特許第5976327号(P5976327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976327
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】オゾン発生電極
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/11 20060101AFI20160809BHJP
   H01T 19/00 20060101ALN20160809BHJP
【FI】
   C01B13/11 G
   C01B13/11 D
   !H01T19/00
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-16511(P2012-16511)
(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公開番号】特開2013-155073(P2013-155073A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年9月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】田口 正樹
【審査官】 大城 公孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭48−096479(JP,A)
【文献】 実公昭13−001344(JP,Y1)
【文献】 特開平11−199208(JP,A)
【文献】 特開2005−179102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の電極間に誘電体を設けて放電空間を形成し、該放電空間に酸素を含む原料ガスを流入させてオゾンを生成するオゾン発生電極であって、
前記一対の電極の互いに対向する各表面に対してそれぞれ隙間を設けて前記誘電体を配置することで、前記放電空間を前記誘電体で仕切って二層の放電空間を形成し、
各放電空間の一方の端部同士を折り返し流路によって互いに連通させることで、前記原料ガスを各放電空間に順に流通可能とし
前記二層の放電空間は、前記原料ガスの流通方向で、上流側となる放電空間よりも下流側となる放電空間の前記隙間が小さいことを特徴とするオゾン発生電極。
【請求項2】
請求項1記載のオゾン発生電極において、
前記一対の電極は、筒状の内側電極と、該内側電極の外周側に設けられる筒状の外側電極であり、
前記誘電体は、筒状であると共に、前記内側電極の外周面に設置された内側スペーサと、前記外側電極の内周面に設置された外側スペーサとで支持されることを特徴とするオゾン発生電極。
【請求項3】
請求項2記載のオゾン発生電極において、
前記内側スペーサ及び前記外側スペーサの少なくとも一方は、前記原料ガスの流通方向に延在するように設けられ、前記放電空間を周方向に区画していることを特徴とするオゾン発生電極。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向する一対の電極間に形成した放電空間に酸素を含む原料ガスを流入させ、放電によりオゾンを生成するオゾン発生電極に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オゾンの強い酸化作用を利用して、オゾンを上下水等の脱色、脱臭、殺菌等の水処理に利用することが行われている。
【0003】
オゾンの生成方法の一つとして、対向する一対の電極の片側又は両側を誘電体で覆い、この電極間に交流高電圧を印加することにより放電(無声放電)を発生させると共に、放電空間となる電極間に酸素を含む原料ガスを流入させてオゾンを生成する方法が知られている。
【0004】
無声放電を利用したオゾン発生装置の構成としては、2つの円筒形状の電極管に所定の隙間を設けて同軸二重管状に配置し、内側電極の外周面又は外側電極の内周面にガラス管等の誘電体を固着させることにより、両電極間を放電空間として形成したものが一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−248017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来構成のオゾン発生装置では、円筒形状の電極の軸方向(長手方向)に沿って、一端側から他端側へと原料ガスを一方向に流通させてオゾンを生成している。