(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プランジャは、複数種類の質量のものが用意されていて、これらのプランジャを交換可能に構成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の開閉装置操作機構。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る開閉装置の操作機構の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、
図1〜
図9を用いて本発明に係る開閉装置操作機構の第1の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態の開閉装置操作機構の開路トリガ機構201と開路操作部202の閉路状態を示す正面図である。
図2は、第1の実施形態の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構301と閉路操作部302の閉路ばね蓄勢完了状態を示す正面図である。
図3は、
図1および
図2の開閉装置操作機構の開路状態を示す展開正面図である。
図4は、
図1および
図2の開閉装置操作機構の閉路状態を示す展開正面図である。
図5は、
図1の開路操作部202のソレノイド非励磁状態を示す縦断面図である。
図6は、
図5の開路用電磁ソレノイドのベース60eとプランジャ60aを取り出して示す分解拡大縦断面図である。
【0015】
図7は、
図5および
図6の電磁ソレノイドの隙間寸法gと推進力の関係を示すグラフである。
図8は、
図1および
図2の開閉装置操作機構の開路トリガ機構と開路操作部の開路動作途中の状態を示す正面図である。
図9は、
図1および
図2の開閉装置操作機構の開路トリガ機構と開路操作部の開路動作途中の
図8の状態に続く状態を示す正面図である。
【0016】
図3および
図4において、リンク機構1の左方に可動接点100が連結されている。
図3のようにリンク機構1が右方向に移動したときに可動接点100が開となって開路状態となり、
図4のようにリンク機構1が左方向に移動したときに可動接点100が閉となって閉路状態となるように構成されている。リンク機構1の一端はメインレバー11の先端に回転自在に係合している。メインレバー11は、閉路シャフト10に回転自由に固定されている。閉路シャフト10はフレーム(支持構造体)20に固定された軸受(図示せず)で回転可能に支持されている。
【0017】
開路ばね2はフレーム20の取り付け面20aにその一端が固定されており、他端は開路ばね受け3に嵌着されている。開路ばね受け3にはダンパー4が固着されている。ダンパー4の内部には流体が封入されており、ピストン4aが並進摺動自在に配置されている。ダンパー4の一端は開路ばねリンク5に固着されている。開路ばねリンク5は、メインレバー11のピン11aに回転自由に取り付けられている。
【0018】
フレーム20にはサブシャフト30が回転自由に配置されており、サブシャフト30にサブレバー31が固着されている。サブレバー31の先端にはピン31aが配置されている。メインレバー11に配置されたピン11bとピン31aは主副連結リンク6で連結されている。サブシャフト30にはラッチレバー32が固着されており、その先端にはローラピン32aが回転自由に嵌着されている。さらに、サブシャフト30にはカムレバー33が固着されており、カムレバー33の先端にはローラ33aが回転自由に嵌着されている。
【0019】
閉路ばね7はフレーム20の取り付け面20aにその一端が固定されており、他端は閉路ばね受け8に嵌着されている。閉路ばね受け8にはピン8aが配置されており、ピン8aは、閉路シャフト10の端部に固着された閉路レバー12のピン12aと、閉路リンク13を介して連結されている。閉路カム14は、閉路シャフト10に固着されており、閉路シャフト10の回転に従いローラ33aと接離自在に係合する。
【0020】
