特許第5976688号(P5976688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976688
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】架橋されたポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/58 20060101AFI20160817BHJP
   C08F 220/56 20060101ALI20160817BHJP
   C08F 220/28 20060101ALI20160817BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20160817BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 31/375 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 31/60 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 31/201 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/00 20060101ALI20160817BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 31/02 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   C08F220/58
   C08F220/56
   C08F220/28
   A61Q17/04
   A61Q17/00
   A61K31/375
   A61K31/60
   A61K31/19
   A61K31/192
   A61K31/201
   A61P31/04
   A61K45/00
   A61P17/00 101
   A61P17/16
   A61K9/107
   A61K9/08
   A61K9/06
   A61K47/32
   A61K47/10
   A61K47/12
   A61K8/81
   A61K8/00
   A61Q19/00
   A61K47/22
   A61K8/67
   A61K8/365
   A61K8/06
   A61P31/02
【請求項の数】18
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2013-556999(P2013-556999)
(86)(22)【出願日】2012年3月3日
(65)【公表番号】特表2014-508835(P2014-508835A)
(43)【公表日】2014年4月10日
(86)【国際出願番号】EP2012000969
(87)【国際公開番号】WO2012119747
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2015年1月22日
(31)【優先権主張番号】102011013342.9
(32)【優先日】2011年3月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398056207
【氏名又は名称】クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】クルック・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー・ディルク
(72)【発明者】
【氏名】リントナー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ミュッケンハイム・ヴィーブケ
(72)【発明者】
【氏名】ブラシュ・ビーアンカ
(72)【発明者】
【氏名】ホルヌング・ミヒャエル
【審査官】 赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/108634(WO,A1)
【文献】 特開平10−067616(JP,A)
【文献】 特開平10−067640(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/108875(WO,A1)
【文献】 特表2001−524557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 33/00− 35/08
C08F 20/00− 22/40
C08F 120/00−122/40
C08F 220/00−222/40
C08K 3/00− 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性または水膨潤性のポリマーであって、それの繰り返し構造単位が、
a)次式(1)の一種または二種以上の互いに独立した繰り返し構造単位90.0〜99.99モル%、
【化1】
[式中、
は、水素、メチルまたはエチルを意味し、
Aは、線状もしくは分枝状C−C12−アルキレンを意味し、そして
は、H、NH、有機アンモニウムイオン[HNR(式中、R、R及びRは、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜22の線状もしくは分枝状アルキル基、炭素原子数2〜22の線状もしくは分枝状でモノ不飽和もしくはポリ不飽和のアルケニル基、C−C22−アルキルアミドプロピル基、炭素原子数2〜10の線状モノ−ヒドロキシアルキル基または炭素原子数3〜10の線状もしくは分枝状ジ−ヒドロキシアルキル基であることができ、この際、R、R及びR基のうちの少なくとも一つは水素ではない)、アルカリ金属、1/2アルカリ土類金属++、1/2Zn++または1/3Al+++、あるいはこれらのイオンの混合物を表す]
及び
b)次式(2)の一種または二種以上の互いに独立した繰り返し架橋性構造単位0.01〜10.0モル%、
【化2】
[式中、
は、水素、メチル、エチル、メチロールまたはエチロールを意味し、
2a、R2b及びR2cは、それぞれ互いに独立して、水素、メチルまたはエチルを意味し、
Xは、化学結合、メチレン、エチレンまたは炭素原子数3の線状もしくは分枝状アルキレン基を意味し、
、Y及びYは、それぞれ互いに独立して、化学結合、O、CH、C(O)O、OC(O)、C(O)NRまたはNRC(O)を意味し、
は、水素またはC原子数1〜50の線状もしくは分枝状アルキル基を意味し、
D、E及びFは、それぞれ互いに独立して、メチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、炭素原子数1〜6の線状もしくは分枝状アルキレン基、炭素原子数2〜6の線状もしくは分枝状でモノ不飽和もしくはポリ不飽和のアルケニレン基、炭素原子数2〜6の線状もしくは分枝状モノ−ヒドロキシアルキレン基、または炭素原子数3〜6の線状もしくは分枝状ジ−ヒドロキシアルキレン基を意味し、及び
o、p及びqは、それぞれ互いに独立して、0〜50の整数を意味し、そしてo+p+qの合計は≧3である]
からなり、上記式(1)及び(2)の構造単位の他には、他の構造単位はポリマー中に存在しないことを特徴とする、前記水溶性または水膨潤性のポリマー。
【請求項2】
式(1)の一種または二種以上の構造単位が、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸またはそれの塩から誘導されることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
式(1)の一種または二種以上の構造単位の中和度が50.0〜100モル%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
式(1)の一種または二種以上の構造単位においてHとは異なる対イオンQが、NH、アルカリ金属、1/2アルカリ土類金属++及びこれらのイオンの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載のポリマー。
【請求項5】
式(2)の一種または二種以上の構造単位において、Rが水素またはエチルであり、R2a、R2b及びR2cが、それぞれ互いに独立して、水素またはメチルであり、Xが化学結合またはメチレンであり、Y、Y及びYが、それぞれ互いに独立して、C(O)OまたはOC(O)であり、D、E及びFが、それぞれ互いに独立して、エチレンオキシまたはプロピレンオキシであり、o、p及びqが、それぞれ互いに独立して、0〜30の整数であり、そしてo+p+qの合計が3〜20であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載のポリマー。
【請求項6】
式(2)の一種または二種以上の構造単位が、グリセリンプロポキシレートトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(TMPTA−PO−3)及びトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(TMPTA−EO−3)からなる群から選択される一種または二種以上の架橋剤に由来することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載のポリマー。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の一種または二種以上のポリマーを、組成物の総重量を基準にして0.01〜10.0重量%の量で含む、化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項8】
水系もしくは水−アルコール系として構成されるか、またはエマルションとして存在することを特徴とする、請求項7に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項9】
無機塩及び有機塩から選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、請求項7または8に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項10】
アルファ−及びベータ−ヒドロキシ酸から選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つに記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項11】
ビタミンC及びビタミンC誘導体から選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一つに記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項12】
安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸、乳酸及びパラメトキシ安息香酸から選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、請求項7〜11のいずれか一つに記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項13】
一種または二種以上の抗菌有効物質を含み、そして消毒用ジェルの形で存在することを特徴とする、請求項7〜12のいずれか一つに記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項14】
無機及び有機UV−フィルターから選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、請求項7〜13のいずれか一つに記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項15】
pH値が2〜10であることを特徴とする、請求項7〜14のいずれか一つに記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。
【請求項16】
増粘剤、コンシステンシー付与剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、接着剤、安定化剤または降伏点発生剤としての、請求項1〜6のいずれか一つに記載の一種または二種以上のポリマーの使用。
【請求項17】
エマルションの安定化のための、請求項16に記載の一種または二種以上のポリマーの使用。
【請求項18】
塩含有エマルションの安定化のための、請求項16に記載の一種または二種以上のポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホン酸基を有する特定のモノマーまたは対応するスルホネート、例えば2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸またはそれの塩に由来する構造単位と、特定の三官能性架橋剤に由来する構造単位を有するポリマー、そのようなポリマーの製造方法、このようなポリマーの一種または二種以上を含む化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物並びにこのようなポリマーの特定の使用、例えば感覚添加剤、増粘剤またはコンシステンシー付与剤としてのこのようなポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸またはそれの塩をベースとするポリマーは、既に既知である。
【0003】
例えば、EP0816403(特許文献1)(Clariant)は、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホネートをベースとする水溶性または水膨潤性ポリマーを開示している。架橋性モノマーとしては、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリアリルアミン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)及びトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)が挙げられている。
