特許第5976445号(P5976445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976445
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】開閉装置およびその操作機構
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/38 20060101AFI20160809BHJP
   H01H 33/42 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   H01H33/38 A
   H01H33/42 Q
   H01H33/42 K
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-176478(P2012-176478)
(22)【出願日】2012年8月8日
(65)【公開番号】特開2013-55048(P2013-55048A)
(43)【公開日】2013年3月21日
【審査請求日】2015年6月11日
(31)【優先権主張番号】特願2011-174045(P2011-174045)
(32)【優先日】2011年8月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】395002434
【氏名又は名称】東芝変電機器テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸島 敬
(72)【発明者】
【氏名】網田 芳明
(72)【発明者】
【氏名】清水 正治
(72)【発明者】
【氏名】井上 徹
(72)【発明者】
【氏名】小林 義賢
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−032513(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/38
H01H 33/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉装置の可動接点を往復駆動してその開閉装置を開路状態と閉路状態との間で相互に移行させる開閉装置操作機構であって、
放勢により開路動作を行なう開路ばねと、
前記開路ばねの蓄勢状態を保持する開路トリガ機構と、
前記開路トリガ機構の拘束を解除する開路操作部と、
放勢により閉路動作を行なう閉路ばねと、
前記閉路ばねの蓄勢状態を保持する閉路トリガ機構と、
前記閉路トリガ機構の拘束を解除する閉路操作部と、
を備え、
前記開路操作部および前記閉路操作部の少なくとも一方は、
段差を持つ入れ子構造の電磁ソレノイドと、
当該電磁ソレノイドの操作対象となる前記開路トリガ機構または前記閉路トリガ機構と当該電磁ソレノイドとの距離を調整するためのソレノイドスペーサと、
を備え、
前記電磁ソレノイドは、
前記ソレノイドスペーサを介して固定されたソレノイド筐体と、
前記ソレノイド筐体に対して摺動可能なプランジャと、
前記プランジャをプランジャ復帰方向に付勢するプランジャ復帰ばねと、
前記ソレノイド筐体に固定されて、通電により励磁状態を生じさせて前記プランジャ復帰ばねの付勢力に抗して前記プランジャを前記プランジャ復帰方向と反対方向の励磁動作方向に摺動させるコイルと、
前記コイルへの通電がないときに前記プランジャの前記プランジャ復帰方向への摺動を規制するように前記ソレノイド筐体に取り付けられたストッパであって、その規制位置が調整可能なストッパと、
を有すること、を特徴とする開閉装置操作機構。
【請求項2】
前記ストッパは、
前記ソレノイド筐体に形成された筐体雌ねじに螺合して挿入可能なガイド雄ねじが外周に形成されて、さらに前記ガイド雄ねじ内をその軸の方向に貫通するガイド貫通穴が形成された筒状のストッパガイドと、
前記ガイド貫通穴内を貫通して前記プランジャの端部に当接し、前記ソレノイド筐体内で前記ストッパガイドの端部に係合する段部を備えたストッパピンと、
前記ソレノイド筐体の外側に配置されて前記ガイド雄ねじと螺合して前記ストッパピンの位置を固定可能なナットと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の開閉装置操作機構。
【請求項3】
前記プランジャは、
前記コイルと対向して摺動する円柱状のプランジャ本体と、
前記プランジャ本体の前記励磁動作方向の端部に設けられて、直径が前記プランジャ本体よりも細く、長さが段差寸法である段差部と、
を備え、
前記ソレノイド筐体は、
前記ソレノイドスペーサと当接して前記段差寸法の深さを有するベースと、
前記コイルを収納し、前記ストッパが取り付けられた筐体本体と、
を備えていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の開閉装置操作機構。
【請求項4】
前記ベースと前記筐体本体とは分離可能であって、
複数種類の段差寸法の前記ベースおよび前記プランジャの組が用意されていて、これらのベースおよびプランジャの組を交換可能に構成されていること、を特徴とする請求項3に記載の開閉装置操作機構。
【請求項5】
前記プランジャは、複数種類の質量のものが用意されていて、これらのプランジャを交換可能に構成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の開閉装置操作機構。
