(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
監視信号を解析するステップが、差分操作を実施することを含み、これにより、各受信機について、その受信機によって収集された監視信号から基準信号を減算し、この結果得られた差分信号を使用して構造物内の少なくとも一つの異常を特定する、請求項2に記載の方法。
【産業上の利用可能性】
【0046】
構造健全性監視システムのプロセッサ120は、トランスデューサー110によって提供された信号に必要とされる解析を行うことができる限りにおいて、多様な形態をとることができる。プロセッサ120は、構造物10内の弾性波を励起するトランスデューサー105へ駆動信号を送信できることが好ましい。好適にプログラムされたコンピュータはプロセッサ120としての良い選択である。プロセッサ120は
図1に示すようにトランスデューサー110のアレイ105近辺に位置づけすることができる、又はプロセッサ120はトランスデューサー110のアレイ105とは離れたところに位置づけすることができる。
【0047】
トランスデューサー110からの信号は、適切な長さのデータリンク130によってプロセッサ120へ伝達することができる。データリンク130は有線リンクあるいは無線であってよい。さらに、データリンク130は専用リンク又は共有リンク、例えば共有データバス又はその他のネットワークの一部であってよい。
【0048】
任意に、プロセッサ120は、例えば別のコンピュータ又はディスプレイ等の別のデバイスへの接続を可能にするさらなるデータリンク140を有することができる。データリンク140は有線又は無線、専用又は共有であってよい。
【0049】
アレイ105内の一以上及び好ましくは3つ以上のトランスデューサー110の異なる配置構成が可能である。好ましい実施形態では、4つのトランスデューサー110のアレイ105が使用され、このうちの一つは送信トランスデューサー110Tであり、3つは受信トランスデューサー110Rである。送信トランスデューサー110Tとして機能しているか、又は受信トランスデューサー110Rとして機能しているか否かに関わらず、現在は米国フロリダ州34236、サラソータ、メインストリート1990、スイート750のスマートマテリアル社から入手可能なものと同様のマクロファイバー複合圧電トランスデューサーを使用することが好ましい。上記トランスデューサーは弾性波の送信及び検出のいずれも可能である。トランスデューサー110がどのように構造物10上に配置されるかは、トランスデューサー110をどこに装着させるかによって調整することができる。
【0050】
図3は、構造物10の第2実施例を示し、今回は飛行機の翼外板パネルである。トランスデューサー110のアレイ105の二つの配置構成を有する構造物10を示す。図示したアレイ105Aの第1の配置構成は、構造物10の角近くに設置されたトランスデューサー110を含む。図示したアレイ105Cの第2の配置構成は、構造物10の中央に設置されたトランスデューサー110を含む。
図4A〜Dは、トランスデューサー110R、Tのアレイ105A〜Dの4つの例示の配置構成を示す。
図4A及び4Bの配置構成105A及び105Bは構造物10上の角の箇所により適しており、一方で配置構成105C及び配置構成105Dは中央位置により適している。
【0051】
図4A〜Dは、長方形の断面を有する受信トランスデューサー110Rを示す。長方形の断面は、受信トランスデューサー110Rの縦軸及び横軸に対応する。
図4A〜Dに示す4つの配置構成全てにおいて、受信トランスデューサー110Rは異なる方向に延びる縦軸を有するため、2つのトランスデューサー110Rが平行に整列することはない。しかしながら、他に考えられる実施形態において、2つ以上の受信トランスデューサー110Rが並列に延在することができる。
【0052】
図4Aは、3つの受信トランスデューサー110Rと一つの送信トランスデューサー110Tを含むアレイ105Aを示す。受信トランスデューサー110Rは2つの受信トランスデューサー110Rが並列にならないように配置される。第1の対の受信トランスデューサー110R
1及び110R
2は互いに直角に配置され、第3の受信トランスデューサー110R
3が直角と交差している。
【0053】
図3に示すように、受信トランスデューサー110Rは、直角を成す2つの受信トランスデューサー110R
1及び110R
2が構造物10の縁部の方向に通常延びて角を形成し、第3の受信トランスデューサー110R
3が構造物10の中央を指すように置くことができる。送信トランスデューサー110Tは、受信トランスデューサー110Rの3つの端部が接触するところに近接して置かれる。
【0054】
図4Bは、
図4Aの配置構成と同様の配置構成105Bを示す。3つの受信トランスデューサー110Rは同じ配向を有するが、送信トランスデューサー110Tは交差しているトランスデューサー110R
3の別の端部に近接するように移動している。つまり、送信トランスデューサー110Tは、別の2つの受信トランスデューサー110R
1及び110R
2の直角と交差する受信トランスデューサー110R
3の端部、すなわち他の2つの受信トランスデューサー110R
1及び110R