【0004】
これらのポリマーは、広いpH範囲で水中で膨潤し、そして取り扱いが簡単である。これらは、例えばEP0815843(特許文献2)、EP0815844(特許文献3)、EP0815845(特許文献4)、EP0815846(特許文献5)、EP0815847(特許文献6)、EP0815828(特許文献7)、EP0829258(特許文献8)、EP1136058(特許文献9)、EP1325729(特許文献10)及びEP1468670(特許文献11)(L’Oreal)に記載されるように、化粧料工業において幅の広い使用分野を見出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP0816403
【特許文献2】EP0815843
【特許文献3】EP0815844
【特許文献4】EP0815845
【特許文献5】EP0815846
【特許文献6】EP0815847
【特許文献7】EP0815828
【特許文献8】EP0829258
【特許文献9】EP1136058
【特許文献10】EP1325729
【特許文献11】EP1468670
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Makromolekulare Chemie: Eine Einfuehrung”,Bernd Tieke,Wiley−VCH,2.完全改訂及び拡張版(9.September 2005) ISBN−10: 3527313796
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の架橋されたポリマーを使用した場合には、化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物において全ての感覚的特性プロフィルをカバーすることはできず、加えて、それの塩安定性は、しばしば、改良の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
それ故、本発明の課題は、特に化粧料組成物、皮膚科学的組成物及び医薬組成物において、感覚的性質が最適化された特性プロフィル、例えばリッチなケア的皮膚感を与え、加えて、有利には、塩含有組成物、例えば水を含む塩含有組成物中でも、増粘剤として適した、ポリマーを提供することであった。
【0009】
驚くべきことに、上記の課題が、以下の式(1)で表されるスルホン酸基またはそれの塩を含む特定のモノマー、例えば2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸または−スルホネート、及び以下の式(2)で表される特定の三官能性架橋剤をベースとするポリマーによって解消されることが見出された。
【0010】
それ故、本発明の対象は水溶性または水膨潤性ポリマーであって、それの繰り返し構造単位が、
a)次式(1)の一種または二種以上の互いに独立した構造単位90.0〜99.99モル%、好ましくは92.0〜99.9モル%、特に好ましくは97.0〜99.75モル%、中でも好ましくは98.0〜99.5モル%、
【0011】
【化1】
[式中、
は、水素、メチルまたはエチルを意味し、
Aは、線状もしくは分枝状C−C12−アルキレン、好ましくはC−C−アルキレンを意味し、そして
は、H、NH、有機アンモニウムイオン[HNR(式中、R、R及びRは、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜22の線状もしくは分枝状アルキル基、炭素原子数2〜22の線状もしくは分枝状でモノ不飽和もしくはポリ不飽和のアルケニル基、C−C22−アルキルアミドプロピル基、炭素原子数2〜10の線状モノ−ヒドロキシアルキル基または炭素原子数3〜10の線状もしくは分枝状ジ−ヒドロキシアルキル基であることができ、この際、R、R及びR基のうちの少なくとも一つは水素ではない)、アルカリ金属(アルカリ金属の中ではLi、Na及びKが好ましい)、1/2アルカリ土類金属++(1/2アルカリ土類金属++の中では1/2Ca++及び1/2Mg++が好ましい)、1/2Zn++または1/3Al+++、あるいはこれらのイオンの混合物を表す]
及び
b)次式(2)の一種または二種以上の互いに独立した繰り返し架橋性構造単位0.01〜10.0モル%、好ましくは0.1〜8.0モル%、特に好ましくは0.25〜3.0モル%、中でも好ましくは0.5〜2.0モル%、
【0012】
【化2】
[式中、
は、水素、メチル、エチル、メチロール(−CH−OH)またはエチロール(−CH−CH−OH)を意味し、
2a、R2b及びR2cは、それぞれ互いに独立して、水素、メチルまたはエチルを意味し、
Xは、化学結合、メチレン(−CH−)、エチレン(−CH−CH−)または炭素原子数3の線状もしくは分枝状アルキレン基を意味し、
、Y及びYは、それぞれ互いに独立して、化学結合、O、CH、C(O)O、OC(O)、C(O)NRまたはNRC(O)を意味し、
は、水素またはC原子数1〜50の線状もしくは分枝状アルキル基を意味し、
D、E及びFは、それぞれ互いに独立して、メチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、炭素原子数1〜6の線状もしくは分枝状アルキレン基、炭素原子数2〜6の線状もしくは分枝状でモノ不飽和もしくはポリ不飽和のアルケニレン基、炭素原子数2〜6の線状もしくは分枝状モノ−ヒドロキシアルキレン基、または炭素原子数3〜6の線状もしくは分枝状ジ−ヒドロキシアルキレン基を意味し、及び
o、p及びqは、それぞれ互いに独立して、0〜50の整数を意味し、そしてo+p+qの合計は≧3である]
からなる水溶性または水膨潤性ポリマーである。
【0013】
本発明のポリマーを製造するためには、重合性モノマーとして、式(1)の一種または二種以上の繰り返し構造単位が最終的に由来するモノマーだけを及び追加的に、式(2)の一種または二種以上の繰り返し構造単位が由来するモノマーだけを重合する。これらのモノマーの他には、他の重合性モノマーは、本発明のポリマーの製造には使用されない。
【0014】
本発明の枠内において式(1)及び(2)の構造単位について記載のモル量(モル%)は、本発明のポリマー中に含まれる繰り返し構造単位全ての総量を基準とする。
【0015】
本発明のポリマーにおいて、式(1)及び/または(2)のそれぞれ異なる構造単位が含まれていることができる。本発明のポリマーの一つは、例えば、式(1)の二種以上の構造単位を含むことができ、これらの構造単位は、例えば異なる対イオンQによって相違する。
【0016】
式(2)の構造単位のD、E及びFの定義において、メチレンオキシは−CH−O−または−O−CH−を、エチレンオキシは−CH−CH−O−または−O−CH−CH−を、プロピレンオキシは−CH(CH)−CH−O−、−CH−CH(CH)−O−、−O−CH(CH)−CH−または−O−CH−CH(CH)−を意味する。
【0017】
本発明のポリマーは、中でも、特に化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物において、水性の系の増粘剤として、及びコンシステンシー付与剤として、優れて適している。これらは、従来技術のポリマーと比べて、特に、より高いケア的皮膚感を示す。更に、これらは、特に塩含有組成物、例えば水を含む塩含有組成物において、より高い粘度ももたらす。加えて、これらは有利な塩安定性を示す。更には、これらは、有利な長期ケア作用も示す。有利なことに、これらは加えて、広いpH範囲、すなわち強酸性pH値でも、良好な増粘性を示す。
【0018】
本発明のポリマーの式(1)の一種または二種以上の構造単位において、Rは好ましくは水素またはメチルであり、特に好ましくは水素である。
【0019】
本発明のポリマーの式(1)の一種または二種以上の構造単位において、Aは好ましくは式−C(CH−CH−の構造単位である。
【0020】
特に好ましくは、本発明のポリマーの式(1)の一種または二種以上の構造単位は、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸またはそれの塩から誘導される。
【0021】
好ましくは、本発明のポリマーの式(1)の一種または二種以上の構造単位の中和度は、50.0〜100モル%、特に好ましくは80.0〜100モル%、特に90.0〜100モル%、非常に好ましくは95.0〜100モル%である。
【0022】
本発明のポリマーの式(1)の一種または二種以上の構造単位において、Hとは異なる対イオンQは、好ましくは、NH、アルカリ金属(アルカリ金属の中ではNaが好ましい)、1/2アルカリ土類金属++(1/2アルカリ土類金属++の中では1/2Ca++及び1/2Mg++が好ましい)、及びこれらのイオンの混合物から選択される。特に好ましくは、Hとは異なる対イオンQは、NH及びNaからなる群から選択される。中でも好ましくは、Hとは異なる対イオンQはNHである。
【0023】
本発明のポリマーの式(2)の一種または二種以上の構造単位において、Rは、好ましくは水素、エチルまたはメチロールであり、特に好ましくは水素またはエチルである。
【0024】
本発明のポリマーの式(2)の一種または二種以上の構造単位において、R2a、R2b及びR2cは、それぞれ互いに独立して、好ましくは水素またはメチルであり、特に好ましくは水素である。
【0025】
本発明のポリマーの式(2)の一種または二種以上の構造単位において、Xは好ましくは化学結合、メチレンまたはエチレンであり、特に好ましくは化学結合またはメチレンである。
【0026】
式(2)の一種または二種以上の化合物において、Y、Y及びYは、それぞれ互いに独立して、好ましくはC(O)O、OC(O)、C(O)NRまたはNRC(O)を意味し、特に好ましくはC(O)OまたはOC(O)を意味する。
【0027】
は、好ましくは、水素またはC原子数1〜10、好ましくは1〜6の線状もしくは分枝状アルキル基である。
【0028】
本発明のポリマーの一種または二種以上の式(2)の構造単位において、D、E及びFは、それぞれ互いに独立して、好ましくはメチレンオキシ、エチレンオキシまたはプロピレンオキシ、特に好ましくはエチレンオキシまたはプロピレンオキシである。
【0029】
既に述べた通り、本発明のポリマーは、例えば、二種以上の式(2)の構造単位を含むことができる。これらの二種以上の式(2)の構造単位は、例えば、エトキシル化度及び/またはプロポキシル化度によって互いに異なることができる。
【0030】
式(2)の構造単位−[−D−]−、−[−E−]−及び−[−F−]−において、変数o、p及びqの一つまたは二つ以上が、>1の整数である場合、各々の構造単位は、唯一の単位または様々な単位から構成されることができる。例えば変数“o”が3の場合には、構造単位−[−D−]−は例えば三つのエチレンオキシ単位から構成されることができる。しかし、これは、例えば二つのエチレンオキシ単位と一つのプロピレンオキシ単位から、またはその逆から構成されることができるか、あるいはこれは、例えば一つのメチレンオキシ単位、一つのエチレンオキシ単位及び一つのプロピレンオキシ単位から構成されることなどができる。構造単位−[−D−]−、−[−E−]−及び−[−F−]−内において全ての他の単位の組み合わせも可能であるが、但し、D、E及びF基の定義及び変数o、p及びqの定義が守られることが条件である。構造単位−[−D−]−、−[−E−]−及び−[−F−]−内において、個々の単位の分布は、ランダム状、交互状、グラジエント状またはブロック状であることができ、そして好ましくはランダム状またはブロック状である。
【0031】
本発明のポリマーの式(2)の一種または二種以上の構造単位において、個々の構造単位−[−D−]−、−[−E−]−及び−[−F−]−は上述の通り異なる単位から構成されることができる。この場合、対応する単位は、好ましくは、メチレンオキシ、エチレンオキシ及びプロピレンオキシからなる群から、特に好ましくはエチレンオキシ及びプロピレンオキシからなる群から、選択される。
【0032】
本発明のポリマーの式(2)の一種または二種以上の構造単位においては、o、p及びqは、それぞれ互いに独立して、好ましくは0〜30の整数、特に好ましくは0〜15の整数、就中好ましくは0〜10の整数である。
【0033】
本発明のポリマーの式(2)の一種または二種以上の構造単位では、o+p+qの合計は、好ましくは3〜90、特に好ましくは3〜45、就中好ましくは3〜30、非常に好ましくは3〜20である。
【0034】
本発明のポリマーの式(2)の一種または二種以上の架橋性構造単位は、好ましくは、エトキシル化トリ−アクリル−もしくはエトキシル化トリ−メタクリル酸エステル、エトキシル化トリ−アクリル−もしくはエトキシル化トリ−メタクリル酸アミド、プロポキシル化トリ−アクリル−もしくはプロポキシル化トリ−メタクリル酸エステル、プロポキシル化トリ−アクリル−もしくはプロポキシル化トリ−メタクリル酸アミド、ランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化トリ−アクリル−もしくはランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化トリ−メタクリル酸エステル、エトキシル化/プロポキシル化トリ−アクリル−もしくはエトキシル化/プロポキシル化トリ−メタクリル酸アミド、または他のエトキシル化トリ−アクリル−もしくはエトキシル化トリ−メタクリル酸エステル、多官能性アルコールのエトキシル化トリ−アクリル−もしくはエトキシル化トリ−メタクリル酸アミド、または他のプロポキシル化トリ−アクリル−もしくはプロポキシル化トリ−メタクリル酸エステル、多官能性アルコールのプロポキシル化トリ−アクリル−もしくはプロポキシル化トリ−メタクリル酸アミド、または他のランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化トリ−アクリル−もしくはエトキシル化/プロポキシル化トリ−メタクリル酸エステル、他の多官能性アルコールのエトキシル化/プロポキシル化トリ−アクリル−もしくはエトキシル化/プロポキシル化トリ−メタクリル酸アミド、
