(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976680
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】家庭用、ケータリング、または小売部門で用いることができる冷蔵装置のためのケーシング、および、そのケーシングを有する冷蔵装置
(51)【国際特許分類】
F25D 23/06 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
F25D23/06 B
F25D23/06 C
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-552127(P2013-552127)
(86)(22)【出願日】2012年1月25日
(65)【公表番号】特表2014-506987(P2014-506987A)
(43)【公表日】2014年3月20日
(86)【国際出願番号】EP2012000321
(87)【国際公開番号】WO2012104030
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2014年2月4日
(31)【優先権主張番号】11450016.8
(32)【優先日】2011年2月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510221733
【氏名又は名称】レッド・ブル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】RED BULL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエンドル,ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,エイク
(72)【発明者】
【氏名】ボクト,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】マドセン,ペダー
(72)【発明者】
【氏名】トンダー,ケネス
【審査官】
横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−130542(JP,A)
【文献】
実開昭60−167994(JP,U)
【文献】
実公昭46−012261(JP,Y1)
【文献】
実公昭45−022919(JP,Y1)
【文献】
特表2012−504741(JP,A)
【文献】
実公昭44−026069(JP,Y1)
【文献】
特開2006−162140(JP,A)
【文献】
特開2000−146422(JP,A)
【文献】
実公昭46−016053(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの側方壁(5,6)と、頂部壁(4)と、後方壁(7)とを有する、家庭用、ケータリング、または小売部門で用いることができる冷蔵装置のためのケーシングであって、前記冷蔵装置(1)の前記側方壁(5,6)を覆うための2つの側方ケーシング要素(9,10)と、前記冷蔵装置(1)の前記頂部壁(4)を覆うための頂部ケーシング要素(8)と、前記冷蔵装置の前記後方壁(7)を覆うための後方ケーシング要素(11)とを備え、前記側方ケーシング要素(9,10)および前記頂部ケーシング要素(8)は各々、前記側方壁(5,6)の前方端縁(22)および前記頂部壁(4)の前方端縁(15)の周りとそれぞれ係合するための角度付けられた前方端縁セクション(13,19)を有し、前記側方ケーシング要素(9,10)の各々には、角度付けられた前方端縁セクション(19)と対向する後方端縁に設けられた保持プロファイル(21)を有し、前記後方ケーシング要素(11)の両側の側方端縁セクション(35)はそれぞれ前記保持プロファイル(21)の中に保持され、
前記保持プロファイル(21)は、前記後方ケーシング要素(11)の前記側方端縁セクション(35)を受けるための受け入れスロット(34)を有する、ケーシング。
【請求項2】
前記後方ケーシング要素(11)は、前記側方ケーシング要素(9,10)の平面に対して垂直な方向に引出されないように前記保持プロファイル(21)の中に固着されることを特徴とする、請求項1に記載のケーシング。
【請求項3】
前記後方ケーシング要素(11)の2つの対向する前記側方端縁セクション(35)は、前記頂部ケーシング要素(8)の平面に対して垂直な方向に前記保持プロファイル(21)の中に挿入可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載のケーシング。
【請求項4】
