(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遮光範囲決定部は、自車両の速度と、前記前方車両移動検出部により検出される自車両から見た前方車両の左右方向の移動速度とに基づき、前方車両の相対角度を求める、
請求項1に記載の車両用前照灯の点灯制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.実施例1
1.1 システム構成
図1は、一実施形態の車両用前照灯システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す車両用前照灯システムは、カメラ10によって自車両の前方の空間(対象空間)を撮像して得られる画像に基づいて配光パターンを設定して光照射を行うものであり、中央制御部11、メモリ12および中央制御部11に接続された2つの光学ユニット20R、20Lを備える。
【0021】
図2を参照し、配光パターンについて説明する。車両用前照灯システムにより光が照射される領域は、複数の領域を含む配光パターンで表すことができる。
図2の例では、前方車両が位置する領域を光が照射されない遮光領域62とし、他を照射領域61とした例である。配光パターンの各領域は、後述する各LEDの照射範囲に応じて予め区分けされることができる。なお、遮光領域ではハイビームを遮光するが、ロービームを照射することができる。遮光領域は、その領域に照射する光を遮ることで実現されるだけでなく、その領域に照射する光を消灯することでも実現できる。
【0022】
図3は、自車旋回時の説明図である。上述のように直線走行を想定した遮光範囲の計算手法を用いると、自車カーブ走行時において、例えば先行車の旋回内側のドアミラー部や運転席部に光が照射され、前方車両にグレアを与える場合がある(
図3(a)参照)。本実施例では、
図3(b)に示すように、自車カーブ走行時においても先行車のドアミラー部や運転席部など、前方車両に光が照射されにくくする。
【0023】
図4は、先行車の相対位置移動時の説明図である。直線走行を想定した遮光範囲の計算手法を用いると、上述のように自車両の前方車両が左右方向に移動した場合、前方車両にグレアを与える場合がある(
図4(a)参照)。以下の各実施例では、
図4(b)に示すように、自車両の前方で車が左右方向に移動した場合においても先行車のドアミラー部や運転席部など、前方車両に光が照射されにくくする。
なお、以下の各実施例では、主に先行車について説明するが、対向車についても同様に適用できる。
【0024】
図1に示すカメラ10は、自車両の所定位置(例えば室内ミラー付近)に設置されており、自車両の前方の空間を撮影する。
【0025】
中央制御部11は、例えば、車両検出部13と、旋回判断部14と、遮光範囲決定部15と、前方車両移動検出部16と、車間距離判断部17と、配光制御部18とを有する。中央制御部11は、例えばCPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることにより実現されるものである。
【0026】
メモリ12は、中央制御部11に接続され、中央制御部11の各部で求められた情報、及び、予め設定された情報が記憶される。
【0027】
車両検出部13は、カメラ10により撮影される自車両の前方の画像に基づいて、前方車両の位置情報を求める。例えば、当該画像に対して画像認識処理を行うことにより前方車両上の一対の点を認識し、自車両の基準点からみた前方車両上の一対の点それぞれの位置(角度)を求める。一対の点としては、例えば前方車両のテールランプやヘッドランプとすることができる。
【0028】
旋回判断部14は、自車両が旋回状態か直進状態かを判断する。例えば、旋回判断部14は、自車両のステアリング角と車速とに基づいて自車両の旋回半径Rを求め、旋回半径Rと予め定められた旋回閾値により、自車両が直進状態か、左旋回か、右旋回かを判断する。
【0029】
遮光範囲決定部15は、自車両が直進状態の場合には、車両検出部13により求められた位置情報に基づいて、車両用前照灯の遮光範囲を求める(第1処理)。一方、自車両が旋回状態の場合に、車両検出部13により求められた位置情報と自車両の旋回半径とに応じた、車両用前照灯の遮光範囲を求める(第2処理)。例えば、遮光範囲のうち自車両の旋回方向側の境界を、車両検出部13により検出された位置情報と自車両の旋回半径とに基づいて求める。旋回半径Rは、例えば、入力される操舵角信号(ステアリング角信号)、車速信号から求めることができる。このように、自車両が旋回状態(カーブ走行中)か直進状態かに応じて、第1処理と第2処理を切り替えて遮光範囲が求められる。
【0030】
前方車両移動検出部16は、自車両から見た前方車両の左右方向の移動を検出する。前方車両移動検出部16により自車両から見た前方車両の左右方向の移動が検出されると、遮光範囲決定部15は、求められた車両用前照灯の遮光範囲を、自車両の向きに対する前方車両の相対角度に応じて補正する。例えば前方車両の移動方向に広げるように補正することができる。ここで、前方車両の相対角度は、自車両の速度と、前方車両移動検出部16により検出される自車両から見た前方車両の左右方向の移動速度とに基づき求めることができる。
【0031】
