特許第5976555号(P5976555)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976555
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】バッフルプレート構造体
(51)【国際特許分類】
   F01M 11/00 20060101AFI20160809BHJP
   F01M 11/03 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   F01M11/00 H
   F01M11/03 G
   F01M11/03 H
   F01M11/00 W
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-8695(P2013-8695)
(22)【出願日】2013年1月21日
(65)【公開番号】特開2014-139423(P2014-139423A)
(43)【公開日】2014年7月31日
【審査請求日】2015年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390026538
【氏名又は名称】ダイキョーニシカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 俊哉
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−231662(JP,A)
【文献】 特開2012−163075(JP,A)
【文献】 特開2002−364325(JP,A)
【文献】 特開2007−224782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 11/00
F01M 11/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの下部に取り付けられるオイルパン(P)内に配設され、該オイルパン(P)内のオイルを濾過してエンジンに供給するオイルストレーナ(1)と、
上記オイルパン(P)内に配設されるバッフルプレート(2)とを備えるバッフルプレート構造(A)であって、
上記オイルストレーナ(1)は、オイルを濾過するためのフィルタ(30)と、該フィルタ(30)を収容するケーシング(40)と、該ケーシング(40)の下側に形成されて上記オイルパン(P)内で開口するオイル吸入口(53)と、該ケーシング(40)から延出する延出板部(55)とを有し、
上記バッフルプレート(2)は、エンジンから上記オイルパン(P)内に流下するリターンオイルを受けるオイル受け部(20)と、該オイル受け部(20)の内面に開口して下方へ突出する筒部(21)とを有し、該オイル受け部(20)及び該筒部(21)は一体成形され、
上記筒部(21)における上記オイル受け部(20)の内面に開口する開口部は、上記オイル受け部(20)で受けたリターンオイルを該オイル受け部(20)よりも下方へ流下させるオイル流下口(21a)とされ、上記筒部(21)の内部における上記オイル流下口(21a)よりも下側の領域は、オイル供給通路(21b)とされ、
上記延出板部(55)は、上記バッフルプレート(2)の上記筒部(21)の下側に配置され、
上記延出板部(55)における上記バッフルプレート(2)の上記筒部(21)に対応する部位には、上記バッフルプレート(2)の上記筒部(21)の下端部が接続される筒部(57)が、上記バッフルプレート(2)の上記筒部(21)よりも下方へ突出し、かつ、上記オイル吸入口(53)の外方に位置するように設けられ、
上記延出板部(55)の上記筒部(57)の内部は、上記オイル受け部(20)の上記オイル供給通路(21b)の下端部と連通するオイル供給通路(57b)とされ、
上記バッフルプレート(2)の上記オイル供給通路(21b)及び上記延出板部(55)の上記オイル供給通路(57b)により上記オイル流下口(21a)内のオイルが流下して上記オイル吸入口(53)に供給されることを特徴とするバッフルプレート構造体(A)。
【請求項2】
エンジンの下部に取り付けられるオイルパン(P)内に配設され、該オイルパン(P)内のオイルを濾過してエンジンに供給するオイルストレーナ(1)と、
上記オイルパン(P)内に配設されるバッフルプレート(2)とを備えるバッフルプレート構造(A)であって、
上記オイルストレーナ(1)は、オイルを濾過するためのフィルタ(30)と、該フィルタ(30)を収容するケーシング(40)と、該ケーシング(40)の下側に形成されて上記オイルパン(P)内で開口するオイル吸入口(53)と、該ケーシング(40)から延出する延出板部(55)とを有し、
上記バッフルプレート(2)は、エンジンから上記オイルパン(P)内に流下するリターンオイルを受けるオイル受け部(20)を有するとともに、該オイル受け部(20)の内面に開口して該オイル受け部(20)で受けたリターンオイルを該オイル受け部(20)よりも下方へ流下させるオイル流下口(27)を有し、
上記延出板部(55)は、上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)の下側に配置され、