またはエトキシル化グリセリントリアクリレートもしくは−メタクリレート、またはプロポキシル化グリセリントリアクリレートもしくは−メタクリレートまたは他のランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化グリセリントリアクリレートもしくは−メタクリレート、またはエトキシル化グリセリントリアクリルアミドもしくは−メタクリルアミド、またはプロポキシル化グリセリントリアクリルアミドもしくは−メタクリルアミドまたは他のランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化グリセリントリアクリルアミド、または−メタクリルアミド、
またはエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートもしくは−トリメタクリレートまたはプロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートもしくは−トリメタクリレートまたは他のランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートもしくは−トリメタクリレートまたはエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリルアミドもしくは−トリメタクリルアミドまたはプロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリルアミドもしくは−トリメタクリルアミドまたは他のランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリルアミドもしくは−トリメタクリルアミド、
またはエトキシル化ペンタエリトリトールトリアクリレートもしくは−トリメタクリレートまたはプロポキシル化ペンタエリトリトールトリアクリレートもしくは−トリメタクリレートまたは他のランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化ペンタエリトリトールトリアクリレートもしくは−トリメタクリレートまたはエトキシル化ペンタエリトリトールトリアクリルアミドもしくは−トリメタクリルアミドまたはプロポキシル化ペンタエリトリトールトリアクリルアミドもしくは−トリメタクリルアミドまたは他のランダム状もしくはブロック状に官能化されたエトキシル化/プロポキシル化ペンタエリトリトールトリアクリルアミドもしくは−トリメタクリルアミドに由来するものである。
【0035】
本発明の特に好ましい実施形態の一つでは、式(2)の一種または二種以上の構造単位において、Rは水素またはエチルであり、R2a、R2b及びR2cは、それぞれ互いに独立して、水素またはメチルであり、Xは、化学結合またはメチレンであり、Y、Y及びYは、それぞれ互いに独立して、C(O)OまたはOC(O)であり、D、E及びFは、それぞれ互いに独立して、エチレンオキシまたはプロピレンオキシであり、o、p及びqは、それぞれ互いに独立して、0〜30の整数であり、そしてo+p+qの合計は3〜20である。
【0036】
その中で好ましくは、本発明のポリマーは、グリセリンをベースとしてまたはトリメチロールプロパンをベースとして構成される。
【0037】
本発明のポリマーの架橋剤として、すなわち式(2)の一種または二種以上の構造単位が由来する化合物として特に好ましいものは、
グリセリンプロポキシレートトリアクリレート(3/3PO/OH;PO=プロピレンオキシ;合成の時は、グリセリンの3モルのOH基につき3モルのプロピレンオキシドが使用された)(GPTA)、
グリセリンエトキシレートトリアクリレート(3/3EO/OH;EO=エチレンオキシ)(GETA)、
グリセリンプロポキシレートトリアクリレート(15/3PO/OH)(GP15TA)、
グリセリンエトキシレートトリアクリレート(15/3EO/OH)(GE15TA)、
グリセリンプロポキシエトキシレートトリアクリレート(15/3PO−EO/OH)(GPETA)、
トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(3/3PO/OH)(TMPTA−PO−3)、
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(3/3EO/OH)(TMPTA−EO−3)、
トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(TMPTA−PO−6)、
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(6/3EO/OH)(TMPTA−EO−6)、
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(15/3EO/OH)(TMPTA−EO−15)、
トリメチロールプロパンプロポキシエトキシトリアクリレート(15/3PO−EO/OH)(TMPTA−PO−EO−15)、及び
トリメチロールプロパンエトキシプロポキシトリアクリレート(TMPTA−EO−PO)、
である。
【0038】
特に好ましいものは、
グリセリンプロポキシレートトリアクリレート(GPTA)、
グリセリンプロポキシレートトリアクリレート(15/3PO/OH)(GP15TA)、
トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(3/3PO/OH)(TMPTA−PO−3)、
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(3/3EO/OH)(TMPTA−EO−3)、及び
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(15/3EO/OH)(TMPTA−EO−15)、
である。
【0039】
非常に好ましいものは、
グリセリンプロポキシレートトリアクリレート(GPTA)、
トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(3/3PO/OH)(TMPTA−PO−3)、及び
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(3/3EO/OH)(TMPTA−EO−3)、
である。
【0040】
これらの化合物の中でも、グリセリンプロポキシレートトリアクリレート(GPTA)が好ましい。
【0041】
ポリマー中に含まれる繰り返し構造単位は、それらの製造に使用された重合性モノマーに由来するものである。本発明のポリマー中での式(1)及び(2)の異なる繰り返し構造単位の分布は、ランダム状、ブロック状、交互状またはグラジエント状であることができ、好ましくはランダム状またはグラジエント状である。
【0042】
本発明のポリマー中での式(1)及び(2)の繰り返し構造単位の質量割合は、本発明のポリマー中に化学的に結合した全ての構造単位の総質量を基準として、好ましくは85重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、就中好ましくは95重量%以上、非常に好ましくは97重量%以上である。本発明のポリマー中に含まれ得るが、それらの製造に使用した重合性モノマーに由来しない化学的に結合した構造単位は、特に、本発明のポリマーの製造に使用した開始剤を由来とする構造単位であることができる。
【0043】
本発明のポリマーは、とりわけ10〜10g/mol、特に好ましくは10〜10g/mol、就中好ましくは10〜5・10g/molの分子量を有する。
【0044】
本発明のポリマーの製造は、プロトン性溶剤、好ましはtert.−ブタノール中でラジカル重合によって行われる。この際、然るべきモノマーを、例えばプロトン性溶剤中に溶解または分散し、そして重合をそれ自体既知の方法、例えばラジカル形成化合物の添加によって開始する。スターターまたは開始剤としては、原則的に、この目的に既知で適した全ての物質を慣用の量で使用することができる。しかし、本発明の好ましい実施形態の一つでは、ジラウロイルパーオキシド(DLP)またはジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V601)が開始剤として使用される。本発明のポリマーを製造するための開始剤の量は、重合に使用されるモノマー及び開始剤の総量を基準にして、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、就中好ましくは3重量%以下である。この際、例えば、仕込んだモノマーを“直接”重合することができる。しかし、例えば使用したモノマーの酸基を重合の前に塩基と反応(ungesetzt)させることによって、これらを重合の前に中和することもできる。しかし、重合前のモノマーの中和の代わりに、ポリマーを、重合を行った後に、塩基で中和することもできる。
【0045】
それ故、本発明の更に別の対象は、本発明のポリマーを製造する方法であって、式(1)及び式(2)の構造単位が誘導されるモノマーを、プロトン性溶剤、好ましくはtert.−ブタノール中で、ラジカル重合し、場合によっては及び、重合の前にモノマーを、または重合の後にポリマーを、アンモニアまたは有機アミンまたはアルカリ金属含有塩基、好ましくはLi−、Na−もしくはK−含有塩基、アルカリ土類金属++含有塩基、好ましくはCa++−もしくはMg++−含有塩基、またはZn++−もしくはAl+++−含有塩基で中和する、方法である。中和が、アルカリ金属、アルカリ土類金属++、Zn++またはAl+++含有塩基を用いて行われる場合には、これは、好ましい実施形態の一つでは、対応する水酸化物または炭酸塩を用いて、特に好ましい実施形態の一つでは水酸化物を用いて行われる。
【0046】
ラジカル重合は、当業者には一般的に知られており、そして定番の文献、例えば“Makromolekulare Chemie: Eine Einfuehrung”,Bernd Tieke,Wiley−VCH,2.完全改訂及び拡張版(9.September 2005) ISBN−10: 3527313796(非特許文献1)に詳しく記載されている。
【0047】
本発明のポリマーは、皮膚に対する良好な低刺激性(Hautmilde)及び心地の良いリッチな皮膚感を特色とする。これらは、特に塩含有組成物、例えば水を含む塩含有組成物中での、有利な増粘性、及び高い電解質安定性をも有する。更に、本発明のポリマーは酸安定性である。本発明のポリマーは酸性pH下でも増粘するため、増粘された化粧料、皮膚科学的製品または医薬品を、有機酸、例えば安息香酸、ソルビン酸、パラメトキシ安息香酸を用いても有利に防腐することができる。というのも、必要な低いpH値においても十分な増粘性能を利用できるからである。これらを用いて、透明な溶液を得ることができる。
【0048】
本発明のポリマーは、化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物の製造に有利に適している。
【0049】
それ故、本発明の更に別の対象は、化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物の製造のための、一種または二種以上の本発明のポリマーの使用、並びに一種または二種以上の本発明のポリマーを含む化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物である。
【0050】
本発明の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物は、本発明の一種または二種以上のポリマーを、それぞれ本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.01〜10.0重量%の量で、特に好ましくは0.1〜5.0重量%の量で、就中好ましくは0.25〜2.0重量%の量で含む。
【0051】
本発明の好ましい実施形態の一つでは、本発明の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物は、好ましくは100〜200,000mPa・sの範囲、特に好ましくは1,000〜100,000mPa・sの範囲、就中好ましくは2,000〜50,000mPa・sの範囲、非常に好ましくは5,000〜30,000mPa・sの範囲の粘度を有する(25℃、ブルックフィールドRVT、T−Cスピンドル、1分間あたり20回転)。
【0052】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、流体、ジェル、フォーム、スプレー、ローションまたはクリームの形で存在する。
【0053】
本発明の組成物は、好ましくは水系または水−アルコール系に構成され、そしてエマルション、好ましくは水中油型エマルションの形で存在する。
【0054】
本発明の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、水−アルコール系組成物として存在し、そして好ましくは、組成物の総重量を基準にして、
a)90.0重量%まで、好ましくは19.49〜80.0重量%、特に好ましくは23.9〜70.0重量%、就中好ましくは28.5〜60.0重量%の水、
b)90.0重量%まで、好ましくは19.49〜80.0重量%、特に好ましくは28.9〜75.0重量%、就中好ましくは38.5〜70.0重量%の一種または二種以上のアルコール、好ましくはエタノールまたはイソプロパノール、
c)10.0重量%まで、好ましくは0.01〜10.0重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%、就中好ましくは0.5〜2.0重量%の一種または二種以上の本発明のポリマー、及び
d)20.0重量%まで、好ましくは0.5〜10.0重量%、特に好ましくは1.0〜5.0重量%、就中好ましくは1.0〜3.0重量%の一種またはそれ以上の更に別の添加剤、
を含む。
【0055】
とりわけ、上述の水−アルコール系組成物中の一種または二種以上の更に別の添加剤は、界面活性剤及び抗菌性有効物質からなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態の一つでは、例えば上記の場合には、本発明の組成物は消毒用ジェルとして存在する。
【0056】
