さらに、当該化合物は、麦角アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP阻害剤、ホスホジエステラーゼV阻害剤、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物および/または水和物の形態からなる群に由来していてもよい。
【0024】
麦角アルカロイド誘導体としては、ジヒドロエルゴタミンおよびエルゴタミンが挙げられる。
【0025】
穿孔要素は、好ましくは、上側ハウジング部分と下側ハウジング部分との少なくとも1つの第1のクリップ接続部によって固定された位置では、ブリスター空洞部から離間して配置されており、少なくとも1つの第2のクリップ接続部によって定められた位置では、開放されたブリスター空洞部内に突出している。第1のクリップ接続部により、上側ハウジング部分は、下側ハウジング部分に対して、ブリスター空洞部の意図しない開放が防止される位置に確実に保持され、第2のクリップ接続部により、吸入時の吸入器の単純な取り扱いが保証される、というのは、上側ハウジング部分が、ブリスター空洞部が開放されかつ薬剤を吸入するための特定の吸入器が使用される位置で下側ハウジング部分上に固定して保持されるからである。
【0026】
一実施形態では、各穿孔要素は三角形の先端を有し、1つの穿孔要素が吸入路の領域内に配置されており、1つの穿孔要素がそこに対して横方向にオフセットされて配置されている。実質的に刃先の形態の穿孔要素は、吸入時に1つの開口部を通って気流が空洞部に進入し、他の開口部を通って吸入路内に粉末薬剤が運ばれ、そこから、患者の体内まで運ばれるようにブリスター空洞部を開放する。穿孔要素の形状により、ブリスター空洞部のカバーフィルムを穿孔するために吸入器の使用者によって加えられる力は比較的小さく、吸入される薬剤の放出速度が確保される。
【0027】
吸入器が1回のみ使用される場合、穿孔要素が必ずしも長寿命を有する必要はない、つまり、多くのブリスター空洞部を開放するのに適したものである必要はない。従って、穿孔要素がプラスチック材料で製造されていると有利である。穿孔要素は、例えば、半製品から製造することができ、あるいは、好ましくは、例えば射出成形法によって、分散用ユニットと一体で製造することができる。
【0028】
他の実施形態では、穿孔要素は、金属で製造されている。金属は、いわゆるステンレス鋼であってもよく、医療分野で使用されており、プラスチック材料と比較した場合、穿孔要素をより薄くかつより鋭利なものとすることができ、そのため、ブリスター空洞部を覆う比較的安定なカバーフィルムでさえ穿孔することができる。
【0029】
穿孔要素は、好ましくは、金属製のプレートから打ち抜かれており、ブリスター空洞部の方向に向くようにそのプレートに対して鋭角に屈曲されている。2つの穿孔要素を有するプレートは取り扱いが容易であり、適している。さらに、穿孔要素の幾何学形状によって、ブリスター空洞部のカバーフィルムに対するそれらの位置と協働して、ほとんど全ての薬剤が空洞部から放出される比較的大きな流れ開口部が確保される。プレートは、確実な固定および/または摩擦による固定によって分散用ユニットに接続されていると有利である。プレートは、例えば、挿入物の形態であってもよく、射出成形作業時に当該ユニットに接続することができる。ただし、プレートには、溶接のための当該ユニットのプラスチックピンが挿通する互いに離間した2つの孔を設けることもできる。当然ながら、プレートを当該ユニットにクリップ接続するか、接着接合することもできる。
【0030】
下側ハウジング部分が2つの対向するクリップ接続突出部を有し、対応するクリップ接続開口部が異なる面で上側ハウジング部分に嵌め込まれると有利である。クリップ接続突出部と協働することで、クリップ接続開口部によって、ブリスター空洞部が未開放である吸入器の送達状態および穿孔要素によってブリスター空洞部が広く開放されている使用状態の両状態における下側ハウジング部分の上側ハウジング部分に対する位置が決定される。クリップ接続開口部およびクリップ接続突出部はさらなる費用を支出せずに容易に製造され、使用者は、上側ハウジング部分の下側ハウジング部分に対する位置およびさらには吸入器の状態を聴覚的および視覚的に検出することができる合図を有する。さらに、クリップ接続部は、上側ハウジング部分の下側ハウジング部分およびブリスター空洞部の関連する開口部に対する意図しない変位を防止する一方で、ブリスター空洞部を許容可能な力を与えて開放することができるような大きさとすることができる。上側ハウジング部分を下側ハウジング部分に対して移動させるために必要な力を減少させるために、クリップ接続突出部は、対向する固定用アームの自由端に配置されている。ブリスター空洞部の開放を容易にするために、クリップ接続開口部は、ブリスター空洞部が開放される面でのスロットの形態である。クリップ接続突出部がスロット状クリップ接続開口部に到達する位置で、穿孔要素の先端によってブリスター空洞部のカバーフィルムが穿孔される。上側ハウジング部分および下側ハウジング部分がスロットによって決定される範囲内で一緒に押圧されると、比較的小さな力によってブリスター空洞部の開放に伴うさらなる穿孔が行われる。
