特許第5976371号(P5976371)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5976371プレハブ式の、床のない自己支持スペースユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976371
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】プレハブ式の、床のない自己支持スペースユニット
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20160809BHJP
   E04B 1/348 20060101ALI20160809BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20160809BHJP
   B63B 29/02 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   E04H1/12 302B
   E04B1/348 D
   E04B1/348 W
   E04B1/343 J
   B63B29/02 A
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-95607(P2012-95607)
(22)【出願日】2012年4月19日
(65)【公開番号】特開2012-225155(P2012-225155A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年11月19日
(31)【優先権主張番号】20115389
(32)【優先日】2011年4月20日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】504359156
【氏名又は名称】エスティエックス フィンランド キャビンズ オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓
(74)【代理人】
【識別番号】100072040
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100089897
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正
(74)【代理人】
【識別番号】100123180
【弁理士】
【氏名又は名称】白江 克則
(72)【発明者】
【氏名】ヘイキ シルランペー
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−137967(JP,U)
【文献】 米国特許第02316710(US,A)
【文献】 特開昭57−099493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
B63B 29/02
E04B 1/343
E04B 1/348
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室などのプレハブ式床のない自己支持スペースユニット(1)であって、該スペースユニット(1)が、空間を限定している壁部(2)を少なくとも備え、該壁部(2)が、下方縁部にて、前記スペースユニット(1)の主な形状を規定する第1の支持枠(3)に締結され、前記スペースユニット(1)が該スペースユニットの用途に関連する取付け家具を備え、前記スペースユニット(1)の1つの壁部(2)び該1つの壁部(2)に隣接し当接する壁部(2)の3つの壁部(2)が、第2の支持枠(4)が設置される空間を規定するように構成され、前記第2の支持枠(4)が、前記壁部(2)の前記下方縁部からある距離のところで前記3つの壁部(2)に取り付けられ、前記第2の支持枠(4)が、前記取付け家具に取り付けられることを特徴とする、スペースユニット。
【請求項2】
前記取付け家具が、ソファユニット(5)を含み、前記ソファユニット(5)が、前記第2の支持枠(4)上で支持され、固定された座部(5b)及び背もたれ部分(5a)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のスペースユニット。
【請求項3】
前記背もたれ部分(5a)を、前記座部(5b)の頂部上に折り畳んでベッドにすることができることを特徴とする、請求項2に記載のスペースユニット。
【請求項4】
前記座部(5b)が、座るための空間及びテーブルのための空間を備えるように設計されることを特徴とする、請求項2又は3に記載のスペースユニット。
【請求項5】
前記取付け家具が、前記第2の支持枠(4)上で支持される、ダブル・ベッド又は同様の固定されたベッなど固定された家具を含むことを特徴とする、請求項1に記載のスペースユニット。
【請求項6】
前記第2の支持枠(4)が、ねじ(7)又は同様の締結具を用いて前記3つの壁部(2)に締結されることを特徴とする、請求項に記載のスペースユニット。
【請求項7】
前記第1の支持枠(3)からの前記第2の支持枠(4)の距離が、前記支持枠によって規定される前記空間を収納スペースとして用いることができるように選択されることを特徴とする、請求項1または6に記載のスペースユニット。
【請求項8】
前記第2の支持枠(4)が、金属製であることを特徴とする、請求項1に記載のスペースユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる、たとえば居室などのプレハブ式の、床のない自己支持スペースユニットに関し、このスペースユニットは、空間を限定する、好ましくは壁部パネル要素で構成される壁部を少なくとも備え、これらの壁部パネル要素は、互いに連結され、それらの下方縁部にて、スペースユニットの主な形状を規定する第1の支持枠に取り付けられる。
【背景技術】
【0002】
自己支持スペースユニットの応用例は、たとえば建物、海洋構造物、船舶、列車などである。それらは、好ましくは、工場条件下でプレハブ加工されてからそれらの建設場所へと移動させられる。具体的には船内又は海洋構造物内など建設場所における建設は、デッキ上で行われることが多く、そのためスペースユニット用の床は別個に製作されないが、スペースユニットが定位置に建設された後に床仕上げ材が設置される。空間要素の移送には、十分な剛性が必要であり、そのためその下方部分内に金属支持枠が設けられる。一般に、確実に移送するために、別個の補助支持枠も用いられ、この補助支持枠は、スペースユニットの壁部を支持し、スペースユニットがその場所に移送された後に取り外される。
【0003】
