(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976280
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】水準器
(51)【国際特許分類】
G01C 9/28 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
G01C9/28
【請求項の数】28
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-103094(P2011-103094)
(22)【出願日】2011年5月2日
(65)【公開番号】特開2011-232344(P2011-232344A)
(43)【公開日】2011年11月17日
【審査請求日】2014年3月10日
(31)【優先権主張番号】20 2010 005 329.3
(32)【優先日】2010年4月29日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】10193350.5
(32)【優先日】2010年12月1日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508355057
【氏名又は名称】シュタビラ・メスゲレーテ・グスタフ・ウルリヒ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル・カルラビス
【審査官】
▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第01480010(EP,A1)
【文献】
特開平07−019864(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第02266769(GB,A)
【文献】
特開2000−337874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 9/00−9/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロファイル本体(13)を有する水準器であって、前記水準器は、底壁部(28)と、頭壁部(32)と、第1の側壁部(34)と第2の側壁部(36)とを有し、前記底壁部(28)は、測定面(26)の形態で第1の外面(26)として用いられ、前記頭壁(32)は、前記底壁部(28)と反対側にあって、前記測定面に対し少なくとも部分的に平行に延びておりかつ頂面の形態をとる第2の外面(30)を有し、前記第1の側壁部(34)と前記第2の側壁部(36)は、前記底壁部を前記頭壁部と接続しており、一方では、第1の外側の側面(14)を、他方では、第2の外側の側面(16)を有し、前記プロファイル本体は、少なくとも1つの気泡管本体を有し、前記測定面(26)に対して直角を成す垂直軸(18)に関して、前記プロファイル本体(13)は、前記プロファイル本体(13)の側面が全長に亘って非対称的に形成されており、このプロファイル本体の長手方向に見て前記第1の外側の側面(14)としての1つの側面は、樋状の形状を有し、
前記第2の側面(16)は、頭部側で延びておりかつ凸面状の形状を有する第1の部分(42)と、この部分に連続する第2の部分(44)とにより構成されており、この第2の部分と、前記プロファイル本体(13)の前記垂直軸線(18)との間隔は、前記第1の部分(42)から始まって前記測定面(26)の方向に拡大していることを特徴とする水準器。
【請求項2】
前記プロファイル本体は、中空チャンバプロファイル本体であることを特徴とする請求項1に記載の水準器。
【請求項3】
前記気泡管本体の気泡管は、前記頭壁部を貫通する少なくとも1つの凹所(20)を介して、視覚的に認識することが可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の水準器。
【請求項4】
前記第1の側面(14)は、頭部側で、前記プロファイル本体(13)のエッジを形成する、前記頭壁部(32)の長手方向縁部(40)によって区画され、底部側で、前記プロファイル本体のエッジを形成する、前記底壁部(28)の第1の長手方向縁部(38)によって区画されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水準器。
【請求項5】
前記長手方向縁部(38,40)は、前記測定面(26)に対し垂直に延びている、前記長手方向縁部(38,40)を含む平面内に存在することを特徴とする請求項4に記載の水準器。
【請求項6】