オゾン発生濃度を増加させるためには、電極の放電面積増加が必須であり、そのため電極や誘電体の軸方向長さを長くする必要があり、装置構成が軸方向に大型化・長尺化するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を考慮してなされたものであり、放電面積を十分に確保しつつ、装置構成を小型化することができるオゾン発生電極を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るオゾン発生電極は、対向する一対の電極間に誘電体を設けて放電空間を形成し、該放電空間に酸素を含む原料ガスを流入させてオゾンを生成するオゾン発生電極であって、前記一対の電極の互いに対向する各表面に対してそれぞれ隙間を設けて前記誘電体を配置することで、前記放電空間を前記誘電体で仕切って二層の放電空間を形成し、各放電空間の一方の端部同士を折り返し流路によって互いに連通させることで、前記原料ガスを各放電空間に順に流通可能としたことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、一対の電極間に交流高電圧を印加して無声放電を発生させ、酸素を含む原料ガスからオゾンを生成するための放電空間を、誘電体によって二層の放電空間として仕切り、折り返し流路によってこれら放電空間に対して順に原料ガスを流通可能としたことにより、各電極の軸方向長さ(ガス流通方向長さ)を延長することなく、放電空間の軸方向長さ(ガス流通方向長さ)を実質的に2倍程度まで延ばすことができ、装置構成を軸方向に大型化・長尺化させずに、放電面積を十分に確保することができる。従って、当該オゾン発生電極では、従来のオゾン発生装置と比べて、放電空間の集積率を上げることができるため、同程度のオゾン濃度からなるオゾン化ガスを生成する場合には、装置の軸方向長さを半分程度まで小型化・短尺化させることができる一方、装置の軸方向長さを同程度とすれば、生成されるオゾン化ガスでのオゾン発生量を2倍程度に高めることが可能となる。
【0010】
前記一対の電極は、筒状の内側電極と、該内側電極の外周側に設けられる筒状の外側電極であり、前記誘電体は、筒状であると共に、前記内側電極の外周面に設置された内側スペーサと、前記外側電極の内周面に設置された外側スペーサとで支持する構成とすると、誘電体を内側電極と外側電極との間に内側スペーサ及び外側スペーサを介して挿入配置するだけの簡単な組立工程で二層の放電空間を備えたオゾン発生電極を製造することができ、製造効率が高く、製造コストを低減することができる。しかも、ステンレス管等の金属管からなる電極の表面に、誘電体であるガラス管等を固着(貼着)する作業が不要となるため、製造コストを低減することができる。
【0011】
前記二層の放電空間は、前記原料ガスの流通方向で、上流側となる放電空間と下流側となる放電空間の前記隙間が同一の大きさであってもよく、又は、上流と下流の放電空間の前記隙間が異なってもよい。
【0012】
前記内側スペーサ及び前記外側スペーサの少なくとも一方は、前記原料ガスの流通方向に延在するように設けられ、前記放電空間を周方向に区画していると、これら内側スペーサや外側スペーサが放電空間を周方向に仕切る整流板として機能するため、流通する原料ガスの偏流を抑制し、ガスをより均一に流通させて、オゾン発生効率を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一対の電極間を誘電体によって二層の放電空間に仕切り、折り返し流路によってこれら放電空間に対して順に原料ガスを流通可能としたことにより、各電極の軸方向長さを延長することなく、放電面積を実質的に2倍程度まで広げることができ、装置構成を軸方向に大型化・長尺化させずに、放電面積を十分に確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るオゾン発生電極の側面断面図である。
図2図2は、図1中のII−II線に沿う断面図である。
図3図3は、内側電極と外側電極と誘電体とを示す分解斜視図である。
図4図4は、図1に示すオゾン発生電極を2台連結して1つのモジュールとして構成したオゾン発生システムの側面断面図である。
図5図5は、図1に示すオゾン発生電極の変形例に係るオゾン発生電極の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るオゾン発生電極について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るオゾン発生電極10の側面断面図である。本実施形態に係るオゾン発生電極10は、対向する一対の電極間に誘電体を設けて形成した放電空間に酸素を含む原料ガスAを流入させてオゾンを生成するオゾン発生装置に用いられるものであり、生成したオゾンを含むオゾン化ガスBは、例えば、上下水等の脱色、脱臭、殺菌等の水処理に利用される。
【0017】
図1に示すように、オゾン発生電極10は、筒状の内側電極12と、内側電極12に対して同軸上で外周側に配置された筒状の外側電極14と、互いに対向する内側電極12の外周面12aと外側電極14の内周面14aとの間に介在するように配置された筒状の誘電体16とを備え、内側電極12と外側電極14との間を放電空間18として形成している。
【0018】