前記保持プロファイル(21)の前記受け入れスロット(34)は、L字状断面を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項5】
前記保持プロファイル(21)は各々、前記側方壁(5,6)の後方端縁の周りに係合するための、前記側方ケーシング要素(9,10)の平面から突出する止め表面(33)を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項6】
前記側方ケーシング要素(9,10)および前記頂部ケーシング要素(8)の角度付けられた前方端縁セクション(13,19)は各々、前記冷蔵装置(1)の溝(27)、窪み、または凹部と係合するための、突出する保持要素(25)を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項7】
前記保持要素(25)はレール形状を有する、請求項6に記載のケーシング。
【請求項8】
前記頂部ケーシング要素(8)は、前記頂部壁(4)の後方端縁(18)の周りに係合するための角度付けられた後方端縁セクション(16)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項9】
前記側方ケーシング要素(9,10)は、前記側方壁(5,6)の頂部端縁(23)の周りに係合するための角度付けられた頂部端縁セクション(20)を有し、角度付けられた前記頂部端縁セクション(20)は、角度付けられた前記前方端縁セクション(19)に面するその端に角度付けられた端セクション(24)を有するように形成されて、装置の角の周りに係合する区域を形成することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項10】
前記頂部ケーシング要素(8)の角度付けられた前記前方端縁セクション(13)は、前記ケーシング要素(8)の幅方向の伸長よりも短くなるように形成されることを特徴とする、請求項9に記載のケーシング。
【請求項11】
前記冷蔵装置(1)の扉(3)を覆うための前方ケーシング要素(12)がさらに設けられることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項12】
前記前方ケーシング要素(12)は、その端縁の各々に角度付けられた端縁セクション(39)を有することを特徴とする、請求項11に記載のケーシング。
【請求項13】
前記前方ケーシング要素(12)の少なくとも1つの端縁セクション(39)は、前記冷蔵装置の扉(3)の裏で係合する少なくとも1つの弾性クリック止め要素(41)を有することを特徴とする、請求項11または12に記載のケーシング。
【請求項14】
前記頂部ケーシング要素(8)、前記2つの側方ケーシング要素(9,10)、および前記後方ケーシング要素(11)は、各々、金属シートまたは板状プラスチック部品によって形成されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項15】
前記頂部ケーシング要素(8)、前記2つの側方ケーシング要素(9,10)、前記後方ケーシング要素(11)、および前記前方ケーシング要素(12)は、各々、金属シートまたは板状プラスチック部品によって形成されることを特徴とする、請求項11から13のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項16】
前記後方ケーシング要素(11)は通気孔(37)を有することを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項17】
前記側方ケーシング要素(9,10)および前記頂部ケーシング要素(8)の各々を覆うように、装飾カバーが取り付けられていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項18】
前記装飾カバーは板によって形成されることを特徴とする、請求項17に記載のケーシング。
【請求項19】
前記頂部ケーシング要素(8)の前記装飾カバーと、前記2つの側方ケーシング要素(9,10)の各々の前記装飾カバーとは、前記ケーシングが組立てられた状態で互いに隣接することを特徴とする、請求項17または18に記載のケーシング。
【請求項20】