前記第2の側壁部(36)の、前記凸面状の形状を有する前記第1の部分(42)は、前記頂面(30)を越えて側方に突出していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水準器。
【請求項7】
前記第1の部分(42)は、連続的に、前記底面(26)に対し傾斜して延びている平面を形成している前記第2の部分(44)に移行することを特徴とする請求項6に記載の水準器。
【請求項8】
前記第2の部分(44)は、底部側で、前記測定面(26)を区画しかつ前記プロファイル本体(13)のエッジを形成する、前記底壁部(28)の第2の長手方向縁部(50)によって区画されていることを特徴とする請求項1,2,3,6,7のいずれか1項に記載の水準器。
【請求項9】
前記長手方向縁部(50)は、マーキング・エッジとして用いられる段状の長手方向凹所(50)であることを特徴とする請求項8に記載の水準器。
【請求項10】
前記底壁(28)の第2の長手方向縁部(50)は、前記第2の側面(16)の前記第1の部分(42)を越えて側方へ突出していることを特徴とする請求項8または9に記載の水準器。
【請求項11】
前記第1の部分(42)は、前記プロファイル本体(13)の高さの1/2ないし1/4に亘って延びていることを特徴とする請求項10に記載の水準器。
【請求項12】
前記第1の部分(42)は、前記プロファイル本体(12)の高さの約1/3に亘って延びていることを特徴とする請求項11に記載の水準器。
【請求項13】
前記プロファイル本体(13)は、複数の内室(52,54,56,58,70)を区画する内壁部(58,60,62,64,66,68)を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水準器。
【請求項14】
少なくとも1つの内室(70)には、照明手段、バッテリのグループからの少なくとも1つの機能要素が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の水準器。
【請求項15】
前記機能要素は、照明手段および/またはバッテリであることを特徴とする請求項14に記載の水準器。
【請求項16】
前記垂直軸線(18)に沿って延びておりかつ前記頭壁(32)から出ている第1の内壁部(58)が、断面が三角形の第1の内室(52)を区画しており、この内室は、外側で、前記第1の側面(14)を有する前記第1の側壁部(34)の、頭部側で延びている部分によって区画されていることを特徴とする請求項13に記載の水準器。
【請求項17】
前記垂直軸線(18)に沿って延びておりかつ前記頭壁(32)から出ている第2の内壁部(60)が、ほぼ円弧の断面形状を有する第2の内室(54)を区画し、この内室は、外側で前記第2の側面(16)の前記第1の部分(42)を有する前記第2の側壁部(36)の、一部分によって区画されていることを特徴とする請求項13に記載の水準器。
【請求項18】
前記断面形状は、ほぼ半円であることを特徴とする請求項17に記載の水準器。
【請求項19】
前記第2の側面(16)の前記第1の部分(42)は、前記頂面(30)の前記頭壁部(32)と前記第2の側面(16)との接続部(43)を超えて出ていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水準器。
【請求項20】
第3の内壁部(62,64)が、前記第2の側壁部(36)の、底部側の領域と、前記底壁部(28)との間に延びており、垂直軸線側で超鈍角を形成する2つのウェブ状の部分からなることを特徴とする請求項13に記載の水準器。
【請求項21】
第4の内壁部(66,68)が、前記第1の側壁部(34)の、底部側の部分と、前記底壁(28)との間に延びており、垂直軸線側で超鈍角を形成する2つのウェブ状の部分からなることを特徴とする請求項13に記載の水準器。
【請求項22】
前記気泡管を視覚的に認識することを可能にする前記凹所(20,22)は、前記第2の側面(16)の前記第1の部分(42)、前記長手方向縁部40を除いた頭壁部(32)、および、前記第1の側面(14)の頭部側で延びている領域を貫通していることを特徴とする請求項3に記載の水準器。
【請求項23】
前記第1の側壁部(34)の、頭部側の長手方向縁部(40)は、連続的に形成されており、そこに前記凹所(22)が製造されることを特徴とする請求項3に記載の水準器。
【請求項24】
前記凹所(22)は、中断することなく、前記垂直軸線(18)に対し平行になされる1つのフライス工程で、フライス切削の深さを一定にして、製造されることを特徴とする請求項23に記載の水準器。
【請求項25】
