(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
設定されたスライドウィンドウ区間により前記ターゲット共振器に印加される信号の強度を測定して前記ソース共振器から送信されたフレームを検出するフレーム検出部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電力を用いた通信装置。
前記ソース共振器がエネルギーを送信した時に、相互共振によって直ちにエネルギーを受信するように前記ターゲット共振器を活性化された状態に維持する制御部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の無線電力を用いた通信装置。
前記設定されたスライドウィンドウ区間を含む特定区間で前記ターゲット共振器に印加される信号を蓄積する信号蓄積部を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の無線電力を用いた通信装置。
前記包絡線検出部は、前記電流又は前記電圧を入力として包絡線検出用アナログ回路の出力から前記包絡線を取得することを特徴とする請求項2に記載の無線電力を用いた通信装置。
前記ソース共振器がエネルギーを送信した時に、相互共振によって直ちにエネルギーを受信するように前記ターゲット共振器を活性化された状態に維持するステップを更に含むことを特徴とする請求項16に記載の無線電力を用いた通信方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ターゲット共振器に格納されるエネルギー波形の包絡線の傾きが最大になる時点を相互共振のスタートポイントとして推定することによって、ソース共振器とターゲット共振期との間の同期化を行う無線電力を用いた通信装置及び方法並びに通信システムを提供することにある。
また、本発明の目的は、ターゲット共振器に格納されるエネルギーがピーク値を有する時点を検索して、ターゲット共振器に格納されるエネルギーをキャプチャーする無線電力を用いた通信装置及び方法並びに通信システムを提供することにある。
また、本発明の目的は、ソース共振器でエネルギーを送信する中間時点だけではなく、エネルギーを送信し始める時点でも時間同期を推定する無線電力を用いた通信装置及び方法並びに通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による無線電力を用いた通信装置は、ソース共振器との相互共振によってターゲット共振器に格納されるエネルギー波形の包絡線
上で、所定の間隔を有する2つの地点間の傾きを算出する算出部と、前記算出され
た傾きが最大になる
2つの地点に基づいて、
前記2つの地点のうちの前記所定の間隔を有する区間内
で先行する地点を
、前記ソース共振器と前記ターゲット共振器との間の相互共振のスタートポイントとして推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【0005】
前記無線電力を用いた通信装置は、前記ターゲット共振器に印加される電流又は電圧波形の包絡線を検出する包絡線検出部を更に備えることができる。
前記算出部は、前記検出された包絡線の所定の間隔を有する2つの地点間の傾きを算出し得る。
また、前記算出部は、前記検出された包絡線の複数地点で接線の傾きを算出し得る。
また、前記無線電力を用いた通信装置は、設定されたスライドウィンドウ区間により前記ターゲット共振器に印加される信号の強度を測定して前記ソース共振器から送信されたフレームを検出するフレーム検出部を更に備えることができる。
前記フレームは、前記ソース共振器から送信されたフレームの検出、前記ソース共振器と前記ターゲット共振器との間の相互共振のスタートポイント推定、及び前記ターゲット共振器に格納されるエネルギーのキャプチャーポイント検出に用いられるプリアンブル領域と、前記ソース共振器から前記ターゲット共振器へのエネルギー送信及びデータ送信に用いられるボディ領域と、を含み得る。
また、前記無線電力を用いた通信装置は、前記ソース共振器がエネルギーを送信した時に、相互共振によって直ちにエネルギーを受信するように前記ターゲット共振器を活性化された状態に維持する制御部を更に備えることができる。
また、前記無線電力を用いた通信装置は、前記設定されたスライドウィンドウ区間を含む特定区間で前記ターゲット共振器に印加される信号を蓄積する信号蓄積部を更に備えることができる。
前記算出部は、前記蓄積された信号の包絡線を検出して該包絡線の傾きを算出し得る。
前記包絡線検出部は、前記電流又は前記電圧を入力として包絡線検出用アナログ回路の出力から前記包絡線を取得し得る。
前記包絡線検出部は、前記電圧又は前記電流からアナログ−デジタル変換(ADC)サンプリングされた信号を共振周波数の特定の信号波形と乗算してダウンコンバートされた信号を生成する下方変換部と、前記ダウンコンバートされた信号を離散フーリエ変換又は高速フーリエ変換して周波数領域信号に変換する変換部と、前記周波数領域信号に低域通過フィルタリングを行ってハーモニック成分が除去された信号を生成するフィルタリング部と、前記ハーモニック成分が除去された信号を離散フーリエ逆変換又は高速フーリエ逆変換して時間領域信号に変換する逆変換部と、を備え得る。
