特許第5976273号(P5976273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976273
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】吸入器
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/06 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   A61M15/06 A
【請求項の数】22
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2010-518680(P2010-518680)
(86)(22)【出願日】2008年7月31日
(65)【公表番号】特表2010-534545(P2010-534545A)
(43)【公表日】2010年11月11日
(86)【国際出願番号】EP2008060078
(87)【国際公開番号】WO2009016238
(87)【国際公開日】20090205
【審査請求日】2011年7月14日
【審判番号】不服2014-21444(P2014-21444/J1)
【審判請求日】2014年10月23日
(31)【優先権主張番号】07113624.6
(32)【優先日】2007年8月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500370595
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナルゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(73)【特許権者】
【識別番号】509351199
【氏名又は名称】ベクチュラ デリバリー デバイセズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ワクテル,ヘルベルト
(72)【発明者】
【氏名】サーカー,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ミリヴォイェヴィチ,イワン
(72)【発明者】
【氏名】ハーマー,クェンティン
【合議体】
【審判長】 高木 彰
【審判官】 宮下 浩次
【審判官】 平瀬 知明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/037353(WO,A1)
【文献】 特表2004−529664(JP,A)
【文献】 特開平5−245201(JP,A)
【文献】 特開平11−221280(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0127533(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔要素(11)によって開放され、かつ、吸い口の形態にありかつ吸入路(16)を有する上側ハウジング部分(6)と、空気吸入開口部(9)を有する下側ハウジング部分(1)と、粉末薬剤を分散させるための前記上側ハウジング部分(6)内のユニット(15)と、からなるハウジング(2)の前記下側ハウジング部分(1)内に取り付けられる、ブリスター空洞部からの吸入可能な物質、物質製剤または物質混合物の形態にある前記粉末薬剤の投与のための吸入器であって、前記ユニット(15)がそこを通って延びる中心孔(17)を有し、前記薬剤が、吸入時に前記上側ハウジング部分(6)を通って、前記ブリスター空洞部および前記下側ハウジング部分(1)から放出され、かつ前記上側ハウジング部分(6)内の前記ユニット(15)の前記中心孔(17)を通過するように、前記薬剤が、流れの方向を考慮する場合に前記ユニットの上流にある前記下側ハウジング部分(1)内に受け入れ可能なブリスター空洞部内に格納され、前記ユニット(15)が前記穿孔要素(11)に接続され、サイクロン状の乱流が、前記吸入路(16)への前記薬剤の進入より先に流れ孔(20)内で生成されるように、前記ユニット(15)が、前記吸入路(16)に通じる前記流れ孔(20)と、前記流れ孔(20)と連絡する少なくとも1つの接線方向の流入開口部(19)と、を備え、前記ユニット(15)が前記吸入路(16)とは別々に製造され、その後前記吸入路(16)内に固定して挿入され、前記穿孔要素(11)が、前記上側ハウジング部分()と前記下側ハウジング部分()との間にある少なくとも1つの第1のクリップ接続部(10)によって固定された第1の位置では、前記ブリスター空洞部から離間して配置されており、少なくとも1つの第2のクリップ接続部によって定められた第2の位置では、開放されたブリスター空洞部内に突出していることを特徴とする、吸入器。
【請求項2】
各穿孔要素(11)が三角形の先端を有し、1つの穿孔要素(11)が前記吸入路(16)の領域内に配置されており、1つの穿孔要素(11)がそこに対して横方向にオフセットされて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記穿孔要素(11)がプラスチック材料から製造されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の吸入器。
【請求項4】
前記穿孔要素(11)が前記ユニット(15)と一体に製造されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項5】
前記穿孔要素(11)が金属製であることを特徴とする、請求項1または2に記載の吸入器。
【請求項6】
前記穿孔要素(11)が金属製のプレート(12)から打ち抜かれており、前記ブリスター空洞部の方向に向くように前記プレート(12)に対して鋭角に屈曲されていることを特徴とする、請求項5に記載の吸入器。
【請求項7】
前記プレート(12)が確実な固定および/または摩擦による固定によって前記ユニット(15)に接続されていることを特徴とする、請求項6に記載の吸入器。
【請求項8】
前記下側ハウジング部分(1)が2つの対向するクリップ接続突出部(4)を有し、対応するクリップ接続開口部(5)が異なる面で前記上側ハウジング部分(6)に嵌め込まれることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項9】
前記クリップ接続突出部(4)が対向する固定用アーム(7)の自由端に配置されていることを特徴とする、請求項8に記載の吸入器。
【請求項10】
前記ブリスター空洞部が開放される面での前記クリップ接続開口部(5)がスロットの形態であることを特徴とする、請求項8に記載の吸入器。
【請求項11】
前記上側ハウジング部分(6)が前記下側ハウジング部分(1)に対して移動可能であるように嵌め込まれていることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項12】
捻れ防止手段が前記上側ハウジング部分(6)と前記下側ハウジング部分(1)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項13】