上記延出板部(55)における上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)に対応する部位には、上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)が接続される筒部(57)が、上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)よりも下方へ突出し、かつ、上記オイル吸入口(53)の外方に位置するように設けられ、
上記延出板部(55)の上記筒部(57)の内部は、上記オイル流下口(27)と連通するオイル供給通路(57b)とされ、
上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)及び上記延出板部(55)の上記オイル供給通路(57b)により上記オイル受け部(20)で受けたリターンオイルが流下して上記オイル吸入口(53)に供給されることを特徴とするバッフルプレート構造体(A)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルパンの内部に設けられるバッフルプレート構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば車両用エンジンのオイルパンの内部には、オイルを濾過するためのオイルストレーナや、オイルパンの内部を部分的に仕切るためのバッフルプレートが配設されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1のバッフルプレートは、オイルストレーナとは別体に構成されて略水平に延びている。このバッフルプレートには、オイルストレーナが挿入される切欠部が形成されている。エンジンのシリンダブロックに固定されたオイルストレーナは、バッフルプレートの切欠部内に位置し、この状態で、オイルストレーナの外周面と、バッフルプレートの切欠部の周縁部との間には隙間が形成されている。
【0004】
また、特許文献2では、上側に位置するメインプレートと、下側に位置するサブプレートとの間に空間を形成し、その空間にメッシュプレートを配設することでオイルストレーナを構成している。メインプレートはサブプレートよりも大きく形成されており、このメインプレートがバッフルプレートとなっている。このバッフルプレートの至る所に油落とし孔が設けられている。
【0005】
また、特許文献3のオイルストレーナは、フィルタを収容するケーシングを有しており、このケーシングの外面にエンジンのバランサシャフトを覆うカバー部が一体成形されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−172536号公報
【特許文献2】特開2002−364325号公報
【特許文献3】特開2007−224782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、冷間時のエンジンのオイルは粘度が高いので、冷間始動後のエンジン内部には暖機が終了するまで粘度の高いオイルが循環することになる。このことはオイルポンプの負荷の増大や摺動抵抗の増大を招き、ひいては、消費エネルギの増大につながる。したがって、冷間始動後は、温度が上昇した、即ち粘度が低くなったオイルをできるだけ早期にオイルポンプに供給したいという要求がある。
【0008】
しかしながら、エンジンを循環してオイルパンに戻ってくるリターンオイルは、エンジンのシリンダブロックの各部からオイルパン内に流下することになるので、せっかく温度の上昇したリターンオイルがオイルポンプの吸入口に流入する前に放熱して温度低下してしまう。また、オイルパン内において、リターンオイルが流下する部分と、オイルストレーナがオイルを吸入する部分とが離れている場合が殆どであり、このような場合にも、リターンオイルの温度がオイルポンプに吸入される前に低下してしまう。
【0009】
また、特許文献1、2のようなバッフルプレートや特許文献3のカバー体をオイルパンの内部に設けることがある。これらを設けることで、シリンダブロックから流下するオイルを一旦受けることができるが、受けたオイルをどのように処理するかが問題となる。
【0010】
特許文献1では、受けたオイルをバッフルプレートの外縁部や切欠部の周縁部から流下させることができるが、このように広範囲にオイルを流下させたのでは、リターンオイルの温度がオイルポンプに吸入される前に低下してしまう。
【0011】
特許文献2では、バッフルプレートの至る所に油落とし孔を設けているので、オイルをオイルパン内の広範囲に流下させることになり、リターンオイルの温度がオイルポンプに吸入される前に低下してしまう。
【0012】
特許文献3もオイルストレーナの吸入口から離れた部分にリターンオイルが流下するのでオイルストレーナの吸入口に流入する前に温度低下する恐れがある。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷間始動後に温度の上昇したリターンオイルをオイルの吸入口の近傍に供給することができるようにして暖機時間を短縮し、ひいては省エネルギ化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明では、オイルパン内に配設されるバッフルプレートを利用してリターンオイルをオイルストレーナの吸入口近傍に流下させるようにした。