前記包絡線検出部は、前記電圧又は前記電流からアナログ−デジタル変換(ADC)サンプリングされた信号を離散フーリエ変換又は高速フーリエ変換して周波数領域信号に変換する変換部と、前記周波数領域信号を所定の周波数だけ循環移動させる循環移動部と、前記循環移動した信号に低域通過フィルタリングを行ってハーモニック成分が除去された信号を生成するフィルタリング部と、前記ハーモニック成分が除去された信号を離散フーリエ逆変換又は高速フーリエ逆変換して時間領域信号に変換する逆変換部と、を備えてもよい。
前記包絡線検出部は、前記電圧又は前記電流からアナログ−デジタル変換(ADC)サンプリングされた信号を共振周波数の特定の信号波形と乗算してダウンコンバートされた信号を生成する下方変換部と、時間領域で畳み込みによって前記ダウンコンバートされた信号に低域通過フィルタリングを行ってハーモニック成分が除去された信号を生成するフィルタリング部と、を備えてもよい。
また、前記無線電力を用いた通信装置は、前記検出された包絡線の大きさがピークとなるピークポイントを検出するピークポイント検出部と、前記検出されたピークポイントで前記ターゲット共振器に格納されるエネルギーをキャプチャーするキャプチャー部と、を更に備えることができる。
また、前記無線電力を用いた通信装置は、前記相互共振のスタートポイントを基準として前記ターゲット共振器の自体の共振を活性化させて前記ソース共振器から送信されたエネルギーを受信する受信部と、前記受信したエネルギーの量に基づいて、前記ソース共振器から送信された情報を復調する復調部と、前記ソース共振器との相互共振の有無に応じて、前記ソース共振器に送信する情報を変調する変調部と、を更に備えることができる。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による無線電力を用いた通信方法は、ソース共振器との相互共振によってターゲット共振器に格納されるエネルギー波形の包絡線
上で、所定の間隔を有する2つの地点間の傾きを算出するステップと、前記算出され
た傾きが最大になる
2つの地点に基づいて、
前記2つの地点のうちの前記所定の間隔を有する区間内
で先行する地点を
、前記ソース共振器と前記ターゲット共振器との間の相互共振のスタートポイントとして推定するステップと、を有することを特徴とする。
【0007】
前記無線電力を用いた通信方法は、前記ターゲット共振器に印加される電流又は電圧波形の包絡線を検出するステップを更に含むことができる。
前記包絡線の傾きを算出するステップは、前記検出された包絡線の所定の間隔を有する2つの地点間の傾きを算出し得る。
また、前記無線電力を用いた通信方法は、前記ソース共振器がエネルギーを送信した時に、相互共振によって直ちにエネルギーを受信するように前記ターゲット共振器を活性化された状態に維持するステップを更に含むことができる。
また、前記無線電力を用いた通信方法は、前記検出された包絡線の大きさがピークとなるピークポイントを検出するステップと、前記検出されたピークポイントで前記ターゲット共振器に格納されるエネルギーをキャプチャーするステップと、を更に含むことができる。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による無線電力を用いた通信システムは、ソース共振器に格納されたエネルギーを相互共振によってターゲット共振器に送信する送信部と、前記相互共振によって前記ターゲット共振器に格納されるエネルギー波形の包絡線を検出する包絡線検出部と、前記検出された包絡線
上で、所定の間隔を有する2つの地点間の傾きを算出する算出部と、前記算出され
た傾きが最大になる
2つの地点に基づいて、
前記2つの地点のうちの前記所定の間隔を有する区間内
で先行する地点を
、前記ソース共振器と前記ターゲット共振器との間の相互共振のスタートポイントとして推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、ターゲット共振器に格納されるエネルギーの波形から包絡線を検出してその傾きを算出し、算出された包絡線の傾きが最大になる時点を相互共振のスタートポイントとして推定することによって、ソース共振器とターゲット共振期との間の同期化を可能にする。
また、ソース共振器がエネルギーを送信する開始時点を相互共振によって受信端で検出し、ターゲット共振器に格納されるエネルギーがピーク値を有する時点を検索して、ターゲット共振器に格納されるエネルギーをキャプチャーすることができる。
また、ソース共振器でエネルギーを送信する中間時点だけではなく、エネルギーを送信し始める時点でも時間同期を推定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
本発明による無線電力を用いる通信システムは、無線電力伝送を必要とする多様なシステムに応用される。例えば、携帯電話又は無線テレビなどの無線電力伝送を用いるシステムで送受信端間の制御情報及び他の情報交換に利用される。また、バイオヘルスケア分野に応用可能であり、人体に挿入されたデバイスに遠隔で電力を伝送したり、心拍数を測定するための包帯タイプのデバイスに無線で電力を伝送したりするために応用され得る。
【0013】
また、本発明による無線電力を用いる通信システムは、電源ソースのない情報格納装置の遠隔制御にも応用され得る。また、本発明による無線電力を用いる通信システムは、情報格納装置に遠隔で装置を駆動する電力を供給すると同時に、無線で格納装置に格納された情報を呼び出すシステムに応用され得る。
【0014】