【請求項6】
前記開路トリガ機構は、
サブシャフトに固定されたラッチレバーと、
前記ラッチレバーに接離可能に係合するラッチと、
前記ラッチを引いてラッチレバーとラッチとの係合を解放するための引き外しリンクと、
前記引き外しリンクと係合し、前記電磁ソレノイドが励磁されたとき前記プランジャに押されることにより前記引き外しリンクを引く引き外しレバーと、
前記引き外しレバーを前記プランジャに向けて付勢する引き外しレバー復帰ばねと、
前記電磁ソレノイドが非励磁状態にあるときに前記引き外しレバーと係合することによって前記引き外しレバーが前記プランジャに向けて動く動きを所定位置で停止させるための引き外しレバー停止ピンと、
を有し、
前記引き外しレバー停止ピンは、固定側軸を中心として回転調整が可能でかつ固定可能であり、回転によって前記引き外しレバーと係合する位置が変動することにより、前記引き外しレバーの回転が当該引き外しレバー停止ピンによって停止する位置を調整可能であること、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の開閉装置操作機構。
【請求項7】
前記閉路トリガ機構は、
閉路シャフトに固定された閉路レバーと、
前記閉路レバーに固定されたツメと、
前記ツメと接離可能に係合し、前記電磁ソレノイドが励磁されたとき前記プランジャに押されることにより前記ツメとの係合を解放する閉路用係止レバーと、
前記閉路用係止レバーを前記プランジャに向けて付勢する閉路用係止レバー復帰ばねと、
前記電磁ソレノイドが非励磁状態にあるときに前記閉路用係止レバーと係合することによって前記閉路用係止レバーが前記プランジャに向けて動く動きを所定位置で停止させるための閉路用係止レバー停止ピンと、
を有し、
前記閉路用係止レバー停止ピンは、固定側軸を中心として回転調整が可能でかつ固定可能であり、回転によって前記閉路用係止レバーと係合する位置が変動することにより、前記閉路用係止レバーの回転が当該閉路用係止レバー停止ピンによって停止する位置を調整可能であること、
を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の開閉装置操作機構。
【請求項8】
可動接点と、
前記可動接点を往復駆動して開路状態と閉路状態との間で相互に移行させる開閉装置操作機構と、
を備えた開閉装置であって、
前記開閉装置操作機構は、
放勢により開路動作を行なう開路ばねと、
前記開路ばねの蓄勢状態を保持する開路トリガ機構と、
前記開路トリガ機構の拘束を解除する開路操作部と、
放勢により閉路動作を行なう閉路ばねと、
前記閉路ばねの蓄勢状態を保持する閉路トリガ機構と、
前記閉路トリガ機構の拘束を解除する閉路操作部と、
を備え、
前記開路操作部および前記閉路操作部の少なくとも一方は、
段差を持つ入れ子構造の電磁ソレノイドと、
当該電磁ソレノイドの操作対象となる前記開路トリガ機構または前記閉路トリガ機構と当該電磁ソレノイドとの距離を調整するためのソレノイドスペーサと、
を備え、
前記電磁ソレノイドは、
前記ソレノイドスペーサを介して固定されたソレノイド筐体と、
前記ソレノイド筐体に対して摺動可能なプランジャと、
前記プランジャをプランジャ復帰方向に付勢するプランジャ復帰ばねと、
前記ソレノイド筐体に固定されて、通電により励磁状態を生じさせて前記プランジャ復帰ばねの付勢力に抗して前記プランジャを前記プランジャ復帰方向と反対方向の励磁動作方向に摺動させるコイルと、
前記コイルへの通電がないときに前記プランジャの前記プランジャ復帰方向への摺動を規制するように前記ソレノイド筐体に取り付けられたストッパであって、その規制位置が調整可能なストッパと、
を有すること、を特徴とする開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電気回路を開閉する開閉装置およびそのための操作機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、開閉装置の操作機構は、大出力が得られる油圧操作力を用いたものや、中・低出力のばね操作力を用いたものがある。前者を油圧操作機構と呼び、後者をばね操作機構と呼ぶ。特に近年、開閉装置の一種であるガス遮断器の消弧室の小型化が進み、少ない操作力で事故電流等を遮断できるようになり、ばね操作機構の適用が多くなっている。さらに、超高電圧クラスのガス遮断器では、2サイクル遮断(交流の2サイクル分の時間以内に遮断するもの)という高速動作性能が要求されている。
【0003】
2サイクル遮断を可能とするばね操作機構が特許文献1に記載されている。このばね操作機構では遮断および投入の駆動力にトーションバーを用い、2本のトーションバーを折り返して使用することにより、コンパクトに構成するとともに、高速動作を可能としている。
【0004】
また、特許文献2に記載のばね操作機構では、電磁ソレノイドおよびトリガーレバーなどの引き外し操作部を交換することで、2サイクル遮断だけではなく、3サイクル遮断あるいは5サイクル遮断などの異なる遮断サイクル数に対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2529264号公報