前記上側ハウジング部分(6)が、円筒形または楕円形の断面を有する前記下側ハウジング部分(1)が嵌め込まれる円筒形または楕円形の断面を有し、空気排出開口部(18)に向かって円錐状に延びており、前記空気吸入開口部(9)が前記下側ハウジング部分(1)の自由端面上に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項14】
前記粉末薬剤を含む前記ブリスター空洞部が製造者によって前記ハウジング(2)の支持面(3)内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項15】
前記吸入器に気密な外装が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項16】
前記ユニット(15)の前記中心孔(17)が前記穿孔要素(11)の1つと整列して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項17】
前記中心孔(17)が、空気が内部を流れかつ前記流入開口部(19)に通じる環状空間(24)によって囲まれており、前記流れ孔(20)の外壁(26)が前記環状空間(24)の内壁(25)と重なり合っていることを特徴とする、請求項16に記載の吸入器。
【請求項18】
2つの直径方向に対向する流入開口部(19)が設けられており、流入開口部(19)の幅が前記内壁(25)の直径よりも僅かに大きいことを特徴とする、請求項16または17に記載の吸入器。
【請求項19】
前記ユニット(15)の互いに連絡する対向側の流路に通じる少なくとも2つの互いにオフセットされた流入開口部(19)が設けられていることを特徴とする、請求項16または17に記載の吸入器。
【請求項20】
前記ユニット(15)がその流れ孔(20)内に前記薬剤のための偏向板(23)を有することを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項21】
前記偏向板(23)が前記ユニット内に挿入された中心リング(29)に固定されていることを特徴とする、請求項20に記載の吸入器。
【請求項22】
使い捨てであることを特徴とする、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の吸入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿孔要素によって開放することができ、吸い口の形態でありかつ吸入路を有する上側ハウジング部分と空気吸入開口部を有する下側ハウジング部分と、からなるハウジングの下側ハウジング部分内に取り付けられたブリスター空洞部からの吸入可能な物質、物質製剤または物質混合物の形態の粉末薬剤を投与するための吸入器に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第0911047A1号は、カプセルからの粉末薬剤を吸入するための吸入器を開示しており、この吸入器は、2つの窓と、カプセルホルダーおよび空気吸入開口部が内部にあるプレートとを有する下部を含む。吸入チャンバーがプレートにさらに接続されており、そこには、2本の研磨された針を備えかつバネに抗して移動可能なヘッドが設けられている。マウスチューブが吸入器の上部に接続されており、蓋が、下部、プレートおよび上部にヒンジ式に接続されている。この吸入器は複雑な構造を有し、複数の用途を目的としている。
【0003】
欧州特許第0835148B1号は、ブリスター空洞部が押圧支援手段によって空にされるストリップ状のブリスターパックからの薬剤を投与するための吸入器をさらに開示している。この吸入器は、ヒンジによって互いに枢動可能に接続された少なくとも2つのハウジング部分からなる細長いハウジングを実質的に含む。ブリスターストリップを受け入れるための支持面としての凹部が一方のハウジング部分内に形成されている。ハウジングは、幅狭側に吸い口を有し、吸い口に対向する幅狭側に、空気路によって吸い口に接続された空気吸入開口部を有する。空気路はブリスター空洞部からの薬剤を受け入れるように設計されており、薬剤は、ハウジングに関連付けられた押出プランジャーによって放出され、吸入器の使用者によって押出プランジャーが押圧されると、押出プランジャーによってブリスター空洞部のカバーフィルムが裂開されるが、その際、薬剤は、ブリスター空洞部内に残留するか、空気路の粉末流路内に流れ込む。この吸入器は、その構造のために複数の用途を目的としている。
【0004】
効果的に薬剤を吸入するために、患者は吸入器の吸い口を口腔粘膜(唇、口/咽頭)と接触させなければならない。これは、全ての人の口腔粘膜には病原体となり得る多くの様々な細菌や他の微生物が含まれているという点で問題であることが分かっている。そのため、使用時に吸入器の吸い口は汚染される。患者(および結果的に吸入器の使用者)は、吸入器の使用後に吸い口を洗浄するように勧められるが、洗浄作業は患者個人の扱い方、患者の年齢および病気の重症度によって、可変可能に一貫して行われる。さらに、特に薬剤残留物を除去するために、吸入器のハウジングの内部も洗浄しなければならない、というのは、そのような残留物は、吸入器が不規則な間隔で取り外され、実際の服用量が放出される場合には調整上の問題を引き起こす場合があるからである。
【0005】
ドイツ特許第69319100T2号は使い捨ての吸入器を開示しており、この吸入器は、呼吸によって作動することができ、両側が開放され、一端が空気吸入口を形成し、他端が空気排出口を形成する、空気ダクトを形成する2つの部分を有するチューブ状のハウジングを含む。ハウジングは、吸入用の医薬品粉末を格納する区画を有し、吸入時に幅狭部分において乱気流を生成するために区画に隣接する幅狭部分を備え、乱気流によって粉末が区画から取り出され、気流と混合される。区画は、空気吸入口に隣接する凹みの形態であり、その底の貫通孔によって周囲空気と連絡する。凹みおよび貫通孔は、気密式に密閉フィルムで覆われており、外側からフィルムを取り外すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、患者による取り扱いが容易でありながら、単純で安価な構造を有する、冒頭で述べた種類の吸入器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、上側ハウジング部分の吸入路が穿孔要素に接続された粉末薬剤の分散用ユニットを有し、上側ハウジング部分がブリスター空洞部を開放するために下側ハウジング部分に対して移動可能であることによって達成される。
【0008】