内側電極12は、一端に原料ガスAの入口ポートとなる流入管20が連結された導体管(例えば、ステンレス製等の金属管)であり、その内部空間12bが流入管20から流入する原料ガスAの流通経路となっている。内側電極12は、流入管20が給電ライン22によって高圧電源24と接続されることで、当該オゾン発生電極10の高電圧電極として機能する。
【0019】
外側電極14は、長手方向で両端部がそれぞれ管板26、28によって支持された導体管(例えば、ステンレス製等の金属管)であり、一端が管板26によって閉塞され、他端の開口14bがオゾン化ガスBを外部へと流出させるための出口ポートとなる。外側電極14は、接地ライン30によって接地されることで、当該オゾン発生電極10の接地電極として機能する。
【0020】
外側電極14の外周面と管板26、28の内面とで囲まれる領域は、冷却水等の冷媒を流通させるための冷却部32を構成する。また、管板26は、流入管20の外周面に絶縁部材33を介して設けられることで、内側電極12に対して絶縁されている。
【0021】
誘電体16は、一端の開口16aが放電空間18内の一端側で開口し、他端が半球状の底部16bによって閉塞された誘電体管(例えば、ガラス管)であり、底部16bが内側電極12の内部空間12bの出口側(流入管20側とは反対側)となる開口12cと対面するように設置される。底部16bは、円筒部分と一体成形としてもよく、別体で成形して連結したものとしてもよい。
【0022】
誘電体16は、その内周面16cが内側電極12の外周面12aに対して隙間G1を設けて配置され、その外周面16dが外側電極14の内周面14aに対して隙間G2を設けて配置される。
【0023】
図2及び図3に示すように、誘電体16は、内側電極12の外周面12a上に設置されたスペーサ(内側スペーサ)34と、外側電極14の内周面14a上に設置されたスペーサ(外側スペーサ)36とによって挟持されることで両電極間に支持されており、つまり、隙間G1、G2は、それぞれスペーサ34、36によって規定されている。なお、図1では、図面の見易さを確保するため、スペーサ34、36を省略すると共に、隙間G1、G2をやや誇張して図示しており、図2及び図3についても隙間G1、G2をやや誇張して図示している。
【0024】
図3に示すように、内側電極12の外周面12a上に設置されるスペーサ34は、例えば、短尺な金属ピンや小片の金属板等を外周面12a上に接合して用いるとよく、スペーサ34は、例えば、内側電極12の両端側にそれぞれ周方向に複数(本実施形態では3個)に均等に又はランダムに配置すればよい。一方、外側電極14の内周面14a上に設置されるスペーサ36は、例えば、外側電極14の長手方向(軸方向)に渡って延在する長尺な金属ワイヤ等を内周面14a上に接合して用いるとよく、スペーサ36は、例えば、外側電極14の周方向に複数(本実施形態では3本)均等に又はランダムに配置すればよい。勿論、内側電極12の外周面12aに設置されるスペーサ34を、外側電極14の内周面14a上に設置されるスペーサ36のように内側電極12の長手方向に渡って延在する長尺なワイヤ等で構成してもよく、同様に、スペーサ36をスペーサ34のように短尺なピン等で構成してもよい。なお、スペーサ34、36は、内側電極12と外側電極14との間に所望の隙間G1、G2を介して誘電体16を支持することができれば、その配置や構造・形状は適宜変更可能である。
【0025】
図1及び図2に示すように、オゾン発生電極10では、上記のように、内側電極12と外側電極14の間にそれぞれ隙間G1、G2を介して誘電体16を介在させるように設置することにより、放電空間18が誘電体16で仕切られて二層の放電空間18a、18bが形成されている。
【0026】
一方(内側)の放電空間18aは、内側電極12の外周面12aと誘電体16の内周面16cとの間に隙間G1によって形成されており、他方の(外側)の放電空間18bは、外側電極14の内周面14aと誘電体16の外周面16dとの間に隙間G2によって形成されている。各放電空間18a、18bは、誘電体16の開口16a側に管板26によって形成される折り返し部(折り返し流路)38により、互いに連通されている。これにより、放電空間18aを軸方向(長手方向)に流通した原料ガスAは、折り返し部38で折り返され、放電空間18bを軸方向(長手方向)へと順に流通される。
【0027】
このようなオゾン発生電極10での原料ガスAの流通経路は、入口ポートとなる流入管20から順に、内側電極12の内部空間12bと、誘電体16の底部16dによって内部空間12bの出口である開口12cから折り返された一方(上流側)の放電空間18aと、誘電体16の開口16a側で折り返し部38によって放電空間18aの出口である開口16aから折り返された他方(下流側)の放電空間18bとを有する。
【0028】