前記中空プロファイル本体(13)は、押出しプロファイルの部分であることを特徴とする請求項1,2,3,13のいずれか1項に記載の水準器。
【請求項26】
前記押出しプロファイルの部分は、内壁部(58,60,62,64,66,68)を形成する長手方向ウェブを有することを特徴とする請求項25に記載の水準器。
【請求項27】
前記測定面(26)の幅広がりは、前記測定面に対し平行に延びている前記頂面(30)の幅広がりよりも大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水準器。
【請求項28】
前記第1のおよび前記第2の側壁部(34,36)は、曲面部状に形成されており、前記プロファイル本体の内側で、互いに平行に延びている複数の接続エッジまたは複数の接続面(76,78,80)を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水準器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロファイル本体、特に中空チャンバプロファイル本体を、水準器本体として有する水準器であって、水準器本体は、底壁部と、頭壁部と、側壁部とを有し、底壁部は、測定面の形態で第1の外面を有し、頭壁部は、底壁部の反対側にあって、測定面に対し少なくとも部分的に平行に延びておりかつ頂面の形態をとる第2の外面を有し、側壁部は、底壁部を頭壁部と接続しており、第1の外側の側面および第2の外側の側面を有し、プロファイル本体には、少なくとも1つの気泡管本体が設けられており、この気泡管本体の気泡管は、視覚的に、好ましくは、頭壁部を貫通する少なくとも1つの凹所を介して、把握可能であり、プロファイル本体は、測定面に対し垂直に延びている垂直軸線に対し、側面側で、プロファイル本体の長さに亘って、非対称的に形成されており、第1の側面としての側面は、プロファイル本体の長手方向に見て、樋状の形状を有してなる水準器に関する。
【背景技術】
【0002】
水準器は、物体を水平方向または垂直方向に整列させるための試験装置であり、測定面に対し整列されている1つまたは複数の気泡管を有する。水準器の本体は、木材、プラスチックおよび特に金属からなる。押出しプロファイルの部分である矩形プロファイル本体が普及している。H型プロファルのような他のプロファイルも、同様に用いられる。
【0003】
プロファイルの形状とは別に、基本的に通常の水準器本体に特有であるのは、本体が両の側面を有し、これらの側面が、垂直軸線に対し対称的に、この本体の垂直軸線に対し実質的に対称的に延びており、例えば、気泡管ホルダのための、これらの側面上にまたはこれらの側面に接触して設けられた固定手段が、このアプローチでは、考慮されていないことである。この意味では、特許文献1に記載の水準器は、同様に、対称的な本体を有し、この本体は、収容部を本体にしっかり取り付けるために、気泡管の領域でのみ、収容部に適合されている。同様のことが、必要な場合に存する停止エッジにも当てはまる。換言すれば、長手方向側部における僅かな部分的な相違を有する本体も、対称的と見なされるのである。
【0004】
特許文献2からは、水準器に設けられている気泡管を有する水準器が読み取れる。水準器本体は、矩形プロファイルを有し、あるいは、上方のシリンダ状の部分と、下方の台形状の部分とからなる。
【0005】
特許文献3は、横方向の気泡管を有する水準器に関し、対称的な水準器本体を有し、水準器本体の側面は、凹面状の形状を有する。
【0006】
特許文献4の主題は、矩形プロファイルの形態の本体を有する、プラスチック製の水準器である。
【0007】
水準器のためのレーザビーム発生器は、特許文献5から読み取れる。水準器本体は、矩形中空プロファイルからなり、矩形中空プロファイルの中には、レーザダイオードが設けられている。
【0008】
箱形状の水準器本体を有する水準器が、特許文献6に記載されている。
【0009】
収容ボックスをセットするための矯正装置は、特許文献7の主題である。
【0010】
特許文献8は、水準器本体として二重T形プロファイルを有する水準器に関する。
【0011】
特許文献9は、台形の断面を有する2つの長手方向部分から構成されている本体を有する水準器に関する。
【0012】
特許文献10に記載の水準器本体は、上方のシリンダ状の部分と、下方の台形状の部分とから構成される。
【0013】
特許文献11には、角度測定水準器が記載されており、本体はL字形の横断面を有する。
【0014】