所望される場合は、空間要素の家具は、たとえばそれらを移送時に壁部に一時的に締結することにより、予め部分的に組み立てることができる。ただし大抵の場合、家具は予め設置されることはない。必要不可欠な家具は、日中は座る位置へと部分的に折り畳まれ、必要なときに拡げてベッドにすることができる、ベッド兼用ソファである。そのようなソファの下にはあまり大きな空間が残されず、ベッド位置では座部が床に対してスライドするので、ソファの下にある物を、まず移動させなくてはならず、そうしなければその物は破損する。この解決手段は、子供にとっても危険である。さらに、可動の座部を備えるソファの構造は、維持するために多数のローラアセンブリを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の解決手段の上述の問題点及び欠点をなくすことができ、且つ、使用がより容易であり安全性特徴が改善された構造的に有利で移動させることが容易なスペースユニットを設けることができる、新規のプレハブ式の、床のない自己支持スペースユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、請求項1及び他の請求項に詳細に記載される手段によって達成することができる。本発明によれば、スペースユニットの1つの壁部と、それに当接する隣接壁部は、第2の支持枠が壁部の下方縁部からある距離のところで前記壁部に設置され締結される。さらに、前記第2の支持枠は、スペースユニットの用途に関連する取付け家具を備える。
【0006】
この解決手段は、いくつかの利点をもたらす。第1に、壁部を支持し、スペースユニットを移送し移動させた後で取り外される別個の補助枠が不必要である。というのも、本発明による第2の支持枠は、スペースユニットの壁部に固定され、そのためスペースユニットの壁部のための移送支持部として機能し、また、スペースユニットがその応用例内に設置された後に構造を強化するからである。スペースユニットがその応用例へと移動させられる前に取付け家具が支持枠内に設置される場合、スペースユニットのプレハブ加工の程度を改善することができるが、取付け家具は当然、後に設置することもできる。第2の支持枠及び取り付けられる取付け家具は、スペースユニットの下方支持枠から、すなわち床から、ある距離のところにあり、それらの下に、恒久的な収納スペースが形成される。前記収納スペースがつぶされないため、この解決手段は、子供にも安全である。固定された第2の支持枠はまた、いかなる音の振動を遮断するのにもよく適する。
【0007】
前記取付け家具は、好ましくは、ソファユニットを含み、このソファユニットは、前記第2の支持枠上で支持され、固定された座部及び背もたれ部分を備える。すなわち背もたれ部分は、座部の頂部上に折り畳まれて、ベッドを設けることができる。
【0008】
或いは、座部はまた、様々な方法で用いることができ、たとえば、座るための空間及びテーブル空間などを備えるように設計することができる。
【0009】
別の実施例では、前記取付け家具は、前記第2の支持枠上で支持されるダブル・ベッド又は同様の固定されたベッド或いは家具など、固定された家具を含む。
【0010】
実際、前記第2の支持枠は、好ましくは、ねじ又は同様の締結具を用いて前記3つの壁部に締結される。
【0011】
前記第1の支持枠からの前記第2の支持枠の距離は、支持枠によって限定される空間を、様々な目的のための収納スペースとして用いることができるように選択される。
【0012】
十分な剛性を得るために、前記第2の支持枠は、好ましくは金属で製造される。
【0013】
以下で、添付の概略的な図面を参照しながら、本発明の一例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】スペースユニットを示す斜視図である。
図2】スペースユニットの内側及び上方から見た、本発明による解決手段を示す図である。
図3図2の断面III−IIIを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、船舶など移動する応用例にも、建物又は海洋構造物など固定される応用例にも等しくよく適する、典型的な自己支持スペースユニットを示す。床のないスペースユニットが、プレハブ加工された状態でその応用例へと移送されること、及び、床レベル(図3の床6を参照)で、定位置に建設されることが必須である。ここで、床レベルは、たとえば船舶又は海洋構造物の場合はデッキであり、スペースユニットの設置後に適当な表面材料が設けられる。スペースユニットは、ドア1b及び壁部2を備え、ドア1b及び壁部2は、それらの下方部分にて、スペースユニットの主な形状も規定する第1の支持枠3に締結される。応用例によっては、壁部は、組み立てることにより、様々なパネル要素から構築することができる。図1の実施例では、スペースユニットは、風呂ユニット1aをさらに備える。
【0016】
図2及び図3に示すように、第2の支持枠4は、スペースユニットの3つの壁部2によって規定される空間内に配置され、好ましくは、ねじ7を用いて壁部2に締結される。支持枠4は、スペースユニットを移送する間及び定位置で動かす間に壁部2を支持するのに十分な剛性を有するように、好ましくは金属製である。この構造は固定されるので、定位置に建設された後でも、構造を強化し、音の振動を防ぐのによく適する。
【0017】
この第2の支持枠4は、第1の支持枠3及び床6から特定の適当な距離に配置されるので、支持枠の間の恒久的な空間を、保管空間として用いることができる。本発明によれば、支持枠4は、図の実施例ではソファユニット5を含む取付け家具をさらに備え、ソファユニット5は、支持枠4に取り付けられる固定された座部5b及び背もたれ部分5aを備える。背もたれ部分5aは、壁部に締結された支持腕部5c上で回転可能となるように、枢動部5dによって支持され、座部5bの頂部上に折り畳まれるときに完全なベッドを形成する。この型では、座部5bは、3人又はそれ以上の人が座るソファである。或いは座部5bは、たとえば座るための空間及びテーブルのための空間を備えるように形成することができる。
【0018】
固定された支持枠4はまた、たとえばダブル・ベッド又は同様の固定されたベッド及びその他の家具など、他のタイプの家具と関連付けて適用することもできる。
【0019】
本発明は、上記で説明した実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲内で様々な修正例を考えることができる。
【符号の説明】
【0020】
1a 風呂ユニット
1b ドア
2 壁部
3 第1の支持枠
4 第2の支持枠
5 ソファユニット
5a 背もたれ部分
5b 座部
5c 支持腕部
5d 枢動部
6 床
7 ねじ
図1
図2
図3