当該吸入器は、少数の個別部分を用いる使い捨てであるために安価に製造することができ、不可欠な構成要素のみを含むという点で有利である。分散用ユニットは、射出成形法によって上側ハウジング部分と一体に製造されているか、溶接、接着、プレスまたは他の公知の接合技術によって吸入路に固定的かつ永久的に接続されている。分散用ユニットによって、使用者が吸引した空気中に薬剤の粒子が細かく、吸入可能に分散される。使い捨て吸入器として設計されていることにより、定期的な洗浄が不要であり、特に吸入路および/または分散用ユニット中の薬剤残留物によって薬剤の送達が損なわれる可能性が低いため、その取り扱いは単純化されている。上側ハウジング部分およびさらには吸い口も、人間工学的な設計を有しない単純なチューブの形態とすることができ、下側ハウジング部分と同様に、プラスチック材料で製造することができる。プラスチック材料は、好ましくは、ポリマー、熱可塑性重縮合製品、重付加物(polyadduct)、変性天然材料またはゴムあるいはこれらのプラスチック材料の混合物である。ポリオレフィン、塩化ビニルポリマー、スチレンポリマー、ポリアセタール、ポリアミド、熱可塑性ポリエステルおよびポリアリールエーテルまたはこれらのプラスチック材料の混合物が特に好ましい。これらのプラスチック材料の例は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオキシ−メチレン、ポリアセタール、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸エステル(ASA)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸ブチレン)またはポリ(フェニレンエーテル)である。そのようなプラスチック材料は、例えば、ドイツのヌフリンゲン(Nufringen)に所在するEnsinger社から入手することができる。
【0009】
HandiHaler(登録商標)、Spinhaler(登録商標)、Rotahaler(登録商標)、Aerolizer(登録商標)、Flowcaps(登録商標)、Turbospin(登録商標)、AIR DPI(登録商標)、Orbital(登録商標)、Directhaler(登録商標)という商品名の吸入器が知られておりかつ/またはドイツ特許第3345722号、欧州特許第0591136号、ドイツ特許第4318455号、国際公開第WO91/02558号、仏国特許2146202号、米国特許第4,069,819号、欧州特許第666085号、欧州特許第869079号、米国特許第3,991,761号、国際公開第WO99/45987号、国際公開第WO20051672号、Bell, J. Pharm. Sci. 60, 1559 (1971); Cox, Brit. Med. J. 2, 634
(1969)に開示されている。粉末吸入器として、単回投与用または複数回投与用の粉末吸入器、特に、Spinhaler(登録商標)、Rotahaler(登録商標)、Aerolizer(登録商標)、Inhalator(登録商標)、HandiHaler(登録商標)、Diskhaler(登録商標)、Diskus(登録商標)、Accuhaler(登録商標)、Aerohaler(登録商標)、Eclipse(登録商標)、Turbohaler(登録商標)、Turbuhaler(登録商標)、Easyhaler(登録商標)、Novolizer(登録商標)、Clickhaler(登録商標)、Pulvinal(登録商標)、Novolizer(登録商標)、SkyeHaler(登録商標)、Xcelovair(登録商標)、Pulvina(登録商標)、Taifun(登録商標)、MAG−haler(登録商標)、Twisthaler(登録商標)およびJethaler(登録商標)が知られている。
【0010】
後述する化合物を単独で、あるいは組み合わせて、本発明に係る装置で使用することができる。後述する化合物では、Wは、薬理学的に活性な成分であり、(例えば)β受容体刺激薬(betamimetic)、抗コリン薬、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、LTD4拮抗薬、EGFR阻害剤、ドーパミン作動薬、H1抗ヒスタミン剤、PAF拮抗薬およびPI3キナーゼ阻害剤からなる群から選択される。さらに2剤または3剤の組み合わせを調製し、それらを本発明に係る装置で使用することもできる。上記Wの組み合わせの例としては、抗コリン薬、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤またはLTD4拮抗薬と組み合わせたβ受容体刺激薬、β受容体刺激薬、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤またはLTD4拮抗薬と組み合わせた抗コリン薬、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤またはLTD4拮抗薬と組み合わせた副腎皮質ステロイド、EGFR阻害剤またはLTD4拮抗薬と組み合わせたPDE4阻害剤、LTD4拮抗薬と組み合わせたEGFR阻害剤が挙げられる。
【0011】
β受容体刺激薬としては、アルブテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、サルメテロール、ソテレノール、sulphonterol、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール(tolubuterol)、ジンテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、および
3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホンアミド、
5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}−エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、
1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−(3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、
5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3−(4H)−オン、
1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフロオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノール、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸エチルエステル)1,1−ジメチルエチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ酢酸)1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、
8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、
2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−ベンズアルデヒド、
N−[2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド、
8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