特許文献12からは、移動可能な延長手段を有する水準器が読み取れる。ここでは、水準器本体は、互いに平行に延びている両の側面を有する。一方の側面が樋状に形成されており、これに対応して、反対側にある側面は、凸面状の形状を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】US-A-285,775
【特許文献2】DE-B-11 2005 000 019
【特許文献3】DE-A-454 471
【特許文献4】DE-A-2 040 895
【特許文献5】DE-U-93 19 184
【特許文献6】DE-U-83 11 864
【特許文献7】DE-U-82 10 917
【特許文献8】US-A-5,134,780
【特許文献9】US-A-5,940,978
【特許文献10】US-A-2005/0229415
【特許文献11】EP-A-1 122 512
【特許文献12】EP-A-1 480 010
【発明の概要】
【0016】
本発明の目的は、明細書の最初の部分に記載されたタイプの水準器を、水準器本体が、人間工学的な観点から、確実な把持および操作を可能にし、同時に、安定的なベース面を使用することができるように、改善することである。更に、斜めにまたは垂直に延びている面への宛がいが、なされるとき、確実な保持従ってまた滑り防止が保証されていることが意図される。
【0017】
上記目的を解決するために、本発明は、第2の側面が、頭部側で延びておりかつ凸面状の形状を有する第1の部分と、この部分に連続する第2の部分とにより構成されており、この第2の部分と、プロファイル本体の垂直軸線との間隔は、第1の部分から始まって測定面の方向に拡大していること、実質的にこのことを提案する。
【0018】
前に知られている水準器本体と異なって提案されるプロファイル本体は、自らの垂直軸線が位置していてなる平面に対し、プロファイル本体の全長に亘って非対称的に形成されており、一方の側面は、樋状とも呼ばれる凹面状の形状を示している。従って、「樋状の」および「凹面状の」は同意語である。このことによって、垂直に延びている面への確実な宛がいが可能である。何故ならば、凹面状の領域を区画する縁部は、垂直に延びている面への、線状の力の伝達を可能にし、その結果、力の僅かな伝達による移動が著しく防止されるからである。
【0019】
凹面状のまたは樋状の形状を有する第1の側面は、特に、測定面に対し垂直に延びているなる平面に位置している縁部またはエッジによって、区画される。
【0020】
第2の側面は、頭部側で延びておりかつ凸面状の形状を有する第1の部分と、この部分に連続する第2の部分とにより構成されており、この第2の部分は、特に平坦であり、従って、断面では、一直線に沿って延びている。
【0021】
本発明により提案される水準器本体は、自らの垂直軸線に対し、側面側で、プロファイル本体の長さに亘って非対称的に形成されており、両の側面は互いに平行に延びていない。
【0022】
ここで特に提案されるように、第2の部分と、プロファイル本体の垂直軸線との間隔は、第1の部分から測定面の方向に拡大しており、第2の側面の、凸面状の形状を有する第1の部分が、部分的に、側方に頂面を越えて突出していることは好ましい。
【0023】
従って、非対称的なプロファイルを有する水準器本体が提案される。水準器本体の一方の側面は、凹面状の形状を有し、水準器の他方の側面は、下方の直線的な部分と、この部分に続く上方の凸面状の分部とから構成される。
【0024】
前述の形状は、この場合、長手方向側部の各々の外面に関する。
【0025】
第2の側面の下方の部分の形状によって、知られた水準器本体と比較して、幅の広いベース面が生じる。更に、横軸の方向における強度が、矩形のプロファイルを有する水準器と比較して、大きい。
【0026】
第2の側面の上方の部分のデザインによって、従って、凸面状の形状によって、更に、確実な把持が保証されている。水準器は、第2の側面の、外側へ曲げられた部分が、手のひらに位置しているように、無意識に把持される。何故ならば、水準器が、この場合、凹面状の面従ってまたこの面を区画する縁部が掌に接触してなる位置よりも、手の中でより快適に感じられるからである。
【0027】
特に本発明が提案するように、第1の側面は、頭部側で、プロファイル本体のエッジを形成する、頭壁部の長手方向縁部によって区画され、底部側で、プロファイル本体のエッジを形成する、底壁部の第1の長手方向縁部によって区画されている。
【0028】
この場合、長手方向縁部は、外側で、底面に対し垂直に延びている平面に延びているほうがよい。
【0029】
かようにして、2つのマーキング補助具が用いられる。マーキング補助具は、第1の側面を区画する、プロファイル本体の長手方向縁部または長手方向エッジによって、形成され、かつ支持面に宛がい可能である。
【0030】