無線電力を用いる通信システムは、信号を発生するために電源供給装置からエネルギーをソース共振器に格納し、電源供給装置とソース共振器を電気的に接続するスイッチをオフすることで、ソース共振器の自体の共振を誘導する。自体が共振するソース共振器と相互共振を行う程十分に近い距離にソース共振器の共振周波数と同じ共振周波数を有するターゲット共振器が存在する場合、ソース共振器とターゲット共振器との間に相互共振現象が発生する。結果的に、電力はソース共振器からターゲット共振器に無線で伝送される。
【0015】
本発明の実施形態において、ソース共振器は有線又は無線の電源供給装置からエネルギーが供給される共振器を意味し、ターゲット共振器はソース共振器との相互共振現象によってエネルギーが伝達される共振器を意味する。
【0016】
以下で説明する実施形態は送信機及び受信機に関する。送信機は無線電力伝送装置を含み、受信機は無線で電力を受信する多様な種類の装置を含む。多様な種類の装置として、端末、スマートフォン、コンピュータ、タブレット、テレビ、センサ、家庭用電子機器などが挙げられる。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信システムの等価回路を示す図であり、電力入力部と電力送信部、受信部と電力出力部がキャパシタ及びスイッチによって物理的に分離される図である。
【0018】
図1を参照すると、無線電力を用いた通信システムは、ソースとターゲットから構成されるソース−ターゲット構造である。無線電力を用いる通信システムは、ソースに該当する無線電力送信装置とターゲットに該当する無線電力受信装置を備える。
【0019】
無線電力送信装置は、電力入力部110、電力送信部120、及びスイッチ部130を備えている。電力入力部110は、電源供給装置を用いてキャパシタにエネルギーを格納する。スイッチ部130は、キャパシタにエネルギーが格納される間に電力入力部110にキャパシタを接続し、キャパシタに格納されたエネルギーを放電する間に、電力入力部110に接続されたキャパシタを電力送信部120に接続する。スイッチ部130は、キャパシタが同時に電力入力部110及び電力送信部120に接続されないようにする。
【0020】
電力送信部120は、電磁気エネルギーを受信部140に伝達する。より具体的に、電力送信部120の送信コイルL
1は、受信部130の受信コイルL
2との相互共振によって電力を伝達する。送信コイルL
1と受信コイルL
2との間に発生する相互共振の程度は相互インダクタンスMの影響を受ける。
【0021】
電力入力部110は入力電圧V
DC、内部抵抗R
in、及びキャパシタC
1に、電力送信部120は電力送信部120に対応する物理的な性質を反映して基礎回路素子R
1、L
1、C
1に、スイッチ部130は複数のスイッチに、それぞれモデリングされる。スイッチとして、オン及びオフ機能を行うことのできる能動素子が用いられてもよい。Rは抵抗成分、Lはインダクター成分、Cはキャパシタ成分を意味する。入力電圧V
DCのうち、キャパシタC
1に負荷される電圧をV
inで表示する。
【0022】
無線電力受信装置は、受信部140、電力出力部150、及びスイッチ部160を備える。受信部140は、電力送信部120から電磁気エネルギーを受信する。受信部140は、受信した電磁気エネルギーを接続されたキャパシタに格納する。スイッチ部160は、キャパシタにエネルギーが格納される間に受信部140にキャパシタを接続し、キャパシタに格納されたエネルギーを負荷に伝達する間に、受信部140に接続されたキャパシタを電力出力部150に接続する。スイッチ部160は、キャパシタが同時に受信部140及び電力出力部150に接続されないようにする。
【0023】
具体的に、受信部140の受信コイルL
2は、電力送信部120の送信コイルL
1との相互共振によって電力を受信する。受信した電力によって受信コイルL
2に接続されたキャパシタが充電される。電力出力部150は、キャパシタに充電された電力をバッテリに伝達する。電力出力部150は、バッテリの代わりに、負荷又はターゲットデバイスに電力を伝達してもよい。
【0024】
受信部140は受信部140に対応する物理的な性質を基礎回路素子R
2、L
2、C
2に、電力出力部150は接続されるキャパシタC
2及びバッテリに、スイッチ部160は複数のスイッチに、それぞれモデリングされる。受信コイルL
2で受信するエネルギーのうち、キャパシタC
2に負荷される電圧をV
outで表示する。
【0025】
上述のように、電力入力部110と電力送信部120、受信部140と電力出力部150を物理的に分離して電力を伝送するいわゆるRI(Resonator Isolation)システムは、インピーダンスマッチングを用いた従来の方式に比べて様々な長所を有する。第1に、DC電源からソース共振器に直接電力を供給することが可能であるために電力増幅器を使用しなくてもよい。第2に、受信端のキャパシタに充電された電力でエネルギーをキャプチャーするため、整流器を通した整流作業を必要としない。第3に、インピーダンスマッチングを行う必要がないことから、伝送効率が送信端と受信端との間の距離変化に敏感ではない。また、複数の送信端及び複数の受信端を備える無線電力伝送システムにおける拡張が容易である。
【0026】
図2は、本発明の他の実施形態による無線電力を用いた通信システムの等価回路を示す図であり、電力充電部と送信部、充電部と電力出力部が制御部によって物理的に分離される図である。
【0027】