2と離れた端部と隣接している。
【0055】
図4Cは、4つのトランスデューサー110のコンパクトな配置構成105Cを示す。3つの受信トランスデューサー110Rは相互に対して60度の角度に配置され、これにより中央に置かれた送信トランスデューサー110Tを囲む正三角形が形成される。
図4Dは、中央の送信トランスデューサー110Tが外向きに放射状に広がり、相互間の角度が120度になるように配置された3つの受信トランスデューサー110Rの間に置かれたさらなる配置構成100Dを示す。当然ながら、個々の配置構成105A〜Dのいずれにおいても、2つの受信トランスデューサー110Rは相互に平行に整列していない。
【0056】
図5は、本発明にしたがって構造健全性監視システム100を取り付けて操作する方法を示す。ステップ510において、構造健全性監視システム100は構造物10内又は構造物10上に取り付けられる。これは構造物10の製造中に行うことができる。例えば、複合構造物内に取り付ける場合、トランスデューサー110及び付属接続部を繊維織物とともに積層し、複合構造物10が加工されている間に樹脂マトリックス内で硬化させて構造物10の一体部分とすることができる。その後配線を、たいがい外部に設置されるプロセッサ120に接続させることができる。
【0057】
あるいは、一又は複数の、好ましくは3つ以上のトランスデューサー110を多数の異なる方法で構造物10に装着することができる。トランスデューサー110は構造物10に面接合させる、接着剤を使用して張り付ける、例えばねじ又はリベット等の機械締結具、又は装着が堅く長持ちするその他全ての方法を使用して構造物10に固定することができる。
【0058】
トランスデューサー110は例えば、構造物10の縁部、又は表面等の構造物10に設けられた収納部に位置づけすることができる。構造健全性監視システム100は例えば、すでに運行中の航空機のパーツ等の既存の構造物10に組み込むことができる。
【0059】
トランスデューサー110は、構造物10の表面、内側又は外側の面のいずれかに単純に固定することができる、又は構造物を加工してトランスデューサー110をより良く適合させることができる。例えば、外部に取り付けした場合、収納部を構造物10の外側面に形成することができ、これによりトランスデューサー110の装着と構造物10の同高面を修復することが可能になる。トランスデューサー105を内部に位置づけすることにより、トランスデューサー105が例えば紫外線及び氷等の環境因子から保護され、また航空機50の空気力学に影響を与えないため有利である。しかしながら、内部へのトランスデューサー105の位置づけにはアクセスが難しいという問題が生じうるため、トランスデューサー105の外側面への固定が好ましい。加えて、例えばビーム等のある構造物10は上記のような内側及び外側面を有さない可能性がある。
【0060】
図5の方法に戻ると、構造健全性監視システム100をステップ510において取り付けた後に、ステップ520において、
図6を参照しながら後にさらに詳しく説明するように基準信号を収集する。基本的には、本方法は構造物10を使用中に、すなわち送信トランスデューサー110Tが構造物を通る弾性信号を発信し、受信トランスデューサー110Rが受信した信号を記録するときに信号を収集することに似ている。好ましくは、基準信号は構造物10が最終的な構成に取り付けられたとき(例えば、機体パネルが接合されて航空機の機体が完成したとき)に収集される。
【0061】
基準信号は、構造物10が未使用の損傷のない状態にある時に各受信トランスデューサー110Rから収集される。全く異常はなくても、基準信号には、例えば縁部、リベット、ファスナー、及びスティフナー又はその他の支持構造物との接合部等の構造物10内の所望の形状において弾性波が反射するために、反射事象が含まれる。
【0062】
基準信号は構造物10の進行中の操作において、後の使用のためにプロセッサ120によって保存される。各センサ又はトランスデューサー110Rの基準信号は、上記構造物が例えば製造及びアセンブリ後のある時点、及び運航サービス前等の既知の状態にある間のある時点において、未使用の構造物から収集することができる。
【0063】
構造物が実利用及び定期的な保守、例えば定期的な構造検査及び保守期間、およびその他の適切な時間を持続している間に、引き続き新しい及び/又は交換用の基準信号を取得することもまた好ましい。こうすることにより、製造後であるか、又は構造物が実利用に対して準備ができていると見なされた後のその他全ての時点又は事例であるかに関わらず、上記構造物の公称操作状態からの変化を監視することができる。
【0064】
構造物10は寿命期間に入り、ステップ530及び戻りループ540によって図示されるように、構造健全性監視システム100によって定期的に監視される。
図2を参照して前述したように、送信トランスデューサー110Tは構造物10を通って伝播する弾性波を励起するのに使用され、受信トランスデューサー110Rは弾性波の反射を含む監視信号を収集する。構造物10内の異常を特定するために、適切なトランスデューサー110Rの基準信号を監視信号から減算して、所望の形状からの影響を取り除く(又は少なくとも最小化する)ことによって構造物10内のすべての異常20からの反射がさらに明らかになるようにする。