第2の側面は、凸面状の第1の部分が、連続的に第2の部分に移行し、第2の部分は、外側で、底面に対し傾斜して延びている平面を形成することを特徴とする。この場合、第2の部分は、底部側で、測定面を形成しかつプロファイル本体のエッジを形成する、底壁部の第2の長手方向縁部によって、区画されているほうがよい。
【0031】
かようなエッジは、マーキング・エッジを形成する。特に提案されていることは、マーキング・エッジが、段状の長手方向縁部凹所を有し、それ故に、例えば墨による線引きが万一なされるときにも、申し分のないマーキングがなされることができることである。更に、このことによって、実際の測定面が保護されている。何故ならば、測定面のエッジが、側面の平面には延びていないからである。
【0032】
このこととは別に、第2の側面の第1の部分が、頂面から出ているほうがよい。
【0033】
第1の部分が、プロファイル本体の高さの1/2ないし1/4,特に約1/3に亘って延びていることが提案されていることは好ましい。
【0034】
強調される実施の形態で、本発明が提案することは、プロファイル本体が、中空チャンバプロファイル本体であり、複数の内室を区画する内壁を有し、少なくとも1つの内室に、照明手段および/またはバッテリのような機能要素が設けられていることは好ましいことである。
【0035】
プロファイル本体の好ましい形状は、以下の特徴の中に見出される。
【0036】
かくして、垂直軸線に沿って延びておりかつ頭壁から出ている第1の内壁が、断面が三角形の第1の内室を区画しており、この内室は、外側で、第1の側面を有する第1の側壁部の、頭部側で延びている部分によって区画されている。
【0037】
その代わりにまたは補足的に、垂直軸線に沿って延びておりかつ頭壁から出ている第2の内壁部が、円弧の、好ましくは半円の断面形状を有する第2の内室を区画し、この内室は、外側で第2の側面の第1の部分を有する第2の側壁の、一部分によって区画されている。
【0038】
モジュール・システムを正確な位置に入れるためには、第1のおよび第2の側壁部が、ウェブ状に形成されており、プロファイル本体の内側で、互いに平行に延びている接続エッジまたは接続面すなわち停止エッジまたは突出部を有することが提案されている。
【0039】
更に、強調されるべきことは、気泡管の視覚的把握を可能にする凹所が、第2の側面の第1の部分、長手方向縁部を除いた頭壁部、および、第1の側面の、頭部側で延びている領域を貫通していることである。このことによって、第1の側壁の、頭部側の長手方向縁部が、連続的にデザインされており、第1の側壁が、基本的には気泡管の領域で、ウェブによって区画されている。
【0040】
側壁のデザインの故に、只1つのフライス工程で、頂面の領域で凹所を製造する可能性がある。第1の側面を頭部側で区画する上方エッジは、連続的にデザインされており、かくして、マーキング補助具を供する。かくして、切換なしのフライス切削中に、部分的に、第1の側壁部、頭壁部および第2の側壁部を作り出すことができるであって、頭壁部と第1の側壁部との間の移行部を区画する上方エッジまたは上方縁部が、除去されない。というのは、第1の側壁部は、上方縁部に対し、プロファイル本体の垂直軸線の方向に、縁部からまず引っ込むように延びているからである。かようにして、フライス切削の最中に、切換なしにおよびフライス切削レベルの変更なしに、凹所を作ることができる。
【0041】
かくして、連続的なマーキング補助具が用いられる。それにも拘わらず、凹所に挿入された気泡管は、両側面および頂面から見て、視覚的に容易に把握可能である。
【0042】
これらの構造上のおよび製造技術上の処置には、独自発明的な特徴が見られる。
【0043】
更に、第3の内壁部は、第2の側壁部の、底部側の領域と、底壁部との間に延びており、垂直軸線側で超鈍角を形成する2つのウェブ状の部分からなることが可能である。
【0044】
実施の形態では、第4の隔壁すなわち内壁部は、第1の側壁部の、底部側の部分と、底壁部との間に延びており、垂直軸線側で超鈍角を形成する2つのウェブ状の部分からなることが可能である。
【0045】
このこととは別に、押出しプロファイルの一部分であるプロファイル本体は、プラスチックまたは金属からなることが可能である。
【0046】
本発明の複数の他の詳細、利点および特徴は、複数の請求項と、これらの請求項から読み取れる、単独および/または組合せで生じる複数の特徴とからのみならず、図面から見て取れる複数の好ましい実施の形態の以下の記述からも明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図3】気泡管を除いた、
図1および