【特許文献2】特開2007−323989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1および2では、2サイクル遮断が可能であり、特に、特許文献2のばね操作機構では3サイクルなどの低速遮断にも対応可能である。しかしながら、ばね操作機構の部品の特性のばらつきや連結部や摺動部などの摩擦などの影響により、開路時間は各ばね操作機構で異なるため、所定の開路時間に微調整する必要がある。特許文献1のばね操作機構はこのような微調整機能を有していない。また、特許文献2のばね操作機構に関しては、調整するために引き外し操作部を交換するため煩雑な作業が必要であり、また、高速遮断用ばね操作機構では電磁ソレノイドの吸引力の大きい領域を用いるが、可動鉄心と固定鉄心のギャップは小さいため、可動鉄心の可動領域が小さく、調整範囲はほとんどない。
【0007】
さらに、閉路時間に関しても、ばね操作機構の部品の特性のばらつきや連結部や摺動部などの摩擦などの影響により、各ばね操作機構で閉路時間が異なることがある。そのため、各相操作の遮断器にばね操作機構を用いた場合、3相の閉路時間がずれる可能性があるが、上述したばね操作機構には閉路時間の微調整機能を有していない。
【0008】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、電気回路の開閉を行なう開閉装置において、簡便な方法で開路時間および閉路時間の少なくとも一方を調整できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る開閉装置操作機構の実施形態は、開閉装置の可動接点を往復駆動してその開閉装置を開路状態と閉路状態との間で相互に移行させる開閉装置操作機構である。この開閉装置操作機構は、放勢により開路動作を行なう開路ばねと、前記開路ばねの蓄勢状態を保持する開路トリガ機構と、前記開路トリガ機構の拘束を解除する開路操作部と、放勢により閉路動作を行なう閉路ばねと、前記閉路ばねの蓄勢状態を保持する閉路トリガ機構と、前記閉路トリガ機構の拘束を解除する閉路操作部と、を備える。前記開路操作部および閉路操作部の少なくとも一方は、段差を持つ入れ子構造の電磁ソレノイドと、当該電磁ソレノイドの操作対象となる前記開路トリガ機構または閉路トリガ機構と当該電磁ソレノイドとの距離を調整するためのソレノイドスペーサと、を備える。前記電磁ソレノイドは、前記ソレノイドスペーサを介して固定されたソレノイド筐体と、前記ソレノイド筐体に対して摺動可能なプランジャと、前記プランジャをプランジャ復帰方向に付勢するプランジャ復帰ばねと、前記ソレノイド筐体に固定されて、通電により励磁状態を生じさせて前記プランジャ復帰ばねの付勢力に抗して前記プランジャを前記プランジャ復帰方向と反対方向の励磁動作方向に摺動させるコイルと、前記コイルへの通電がないときに前記プランジャの前記プランジャ復帰方向への摺動を規制するように前記ソレノイド筐体に取り付けられたストッパであって、その規制位置が調整可能なストッパと、を有する。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る開閉装置の実施形態は、可動接点と、前記可動接点を往復駆動して開路状態と閉路状態との間で相互に移行させる開閉装置操作機構と、を備える。前記開閉装置操作機構は、放勢により開路動作を行なう開路ばねと、前記開路ばねの蓄勢状態を保持する開路トリガ機構と、前記開路トリガ機構の拘束を解除する開路操作部と、放勢により閉路動作を行なう閉路ばねと、前記閉路ばねの蓄勢状態を保持する閉路トリガ機構と、前記閉路トリガ機構の拘束を解除する閉路操作部と、を備える。前記開路操作部および閉路操作部の少なくとも一方は、段差を持つ入れ子構造の電磁ソレノイドと、当該電磁ソレノイドの操作対象となる前記開路トリガ機構または閉路トリガ機構と当該電磁ソレノイドとの距離を調整するためのソレノイドスペーサと、を備える。前記電磁ソレノイドは、前記ソレノイドスペーサを介して固定されたソレノイド筐体と、前記ソレノイド筐体に対して摺動可能なプランジャと、前記プランジャをプランジャ復帰方向に付勢するプランジャ復帰ばねと、前記ソレノイド筐体に固定されて、通電により励磁状態を生じさせて前記プランジャ復帰ばねの付勢力に抗して前記プランジャを前記プランジャ復帰方向と反対方向の励磁動作方向に摺動させるコイルと、前記コイルへの通電がないときに前記プランジャの前記プランジャ復帰方向への摺動を規制するように前記ソレノイド筐体に取り付けられたストッパであって、その規制位置が調整可能なストッパと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態の開閉装置操作機構の開路トリガ機構と開路操作部の閉路状態を示す正面図。
図2】本発明の第1の実施形態の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構と閉路操作部の閉路ばね蓄勢完了状態を示す正面図。
図3図1および図2の開閉装置操作機構の開路状態を示す展開正面図。
図4図1および図2の開閉装置操作機構の閉路状態を示す展開正面図。
図5図1の開路操作部のソレノイド非励磁状態を示す縦断面図。
図6図5の開路用電磁ソレノイドのベースとプランジャを取り出して示す分解拡大縦断面図。
図7図5および図6の電磁ソレノイドの隙間寸法と推進力の関係を示すグラフ。
図8図1および図2の開閉装置操作機構の開路トリガ機構と開路操作部の開路動作途中の状態を示す正面図。
図9図1および図2の開閉装置操作機構の開路トリガ機構と開路操作部の開路動作途中の図8の状態に続く状態を示す正面図。