【0015】
第1の発明は、エンジンの下部に取り付けられるオイルパン(P)内に配設され、該オイルパン(P)内のオイルを濾過してエンジンに供給するオイルストレーナ(1)と、
上記オイルパン(P)内に配設されるバッフルプレート(2)とを備えるバッフルプレート構造(A)であって、
上記オイルストレーナ(1)は、オイルを濾過するためのフィルタ(30)と、該フィルタ(30)を収容するケーシング(40)と、該ケーシング(40)の下側に形成されて上記オイルパン(P)内で開口するオイル吸入口(53)と、該ケーシング(40)から延出する延出板部(55)とを有し、
上記バッフルプレート(2)は、エンジンから上記オイルパン(P)内に流下するリターンオイルを受けるオイル受け部(20)と、該オイル受け部(20)の内面に開口して下方へ突出する筒部(21)とを有し、該オイル受け部(20)及び該筒部(21)は一体成形され、
上記筒部(21)における上記オイル受け部(20)の内面に開口する開口部は、上記オイル受け部(20)で受けたリターンオイルを該オイル受け部(20)よりも下方へ流下させるオイル流下口(21a)とされ、上記筒部(21)の内部における上記オイル流下口(21a)よりも下側の領域は、オイル供給通路(21b)とされ、
上記延出板部(55)は、上記バッフルプレート(2)の上記筒部(21)の下側に配置され、
上記延出板部(55)における上記バッフルプレート(2)の上記筒部(21)に対応する部位には、上記バッフルプレート(2)の上記筒部(21)の下端部が接続される筒部(57)が、上記バッフルプレート(2)の上記筒部(21)よりも下方へ突出し、かつ、上記オイル吸入口(53)の外方に位置するように設けられ、
上記延出板部(55)の上記筒部(57)の内部は、上記オイル受け部(20)の上記オイル供給通路(21b)の下端部と連通するオイル供給通路(57b)とされ、
上記バッフルプレート(2)の上記オイル供給通路(21b)及び上記延出板部(55)の上記オイル供給通路(57b)により上記オイル流下口(21a)内のオイルが流下して上記オイル吸入口(53)に供給されることを特徴とするものである。
【0016】
この構成によれば、エンジンからオイルパン内に流下するリターンオイルは、バッフルプレートのオイル受け部が受ける。このリターンオイルは、バッフルプレートのオイル流下口から流下して第1オイル供給通路に流入する。第1オイル供給通路に流入したリターンオイルは、オイルストレーナのオイル吸入口に供給される。これにより、温度の上昇したリターンオイルがオイルストレーナのオイル吸入口に集中的に流入するので、暖機時間が短縮される。
【0017】
第2の発明は、
エンジンの下部に取り付けられるオイルパン(P)内に配設され、該オイルパン(P)内のオイルを濾過してエンジンに供給するオイルストレーナ(1)と、
上記オイルパン(P)内に配設されるバッフルプレート(2)とを備えるバッフルプレート構造(A)であって、
上記オイルストレーナ(1)は、オイルを濾過するためのフィルタ(30)と、該フィルタ(30)を収容するケーシング(40)と、該ケーシング(40)の下側に形成されて上記オイルパン(P)内で開口するオイル吸入口(53)と、該ケーシング(40)から延出する延出板部(55)とを有し、
上記バッフルプレート(2)は、エンジンから上記オイルパン(P)内に流下するリターンオイルを受けるオイル受け部(20)を有するとともに、該オイル受け部(20)の内面に開口して該オイル受け部(20)で受けたリターンオイルを該オイル受け部(20)よりも下方へ流下させるオイル流下口(27)を有し、
上記延出板部(55)は、上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)の下側に配置され、
上記延出板部(55)における上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)に対応する部位には、上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)が接続される筒部(57)が、上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)よりも下方へ突出し、かつ、上記オイル吸入口(53)の外方に位置するように設けられ、
上記延出板部(55)の上記筒部(57)の内部は、上記オイル流下口(27)と連通するオイル供給通路(57b)とされ、
上記バッフルプレート(2)の上記オイル流下口(27)及び上記延出板部(55)の上記オイル供給通路(57b)により上記オイル受け部(20)で受けたリターンオイルが流下して上記オイル吸入口(53)に供給されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明によれば、バッフルプレートで受けたリターンオイルをオイルストレーナのオイル吸入口に供給することができるので、暖機時間を短縮でき、省エネルギ化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1参考例1に係るバッフルプレート構造体の断面図である。