図1に示すように、係止レバー40には突起状の支持部40aが形成され、フレーム20に固着されたピン21と係合しているので、係止レバー40はフレーム20に対して固定されている。
【0021】
開路トリガ機構201は、ラッチ41と、ラッチ復帰ばね42と、ピン40bと、引き外しリンク43と、引き外しレバー44と、引き外しレバー復帰ばね45と、引き外しレバー停止ピン22で構成されている。ラッチ41は、係止レバー40の端部に固定されたラッチ軸ピン40cの周りに回転自由に配置されている。係止レバー40とラッチ41間にはラッチ復帰ばね42が配置されている。ラッチ復帰ばね42の端部は、係止レバー40に固定されたピン40bと係合している。このラッチ復帰ばね42は、ラッチ41を常に時計方向回転させる力を発生させている。ラッチ41の先端41aは平面、または、凸円弧面(すなわち凸円筒面)で形成されており、円弧面の中心位置は、閉路状態におけるローラピン32aの中心とラッチ軸ピン40cの中心を結ぶ直線上にほぼ一致しているように形成される。
【0022】
また、
図1および
図4に示す閉路状態では、先端41aはローラピン32aと係合し、ローラピン32aが先端41aをラッチ41の回転軸中心の向きに押し、ラッチ41が反時計方向回転しようとするのを止められる構造となっている。
【0023】
図1に示すように、引き外しリンク43は、引き外しレバー44に配置された引き外しレバーピン44aとの係合部に長穴43aが形成されている。引き外しレバーピン44aは、長穴43aの範囲内で相互に移動および回転が可能である。ラッチ41に配置されたラッチピン41bは、引き外しリンク43の長穴43aと反対側の端部と回転自由に係合している。引き外しレバー44はフレーム20に対して回転自由に配置されており、引き外しレバー復帰ばね45により常に時計方向回転する力が与えられている。ただし、引き外しレバー44の時計方向の回転は、フレーム20に固着された引き外しレバー停止ピン22が引き外しレバー44に係合することにより規制されている。さらに、
図3に示す開路状態では、ラッチ41の時計方向回転は、引き外しリンク43を介して、引き外しレバー停止ピン22により規制されている。
【0024】
開路操作部202は、段差を持つ入れ子構造を有する開路用電磁ソレノイド60と、ソレノイドスペーサ62と、ストッパ63で構成されている。ソレノイドスペーサ62は、フレーム20と開路用電磁ソレノイド60の間に配設されており、ソレノイドスペーサ62の厚さを変更することで、開路用電磁ソレノイド60の位置を任意に決めることができる。
【0025】
開路用電磁ソレノイド60のソレノイド筐体60hの端部には雌ねじが形成された貫通穴が設けられ、この雌ねじと螺合する雄ねじが形成されたストッパ63が取り付けられている。ストッパ63の雄ねじと螺合するようにナット64が配置されており、ナット64を締め付けることによりストッパ63の位置を固定することができる。
【0026】
開路用電磁ソレノイド60のプランジャ60aの先端は引き外しレバー44に接離自在に係合している。開路指令が入力されると、開路用電磁ソレノイド60のプランジャ60aの先端が引き外しレバー44を押し、引き外しレバー44を反時計方向回転させる。
【0027】
図2に示すように、閉路トリガ機構301は、閉路用係止レバー50と、閉路用係止レバー復帰ばね51と、閉路用係止レバー停止ピン23と、閉路レバー12で構成されており、閉路レバー12の一端にはツメ12bが配置されている。フレーム20に回転自由に配置された閉路用係止レバー50に設けられた半円柱部50aと接離自在に係合している。
【0028】
また、閉路用係止レバー50の一端には閉路用係止レバー復帰ばね51が配置されており、閉路用係止レバー復帰ばね51の他端はフレーム20に固定されている。閉路用係止レバー復帰ばね51は圧縮ばねであり、閉路用係止レバー50を時計方向回転させるばね力が常に作用している。ただし、その回転はフレーム20に固着された閉路用係止レバー停止ピン23が係合することにより規制されている。
【0029】