図10】本発明の第2の実施形態の開閉装置操作機構の開路操作部を示す縦断面図。
図11】本発明の第3の実施形態の開閉装置操作機構の開路用電磁ソレノイドのベースとプランジャを取り出して示す分解拡大縦断面図。
図12】電磁ソレノイドの異なる段差寸法における隙間寸法と推進力の関係を示すグラフ。
図13】本発明の第4の実施形態の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構と閉路操作部の閉路ばね蓄勢状態を示す正面図。
図14図13のツメと半円柱部とを拡大して示す拡大正面図。
図15図13の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構の閉路用係止レバー停止ピンを若干回転させたときの閉路トリガ機構と閉路操作部の閉路ばね蓄勢状態を示す正面図。
図16図15のツメと半円柱部とを拡大して示す拡大正面図。
図17図13および図15の閉路用係止レバー停止ピンを取り出して示す斜視図。
図18図13図15および図17に示す閉路用係止レバー停止ピンをフレームに取り付けた状態を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る開閉装置の操作機構の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、図1図9を用いて本発明に係る開閉装置操作機構の第1の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態の開閉装置操作機構の開路トリガ機構201と開路操作部202の閉路状態を示す正面図である。図2は、第1の実施形態の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構301と閉路操作部302の閉路ばね蓄勢完了状態を示す正面図である。図3は、図1および図2の開閉装置操作機構の開路状態を示す展開正面図である。図4は、図1および図2の開閉装置操作機構の閉路状態を示す展開正面図である。図5は、図1の開路操作部202のソレノイド非励磁状態を示す縦断面図である。図6は、図5の開路用電磁ソレノイドのベース60eとプランジャ60aを取り出して示す分解拡大縦断面図である。
【0015】
図7は、図5および図6の電磁ソレノイドの隙間寸法gと推進力の関係を示すグラフである。図8は、図1および図2の開閉装置操作機構の開路トリガ機構と開路操作部の開路動作途中の状態を示す正面図である。図9は、図1および図2の開閉装置操作機構の開路トリガ機構と開路操作部の開路動作途中の図8の状態に続く状態を示す正面図である。
【0016】
図3および図4において、リンク機構1の左方に可動接点100が連結されている。図3のようにリンク機構1が右方向に移動したときに可動接点100が開となって開路状態となり、図4のようにリンク機構1が左方向に移動したときに可動接点100が閉となって閉路状態となるように構成されている。リンク機構1の一端はメインレバー11の先端に回転自在に係合している。メインレバー11は、閉路シャフト10に回転自由に固定されている。閉路シャフト10はフレーム(支持構造体)20に固定された軸受(図示せず)で回転可能に支持されている。
【0017】
開路ばね2はフレーム20の取り付け面20aにその一端が固定されており、他端は開路ばね受け3に嵌着されている。開路ばね受け3にはダンパー4が固着されている。ダンパー4の内部には流体が封入されており、ピストン4aが並進摺動自在に配置されている。ダンパー4の一端は開路ばねリンク5に固着されている。開路ばねリンク5は、メインレバー11のピン11aに回転自由に取り付けられている。
【0018】
フレーム20にはサブシャフト30が回転自由に配置されており、サブシャフト30にサブレバー31が固着されている。サブレバー31の先端にはピン31aが配置されている。メインレバー11に配置されたピン11bとピン31aは主副連結リンク6で連結されている。サブシャフト30にはラッチレバー32が固着されており、その先端にはローラピン32aが回転自由に嵌着されている。さらに、サブシャフト30にはカムレバー33が固着されており、カムレバー33の先端にはローラ33aが回転自由に嵌着されている。
【0019】
閉路ばね7はフレーム20の取り付け面20aにその一端が固定されており、他端は閉路ばね受け8に嵌着されている。閉路ばね受け8にはピン8aが配置されており、ピン8aは、閉路シャフト10の端部に固着された閉路レバー12のピン12aと、閉路リンク13を介して連結されている。閉路カム14は、閉路シャフト10に固着されており、閉路シャフト10の回転に従いローラ33aと接離自在に係合する。
【0020】
図1に示すように、係止レバー40には突起状の支持部40aが形成され、フレーム20に固着されたピン21と係合しているので、係止レバー40はフレーム20に対して固定されている。
【0021】
開路トリガ機構201は、ラッチ41と、ラッチ復帰ばね42と、ピン40bと、引き外しリンク43と、引き外しレバー44と、引き外しレバー復帰ばね45と、引き外しレバー停止ピン22で構成されている。ラッチ41は、係止レバー40の端部に固定されたラッチ軸ピン40cの周りに回転自由に配置されている。係止レバー40とラッチ41間にはラッチ復帰ばね42が配置されている。ラッチ復帰ばね42の端部は、係止レバー40に固定されたピン40bと係合している。このラッチ復帰ばね42は、ラッチ41を常に時計方向回転させる力を発生させている。ラッチ41の先端41aは平面、または、凸円弧面(すなわち凸円筒面)で形成されており、円弧面の中心位置は、閉路状態におけるローラピン32aの中心とラッチ軸ピン40cの中心を結ぶ直線上にほぼ一致しているように形成される。