図2参考例1に係るバッフルプレート構造体の分解斜視図である。
図3参考例1に係るバッフルプレートの断面図である。
図4参考例1に係るオイルストレーナの斜視図である。
図5】実施形態1に係るオイルストレーナの斜視図である。
図6】実施形態1に係るバッフルプレート構造体の部分断面図である。
図7参考例2に係る図5相当図である。
図8参考例3に係る図5相当図である。
図9】実施形態に係る図1相当図である。
図10】実施形態に係るバッフルプレート構造体の部分断面図である。
図11】実施形態に係るオイルストレーナの下側部材の斜視図である。
図12図11におけるXII−XII線断面図である。
図13図11におけるXIII−XIII線断面図である。
図14】オイル流下口が開放された状態にあるバッフルプレート構造体の部分断面図である。
図15】オイル流下口が閉塞された状態にあるバッフルプレート構造体の部分断面図である。
図16参考例4に係るオイルストレーナの斜視図である。
図17参考例4に係るバッフルプレートの斜視図である。
図18参考例4に係るバッフルプレートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0021】
参考例1)
図1及び図2は、参考例1に係るバッフルプレート構造体Aを示すものである。バッフルプレート構造体Aは、エンジン(図示せず)の下部に取り付けられるオイルパンP(図1に仮想線で示す)内に配設され、オイルパンP内のオイルを濾過してエンジンに供給するオイルストレーナ1と、オイルパンP内に配設されるバッフルプレート2とを備えている。オイルパンPは、エンジンのシリンダブロックの下面を下方から覆うように配設されており、オイルパンPの内部には、シリンダブロックの下面からリターンオイルが流下するようになっている。リターンオイルは、オイルパンP内の互いに離れた複数箇所(一般的にはオイルパンPの外周近傍)に分散して流下する。
【0022】
バッフルプレート2は、オイルパンP内の空間を上側と下側とに仕切るための部材であり、オイルパンPの底壁部から上方に離れて配設されている。バッフルプレート2は、シリンダブロックの下面からオイルパンP内に流下するリターンオイルを受ける板状のオイル受け部20と、筒部21とを有しており、これらオイル受け部20及び筒部21は、樹脂材により一体成形されている。
【0023】
オイル受け部20は、上側へ行くほど水平方向の断面が大きくなる漏斗形状をなしている。オイル受け部20の最も低い部分は、オイル受け部20の平面視で略中央部である。オイル受け部20の上側部分は、シリンダブロックの下面の大部分を覆うことができるように水平方向に大きく形成されている。オイル受け部20の上端部には、水平方向に延びるフランジ20aが形成されている。また、オイル受け部20のフランジ20aよりも下側において傾斜している部分には、オイルストレーナ挿通孔20bが形成されている。オイルストレーナ挿通孔20bは、オイルストレーナ1の上部に設けられているフランジ43(後述する)をオイル受け部20の下方から挿通することが可能な大きさに設定されている。この参考例では、オイルストレーナ挿通孔20bを矩形としているが、これに限らず、例えば円形等であってもよい。
【0024】
バッフルプレート2の筒部21は、オイル受け部20の最も低い部分に設けられており、オイル受け部20の内面に開口して下方へ延びている。このオイル受け部20の内面に開口する開口部は、オイル受け部20で受けたリターンオイルをオイル受け部20よりも下方へ流下させるためのオイル流下口21aである。筒部21の下端部は、図1に示すように、オイルパンPの底壁部へ向かって延びている。図3にも示すように、筒部21の内部におけるオイル流下口21aよりも下方の領域は、オイル流下口21aに連通し、オイル流下口21a内のオイルをオイルストレーナ1のオイル吸入口53(後述する)に供給するための第1オイル供給通路21bである。第1オイル供給通路21bの下流端(下端部)は、オイルストレーナ1のオイル吸入口の近傍に位置している。
【0025】
バッフルプレート2は、エンジンのシリンダブロックに固定してもよいし、オイルパンPに固定してもよい。
【0026】
オイルストレーナ1は、フィルタ30と、フィルタ30を収容するケーシング40とを備えている。図4に示すように、ケーシング40は、全体として細長い筒状をなしており、長手方向一端部(図1における右側)がオイル流れ方向上流側であり、長手方向他端部(図1における左側)がオイル流れ方向下流側である。この参考例では、ケーシング40の上流側は、バッフルプレート2の筒部21近傍に位置し、ケーシング40の下流側は、バッフルプレート2のオイルストレーナ挿通孔20bに対応する部位に位置している。つまり、ケーシング40は、平面視におけるバッフルプレート2の中央部近傍から周縁側へ延びるように配置される。