閉路操作部302は、開路操作部202と同様に、段差を持つ入れ子構造を有する閉路用電磁ソレノイド61と、ソレノイドスペーサ62と、ストッパ63で構成されている。ソレノイドスペーサ62は、フレーム20と閉路用電磁ソレノイド61の間に配設されており、ソレノイドスペーサ62の厚さを変更することで、閉路用電磁ソレノイド61の位置を任意に決めることができる。また、閉路用電磁ソレノイド61はソレノイドスペーサ62に配設されている。閉路用電磁ソレノイド61の端部には非励磁状態の閉路用電磁ソレノイド61のプランジャ61aの位置を決めるためのストッパ63が設けられており、ストッパ63の位置は任意に決めることができる。
【0030】
図2ではストッパ63には雄ねじが設けられており、ナット64により位置が固定される。閉路用電磁ソレノイド61のプランジャ61aの先端は閉路用係止レバー50に接離自在に係合している。閉路指令が入力されると、閉路用電磁ソレノイド61のプランジャ61aの先端が閉路用係止レバー50を押し、閉路用係止レバー50を反時計方向回転させる。
【0031】
図5に示すように、開路操作部202の開路用電磁ソレノイド60の内部には、プランジャ60aを非励磁状態の位置へ付勢するように、プランジャ60aの端面60bを押すようにプランジャ復帰ばね60cが設けられている。
【0032】
また、開路用電磁ソレノイド60は段差を持つ入れ子構造を有している。
【0033】
すなわち、プランジャ60aは、円柱状のプランジャ本体60fと、プランジャ本体60fよりも直径が小さい円柱状の段差部60gとを有する。段差部60gはプランジャ本体60fのプランジャ60a先端側の端面に固定されている。プランジャ復帰ばね60cは段差部60gの端面と接してこれを押している。
【0034】
プランジャ60aおよびプランジャ復帰ばね60cはソレノイド筐体60hに支持されている。ソレノイド筐体60hは、ベース60eと筐体本体60iとに分離可能である。筐体本体60iのプランジャ60aと対向する位置でプランジャ60aの外周を取り囲むようにコイル60jが配置されている。コイル60jに通電することにより開路用電磁ソレノイド60は励磁される。
【0035】
筐体本体60iおよびベース60eのそれぞれが、ソレノイドスペーサ62を介して、フレーム20に取り付けられている。
【0036】
図6に示すように、ベース60eには、開路用電磁ソレノイド60が励磁されたときに段差部60gを収容するくぼみ60kが形成されている。段差部60gの軸方向長さが段差寸法であり、これはくぼみ60kの深さに等しい。
【0037】
プランジャ60aの段差部60gの端面60bと動作終了位置60dとの間の隙間寸法gと、開路用電磁ソレノイド60の推進力との関係は
図7に示すグラフのようになる。このように、開路用電磁ソレノイド60が励磁されると、プランジャ60aは、
図5の矢印Aの方向に吸引され、隙間寸法gが小さくなり、段差寸法dに近づくにつれて、推進力は大きくなる。さらに、隙間寸法gが小さくなり、段差寸法dより小さくなると推進力は下がり、動作終了位置近くでは推進力が増大し、動作終了位置(隙間寸法gがゼロの位置)で最大となる。
【0038】
したがって、ストッパ63によるプランジャ60aの位置、および、ソレノイドスペーサ62の厚さの変更による開路用電磁ソレノイド60の位置を変更することで、プランジャ60aと引き外しレバー44との係合時の推進力を変えることができる。これにより、開路トリガ機構201の拘束を解除するタイミングを変更することができる。ここで、ソレノイドスペーサ62の厚さの変更は、異なる厚さのソレノイドスペーサ62の交換、またはソレノイドスペーサ62の追加・削減で実現可能である。
【0039】
また、閉路操作部302も開路操作部202と同様の構造なので、ストッパ63による閉路用電磁ソレノイド61の、プランジャ61aの位置、および、ソレノイドスペーサ62の厚さの変更による閉路用電磁ソレノイド61の位置を変更することで、プランジャ61aと閉路用係止レバー50との係合時の推進力を変えることができる。これにより、閉路トリガ機構301の拘束を解除するタイミングを変更することができる。