図2を参照すると、無線電力を用いた通信システムは、ソースとターゲットから構成されるソース−ターゲット構造である。即ち、無線電力を用いる通信システムは、ソースに該当する無線電力送信装置とターゲットに該当する無線電力受信装置を備えている。
【0028】
無線電力送信装置は、電力充電部210、制御部220、及び送信部230を備えている。電力充電部210は、電源供給装置V
inと抵抗R
inから構成される。ソース共振器はキャパシタC
1とインダクターL
1から構成される。送信部230は、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振によってソース共振器に格納されたエネルギーを送信する。制御部220は、電力充電部210からソース共振器に電力を供給するためにスイッチをオンする。これにより電源供給装置V
inからキャパシタC
1に電圧が印加され、インダクターL
1に電流が印加される。定常状態になると、キャパシタC
1に印加される電圧は0になり、インダクターL
1に流れる電流はV
in/R
inの値を有するようになる。定常状態においてインダクターL
1には印加される電流に応じた電力が充電される。
【0029】
制御部220は、定常状態でソース共振器に充電された電力が所定値に達すると、スイッチをオフする。所定値に関する情報は制御部220に設定されてもよい。電力充電部210と送信部230は分離され、ソース共振器は、キャパシタC
1とインダクターL
1との間で自体が共振を始める。相互インダクタンスM270によるソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振によってソース共振器に格納されたエネルギーはターゲット共振器に伝えられる。ここで、ソース共振器の共振周波数f
1とターゲット共振器の共振周波数f
2は以下の数式に示すように同一である。
【0031】
無線電力受信装置は、充電部240、制御部250、及び電力出力部260を備える。ターゲット共振器はキャパシタC
2とインダクターL
2から構成される。ソース共振器とターゲット共振器との間で相互共振するとき、ソース共振器は電源供給装置V
inと分離され、ターゲット共振器は負荷LOAD及びキャパシタC
Lと分離される。ターゲット共振器のキャパシタC
2とインダクターL
2には相互共振によって電力が充電される。制御部250は、ターゲット共振器に電力を充電するためにスイッチをオフする。スイッチがオフの間に、ターゲット共振器の共振周波数とソース共振器の共振周波数は一致して相互共振が発生する。制御部250は、ターゲット共振器に充電された電力が所定値に達すると、スイッチをオンする。所定値に関する情報は制御部250に設定されてもよい。スイッチがオンされると、キャパシタC
Lが接続されてターゲット共振器の共振周波数は以下の数式に示すように変更される。
【0033】
従って、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振が終了する。より詳しくは、ターゲット共振器のQを考慮してf2’がf2よりも十分に低い場合に、相互共振チャネルは消滅する。また、電力出力部260は、キャパシタC
2とインダクターL
2に充電された電力を負荷LOADに伝達する。電力出力部260は負荷LOADの必要に適する方式に基づいて電力を伝達する。
【0034】
制御部250は、ターゲット共振器に充電された電力が所定の値未満の場合に、スイッチをオフする。充電部240は、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振によって再びターゲット共振器に電力を充電する。
【0035】
このように、ソース共振器とターゲット共振器との間に相互共振が発生するときには、スイッチが接続されない。従って、スイッチの接続による送信効率の減少を防止することができる。
【0036】
図1に示す場合と比較し、キャパシタに充電されたエネルギーを伝達する方式に比べて、ターゲット共振器に格納されるエネルギーのキャプチャー時点を制御する方がより容易である。キャパシタに充電されたエネルギーを伝達する方式はキャパシタに充電されたエネルギーのみをキャプチャーできるが、共振周波数を変更してエネルギーをキャプチャーする方式は、ターゲット共振器のインダクター及びキャパシタに格納されるエネルギーをキャプチャーするため、エネルギーのキャプチャー時点に対する自由度が向上する。
【0037】
RI(Resonator Isolation)システムの送信端は、電力或いはデータの送信のためにスイッチの接続によってソース共振器にエネルギーの充電と放電手順を繰り返して行う。このような1回のエネルギーの充電と放電手順を1つのシンボルと定義する。受信端は、送信端から送信されたエネルギー又はデータを受信するため、送信端の充電及び放電を繰り返すスイッチの動作周期に合わせて、適切な時間同期によって受信端のスイッチの動作を行わなければならない。受信端は、送信端の動作に合わせて時間同期を一定に維持する時間同期作業を継続的に行わなければならない。
【0038】
受信端は、送信端のスイッチがいつオフしていつオンするか、そして、いつ相互共振を開始していつターゲット共振器に格納されるエネルギーがピーク値を有するかを把握しなければならない。スイッチのオン及びオフタイムに関する情報を把握して受信端のオン及びオフタイムに関する情報に合わせてスイッチを作動させる手順を時間同期化手順と定義する。
【0039】