本発明の更に別の特に好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、水中油型エマルションとして存在し、そして好ましくは、組成物の総重量を基準にして、
a)95.0重量%まで、好ましくは49.49〜95.0重量%、特に好ましくは68.9〜90.0重量%、就中好ましくは70.0〜85.0重量%の水性相または水−アルコール性相、
b)70.0重量%まで、好ましくは4.49〜50.0重量%、特に好ましくは8.9〜30.0重量%、就中好ましくは13.5〜25.0重量%の油性相、
c)10.0重量%まで、好ましくは0.01〜10.0重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%、就中好ましくは0.5〜2.0重量%の一種または二種以上の本発明のポリマー、及び
d)20.0重量%まで、好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは1.0〜5.0重量%、就中好ましくは1.0〜3.0重量%の一種または二種以上の更に別の添加剤、
を含む。
【0057】
好ましくは、上記の水中油型エマルション中の一種または二種以上の添加剤は、乳化剤、共乳化剤、可溶化剤、有効物質、サンスクリーンフィルター、顔料及び抗菌有効物質からなる群から選択される。
【0058】
本発明の水−アルコール系またはアルコール系の組成物には、全ての一価もしくは多価アルコールが考慮される。好ましくは、炭素原子数1〜4のアルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、tert.−ブタノールまたはグリセリン並びにアルキレングリコール、特にプロピレングリコール、ブチレングリコールもしくはヘキシレングリコール、及び上記のアルコールの混合物が使用される。更に別の好ましいアルコールは、2000未満の相対分子量を有するポリエチレングリコールである。特に好ましくは、エタノールまたはイソプロパノールを使用する。
【0059】
本発明の組成物は、一種または二種以上の油状物を含むことができる。
【0060】
前記油状物は、有利には、トリグリセリド、天然もしくは合成脂肪体、好ましくは脂肪酸と低C数のアルコールとのエステル、例えばメタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセリンとのエステル、または脂肪アルコールと低C数のアルカン酸もしくは脂肪酸とのエステルからなる群から、あるいはアルキルベンゾエート、並びに天然もしくは合成炭化水素油からなる群から選択することができる。
【0061】
線状もしくは分枝状で飽和もしくは不飽和で場合によりヒドロキシル化されたC−C30−脂肪酸のトリグリセリド、特に植物油、例えばヒマワリ油、マイズ油、ダイズ油、ライス油、ホホバ油、ババス油、カボチャ油、グレープシード油、ゴマ油、クルミ油、アプリコット油、オレンジ油、コムギ麦芽油、ピーチカーネル油、マカダミア油、アボガド油、スウィートアーモンド油、ハナタケツケバナ油、ヒマシ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ナタネ油及びココナッツ油、並びに合成トリグリセライド油、例えば商業製品のMyritol(登録商標)318が考慮される。硬化トリグリセリドも本発明において好ましい。動物起源の油、例えばタロー、パーヒドロスクワレン、ラノリンも使用することができる。
【0062】
好ましい油体の更に別のクラスは、線状もしくは分枝状のC8−22−アルカノールの安息香酸エステル、例えば商業製品のFinsolv(登録商標)SB(イソステアリルベンゾエート)、Finsolv(登録商標)TN(C12−C15−アルキルベンゾエート)及びFinsolv(登録商標)EB(エチルヘキシルベンゾエート)である。
【0063】
好ましい油体の更に別のクラスは、合計で炭素原子数12〜36、特に12〜24のジアルキルエーテル、例えばジ−n−オクチルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、ジ−n−ノニルエーテル、ジ−n−デシルエーテル、ジ−n−ウンデシルエーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、n−ヘキシル−n−オクチルエーテル、n−オクチル−n−デシルエーテル、n−デシル−n−ウンデシルエーテル、n−ウンデシル−n−ドデシルエーテル及びn−ヘキシル−n−ウンデシルエーテル、ジ−3−エチルデシルエーテル、tert.−ブチル−n−オクチルエーテル、iso−ペンチル−n−オクチルエーテル及び2−メチル−ペンチル−n−オクチルエーテル並びにジ−tert.−ブチルエーテル及びジ−iso−ペンチルエーテルである。
【0064】
同様に、炭素原子数6〜30の分枝状飽和もしくは不飽和脂肪アルコール、例えばイソステアリルアルコール、並びにゲルベアルコールも考慮される。
【0065】
好ましい油体の更に別のクラスはヒドロキシカルボン酸アルキルエステルである。好ましいヒドロキシカルボン酸アルキルエステルは、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸の完全エステル(Vollester)である。更に別の原則的に好適なヒドロキシカルボン酸のエステルは、β−ヒドロキシプロピオン酸、タルトロン酸、D−グルコン酸、糖酸、粘液酸またはグルクロン酸のエステルである。上記エステルのアルコール成分としては、炭素原子数8〜22の線状もしくは分枝状第一級脂肪族アルコールが適している。この際、C12−C15−脂肪アルコールのエステルが特に好ましい。このタイプのエステルは、例えば、EniChem,Augusta Industriale社の商品名Cosmacol(登録商標)で商業的に入手できる。
【0066】
好ましい油体の更に別のクラスは、線状もしくは分枝状C−C10−アルカノールのジカルボン酸エステル、例えばジ−n−ブチルアジペート(Cetiol(登録商標)B)、ジ−(2−エチルヘキシル)−アジペート及びジ−(2−エチルヘキシル)−スクシネート並びにジオールエステル、例えばエチレングリコール−ジオレエート、エチレングリコール−ジ−イソトリデカノエート、プロピレングリコール−ジ−(2−エチルヘキサノエート)、プロピレングリコール−ジ−イソステアレート、プロピレングリコール−ジ−ペラルゴネート、ブタンジオール−ジ−イソステアレート及びネオペンチルグリコールジカプリレート並びにジ−イソトリデシルアセラートである。
【0067】
同様に好ましい油体は、対称性、非対称性または環状の炭酸と脂肪アルコールとのエステル、グリセリンカーボネートまたはジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)である。
【0068】
好ましい油体の更に別のクラスは、不飽和C12−C22−脂肪酸のダイマー(ダイマー脂肪酸)と一価の線状、分枝状もしくは環状C−C18−アルカノールとのまたは多価の線状もしくは分枝状C−C−アルカノールとのエステルである。
【0069】
好ましい油体の更に別のクラスは、炭化水素油、例えば線状もしくは分枝状で飽和もしくは不飽和のC−C40−炭素鎖を有する炭化水素油、例えばワセリン、ドデカン、イソドデカン、コレステロール、ラノリン、合成炭化水素、例えばポリオレフィン、特にポリイソブテン、水素化ポリイソブテン、ポリデカン、並びにヘキサデカン、イソヘキサデカン、パラフィン油、イソパラフィン油、例えばPermethyl(登録商標)−シリーズの商業製品、スクワラン、スクワレン、及び脂肪環式炭化水素、例えば商業製品の1,3−ジ−(2−エチル−ヘキシル)−シクロヘキサン(Cetiol(登録商標)S)、オゾケライト、及びセレシンである。
【0070】
同様に、シリコーン油またはシリコーンワックス、好ましくはジメチルポリシロキサン及びシクロメチコーン、ポリジアルキルシロキサンRSiO(RSiO)SiR(式中、Rはメチルまたはエチルを表し、特に好ましくはメチルを表し、そしてxは、2〜500の数を表す)、例えばVICASIL(General Electric Company)、DOW CORNING 200、DOW CORNING 225、DOW CORNING 200(Dow Corning Corporation)の商品名で入手できるジメチコーン、並びにSilCare(登録商標)Silicone 41M65、SilCare(登録商標)Silicone 41M70、SilCare(登録商標)Silicone 41M80(Clariant)の名称で入手できるジメチコーン、ステアリルジメチルポリシロキサン、C20−C24−アルキル−ジメチルポリシロキサン、C24−C28−アルキル−ジメチルポリシロキサン、並びにSilCare(登録商標)Silicone 41M40、SilCare(登録商標)Silicone 41M50(Clariant)の名称で入手できるメチコーン、更にトリメチルシロキシシリケート[(CHSiO)1/2[SiO(式中、xは1〜500の数を表し、そしてyは1〜500の数を表す)、ジメチコノールRSiO[RSiO]SiROH及びHORSiO[RSiO]SiROH(式中、Rはメチルまたはエチルを表し、そしてxは500までの数を表す)、ポリアルキルアリールシロキサン、例えばSF 1075 METHYLPHENYL FLUID(General Electric Company)及び556 COSMETIC GRADE PHENYL TRIMETHICONE FLUID(Dow Corning Corporation)の商品表示で入手できるポリメチルフェニルシロキサン、ポリジアリールシロキサン、シリコーン樹脂、環状シリコーン、及びアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フルオロ−及び/またはアルキル変性シリコーン化合物、並びにポリエーテルシロキサンコポリマーが考慮される。
【0071】
本発明の組成物は、他の助剤及び添加剤として、例えばワックス、乳化剤、共乳化剤、可溶化剤、電解質、ヒドロキシ酸、安定化剤、カチオン性ポリマー、成膜剤、更に別の増粘剤、ゲル化剤、過脂肪剤、再脂肪剤、抗菌有効物質、生体活性物質、収斂剤、消臭物質、サンスクリーンフィルター、酸化防止剤、保湿剤、溶剤、着色料、真珠光沢剤、フレグランス、濁り剤及び/またはシリコーンを含むことができる。
【0072】
本発明の組成物は、ワックス、例えばパラフィンワックス、マイクロワックス及びオゾケライト、蜜蝋及びそれの部分画分並びに蜜蝋誘導体;ポリエチレンホモポリマーまたはα−オレフィンのコポリマーの群からのワックス;並びに天然ワックス、例えばライスワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木蝋またはセラック蝋を含むことができる。
【0073】
乳化剤、共乳化剤及び可溶化剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性または両性表面活性化合物を使用することができる。
【0074】
非イオノゲン性表面活性化合物としては、好ましくは、C原子数8〜22の線状脂肪酸、C原子数12〜22の脂肪酸、アルキル基中のC原子数が8〜15のアルキルフェノール、及びソルビタンもしくはソルビトールエステルの0〜30モルエチレンオキシド及び/または0〜5モルプロピレンオキシド付加生成物;グリセリンの0〜30モルエチレンオキシド付加生成物の(C12−C18)−脂肪酸モノ−及びジエステル;炭素原子数6〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸、場合により及びそれのエチレンオキシド付加生成物のグリセリンモノ−及びジエステル並びにソルビタンモノ−及びジエステル;ヒマシ油及び/または硬化ヒマシ油の15〜60モルエチレンオキシド付加生成物;ポリオール−及び特にポリグリセリンエステル、例えばポリグリセリンポリリシノレエート及びポリグリセリンポリ−12−ヒドロキシステアレートが考慮される。同様に、エトキシル化脂肪アミン、脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、及びこれらの複数の物質クラスからの化合物の混合物も好適である。
【0075】
イオノゲン性共乳化剤としては、例えばアニオン性乳化剤、例えばモノ−、ジ−もしくはトリ−リン酸エステル、石けん(例えばステアリン酸ナトリウム)、脂肪アルコールスルフェート、並びにカチオン性乳化剤、例えばモノ−、ジ−もしくはトリ−アルキルクワット及びこれらのポリマー性誘導体が適している。
【0076】
両性乳化剤としては、好ましくは、アルキルアミノアルキルカルボン酸、ベタイン類、スルホベタイン類及びイミダゾリン誘導体が利用される。
【0077】
特に好ましくは、エトキシル化ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、イソラウリルアルコール及びセチルステアリルアルコール、特にポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテルの群から選択される脂肪アルコールエトキシレートが使用される。
【0078】
同様に、エトキシル化ステアレート、イソステアレート及びオレエート、特にポリエチレングリコール(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレングリコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、ポリエチレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート、ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレングリコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレングリコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレングリコール(25)イソステアレート、ポリエチレングリコール(12)オレエート、ポリエチレングリコール(13)オレエート、ポリエチレングリコール(14)オレエート、ポリエチレングリコール(15)オレエート、ポリエチレングリコール(16)オレエート、ポリエチレングリコール(17)オレエート、ポリエチレングリコール(18)オレエート、ポリエチレングリコール(19)オレエート、ポリエチレングリコール(20)オレエートの群から選択される脂肪酸エトキシレートも好ましい。