車間距離判断部17は、車両検出部13で求められた位置情報に基づいて、前方車両と自車両の距離が予め定められた距離より近いか判断する。前方車両と自車両の距離が予め定められた距離より近い場合は、遮光範囲決定部15は、自車両が旋回しているか否かに関わらず、直進状態のときと同様に車両検出部13により求められた位置情報に基づいて車両用前照灯の遮光範囲を求める。
【0032】
配光制御部18は、求められた遮光範囲に従い車両用前照灯の光照射状態を制御する。例えば、遮光範囲に応じた配光パターンを設定し、設定された配光パターンに応じて光が照射されるように各光学ユニット20R、20Lのそれぞれへ制御信号を出力する。
【0033】
光学ユニット20Rは、自車両の前方右側に設置されて自車両の前方を照らす光を照射するために用いられるものである。同様に、光学ユニット20Lは、自車両の前方左側に設置され、自車両の前方を照らす光を照射するために用いられるものである。図示のように各光学ユニット20R、20Lは共通の構成を有しており、具体的には、各々、ユニット側制御部21、LED点灯回路22、相互に並列接続された7個のLED(発光素子)1〜7を備えている。光学ユニット20R、20Lはそれぞれ、自車両の右側・左側ヘッドランプに相当する。
【0034】
ユニット側制御部21は、配光制御部18からの制御信号(LED点消灯信号)を受けて、LED点灯回路22へ制御信号を与えることにより各LED1〜7の点消灯および個々のLEDの光度を個別に制御する。
【0035】
LED点灯回路22は、配光制御部18からの制御信号に基づいて各LED1〜7へ駆動信号(駆動電流)を個別に供給することにより、各LED1〜7の点消灯を制御し、かつ駆動電流の大きさにより各々の光度を制御する。
【0036】
図5は、光学ユニットの構成例を示す分解斜視図である。
図5に示すように、光学ユニット20R(または20L)は、車両前後方向に延びる光軸AX上に配置された投影レンズ41と、この投影レンズ41の後側焦点面よりも後方に配置された光源ユニット30と、投影レンズ41を所定位置に保持するレンズ保持枠40と、光源ユニット30に取り付けられたヒートシンク50を含んで構成されている。この光学ユニット20Rは、投影レンズ41がレンズ保持枠40に取り付けられ、このレンズ保持枠40がヒートシンク50にねじ止め固定されることにより一体化される。光源ユニット30は、複数の導光レンズ部31を一体化してなる干渉防止部材32と、一方向(水平方向)に配列された複数のLEDを有して干渉防止部材32の後方に配置された発光素子基板33を含んで構成されている。発光素子基板33に備わった各LEDが上記したLED点灯回路22と接続された各LED1〜7である。各LEDから放射される光は、干渉防止部材32の各導光レンズ部31によって投影レンズ41に導かれ、自車両の前方に投影される。このとき、各発光素子の点灯/消灯を個別に制御することにより、ハイビームの照射エリアを部分的に遮光するなど配光パターンを自在に制御できる。先行車や対向車の存在する配光エリアを非照射状態とし、他の配光エリアを照射状態とすることで、先行車等への眩惑を防止し、かつ自車両のドライバーの視認性を高めることができる。
【0037】
1.2 直進時とカーブ走行時の制御
ここで、車両用前照灯の遮光範囲と照射範囲の境界位置を、直進時とカーブ走行時でどのように求めるか説明する。なお、本実施例では以下のように境界位置を具体的な角度で計算できるが、車両用前照灯の実際の遮光範囲は、
図2に示す配光パターンの複数の領域のうち、求められた境界位置の間が遮光されるように遮光領域62を設定してもよい。なお、LEDの照射角度を細かく設定可能な機構を備えた装置を用い、求められた具体的な角度に基づいて細かく制御してもよい。
【0038】
図6は、角度情報による先行車検出及び遮光範囲の説明図である。
自車両に取り付けられたカメラ10で撮影された画像から、先行車のリアランプを検出し、基準軸からの先行車右側リアランプ位置の角度θ1と左側リアランプ位置の角度θ2を求める(
図6(a)参照)。例えば、左右の光学ユニット20R、20L(ヘッドランプ)の右側照射境界位置及び左側照射境界位置を、それぞれ以下のように求める(
図6(b)参照)。
自車両右側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)α1=θ1
自車両左側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)β2=θ2
自車両右側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)α2=θ2−0.8×λ
自車両左側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)β1=θ1+0.8×λ
なお、開き角λは以下で表される。
λ=θ1−θ2
