(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976473
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】多層帯状体の製造装置
(51)【国際特許分類】
B29C 47/06 20060101AFI20160809BHJP
B29C 47/12 20060101ALI20160809BHJP
B29L 7/00 20060101ALN20160809BHJP
B29L 9/00 20060101ALN20160809BHJP
【FI】
B29C47/06
B29C47/12
B29L7:00
B29L9:00
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-203415(P2012-203415)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-58069(P2014-58069A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2014年12月9日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】303050355
【氏名又は名称】住友重機械モダン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】小山内 浩之
(72)【発明者】
【氏名】中野 勝之
【審査官】
深草 祐一
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−214928(JP,A)
【文献】
特開昭55−091644(JP,A)
【文献】
特開平06−091719(JP,A)
【文献】
特開平01−105721(JP,A)
【文献】
特開昭61−283521(JP,A)
【文献】
特開2010−269531(JP,A)
【文献】
特開2005−279986(JP,A)
【文献】
米国特許第04657497(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 47/00−47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の押出機によって溶融状態で押し出された複数種の溶融素材を積層方向に合流し
て積層体を形成し、該積層体を延伸成形することによって多層帯状体を製造する多層帯状
体の製造装置において、
前記溶融素材を合流して前記積層体を形成する合流部を備え、
該合流部に、前記複数種の溶融素材のうちの一部の素材を分岐させて前記積層体の幅方
向の端部に導くサイド流路を形成し、
前記合流部が、凹部を有する台座ブロックと、該凹部に対応した形状とされると共に前
記台座ブロックに着脱自在に組み付けられるアタッチメントブロックと、で構成され、
前記台座ブロックと前記アタッチメントブロックとで前記溶融素材の流路が形成される
ことを特徴とする多層帯状体の製造装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記積層体の幅方向の中央部の層数をN、端部の層数をnとしたとき、Nが2以上の整
数であって、かつ、n≦N−1が成立している
ことを特徴とする多層帯状体の製造装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記サイド流路を介して前記積層体の幅方向の端部に導かれる溶融素材が、前記複数種
の溶融素材のうちの1種のみで構成されている
ことを特徴とする多層帯状体の製造装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記サイド流路を介して前記積層体の幅方向の端部に導かれる溶融素材が、前記複数種
の溶融素材のうち、当該積層体の最も表面側または最も裏面側に積層される溶融素材を含
む
ことを特徴とする多層帯状体の製造装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記サイド流路を介して前記積層体の幅方向の端部に導かれる溶融素材が、前記複数種
の溶融素材のうち、当該積層体の最も表面側および最も裏面側に積層される溶融素材以外
の溶融素材を含む
ことを特徴とする多層帯状体の製造装置。
【請求項6】
請求項1、2、4のいずれかにおいて、
前記サイド流路を介して前記積層体の幅方向の端部に導かれる溶融素材が、前記複数種
の溶融素材のうち、当該積層体の最も表面側および最も裏面側に積層される2種で構成さ
れる
ことを特徴とする多層帯状体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層帯状体の製造装
置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ラミネータライン、キャストフィルムライン、シート成形ラインのように、複数種のフィルム状(あるいはシート状)の溶融素材を合流させ、押出ダイから延伸しながら押し出して、多層の帯状体(製造対象物)を製造する多層帯状体の製造装置が、多くの分野で活用されている。