【0079】
エトキシル化アルキルエーテルカルボン酸またはそれの塩としては、ナトリウムラウレス−11−カルボキシレートを有利に使用できる。
【0080】
エトキシル化されたトリグリセリドとしては、有利には、ポリエチレングリコール(60)イブニングプリモースグリセリドが使用できる。
【0081】
更に、ポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステルが、ポリエチレングリコール(20)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプレート/カプリネート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレエート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアレート及びポリエチレングリコール(18)グリセリルオレエート/ココエートの群から選択されると有利である。
【0082】
ソルビタンエステルの中では、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレエートが特に適している。
【0083】
特に有利な共乳化剤は、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレエート、ジグリセリルモノステアレート、グリセリルイソステアレート、ポリグリセリル−3−オレエート、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート、ポリグリセリル−4−イソステアレート、ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル−4−ジポリヒドロキシステアレート、PEG−30−ジポリヒドロキシステアレート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3−ジイソステアレート、グリコールジステアレート及びポリグリセリル−3−ジポリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、サッカロースジステアレート、レシチン、PEG−7−水素化ヒマシ油、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール及びポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、アルキルメチコーンコポリオール及びアルキル−ジメチコーンコポリオール、特にセチルジメチコーンコポリオール(ABIL(登録商標)EM 90)、ラウリルメチコーンコポリオール、またはアモジメチコーングリセロカルバメート(SilCare(登録商標)Silicone WSI,Clariant)である。
【0084】
本発明の組成物が、乳化剤、共乳化剤及び可溶化剤からなる群から選択される一種または二種以上の物質を含む場合には、この一種のまたはこれらの二種以上の物質は、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.1〜20.0重量%の量で、特に好ましくは0.5〜10.0重量%の量で、就中好ましくは1.0〜5.0重量%の量で本発明の組成物中に含まれる。
【0085】
電解質としては、無機塩、好ましくはアンモニウム塩または金属塩、特に好ましくはハロゲン化物のこのような塩、例えばCaCl、MgCl、LiCl、KCl及びNaCl、並びに炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のこのような塩、特に好ましくは塩化ナトリウム、及び/または有機塩、好ましくはアンモニウム塩または金属塩、特に好ましくはグリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸、サリチル酸、アスコルビン酸、ピルビン酸、フマル酸、レチノイン酸、スルホン酸、安息香酸、コウジ酸、フルーツ酸、リンゴ酸、グルコン酸またはガラクツロン酸のこのような塩を使用することができる。これには、アルミニウム塩、好ましくはアルミニウムクロロハイドレートまたはアルミニウム−ジルコニウム錯塩も含まれる。
【0086】
それ故、本発明の好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、無機塩及び有機塩から選択される一種または二種以上の物質を含む。
【0087】
電解質としては、本発明の組成物は、異なる塩の混合物も含むことができる。
【0088】
本発明の組成物が一種または二種以上の電解質を含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.01〜20.0重量%の量で、特に好ましくは0.1〜10.0重量%の量で、就中好ましくは0.5〜5.0重量%の量で本発明の組成物中に含まれる。
【0089】
本発明のポリマーは酸安定性であり、そして、好ましくは、2〜6の低いpH値の化粧料、医薬用及び/または皮膚科学的組成物中での使用に適しており、特に手及び皮膚の消毒並びに皮膚のケアのための製品に適している。
【0090】
酸性添加剤及びそれの塩の使用は、一部では、化粧料または皮膚科学的組成物のpH値を明らかに酸性の範囲に調製することを必要とする。
【0091】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、一種または二種以上のヒドロキシ酸、特に好ましくはアルファ−及びベータ−ヒドロキシ酸から選択される一種または二種以上の物質を含む。
【0092】
ヒドロキシ酸については、本発明の組成物は、好ましくは、乳酸、グリコール酸、サリチル酸及びアルキル化サリチル酸またはクエン酸を含むことができる。更に、本発明の調合物は、更に別の酸性成分を含むことができる。有効成分としては、酒石酸、マンデル酸、カフェー酸、ピルビン酸、オリゴオキサモノ−もしくはジカルボン酸、フマル酸、レチノイン酸、スルホン酸、安息香酸、コウジ酸、フルーツ酸、リンゴ酸、グルコン酸、ピルビン酸、ガラクツロン酸、リボン酸、及び全てのそれらの誘導体、遊離のもしくは部分的に中和された形のポリグリコール二酸、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンC誘導体、ジヒドロキシアセトンまたは美白活性物質、例えばアルブチンまたはグリチルレチン酸またはそれの塩が考慮される。本発明の組成物が一種または二種以上の上記の物質を含む場合には、この一種の物質またはこれらの二種以上の上記の物質は、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.1〜20.0重量%の量で、特に好ましくは0.2〜10.0重量%の量で、就中好ましくは0.5〜5.0重量%の量で本発明の組成物中に含まれる。
【0093】
それ故、本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、ビタミンC及びビタミンC誘導体から選択される一種または二種以上の物質を含み、この際、ビタミンC誘導体は、好ましくは、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム及びマグネシウムアスコルビルグルコシドから選択される。
【0094】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸、乳酸及びパラメトキシ安息香酸から選択される一種または二種以上の物質を含む。本発明のポリマーは酸性pH範囲でも増粘しそして降伏点が生ずるために、上記の有機酸を防腐剤として用いて作業することができる。
【0095】
本発明のポリマーに加えて、追加の安定化剤として、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム及び/またはステアリン酸亜鉛を使用することができる。本発明の組成物が、一種または二種以上の上記の物質を含む場合には、この一種の物質またはこれらの二種以上の物質は、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.1〜10.0重量%の量で、特に好ましくは0.5〜8.0重量%の量で、就中好ましくは1.0〜5.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0096】
カチオン性ポリマーとしては、INCI名で“ポリクオタニウム(Polyquaternium)”として知られる物質、特にポリクオタニウム−31、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−24、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−2、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、並びにポリクオタニウム37&鉱油&PPGトリデセス(Salcare SC95)、PVP−ジメチルアミノエチルメタクリレート−コポリマー、グアー−ヒドロキシプロピルトリアンモニウム−クロライド、並びにアルギン酸カルシウム及びアルギン酸アンモニウムが適している。更に、カチオン性セルロース誘導体;カチオン性デンプン;ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミド類とのコポリマー;四級化されたビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー;ポリグリコールとアミンとの縮合生成物;四級化されたコラーゲンポリペプチド;四級化されたコムギポリペプチド;ポリエチレンイミン;カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン;アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシ−プロピルジエチレントリアミンとのコポリマー;ポリアミノポリアミド及びカチオン性キチン誘導体、例えばキトサンを使用することができる。
【0097】
本発明の組成物が一種または二種以上の上記のカチオン性ポリマーを含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.1〜5.0重量%の量で、特に好ましくは0.2〜3.0重量%の量で、就中好ましくは0.5〜2.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0098】
更に、本発明の組成物は成膜剤を含むことができ、これは、使用目的に応じて、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩、水溶性ポリウレタン、例えばC10−ポリカルバミルポリグリセリルエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマーまたはPVP/エイコセンコポリマー、マレイン酸化ポリプロピレンポリマー、水溶性アクリル酸ポリマー/コポリマーまたはそれのエステルもしくは塩、例えばアクリル/メタクリル酸の部分エステルコポリマー、水溶性セルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、水溶性クオタニウム類、ポリクオタニウム類、カルボキシビニル−ポリマー、例えばカルボマー及びそれの塩、ポリサッカライド、例えばポリデキストロース及びグルカン、ビニルアセテート/クロトネート、例えばAristoflex(登録商標)A60(Clariant)の商品名で入手可能なものから選択される。
【0099】
本発明の組成物が一種または二種以上の成膜剤を含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.1〜10.0重量%の量で、特に好ましくは0.2〜5.0重量%の量で、就中好ましくは0.5〜3.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0100】
該組成物の所望の粘度は、他の増粘剤及びゲル化剤の添加によって調節することができる。好ましくは、セルロースエーテル及び他のセルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、ゼラチン、デンプン及びデンプン誘導体、アルギン酸ナトリウム、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、寒天、カラギーナン、トラガントまたはデキストリン誘導体、特にデキストリンエステルが考慮される。更に、脂肪酸の金属塩、好ましくは炭素原子数12〜22の脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウム、ベヘン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、ヒドロキシ脂肪酸、例えば12−ヒドロキシステアリン酸、16−ヒドロキシヘキサデカノイル酸;脂肪酸アミド;脂肪酸アルカノールアミド;ジベンザールソルビトール及びアルコール可溶性ポリアミド及びポリアクリルアミド、またはこれらの混合物が適している。更に、架橋されたまたは架橋されていないポリアクリレート、例えばカルボマー、ポリアクリル酸ナトリウムまたはスルホン酸含有ポリマー、例えばアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VP−コポリマー、またはアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム/VP−ポリマーを使用することができる。
【0101】
本発明の組成物が、増粘剤及びゲル化剤からなる群から選択される一種または二種以上の物質を含む場合には、この一種の物質またはこれらの二種以上の物質は、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.01〜20.0重量%の量で、特に好ましくは0.1〜10.0重量%の量で、就中好ましくは0.2〜3.0重量%の量で、非常に好ましくは0.4〜2.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0102】