また、上述の開き角λに対する係数0.8は一例であり、任意の値に設定できる。配光制御部18は、求められた右側及び左側照射境界位置の間を遮光範囲(消灯範囲)とし、各光学ユニット20R、20Lからの照射状態を制御する。このように、先行車のドアミラー部や運転席部に光が照射されにくくする。なお、このような計算手法については、本出願人により特許出願されており(特願2011−221371号参照)、以下先行技術と称する。例えば、自車両が直線走行している場合の左右の境界位置、自車両がカーブ走行している場合の旋回方向と反対側の境界位置、及び、前方車両が自車両に対して左右方向に移動する場合の移動方向と反対側(後方側)の境界位置については、この先行技術に従い求められることができる。
【0039】
図7は、カーブ走行時の説明図である。
自車両がカーブ走行する際には、以下の計算式(近似式)を用いて、旋回方向内側ヘッドランプの内側照射境界位置(角度)γinと、旋回方向外側ヘッドランプの内側照射境界位置(角度)γoutを求める。
γin=atan((H−P)/V)+k×λ
γout=atan((H+P)/V)+k×λ
ここで、
H=R−Rcos2θ+Lsin2θ+Qcos2θ
V=Rsin2θ+Lcos2θ−Qsin2θ
θ=(θ1+θ2)/2
であり、各パラメータは、
k:係数
H:先行車、旋回内側ドアミラー距離・X成分
V:先行車、旋回内側ドアミラー距離・Y成分
L:先行車、後部−ドアミラー間距離
Q:先行車、車両中心−ドアミラー間距離
P:先行車、車両中心−ヘッドランプ間距離
θ:先行車方向角度
R:旋回半径
を表す。
【0040】
なお、γin及びγoutの式でk×λを加算しているのは、ドアミラー位置からクリアランスを設定するためである。係数kの値は例えば0.2に設定できる。また、パラメータL、Q、Pは予め設定され、メモリ12に記憶されることができる。例えば、標準的な車両の大きさに従い設定してもよい。一例として、L=2.8m、Q=1.0m、P=0.7mとすることがきる。なお、これらの値を大きくする程、照射境界が先行車から離れることになる。
【0041】
旋回半径Rは、前輪駆動車を例にすると以下の式を用いて算出する。なお、後輪駆動車も適宜の手法で求めることができる。
R=W/(T−εf+εr)
ここで、
W:ホイールベース
T:前輪タイヤ角
εf:前輪タイヤスリップ角
εr:後輪タイヤスリップ角
を表す。前輪タイヤ角Tは、以下のようにステアリング角(操舵角)に基づく車両固有の関数であり、前輪タイヤスリップ角εf、後輪タイヤスリップ角εrは、それぞれステアリング角及び車速に基づく車両固有の関数である
T=f1(str)
εf=f2(str、vel)
εr=g2(str、vel)
ここで、
str:ステアリング角
vel:車速
である。
【0042】
1.3 追加補正
図8は、先行車の相対位置移動時の説明図である。
先行車が自車両から見て左右方向への動きがある場合に、照射境界位置の追加補正を行う。これは
図8(a)に示す様に自車両から見た先行車方向が変化する状況を想定し、先行車にグレアを与えない様に、例えば、先行車の移動方向側の境界を広げるよう補正する。一例として、先行車の移動方向側端部(右方向へ移動する場合は車体右端)が境界位置となる様に設定することができるが、これに限らず先行車の端部から離れて境界位置を設定してもよいし、先行車の運転者等にグレアを与えない範囲で先行車上に境界位置を設定してもよい。
【0043】
先行車はカメラ10により監視され、一定周期ごとの検知位置変化量が計算される。自車両から見た現在の先行車位置(角度)をσ1とし、前回の検出タイミングでの先行車位置(角度)をσ0とすると、自車両からみた先行車の位置変化量(自車両に対する左右方向の移動速度)は、以下のようにσ1とσ0の差分で表される。
Δσ=σ1−σ0
ここで、
Δσ:先行車移動速度(角速度)
σ0:前回先行車位置(角度)
σ1:現在先行車位置(角度)
である。ここでの先行車位置は、一例として先行車の一対のリアランプ位置の中央とすることができる。
【0044】
追加補正Uは、自車両に対する先行車相対角度ρと開き角λとに基づき計算する。
U=f3(ρ、λ)
ここで、先行車相対角度ρは、自車速度velと、先行車移動速度Δσにより計算されることができる。
ρ=f4(vel、Δσ)
なお、先行車も自車両と同等の速度で走行していると想定している。
【0045】
追加補正Uの計算式の一例を以下に示す。自車両の左右のヘッドランプのうち、先行車移動方向側ランプ(
図8(a)及び(b)では自車両の右側のヘッドランプ)の追加補正量Uaと、先行車移動反対方向側ランプ(
図8(a)及び(b)では自車両の左側のヘッドランプ)の追加補正量Ubは、例えば以下の式で求められる。
Ua={5ρ
2−(27λ−402)ρ+3λ−2875}λ/10000
Ub={8ρ
2−(35λ−367)ρ+285λ−1095}λ/10000
ρ=|Δσ|/(0.00563×vel)
求められた追加補正量Ua、Ubは、上述のように求められた照射境界位置(角度)γin、γout、α1、α2、β1、β2のうち、先行車の移動方向側の値に加算される。
【0046】
図8(b)に、追加補正の計算例を示す。ここでは、開き角λ=1.16deg、先行車移動速度Δσ=8.4deg/secの状況を想定している。
上述の先行技術の計算式による先行車右側照射境界位置は、
(右側ランプ)α1=0.58(deg)
(左側ランプ)β1=1.51(deg)
である。一方、先行車の実際の右側端位置は、
図8(b)に示すように、
(右側ランプ):2.02(deg)
(左側ランプ):3.28(deg)