前記側方ケーシング要素(9,10)、前記頂部ケーシング要素(8)、および前記後方ケーシング要素(11)は、ねじ、リベットなどを用いなくても結び付いていることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載のケーシング。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載のケーシングを有する、家庭用、ケータリング、または小売部門で用いることができる、冷蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、2つの側方壁、頂部壁、および後方壁を有する、家庭用、ケータリング、または小売部門で用いることができる装置、特に冷蔵装置のためのケーシングに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用、ケータリング、または小売部門で用いることができる装置、特に冷蔵装置のためのケーシングはさまざまな設計で知られている。たとえば、フレーム、またはパネル用に特に設けられた同様の保持装置の中に挿入可能なもしくはその上にクリップ留め可能なパネルが知られている。このことは、好適なフレームまたは保持装置をそれぞれの装置に具備しなければならないことを意味する。さらに、側方壁の上または装置の扉上にねじ留め可能なケーシング要素が知られている。しかしながら、これには、装置がこの目的のために好適なねじ山を備えたボアを有しなければならず、そのようなパネルの組立および解体を工具なしでは行なえず、そのためにパネルの組立、解体、または取換えに必要な労力および特に時間が大きくなってしまうという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さらに、装置に装飾または飾り付けを施すために、適切な刷り込み(Aufdruck/imprint)を施され、かつ装置の壁または扉の上に貼り付けることができる粘着フィルムが提案されている。これは、単純なやり方で装置に視覚的効果を生じさせることができるが、そのような粘着フィルムを剥がすまたは取換えることは困難である。さらに、粘着フィルムは装置に起伏面(liefoberflache/relief surface)などを設けることを許さない。
【0004】
DE102005002147A1から、本体と本体に対して定位置に置かれる扉とを有する直立型冷蔵装置のための筺体が公知であり、本体は、断熱された内部空間を取囲み、開いた前面部および前面部の角に配置されて扉の蝶番を担持する締結装置を有する自立内部本体と、当該内部本体に締結される外側ケーシングとを備える。ここで、外側ケーシングも蝶番を担持する締結装置に締結しなければならない。そのような直立型冷蔵装置は、製造の際の注意という観点でより低い基準を受入れる必要性なく、最適化された組立プロセスを可能にするものである。
【0005】
したがって、本発明は、単純なやり方でかつほとんど時間をかけずに装置に着脱可能な、家庭用またはケータリング部門の装置、特に冷蔵装置、のためのケーシングを提供することを目的とする。その着脱は好ましくは、訓練されていない人員を使えるように、工具なしで可能でなくてはならない。それにも拘わらず、堅固な構造および堅固な外観を達成するために、ケーシングは装置にしっかりと接続可能でなくてはならない。特に、ケーシングは、たとえば、変化するインテリア設計に容易に適合する目的のために、装置の外観を変更することが必要とされ得るケータリング部門の装置に好適でなければならない。したがって、傷みの兆候がなくてもケーシングを数回取換えることも可能でなければならない。さらに、ケータリング部門では、関係の装置には、たとえば表面レリーフを含むケーシングを取換えることによって最も多様な外観を与えることが望ましいが、これも本発明によって可能にされなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、発明は、実質的に、ケーシングが、装置の側方壁を覆うための2つの側方ケーシング要素と、装置の頂部壁を覆うための頂部ケーシング要素と、装置の後方壁を覆うための後方ケーシング要素とを備えるようにする。側方ケーシング要素および頂部ケーシング要素は各々、側方壁の前方端縁および頂部壁の前方端縁の周りをそれぞれ係合するための角度付けられた前方端縁セクションを有し、側方ケーシング要素は各々、角度付けられた前方端縁セクションと対向する面に保持プロファイルを担持し、後方ケーシング要素は当該保持プロファイルの中に維持される。このように、発明は1組のケーシング要素を設け、これにより、任意の立方形の家庭用またはケータリング部門の装置の目に見える面を単純なやり方でケースに入れることができる。そのような装置の扉をケースに入れるためには、別個のケーシング要素を設けることが好ましい。
【0007】