【0003】
押出ダイから押し出された多層帯状体の幅は、一般に、押出幅よりも狭くなり、かつ多層帯状体の幅方向両端部の膜厚が中央部の膜厚に比べて厚くなる。この現象は、いわゆるネックイン現象と呼ばれ、多層帯状体の幅方向両端部の成形が不安定となって、膜揺れや膜幅変動の要因となり、ときに、多層帯状体の破断の要因ともなることもある。
【0004】
そこで、特許文献1においては、樹脂膜の幅方向の両端部を成形する樹脂として、幅方向中央部の樹脂よりも、「伸長粘度」の大きい樹脂や、「MFR」の小さい樹脂を使用する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−240126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このように幅方向中央部に対して端部に物性の異なる素材を接合するというのは、中央部の溶融樹脂を生成する本来の押出機のほかに、両端部の溶融樹脂を生成する押出機の設備を「別途用意する」必要があることを意味し、コストの上昇が大きいという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の実情や問題に鑑みてなされたものであって、幅方向端部の膜離れの問題の生じにくい多層帯状体の製造装置を、低コストで得ることをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数台の押出機によって溶融状態で押し出された複数種の溶融素材を積層方
向に合流して積層体を形成し、該積層体を延伸成形することによって多層帯状体を製造す
る多層帯状体の製造装置において、前記溶融素材を合流して前記積層体を形成する合流部
を備え、該合流部に、前記複数種の溶融素材のうちの一部の素材を分岐させて前記積層体
の幅方向の端部に導くサイド流路を形成し、前記合流部が、凹部を有する台座ブロックと
、該凹部に対応した形状とされると共に前記台座ブロックに着脱自在に組み付けられるア
タッチメントブロックと、で構成され
、前記台座ブロックと前記アタッチメントブロック
とで前記溶融素材の流路が形成されることにより、上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、幅方向端部の膜離れの問題の生じにくい多層帯状体の製造装置
を低コストで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の多層帯状体の製造装置の実施形態の一例における積層体形成アッセンブリの(一部に部分拡大斜視図を含む)分解斜視図
【
図2】
図1の積層体形成アッセンブリを組み立てた斜視図
【
図3】
図1の製造装置における樹脂の合流状態を示す斜視図
【
図4】上記製造装置において製造される多層帯状体の幅方向断面(
図3矢視IV方向から見た断面)のバリエーションを模式的に示した断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態の一例に係る多層帯状体(この実施形態では、ラミネートフィルム)の製造装置12に於ける積層体形成アッセンブリ14の(一部に部分拡大斜視図を含む)分解斜視図、
図2は、該積層体形成アッセンブリ14を組み立てた状態の斜視図である。
【0014】
積層体形成アッセンブリ14は、図示せぬ3台の押出機によって溶融状態で押し出された3種(複数種)の溶融樹脂(溶融素材)A、B、Cを積層方向に合流し、所定の厚みの積層体40(
図3参照:後述)を形成する。積層体40は、その後、押出ダイアタッチメント18およびローラ(図示略)によって所定の厚みに延伸成形されることによって、製造対象物である多層帯状体(図示略)とされる。なお、この実施形態における溶融樹脂A、B、Cのうち、もっとも成形性のよい素材は、溶融樹脂Aである。
【0015】
この実施形態に係る積層体形成アッセンブリ14は、流入ユニット22、積層順制御ユニット24、合流ユニット26、および流出ユニット28から主に構成されている。
【0016】
流入ユニット22は、押出機から押し出されてきた3種の溶融樹脂A、B、Cをそれぞれ受け入れる3個の流入口22A〜22Cを備える。
【0017】
積層順制御ユニット24は、流入ユニット22に流入されてきた3種の溶融樹脂A、B、Cが所定の並びとなるように該溶融樹脂A、B、Cの流路が形成されている。この実施形態では、積層順制御ユニット24は、台座ブロック24Aと、該台座ブロック24Aに対して着脱自在な積層順変換ブロック24Bとで構成されている。これにより、積層順変換ブロック24Bのみの変更により、積層順を任意に変更することができる。
【0018】
合流ユニット26は、本実施形態に係る多層帯状体の製造装置12の「合流部J」を構成するもので、台座ブロック26Aと、該台座ブロック26Aに着脱自在に組み付けられるアタッチメントブロック26Bと、で構成されている。合流ユニット26は、溶融素材A、B、Cを合流して厚みのある積層体40を形成する。合流ユニット26によって構成される「合流部J」の構成については、後に詳述する。
【0019】
流出ユニット28は、合流ユニット26から流出されてきた積層体40を押出ダイアタッチメント18側に送る排出路28Aを備える。