図2に示した水準器本体の横断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
同一の要素には同一の参照符号が用いられてなる図面からは、水準器本体10,12の複数の実施の形態が見て取れる。これらの水準器本体は、長手方向側部の外面14,16が、垂直軸線18に対し非対称的に形成されており、従って、互いに異なる形状を有することを特徴とする。更に、外面14,16は、互いに平行に延びてはいない。非対称性および平行性の欠如は、本発明に係わる水準器本体10,12の際立った特徴である。
【0049】
かような水準器本体10、12の凹所20,22,24へは、気泡管を有する気泡管ホルダが挿入される。更に、中空体プロファイルからなる水準器本体は、端部側で、特にプラスチックからなるキャップによって閉じられる。しかしながら、この点については、十分に知られた構造を参照するよう指摘する。
【0050】
本発明によれば、水準器本体10,12は、既知の水準器本体とは、上述のように、水準器本体の外面14,16が、水準器本体11,12の長手方向に見て、垂直軸線18が位置していてなる平面に対し、非対称的な形状を有する点で異なっている。水準器本体10,12は、気泡管ホルダを収容するための、頭部側の凹所20,22に関して、互いに異なっている。その他では、水準器本体10,12は、該水準器本体がプロファイル本体13が押出しプロファイルの部分の形態のプロファイル本体である点で、一致している。従って、非対称形状が、水準器本体10,12の全長に亘って延びている。
【0051】
中空のプロファイル本体13は、通常では、外側に測定面26として用いられる底壁28から、反対側には、外側に頂面30を形成する頭壁部32から、ならびにウェブ状の側壁部34,36からなる。側壁部は、外側に、第1の側面14および第2の側面16を有する。
【0052】
頂面30は、部分的に、測定面26に平行に延びており、従って、同様に、測定面の機能を担う。
【0053】
第1の側面14は、樋状のまたは凹面状の形状を有する。第1の側面14、従ってまた第1の側壁34は、プロファイル本体13の長手方向エッジすなわち長手方向縁部38,40によって区画される。従って、長手方向エッジは、プロファイル本体の長手方向エッジである。従って、両エッジは、頭壁部32と第1の側壁部34との間の、およびこの側壁と底壁28の間の交差線である。
【0054】
樋状の形状は、断面が弓形の、屋根型のまたは台形の形状に対応してもよい。その目的は、樋の形または凹面状の形状である形状を例として挙げるためにすぎない。
【0055】
第2の外面16は、凸面状の形状を有する上方の即ち第1の部分42と、平面を規定する下方の即ち第2の部分44とを有する。この平面即ち第2の部分は、外側で、断面で直線をたどる。
【0056】
この場合、上方の部分42が、連続的に、下方の直線状の部分44に移行していることは好ましい。それ故に、移行領域には、凹面状の部分46が生じる。
【0057】
第2の長手方向側部16の、凸面状に延びている上方の即ち第1の部分42が、水準器本体10,12の約3分の1の高さに亘って延びていることは好ましい。
【0058】
図3の図形表示から明らかなように、第2の部分44、従って直線状の部分と、プロファイル本体13の垂直軸線18との距離は、第1の部分42の端部から始まって、測定面26の方向に拡大している。従って、比較的幅の広い測定面26従ってまた、水準器本体10,12のための従ってまた水準器自体のための底面が生じる。
【0059】
水準器本体10,12の、第2の部分44を有する下部は、従って、断面では、非対称的な台形の形状を有する。
【0060】
更に、外側で凸面状に延びている第1の部分42は、頂面30を越えて横方向に突き出ている。
【0061】
そのほかに自明な図形表示から更に明らかなように、第1の側壁部34を区画する長手方向縁部即ち長手方向エッジ38,40は、測定面26に対し垂直に延びている平面内で延びている。
【0062】
測定面26は、プロファイル本体13の、下方の長手方向縁部即ち下方の長手方向エッジ38によって、ならびに第2の長手方向縁部即ち長手方向エッジ48によって区画される。この長手方向エッジでは、第2の長手方向側部すなわち凹面状の部分46の第2の部分44が終わっている。この場合、第2の長手方向縁部48の長手方向には、段50が延びている。この段は、測定面26および頂面30の境界、すなわち長手方向縁部38,40と全く同様に、マーキング補助具として用いられる。
【0063】