装置の壁へのケーシング要素の締結は、確実な嵌合接続によってのみ実質的に行なわれる。すなわち、これにより、側方ケーシング要素と頂部ケーシング要素とがそれらのそれぞれの端縁セクションで装置の前方端縁の周りを係合し、後方ケーシング要素は側方要素をともに維持して、前面および背面の両方で装置をしっかりと包み込む全体的な連続構造を作り出すようにする。このように、ねじ、リベット、爪、クランプ、ボルト、スナップ取付式またはクリック止め要素などの付加的な接続要素は基本的に不要である。しかしながら、そのような付加的な接続要素の取付は、たとえばそれが非常に重いケーシング要素の安定性を増すために必要と思われる場合には、排除されない。さらに、発明に従う設計の主な利点は、装置にフレームまたは保持装置を具備する必要がないことである。このように、装置は、ケーシング要素なしですら、美的欠点全くなしに、容易に用いることができる。
【0008】
発明に従って設けられる保持プロファイルは、装置の後方壁に割当られる位置に後方ケーシング要素を維持することを可能にするだけでなく、2つの側方ケーシング要素が互いから規定された距離で固定されるのを可能にする。
【0009】
同時に、保持プロファイルは、適切に設計した場合、必要に応じて後方ケーシング要素を装置の後方壁から離間させることができるという利点を有し、これは、冷蔵装置の場合に通常は熱交換要素が後方壁に締結されることを考慮すると、たとえば空気の循環を容易にするのに有利である。後方ケーシング要素には通気孔も設けることができる。
【0010】
これは好ましい発展例に対応するが、保持プロファイルが各々側方壁の後方端縁の周りを係合するために側方ケーシング要素の平面から突出する止め表面(Anschlagflache/stop surface)を有する場合、装置は前面および背面の両方でケーシングによってしっかりと囲まれるであろう。
【0011】
これは好ましい実施形態に対応するが、後方ケーシング要素が側方ケーシング要素の平面に対して垂直な方向に引き出されないように保持プロファイルの中に固着されれば、側方ケーシング要素が離れてしまうことが単純なやり方で防止される。後方ケーシング要素は、後方ケーシング要素の2つの対向する側方端縁セクションを頂部ケーシング要素の平面に対して垂直な方向に保持プロファイルの中に挿入可能にすることにより、特に単純な構造的やり方で、離れてしまうことが防止され得る。挿入は好ましくは、保持プロファイルが後方ケーシング要素の適切に角度付けられた側方端縁セクションを受けるためにL字状断面を有する受入れスロットを有するようにすることによって達成可能である。
【0012】
装置の前面への側方および頂部ケーシング要素の締結を向上させるため、別の好ましい発展例に従うと、側方ケーシング要素および頂部ケーシング要素の角度付けられた前方端縁セクションは各々、装置の溝、窪み、または凹部と係合するための、突出する、特にレール形状の保持要素を有するようにされる。
【0013】
基本的に、頂部ケーシング要素は、重力によってひとりでに装置の頂部壁から容易に外れることはあり得ない。しかしながら、たとえば装置を運搬する際に、頂部ケーシング要素が外部からの影響のためにずれることがあることを排除できない。頂部ケーシング要素のより良好な締結および特に装置の後方面上への確実な嵌合の達成も、別の好ましい実施形態に従うと、頂部ケーシング要素が頂部壁の後方端縁の周りを係合するための角度付けられた後方端縁セクションを有すれば、達成される。
【0014】
側方ケーシング要素と頂部ケーシング要素とが装置の頂部壁と2つの側方壁の各々との間に形成される端縁で遭遇すれば、結果的に外観が不利になることがあり、特に端縁が尖ったケーシング要素の場合には怪我の危険性すらあり得る。ケーシング要素がちょうど端縁で遭遇するのを回避するため、好ましいさらなる発展例は、側方ケーシング要素が側方壁の頂部端縁の周りを係合するための角度付けられた頂部端縁セクションを有し、角度付けられた頂部端縁セクションは、角度付けられた前方端縁セクションに面するその端に角度付けられた端セクションを有するように形成されて、装置の角の周りを係合する区域を形成するようにする。このように、側方ケーシング要素は装置の側方壁だけでなく、その角度付けられた頂部端縁セクションを有する頂部壁のセクションも覆う。ここで、頂部ケーシング要素をややより狭く形成することができ、これにより頂部ケーシング要素は、側方ケーシング要素の角度付けられた頂部端縁セクションと端縁同士を当接させて(Stos und Stos/edge to edge)静止するようになる。これに代えて、側方ケーシング要素の角度付けられた頂部端縁セクションに重なるように頂部ケーシング要素を配置することができ、これにより、いずれの場合も、製造公差によるケーシング要素同士の間の空隙を回避する。頂部ケーシング要素が側方ケーシング要素の角度付けられた頂部端縁セクション上方の重なり区域の中に位置するように、当該重なりを配置することができる。