【0022】
また、図1および図4に示す閉路状態では、先端41aはローラピン32aと係合し、ローラピン32aが先端41aをラッチ41の回転軸中心の向きに押し、ラッチ41が反時計方向回転しようとするのを止められる構造となっている。
【0023】
図1に示すように、引き外しリンク43は、引き外しレバー44に配置された引き外しレバーピン44aとの係合部に長穴43aが形成されている。引き外しレバーピン44aは、長穴43aの範囲内で相互に移動および回転が可能である。ラッチ41に配置されたラッチピン41bは、引き外しリンク43の長穴43aと反対側の端部と回転自由に係合している。引き外しレバー44はフレーム20に対して回転自由に配置されており、引き外しレバー復帰ばね45により常に時計方向回転する力が与えられている。ただし、引き外しレバー44の時計方向の回転は、フレーム20に固着された引き外しレバー停止ピン22が引き外しレバー44に係合することにより規制されている。さらに、図3に示す開路状態では、ラッチ41の時計方向回転は、引き外しリンク43を介して、引き外しレバー停止ピン22により規制されている。
【0024】
開路操作部202は、段差を持つ入れ子構造を有する開路用電磁ソレノイド60と、ソレノイドスペーサ62と、ストッパ63で構成されている。ソレノイドスペーサ62は、フレーム20と開路用電磁ソレノイド60の間に配設されており、ソレノイドスペーサ62の厚さを変更することで、開路用電磁ソレノイド60の位置を任意に決めることができる。
【0025】
開路用電磁ソレノイド60のソレノイド筐体60hの端部には雌ねじが形成された貫通穴が設けられ、この雌ねじと螺合する雄ねじが形成されたストッパ63が取り付けられている。ストッパ63の雄ねじと螺合するようにナット64が配置されており、ナット64を締め付けることによりストッパ63の位置を固定することができる。
【0026】
開路用電磁ソレノイド60のプランジャ60aの先端は引き外しレバー44に接離自在に係合している。開路指令が入力されると、開路用電磁ソレノイド60のプランジャ60aの先端が引き外しレバー44を押し、引き外しレバー44を反時計方向回転させる。
【0027】
図2に示すように、閉路トリガ機構301は、閉路用係止レバー50と、閉路用係止レバー復帰ばね51と、閉路用係止レバー停止ピン23と、閉路レバー12で構成されており、閉路レバー12の一端にはツメ12bが配置されている。フレーム20に回転自由に配置された閉路用係止レバー50に設けられた半円柱部50aと接離自在に係合している。
【0028】
また、閉路用係止レバー50の一端には閉路用係止レバー復帰ばね51が配置されており、閉路用係止レバー復帰ばね51の他端はフレーム20に固定されている。閉路用係止レバー復帰ばね51は圧縮ばねであり、閉路用係止レバー50を時計方向回転させるばね力が常に作用している。ただし、その回転はフレーム20に固着された閉路用係止レバー停止ピン23が係合することにより規制されている。
【0029】
閉路操作部302は、開路操作部202と同様に、段差を持つ入れ子構造を有する閉路用電磁ソレノイド61と、ソレノイドスペーサ62と、ストッパ63で構成されている。ソレノイドスペーサ62は、フレーム20と閉路用電磁ソレノイド61の間に配設されており、ソレノイドスペーサ62の厚さを変更することで、閉路用電磁ソレノイド61の位置を任意に決めることができる。また、閉路用電磁ソレノイド61はソレノイドスペーサ62に配設されている。閉路用電磁ソレノイド61の端部には非励磁状態の閉路用電磁ソレノイド61のプランジャ61aの位置を決めるためのストッパ63が設けられており、ストッパ63の位置は任意に決めることができる。
【0030】
図2ではストッパ63には雄ねじが設けられており、ナット64により位置が固定される。閉路用電磁ソレノイド61のプランジャ61aの先端は閉路用係止レバー50に接離自在に係合している。閉路指令が入力されると、閉路用電磁ソレノイド61のプランジャ61aの先端が閉路用係止レバー50を押し、閉路用係止レバー50を反時計方向回転させる。
【0031】
図5に示すように、開路操作部202の開路用電磁ソレノイド60の内部には、プランジャ60aを非励磁状態の位置へ付勢するように、プランジャ60aの端面60bを押すようにプランジャ復帰ばね60cが設けられている。
【0032】
また、開路用電磁ソレノイド60は段差を持つ入れ子構造を有している。
【0033】
すなわち、プランジャ60aは、円柱状のプランジャ本体60fと、プランジャ本体60fよりも直径が小さい円柱状の段差部60gとを有する。段差部60gはプランジャ本体60fのプランジャ60a先端側の端面に固定されている。プランジャ復帰ばね60cは段差部60gの端面と接してこれを押している。
【0034】
プランジャ60aおよびプランジャ復帰ばね60cはソレノイド筐体60hに支持されている。ソレノイド筐体60hは、ベース60eと筐体本体60iとに分離可能である。筐体本体60iのプランジャ60aと対向する位置でプランジャ60aの外周を取り囲むようにコイル60jが配置されている。コイル60jに通電することにより開路用電磁ソレノイド60は励磁される。