8−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2−(6−フェニルエチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン、
5−[2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
[3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−尿素、
4−(2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジルスルホンアミド、
3−(3−{7−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンジルスルホンアミド、
4−(2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
N−アダマンタン−2−イル−2−(3−{2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−アセトアミド、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から選択されるβ受容体刺激薬の酸付加塩が好ましい。
【0012】
抗コリン薬として、チオトロピウム塩(好ましくはその臭化物塩)、オキシトロピウム塩(好ましくはその臭化物塩)、フルトロピウム塩(好ましくはその臭化物塩)、イプラトロピウム塩(好ましくはその臭化物塩)、グリコピロニウム塩(好ましくはその臭化物塩)、トロスピウム塩(好ましくはその塩化物塩)、トルテロジンからなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。上記塩では、陽イオンは薬理学的に活性な成分を表わす。上記塩は、好ましくは、陰イオンとして塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、マレイン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、琥珀酸イオン、安息香酸イオンまたはp−トルエンスルホン酸イオンを含むことができ、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、メタンスルホン酸イオンまたはp−トルエンスルホン酸イオンが対イオンとして好ましい。全ての塩のうち、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩およびメタンスルホン酸塩が特に好ましい。
【0013】
同様に好ましい抗コリン薬は、式AC−1:
【化1】
(式中、Xは、負の電荷を持つ陰イオン、好ましくはフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、マレイン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、琥珀酸イオン、安息香酸イオンおよびp−トルエンスルホン酸イオンからなる群から選択される陰イオン、好ましくは1つの負の電荷を持つ陰イオン、特に好ましくは、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、メタンスルホン酸イオンおよびp−トルエンスルホン酸イオンからなる群から選択される陰イオン、特に好ましくは、臭化物イオン、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体または水和物を表す)の塩から選択される。式AC−1−en:
【化2】
(式中、Xは、上記意味を有することができる)の鏡像異性体を含む薬剤の組み合わせは特に重要である。さらに好ましい抗コリン薬は、式AC−2:
【化3】
(式中、Rは、メチルまたはエチルのいずれかを表わすことができ、Xは、上記意味を有することができる)の塩から選択される。他の実施形態では、式AC−2:
【化4】
の化合物は、遊離塩基AC−2−baseの形態とすることができる。
【0014】
さらなる上記化合物は:
2,2−ジフェニルプロピオン酸トロペノールエステルメトブロミド、
2,2−ジフェニルプロピオン酸スコピンエステルメトブロミド、
2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸スコピンエステルメトブロミド、
2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸トロペノールエステルメトブロミド、
3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジル酸トロペノールエステルメトブロミド、
3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジル酸スコピンエステルメトブロミド、
4,4’−ジフルオロベンジル酸トロペノールエステルメトブロミド、
4,4’−ジフルオロベンジル酸スコピンエステルメトブロミド、
3,3’−ジフルオロベンジル酸トロペノールエステルメトブロミド、
3,3’−ジフルオロベンジル酸スコピンエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−フルオロ−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
9−フルオロ−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
ベンジル酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
2,2−ジフェニルプロピオン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
4,4’−ジフルオロベンジル酸メチルエステルシクロプロピルトロピンエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミド、
9−エチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド、
9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステルメトブロミドである。
【0015】
上記化合物は、塩metho−X(式中、Xは、Xについての上記意味を有することができる)がメトブロミドの代わりに使用されている塩の形態で本発明の範囲内で使用することもできる。
【0016】
副腎皮質ステロイドとしては、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、ブチキソコルト、シクレソニド、デフラザコート、デクサメタゾーン、エチプレドノール、フルニソリド、フルチカゾン、ロテプレドノール、モメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、トリアムシノロン、RPR−106541、NS−126、ST−26、および