過脂肪剤または再脂肪剤としては、好ましくは、ラノリン及びレシチン、非エトキシル及びポリエトキシル化もしくはアシル化ラノリン−及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、例えばグリセリルオレエート、モノ−、ジ−もしくはトリグリセリド、及び/または脂肪酸アルカノールアミド(この際、後者の物は同時に泡安定剤としても働く)を使用することができる。本発明の組成物が一種または二種以上の上記の物質を含む場合は、この一種の物質またはこれらの二種以上の物質は、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.01〜10.0重量%の量で、特に好ましくは0.1〜5.0重量%の量で、就中好ましくは0.5〜3.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0103】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、一種または二種以上の抗菌有効物質を含み、そして好ましくは消毒用組成物の形で、特に好ましくは消毒用ジェルの形で存在する。
【0104】
抗菌有効物質には、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、ジイソブチルエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N−ラウリルサルコシンナトリウム、N−パルメチルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルグリシン、N−ラウリルサルコシンカリウム、トリメチルアンモニウムクロライド、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクテート、トリエチルシトレート、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、フェノキシエタノール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、ジアミノアルキルアミド、例えばL−リシンヘキサデシルアミド、シトレート重金属塩、サリチレート、ピロクトース、特に亜鉛塩、ピリチオン類及びそれの重金属塩、特に亜鉛ピリチオン、亜鉛フェノールスルフェート、ファルネソール、ケトコナゾール、オキシコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ミコナゾール、サルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、ナフチフィン及びテルビナフィン、セレンジスルフィド及びOctopirox(登録商標)、ヨードプロピニルブチルカルバメート、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、メチルジブロモグルタロニトリル、AgCl、クロロキシレノール、ジエチルヘキシルスルホスクシネートのNa塩、安息香酸ナトリウム、並びにフェノキシエタノール、ベンジルアルコール、フェノキシイソプロパノール、パラベン類、好ましくはブチル−、エチル−、メチル−及びプロピルパラベン、並びにこれらのNa塩、ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、エチルヘキシルグリセリン、ベンジルアルコール、ソルビン酸、安息香酸、乳酸、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ジメチロールジメチルヒダントイン(DMDMH)、ヒドロキシメチルグリシネートのNa塩、ソルビン酸のヒドロキシエチルグリシン、及びこれらの有効物質の組み合わせを使用することができる。
【0105】
本発明の組成物が一種または二種以上の抗菌有効物質を含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.001〜5.0重量%の量で、特に好ましくは0.01〜3.0重量%の量で、就中好ましくは0.1〜2.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0106】
本発明の組成物は、更に、植物エキス、例えばアロエベラ、並びに局所麻酔薬、抗生物質、抗炎症剤、抗アレルギー剤、コルチコステロイド、皮脂分泌調整剤(Sebostatika)、Bisabolol(登録商標)、アラントイン、Phytantriol(登録商標)、タンパク質;ナイアシン、ビオチン、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB3誘導体(塩、酸、エステル、アミド、アルコール)、ビタミンC及びビタミンC誘導体(塩、酸、エステル、アミド、アルコール)、好ましくはアスコルビン酸のモノリン酸エステルのナトリウム塩としてまたはアスコルビン酸のリン酸エステルのマグネシウム塩として、トコフェロール及びトコフェロールアセテート、並びにビタミンE及び/またはそれの誘導体から選択されるビタミン、
から選択される生体活性物質を含むことができる。
【0107】
本発明の組成物が一種または二種以上の生体活性物質を含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.001〜5.0重量%の量で、特に好ましくは0.01〜3.0重量%の量で、就中好ましくは0.1〜2.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0108】
本発明の組成物は、収斂剤、好ましくは酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム及び酸化亜鉛、酸化物水和物、好ましくは酸化アルミニウム水和物(ベーマイト)及び水酸化物、好ましくはカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウムまたは亜鉛の水酸化物、並びにアルミニウムクロロハイドレートを含むことができる。本発明の組成物が、一種または二種以上の収斂剤を含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.001〜50.0重量%の量で、特に好ましくは0.01〜10.0重量%の量で、就中好ましくは0.1〜10.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0109】
消臭物質としては、アラントイン及びビサボロールが好ましい。本発明の組成物が一種または二種以上の消臭物質を含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.0001〜10.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0110】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明の組成物は、無機及び有機UVフィルターからなる群から選択される一種または二種以上の物質を含み、特に好ましくはサンスクリーン組成物の形で存在する。
【0111】
本発明の組成物は、顔料/マイクロ顔料として、並び無機系サンスクリーンフィルターもしくはUVフィルターとして、微細な二酸化チタン、マイカ−酸化チタン、酸化鉄類、マイカ−酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ケイ素類、ウルトラマリンブルーまたは酸化クロム類を含むことができる。
【0112】
有機系サンスクリーンフィルターもしくはUV−フィルターは、好ましくは、4−アミノ安息香酸、3−(4’−トリメチルアンモニウム)−ベンジリデン−ボラン−2−オン−メチルスルフェート、カンファーベンズアルコニウムメトスルフェート、3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルサリチレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸及びこれのカリウム塩、ナトリウム塩及びトリエタノールアミン塩、3,3’−(1,4−フェニレンジメチン)−ビス−(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−1−メタンスルホン酸)及びそれの塩、1−(4−tert.−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、3−(4’−スルホ)−ベンジリデン−ボルナン−2−オン及びそれの塩、2−シアン−3,3−ジフェニル−アクリル酸−(2−エチルヘキシルエステル)、N−[2(及び4)−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)ベンジル]−アクリルアミドのポリマー、4−メトキシ−桂皮酸−2−エチル−ヘキシルエステル、エトキシル化エチル−4−アミノ−ベンゾエート、4−メトキシ−桂皮酸−イソアミルエステル、2,4,6−トリス−[p−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)−ジシロキサニル)−プロピル)フェノール、4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)−アミノ−カルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−イル)ジイミノ]ビス−(安息香酸−2−エチルヘキシルエステル)、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4(酸)、3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー、3−ベンジリデン−カンファー、サリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸(スルフィソベンゾナム)及びそのナトリウム塩、4−イソプロピルベンジルサリチレート、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アニリウムメチルスルフェート、ホモサラート(INN)、オキシベンゾン(INN)、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸及びそれのナトリウム−、カリウム−及びトリエタノールアミン塩、オクチルメトキシ桂皮酸、イソペンチル−4−メトキシ桂皮酸、イソアミル−p−メトキシ桂皮酸、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(オクチルトリアゾン)フェノール、2−2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)−ジシロキサニル)プロピル(ドロメトリゾールトリシロキサン)安息香酸、4,4−((6−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2−エチルヘキシル)エステル)安息香酸、4,4−((6−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−カルボニル)フェニル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2−エチルヘキシル)エステル)、3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー(4−メチルベンジリデンカンファー)、ベンジリデン−カンファー−スルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチル−ベンジリデン−カンファー、2−エチルヘキシルサリチレート(オクチルサリチレート)、4−ジメチル−アミノ安息香酸エチル−2−ヘキシルエステル(オクチルジメチルPABA)、PEG−25PABA、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(ベンゾフェノン−5)及びそのNa塩、2,2’−メチレン−ビス−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2イル)−4−(テトラメチル−ブチル)−1,1,3,3−フェノール、2−2’−ビス−(1,4−フェニレン)1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸のナトリウム塩、(1,3,5)−トリアジン−2,4−ビス((4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ)−フェニル)−6−(4−メトキシフェニル)、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル−2−プロペノエート、グリセリルオクタノエート、ジ−p−メトキシ桂皮酸、p−アミノ−安息香酸及びそれのエステル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−(2−β−グルコピラノキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、オクチルサリチレート、メチル−2,5−ジイソプロピル桂皮酸、シノキサート、ジヒドロキシ−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5,5’−ジスルホベンゾフェノンの二ナトリウム塩、ジヒドロキシベンゾフェノン、1,3,4−ジメトキシフェニル−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、2−エチルヘキシル−ジメトキシベンジリデン−ジオキソイミダゾリジンプロピオネート、メチレン−ビス−ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェノール−トリアジン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタルイリデンジカンファー−スルホン酸、2,4,6−トリス[4,2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、メチル−ビス(トリメチルシロキシ)シリル−イソペンチルトリメトキシ−桂皮酸、アミル−p−ジメチルアミノベンゾエート、アミル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、イソプロプル−p−メトキシ桂皮酸/ジイソプロピル桂皮酸エステル、2−エチルヘキシル−p−メトキシ桂皮酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸及びその三水和物、並びに2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホネートナトリウム塩、及びフェニル−ベンズイミダゾール−スルホン酸から選択される。