従って、高圧電源24によって内側電極12と外側電極14との間に交流高電圧(例えば、10kV程度)を印加して放電させ、入口ポートである流入管20から原料ガスAを導入すると、この原料ガスAは、上流側となる放電空間18aを軸方向(ここでは、図1中の左側から右側)に流通しながらオゾン生成がなされ、続いて、折り返し部38で折り返して下流側となる放電空間18bを軸方向(ここでは、図1中の右側から左側)に流通しながらさらにオゾン生成がなされ、オゾン化ガスBとして、出口ポートである外側電極14の開口14bから外部へと排出される。なお、入口ポートである流入管20の入口には、図示しない原料ガス供給配管が接続され、出口ポートである外側電極14の開口14bには、図示しないオゾン化ガス排出配管が接続される。
【0029】
以上のように、本実施形態に係るオゾン発生電極10によれば、互いに対向する内側電極12の外周面12aと外側電極14の内周面14aに対して、それぞれ隙間G1、G2を設けて誘電体16を配置することにより、放電空間18を誘電体16で仕切って二層の放電空間18a、18bを形成すると共に、各放電空間18a、18bの一方の端部同士を折り返し部38によって互いに連通させることで、原料ガスAを各放電空間18a、18bに順に流通可能としている。
【0030】
すなわち、当該オゾン発生電極10では、内側電極12と外側電極14との間に交流高電圧を印加して無声放電を発生させ、酸素を含む原料ガスAからオゾンを生成するための放電空間18を、誘電体16によって二層の放電空間18a、18bとして仕切り、折り返し部38によってこれら放電空間18a、18bに対して順に原料ガスAを流通可能な構成となっている。このため、内側電極12や外側電極14の軸方向長さ(ガス流通方向長さ)を延長することなく、放電空間18の放電面積を実質的に2倍程度まで広げることができ、装置構成を軸方向に大型化・長尺化させずに、放電空間18内での放電面積を十分に確保することができる。
【0031】
従って、当該オゾン発生電極10では、上記特許文献1に記載されるような従来のオゾン発生装置と比べて、放電空間(18a、18b)の集積率を上げることができるため、同程度のオゾン濃度からなるオゾン化ガスを生成する場合には、装置の軸方向長さを半分程度まで小型化・短尺化させることができる一方、装置の軸方向長さを同程度とすれば、生成されるオゾン化ガスでのオゾン発生量を2倍程度に高めることが可能となる。
【0032】
また、従来のオゾン発生装置では、オゾンの発生効率を向上させて所望のオゾン濃度を得るために、例えば、外側電極の外周面のみならず内側電極の内周面も冷却する構成(両面冷却)を用いることも行われている。これに対して、当該オゾン発生電極10では、外側電極14の外周面のみを冷却部32によって冷却する構成(片面冷却)であっても、二層の放電空間18a、18bによって所望のオゾン濃度を得ることが十分に可能であるため、両面冷却の構成に比べて装置構成を簡素化でき、コストを低減することができる。しかも、ガラス管等で構成されるため他の部品に比べて熱に弱い誘電体16について、その両面にガスを流通させることができるため、この両面ガス流通による冷却効果も得ることができる。勿論、当該オゾン発生電極10でも両面冷却の構成を採用してもよく、この場合には、例えば、内側電極12の内周面に冷却水等の冷媒を流通させるための冷媒配管を設置する等すればよい。
【0033】
図2及び図3に示すように、当該オゾン発生電極10では、筒状の誘電体16を、内側電極12の外周面12aに設置されたスペーサ34と、外側電極14の内周面14aに設置されたスペーサ36とで支持する構成としている。このため、図3に示すように、その製造時には、予め所定形状に成形された内側電極12と外側電極14と誘電体16とを準備しておき、先ず、誘電体16の内部空間にスペーサ34を介して内側電極12を挿入配置し、次に、この誘電体16を冷却部32等を設けた外側電極14の内部空間にスペーサ36を介して挿入配置するだけの簡単な組立工程で二層の放電空間18a、18bを備えたオゾン発生電極10を製造することができ、製造効率が高く、製造コストを低減することができる。
【0034】
しかも、オゾン発生電極10では、従来のオゾン発生装置のように、ステンレス管等の金属管からなる電極の表面に、誘電体であるガラス管を固着(貼着)する作業が不要となるため、その製造コストを一層低減することができる。
【0035】
なお、上記では、放電空間18a、18bを形成する隙間G1、G2の外径方向寸法(G1、G2)を同一寸法にする構成を例示したが(図2参照)、両者を異なる寸法に設定してもよい。例えば、上流側となる放電空間18aの隙間G1(外径方向寸法)よりも、下流側となる放電空間18bの隙間G2(外径方向寸法)を小さく(狭く)形成することで、原料ガスAを流通方向で出口側に向うにつれて狭い放電空間内に流すことができ、オゾンの生成効率を一層高めることができる。勿論、上流側となる放電空間18aの隙間G1を下流側となる放電空間18bの隙間G2よりも大きく(広く)形成してもよい。この際、当該オゾン発生電極10では、内側電極12や外側電極14、誘電体16の管径を変更すると共に、スペーサ34、36の高さを変更するだけで、容易に隙間G1、G2の高さを所望の寸法に設定することができ、例えば、内側電極や外側電極、誘電体の管径をテーパ状に変化させることで放電空間を下流側に向って狭くするような構成に比べて製造コストを低減できる。