これとは逆に、側方ケーシング要素の角度付けられた頂部端縁セクションが頂部ケーシング要素上方の重なり区域の中に位置することも可能であり、これは、頂部ケーシング要素が外れないようにこのように固着されるという利点を有する。重なりの場合、実施形態は好ましくはさらに発展される。すなわち、頂部ケーシング要素の角度付けられた前方端縁セクションが側方端縁セクションの角度付けられた前方端縁セクションと重なって、装置の前面で望ましくない厚みの増大が発生して、装置の扉が密封を形成するのを妨げ得るのを回避するように、頂部ケーシング要素の角度付けられた前方端縁セクションは、当該ケーシング要素の幅方向の伸長よりも短くなるように形成される。
【0015】
既に言及したように、装置の扉は好ましくは別個の前方ケーシング要素を有する。装置の扉への特に安定した締結は、有利には、装置の扉のすべての前方端縁の周りが係合されるように前方ケーシング要素がその端縁の各々に角度付けられた端縁セクションを有するようにすることによって達成される。別の好ましい実施形態に従うと、締結のさらなる向上は、前方ケーシング要素の少なくとも1つの端縁セクションが装置の扉の裏で係合する少なくとも1つの弾性クリック止め要素を有すれば達成される。弾性クリック止め要素に代えて、角度付けられた端縁セクションのうち少なくとも1つがピンなどを受けるためのアパーチャを有し、ピンが扉の対応の開口の中に締結されるようにすることも可能である。
【0016】
最も単純な設計変形例では、ケーシング要素は好ましくは、金属シートによって、または軽量かつ取扱いが容易な構造を得るように板状プラスチック部品によって形成可能である。当該金属シートまたは板状プラスチック部品はいずれもそれ自体、装置の所望の局面を決める外観を与えることができ、この目的のために、金属シートは、外側に好適なコーティング、クロムめっき、塗装などを有するか、または他の別個のケーシングおよび装飾要素の取付のための基体となることができる。後者の場合、側方ケーシング要素、頂部ケーシング要素、および適切な場合は前方ケーシング要素
の各々を覆うように、装飾カバー
が取り付けられる。装飾カバーはたとえば板で形成可能である。特に、木材状の見かけを達成するための、たとえば木材ベニヤ板などの木板、織物または皮カバーを有する板、ガラス板、
コンクリート層もしくはコンクリート状層を有するまたはそれからなる板が考えられる。装飾カバーは任意の手段で金属シートに接続可能であり、たとえば、その上に貼り付けられる、クリップ留めされる、クランプ留めされる、ねじ留めされる、またはリベットで留められる。
【0017】
図面に概略的に図示する例示的な実施形態を参照して発明を以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】頂部ケーシング要素の取付後の冷蔵装置を示す図である。
【
図7】冷蔵装置への側方ケーシング要素の締結の詳細図である。
【
図8】側方ケーシング要素の取付後の冷蔵装置を示す図である。
【
図10】後方ケーシング要素の取付を示す図である。
【
図11】後方ケーシング要素の取付後の冷蔵装置を示す図である。
【
図12】装置の扉上への前方ケーシング要素の取付を示す図である。
【
図13】装置の扉上への前方ケーシング要素の取付を示す図である。
【
図17】すべてのケーシング要素の取付後の冷蔵装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は冷蔵装置1を示し、その冷却可能内部空間2には、装置の回動可能な扉3を通してアクセス可能である。冷蔵装置は、頂部壁4と、2つの側方壁5および6と、後方壁7とを有する。冷蔵装置1の寸法は原則的に自由に選ぶことができる。特に、装置は、ケータリング部門で用いるための冷蔵庫である。というのも、これは通常、飲料、特に飲料缶を入れるのに、かつバーカウンタなどの上に設置するのに好適だからである。
【0020】
本例示的実施形態では、冷蔵装置のケーシングは、頂部ケーシング要素8と、2つの側方ケーシング要素9および10と、後方ケーシング要素11と、前方ケーシング要素12とからなる。
図2および
図3は、まず頂部ケーシング要素8をどのように冷蔵装置1に取付けるかを図示する。頂部ケーシング要素8は、冷蔵装置の前方端縁15の周りを係合することができる角度付けられた前方端縁セクション13を有する。前方端縁セクション13は、そのレール形状の保持要素によって、冷蔵装置の前面に形成される長形の空隙の中に挿入される。なお、その機能は、
図7の側方ケーシング要素の均等の設計を参照して以下により詳細に説明する。そうすると、これは矢印17に従って頂部壁4上へと回動され、これにより頂部ケーシング要素の角度付けられた後方端縁セクション16が頂部壁4の後方端縁18の周りを係合し、