【0035】
筐体本体60iおよびベース60eのそれぞれが、ソレノイドスペーサ62を介して、フレーム20に取り付けられている。
【0036】
図6に示すように、ベース60eには、開路用電磁ソレノイド60が励磁されたときに段差部60gを収容するくぼみ60kが形成されている。段差部60gの軸方向長さが段差寸法であり、これはくぼみ60kの深さに等しい。
【0037】
プランジャ60aの段差部60gの端面60bと動作終了位置60dとの間の隙間寸法gと、開路用電磁ソレノイド60の推進力との関係は図7に示すグラフのようになる。このように、開路用電磁ソレノイド60が励磁されると、プランジャ60aは、図5の矢印Aの方向に吸引され、隙間寸法gが小さくなり、段差寸法dに近づくにつれて、推進力は大きくなる。さらに、隙間寸法gが小さくなり、段差寸法dより小さくなると推進力は下がり、動作終了位置近くでは推進力が増大し、動作終了位置(隙間寸法gがゼロの位置)で最大となる。
【0038】
したがって、ストッパ63によるプランジャ60aの位置、および、ソレノイドスペーサ62の厚さの変更による開路用電磁ソレノイド60の位置を変更することで、プランジャ60aと引き外しレバー44との係合時の推進力を変えることができる。これにより、開路トリガ機構201の拘束を解除するタイミングを変更することができる。ここで、ソレノイドスペーサ62の厚さの変更は、異なる厚さのソレノイドスペーサ62の交換、またはソレノイドスペーサ62の追加・削減で実現可能である。
【0039】
また、閉路操作部302も開路操作部202と同様の構造なので、ストッパ63による閉路用電磁ソレノイド61の、プランジャ61aの位置、および、ソレノイドスペーサ62の厚さの変更による閉路用電磁ソレノイド61の位置を変更することで、プランジャ61aと閉路用係止レバー50との係合時の推進力を変えることができる。これにより、閉路トリガ機構301の拘束を解除するタイミングを変更することができる。
【0040】
閉路用電磁ソレノイド61の構造は、図5に示す開路用電磁ソレノイド60の構造と同様であるから、詳細な図示および説明は省略する。
【0041】
図3に示す開路状態では、閉路リンク13の中心軸(ピン8aとピン12aの中心を結んだ軸)よりも閉路シャフト10の中心10aが左側に位置している。そのため、閉路レバー12には、閉路ばね7により反時計方向回転トルクが与えられている。しかし、ツメ12bと半円柱部50aの係合により、閉路レバー12の回転が保持されて止められている。
【0042】
図4に示す閉路状態では、メインレバー11は、開路ばね2が伸びようとするばね力によって常に時計方向回転するトルクを受けている。メインレバー11に伝えられた力は、主副連結リンク6を介してサブレバー31に伝えられる。その力はサブレバー31を常に反時計方向回転させるトルクとなり、同時にラッチレバー32も反時計方向回転させようとする。ただし、閉路状態ではラッチ41の先端41aとローラピン32aが係合しているためにラッチレバー32の反時計方向回転は規制され、それに続くサブレバー31から開路ばね2に至るまでの部材は静止保持された状態となる。
【0043】
ここに示す実施形態では、閉路シャフト10、サブシャフト30などの回転軸や各ピンの軸は互いに平行である。
【0044】
(開路動作)
このように構成された本実施の形態において、図1および図4に示す閉路状態から図8および図9に示す状態を経て図3に示す開路状態に至る開路動作について説明する。
【0045】
まず、図1および図4に示す閉路状態において、外部から開路指令が入力されると開路操作部202の開路用電磁ソレノイド60が励磁され、プランジャ60aが矢印Aの方向に動作する。
【0046】
引き外しレバー44はプランジャ60aと係合しているため反時計方向回転する。それに連動して引き外しリンク43がラッチピン41bと係合しつつ右方向に移動し、ラッチ41を反時計方向回転させる。この動作によりラッチ41の先端41aとローラピン32aの係合が外れる。この状態を示したのが図8である。
【0047】
ラッチレバー32は開路ばね2により反時計方向の回転力が与えられているため、ラッチ41を押しのけながら反時計方向回転する。その際、引き外しリンク43は長穴43aと引き外しレバーピン44aが係合しながら移動するため、引き外しレバー44とは独立して動作する。この状態を示したのが図9である。
【0048】
図3は開路動作終了状態を示している。引き外しリンク43と引き外しレバー44は引き外しレバー復帰ばね45(図1)により閉路状態(図1図4)とほぼ同じ位置まで復帰している。ラッチ41もラッチ復帰ばね42(図1)により閉路状態(図1図4)とほぼ同じ位置まで復帰している。
【0049】
図4においてラッチ41とローラピン32aの係合が外れると、ラッチレバー32とサブシャフト30に固着されたカムレバー33およびサブレバー31が反時計方向(矢印B、C方向)に回転する。そして、メインレバー11が時計方向回転(矢印D方向)に回転し開路ばね2とダンパー4は矢印E方向に動作する。リンク機構1とそれに連結された可動接点100が右方向に移動し、開路動作が開始する。
【0050】
開路ばね2がある一定距離変位すると、ピストン4aはフレーム20に固定されたストッパ20bに当接し、ダンパー4の制動力が発生し開路ばね2の動作を停止させ、それに連結されたリンクレバー類の動作も停止し開路動作が完了する。その状態を示したのが図3である。