【0065】
ここで、基準信号を収集する方法を説明し
図6に示す。ステップ610において、プロセッサ120を使用して、送信トランスデューサー110Tの振動を起こす信号を提供することによって送信トランスデューサー110Tを駆動する。これらの振動は構造物10に送信され、構造物10を通って伝播する。プロセッサ120はまた、ステップ620に示すように、弾性波が励起された後の規定の期間において受信トランスデューサー110Rによって生成された信号の収集も命令する。
【0066】
受信トランスデューサー110Rに戻る反射波の伝播により受信トランスデューサー110Rが振動して対応する振動電子信号を生成し、この振動電子信号はステップ630で示すようにプロセッサ120によって取得され保存される。好ましくは、基準信号の信号対ノイズ比がステップ610及び620を繰り返すことによって、一連の弾性波が励起され、各時点において基準信号が累積的に取得されて統計値が上がるように改善される。
【0067】
本発明による構造健全性監視システム100は異なるやり方で実行することができる。2つの現在好ましい実施形態をここで説明する。第1実施形態は、トランスデューサー110の単一アレイ105を使用して、一つの異常20又は一より多い数の異常20の箇所を見つけるために飛行時間法を用いる。第2実施形態は、トランスデューサー110の2つ以上のアレイ105を用いる。トランスデューサー110の各アレイ105を使用して、一つの異常20への方向、又は一より多い数の異常20への方向を決定する。2つ以上のアレイ105によって提供される方向を使用して、三角分割を通してある異常20、又は一より多い数の異常20の箇所を決定する。
【0068】
図7は、飛行時間決定法を使用する構造健全性監視システム100を操作する第1の方法をさらに詳しく示す。ステップ710において、プロセッサ120は送信トランスデューサーを励起し、構造物10を通る弾性波を発信する。プロセッサ120は次に監視信号の取得720を、一又は複数の受信トランスデューサー110Rによって生成された監視信号を収集し保存することによって開始する。
図6に関して上述したように、信号対ノイズ比はステップ710及び720を繰り返して、2つ以上の弾性波が伝播している間に監視信号を累積させることによって改善することができる。
【0069】
ステップ730において、各受信トランスデューサー110Rによって生成された監視信号は、減算することにより差分信号が生成されるそのトランスデューサー110Rの関連基準信号を有する。ステップ740において、プロセッサ120は生成した差分信号を解析して、差分信号内の反射事象を特定する。本方法は次に、下記のように特定された各反射事象を継続する。
【0070】
反射事象が検出されない場合、本方法は経路745及び790を介して開始710までループバックすることができる。反射事象が検出されると、本方法はステップ750、760及び770を通して継続し、各反射事象に対して戻りループ775を介して繰り返す。ステップ750において、各差分信号における反射事象の飛行時間を決定する。
【0071】
例えば、プロセッサ120は、ステップ710における弾性波の発信とステップ720における監視信号の記録の参考となる関連クロックを有する。これにより、発信から反射事象が検出されるまでの経過時間の判断が可能になる。ステップ760において、プロセッサ120はステップ750で得られた各飛行時間を関連トランスデューサー110からの同等距離に変換し、その後で三角分割を用いて反射事象を生じさせた異常の箇所を決定する。
【0072】
ステップ770において、プロセッサ120はその他の反射事象の処理が必要か否かを確認し決定する。必要である場合、本方法は経路775を通ってループバックする、又は、必要でない場合、本方法はステップ780へ続き、ここでプロセッサ120は特定され見つかった異常の報告が作成される。この報告はすぐに表示することができる、又は後の検査用のデータファイル等へのデータの累積に対応しうる。例えば、プロセッサ120はデータファイルを更新して、本方法を最後に繰り返したときに見つかった、新しく発見された異常を追加することができる。報告するステップ780が完了すると、本方法は経路790を通ってループバックし、ステップ710に戻る。
【0073】
当然ながら、
図7の方法(及び次に説明する
図8の方法)は、トランスデューサー110の単一アレイ105に依存する。異常20の箇所は、アレイ105のトランスデューサー110からの結果の三角分割を通して得られる。一よりも多いトランスデューサー110のアレイ105が構造物10上に配設されている場合、各アレイ105は異常20の箇所を決定する。決定された異常20の箇所30を結合させて、異常20の単一箇所を得る。アレイ105が分散されているところでは、この方法で箇所を結合させることで精度が上がる。
【0074】
図8は、
図7と同様に構造健全性監視システム100を操作する方法を示すが、更に詳細に説明し、幾つかの追加のステップも含まれている。
【0075】
ステップ810及び820は、大部分が