図4に図示する状態を達成する。
図2からは、角度付けられた前方端縁セクション13が装置の扉3の蝶番のための2つのスロット状凹部14を有することも明らかである。装置の扉3を右開きまたは左開きに装着するかに依存して、蝶番を左または右凹部14の中に挿入する。
【0021】
同様のやり方で、2つの側方ケーシング要素9および10を組立てる。ここでも、側方ケーシング要素9および10は各々、前方端縁22の周りを係合するための角度付けられた前方端縁セクション19と、頂部端縁23の周りを係合するための角度付けられた頂部端縁セクション20とを有する。当該角度付けられた頂部端縁セクションは、角度付けられた前方端縁セクション19と同じ平面に位置する角度付けられた端セクション24を有し、これとともに角を形成する。角度付けられた前方端縁セクション19および端セクション24を冷蔵装置の前面に締結するために、それらは各々突出する保持要素25および26を有し、これはここでもある角度だけ形成され、冷蔵装置1の筺体部28と内側の裏当て29との間に形成される空隙27の中に挿入される。
【0022】
図8は、側方ケーシング要素9および10の取付後の状態を示す。ここで、角度付けられた頂部端縁セクション20が頂部ケーシング要素8に重なるため、これは外れないように固着される。しかしながら、原則的に、側方ケーシング要素9および10をまず組立て、そうしてからのみ頂部ケーシング要素8を組立てることも可能であろう。しかしながら、この場合、頂部ケーシング要素は、付加的な手段なしでは、外れないように固着されないであろう。
【0023】
図9に従う詳細図から、側方ケーシング要素9
に保持プロファイル21
が取付けられることが明らかである。側方ケーシング要素9へのその接続のため、保持プロファイル21は、側方ケーシング要素9の二つ折れ端セクション31が挿入されるL字状スロット30を有する。さらに、その区域32とともに、保持プロファイル21は、側方ケーシング要素9の平面から突出する止め表面33を有し、これにより、これは冷蔵装置1の後方壁7に対して静止し、これにより側方ケーシング要素9は、前面で、すなわち角度付けられた前方端縁セクション19によって、および背面で、すなわち保持プロファイル21によって、その両方で冷蔵装置1を包み込む。
【0024】
後方ケーシング要素11を締結するため、保持プロファイル21は、スロット30に対して対称に形成されるさらなるL字状受入れスロット34を有する。受入れスロット34は、後方ケーシング要素11の角度付けられた端縁セクション35を受けるように働き、2つの端縁セクション35は、
図10に示すように、矢印36の方向に上から保持プロファイル21の中に挿入される。当該受入れスロット34は、空隙が後方壁7と後方ケーシング要素11との間に残り、これにより空気の循環が可能となるように配置される。通気孔は37で参照される。後方ケーシング要素11の水平方向に角度付けられたセクション38も通気孔を有する。
図11からわかるように、セクション38は頂部ケーシング要素8と同一平面上にある。
【0025】
前方ケーシング要素12の取付を
図12および
図13に図示する。前方ケーシング要素12はフレーム状に形成され、装置の扉3の端縁の周りを係合する、すべての4辺上に角度付けられた端縁セクション39を有する。まず前方ケーシング要素12を扉3の頂部端縁の上に載せ、次に矢印40に従って装置の扉3の上へと回動して、
図15に図示するように完全にケースに入った冷蔵装置1を得る。
図14に従う詳細図から、前方ケーシング要素12の頂部端縁セクション39が、装置の扉3の内側に設けたスロットの中に挿入可能な少なくとも1つのL字状の肩部41を有することが明らかである。当該スロットは、43で参照される扉フレームと周方向封止体42を担持する扉3の内側ケーシング42との間に位置する。スロット中へのL字状の肩部41の1本の脚の挿入を容易にするため、肩部41は弾性に形成される。組立てた状態を
図15に図示する。
【0026】
図16から明らかなように、ケーシング要素12の下側端縁セクション39は、組立てた状態で装置の扉3の凹部45と整列する2つのアパーチャ44を有する。ここで、ケーシング要素12の組立は、ケーシング要素12が扉3に固定されるように、アパーチャ44および凹部45の中にピン46を挿入することを備える。
【0027】
ケーシング要素の組立の上記説明から、工具を用いずに組立が可能であることが明らかである。
【0028】
以上の説明、請求項、および図面に開示するような発明の特徴は、個別におよび任意の可能な組合せの両者で、その異なる実施形態での発明の実現に必須であり得る。