【0051】
(閉路動作)
次に、図2および図3に示す開路状態で閉路ばね7が蓄勢完了した状態から図1および図4に示す閉路状態に至る閉路動作について説明する。
【0052】
図2および図3において、外部指令が入力されると閉路操作部302の閉路用電磁ソレノイド61が励磁され、プランジャ61aが矢印F方向に動作し、閉路用係止レバー50はプランジャ61aと係合しているため反時計方向回転する。すると半円柱部50aとツメ12bの係合が外れ、閉路レバー12と閉路シャフト10は閉路ばね7のばね力により反時計方向回転し(矢印G方向)、閉路ばね7は矢印H方向に伸びて放勢される。閉路シャフト10に固着されている閉路カム14は矢印Iの方向に回転し、ローラ33aと係合する。ローラ33aが閉路カム14により押し込まれると、カムレバー33は時計方向回転し(矢印J方向)、同時にサブレバー31は矢印Kの方向に回転する。
【0053】
サブレバー31の回転はメインレバー11に伝えられ、メインレバー11が反時計方向(矢印L方向)に回転する。すると、リンク機構1とそれに連結された可動接点100が左方向に移動し、閉路動作を行なう。メインレバー11の回転に伴い開路ばね2は圧縮されて蓄勢され、ローラピン32aはラッチ41と再び係合し、閉路動作が完了する。図1および図4に閉路動作が完了した状態を示す。
【0054】
本実施の形態によれば、簡便な調整方法で開路時間および閉路時間の変更が可能であるので、2サイクル遮断、3サイクル遮断、および5サイクル遮断などの異なる遮断性能への変更が容易であり、また、3相の閉路時間がずれた場合でも、閉路時間を合わせることも容易となる。
【0055】
[第2の実施形態]
図10は本発明の第2の実施形態の開閉装置操作機構の開路操作部202を示す縦断面図である。ただし、第1の実施形態と同じまたは類似の部分には共通の符号を付すことにより重複説明は省略する。
【0056】
この実施形態では、図5に示すストッパ63を以下のように構成している。
【0057】
開路用電磁ソレノイド60のソレノイド筐体60hの端部に筐体貫通穴が形成され、この筐体貫通穴に筐体雌ねじが形成されている。この筐体雌ねじに、ストッパガイド65の外周に形成されたガイド雄ねじが螺合して挿入されている。ストッパガイド65にはガイド貫通穴が設けられ、このガイド貫通穴内にストッパピン66が摺動可能に設けられている。ストッパピン66のソレノイド筐体60h内に突出部66aが形成され、この突出部66aがストッパガイド65に係合している。ストッパガイド65の外周に形成されたガイド雄ねじ部とナット67とが螺合することにより、ストッパピン66の位置が固定される。
【0058】
このように構成された本実施形態では、ストッパピン66を押すという簡単な手動操作で開路トリガ機構201、および、閉路トリガ機構301の拘束を解除することができ、さらに、新たに手動操作部を設ける必要がないので、省スペース化が図られる。
【0059】
また、閉路操作部302も開路操作部202と同様の構造を持つことできるため、同様の効果を得ることができる。
【0060】
[第3の実施形態]
図11は本発明の第3の実施形態の開閉装置操作機構の開路用電磁ソレノイドのベースとプランジャを取り出して示す分解拡大縦断面図である。また、図12は、電磁ソレノイドの異なる段差寸法における隙間寸法と推進力の関係を示すグラフである。ただし、第1の実施形態と同じまたは類似の部分には共通の符号を付すことにより重複説明は省略する。
【0061】
図12に示すように、段差寸法により推進力の特性は変化する。そこで、本実施形態では、図11に示すように、第1の実施形態のプランジャ60aとベース60eの組とは別に、異なる段差寸法d’を有するプランジャ60a’とベース60e’の組を用意して、これらの組を交換できるようにする。これにより、異なる推進力の特性を得ることができる。したがって、開路トリガ機構201の拘束を解除するタイミングを変更でき、開路時間の変更が容易に可能となる。
【0062】
また、閉路用電磁ソレノイドも同様の構造を持つことができるので、閉路トリガ機構301の拘束を解除するタイミングを変更でき、閉路時間の変更が容易に可能となる。
【0063】
[第4の実施形態]
図13は、本発明の第4の実施形態の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構と閉路操作部の閉路ばね蓄勢状態を示す正面図である。図14は、図13のツメと半円柱部とを拡大して示す拡大正面図である。図15は、図13の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構の閉路用係止レバー停止ピンを若干回転させたときの閉路トリガ機構と閉路操作部の閉路ばね蓄勢状態を示す正面図である。図16は、図15のツメと半円柱部とを拡大して示す拡大正面図である。図17は、図13および図15の閉路用係止レバー停止ピンを取り出して示す斜視図である。図18は、図13図15および図17に示す閉路用係止レバー停止ピンをフレームに取り付けた状態を示す縦断面図である。
【0064】
ただし、第1の実施形態と同じまたは類似の部分には共通の符号を付すことにより重複説明は省略する。
【0065】