である。したがって、照射境界位置の設定角度不足量が、
(右側ランプ):1.44(deg)
(左側ランプ):1.77(deg)
となる。
【0047】
本実施例の追加補正を実施すると、自車両に対する先行車相対角度ρは、自車速度vel=50(km/h)、先行車移動速度Δσ=8.4(deg/sec)、開き角λ=1.16(deg)より、
ρ=|8.4|/(0.00563×50)≒30(deg)
となる。したがって、追加補正量Ua、Ubは、
Ua={5×302−(27×1.16−402)×30+3×1.16−2875}×1.16/10000
=1.48(deg)
Ub={8×302−(35×1.16−367)×30+285×1.16−1095}×1.16/10000
=1.88(deg)
となる。
【0048】
追加補正を含めた最終的な先行車右側照射境界位置は、
(右側ランプ)α1+Ua=0.58+1.48=2.06(deg)
(左側ランプ)β1+Ub=1.51+1.88=3.35(deg)
となる。上述の先行車の実際の右側端位置(右側ランプ):2.02(deg)、(左側ランプ):3.28(deg)と比較すると、先行車にグレアを与えない位置に照射境界が設定されることが確認できる。
【0049】
図9は、先行車右側境界の理論値と、補正時の計算値の表である。
先行車の自車両に対する相対角度、自車両と先行車との距離(前方車距離)の種々のバリエーションについて、開き角λ、実際の先行車右側端角度、上述の先行技術の計算式による計算角度、追加補正量、及び、追加補正を加えた角度(先行技術の計算式による角度+追加補正)を示す。
【0050】
なお、上述の説明では先行車が自車両からみて右方向に移動した場合について説明したが、自車両から見て左方向に移動した場合も同様である。この場合、一例として先行車の左側端位置が遮光範囲となるように補正される。
【0051】
1.4 制御切替条件
図10は、本実施例における制御の組合せの説明図である。
遮光範囲と照射範囲の境界位置の計算は、例えば、自車両の走行状態(例えば3通り)と先行車移動状態(例えば5通り)の組合せに応じて選択される。以下に一例を示すが、これ以外にも自車両の走行状態と先行車移動状態に応じて、上述の先行技術による計算手法、カーブ走行時における手法のいずれを用いるか、及び、追加補正を付加するか否かを適宜定めることもできる。
【0052】
自車両の走行状態は、例えば、直進中、右旋回中、左旋回中の3通りである。自車両の走行状態は旋回半径Rと、予め定められた旋回閾値uにより、例えば以下のような条件に従い判断できる。
・R<−u、又は、+u<Rであれば、直進中
・0<R≦+uであれば、右旋回中
・−u≦R<0であれば、左旋回中
なお、旋回閾値uは、一例として200mとすることができる。
【0053】
また、先行車移動状態は、例えば、先行車が左に大きく変動、左に小さく変動、変化なし、右に小さく変動、及び、右に大きく変動の5通りである。先行車移動状態は、先行車移動速度Δσと、先行車移動の第1閾値n1及び先行車移動の第2閾値n2(ただし、n2>n1)により、例えば以下のような条件に従い判断できる。
・Δσ<−n2であれば、左に大きく変動
・−n2≦Δσ<−n1であれば、左に小さく変動
・−n1≦Δσ<+n1であれば、変化なし
・+n1≦Δσ<+n2であれば、右に小さく変動
・+n2≦Δσであれば、右に大きく変動
【0054】
なお、先行車移動の第1閾値n1及び先行車移動の第2閾値n2は、それぞれ一例としてn1=1°/sec、n2=10°/secとすることができる。
【0055】
自車両の走行状態と先行車移動状態に応じて、境界位置の計算手法を変える。自車両の走行状態が直進中であり、先行車移動状態も動かない(例えば自車両と同様に直進中)の場合は、上述の先行技術の計算手法により境界位置を求める(図中、符号71)。自車両の走行状態が直進中であり、先行車移動状態が左右いずれかに変動する場合は、変動方向側の境界位置に対して追加補正を行う(図中、符号72)。なお、反対方向は先行技術と同様に境界位置を求めてもよい。
【0056】
また、自車両の走行状態が旋回中であり、先行車移動状態が動かない(例えば同様のカーブで旋回中)の場合は、上述のカーブ走行時の計算手法により境界位置を求める(図中、符号73)。一方、自車両の走行状態が旋回中であり、先行車移動状態が自車両の旋回方向に動く場合(例えば、先行車がよりきついカーブに差し掛かった場合などに相当する)は、上述のカーブ走行時の計算手法にさらに追加補正を行って境界位置を求める(図中、符号74)。また、自車両の走行状態が旋回中であり、先行車移動状態が自車両の旋回方向と逆方向に動く場合は、先行車の移動の大きさにより、境界位置の計算を分けることができる。例えば、自車両が左旋回中に先行車が右側に小さく動く場合は、先行車の走行位置でカーブが緩くなった場合や、先行車が右側に車線変更した場合が考えられるが、自車両が左旋回中にもかかわらず先行車が右側に大きく動く場合は、自車両と先行車が同じカーブを走行しなくなった可能性があるためである。例えば、自車両の走行状態が旋回中であり、先行車移動状態が自車両の旋回方向と逆方向に小さく動く場合は、上述のカーブ走行時の計算手法にさらに追加補正を行って境界位置を求める(図中、符号75)。一方、自車両の走行状態が旋回中であり、先行車移動状態が自車両の旋回方向と逆方向に大きく動く場合は、先行技術による境界位置に対して追加補正を行う(図中、符号76)。なお、自車両の走行状態が旋回中の場合、旋回方向と逆側の境界位置については先行技術と同様に境界位置を求めてもよい。