【0020】
前記押出ダイアタッチメント18は、積層体形成アッセンブリ14の下部に設けられており、厚みのある積層体40を薄くて幅広の多層帯状体に延伸するものである。なお、押出ダイアタッチメント18の後段には、図示せぬ押出ダイ、および複数のローラを用いた公知の冷却ライン(図示略)が付設されている。
【0021】
ここで、合流部Jを構成する合流ユニット26について、より具体的に説明する。
【0022】
前述したように、この実施形態では、合流ユニット26は、溶融樹脂A、B、Cを合流して厚みのある積層体40を形成するもので、台座ブロック26Aと、アタッチメントブロック26Bとで構成されている。
【0023】
合流ユニット26の台座ブロック26Aは、アタッチメントブロック26Bが組み込まれるV字状の凹部26A1を備える。アタッチメントブロック26Bは、全体が該凹部26A1に対応した形状とされ、台座ブロック26Aに着脱自在に組み付けられるようになっている。
【0024】
このアタッチメントブロック26Bは、台座ブロック26Aの凹部26A1と一体化されることによって積層順制御ユニット24から送られてくる溶融樹脂A、B、Cをプレート状に整形しながら合流させる機能を備える。アタッチメント形式とされているため、多様な積層態様に該アタッチメントブロック26Bを取り換えるだけで対応することができる。
【0025】
なお、本実施形態においては、合流ユニット26は、その台座ブロック26Aの凹部26A1の形状がV字状とされると共に、アタッチメントブロック26Bの形状が該V字に対応した逆三角形状とされている。しかし、合流ユニットは、要は、溶融樹脂の合流機能を果たすものであればよく、例えば、その台座ブロックの凹部の形状はU字状とされていてもよく、具体的な形状等は本実施形態の形状に限定されない。
【0026】
台座ブロック26Aの凹部26A1の下側には、接合部26A2が連続して形成されている。この接合部26A2にて、合流された溶融樹脂A、B、Cが接合されて積層体40が形成される。この実施形態の積層体40は、3層である(製品対象物である多層帯状体も同じ)。
【0027】
アタッチメントブロック26Bは、
図1の円内の要部拡大図と
図3に示されるように、3種の溶融樹脂A、B、Cの流路50、52、54のうち、積層体40の最も表面側に積層される溶融樹脂Aの流路50に堰部26B1を備えている。この堰部26B1は、溶融樹脂Aの流路50を分岐させて積層体40の幅方向の端部に導くためのサイド流路50Aを形成している。すなわち、このサイド流路50Aは、積層体40の最も表面側の溶融樹脂Aの流路50の一部が分岐して溶融樹脂BおよびCの端部にまで回り込むことにより、積層体40全体の端部が1種の溶融樹脂Aのみによって構成されるように機能している。
【0028】
次に、この多層帯状体の製造装置12の作用を説明する。
【0029】
この実施形態に係る多層帯状体は、3層のラミネートフィルムであるため、先ず、該多層帯状体を構成することになる溶融樹脂A、B、Cが、図示せぬ3台の押出機によって溶融・生成される。
【0030】
3種の溶融樹脂A、B、Cは、流入ユニット22の3個の流入口22A〜22Cから積層体形成アッセンブリ14内に流入される。積層体形成アッセンブリ14内に流入された溶融樹脂A、B、Cは、積層順制御ユニット24によって形成しようとする多層帯状体の積層順に並べられる。この例では、製造対象物である多層帯状体に要求される特性から、溶融樹脂Aが、最も表面側に、溶融樹脂Cが最も裏面側に、溶融樹脂Bが積層方向中央に流入される。
【0031】
所定の積層順に並べられた3種の溶融樹脂A、B、Cは、合流部Jを構成する合流ユニット26に入り、ここで、プレート状に整形された上で合流される(
図3参照)。この合流の段階で、3種の溶融樹脂A、B、Cのうち、最も表面側に積層される溶融樹脂Aの流路50一部が、合流ユニット26内に形成されたサイド流路50Aに分岐され、溶融樹脂B、Cの端部、すなわち積層体40の幅方向の端部に導かれる。
【0032】
この結果、
図4の(A)に模式的に示されるように、積層体40の幅方向端部は、該積層体40の最も表面側に積層される溶融樹脂Aのみによって構成されることになる。このようにして形成された積層体40は、台座ブロック26Aの接合部26A2を経て流出ユニット28に流れていく。
【0033】
流出ユニット28の下流側には、押出ダイアタッチメント18が設けられており、積層体40は、ここで薄く延伸成形される。このとき、不可避的にネックイン現象が発生するが、この実施形態では積層体40の幅方向端部に成形性のよい溶融樹脂Aが配置されているため、当該ネックイン現象の発生を極小に抑えることができ、良好な延伸特性を得ることができる。
【0034】
また、この実施形態においては、積層体40の幅方向端部に、3種の溶融樹脂A、B、Cのうちの(最も正面側の)溶融樹脂Aがそのまま延在されている。そのため、3種の溶融樹脂A、B、Cのいずれとも物性の異なる別の樹脂を端部に用いる場合と比べて、幅方向中央部の溶融樹脂A、B、Cと端部(耳部)の溶融樹脂Aとの膜離れは生じにくい。
【0035】