【0036】
図3に示すように、オゾン発生電極10では、外側電極14の内周面14a上に設置されるスペーサ36を、該外側電極14の長手方向(軸方向)に渡って延在する長尺な金属ワイヤ等で構成している。このため、周方向で均等に3箇所に配置されたスペーサ36により、放電空間18bを周方向で複数(この場合は、3つ)の流路に区画することができ、これらスペーサ36が空間を仕切る整流板として機能するため、流通する原料ガスAの偏流を抑制し、ガスをより均一に流通させることができ、オゾン発生効率を一層向上させることができる。勿論、上記のように、内側電極12の外周面12a上に設置されるスペーサ34を長尺な金属ワイヤ等で構成し、このスペーサ34を放電空間18a内で整流板として機能させることもできる。
【0037】
図4に示すように、オゾン発生電極10は、複数台(図4では2台の構成を例示)を連結して1つのモジュールとして構成したオゾン発生システム50として用いてもよい。なお、図4において、図1図3に示される参照符号と同一の参照符号は、同一又は同様な構成を示し、このため同一又は同様な機能及び効果を奏するものとして詳細な説明を省略し、以下同様とする。
【0038】
オゾン発生システム50は、例えば、2台のオゾン発生電極10を並列配置すると共に、入口ポートである流入管20同士を図示しない連結管で連結し、出口ポートである外側電極14の開口14bを図示しない連結管で連結する。さらに、管板26、28及び冷却部32を、2台のオゾン発生電極10で兼用することで一体的なシステムとして構成されている。このようなオゾン発生システム50では、オゾン発生電極10を単体で用いる場合に比べて、原料ガスAの流量を増大させることができ、オゾンの生成量も増大させることができる。つまり、オゾン発生電極10を2台又は3台以上連結してオゾン発生システム50を構成することで、各オゾン発生電極10単体を大型化することなく、要求されるオゾン生成量を得ることができ、装置の汎用性も高めることができる。
【0039】
ところで、上記のオゾン発生電極10は、図1に示すように、原料ガスAを一端側から流入させ、オゾン化ガスBを他端側から流出させる構成であるが、ガスの出入口は、図5に示すオゾン発生電極10aのように、同一端側に設けても勿論よい。
【0040】
このオゾン発生電極10aは、内側電極12の内部空間12bの両端側をそれぞれ蓋体52、54で閉塞すると共に、誘電体16に代えて、底部16bをなくして開口16eとした誘電体56を備え、この開口16eに入口ポートとなる流入管58を連結した構成となっている。また、一方の管板26に代えて、蓋体52の外側に絶縁部材60を介して配置された管板62を備える。オゾン発生電極10aでの原料ガスAの流通経路は、入口ポートとなる流入管58から順に、一方(上流側)の放電空間18aと、誘電体56の開口16a側で折り返し部38によって放電空間18aの出口である開口16aから折り返された他方(下流側)の放電空間18bとを有する。
【0041】
従って、オゾン発生電極10aでは、原料ガスAの入口ポートとオゾン化ガスBの出口ポートとを軸方向で同一端側に配置していることにより、当該装置と接続されるガス配管を一方側にまとめて設置できるという利点があるが、原料ガス用とオゾン化ガス用の各配管を、例えば同軸二重管で構成する必要があり、配管の仕様がやや複雑化することになる。一方、原料ガスAの入口ポートとオゾン化ガスBの出口ポートとを軸方向で反対端側に配置した構成の上記オゾン発生電極10では、当該装置と接続されるガス配管について、原料ガス用とオゾン化ガス用の各配管を同軸二重管で構成する必要がなく、二層の連続する放電空間18a、18bを備えた構成であっても、配管構成を簡素化できるという利点がある。勿論、オゾン発生電極10aについても、複数台を連結して1つのモジュールとし、図4に示すオゾン発生システム50と同様なシステムを構成してもよい。
【0042】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0043】
例えば、上記実施形態では、二層の放電空間18a、18bのうち、内側の放電空間18aをガス流通方向で上流側とし、外側の放電空間18bをガス流通方向で下流側とした構成を例示したが、外側の放電空間18bを上流側とした構成としても勿論よい。
【符号の説明】
【0044】
10、10a オゾン発生電極
12 内側電極
14 外側電極
16、56 誘電体
18、18a、18b 放電空間
32 冷却部
34、36 スペーサ
38 折り返し部
50 オゾン発生システム
G1、G2 隙間
図1
図2
図3
図4
図5