【0057】
1.5 フローチャート
図11は、自車旋回の判断フローチャートである。
中央制御部11の旋回判断部14は、本フローチャートに従い、自車旋回半径Rの算出、自車走行状態の確認を行う。本フローチャートは、例えば一定周期毎に実行される。
【0058】
まず、旋回判断部14は、自車両の旋回半径Rを算出する(ST1−ST5)。具体的には、中央制御部11は自車両のステアリング角と車速を、適宜の計測器又はコンピュータから取得する。旋回判断部14は、取得されたステアリング角をパラメータstrに代入する(ST1)。また、旋回判断部14は、ステアリング角に基づき、予め定められた第1の関数f1(str)に従い前輪の舵角Tを算出する(ST2)。
【0059】
また、旋回判断部14は、取得された車速をパラメータvelに代入する(ST3)。旋回判断部14は、ステアリング角と車速に基づき、予め定められた第2の関数f2(str、vel)、g2(str、vel)に従い前輪のタイヤスリップ角と後輪のタイヤスリップ角をそれぞれ算出する(ST4)。そして、旋回判断部14は、ホールベースWと、舵角Tと、前輪及び後輪のタイヤスリップ角εf、εrとに基づき、以下の式に従い自車両の旋回半径Rを算出する(ST5)。
R=W/(T−εf+εr)
なお、ホールベースWは予めメモリ12に記憶されることができる。
【0060】
次に、旋回判断部14は、自車走行状態(左旋回・右旋回・直進)を判断し、判断結果に応じて旋回フラグCを設定する(ST6−ST10)。具体的には、旋回判断部14は、求められた旋回半径Rが、予め定められたプラス方向の旋回閾値+uより大きいか、又は、予め定められたマイナス方向の旋回閾値−uより小さいか判断し(ST6)、該当する場合(ST6:Yes)、旋回フラグCを直進を示す値(例えば0)に設定する(ST7)。旋回判断部14は、求められた旋回半径Rが正の値であり、予め定められたプラス方向の旋回閾値+u以下か判断し(ST8)、該当する場合(ST8:Yes)、旋回フラグCを右旋回を示す値(例えば1)に設定する(ST9)。また、旋回判断部14は、ST6とST8のいずれにも該当しない場合、旋回フラグCを左旋回を示す値(例えば2)に設定する(ST10)。なお、自車走行状態の判断は、上述の例に限らず適宜の手法で判断してもよく、判断結果を適宜の手段で記憶してもよい。
【0061】
図12は、先行車移動の判断フローチャートである。本フローチャートは、例えば一定周期毎に実行される。
【0062】
中央制御部11の前方車両移動検出部16は、本フローチャートに従い、先行車有無確認、先行車移動速度算出、先行車移動状態の確認を行う。
【0063】
まず、前方車両移動検出部16は、先行車有無を確認し、先行車移動速度を算出する(ST11−ST18)。具体的には、前方車両移動検出部16は、先行車の有無を判断する(ST11)。例えば、カメラ10から得られた画像から先行車のリアランプを検出することで先行車ありと判断する。先行車なしと判断された場合(ST11:No)、前方車両移動検出部16は、先行車検知フラグEを先行車なしを示す値(例えば0)に設定し(ST18)、処理を終了する。一方、先行車ありと判断された場合(ST11:Yes)、前方車両移動検出部16は、先行車検知フラグEが先行車ありを示す値(例えば1)に設定されているか判断する(ST12)。ここでは、先行車検知フラグEは前回の処理において先行車が検出されたか否かを示す。先行車ありを示す値に設定されていない場合(ST12:No)、前方車両移動検出部16は、先行車検知フラグEを先行車ありを示す値(例えば1)に設定する(ST16)。また、前方車両移動検出部16は、カメラ10から得られた画像から求められる現在の現在先行車位置(角度)をパラメータσ0として記憶する。
【0064】
ステップST12において先行車ありを示す値と判断された場合(ST12:Yes)、前方車両移動検出部16は、カメラ10から得られた画像から求められる現在の先行車位置(角度)をパラメータσ1として記憶する。そして前方車両移動検出部16は、パラメータσ1とσ0の差分をとることで先行車移動速度Δσを算出する(Δσ←σ1−σ0)(ST14)。なお、ここでの先行車移動速度とは、自車両からみた先行車の左右方向の相対的な移動速度である。また、前方車両移動検出部16は、次の処理のため、パラメータσ1の値をσ0に代入する(ST15)。
【0065】
次に、前方車両移動検出部16は、先行車走行状態(移動方向、移動速度)を判断し、判断結果に応じて先行車移動状態フラグFを設定する(ST19−ST28)。前方車両移動検出部16は、上述の条件に従い、先行車移動状態フラグFを以下のように設定する。
【0066】
Δσ<−n2の場合(ST19:Yes)、先行車移動状態フラグFを左方向に大きく変化したこと示す値(例えば3)に設定する(ST20)。
それ以外でΔσ<−n1の場合(ST19:No、ST21:Yes)、先行車移動状態フラグFを左方向に小さく変化したこと示す値(例えば1)に設定する(ST22)。