図7のステップ710及び720に対応する。したがって、ステップ810において弾性波を発信し、ステップ820において監視信号を取得する。しかしながら、弾性波の発信と監視信号の取得の間に短い遅延時間があるようにステップ815に一時停止が導入されている。これは、振幅が大きい発信信号が監視信号において検出されないようにするためである。
【0076】
ステップ830において、プロセッサ120は差分信号を計算する。これは、各受信トランスデューサー110Rに対して取得されたばかりの監視信号から保存された基準信号を減算することによって行われる。
【0077】
実際には、ランダム・ノイズ、温度の影響、及び電気的な不正確さによる時間移動等の多数の要因が存在するため、関連の監視信号から単純に基準信号を減算することは不可能である。異なる時点に記録された2つの信号の減算は、非常に似通った状態において記録されたにも関わらず、コヒーレントノイズをもたらすことは良く知られており、この状況も例外ではない。
【0078】
実際、損傷から反射した信号の強度が弱いところでは、コヒーレントノイズレベルは損傷の検出が非常に困難になる、又はしばしば不可能になるほど高くなる可能性がある。しかしながら、フィルタリング、ノイズ除去、信号の平均値算出、温度補償、及びウェーブレット分解等のいくつかの既知の信号処理技術を適用して高い信号対ノイズ比を得ることができる。選択された信号処理技術の概略紹介は、Staszewski W.J.氏による、2002、複合材料における損傷検出のための合理的な信号処理、Composites Science and Technology、V.62、N.7〜8、pp.941〜950に記載されている。ウェーブレット解析に基づくノイズ除去手法は、Shim I.、Soragan J.J.、及びSiew W.H.氏による、2000、高圧ケーブルネットワークの部分放電のオンライン検出及び場所特定のノイズ低減技術、Meas.Sci.Technol.、V.11、pp.1708〜1713、及びMajor A.G.、Fretwell H.M.、Dugdale S B、Rodriguez−Gozalez A.R.及びAlam M.A.氏による、1997、Daubechiesウェーブレット閾値処理を使用した陽電子対消滅放射データの二次元角相関のノイズ除去、J.Phys.:Condens.Matter、V.9、pp.10293〜10299によって解説されている。温度補償技術は、例えば、Konstantindis G.、Wilcox P.D.及びDrinkwater B.W.氏による、2007、永久的に装着されたセンサを使用した誘導波構造健全性監視システムの温度安定性の研究、IEEE Sensors Journal、V.7、No.5、pp.905〜912及び、Lu Y.及びMichaels J.E.氏による、2005、温度変化の存在下の拡散超音波による構造健全性監視の方法論、Ultrasonics、V.43、pp.717〜731に記載されている。
【0079】
これらの技術は、当技術分野において既知であるように算出結果が所望の精度を有するように選択することができる。この監視信号の前処理はステップ825で行われる。ステップ825において監視信号の前処理が行われると、ステップ830において減算が行われる。
【0080】
ステップ835において、
図11に示すトランスデューサー110のアレイ105を参照してここで説明するように、プロセッサ120によって差分信号に閾値処理操作が行われる。見て分かるように、アレイ105は
図4Cに示すアレイ105Cに対応する。したがって、3つの受信トランスデューサー110Rは相互に60度の角度で構造物10に表面接合されて正三角形を形成し、送信トランスデューサー110Tは中央に表面接合される。
【0081】
上記アレイにより
図9に示すような差分信号が生成されうる。3つの受信トランスデューサー110Rそれぞれから出る3つの差分信号を
図9に示し、これらは0、60、及び120の凡例で表示されている。ほとんどの場合、各監視信号内の反射事象は、異なる時間移動で各受信トランスデューサー110Rに到達し、これは
図9に示すように差分信号に反映される。60度をなす要素が構造物10の損傷20からの反射事象を検出した最初のものである。
【0082】
図9の実施例は、数値計算から得られた差分信号を示す。したがって、監視信号の前処理が必要となる上述した現実的な問題はここでは当てはまらない。それにもかかわらず、損傷の位置確認は、基準信号と監視信号間の違いがごくわずかなために、いまだ潜在的に難しいところがある。
【0083】
反射事象を特定するために、閾値レベルを超えるピークが選択される。閾値レベルの実施例を
図9に示す。この閾値レベルは任意の好適な値となるように選択することができ、例えばサンプルデータを収集して、結果として得られた差分信号を検査して目で閾値レベルを選択することによって経験的に閾値レベルを選択することができる。
【0084】
ステップ840において、閾値レベルを超える差分信号内のピークとして示す反射事象から異常を特定する。異常が見つからない場合、本方法はステップ845及び890を介してステップ810の開始点にループバックすることができる。
【0085】
異常が特定されたと想定すると、本方法はステップ850に続き、ここで3つの受信トランスデューサー110Rそれぞれの差分信号において特定された各反射事象の飛行時間を取得する。ピークが最初に(