【0040】
閉路用電磁ソレノイド61の構造は、
図5に示す開路用電磁ソレノイド60の構造と同様であるから、詳細な図示および説明は省略する。
【0041】
図3に示す開路状態では、閉路リンク13の中心軸(ピン8aとピン12aの中心を結んだ軸)よりも閉路シャフト10の中心10aが左側に位置している。そのため、閉路レバー12には、閉路ばね7により反時計方向回転トルクが与えられている。しかし、ツメ12bと半円柱部50aの係合により、閉路レバー12の回転が保持されて止められている。
【0042】
図4に示す閉路状態では、メインレバー11は、開路ばね2が伸びようとするばね力によって常に時計方向回転するトルクを受けている。メインレバー11に伝えられた力は、主副連結リンク6を介してサブレバー31に伝えられる。その力はサブレバー31を常に反時計方向回転させるトルクとなり、同時にラッチレバー32も反時計方向回転させようとする。ただし、閉路状態ではラッチ41の先端41aとローラピン32aが係合しているためにラッチレバー32の反時計方向回転は規制され、それに続くサブレバー31から開路ばね2に至るまでの部材は静止保持された状態となる。
【0043】
ここに示す実施形態では、閉路シャフト10、サブシャフト30などの回転軸や各ピンの軸は互いに平行である。
【0044】
(開路動作)
このように構成された本実施の形態において、
図1および
図4に示す閉路状態から
図8および
図9に示す状態を経て
図3に示す開路状態に至る開路動作について説明する。
【0045】
まず、
図1および
図4に示す閉路状態において、外部から開路指令が入力されると開路操作部202の開路用電磁ソレノイド60が励磁され、プランジャ60aが矢印Aの方向に動作する。
【0046】
引き外しレバー44はプランジャ60aと係合しているため反時計方向回転する。それに連動して引き外しリンク43がラッチピン41bと係合しつつ右方向に移動し、ラッチ41を反時計方向回転させる。この動作によりラッチ41の先端41aとローラピン32aの係合が外れる。この状態を示したのが
図8である。
【0047】
ラッチレバー32は開路ばね2により反時計方向の回転力が与えられているため、ラッチ41を押しのけながら反時計方向回転する。その際、引き外しリンク43は長穴43aと引き外しレバーピン44aが係合しながら移動するため、引き外しレバー44とは独立して動作する。この状態を示したのが
図9である。
【0048】
図3は開路動作終了状態を示している。引き外しリンク43と引き外しレバー44は引き外しレバー復帰ばね45(
図1)により閉路状態(
図1、
図4)とほぼ同じ位置まで復帰している。ラッチ41もラッチ復帰ばね42(
図1)により閉路状態(
図1、
図4)とほぼ同じ位置まで復帰している。
【0049】
図4においてラッチ41とローラピン32aの係合が外れると、ラッチレバー32とサブシャフト30に固着されたカムレバー33およびサブレバー31が反時計方向(矢印B、C方向)に回転する。そして、メインレバー11が時計方向回転(矢印D方向)に回転し開路ばね2とダンパー4は矢印E方向に動作する。リンク機構1とそれに連結された可動接点100が右方向に移動し、開路動作が開始する。
【0050】
開路ばね2がある一定距離変位すると、ピストン4aはフレーム20に固定されたストッパ20bに当接し、ダンパー4の制動力が発生し開路ばね2の動作を停止させ、それに連結されたリンクレバー類の動作も停止し開路動作が完了する。その状態を示したのが
図3である。
【0051】
(閉路動作)
次に、
図2および
図3に示す開路状態で閉路ばね7が蓄勢完了した状態から
図1および
図4に示す閉路状態に至る閉路動作について説明する。
【0052】
図2および