さらにそれ以外でΔσ>n2の場合(ST19及びST21:No、ST23:Yes)、先行車移動状態フラグFを右方向に大きく変化したこと示す値(例えば4)に設定する(ST24)。
さらにそれ以外でΔσ>n1の場合(ST19及びST21及びST23:No、ST25:Yes)、先行車移動状態フラグFを右方向に小さく変化したこと示す値(例えば2)に設定する(ST26)。
上記いずれにも当てはまらない場合、先行車移動状態フラグFを変化なしを示す値(例えば0)に設定する(ST27)。
【0067】
なお、前方車両移動検出部16は、先行車移動状態フラグFを変化なしを示す値(例えば0)に設定した場合、先行車移動速度Δσを0としてもよい(ST28)。また、先行車走行状態の判断は、上述の例に限らず適宜の手法で判断してもよく、判断結果を適宜の手段で記憶してもよい。
【0068】
図13−1及び
図13−2は、境界位置計算のフローチャート(1)及び(2)である。本フローチャートは、例えば一定周期毎に実行される。
【0069】
中央制御部11の遮光範囲決定部15は、本フローチャートに従い、境界位置計算(直進計算・カーブ計算・追加補正計算)を行う。例えば、以下の処理により、自車両右側ヘッドランプの右側境界位置(角度)ζ1、自車両右側ヘッドランプの左側境界位置(角度)ζ2、自車両左側ヘッドランプの右側境界位置(角度)η1、自車両左側ヘッドランプの左側境界位置(角度)η2をそれぞれ求める。
【0070】
まず、遮光範囲決定部15は、上述の先行技術のように、自車両の右側ヘッドランプの右側・左側の境界位置(角度)α1、α2と、自車両の左側ヘッドランプの右側・左側の境界位置(角度)β1、β2と、先行車方向角度θを求める(ST29−ST34)。具体的には、遮光範囲決定部15は、先行車検知フラグEを参照して先行車があるか判断する(ST29)。例えばE=1であれば先行車があると判断する。なお、先行車がなければ処理を終了する。先行車があれば、遮光範囲決定部15は、カメラ10により撮影された自車両の前方の画像に基づいて先行車位置(例えば、先行車の右側リアランプ位置角度と左側リアランプ位置角度)を検出し、右側リアランプ位置角度をθ1とし、左側リアランプ位置角度をθ2とする(ST30)。また、遮光範囲決定部15は、右側リアランプ位置角度θ1と左側リアランプ位置角度θ2との差分をとることにより開き角λを算出する(λ←θ1−θ2:ST31)。次に、遮光範囲決定部15は、右側ヘッドランプの境界角度を以下のように算出する(ST32)。
α1←θ1
α2←θ2−0.8×λ
同様に、遮光範囲決定部15は、左側ヘッドランプの境界角度を以下のように算出する(ST33)。
β2←θ2
β1←θ1+0.8×λ
なお、λにかかる係数0.8は、上述のように予め定められた適宜の値でもよい。
【0071】
遮光範囲決定部15は、右側リアランプ位置角度θ1と左側リアランプ位置角度θ2に基づき、以下のように先行車方向角θを算出する(ST34)。
θ←(θ1+θ2)/2
【0072】
次に、遮光範囲決定部15は、カーブ走行時の境界位置計算と、カーブ走行時の境界位置計算を適用する条件の判断とを行う(ST35−ST43)。より具体的には、遮光範囲決定部15は、まず自車両右側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)ζ1、自車両右側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)ζ2、自車両左側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)η1、自車両左側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)η2を、上述のステップST32及びST33で求められた値α1、α2、β1、β2にそれぞれ設定する。
【0073】
遮光範囲決定部15は、先行車旋回内側ドアミラー位置のX成分Hと、Y成分算出Vを次式に従い算出する(ST36)。
H←R−Rcos2θ+Lsin2θ+Qcos2θ
V←Rsin2θ+Lcos2θ−Qsin2θ
【0074】
また、遮光範囲決定部15は、カーブ走行による旋回方向内側ヘッドランプの旋回内側照射境界位置(角度)γinと、旋回方向外側ヘッドランプの内側照射境界位置(角度)γoutを、次式に従い算出する(ST37)。
γin=atan((H−P)/V)+k×λ
γout=atan((H+P)/V)+k×λ
【0075】
遮光範囲決定部15は、旋回フラグCと先行車移動状態フラグFを参照し、求められた旋回内側照射境界位置(角度)γout、γinを適用するか否かを判断する。例えば、自車両が左旋回し(C=2)、かつ、先行車が右方向の大きく移動している(F=4)場合はγin及びγoutを適用せずにステップST44に移り、自車両が左旋回し(C=2)、かつ、先行車が右方向の大きく移動している以外(F=4以外)の場合は、カーブ計算による旋回内側照射境界位置(角度)γout、γinを、自車両右側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)ζ2と、自車両左側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)η2にそれぞれ設定する(ST38−ST40)。