図10のt2で示される)閾値レベルを超えたときに推測できる明らかな飛行時間は、(
図10のt0で示される)ノイズによって通常隠された関連の波束の原点を考慮して有利に補正される。
【0086】
適切な補正t
0は例えば補正法によって(反射波束が励起波束と類似すると想定することによって)決定することができる。飛行時間の補正が行われた後で、各受信トランスデューサー110Rの差分信号の時間移動は下記:
【数1】
によって定義される。
【0087】
次に、ステップ860において、各受信トランスデューサー110Rによって検出された波束が移動した距離が決定される。これらの距離を
図11に示す。送信トランスデューサー110Tによって生成された波束が異常20まで移動し座標(x
p、y
p)のポイントPで反射してその後3つの受信トランスデューサー110Rそれぞれに移動して戻るまでの距離R
1、R
2、R
3は下記のように定義される。
【数2】
R
Aは
図11に示す送信距離であり、R
S1、R
S2及びR
S3は
図11に示す着信距離である。これらの距離は下記の関係にしたがってステップ850において得られた時間移動に関連する。
【数3】
c
gは、波束の適切な伝播モードの群速度である。距離R
1、R
2、R
3が得られれば、異常20の箇所は下記のように決定することができる。
【0088】
異常20から反射する弾性波は円形であると想定する。したがって、異常20(x
p、y
p)の位置における共通中心を有する3つの円は方程式(4)を使用して定義される。
【数4】
(x
S1、y
S1)、(x
S2、y
S2)、(x
S3、y
S3)は、受信トランスデューサー110Rの中央の座標であり、(x
p、y
p)は異常20の座標である。
【0089】
方程式(2)を方程式(4)に代入すると下記方程式が得られる。
【数5】
方程式(5)は、未知数がx
pとy
pの2つのみの、3つの非線形方程式のシステムを表す(他にも変数R
Aがあるが、この変数は未知数、x
p及びy
pに依存する)。未知数よりもさらに多くの方程式があるため、システムは過剰決定される。
【0090】
したがって、上記システムは全ての場合においてはっきりとした位置を提供できるわけではないが、2つのトランスデューサー105のみを有するトランスデューサー110のアレイ105を使用して異常20の位置を提供することができることは明白であり、本発明は上記の配置構成を網羅する。しかしながら、異常の位置のはっきりとした決定ができるように、そして異常20の箇所の決定の精度を上げる過剰決定システムを提供するために3つ以上のトランスデューサー105を使用することが好ましい。
【0091】
最適化技術を使用して、過剰決定システムを解くことができる。例えば、過剰決定システムの最小二乗法は下記の汎関数を最小化することによって得ることができる。
【数6】
(x
p、y
p)の解答、すなわち構造物10内の異常20の位置は数値的に得られ、この方法で特定される。
【0092】
上述した方程式から分かるように、各トランスデューサー110は異なる方向に位置合わせする必要がない。したがって、この方法では、2つ以上のトランスデューサー110を整列させることができる、すなわちこれらの縦軸と横軸を平行になるように延在させることができる。
【0093】
ここで、
図8のステップ860によって異常20の箇所が得られたところで、本方法はステップ870に続き、ステップ870で全ての異常が確実に処理されたかを確認する(そして、ループ875によりさらなる異常の処理が可能になる)。全ての異常が処理されると、本方法はステップ880に続き、ステップ880では、ステップ780で前述したように異常を報告する。本方法は次に、経路890を介して開始点までループバックすることができる。
【0094】
構造健全性監視システム100を操作する第2の方法をここで
図12〜14を参照しながら説明する。この実施形態では、監視される構造物10にトランスデューサー110の2つ以上のアレイ105が配設される。例えば、
図3に示すようなトランスデューサー110の2つのアレイ105の配置構成を使用することができる。
【0095】
図12は操作方法を示し、
図8に関してすでに説明したステップの多くを含む。本方法はステップ1205で開始し、次にステップ1210a、1215a、1220a、1225a、1230a、1235a及び1240aを通って進む。これらのステップは
図8のステップ810、815、829、825、830、835及び840に相当するため、ここでは再度簡単に要約するのみである。
【0096】
ステップ1210aでは、トランスデューサー110の第1アレイ105を使用して弾性波を励起する。監視信号はステップ1240aにおいて取得し、前処理、差分処理及び閾値処理操作を行って異常20を特定する。ステップ1255aにおいて、特定された各異常20を順繰りに取り上げて、第1アレイ105から異常20への方向を決定する。この実施方法は
図13及び14を参照しながら後に説明する。
【0097】