6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオン酸(S)−フルオロメチルエステル、
6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオン酸(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)エステル、
6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸シアノメチルエステル、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマー、および、場合によりそれらの塩および誘導体、それらの溶媒和物および/または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。ステロイドについてのあらゆる言及は、存在し得るその任意の塩または誘導体、水和物または溶媒和物についての言及も含む。ステロイドの可能な塩および誘導体の例としては、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩またはフロ酸塩が挙げられる。
【0017】
PDE4阻害剤としては、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン、リリミラスト、アロフィリン、アチゾラム、D−4418、Bay−198004、BY343、CP−325,366、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T−2585、V−11294A、Cl−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370、および
N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンズアミド、
(−)p−[(4aR,10bS)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド、
(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、
3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N’−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、
シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロ−ヘキサン−1−カルボン酸]、
2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、
シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]、
(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−ピロリジン−2−イリデン]アセタート、
(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−ピロリジン−2−イリデン]アセタート、
9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、
9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から選択されるPDE4阻害剤の酸付加塩が好ましい。
【0018】
LTD4拮抗薬としては、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、および
1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸、
1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)−プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸、
[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシ−メチル]フェニル]酢酸、
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、これらの酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から好ましくは選択される。場合によりLTD4拮抗薬の形成が可能な塩または誘導体は、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ塩、アルカリ土類塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩またはフロ酸塩であることが分かるであろう。
【0019】
EGFR阻害剤としては、セツキシマブ、トラスツズマブ、ABX−EGF、Mab
ICR-62、および
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシ−メチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−エチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N−シクロプロピル−N−メチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(モルホリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、
4−{[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[(2−メタンスルホニルエチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)−キナゾリン、
4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)−メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)−メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシ−カルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタン−スルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イル−オキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシ−メチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシエトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノエトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニル−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)スルホニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタン−スルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシ−カルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(N−メチル−N−2−メトキシエチルアミノ)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシ−エチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシ−プロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタン−スルホニル−N−メチルアミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチルアミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチルアミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチルアミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、これらの酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から好ましくは選択される。
【0020】
ドーパミン作動薬としては、ブロモクリプチン、カベルゴリン、α−ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリドおよびバイオザン、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、これらの酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から好ましくは選択される。
【0021】
H1抗ヒスタミン剤としては、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラチジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、デクスクロルフェニラミン、フェニラミン、ドキシルアミン、クロルフェノキサミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、デスロラチジン(desloratidine)およびメクロジン、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物または水和物からなる群から選択される化合物が好ましくは使用される。本発明によれば、これらの酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸水素塩、硝酸水素塩、マレイン酸水素塩、酢酸水素塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、琥珀酸水素塩、ヒドロ安息香酸塩およびヒドロ−p−トルエンスルホン酸塩からなる群から好ましくは選択される。
【0022】
例えば、欧州特許1,003,478号に開示されているような吸入可能な巨大分子などの任意の吸入可能な化合物が、薬学的に活性な物質、物質製剤または物質混合物として使用される。吸入器の分野で使用されている呼吸器疾患の治療用の物質、物質製剤または物質混合物の使用が好ましい。
【0023】
さらに、当該化合物は、麦角アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP阻害剤、ホスホジエステラーゼV阻害剤、場合によりそれらのラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマー、および、場合によりそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩、溶媒和物および/または水和物の形態からなる群に由来していてもよい。
【0024】
麦角アルカロイド誘導体としては、ジヒドロエルゴタミンおよびエルゴタミンが挙げられる。
【0025】
穿孔要素は、好ましくは、上側ハウジング部分と下側ハウジング部分との少なくとも1つの第1のクリップ接続部によって固定された位置では、ブリスター空洞部から離間して配置されており、少なくとも1つの第2のクリップ接続部によって定められた位置では、開放されたブリスター空洞部内に突出している。第1のクリップ接続部により、上側ハウジング部分は、下側ハウジング部分に対して、ブリスター空洞部の意図しない開放が防止される位置に確実に保持され、第2のクリップ接続部により、吸入時の吸入器の単純な取り扱いが保証される、というのは、上側ハウジング部分が、ブリスター空洞部が開放されかつ薬剤を吸入するための特定の吸入器が使用される位置で下側ハウジング部分上に固定して保持されるからである。
【0026】
一実施形態では、各穿孔要素は三角形の先端を有し、1つの穿孔要素が吸入路の領域内に配置されており、1つの穿孔要素がそこに対して横方向にオフセットされて配置されている。実質的に刃先の形態の穿孔要素は、吸入時に1つの開口部を通って気流が空洞部に進入し、他の開口部を通って吸入路内に粉末薬剤が運ばれ、そこから、患者の体内まで運ばれるようにブリスター空洞部を開放する。穿孔要素の形状により、ブリスター空洞部のカバーフィルムを穿孔するために吸入器の使用者によって加えられる力は比較的小さく、吸入される薬剤の放出速度が確保される。
【0027】
吸入器が1回のみ使用される場合、穿孔要素が必ずしも長寿命を有する必要はない、つまり、多くのブリスター空洞部を開放するのに適したものである必要はない。従って、穿孔要素がプラスチック材料で製造されていると有利である。穿孔要素は、例えば、半製品から製造することができ、あるいは、好ましくは、例えば射出成形法によって、分散用ユニットと一体で製造することができる。
【0028】
他の実施形態では、穿孔要素は、金属で製造されている。金属は、いわゆるステンレス鋼であってもよく、医療分野で使用されており、プラスチック材料と比較した場合、穿孔要素をより薄くかつより鋭利なものとすることができ、そのため、ブリスター空洞部を覆う比較的安定なカバーフィルムでさえ穿孔することができる。
【0029】
穿孔要素は、好ましくは、金属製のプレートから打ち抜かれており、ブリスター空洞部の方向に向くようにそのプレートに対して鋭角に屈曲されている。2つの穿孔要素を有するプレートは取り扱いが容易であり、適している。さらに、穿孔要素の幾何学形状によって、ブリスター空洞部のカバーフィルムに対するそれらの位置と協働して、ほとんど全ての薬剤が空洞部から放出される比較的大きな流れ開口部が確保される。プレートは、確実な固定および/または摩擦による固定によって分散用ユニットに接続されていると有利である。プレートは、例えば、挿入物の形態であってもよく、射出成形作業時に当該ユニットに接続することができる。ただし、プレートには、溶接のための当該ユニットのプラスチックピンが挿通する互いに離間した2つの孔を設けることもできる。当然ながら、プレートを当該ユニットにクリップ接続するか、接着接合することもできる。