【0076】
また、遮光範囲決定部15は、旋回フラグCと先行車移動状態フラグFを参照し、自車両が右旋回し(C=1)、かつ、先行車が左方向の大きく移動している(F=3)場合はγin及びγoutを適用せずにステップST44に移り、自車両が右旋回し(C=1)、かつ、先行車が左方向の大きく移動している以外(F=3以外)の場合は、カーブ計算による旋回内側照射境界位置(角度)γin、γoutを、自車両右側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)ζ1と、自車両左側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)η1にそれぞれ設定する(ST41−ST43)。自車両が右旋回でも左旋回でもない場合、すなわち直進状態の場合もγin及びγoutを適用せずにST44に移る。ステップST38−ST43の処理により、自車両がカーブを走行している際には、カーブ走行時の計算手法が適用される。
【0077】
次に、遮光範囲決定部15は、追加補正の境界位置計算と、追加補正の境界位置を適用する条件の判断とを行う(ST44−ST49)。まず、遮光範囲決定部15は、先行車相対角度ρを、次式に従い算出する(ST44)。
ρ←|Δσ|/(0.00563×vel)
遮光範囲決定部15は、追加補正量Ua、Ubを、次式に従い算出する(ST45)。
Ua←{5ρ
2−(27λ−402)ρ+3λ−2875}λ/10000
Ub←{8ρ
2−(35λ−367)ρ+285λ−1095}λ/10000
【0078】
遮光範囲決定部15は、先行車移動状態フラグFを参照し、先行車が左方向に動く場合(ST46:Yes)、上述のステップST35又はST40で求められた自車両右側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)ζ2と、自車両左側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)η2に対して、以下のように追加補正を行う。
ζ2←ζ2−Ub
η2←η2−Ua
【0079】
一方、遮光範囲決定部15は、先行車が右方向に動く場合(ST46:No、ST48:Yes)、上述のステップST35又はST43で求められた自車両右側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)ζ1と、自車両左側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)η1に対して、以下のように追加補正を行う。
ζ1←ζ2+Ua
η1←η2+Ub
【0080】
なお、遮光範囲決定部15は、先行車が左右方向に動いていない場合(ST46:No、ST48:No)、ステップST50に移る。ステップST46−S49の処理により、先行車が自車両に対して左右方向に移動する場合に、先行車の移動方向側の境界位置に対して追加補正が適用される。
【0081】
なお、先行車が近距離にいる場合は、先行技術による境界位置計算を選択することができる。そこで、遮光範囲決定部15は、開き角λが予め定められた近距離判定閾値Zより大きいか判断する(ST50)。近距離判定閾値Zは、例えばZ=8.0°(先行車距離10m相当)に設定されることができる。開き角λが近距離判定閾値Zより大きい場合(ST50:Yes)、上述のステップST32及びST33で求められた自車両右側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)α1、自車両右側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)α2、自車両左側ヘッドランプの右側照射境界位置(角度)β1、自車両左側ヘッドランプの左側照射境界位置(角度)β2を適用する。このように、先行車が近距離にある場合に先行技術による境界位置計算を選択するのは、上述のカーブ計算が近似式を採用しており、近距離では成立しない場合があるためである。また、先行技術による計算では近距離ほど、先行車と照射境界位置のクリアランスが大きくなるため(これはカメラとヘッドランプの位置がズレているために起こる)、追加補正の必要性が小さいためである。
【0082】
なお、本フローチャートによる設定の順序、条件の分け方は一例であり、適宜の手法、順序で条件を判断して、条件に応じた計算手法に従い境界位置を設定してもよい。
【0083】
このように自車両の左右のヘッドランプの右側照射境界位置及び左側照射境界位置がそれぞれ求められ、配光制御部18を介して各光学ユニット20R、20Lからの光照射状態が制御される。
【0084】
1.6 シミュレーション結果
上述の処理により先行車に対するグレアを発生しにくくできることを、シミュレーション結果により以下に示す。
【0085】
図14は、シミュレーションモデルの説明図である。この例では、旋回半径R=50mのカーブ上を自車両、先行車共に同じ速度で旋回すること想定する。
図14に示す各パラメータの内容は以下の通りである。