異常20と、トランスデューサーの第1アレイ105からの異常20の方向が決定したところで、本方法はステップ1210b〜1255bへ進む。これらのステップはステップ1210a〜1255aの繰り返しであるが、トランスデューサー110の第2アレイ105に対して行われる。このように、異常20が特定され、トランスデューサー110の第2アレイ105からの異常20の方向が決定する。
【0098】
点線の矢印1256で図示するように、本方法はステップ1210〜1255を、(特定された異常20までの3つ以上の一連の距離データが得られるように)トランスデューサー110のさらなるアレイ105に対して繰り返すことができる。
【0099】
トランスデューサー110の各アレイ105に対するステップ1210〜1255のそれぞれの繰り返しは
図12において連続的に行うように示されているが、一以上の繰り返しを重複する又は平行して行うことができる。例えば、ステップ1210b(以下参照)はステップ1220aが完了したら実行することができ、これにより弾性波の励起と監視信号の取得のステップはそれぞれの繰り返しにおいて連続的に行われるが、以前の繰り返しのデータ処理ステップと重複する。
【0100】
矢印1258によって図示されるように2つのアレイ105を使用する、あるいは矢印1256によって図示されるように2つより多いアレイ105を使用するかのいずれかによって全てのデータが集まると、本方法はステップ1265に進み、ステップ1265では特定された各異常20についてトランスデューサー110の各アレイ105によって取得された方向を使用して、これらの異常20の箇所を決定する。このステップ1265は下にさらに詳しく説明するが、基本的に、特定された各異常20までの一対の方向の交差によって決まる。
【0101】
異常20の箇所が決定すると、異常20をステップ1280において報告する。このステップは
図8のステップ880に相当するため、再度説明はしない。本方法は矢印1290で図示し、
図8の対応する要素890を参照してすでに説明したように繰り返し行うことができる。
【0102】
各異常20への方向を決定するステップ1255を
図13を参照しながらここで説明する。
【0103】
監視される構造物10にはトランスデューサー110の2つのアレイ105A、Bが配設されており、各アレイ105A、Bは3つの受信トランスデューサー110A
R1−3、110B
R1−3及び送信トランスデューサー110A
T及び110B
Tを含む。異常20を、異常20から第1アレイ105Aに向かって反射した弾性波40とともに示す。
【0104】
トランスデューサー110A
R1を、トランスデューサー110A
R1の歪み分布とともに縦横軸が図示されるように
図14に更に詳細に示す。送信トランスデューサー110A
Tによって生成された弾性波は異常20で跳ね返って、各受信トランスデューサー110A
R1−3においてそれぞれ縦と横の歪み成分ε
1及びε
2を生成する。歪み成分ε
1及びε
2は下記のように定義される。
【数7】
及び
【数8】
△はトランスデューサー110A
R1の縦軸と着信波40の方向との間の角度、すなわち
図14のβ−αである。
【0105】
受信トランスデューサー110A
R1−3において生成された信号は
【数9】
で計算することができ、感度因子S
1及びS
2はトランスデューサーの長さ及び弾性波長との関係、及び受信トランスデューサー110A
R1−3の相対配向と弾性波の方向の衝突に依存する。下記式が成り立ち、
【数10】
ここで横感度比K
Tは下記方程式で定義され、
【数11】
l及びbはそれぞれ受信トランスデューサー110A
R1−3の長さ及び幅であり、kは波数であり、d
31及びd
32は受信トランスデューサー110A
R1−3の圧電定数であり、E
1及びE
2は縦方向及び横方向に沿ったヤング率である。
【0106】
アレイ中央の単純歪み成分は、歪みゲージロゼット(R.C. Hibbeler氏によるMechanics of Materials、Prentice Hall、Inc.1997年発行を参照)に対して生成された古典的関係を使用して計算することができる。基準xy系に対してαによって回転するx’y’座標系の歪み状態を決定する歪み変換方程式は下記の通りである。
【数12】
【0107】
同様に、単純歪み成分は3つの受信トランスデューサー110A
R1−3の応答から決定することができる。
【数13】
ここで変換マトリックスは下記のように記述することができる。
【数14】
【0108】
逆対称の弾性波面40に対する垂直配向(弾性波の主歪み角度)は、歪みゲージ理論で知られる別の関係を使用して定義することができる。
【数15】
【0109】
単一アレイ105において収集された信号は異常20への方向βを決定するだけであり、その位置までは決定できないことを覚えられたい。したがって、一以上のさらなるアレイ105を使用して異常の正確な位置を見つける。異常の位置(y
D、x
D)は2つの線形代数方程式のシステム(Matt H.M.及びLanza di Scalea F.氏による、2007、「複合構造物の音響源の位置に関するマクロファイバー複合圧電ロゼット」、Smart Mater.Struct.、V.16、pp.1489〜1499)を使用して計算することができる。
【数16】
【数17】
ここで、x
1、y
1及びx
2、y
2は送信トランスデューサー110A