図3は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信装置のブロック図である。
【0040】
図3を参照すると、無線電力を用いた通信装置は、算出部310、推定部320、制御部330、受信部340、復調部350、変調部360、包絡線検出部370、ピークポイント検出部380、及びキャプチャー部390を備える。以下の説明において、無線電力を用いた通信装置は、無線電力を使用する通信システムにおける無線電力を受信する受信端を意味する。無線電力を用いた通信装置は、
図3に示した構成のうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
受信部340は、ターゲット共振器とソース共振器との間の相互共振によってエネルギーを受信する。包絡線検出部370は、ターゲット共振器に格納されるエネルギーの波形から包絡線を検出する。
【0042】
算出部310は、検出された包絡線から包絡線の傾きを算出する。算出部310は、検出された包絡線で、所定の間隔を有する2つの地点間の傾きを算出する。また、算出部310は、検出された包絡線の地点で接線の傾きを算出する。
【0043】
推定部320は、包絡線の傾きが最大になる地点に基づいて、予め設定された区間内にある地点をソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振のスタートポイントとして推定する。例えば、予め設定された区間は0(ゼロ)になり得る。即ち、推定部320は、包絡線の傾きが最大になる地点を相互共振のスタートポイントとして推定することができる。予め設定された区間は、ユーザによって任意に決定されてもよく、ソース共振器とターゲット共振器との間の距離に基づいて決定されてもよい。無線電力を伝送する送信端と無線電力を受信する受信端との間で相互共振が開始する時点で包絡線の傾きは最大になる。推定部320は次の式を用いて相互共振のスタートポイントを推定する。
【0045】
ここで、signal_start_pointは相互共振のスタートポイントを意味し、iは包絡線の地点を意味し、gapは包絡線の2つの地点間の所定の間隔を意味する。即ち、signal_start_pointは、包絡線で所定の間隔を有する2つの地点間の傾きが最大になる場合のiに推定され得る。
【0046】
ターゲット共振器に格納されるエネルギーの波形から包絡線を正確に検出することができれば、送信端と受信端との間で相互共振が開始される時点を正確に推定することができる。包絡線検出部370は、ターゲット共振器に印加される電流又は電圧の波形から包絡線を検出する。ターゲット共振器に格納されるエネルギーの波形は、ターゲット共振器に印加される電流の波形又は電圧の波形として表示される。
【0047】
包絡線検出部370は、ターゲット共振器に印加される電流又は電圧を入力として包絡線検出用アナログ回路の出力から包絡線を取得する。
【0048】
ターゲット共振器に格納されるエネルギー量の検出は、ターゲット共振器に印加される電流又は電圧から、アナログ−デジタル変換(ADC)サンプリングによって行われる。ところが、正確なエネルギー量を検出するためにはアナログ−デジタル変換サンプリングレートがターゲット共振器の共振周波数よりも十分に速くなければならない。しかし、アナログ−デジタル変換サンプリングレートが速くなると、アナログ−デジタルコンバータ自体の電力消耗は増大し、エネルギー送信効率とデータ送信効率が全体的にアナログ−デジタル変換サンプリングレート及び量子化ビット数の影響を受けることになる。従って、包絡線検出部370は、適正な速さのアナログ−デジタル変換サンプリングレートを使用して、ターゲット共振器に格納されるエネルギーの量を正確に検出する必要がある。
【0049】
一般的な包絡線検出用アナログ回路は、ダイオード、キャパシタ、及び負荷LOADで具現される。ここで、包絡線検出用アナログ回路は、ターゲット共振器に印加された電流又はターゲット共振器に印加された電圧を入力として、ターゲット共振器に印加された電流又はターゲット共振器に印加された電圧の包絡線を出力する。
【0050】
本実施形態の包絡線検出部370は、ターゲット共振器に印加される電流又は電圧に対して信号処理することによって包絡線を検出する。
図3に示す例で、包絡線検出部370は、下方変換部371、変換部373、循環移動部375、フィルタリング部377、及び逆変換部379を備える。
【0051】
下方変換部371は、ターゲット共振器に印加される電圧又は電流からアナログ−デジタル変換(ADC)サンプリングされた信号を共振周波数の特定の信号波形のうちの1つと乗算してダウンコンバート(down conversion)された信号を生成する。ここで、特定の信号波形には共振周波数のサイン(sine)波形、コサイン(cosine)波形、及び指数型(exponential)波形が含まれ得る。ダウンコンバート方式は、一般的な通信で使用される方式が用いられる。例えば、下方変換部371は、アナログ−デジタル変換(ADC)サンプリングされた信号を、ベースバンド帯域にダウンコンバートする。変換部373は、ダウンコンバートされた信号を離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)又は高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)して周波数領域信号に変換する。フィルタリング部377は、周波数領域信号を低域通過フィルタリングしてハーモニック成分が除去された信号を生成する。ハーモニック成分は、周波数領域信号に含まれる高調波及びノイズ成分を意味する。逆変換部379は、ハーモニック成分が除去された信号を離散フーリエ逆変換(Inverse DFT:IDFT)又は高速フーリエ逆変換(Inverse FFT:IFFT)して時間領域信号に変換する。ここで、変換された時間領域信号は、ターゲット共振器に印加される電流波形又は電圧波形の包絡線を示す。