【0027】
ケーシング40は、上下方向の中間部において上下に分割されており、ケーシング40の略上半部分を構成する上側部材41と、ケーシング40の略下半部分を構成する下側部材51とを有している。上側部材41及び下側部材51は、共に樹脂材を射出成形してなるものである。また、図1に示すように、ケーシング40は、全体としてオイル流れ方向上流側へ行くほど下に位置するように傾斜して延びている。
【0028】
図4に示すように、上側部材41は、オイル流れ方向に長い形状の上壁部41aと、上壁部41aの周縁部から下方へ延びる周壁部41bとを有している。周壁部41bの下縁部には、周壁部41bの外方へ突出するフランジ41cが形成されている。さらに周壁部41bのフランジ41cの下面には、図1に示すように、下側部材51に溶着される溶着用突条部41dが全周に亘って形成されている。
【0029】
上側部材41の上壁部41aのオイル流れ方向下流端部には、オイル流出孔42が形成されている。このオイル流出孔42は、エンジンが有するオイルポンプの吸入口(図示せず)に接続されるものであり、オイルストレーナ1をエンジンに取り付けた状態において平面視でオイルパンPの中央部よりも周壁部寄りに位置している。上側部材41の上壁部41aにおけるオイル流出孔42の周囲には、外方へ延出するフランジ43が形成されている。フランジ43は、平面視で上記バッフルプレート2のオイルストレーナ挿通孔20bよりも小さく形成されている。
【0030】
オイルストレーナ1のフランジ43には、該フランジ43をエンジンのシリンダブロック(図示せず)に締結するためのボルト等の締結部材(図示せず)が挿通する挿通孔43a,43aが形成されている。挿通孔43a,43aには、金属製のカラーS,Sがそれぞれ嵌入されている。また、フランジ43の上面には、オイル流出孔42が開口しており、この開口を囲むように環状に延びる溝43bが形成されている。溝43bには、Oリング等のシール材(図示せず)が嵌入するようになっている。
【0031】
図1に示すように、下側部材51は、オイル流れ方向に長い形状の下壁部51aと、下壁部51aの周縁部から上方へ延びる周壁部51bとを有している。周壁部51bの上縁部には、周壁部51bの外方へ突出するフランジ51cが形成されている。さらに周壁部51bのフランジ51cの上面には、上側部材41の溶着用突条部41dに溶着される溶着用突条部51dが全周に亘って形成されている。上側部材41の溶着用突条部41dと、下側部材51の溶着用突条部51dとは、例えば熱板溶着法や振動溶着法を用いて溶着することができる。
【0032】
下側部材51の下壁部51aにおけるオイル流れ方向上流側端部には、上流側筒部52が下方へ突出するように形成されている。上流側筒部52の内部はケーシング40の内部に連通している。この上流側筒部52の開口がオイル吸入口53となる。オイル吸入口53の下端部は、バッフルプレート2の筒部21に接近しており、オイルパンの底壁部近傍に位置するようになっている。筒部21の先端は、貯留されているオイルのレベル(図1に符号Lで示す)よりも下方に位置している。これはリターンオイルが流下したときに泡が立たないようにするためである。
【0033】
下側部材51の周壁部51bの内面には、フィルタ30の枠部31が嵌る段部56が形成されている。フィルタ30は、オイル流れ方向に長い形状の枠部31と、枠部31の内部に設けられるメッシュ部32とを備えている。枠部31は、樹脂からなり、メッシュ部32を囲む形状である。枠部31は、下側部材51の段部56に嵌った状態で、該枠部31の上端部が下側部材51の溶着用突条部51dと略同じ高さとなるように形成されている。枠部31の上端部は、上側部材41の溶着用突条部41dに溶着されるようになっている。メッシュ部32は略平坦に形成されており、オイルの不純物を捕捉するための多数の細孔を有している。
【0034】
尚、メッシュ部32は、例えば、樹脂からなるものであってもよいし、パンチングメタル等の金属網からなるものであってよい。
【0035】
次に、上記のように構成されたバッフルプレート構造体Aをエンジンに組み付ける場合について説明する。まず、バッフルプレート2をエンジンのシリンダブロックに締結部材(図示せず)等を用いて固定する。
【0036】
その後、オイルストレーナ1をバッフルプレート2の下方に配置してから、オイルストレーナ1のフランジ43をバッフルプレート2のオイルストレーナ挿通孔20bに挿通し、オイル流出孔42をオイルポンプの吸入口と一致させてフランジ43を締結部材によってシリンダブロックに締結する。このとき、締結部材は、バッフルプレート2のオイルストレーナ挿通孔20bから差し込むことができる。しかる後、オイルパンPをシリンダブロックに固定する。エンジンへの組み付け状態では、オイルストレーナ1のオイル吸入口53と、バッフルプレート2の筒部21の下端部とが近づいた状態となる。
【0037】
次に、参考例に係るバッフルプレート構造体Aの作用について説明する。冷間始動後、オイルパンP内のオイルは、オイルストレーナ1のオイル吸入口53からケーシング40の内部に吸入されてフィルタ30のメッシュ部32を通過し、このとき、オイルが濾過される。