T及び110B
Tの座標である。
【0110】
2つ以上の異常20を有する構成部品10に
図12の方法が実施されるところでは、「偽の」異常が検出されうる可能性がある。これは本方法が、トランスデューサー110の各アレイ105から各異常への方向を決定するためである。したがって、各アレイ105に対しては、アレイ105から放射状に広がる多数の「方向」があり得る。アレイ105からの任意の一「方向」は別のアレイ105から放射状に広がる一よりも多い「方向」と交差する可能性があり、各「方向」の単一の交差点のみが異常20であるのに対し、上述の方法は全ての交差点を異常20として特定するためである。
【0111】
飛行時間の測定値を使ってこれに対処することができる。例えば、全ての交差点の位置が決定したら、送信トランスデューサー110Tを使用して弾性波を送信し、受信トランスデューサー110Rによって反射を検出することができる。受信信号において異常20を検出し、飛行時間を決定することができる。これらを次に特定された交差点と比較して飛行時間の測定値が一致しない交差点は「偽の」異常として切り捨てることができる。
【0112】
図8及び12の方法は両方とも良好な結果をもたらす。方法の選択に関する決定は構造物10上で利用可能な空間、構造物10の種類及び利用可能な予算等の要因に依存する。
【0113】
3つの無方向性圧電素子(例えばディスク)でできたトランスデューサーは、上述したような飛行時間法を使用して例えばアルミニウム外板パネル等の単純な構造物の損傷を検出し場所を特定するのに十分である。より複雑な実行形態、例えば一連の少なくとも2つのアレイ105は、例えば重要な構造減衰を有する湾曲した炭素複合パネル等の複雑な構造物10により良く機能しうる。
【0114】
測定値の精度は中でもトランスデューサーの製造精度に依存する。方程式13及び14を簡単に考察すると、
図12の方法で使用されたアレイ105は並列の受信トランスデューサー110Rを含むべきでないことが分かる。いかなる並列性も特異変換マトリックスT(方程式14参照)につながる。これが当てはまらず、受信トランスデューサー110Rはそれぞれ異なる角度で取り付けられていると想定すると、受信トランスデューサーの相対配向及び幾何学的配置における可能な散在性は幾何学的配置が分かっている限り大した問題とならない。
【0115】
図15に、構造健全性監視システム100が装着された航空機50を示す。構造健全性監視システム100は、航空機50全体に位置づけされる一以上の、及び/又は少なくとも3つのトランスデューサー110の幾つかのアレイ105を含む。トランスデューサー110のアレイ105は、105
52で示すような翼52を含む構造物10上に、105
54で示すような機体54上に、及び105
56で示すような尾部56上に配設される。
【0116】
各アレイ105は関連構造物10内の異常を特定するのに使用される信号を提供する。アレイ105、アレイ105の群を全て操作する中央プロセッサ120を配設することができる、又は各アレイ105は専用プロセッサ120を有することができる。
【0117】
当業者は、添付の請求項によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に対して修正を行うことができることを理解するだろう。
【0118】
例えば、
図4A〜4Dはトランスデューサーの4つの例示配置構成を示す。多数の異なる配置構成が可能であり、3つの受信トランスデューサー110Rの縦軸及び横軸は整列していてもよく、整列していなくてもよい。加えて、アレイ105における多数のトランスデューサー110は1から任意の数まで変更することができる。トランスデューサー110は等間隔に配置する及び/又は相互に対して回転させて規則的なパターンにすることができるが、不規則な配置構成ではトランスデューサー110が等間隔に配置されていない、及び/又は相互に対して回転していない。
【0119】
単独の送信トランスデューサー110Tを配設する必要はなく、一以上の受信トランスデューサー110Rを使用して構造物10に弾性波を発信することができる。さらに、2つ以上の単独の送信トランスデューサー110Tを使用することができる。
【0120】
本発明はまた、下記の実施形態にも関する。
【0121】
1. 構造健全性監視システムを使用して構造物内の損傷を評価する方法は、構造物と動作可能に接触するように配置された少なくとも3つの受信機と、構造物と動作可能に接触するように配置された送信機を含み、この方法は:
送信機を使用して、構造物を通る弾性波を伝播し;
少なくとも3つの受信機から監視信号を収集して、構造物内の少なくとも一つの異常からの弾性波の反射を監視し;
監視信号を解析して少なくとも一つの異常を特定する
ことを含む。
【0122】
2.監視信号を解析するステップが差分操作を実施することを含み、これにより少なくとも3つの受信機の各受信機について、その受信機によって収集された監視信号から基準信号を減算し、この結果得られた差分信号を使用して構造物内の少なくとも一つの異常を特定する、実施形態1の方法。
【0123】
3.任意に、構造物が実利用に対して準備ができているとみなされた後で、少なくとも3つの受信機の各受信機に対して、構造物から基準信号を収集することを含む、実施形態2の方法。