本実施形態では、図2に示す閉路用係止レバー停止ピン23の代わりに偏心ピン24が設けられている。そして、図17に示すように、偏心ピン24は、閉路用係止レバー50と係合する係合側軸24aの中心24bに対して、フレーム20に固定するための雄ねじが形成されている固定側軸24cの中心24dがシフトしている。また、図18に示すように、偏心ピン24の固定側軸24cはフレーム20の貫通穴に挿入され、回転自由に配設され、その回転は任意の角度でナット25により固定される。
【0066】
このように構成された本実施形態において、偏心ピン24の固定側軸24cを回転することで、係合側軸24aは偏心して回転し、閉路用係止レバー50も回転するため、閉路用係止レバー50の半円柱部50aと閉路レバー12のツメ12bの係合範囲が変化する。
【0067】
したがって、偏心ピン24を任意の角度でナット25により固定するといった簡便な調整方法で、閉路トリガ機構301の拘束を解除するタイミングを変更でき、閉路時間の変更が可能となる。
【0068】
図13および図15は、異なる偏心ピン24の角度における閉路トリガ機構301と閉路操作部302を示しており、また、図14および図16は、図13および図15のツメ12bと半円柱部50aの係合部の詳細図を示している。この例では、図14の係合範囲52aより図16の係合範囲52bのほうが大きいので、図15の方がツメ12bと半円柱部50aの係合が外れるまでの時間は長く、閉路時間は長くなる。
【0069】
また、開路トリガ機構201においても、同様に、引き外しレバー44と係合する引き外しレバー停止ピン22を偏心形状とすることで、同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、引き外しレバー停止ピン22または閉路用係止レバー停止ピン23の直径を変更することでも、同様の効果を得ることができる。
【0071】
[他の実施形態]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0072】
たとえば、上記各実施形態では、開路ばね2および閉路ばね7に圧縮コイルばねを用いているが、他の弾性体要素、たとえばネジリコイルばね、皿ばね、渦巻きばね、板ばね、空気ばねや引っ張りばねを用いることもできる。また、ラッチ41や引き外しレバー44や閉路用係止レバー50や開路用電磁ソレノイド60に設けたラッチ復帰ばね42や引き外しレバー復帰ばね45や閉路用係止レバー復帰ばね51、プランジャ復帰ばね60cにコイルばねやネジリコイルばねを用いているが、他の弾性体要素、たとえば皿ばね、渦巻きばね、板ばねを用いることもできる。
【0073】
さらに、複数の開路ばねや複数の閉路ばねを持つ操作装置にも適用できる。
【0074】
また、係止レバー40はフレーム20に固定されているものであるから、係止レバー40を無くして、ピン40bなどをフレーム20に直接固定するようにしてもよい。また、ピン40bは、係止レバー40またはフレーム20と一体のものでもよい。
【0075】
また、開路操作部202と閉路操作部302のソレノイドスペーサ62に同一符号を用いているが、必要な動作時間により、それぞれ異なる厚さを用いることもできる。
【0076】
また、プランジャ60a、および、プランジャ61aの質量を変更することにより、開路トリガ機構201、および、閉路トリガ機構301の拘束を解除するタイミングを変更でき、開路時間および閉路時間の変更が可能となる。
【符号の説明】
【0077】
1…リンク機構、2…開路ばね、3…開路ばね受け、4…ダンパー、4a…ピストン、5…開路ばねリンク、6…主副連結リンク、7…閉路ばね、8…閉路ばね受け、8a…ピン、10…閉路シャフト、10a…中心、11…メインレバー、11a…ピン、11b…ピン、12…閉路レバー、12a…ピン、12b…ツメ、13…閉路リンク、14…閉路カム、20…フレーム(支持構造体)、20a…取り付け面、20b…ストッパ、21…ピン、22…引き外しレバー停止ピン、23…閉路用係止レバー停止ピン、24…偏心ピン、24a…係合側軸、24b…中心、24c…固定側軸、24d…中心、25…ナット、30…サブシャフト、31…サブレバー、31a…ピン、32…ラッチレバー、32a…ローラピン、33…カムレバー、33a…ローラ、40…係止レバー、40a…支持部、40b…ピン、40c…ラッチ軸ピン、41…ラッチ、41a…先端、41b…ラッチピン、42…ラッチ復帰ばね、43…引き外しリンク、43a…長穴、44…引き外しレバー、44a…引き外しレバーピン、45…引き外しレバー復帰ばね、50…閉路用係止レバー、50a…半円柱部、51…閉路用係止レバー復帰ばね、52a…係合範囲、52b…係合範囲、60…開路用電磁ソレノイド、60a…プランジャ、60b…端面、60c…プランジャ復帰ばね、60d…動作終了位置、60e…ベース、60f…プランジャ本体、60g…段差部、60h…ソレノイド筐体、60i…筐体本体、60j…コイル、60k…くぼみ、61…閉路用電磁ソレノイド、61a…プランジャ、62…ソレノイドスペーサ、63…ストッパ、64…ナット、65…ストッパガイド、66…ストッパピン、66a…突出部、67…ナット、100…可動接点、201…開路トリガ機構、202…開路操作部、301…閉路トリガ機構、302…閉路操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図12
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