【0031】
上側ハウジング部分は、好ましくは、下側ハウジング部分に対して移動可能に取り付けられている。移動可能な取り付け部分は製造が容易であり、不具合が生じにくい。捻れ防止手段を場合により設けることができ、それにより、調整および取り扱いが容易となる。
【0032】
さらなる発展形態によれば、上側ハウジング部分は、円筒形または楕円形の断面を有する下側ハウジング部分が嵌め込まれる円筒形または楕円形の断面を有し、空気排出開口部に向かう方向に円錐状に延び、空気吸入開口部が、下側ハウジング部分の自由端面上に形成されている。円筒形または楕円形の上側ハウジング部分の円錐形態によって、吸入器の使用者の唇を吸い口として機能する上側ハウジング部分と密着させることができ、それにより、吸入時に主気流が吸入器を通って吸引される。下側ハウジング部分の自由端面上の空気排出開口部は、吸入時に吸入器の取り扱いを妨害しない、というのは、ハウジングは周囲を掴持することができるからである。また、比較的単純な幾何学形状の上側ハウジング部分および下側ハウジング部分を少ない支出で製造することができる。
【0033】
他のさらなる発展形態によれば、上側ハウジング部分および下側ハウジング部分の断面はそれぞれ皿型であり、下側ハウジング部分が上側ハウジング部分内に嵌め込まれている。従って、上側ハウジング部分および下側ハウジング部分からなるハウジングは、実質的に円筒体である。製造が容易である皿型によっても、唇を下側ハウジング部分に比較的密着させることができる。
【0034】
さらなる包装の薬剤を分配するために、粉末薬剤を含むブリスター空洞部は、好ましくは、製造者によってハウジングの支持面内に配置されている。薬剤を受け入れるためのブリスター空洞部は環境的影響からの効果的な保護を与える限りにおいて有用であることが分かっている。
【0035】
吸入される薬剤および吸入器を環境的影響から保護するために、吸入器には気密な外装、特にフィルム容器が設けられている。そのような外装は市販されている。代わりとして、あるいは追加で、吸い口および/または空気吸入開口部は、取り外し可能なキャップで密閉されている。これらの手段により、薬剤を有する吸入器の内部は、包装の点で最小の支出で、特に薬剤を損傷させる影響、例えば水分から保護される。
【0036】
本発明のさらなる実施形態では、薬剤は、流れの方向を考慮して、粉末薬剤の分散用ユニットの上流のブリスター空洞部に格納されており、当該ユニットの中心孔を通って吸い口の吸入路内に移動し、当該ユニットは、吸入路に通じる流れ孔と連絡する少なくとも1つの放射状流入開口部を有する。吸入時に、空気はブリスター空洞部の1つの開口部を通って流れ、薬剤がブリスター空洞部の他の開口部を通って薬剤の分散用ユニットの中心孔内に運ばれる。放射状流入開口部を通ってユニット内に流れる空気は、薬剤を旋回させる役割を担い、それによって、流れ孔内で薬剤の粉末粒子が細かく分散される。さらなる流路では、粉末粒子は、吸入器の上側ハウジング部分内に形成された吸入路内に移動し、そこから、吸入器の使用者の肺の中に移動する。高い薬剤送達率を確保するために、ユニットの中心孔は、穿孔要素の一つと整列して配置されている。
【0037】
高い流速を生じさせるために、中心孔は、空気が内部を流れ、流入開口部に通じる環状空間によって囲まれており、流れ孔の外壁は環状空間の内壁と重なり合っている。
【0038】
吸入時に、可能な限り多くの小さな粉末粒子を生成する指向流を生成するために、2つの直径方向に対向する流入開口部が設けられており、その幅は、内壁の直径よりも僅かに大きい。他の実施形態では、ユニットの互いに連絡する対向端の流路に通じる少なくとも2つの互いにオフセットされた流入開口部が設けられている。従って、互いに対向するサイクロン流が得られる。内壁は、好ましくは、その孔と流れ孔との流れ接続のための軸方向の開口部を有する。当該ユニットはその流れ孔内に薬剤のための偏向板を有することも可能である。あるいは、偏向板はユニット内に挿入された中心リングに固定されている。吸入時に気流を案内するための全ての手段は、大きい薬剤粒子を砕くことによって、可能な限り細かい粉末を生成するのに有用である。
【0039】
上に述べ、さらに以下に説明する特徴は、各場合に示される組み合わせだけでなく、異なる組み合わせで使用することができることが分かるであろう。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0040】
添付の図面を参照しながら、いくつかの例示的な実施形態によって本発明を以下に詳細に説明する。