【0052】
また、変換部373は、ターゲット共振器に印加される電圧又は電流からアナログ−デジタル変換(ADC)サンプリングされた信号を直接離散フーリエ変換(DFT)又は高速フーリエ変換(FFT)して周波数領域信号に変換してもよい。循環移動部375は、周波数領域信号を所定の周波数だけ循環移動(circular shift)する。例えば、循環移動部375は、周波数領域信号をベースバンド帯域に循環移動する。循環移動部375は、周波数領域信号を所定の周波数だけ循環移動することによってフィルタリング部377で簡単にフィルタリングを行うことができる。フィルタリング部377は、循環移動した信号を低域通過フィルタリングしてハーモニック成分が除去された信号を生成する。逆変換部379は、ハーモニック成分が除去された信号を離散フーリエ逆変換(IDFT)又は高速フーリエ逆変換(IFFT)して時間領域信号に変換する。ここで、変換された時間領域信号は、ターゲット共振器に印加される電流波形又は電圧波形の包絡線を示す。
【0053】
また、下方変換部371は、ターゲット共振器に印加される電圧又は電流からアナログ−デジタル変換(ADC)サンプリングされた信号を共振周波数の特定の信号波形のうちの1つと乗算してダウンコンバートされた信号を生成し、フィルタリング部377は、時間領域で畳み込み(convolution)によってダウンコンバートされた信号を低域通過フィルタリングしてもよく、これによりハーモニック成分が除去された信号を生成することができる。フィルタリング部377は、周波数領域だけではなく時間領域でも低域通過フィルタリングを行う。ここで、ハーモニック成分が除去された信号はターゲット共振器に印加される電流波形又は電圧波形の包絡線を示す。
【0054】
その他にも、包絡線検出部370は、デジタル領域(digital domain)における多様な信号処理方式を用いてターゲット共振器に印加される電流又は電圧の波形から包絡線を検出することができる。
【0055】
ターゲット共振器とソース共振器との間に相互共振する以前の状態を、アイドルリスン(Idle listen)状態と定義し、相互共振を準備する状態を意味する。制御部330は、アイドルリスン状態でソース共振器がエネルギーを送信した時に、相互共振によってターゲット共振器で直ちにエネルギーが受信されるように、ターゲット共振器を活性化された状態に維持する。ターゲット共振器を活性化された状態に維持することは、ターゲット共振器を自体の共振状態に維持することを意味する。
図1に示すRIシステムではスイッチをオンする場合を意味し、
図2に示すRIシステムではスイッチをオフする場合を意味する。
【0056】
ピークポイント検出部380は、検出された包絡線の大きさがピーク値を有するピークポイントを検出する。キャプチャー部390は、検出されたピークポイントでターゲット共振器に格納されるエネルギーをキャプチャーする。
【0057】
制御部330は、推定された相互共振のスタートポイントでターゲット共振器が相互共振を開始できるようにし、検出されたピークポイントでターゲット共振器に格納されたエネルギーをキャプチャーして負荷にエネルギーを伝達する。
【0058】
より具体的に、制御部330は、相互共振のスタートポイントをターゲット共振器とソース共振器との間の時間同期時点に設定して、ターゲット共振器に接続されたスイッチを制御する。
図1に示すRIシステムではスイッチがオンされる場合であり、
図2に示すRIシステムではスイッチがオフされる場合である。時間同期時点の後からターゲット共振器に格納されるエネルギーによって受信端は情報を受信する。
【0059】
また、制御部330は、ピークポイントでターゲット共振器に接続されたスイッチを制御し、ターゲット共振器に格納されたエネルギーが負荷に伝えられるようにする。
図1に示すRIシステムではスイッチがオフされる場合であり、
図2に示すRIシステムではスイッチがオンされる場合である。
【0060】
受信部340は、相互共振のスタートポイントを基準としてソース共振器から送信されたエネルギーを受信する。復調部350は、受信したエネルギーの量に基づいてソース共振器から送信された情報を復調する。変調部360は、相互共振のスタートポイントを基準にしてターゲット共振器とソース共振器との間の相互共振の有無に応じてターゲット共振器で送信する情報を変調する。
【0061】
制御部330は、無線電力を用いた通信装置の全般的な制御を担当して算出部310、推定部320、受信部340、復調部350、変調部360、包絡線検出部370、ピークポイント検出部380、及びキャプチャー部390のそれぞれの機能を遂行させる。
図3に示す実施形態において、これらを個別に構成して示すことは各機能を区別して説明するためである。従って、実際に製品を実現する場合に、これらの全てを制御部330で処理するように構成してもよく、これらの一部だけを制御部330で処理するように構成してもよい。
【0062】