【0038】
濾過されたオイルは、オイルストレーナ1のオイル流出孔42から流出してオイルポンプに吸入される。オイルポンプに吸入されたオイルはエンジンの各部に供給された後、リターンオイルとしてシリンダブロックの下面の各部から流下する。このとき、バッフルプレート2のオイル受け部20がシリンダブロックの下面を覆うように位置しているので、シリンダブロックの下面から流下したリターンオイルは、オイル受け部20で受けることができる。このオイル受け部20で受けたリターンオイルは、オイル受け部20の上面を低い側(オイル受け部20の中央部)へ向けて流れて集合する。そして、リターンオイルは、オイル流下口21aから筒部21内に流入し、第1オイル供給通路21bを流れてオイルストレーナ1のオイル吸入口53に供給される。従って、温度の上昇によって粘度の低下したリターンオイルがオイルストレーナ1のオイル吸入口53に集中的に流入することになり、このリターンオイルが再びエンジンの各部に供給されることになる。これにより、暖機時間が短縮される。
【0039】
以上説明したように、この参考例1に係るバッフルプレート構造体Aによれば、バッフルプレート2で受けたリターンオイルをオイルストレーナ1のオイル吸入口53に供給することができるので、暖機時間を短縮でき、省エネルギ化を図ることができる。
【0040】
また、オイルストレーナ1のケーシング40が細長い形状であるため、ケーシング40の内部をオイル流路として利用することができる。これにより、オイルパンP内のオイルをケーシング40によってオイルポンプの吸入口へ向けて案内しながら、濾過することができる。
【0041】
尚、ケーシング40は、細長い形状である方が好ましいが、細長い形状に限られるものではない。
【0042】
(実施形
図5は、本発明の実施形態に係るオイルストレーナ1を示し、図6は、実施形態に係るオイルストレーナ1及びバッフルプレート2の部分断面図を示している。
【0043】
上記参考例1では、リターンオイルをオイルストレーナ1のオイル吸入口53に供給するための第1オイル供給通路21bをバッフルプレート2にのみ設けたが、この実施形態では、オイルストレーナ1にも第1オイル供給通路57bを設けるようにした。以下、参考例1と異なる部分について詳細に説明する。
【0044】
すなわち、図5に示すように、オイルストレーナ1の下側部材51のオイル流れ方向上流側には、下側部材51の外方へ延出する延出板部55がフランジ51cに一体成形されている。図6に示すように、延出板部55におけるバッフルプレート2の筒部21に対応する部位には、下方へ突出する筒部57が設けられている。筒部57の内径は、オイルストレーナ1の上流側筒部52の内径よりも小さく設定されており、この筒部57の内部が第1オイル供給通路57bである。筒部57は、オイルストレーナ1の上流側筒部52の近傍に位置している。
【0045】
筒部57の上端部は、延出板部55の上面に開口しており、この開口部は、第1オイル供給通路57bの上端開口部57aとなっている。また、図5に示すように、筒部57の内面における上端開口部57a近傍には、段部57cが形成されている。この段部57cよりも上側の内径が下側よりも大きくなっている。
【0046】
一方、バッフルプレート2の筒部21の長さは参考例1のものよりも短く設定されている。バッフルプレート2の筒部21の下端部の外径は、オイルストレーナ1の筒部57の上端開口部57cよりも若干小さく設定されている。また、バッフルプレート2の筒部21の長さは、該筒部21の下端部がオイルストレーナ1の筒部57の上端開口部57aに挿入されて段部57cに当接するように設定されている。
【0047】
従って、オイルストレーナ1とバッフルプレート2とを一体化すると、バッフルプレート2の筒部21の下端部がオイルストレーナ1の筒部57の上端開口部57aに挿入されて、バッフルプレート2側の第1オイル供給通路21bとオイルストレーナ1側の第1オイル供給通路57bとが連通する。
【0048】
この実施形態によれば、バッフルプレート2のオイル受け部20で受けたリターンオイルは、オイル流下口21aから筒部21内に流入し、バッフルプレート2の第1オイル供給通路21bを流れた後、オイルストレーナ1の筒部57内に流入し、オイルストレーナ1の第1オイル供給通路57bを流れる。この第1オイル供給通路57bはオイルストレーナ1のオイル吸入口53近傍に開口しているので、第1オイル供給通路57bからオイルパンP内に流入したリターンオイルはオイルストレーナ1のオイル吸入口53に供給されることになる。従って、温度の上昇によって粘度の低下したリターンオイルがオイルストレーナ1のオイル吸入口53に集中的に流入することになるので、暖機時間を短縮でき、省エネルギ化を図ることができる。
【0049】