【0030】
下側ハウジング部分が2つの対向するクリップ接続突出部を有し、対応するクリップ接続開口部が異なる面で上側ハウジング部分に嵌め込まれると有利である。クリップ接続突出部と協働することで、クリップ接続開口部によって、ブリスター空洞部が未開放である吸入器の送達状態および穿孔要素によってブリスター空洞部が広く開放されている使用状態の両状態における下側ハウジング部分の上側ハウジング部分に対する位置が決定される。クリップ接続開口部およびクリップ接続突出部はさらなる費用を支出せずに容易に製造され、使用者は、上側ハウジング部分の下側ハウジング部分に対する位置およびさらには吸入器の状態を聴覚的および視覚的に検出することができる合図を有する。さらに、クリップ接続部は、上側ハウジング部分の下側ハウジング部分およびブリスター空洞部の関連する開口部に対する意図しない変位を防止する一方で、ブリスター空洞部を許容可能な力を与えて開放することができるような大きさとすることができる。上側ハウジング部分を下側ハウジング部分に対して移動させるために必要な力を減少させるために、クリップ接続突出部は、対向する固定用アームの自由端に配置されている。ブリスター空洞部の開放を容易にするために、クリップ接続開口部は、ブリスター空洞部が開放される面でのスロットの形態である。クリップ接続突出部がスロット状クリップ接続開口部に到達する位置で、穿孔要素の先端によってブリスター空洞部のカバーフィルムが穿孔される。上側ハウジング部分および下側ハウジング部分がスロットによって決定される範囲内で一緒に押圧されると、比較的小さな力によってブリスター空洞部の開放に伴うさらなる穿孔が行われる。
【0031】
上側ハウジング部分は、好ましくは、下側ハウジング部分に対して移動可能に取り付けられている。移動可能な取り付け部分は製造が容易であり、不具合が生じにくい。捻れ防止手段を場合により設けることができ、それにより、調整および取り扱いが容易となる。
【0032】
さらなる発展形態によれば、上側ハウジング部分は、円筒形または楕円形の断面を有する下側ハウジング部分が嵌め込まれる円筒形または楕円形の断面を有し、空気排出開口部に向かう方向に円錐状に延び、空気吸入開口部が、下側ハウジング部分の自由端面上に形成されている。円筒形または楕円形の上側ハウジング部分の円錐形態によって、吸入器の使用者の唇を吸い口として機能する上側ハウジング部分と密着させることができ、それにより、吸入時に主気流が吸入器を通って吸引される。下側ハウジング部分の自由端面上の空気排出開口部は、吸入時に吸入器の取り扱いを妨害しない、というのは、ハウジングは周囲を掴持することができるからである。また、比較的単純な幾何学形状の上側ハウジング部分および下側ハウジング部分を少ない支出で製造することができる。
【0033】
他のさらなる発展形態によれば、上側ハウジング部分および下側ハウジング部分の断面はそれぞれ皿型であり、下側ハウジング部分が上側ハウジング部分内に嵌め込まれている。従って、上側ハウジング部分および下側ハウジング部分からなるハウジングは、実質的に円筒体である。製造が容易である皿型によっても、唇を下側ハウジング部分に比較的密着させることができる。
【0034】
さらなる包装の薬剤を分配するために、粉末薬剤を含むブリスター空洞部は、好ましくは、製造者によってハウジングの支持面内に配置されている。薬剤を受け入れるためのブリスター空洞部は環境的影響からの効果的な保護を与える限りにおいて有用であることが分かっている。
【0035】
吸入される薬剤および吸入器を環境的影響から保護するために、吸入器には気密な外装、特にフィルム容器が設けられている。そのような外装は市販されている。代わりとして、あるいは追加で、吸い口および/または空気吸入開口部は、取り外し可能なキャップで密閉されている。これらの手段により、薬剤を有する吸入器の内部は、包装の点で最小の支出で、特に薬剤を損傷させる影響、例えば水分から保護される。
【0036】
本発明のさらなる実施形態では、薬剤は、流れの方向を考慮して、粉末薬剤の分散用ユニットの上流のブリスター空洞部に格納されており、当該ユニットの中心孔を通って吸い口の吸入路内に移動し、当該ユニットは、吸入路に通じる流れ孔と連絡する少なくとも1つの放射状流入開口部を有する。吸入時に、空気はブリスター空洞部の1つの開口部を通って流れ、薬剤がブリスター空洞部の他の開口部を通って薬剤の分散用ユニットの中心孔内に運ばれる。放射状流入開口部を通ってユニット内に流れる空気は、薬剤を旋回させる役割を担い、それによって、流れ孔内で薬剤の粉末粒子が細かく分散される。さらなる流路では、粉末粒子は、吸入器の上側ハウジング部分内に形成された吸入路内に移動し、そこから、吸入器の使用者の肺の中に移動する。高い薬剤送達率を確保するために、ユニットの中心孔は、穿孔要素の一つと整列して配置されている。
【0037】
高い流速を生じさせるために、中心孔は、空気が内部を流れ、流入開口部に通じる環状空間によって囲まれており、流れ孔の外壁は環状空間の内壁と重なり合っている。
【0038】
吸入時に、可能な限り多くの小さな粉末粒子を生成する指向流を生成するために、2つの直径方向に対向する流入開口部が設けられており、その幅は、内壁の直径よりも僅かに大きい。他の実施形態では、ユニットの互いに連絡する対向端の流路に通じる少なくとも2つの互いにオフセットされた流入開口部が設けられている。従って、互いに対向するサイクロン流が得られる。内壁は、好ましくは、その孔と流れ孔との流れ接続のための軸方向の開口部を有する。当該ユニットはその流れ孔内に薬剤のための偏向板を有することも可能である。あるいは、偏向板はユニット内に挿入された中心リングに固定されている。吸入時に気流を案内するための全ての手段は、大きい薬剤粒子を砕くことによって、可能な限り細かい粉末を生成するのに有用である。
【0039】
上に述べ、さらに以下に説明する特徴は、各場合に示される組み合わせだけでなく、異なる組み合わせで使用することができることが分かるであろう。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0040】
添付の図面を参照しながら、いくつかの例示的な実施形態によって本発明を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明に係る吸入器の正面図である。
図2図1の吸入器のII−II線に沿った断面図である。
図3図1の吸入器のIII−III線に沿った断面図である。
図4図1の吸入器のIV−IV線に沿った断面図である。
図5図1の吸入器の側面図である。
図6図5の吸入器のVI−VI線に沿った断面図である。
図7図6の細部VIIの図の拡大側面図である。
図8図7の細部のVIII−VIII線に沿った断面図である。
図9図7の細部のIX−IX線に沿った断面図である。
図10図7の細部のX−X線に沿った断面図である。
図11】他の実施形態における図6の細部VIIの図の拡大側面図である。