図4は、本発明の他の実施形態による無線電力を用いた通信装置のブロック図である。
【0063】
図4を参照すると、無線電力を用いた通信装置は、フレーム検出部410、信号蓄積部420、制御部430、受信部440、算出部450、推定部460、及び包絡線検出部470を備える。
【0064】
受信部440は、ターゲット共振器とソース共振器との間の相互共振によってフレームを受信する。フレームはエネルギーパケットで構成される。
【0065】
フレーム検出部410は、スライドウィンドウを用いて、ソース共振器から送信されたフレームを検出する。フレーム検出部410は、設定されたスライドウィンドウ区間で、ターゲット共振器に印加される信号の強度を測定してソース共振器から送信されたフレームを検出する。ここで、印加される信号の強度は、エネルギーの量を意味し、ターゲット共振器に印加される電圧又は電流の強度を意味する。
【0066】
フレーム検出部410は、設定されたスライドウィンドウ区間で、所定の大きさ以上の信号が検出された場合、ソース共振器から送信されたフレームとして認識する。
【0067】
フレームは、プリアンブル領域とボディ領域を含む。
【0068】
プリアンブル領域は、ソース共振器から送信されたフレームの検出、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振し始める相互共振スタートポイント推定、及びターゲット共振器に格納されるエネルギーのキャプチャーポイント検出に用いられる。プリアンブル領域の時間区間でソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振のスタートポイントが推定され、キャプチャーポイントが検出されることによって、送信端と受信端との間の時間同期化を行う。
【0069】
ボディ領域は、ソース共振器からターゲット共振器へのエネルギー送信及びデータ送信に用いられる。プリアンブル領域の時間区間の間に時間同期化が行われた後、ボディ領域の時間区間の間に受信端は送信端からエネルギー及びデータを受信する。
【0070】
信号蓄積部420は、設定されたスライドウィンドウ区間を含む特定区間で、ターゲット共振器に印加される信号を蓄積する。
【0071】
包絡線検出部470は、蓄積された信号の包絡線を検出する。
【0072】
算出部450は、検出された包絡線から包絡線の傾きを算出する。算出部450は、検出された包絡線で、所定の間隔を有する2つの地点間の傾きを算出する。また、算出部450は、検出された包絡線の複数地点で接線の傾きを算出する。推定部460は、包絡線の傾きが最大になる地点に基づいて、予め設定された区間内にある地点をソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振のスタートポイントとして推定する。制御部430は、推定された相互共振のスタートポイントで、ターゲット共振器が相互共振を開始するようにする。
【0073】
制御部430は、無線電力を用いた通信装置の全般的な制御を担当してフレーム検出部410、信号蓄積部420、受信部440、算出部450、推定部460、及び包絡線検出部470のそれぞれの機能を遂行させる。
図4に示す実施形態において、これらを個別に構成して示すことは各機能を区別して説明するためである。従って、実際に製品を実現する場合にこれらの全てを制御部430で処理するように構成してもよく、これらの一部だけを制御部430で処理するように構成してもよい。
【0074】
図5は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信システムのブロック図である。
【0075】
図5を参照すると、本実施形態による無線電力を用いた通信システムは、Tx端510及びRx端520を備える。Tx端510は無線電力及びデータを送信する送信端であり、Rx端520は無線電力及びデータを受信する受信端である。
【0076】
Tx端510は送信部511を備える。送信部511は、ソース共振器に格納されたエネルギーを相互共振によってターゲット共振器に送信する。
【0077】
Rx端520は、受信部521、包絡線検出部523、算出部525、及び推定部527を備える。受信部521は、相互共振によってソース共振器から送信されたエネルギーを受信する。包絡線検出部523は、ターゲット共振器に格納されるエネルギーの波形から包絡線を検出する。算出部525は、検出された包絡線の傾きを算出する。推定部527は、算出された包絡線の傾きが最大になる時点を、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振のスタートポイントとして推定する。Rx端520は、推定された相互共振のスタートポイントによってTx端510と時間同期化を行う。相互共振のスタートポイントを基準としてRx端520はデータを受信する。
【0078】
図6は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信装置における相互共振のスタートポイントを推定するために使用される包絡線の傾きを示すグラフである。
【0079】
ターゲット共振器に印加される電圧の波形から検出された包絡線600において、所定の間隔を有する2つの地点間の傾きを算出する。