【0113】
本発明の組成物が一種または二種以上のサンスクリーンフィルターを含む場合は、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.001〜30.0重量%の量で、特に好ましくは0.05〜20.0重量%の量で、就中好ましくは1.0〜10.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0114】
本発明の組成物は一種または二種以上の酸化防止剤を含むことができ、該酸化防止剤は、好ましくは、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びそれらの誘導体、イミダゾール類(例えばウロカニン酸)及びそれらの誘導体、ペプチド類、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン及びそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド類、カロチン類(例えばα−カロチン、β−カロチン、リコピン)及びそれらの誘導体、クロロゲン酸及びそれの誘導体、リポン酸及びそれの誘導体(例えばジヒドロリポン酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール類(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びそれのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−及びラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、γ−リノレイル−、コレステリル−及びグリセリルエステル)並びにそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びそれの誘導体(例えば、エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びにスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)を非常に少量の許容可能な投与量で、更に(金属)−キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びそれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びそれの誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びそれらの誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mg−アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロール類及び誘導体(例えばビタミンE−アセテート)、ビタミンA及び誘導体(ビタミンA−パルミテート)並びにベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びそれの誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリルインデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びそれの誘導体、マンノース及びそれの誘導体、亜鉛及びそれの誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレン及びそれの誘導体(例えばセレンメチオニン)、スチルベン類及びそれらの誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)、スーパーオキシドジスムターゼ、及び上記の物質の本発明に適した誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及びリピド)から選択される。
【0115】
酸化防止剤は、酸化的な負荷から皮膚及び毛髪を保護することができる。この際、好ましい酸化防止剤はビタミンE及びそれの誘導体、並びにビタミンA及びそれの誘導体である。
【0116】
本発明の組成物が、一種または二種以上の酸化防止剤を含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.001〜30.0重量%の量で、特に好ましくは0.05〜20.0重量%の量で、特に好ましくは1.0〜10.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0117】
更に、2−ピロリドン−5−カルボキシレートのナトリウム塩(NaPCA)、グアニジン;グリコール酸及びそれの塩、乳酸及びそれの塩、グルコサミン及びそれの塩、ラクトアミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミン、尿素、ヒドロキシエチル尿素、ヒドロキシ酸、パンテノール及びそれの誘導体、例えばD−パンテノール(R−2,4−ジヒドロキシ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−3,3−ジメチルブタミド)、D,L−パンテノール、パントテン酸カルシウム、ペンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、イソプロピルパルミテート、グリセリン及び/またはソルビトールから選択される保湿剤が使用できる。本発明の組成物が一種または二種以上の保湿剤を含む場合には、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.1〜15.0重量%の量で、特に好ましくは0.5〜5.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0118】
追加的に、本発明の組成物は有機溶剤を含むことができる。原則的に、全ての一価もしくは多価のアルコールが有機溶剤として考慮される。好ましくは、炭素原子数1〜4のアルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、tert.−ブタノール、グリセリン及びこれらのアルコールの混合物が使用される。更に別の好ましいアルコールは、2000未満の相対分子量を有するポリエチレングリコールである。特に、200〜600の相対分子量を有するポリエチレングリコールを45.0重量%までの量で、及び400〜600の相対分子量を有するポリエチレングリコールを5.0〜25.0重量%の量で使用するのが好ましい。更に別の好ましい溶剤は、例えばトリアセチン(グリセリントリアセテート)及び1−メトキシ−2−プロパノールである。
【0119】
本発明の組成物は、着色料、例えば染料及び/または顔料から選択される一種または二種以上の物質を含むことができる。本発明の調合物中に含まれる染料及び/または顔料(有機系及び無機系の染料及び顔料のいずれも)は、化粧品法の対応するポジティブリストまたは化粧品用着色料のEGリストから選択される。
【0120】
【表1】
更に有利なものは、油溶性天然染料、例えばパプリカエキス、β−カロチン及びコヘニール(Cochenille)である。
【0121】
また、真珠光沢顔料、例えばパールエッセンス(魚鱗からのグアニン/ハイポキサンチン混晶)及び真珠母貝(粉砕した二枚貝の殻)、単結晶性真珠光沢顔料、例えばビスムトキシクロライド(BiOCl)、層−基材顔料、例えばマイカ/金属酸化物、TiOからなるシルバーホワイト真珠光沢顔料、干渉顔料(TiO、様々な層厚)、カラー光沢顔料(Fe)、及びコンビネーション顔料(TiO/Fe、TiO/Cr、TiO/ベルリンブルー、TiO/カルミン)も有利に使用される。
【0122】
本発明の枠内において、効果顔料(Effektpigment)とは、それらの屈折性によって特に光学的な効果を引き起こす顔料のことと解される。効果顔料は、処理された表面(皮膚、毛髪、粘膜)に光沢効果または光輝効果を与えるか、または拡散光散乱によって皮膚の起伏及び皮膚の皺を光学的に覆い隠すことができる。効果顔料の特別な実施形態としては干渉顔料が好ましい。特に好適な効果顔料は、例えば、少なくとも一種の金属酸化物で被覆されたマイカ粒子である。マイカの他に、層状ケイ酸塩、シリカゲル及び他のSiO変態も担体として好適である。被覆にしばしば使用される金属酸化物は、例えば酸化チタンであり、これには望ましい場合には酸化鉄を混合してもよい。顔料粒子の大きさ及び形状(例えば、球形、楕円形、平坦(abgeflacht)、平ら(eben)、凹凸)を介して並びに酸化物被覆の厚さを介して、反射特性に影響を与えることができる。他の金属酸化物、例えばビスムトキシクロライド(BiOCl)、並びに例えばチタンの酸化物、特にTiO変態のアナタス及びルチル、アルミニウム、タンタル、ニオブ、ジルコニウム及びハフニウム。フッ化マグネシウム(MgF)及びフッ化カルシウム(フルオロスパー,CaF)を用いて効果顔料を製造することもできる。
【0123】
上記効果は、顔料集合体の粒度や、粒度分布を介して制御できる。適当な粒度分布は、例えば2〜50μm、5〜25μm、5〜40μm、5〜60μm、5 〜95μm、5〜100μm、10〜60μm、10〜100μm、10〜125μm、20〜100μm、20 〜150μm、並びに<15μmである。より広い粒度分布、例えば20〜150μmの粒度分布は光輝性の効果を引き起こし、他方で<15μmのより狭い粒度分布は、均一な絹のような外観をもたらす。
【0124】
本発明の組成物が一種または二種以上の効果顔料を含む場合は、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.1〜20.0重量%の量で、特に好ましくは0.5〜10.0重量%の量で、就中好ましくは1.0〜5.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0125】
真珠光沢付与性成分としては、脂肪酸モノアルカノールアミド、脂肪酸ジアルカノールアミド、アルキレングリコール、特にエチレングリコール及び/またはプロピレングリコールまたはこれらのオリゴマーと高級脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸とのモノエステルまたはジエステル、グリセリンとカルボン酸、脂肪酸及びこれらの金属塩とのモノエステルもしくはポリエステル、ケトスルホン類、または上記の化合物の混合物が好適である。
特に好ましいものは、エチレングリコールジステアレート及び/またはグリコール単位数が平均で3のポリエチレングリコールジステアレートである。
【0126】
本発明の組成物が一種または二種以上の真珠光沢付与性化合物を含む場合は、これらは、対応する本発明の組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.1〜15.0重量%の量で、特に好ましくは1.0〜10.0重量%の量で、本発明の組成物中に含まれる。
【0127】
フレグランス油または香油としては、個々の匂い化合物、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素のタイプの合成生成物を使用することができる。エステルタイプの匂い化合物は、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−tert.−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルミエート、エチル−メチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びベンジルサリチレートである。エーテルには、例えばベンジルエチルエーテルが、アルデヒドには、例えば炭素原子数8〜18の線状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルゲオナールが、ケトンには、例えばアイオノン、アルファ−イソメチルアイオノン及びメチル−セドリルケトンが、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオン、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールが、炭化水素には主にテルペン類及びバルサム類が挙げられる。好ましくは、一緒になって心地良い香気を生む様々な匂い物質の混合物が使用される。
【0128】
香油は、植物性または動物性の源から得ることができるような天然の匂い物質混合物、例えばパイン油、シトラス油、ジャスミン油、ユリ油、バラ油、またはイランイラン油も含むことができる。大概の場合に芳香成分として使用される揮発性が比較的低いエーテル油も香油として適しており、例えばセージ油、カモミール油、チョウジ油、メリッサ油、ハッカ油、シナモンリーフ油、リンデンブロッサム油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油及びラダナム油などがある。
【0129】
濁り剤としては、ポリマー分散物、特にポリアクリレート誘導体分散物、ポリアクリルアミド誘導体分散物、ポリ(アクリレート誘導体−co−アクリルアミド誘導体)分散物、ポリ(スチレン誘導体−co−アクリレート誘導体)分散物、飽和もしくは不飽和脂肪アルコールを使用することができる。