側面すなわち外面14,16の非対称的な形状によって、プロファイル本体13すなわち水準器本体10,12従ってまた水準器は、人間工学的に好都合にデザインされている。このことによって、取り扱いが容易になる。というのは、長手方向縁部38,40と、水準器本体10,12の、両方の長手方向縁部の間に延びている凹面状の領域と、反対側にある長手方向側部にある凸面状の上方の第1の部分42とによって、水準器本体10,12は、凸面状の領域が手のひらに位置しているように、無意識的に把持される。何故ならば、他の場合には、長手方向縁部40および38が望ましくない作用を及ぼすだろうからである。従って、凹面状のまたは樋状の第1の側面14は、一方の手の指によって触れられる。
【0064】
水準器本体10,12の形状および長手方向縁部38,40によって、斜めにまたは垂直に延びている面へ水準器本体10,12をしっかりとあてがうことが可能である。線状の接触があって、水準器本体10,12への力の僅かな伝達によって、しっかりとした固定がなされるという結果が生じる。
【0065】
表示から明らかなように、水準器本体10,12すなわちプロファイ本体13は、内室52,54,56,58を有する。これらの内室は、各々の上方のおよび下方の縁部で、従って、頭壁部32および底壁部28の領域で、プロファイル本体の長手方向に延びている。第1の内室52は、ウェブ状の第1の中間壁部58によって区画される。この中間壁部は、垂直軸線18に対しほぼ平行に延びており、断面が三角形の第1の内室52を区画する。この内室は、外側では、第1の側壁部34によって閉じられる。第2の内室54の断面は、ほぼ円弧状の形状を有し、この内室は、垂直軸線18に対し平行に延びているウェブ状の第2の内壁60によって、区画される。
【0066】
下方の長手方向縁部即ち長手方向エッジ38,40の領域では、第3のおよび第4の内室56,58が延びている。これらの内室は、垂直軸線側で、ウェブ状の壁部62,64および66,68夫々によって区画されている。これらの壁部は、垂直軸線側で、超鈍角を形成する。
【0067】
内室52,54,56,58は、例えば、バッテリ、照明手段、ダイオード、チップのような機能要素を収容するために、用いられる。同様なことは、内壁部58,60,62,64,66,68と、側壁部34,36の残りの自由面とによって区画される内室70とにも当てはまる。
【0068】
更に、側壁部34,36の内面72,74からは、停止エッジまたは突出部76,78,80が出ている。停止エッジまたは突出部は、機能要素を収容するために用いられる。
【0069】
凹所20,22,24を、プロファイル本体13から、フライス切削することができる。この場合、特に
図2の実施の形態では、上方のエッジ即ち上方の長手方向縁部40によって形成されるマーキング補助具が連続的に形成されていて、凹所22に挿入された気泡管が、側面14,16および頂面30の把握が損なわれる程に、視覚的に遮られることはない、という利点がある。凹所22は、更に、置き換えなしに、只1つのフライス工程で、加工されることができる。というのは、垂直軸線に沿った、しかしまた水平軸線に沿ったフライス切削の際に、1つの作業工程で、側壁部36の上方の凸面状の部分42、隔壁すなわち内壁部60、頭壁部32、内壁58の領域が、フライス切削によって取り除かれることができ、同様に、第1の内室52を区画する第1の側壁34の領域は、長手方向縁部60を除いて、妨害され、フライス切削後にウエブが残る。このことの原因は、プロファイル本体の幾何学的形態にある。何故ならば、第1の側壁34と垂直軸線との間隔が、長手方向縁部即ち長手方向エッジ40から始まって、垂直軸線18の方向に減少するからである。
【0070】
水準器本体10,12は、前述のように、中空プロファイル本体であり、特に金属製の、押出しプロファイルの一部分である。当然ながら、押出しプロファイルは、プラスチックからなっていてもよい。
【0071】
押出しプロファイルは、測定面26および頂面30に対し垂直に延びている垂直軸線18に対し、長さに亘って非対称的であり、すなわち、垂直軸線18に沿って延びている外壁部は、測定面26に対し垂直に延びていてかつ垂直軸線18が位置していてなる平面に対し、非対称的に延びている。両の外壁部のうちの1つが、外側で、樋状の形状を有し、反対側にある外壁部は、外側で、外へ湾曲している部分と、この部分から出ている平坦な部分とを有する。平坦な部分と垂直軸線との間隔は、湾曲した部分から始まって、垂直軸線に対し、測定面として使用可能な壁部の方向に増大する。
【符号の説明】
【0072】
13 プロファイル本体
14 長手方向側部の外面
16 長手方向側部の外面
18 垂直軸線
20 凹所
26 測定面
28 底面
30 外面
32 頭壁部
34 側壁部
36 側壁部
42 第1の部分
44 第2の部分。