図6には4種類の傾きを図示している。4種類の傾き610、620、630、640を比較すると、相互共振が開始される時点(スタートポイント)で傾きが最大値を有することが分かる。即ち、包絡線の傾きが最大の場合に、所定の間隔を有する2つの地点のうちの先行する地点を相互共振のスタートポイントとして推定する。ターゲット共振器に格納されるエネルギーがピーク値を有する地点でエネルギーをキャプチャーしてもよい。相互共振のスタートポイントとピークポイントとの間でターゲット共振器はソース共振器と相互共振する。
【0080】
図7は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信装置におけるターゲット共振器に格納されるエネルギー波形の包絡線及び包絡線の各地点における傾き値を示すグラフである。
【0081】
Rx端でターゲット共振器に印加される電圧の波形及び包絡線で相互共振が開始される点710は、スタートポイントメトリック(Start Point Metric)で包絡線の傾きが最大になる点720と一致していることが分かる。包絡線の傾きが最大になる点720を相互共振のスタートポイント710と推定する。
【0082】
図8は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信装置における包絡線を検出するために必要な信号処理過程で用いられる要素を示すグラフである。
【0083】
無線電力を用いた通信装置は、ターゲット共振器に印加される電圧又は電流を信号処理して包絡線を検出する。ターゲット共振器に印加される電圧の波形を周波数ドメインで示すスペクトル810を循環移動(cyclic shift)させて、ベースバンド帯域にダウンコンバートされたスペクトル820が生成される。ベースバンド帯域にダウンコンバートされたスペクトル820は、低域通過フィルタ830を介してフィルタリングされる。フィルタリングされた信号を時間ドメインに変換して絶対値演算を行うと包絡線を算出することができる。
【0084】
図9は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信装置における時間同期及びピークポイントを検出するためのフレームのフォーマットを示す図である。
【0085】
フレームはプリアンブル領域及びボディ領域から構成される。プリアンブル領域の時間区間、即ち初期化区間910で、受信端は送信端と時間同期化を行う。時間同期化は、相互共振のスタートポイントを推定してピークポイントを検出する。ボディ領域の時間区間、即ちプロセシング区間920で、受信端は送信端からエネルギー及びデータを受信する。データは、受信端に格納されるエネルギーの量に割り当てられている。フレームは1つのエネルギーパケットで構成されるものと定義する。
【0086】
他のフレームが受信端で受信される場合、フレームを区別するためにフレーム間に間隔(Inter frame space)が必要である。受信端は、他のフレームを受信して初期化区間930で時間同期化を行い、プロセシング区間940でエネルギー及びデータを受信する。
【0087】
図10は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信装置における受信端に印加される信号に基づいて送信端との時間同期を推定する手順を示す図である。
【0088】
送信端(TX)のスイッチがオン1001された場合にソース共振器は充電され、オフ1003された場合にソース共振器は放電される。
【0089】
受信端(RX)は、時間同期化の前に活性化状態、即ちスイッチをオフ状態に維持する。
【0090】
送信端でエネルギーが送信されると、相互共振によって受信端はターゲット共振器に印加された信号を検出1010する。受信端は、所定期間1020の間に印加された信号を蓄積してもよい。受信端は、蓄積された信号に対して時間同期化区間1030の間に包絡線を検出し、相互共振のスタートポイントを推定してピークポイントを検出する。
【0091】
時間同期化が行われた後、受信端はスイッチをオン1040して相互共振を終了し、推定された相互共振のスタートポイントでスイッチをオフして送信端からエネルギー及びデータを受信する。プロセシング区間1050の間に受信端は送信端からエネルギーを受信(1051、1053)する。受信端は受信したエネルギーの量に基づいてデータを復調する。
【0092】
図11は、本発明の一実施形態による無線電力を用いた通信装置におけるスライドウィンドウを用いて時間同期を推定する手順を示す図である。
【0093】
無線電力を用いた通信装置は、スライドウィンドウ1110を用いてターゲット共振器に印加される信号1120を検出し、スライドウィンドウ1110で測定された信号の強度に基づいてターゲット共振器に格納されるフレームを検出1130する。フレームは、エネルギーシーケンスの形態で定義される。無線電力を用いた通信装置は、スライドウィンドウ1110を含む特定区間1140で印加される信号を蓄積し、蓄積された信号から包絡線を検出し、検出された包絡線の傾きを算出して傾きが最大値を有する地点を相互共振のスタートポイントとして推定する。
【0094】
上述した方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などの単独又は組み合わせたものを含んでもよい。記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。
【0095】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。