図3において、外部指令が入力されると閉路操作部302の閉路用電磁ソレノイド61が励磁され、プランジャ61aが矢印F方向に動作し、閉路用係止レバー50はプランジャ61aと係合しているため反時計方向回転する。すると半円柱部50aとツメ12bの係合が外れ、閉路レバー12と閉路シャフト10は閉路ばね7のばね力により反時計方向回転し(矢印G方向)、閉路ばね7は矢印H方向に伸びて放勢される。閉路シャフト10に固着されている閉路カム14は矢印Iの方向に回転し、ローラ33aと係合する。ローラ33aが閉路カム14により押し込まれると、カムレバー33は時計方向回転し(矢印J方向)、同時にサブレバー31は矢印Kの方向に回転する。
【0053】
サブレバー31の回転はメインレバー11に伝えられ、メインレバー11が反時計方向(矢印L方向)に回転する。すると、リンク機構1とそれに連結された可動接点100が左方向に移動し、閉路動作を行なう。メインレバー11の回転に伴い開路ばね2は圧縮されて蓄勢され、ローラピン32aはラッチ41と再び係合し、閉路動作が完了する。
図1および
図4に閉路動作が完了した状態を示す。
【0054】
本実施の形態によれば、簡便な調整方法で開路時間および閉路時間の変更が可能であるので、2サイクル遮断、3サイクル遮断、および5サイクル遮断などの異なる遮断性能への変更が容易であり、また、3相の閉路時間がずれた場合でも、閉路時間を合わせることも容易となる。
【0055】
[第2の実施形態]
図10は本発明の第2の実施形態の開閉装置操作機構の開路操作部202を示す縦断面図である。ただし、第1の実施形態と同じまたは類似の部分には共通の符号を付すことにより重複説明は省略する。
【0056】
この実施形態では、
図5に示すストッパ63を以下のように構成している。
【0057】
開路用電磁ソレノイド60のソレノイド筐体60hの端部に筐体貫通穴が形成され、この筐体貫通穴に筐体雌ねじが形成されている。この筐体雌ねじに、ストッパガイド65の外周に形成されたガイド雄ねじが螺合して挿入されている。ストッパガイド65にはガイド貫通穴が設けられ、このガイド貫通穴内にストッパピン66が摺動可能に設けられている。ストッパピン66のソレノイド筐体60h内に突出部66aが形成され、この突出部66aがストッパガイド65に係合している。ストッパガイド65の外周に形成されたガイド雄ねじ部とナット67とが螺合することにより、ストッパピン66の位置が固定される。
【0058】
このように構成された本実施形態では、ストッパピン66を押すという簡単な手動操作で開路トリガ機構201、および、閉路トリガ機構301の拘束を解除することができ、さらに、新たに手動操作部を設ける必要がないので、省スペース化が図られる。
【0059】
また、閉路操作部302も開路操作部202と同様の構造を持つことできるため、同様の効果を得ることができる。
【0060】
[第3の実施形態]
図11は本発明の第3の実施形態の開閉装置操作機構の開路用電磁ソレノイドのベースとプランジャを取り出して示す分解拡大縦断面図である。また、
図12は、電磁ソレノイドの異なる段差寸法における隙間寸法と推進力の関係を示すグラフである。ただし、第1の実施形態と同じまたは類似の部分には共通の符号を付すことにより重複説明は省略する。
【0061】
図12に示すように、段差寸法により推進力の特性は変化する。そこで、本実施形態では、
図11に示すように、第1の実施形態のプランジャ60aとベース60eの組とは別に、異なる段差寸法d’を有するプランジャ60a’とベース60e’の組を用意して、これらの組を交換できるようにする。これにより、異なる推進力の特性を得ることができる。したがって、開路トリガ機構201の拘束を解除するタイミングを変更でき、開路時間の変更が容易に可能となる。
【0062】
また、閉路用電磁ソレノイドも同様の構造を持つことができるので、閉路トリガ機構301の拘束を解除するタイミングを変更でき、閉路時間の変更が容易に可能となる。
【0063】
[第4の実施形態]
図13は、本発明の第4の実施形態の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構と閉路操作部の閉路ばね蓄勢状態を示す正面図である。
図14は、
図13のツメと半円柱部とを拡大して示す拡大正面図である。
図15は、