図12図11の細部のXII−XII線に沿った断面図である。
図13図11の細部のXIII−XIII線に沿った断面図である。
図14図11の細部のXIV−XIV線に沿った断面図である。
図15】第2の他の実施形態における図6の細部VIIの図の拡大側面図である。
図16図15の細部のXVI−XVI線に沿った断面図である。
図17図15の細部のXVII−XVII線に沿った断面図である。
図18図15の細部のXVIII−XVIII線に沿った断面図である。
図19】第3の別の形態における図6の細部VIIの図の拡大側面図である。
図20図19の細部のXX−XX線に沿った断面図である。
図21図19の細部のXXI−XXI線に沿った断面図である。
図22図19の細部のXXII−XXII線に沿った断面図である。
図23】第4の他の実施形態における図6の細部VIIの図の拡大側面図である。
図24図23の細部のXXIV−XXIV線に沿った断面図である。
図25図23の細部のXXV−XXV線に沿った断面図である。
図26図25の細部のXXVI−XXVI線に沿った断面図である。
【0042】
当該吸入器は、製造者によって皿型の断面を有する支持面3上に配置され、ハウジング2の下側ハウジング部分1に固定して関連付けられたブリスター空洞部からの粉末薬剤を投与するために使用される。下側ハウジング部分1は、固定用アーム7の自由端に配置され、吸い口の形態の上側ハウジング部分6の異なる面にある対応するクリップ接続開口部5に嵌め込まれる2つの対向するクリップ接続突出部4を備える。下側ハウジング部分1は、その底8に、吸入時に周囲の空気がハウジング2の内部に流入するための空気吸入開口部9をさらに有する。吸入器がブリスター空洞部がハウジング2内に未開放状態で収容されている送達状態にある場合には、クリップ接続突出部4は、下側ハウジング部分1の底に隣接するクリップ接続開口部5と係合して第1のクリップ接続部10を形成し、下側ハウジング部分1が上側ハウジング部分6に対するこの位置にある場合には、ブリスター空洞部を開放するための穿孔要素11は、ブリスター空洞部から離間されている。ブリスター空洞部を開放するために、下側ハウジング部分1は上側ハウジング部分6に対して配置されており、クリップ接続突出部4は、上側ハウジング部分6の上端に隣接するスロット状クリップ接続開口部5と係合し、第2のクリップ接続部を形成する。第1のクリップ接続部10および第2のクリップ接続部のために、吸入器の使用者は、ブリスター空洞部の状態の視覚的および触覚的な合図の両方を有する。上側ハウジング部分6の下側ハウジング部分1に対する捻れを防止するために、それらは楕円形の断面を有し、上側ハウジング部分6は、吸入器の使用者の唇と吸入器との人間工学的に有利な接触面を形成するためにその上端に向かって先細りになっている。
【0043】
穿孔要素11は、互いに離間した位置で、金属製プレート12から打ち抜かれており、ブリスター空洞部のための支持面3の方向に向くようにプレート24に対して鋭角に屈曲されている。比較的小さな力を与えながらブリスター空洞部のカバーフィルム内に比較的大きな開口部を形成するために、各穿孔要素は三角形の先端を有する。プレート12には、その内部に粉末薬剤の分散用ユニット15の中心ピン14が係合する中心孔13が設けられており、中心ピン14は、加熱状態で圧力が加えられた後にプレート12をしっかりと保持する。プレート12は、1つの穿孔要素11が上側ハウジング部分6の吸入路16の領域内に配置され、1つの穿孔要素11がそこから横方向にオフセットされて配置されるように配置されている。別々に製造することができるユニット15は、吸い口の吸入路16内に固定して挿入されている。
【0044】
流れの方向を考慮して、粉末薬剤の分散用ユニット15の上流のブリスター空洞部内に格納された薬剤は、吸入時にユニット15の中心孔17を通って吸い口の吸入路16内に移動し、吸入路16は、空気排出開口部18に向かって拡大しており、中心孔17は、上側ハウジング部分6の吸入路16と関連付けられた穿孔要素11の上方に位置付けられている。
【0045】
図7図10によれば、ユニット15は各側に周囲からの空気のための2つの流入開口部19を有し、流入開口部19は、それぞれ中心を外して配置され、互いにオフセットされており、吸入路16と連絡しかつ中心孔17のほぼ延長部分に相当する流れ孔20内に接線方向に通じている。流入開口部19の配置により、吸引時に流れ孔20内にサイクロン状の乱流が生成される。従って、薬剤が含まれるこの乱流によって、中心孔17を通る空気の流れと協同して、薬剤の粉末粒子を細かく分散させることができる。
【0046】
また、図11図14のユニット15では、周囲からの空気のための2つの流入開口部19が各側に設けられており、流入開口部はユニット15内でそれぞれ中心を外して配置され、互いにオフセットされており、吸入路16と連絡する流れ孔20内に接線方向に通じており、中心孔17は丸い角22を有するセグメント型開口部21の形態である。
【0047】
図15図18のユニット15は、中心孔17の上方に向かって円錐状に、そして流れ孔20内において同軸上に延びる偏向板23を備え、円錐偏向板23の先端24は、薬剤を含むブリスター空洞部のための支持面3の方向に向けられており、偏向板23は、吸引された空気が内部を流れる、内壁25を有する環状空間24が中心孔17と流れ孔20との間に形成されるように流れ孔20よりも小さい直径を有しており、流れ孔20の外壁26は、環状空間24の内壁25および偏向板23と重なり合っている。偏向板23は、ウェブ27によって内壁25に接続されており、周囲開口部28は、中心孔17と流れ孔20との流れ接続のために形成されている。薬剤が含まれた気流中にさらなる乱流を生じさせるために、2つの流入開口部19がユニット15に対向して直径方向に配置されており、流入開口部19の幅は、内壁25の直径よりも僅かに大きい。
【0048】
図19図22のユニット15では、ユニット15内でそれぞれ中心を外して配置されかつ互いにオフセットされた周囲からの空気のための2つの流入開口部19は、各側に嵌め込まれており、最初に環状空間24内に接線方向に、次いでそこに垂直に、流れ孔20内に通じている。上に説明したように、中心孔17を跨ぐ偏向板23は円錐形であり、中心孔17および流れ孔20の両方と同軸上に配置されている。
【0049】
図23図26のユニット15では、ユニット15内でそれぞれ中心を外して配置されかつ互いにオフセットされた周囲からの空気のための2つの流入開口部19は、各側に設けられており、偏向板23によって跨がれる流れ孔20内に接線方向に通じている。平坦な偏向板23は、ユニット15内に挿入された中心リング29にウェブ27を介して接続されている。偏向板23の外径は、中心リング29の領域内の流れ孔20の直径よりも大きい。
【0050】
標準的な試験を行なって、穿孔要素を有する吸入装置を穿孔要素および偏向板を有する吸入装置と比較した。試験物質としてBIBW2948を含む標準的な製剤を使用した。この試験は、粉末の放出を調べるのに有用であった。以下の結果が得られた。
【0051】
【表1】
図1
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