また、図7に示す参考例2のように、オイルストレーナ1のオイル流れ方向上流側に2枚の板部58,58を設け、これら板部58,58の間の部分を第1オイル供給通路58aとしてもよい。この参考例2では、板部58,58が共に上下方向に延びており、かつ、互いにケーシング40の幅方向に間隔をあけて略平行となっている。板部58,58の上側はケーシング40の下側部材51に一体成形され、板部58,58の下側は筒部52に一体成形されている。板部58,58の下端部は、オイルストレーナ1の筒部52の下端部近傍に達している。また、板部58,58は、上側へ行くほどケーシング40からの突出量が多くなっている。板部58,58の間の直上方に、バッフルプレート2の筒部21が位置している。
【0050】
また、オイルストレーナ1の下側部材51からオイル流れ方向上流側へ延出する延出板部59が、上記板部58,58の上に位置するように設けられている。この延出板部59には、板部58,58の直上方に位置するように貫通孔59aが形成されている。
【0051】
従って、この参考例2によれば、バッフルプレート2の第1オイル供給通路21bを流れたリターンオイルは、オイルストレーナ1の延出板部59の貫通孔59aを通って板部58,58の間に流入し、これら板部58,58間の第1オイル供給通路58aを流れることになる。この第1オイル供給通路58aの下流端はオイルストレーナ1のオイル吸入口53近傍に位置しているので、リターンオイルは第1オイル供給通路58aを通ってオイルストレーナ1のオイル吸入口53に供給されることになる。
【0052】
また、図8に示す参考例3のように、参考例2の延出板部59を省略してもよい。この参考例3によれば、バッフルプレート2の第1オイル供給通路21bを流れたリターンオイルは、オイルストレーナ1の板部58,58の間に流入し、これら板部58,58間の第1オイル供給通路58aを流れる。
【0053】
(実施形態
図9は、実施形態に係るバッフルプレート構造体Aの断面図である。実施形態は、バッフルプレート2をオイルストレーナ1に一体成形している点で参考例1のものと異なっている。以下、参考例1と異なる部分について詳細に説明する。
【0054】
オイルストレーナ1のケーシング40は、上下方向の略中央部において2分割され、下方に開放する半割状の上側部材(第1半割体)23と、上方に開放する半割状の下側部材(第2半割体)70とを組み合わせて構成されている。上側部材23のオイル流れ方向下流側には、オイル流出孔42が形成されている。また、オイル流出孔42の周囲には、オイル流出孔42の開口を囲むように環状に延びる溝23bが形成されている。さらに、図10に示すように、上側部材23には、カラーSが嵌入するとともに締結部材(図示せず)が挿通する挿通孔23a,23aが形成されている。
【0055】
バッフルプレート2は、上側部材23に一体成形されている。バッフルプレート2のオイル受け部20は、上側部材23の開放側の周縁部から延びている。オイル受け部20には、ケーシング40のオイル流れ方向上流側を囲むように凹部20cが形成されている。凹部20cの底面には、ケーシング40のオイル流れ方向上流側近傍に、オイル流下口27が形成されている。また、凹部20cの底面には、オイル流下口27の近傍に貫通孔28が形成されている。さらに、オイル受け部20には、凹部20cの周縁部に後述するオイル通路切替器(オイル通路切替手段)80を固定するための固定孔29が形成されている。
【0056】
図9図12に示すように、オイルストレーナ1の下側部材70は、ケーシング40を構成するように下方へ膨出する膨出部71を有している。膨出部71の周縁部には、上側部材23の下面における下方への開放部分の周縁部に溶着される溶着フランジ71aが形成されている。膨出部71のオイル流れ方向上流側には、上流側筒部72が形成されている。この上流側筒部72の開口がオイル吸入口73となる。また、下側部材70の内面には、フィルタ30の枠部31が嵌る段部76が形成されている。
【0057】
下側部材70のオイル流れ方向上流側には、実施形態1のように筒部57が形成されており、この筒部57の内部が第1オイル供給通路57bとなっている。また、図11図13に示すように、下側部材70の筒部57よりも外側には、オイル受け部20で受けたリターンオイルを、第1オイル供給通路57bによるオイル吸入口73への供給部位よりも離れた部位に供給するための第2オイル供給通路60が形成されている。
【0058】
第2オイル供給通路60は、下側部材70のオイル流れ方向上流側の形状に沿ってオイル流れ方向下流側に向けて開放した略U字を描くように湾曲して延びている。第2オイル供給通路60は、筒部57の上端開口部57a近傍が最も高く、そこから離れて下側部材70のオイル流れ方向下流側へ行くほど下に位置するように下降傾斜して延びている。平面視において、第2オイル供給通路60の両端部と、オイル吸入口73との離間距離は、第1オイル供給通路57bの下流端と、オイル吸入口73との離間距離よりも長く設定されている。つまり、第2オイル供給通路60の両端部は、オイル吸入口73に対して第1オイル供給通路57bの下流端よりも離れている。
【0059】
また、第2オイル供給通路60の下流端を閉鎖して、該通路の底面となる面にオイル流出用の筒部が設けられていてもよい。この筒部の先端は貯留オイルのレベルよりも下方に位置しており、これにより、リターンオイルが流下したときに泡が立たないようになる。
【0060】