しかも、当該端部の素材として、別途の素材を用意するのではなく、帯状体自体を構成する本来の素材を用いるようにしているため、端部用の溶融樹脂を生成するための押出機を別途用意する必要がなく、製造装置の低コスト化を図ることができる。
【0036】
なお、上記実施形態においては、多層帯状体が3層であり、かつ積層体40の最も表面側に位置する溶融樹脂Aを、多層帯状体の幅方向端部を構成することになる素材として採用していたが、本発明においては、積層体のどの位置にある溶融素材を端部の素材として採用するかについては、特にこの構成に限定されない。
【0037】
幅方向端部を構成する素材の選定指針は、いくつかある。
【0038】
第1の選定指針は、延伸性(成形性)の考慮である。
【0039】
多層帯状体を構成する複数種の溶融素材のうち、延伸性の良好な素材を、端部に配置する素材として選択するのが好ましい。この選択は、特に、ネックイン現象の発生を最小限に抑えることに寄与する。
【0040】
第2の選定指針は、積層方向の配置位置の考慮である。
【0041】
好ましくは、最も表面側、あるいは最も裏面側に積層される素材を端部に配置する素材として選択するのが好ましい。これにより、特に、いわゆる膜離れの発生を効果的に抑えることができる。
【0042】
なお、膜離れの防止に着目したときに、最も有効となり得る構成は、例えば
図4(B)に示されるように、積層体70の最も表面側に積層される溶融樹脂Dおよび最も裏面側に積層される溶融樹脂Fの2種の溶融素材を積層したものを、当該積層体70の幅方向端部の素材として採用することである。この構成では、結果として多層帯状体の表面および裏面に中央部71と端部72との素材の境界が全く現れないため、ほぼ完全に膜切れを防止することができる。また、この構成を採用した場合は、後処理で幅方向端部を切断するときに、最終製品の幅方向寸法に対して端部切断前の幅方向寸法をぎりぎりまで小さくでき、切断による廃棄量を小さくできるというメリットも得られる。これは、本来の多層となっている中央部71と2層のみとなっている端部72との境界が、少なくとも外観上は全く現れていないことから、切断位置が多少ずれても製品の外観上に影響しないためである。さらには、多層帯状体の端部に外観上境界が現れないことを利用して、切断位置を2層の位置X1に定めることにより、該溶融樹脂Eを表裏面の溶融樹脂D、Fで保護する機能を端部切断後においても維持させるようにすることも可能である。この構成は、例えば、内部の溶融樹脂Eが空気に触れると変質し易い性質があったような場合に、有効である。このように、積層方向の配置位置の考慮は、端部の素材の選択に大きく影響する。また、以上の説明で明らかなように、本発明では、幅方向端部の素材は、必ずしも1種の素材である必要はない。
【0043】
第3の選定指針は、他の素材との馴染み特性の考慮である。
【0044】
膜離れを起こしにくいという観点で、他の溶融樹脂との馴染み特性を考慮するのは有効である。すなわち、最も馴染みの良い組み合わせという選定指針で、端部にどの溶融樹脂を用いるかを決めても良い。
【0045】
第4の選定指針は、経済性の考慮である。
【0046】
特に、切断したときにリサイクルが困難なときは、できるだけ安価な素材を端部の素材として採用するのが好ましい。尤も、例えば、
図4(A)の溶融樹脂A、B、CのうちのAや、
図4(C)の溶融樹脂G、H、I、KのうちのIの例のように、端部の素材として「1種」の素材を採用した場合には、切断した端部のリサイクルが容易である。このため、経済性の選択の自由度を大きく広げることができる。換言するならば、端部の素材を1種とすることにより、製品としての帯状体は「多層」であり、かつ専用の端部素材を用いていないにも拘わらず、リサイクルによる回収が容易にできるようになる。これにより、例えば、素材自体は多少高価でも、良好な延伸性を期待して端部に用い、切断後リサイクルするという手法も採用できる。
【0047】
これら第1〜第4の選定指針は、選択に当たって相互に干渉することが考えられるが、優先順位は、特に限定される必要はなく、個別の具体的な状況を考慮して適宜に端部に使用する素材を選定して良い。場合によっては、上記第1〜第4の指針以外の要素や状況を考慮してもよい。バリエーションも、上記
図4(A)〜(C)に限定されず、例えば、
図4(D)に示されるように、積層体90を構成する溶融素材L〜Pのうち、最も表面側の溶融素材Lと内側の溶融素材Nを2層で端部に用いたものであっても良い。
【0048】
本発明は、「帯状体」の種類は特に限定されず、樹脂のほか、金属など、溶融性のある素材ならば適用することができ、同様な作用効果を得ることができる。また、積層数も、複数(2層以上)であれば、何層でも構わない。要するならば、積層体の中央部の層数をN、端部の層数をnとしたとき、n≦N−1が成立していれば良い。なお、Nは2以上の整数である。
【0049】
本発明は、このような条件が成立する多層帯状体と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0050】
J 合流部
12 製造装置
14 積層体形成アッセンブリ
18 押出ダイアタッチメント
26 合流ユニット
26A 台座ブロック
26B アタッチメントブロック
28 流出ユニット
40 積層体
50A サイド流路