図13の開閉装置操作機構の閉路トリガ機構の閉路用係止レバー停止ピンを若干回転させたときの閉路トリガ機構と閉路操作部の閉路ばね蓄勢状態を示す正面図である。
図16は、
図15のツメと半円柱部とを拡大して示す拡大正面図である。
図17は、
図13および
図15の閉路用係止レバー停止ピンを取り出して示す斜視図である。
図18は、
図13、
図15および
図17に示す閉路用係止レバー停止ピンをフレームに取り付けた状態を示す縦断面図である。
【0064】
ただし、第1の実施形態と同じまたは類似の部分には共通の符号を付すことにより重複説明は省略する。
【0065】
本実施形態では、
図2に示す閉路用係止レバー停止ピン23の代わりに偏心ピン24が設けられている。そして、
図17に示すように、偏心ピン24は、閉路用係止レバー50と係合する係合側軸24aの中心24bに対して、フレーム20に固定するための雄ねじが形成されている固定側軸24cの中心24dがシフトしている。また、
図18に示すように、偏心ピン24の固定側軸24cはフレーム20の貫通穴に挿入され、回転自由に配設され、その回転は任意の角度でナット25により固定される。
【0066】
このように構成された本実施形態において、偏心ピン24の固定側軸24cを回転することで、係合側軸24aは偏心して回転し、閉路用係止レバー50も回転するため、閉路用係止レバー50の半円柱部50aと閉路レバー12のツメ12bの係合範囲が変化する。
【0067】
したがって、偏心ピン24を任意の角度でナット25により固定するといった簡便な調整方法で、閉路トリガ機構301の拘束を解除するタイミングを変更でき、閉路時間の変更が可能となる。
【0068】
図13および
図15は、異なる偏心ピン24の角度における閉路トリガ機構301と閉路操作部302を示しており、また、
図14および
図16は、
図13および
図15のツメ12bと半円柱部50aの係合部の詳細図を示している。この例では、
図14の係合範囲52aより
図16の係合範囲52bのほうが大きいので、
図15の方がツメ12bと半円柱部50aの係合が外れるまでの時間は長く、閉路時間は長くなる。
【0069】
また、開路トリガ機構201においても、同様に、引き外しレバー44と係合する引き外しレバー停止ピン22を偏心形状とすることで、同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、引き外しレバー停止ピン22または閉路用係止レバー停止ピン23の直径を変更することでも、同様の効果を得ることができる。
【0071】
[他の実施形態]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0072】
たとえば、上記各実施形態では、開路ばね2および閉路ばね7に圧縮コイルばねを用いているが、他の弾性体要素、たとえばネジリコイルばね、皿ばね、渦巻きばね、板ばね、空気ばねや引っ張りばねを用いることもできる。また、ラッチ41や引き外しレバー44や閉路用係止レバー50や開路用電磁ソレノイド60に設けたラッチ復帰ばね42や引き外しレバー復帰ばね45や閉路用係止レバー復帰ばね51、プランジャ復帰ばね60cにコイルばねやネジリコイルばねを用いているが、他の弾性体要素、たとえば皿ばね、渦巻きばね、板ばねを用いることもできる。
【0073】
さらに、複数の開路ばねや複数の閉路ばねを持つ操作装置にも適用できる。
【0074】
また、係止レバー40はフレーム20に固定されているものであるから、係止レバー40を無くして、ピン40bなどをフレーム20に直接固定するようにしてもよい。また、ピン40bは、係止レバー40またはフレーム20と一体のものでもよい。
【0075】
また、開路操作部202と閉路操作部302のソレノイドスペーサ62に同一符号を用いているが、必要な動作時間により、それぞれ異なる厚さを用いることもできる。
【0076】
また、プランジャ60a、および、プランジャ61aの質量を変更することにより、開路トリガ機構201、および、閉路トリガ機構301の拘束を解除するタイミングを変更でき、開路時間および閉路時間の変更が可能となる。