図10に示すオイル通路切替器80は、線膨張係数の異なる2種類の金属板を接合して構成されたバイメタル板を屈曲形成してなるものであり、オイル受け部20で受けたリターンオイルの温度が所定以下である場合にリターンオイルを第1オイル供給通路57bに流す一方、所定よりも高い場合に第2オイル供給通路60に流すためのものである。
【0061】
具体的には、オイル通路切替器80は、オイル受け部20に固定される固定板部81と、リターンオイルの温度変化によって変形して湾曲する変形部82と、閉塞部83とを備えている。固定板部81には、ビスBの挿通孔81aが形成されており、この挿通孔81aに挿通したビスBをオイル受け部20の固定孔29にねじ込むことでオイル通路切替器80をバッフルプレート2に固定することができるようになっている。閉塞部83は上下に延びる筒状に形成されている。図9に示すように、閉塞部83の下端部は、オイル受け部20の凹部20cの底面に接触するようになっている。閉塞部83は、変形部82の変形によって図14に示す矢印Y方向に変位するようになっている。変形部82の変形量は金属の種類や肉厚等によって設定することができ、この実施形態では、リターンオイルの温度が例えば40℃以下の場合(冷間時の場合)には、閉塞部83が図14に示すように位置して閉塞部83により貫通孔28を閉塞してオイル流下口27を開放し、一方、リターンオイルの温度が例えば40℃よりも高い場合(暖機完了の場合:例えば80℃以上)には、閉塞部83が図15に示すように位置して閉塞部83によりオイル流下口27を閉塞し、貫通孔28を開放する。
【0062】
この実施形態に係るバッフルプレート構造体Aによれば、上側部材23と下側部材70とが組み合わされた状態で、第1オイル供給通路57bとオイル流下口27とが連通する。よって、組み付け作業性を向上させることができる。
【0063】
そして、図14に示す冷間時にはオイル通路切替器80が貫通孔28を閉塞してオイル流下口27を開放しているので、バッフルプレート2のオイル受け部20で受けたリターンオイルは、オイル流下口27からオイルストレーナ1の筒部57内に流入し、第1オイル供給通路57bを流れる。この第1オイル供給通路57bはオイルストレーナ1のオイル吸入口73近傍に開口しているので、第1オイル供給通路57bからオイルパンP内に流入したリターンオイルはオイルストレーナ1のオイル吸入口73に供給されることになる。従って、温度の上昇によって粘度の低下したリターンオイルがオイルストレーナ1のオイル吸入口73に集中的に流入することになるので、暖機時間を短縮でき、省エネルギ化を図ることができる。
【0064】
また、暖機が完了してリターンオイルの温度が上昇すると、図15に示すオイル通路切替器80がオイル流下口27を閉塞し、貫通孔28を開放するので、バッフルプレート2のオイル受け部20で受けたリターンオイルは、貫通孔28から第2オイル供給通路60に流入し、第2オイル供給通路60を流れる。この第2オイル供給通路60の端部は、平面視でオイルストレーナ1のオイル吸入口73から離れたところに位置しているので、高温のリターンオイルがオイル吸入口73から離れたところに供給されることになる。これにより、一部のオイルのみが高温になることに起因するオイルの劣化を抑制できる。
【0065】
また、第2オイル供給通路60をオイルストレーナ1に一体成形したので、部品点数を削減することができ、コストを低減できる。
【0066】
また、バッフルプレート2は、オイルストレーナ1の下側部材70に一体成形してもよい。
【0067】
また、図16図18に示す参考例4のように、オイル通路切替器80を設けるものにおいて、オイルストレーナ1とバッフルプレート2とを別体に成形し、後から組み合わせるようにしてもよい。このものでは、バッフルプレート2に略矩形の凹部20dを形成し、この凹部20dの底面にオイル流下口27及び貫通孔28を形成している。
【0068】
また、参考例4において、オイル通路切替器80をバイメタルで構成しているが、これに限らず、アクチュエータや温度センサを設けてオイル流下口27及び貫通孔28を開閉するようにしてもよい。
【0069】
また、上記各実施形態では、ケーシング40が略真っ直ぐに延びる形状であるが、これに限らず、ケーシング40は湾曲して延びる形状であってもよい
【0070】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上説明したように、本発明に係るバッフルプレート構造体は、例えば、エンジンのオイルパンの内部に設けることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 オイルストレーナ
2 バッフルプレート
21a オイル流下口
23 上側部材(第1半割体)
27 オイル流下口
30 フィルタ
40 ケーシング
41 上側部材
51 下側部材
53 オイル吸入口
57b 第1オイル供給通路
60 第2オイル供給通路
70 下側部材(第2半割体)
73 オイル吸入口
80 オイル通路切替器(オイル通路切替手段)
A バッフルプレート構造体
P オイルパン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図18