L:先行車の後部−ドアミラー間距離
Q:先行車の車両中心−ドアミラー間距離
P:先行車の車両中心−ヘッドランプ間距離
R:旋回半径
ω:先行車設定角度
ここでは、先行車として、L=2.8m、Q=1.0m、P=0・7mの車両を想定している。このような条件のもと、この先行車にグレアを与えるか(ドアミラーに光が照射されるか)を確認する。
【0086】
図15は、先行車部位の角度記号の説明図である。
図15に示す各パラメータの内容は以下の通りである。
τ1:自車両の左側ヘッドランプから見た、先行車左後部位置(角度)
τ2:自車両の左側ヘッドランプから見た、先行車右後部位置(角度)
τ3:自車両の左側ヘッドランプから見た、先行車の旋回内側ドアミラー位置(角度)
ν1:自車両の右側ヘッドランプから見た、先行車左後部位置(角度)
ν2:自車両の右側ヘッドランプから見た、先行車右後部位置(角度)
ν3:自車両の右側ヘッドランプから見た、先行車の旋回内側ドアミラー位置(角度)
【0087】
図16は、先行車の実際の位置関係を示す表である。先行車設定角度毎に、自車両の左側ヘッドランプから見た、先行車左後部、先行車右後部及び先行車の旋回内側ドアミラーの実際の位置と、自車両の右側ヘッドランプから見た、先行車左後部、先行車右後部及び先行車の旋回内側ドアミラーの実際の位置が示される。
【0088】
図17は、先行技術によるシミュレーション結果である。先行車設定角度毎に、カメラの画像から得られるカメラ検出角(先行車の右側リアランプ位置角度θ1と左側リアランプ位置角度θ2)と、開き角と、左側ヘッドランプの境界角度と、右側ヘッドランプの境界角度のシミュレーション結果が示される。
【0089】
先行車にグレアが発生しないためには、以下の条件が必要である。
τ1>β2、ν1>α2 (先行車の左後部に対する照射)
τ2<β1、ν2<α1 (先行車の右後部に対する照射)
τ3<β1、ν3<α1 (先行車の旋回内側のドアミラーに対する照射)
先行技術によるシミュレーション結果では、図の灰色で塗りつぶした箇所において、グレア(τ3>β1、ν3<α1)が確認された。
【0090】
図18は、本実施例によるシミュレーション結果である。先行車設定角度毎に、左側ヘッドランプの境界角度と、右側ヘッドランプの境界角度のシミュレーション結果が示される。本シミュレーション結果によると、先行技術でグレアが確認された領域においてもグレアが発生していないことが確認できる。
【0091】
2.実施例2
上述の実施例1では、カーブ走行制御と追加補正を行っているが、追加補正は行わず、自車両の走行状態が直線状態か旋回状態かに応じて、右側ランプ及び左側ランプの遮光範囲を先行技術により求めるか、上述のカーブ走行時の手法により求めるかを切り替えてもよい。
【0092】
システム構成は、上述の
図1及び
図5と同様である。なお、前方車両移動検出部16は省略でききる。また、上述の
図12の処理も省略できる。
図11の処理は実施例1と同様である。
図13−1及び
図13−2の各処理が、
図19に示す以下の処理に変わる。
【0093】
図19は、実施例2における境界位置計算のフローチャートである。
上述のステップST29〜ST51のうち、先行車の左右方向の移動の判定(ST39、ST42)と、追加補正(ST44〜ST49)を省略したものであり、ステップS52〜S66の各処理は、上述の
図13−1、
図13−2の対応する処理と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
3.実施例3
上述の実施例1では、カーブ走行制御と追加補正を行っているが、カーブ走行制御は行わず、右側ランプ及び左側ランプの遮光範囲を先行技術により求め、さらに追加補正を行うか否かを切り替えてもよい。
【0095】
システム構成は、上述の
図1及び
図5と同様である。なお、旋回判断部14は省略できる。また、上述の
図11の処理も省略できる。実施例1における
図12、
図13−1及び
図13−2の各処理が、
図20に示す以下の処理に変わる。
【0096】
図20は、実施例3における境界位置計算のフローチャートである。
ステップST67〜ST71の処理は、上述のステップST11〜ST15の処理に対応し、ステップST72の処理は上述のST17の処理に対応する。また、ステップST74〜ST77の処理は、上述のステップST30〜ST33の処理に対応する。ステップST78〜ST79の処理は、上述のステップST44〜ST45の処理に対応する。
ステップST80において、遮光範囲決定部15は、先行車移動速度Δσが負であれば(ST80:Yes)、上述のステップST47と同様に追加補正を行う(ST81)。一方、ステップST82において、遮光範囲決定部15は、先行車移動速度Δσが正であれば(ST82:Yes)、上述のステップST49と同様に追加補正を行う(ST83)。
【0097】
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。
【0098】
また、上述のようにLED点消灯で配光パターンを変える方式とは別に、バルブ点消灯方式や、適宜の機構(例えばソレノイドや回転シャッター)を用いて配光パターンを変える方式を適用することもできる。光源としてはLED以外の適宜の光源を用いてもよい。