【0124】
4.監視信号を解析して少なくとも一つの異常を特定するステップが、少なくとも3つの受信機の各受信機によって受信した反射の飛行時間を計算することを含む、前述したいずれかの実施形態の方法。
【0125】
5.監視信号を解析するステップが、計算した飛行時間から対応距離を計算することを含み、少なくとも一つの異常の位置は計算した距離から決定される、実施形態4の方法。
【0126】
6.少なくとも一つの異常の位置を決定するステップが、計算した距離と、送信機、及び一以上の少なくとも3つの受信機の既知の位置から位置を特定することを含む、実施形態5の方法。
【0127】
7.構造物と動作可能に接触するように配置された少なくとも3つの受信機、及び構造物と動作可能に接触するように配置された送信機の第1アレイと、構造物と動作可能に接触するように配置された少なくとも3つの受信機、及び構造物と動作可能に接触するように配置された送信機の第2アレイを含み、第1及び第2アレイが間隔を置いて配置されている構造健全性監視システムを使用して構造物内の損傷を評価する方法は:
第1アレイの送信機を使用して、構造物を通る弾性波を伝播させ;
第1アレイの少なくとも3つの受信機から監視信号を収集して、構造物内の少なくとも一つの異常から弾性波の反射を監視し;
第2アレイの送信機を使用して、構造物を通る弾性波を伝播させ;
第2アレイの少なくとも3つの受信機から監視信号を収集して、構造物内の少なくとも一つの異常から弾性波の反射を監視し;
監視信号を解析して少なくとも一つの異常を特定し、第1及び第2アレイのそれぞれから少なくとも一つの異常への方向を決定する
ことを含む。
【0128】
8.第1及び第2アレイのそれぞれから異常への方向を、構造物上のアレイの既知の箇所と組み合わせて使用して、構造物内の異常の箇所を決定することをさらに含む、実施形態7の方法。
【0129】
9.監視信号を解析するステップが差分操作を実施することを含み、これにより、各受信機について、その受信機によって収集された監視信号から基準信号を減算し、この結果得られた差分信号を使用して構造物内の少なくとも一つの異常を特定する、実施形態7又は実施形態8の方法。
【0130】
10.任意に、構造物が実利用に対して準備ができているとみなされた後で、各受信機について基準信号を構造物から収集することを含む、実施形態9の方法。
【0131】
11.第1及び第2アレイのそれぞれにおいて、各受信機は縦軸及び横軸を有する圧電トランスデューサーであり、受信機は、2つの受信機の縦軸が整列しないように配置される、実施形態7〜10のいずれかの方法。
【0132】
12.各受信機について、監視信号を解析して、各アレイ内の受信機の既知の配向と組み合わせて使用される縦歪み成分及び横歪み成分を決定して、異常の方向を決定する、実施形態11の方法。
【0133】
13.構造物を通る弾性波を励起するように配置された送信機と、構造物内の一以上の異常からの弾性波の反射を含む監視信号を収集するように配置された少なくとも3つの受信機と、実施形態1〜6のいずれかの方法を実行するように構成されたコントローラを含む構造健全性監視システム。
【0134】
14.構造物を通る弾性波を励起するように配置された送信機、及び構造物内の一以上の異常からの弾性波の反射を含む監視信号を収集するように配置された少なくとも3つの受信機を含む第1アレイと、構造物を通る弾性波を励起するように配置された送信機、及び構造物内の一以上の異常からの弾性波の反射を含む監視信号を収集するように配置された少なくとも3つの受信機を含む第2アレイと、実施形態7〜12のいずれかの方法を実行するように構成されたコントローラを含む構造健全性監視システム。
【0135】
15.構造物を監視する構造健全性監視システムであって:
構造物と動作可能に接触している少なくとも3つの受信機と;
構造物と動作可能に接触している送信機であって、構造物を通って伝播する弾性波を励起するように構成されている送信機と;
受信機と動作可能に結合して、少なくとも3つの受信機それぞれから監視信号を収集するプロセッサであって、監視信号を解析して構造物内の少なくとも一つの異常を特定するように構成されたプロセッサ
を含むシステム。
【0136】
16.構造物を監視する構造健全性監視システムであって:
構造物と動作可能に接触している少なくとも3つの受信機と、構造物と動作可能に接触している送信機を含む第1アレイと、
構造物と動作可能に接触している少なくとも3つの受信機と、構造物と動作可能に接触している送信機を含む第2アレイ
を含み、
第2アレイが、第1アレイから間隔を置いて配置されており、
第1アレイの送信機は構造物を通って伝播する弾性波を励起するように構成されており、プロセッサは第1アレイの受信機と動作可能に結合して少なくとも3つの受信機のそれぞれから監視信号を収集し、
第2アレイの送信機は構造物を通って伝播する弾性波を励起するように構成されており、プロセッサは第2アレイの受信機と動作可能に結合して少なくとも3つの受信機のそれぞれから監視信号を収集し、
プロセッサが、監視信号を解析して構造物内の少なくとも一つの異常を特定し、第1及び第2アレイのそれぞれから少なくとも一つの異常への方向を決定するように構成されているシステム。