【0130】
シリコーンには、上記にシリコーン油もしくはシリコーンワックスについて挙げた物質を使用できる。
【0131】
pH値を調節するための酸またはアルカリとしては、好ましくは鉱酸、特にHCl、無機塩基、特にNaOHまたはKOH、及び有機酸、特にクエン酸を使用できる。
【0132】
本発明の組成物は、好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜7、就中好ましくは2.5〜6.5のpH値を有する。
【0133】
本発明のポリマーは、増粘剤、コンシステンシー付与剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、接着剤、安定化剤または降伏点発生剤(Fliessgrenzenbildner)として有利に適している。
【0134】
それ故、本発明の更に別の対象は、増粘剤、コンシステンシー付与剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、接着剤、安定化剤または降伏点発生剤として、好ましくは増粘剤、コンシステンシー付与剤または感覚添加剤として、特に好ましくは増粘剤または感覚添加剤として、就中好ましくは感覚添加剤として、非常に好ましくは化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物中でのこれらの剤としての、一種または二種以上の本発明のポリマーの使用に関する。
【0135】
本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、本発明のポリマーは、エマルション、好ましくは塩含有エマルション、特に好ましくは塩含有化粧料エマルション、皮膚科学的エマルションまたは医薬用エマルションの安定化に使用される。
【0136】
本発明のポリマーは酸安定性であり、低いpH値を有する化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物、特に身体または顔の皮膚のケア及びトリートメントのためのこれらの組成物中に使用するのに有利に適している。
【0137】
それ故、本発明の更に別の対象は、好ましくは化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物中で、特に好ましくは酸性の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物中で、身体または顔の皮膚のケア及びトリートメントのための、一種または二種以上の本発明のポリマーの使用である。
【0138】
更に有利なことは、本発明のポリマーは、追加の感覚添加剤を一緒に使用しなくとも及び/または追加の増粘剤を一緒に使用しなとも、組成物中に、好ましくは化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物中に使用できることである。それ故、追加の感覚添加剤及び/または増粘剤を一緒に使用することは必須ではないが、可能である。他の既知の感覚添加剤及び/または増粘剤との組み合わせは、特定の化粧料プロフィルの調整及び相乗効果の利用のために望ましい場合がある。好ましくは、これらの組成物は、水系の、水−アルコール系の、水−界面活性剤系の、水−アルコール系界面活性剤含有の化粧料、皮膚科学的組成物または医薬組成物として存在し、この際、これらは、好ましくは、感覚添加剤及び追加の増粘剤から選択される追加の物質は含まない。
【0139】
既に述べたように、本発明の組成物は、本発明の更に別の好ましい実施形態の一つでは、無機及び有機系UVフィルターから選択される一種または二種以上の物質を含み、そして特に好ましくは、サンスクリーン組成物の形で存在する。この際、本発明のポリマーは、サンスクリーン組成物の日焼け防止指数(Sonnenschutzfaktor)を高めることができるという利点を示す。
【0140】
それ故、サンスクリーン組成物の日焼け防止指数を高めるための、一種または二種以上の本発明のポリマーの使用も本発明の更に別の対象である。
【実施例】
【0141】
以下の例及び使用は、本発明をより詳しく説明するものであるが、本発明はこれらの例に限定されない。
【0142】
A)本発明のポリマーの製造例
tert.−ブタノール中での析出法による本発明ポリマーの製造のための一般的な重合
手順
環流冷却器、ガス導入部、内部温度計及び攪拌機を備えた1Lクイックフィットフラスコ中に、400gのtert.−ブタノールを仕込み、そして計算量の2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸(AMPS(登録商標),Lubrizol)と混合する。次いで、NHを導入して中和し(所望のpH値は6〜7)、そして計算量の架橋剤を反応混合物中に加える。混合物をNまたはアルゴンで不活性化した後に、60℃の内部温度下に、ジラウロイルパーオキシド(DLP)またはジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V601)を開始剤として添加し、そして重合反応を開始する。数分間後、完成したポリマーが析出する。この混合物を二時間環流下に加熱し、次いで吸引濾過してポリマーから溶剤を除去し、そして減圧乾燥する。この手順を、一般的に、以下に記載の全ての重合反応に使用できる。
【0143】
以下の例1〜21のポリマーの製造のために、上記の一般重合手順に従い行った。以下の例1〜21に記載の表では、各々の左側の列には、重合に使用したモノマー及び開始剤の絶対量(グラム“g”)を、及び各々の右の列には、重量%に換算した対応する量を示す。各々の中間の列には、開始剤は考慮していないモノマーのモル分率(モル%)を示す。
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】
【表4】
【0147】
【表5】
【0148】
【表6】
【0149】
【表7】
【0150】
【表8】
【0151】
【表9】
【0152】
【表10】
【0153】
【表11】
【0154】
【表12】
【0155】
【表13】
【0156】
【表14】
【0157】
【表15】
【0158】
【表16】
【0159】
【表17】
【0160】
【表18】
【0161】
【表19】
【0162】
【表20】
【0163】
【表21】
【0164】
【表22】
【0165】
B)塩の存在下での増粘化の例及び本発明のポリマーの感覚的性質の例
B1)塩の存在下での増粘化
本発明のポリマーは、従来技術によるClariant社のHostacerin(登録商標)AMP5ポリマーよりも、塩の存在下により高い粘度をもたらす。この粘度は、水中2重量%の塩化ナトリウムの溶液中で2重量%のポリマー濃度で測定した。
【0166】
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計モデルDVII、スピンドルセットRVからのスピンドルを用いて、20回転/分及び20℃で測定した。スピンドルセットRVからのスピンドル1〜7を使用する。これらの測定条件下に、最大500mPa・sの粘度にはスピンドル1を、最大1,000mPa・sの粘度にはスピンドル2を、最大5,000mPa・sの粘度にはスピンドル3を、最大10,000mPa・sの粘度にはスピンドル4を、最大20,000mPa・sの粘度にはスピンドル5を、最大50,000mPa・sの粘度にはスピンドル6を、そして最大200,000mPa・sの粘度にはスピンドル7を選択する。
【0167】
【表23】
【0168】
B2)感覚的性質
追加的に、感覚的性質試験を、10名の被験者のパネル試験内で行った。この際、本発明のポリマーの感覚的性質を、以下のベース処方を使用して試験した。
【0169】
【表24】
この際、調合物は、以下に記載のポリマーを使用して調製した。ここで、Hostacerin(登録商標)AMP5(2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸及び架橋剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレートをベースとする、EP0816403(特許文献1)に相当するポリマー)を比較ポリマーとして使用し、そして感覚的性質を評価した。ポリマーの総合評価は、符号++=非常に良好、+=良好、○=満足、−=不満足として評価した。
【0170】
【表25】
【0171】
C)本発明の化粧料調合物の例
以下に記載する全ての百分率の値は、他に明示的に記載がなければ重量%である。
【0172】
以下の化粧料調合物を本発明のポリマーを用いて調製した。
【0173】
【表26】
調製:
ポリマーを水中に混ぜ入れ、各アルコール(これには、ピロクトン・オラミンまたはトリクロサンなどの抗菌有効物質を溶解してもよい)を加えそしてホモジナイズする。その結果、透明なジェルが生じる。
【0174】
【表27】
調製:
例1及び2のポリマーを水(場合によっては及びソルビトール)中に溶解する。カルボマーを添加する場合には、次いでNaOHでpH=7に中和する。残りの成分を、場合によりPGE−40水素化ヒマシ油と混合し、そして増粘された水相中に混ぜ入れる。
【0175】
【表28】
調製:
セチルアルコール及びラウレス硫酸ナトリウムを60℃に加熱し、混合し、そして攪拌しながら、他の成分が溶解されている水相中に導入する。
【0176】
【表29】
調製:
4−メチル−6−(シクロヘキシル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドンをプロピレングリコール中に溶解する。本発明のポリマーを水中に溶解し、次いで過酸化水素溶液を混ぜ入れ、その後、安定化剤としてのピロリン酸ナトリウム、並びにプロピレングリコール溶液を混ぜ入れる。
【0177】
20℃で約3,000mPa・sの粘度を有するジェルが生ずる。
【0178】
着色手順:
50mlのカラーベースを50mlのデベロッパージェルと混ぜ合わせ、そして毛髪に適用する。30分後すすぐ。
【0179】
【表30】
調製:
4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドンをプロピレングリコール中に溶解する。ポリマーを水中に溶解し、次いで過酸化水素溶液を混ぜ入れ、その後、二つの安定化剤及び前記プロピレングリコール溶液を混ぜ入れる。
【0180】
【表31】
調製:
4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドンをプロピレングリコール中に溶解する。
【0181】
ポリマーを水中に溶解し、過酸化水素溶液及びピロリン酸塩並びに前記プロピレングリコール溶液を導入しそしてホモジナイズする。
【0182】
【表32】
調製:
Aを加温しながら相B中に溶解する。相Cを相D中に分散し、そして水相中に混ぜ入れる。次いで、相E及びFを混ぜ入れる。
【0183】
【表33】
調製:
油相Aを80℃に加熱し、そしてポリマーBを混ぜ入れる。相Cをゆっくりと少しずつ、強く攪拌しながら加え、そして室温まで放冷する。
【0184】
【表34】
調製:
Bの成分を順次A中に溶解する。
【0185】
【表35】
調製:
ポリマーを水中に溶解し、次いで相C、D及びEを順次導入し、そしてホモジナイズする。
【0186】
【表36】
調製:
相Aを混合し、次いで相B及び相Cを順次加え、そしてpH値を相EでpH=5.5に調節する。最後に、均一で透明なジェルが生ずるまで相Dを混ぜ入れる。
【0187】
【表37】
調製:
Bの成分を順次相A中に混ぜ入れる。
【0188】
【表38】
調製:
相Aを加温しながら相B中に溶解し、相Cを混ぜ入れ、相Dを加え、そして相EでpHを6.5に調節する。相Fを混合し、次いで加え、その後、相Gを加えそして均一なジェルが達成されるまで攪拌する。場合によっては、相Hを用いて、pHを6.5に調節し、そして防腐剤Iを混ぜ入れる。
【0189】
【表39】
調製:
相Aを70℃で溶融し、相Bを撒き入れ、そして70℃に加温した相Cを混ぜ入れる。35℃に冷却した後、相Dを混ぜ入れ、最後に相EでpH=6に調節する。
【0190】
【表40】
調製:
相Aを80℃で溶融し、相B及び相Cを順次混ぜ入れる。相Dを相E中に予め溶解し、そして添加する、相Fを35℃で混ぜ入れ、そして相GでpH値を6.0に調節する。ゲルクリームが得られる。
【0191】
【表41】
調製:
相Aを80℃で溶融し、相B及び相Cを順次混ぜ入れる。相Dを相E中に予め溶解し、そして添加する。相Fを35℃で混ぜ入れ、そして相GでpH値を6.0に調節する。ゲルクリームが得られる。
【0192】
【表42】
調製:
相Aを80℃で溶融し、相B及び相Cを順次混ぜ入れる。相Dを30℃で加え、最後に相Eを混ぜ入れる。pH値が4.2のクリームが生ずる。
調合物例27〜32:高い日焼け防止指数を有するW/Oサンスクリーン調合物
サンスクリーン剤では、本発明のポリマーは、サンスクリーン調合物のより良好な分配性に寄与し、そして化粧料及び医薬用製品に心地よい皮膚感及び良好な塗り広げ性を与える。
【0193】
以下の表に示したサンスクリーン調合物を調製した。
【0194】
【表43】
調製:
調製のためには、油溶性成分を80℃に加熱し、セチルリン酸カリウム及び本発明のポリマーを順次撒き入れ、そして一緒にした水溶性相を、ゆっくりと強く攪拌しながら、油相中に導入した。生成したエマルションを、攪拌しながら室温まで放冷した。
【0195】
調合物例27〜32で使用したサンスクリーンフィルター、それの商品名及びそれのUV保護範囲を以下の表に示す。
【0196】
【表44】
【0197】
【表45】
調製:
相Aをホモジナイズしそして60℃で溶解し、そして相B中に混ぜ入れ、次いで相Cを攪拌しながら加え、そして1分間当たり300回転で攪拌する。次いで、相Dを混ぜ入れ、そしてEでpH値を調節する。
【0198】
【表46】
調製:
相Aを60℃に加熱し、相Bを混ぜ入れ、次いで相Cを攪拌しながら加え、そして1分間当たり300回転で攪拌し、そして放冷する。相Dを35℃で混ぜ入れ、相Eを加え、そして最後にホモジナイズする。
【0199】
【表47】
調製:
相Aを70℃に加熱し、相Cを70℃に加熱する。相Bを相A中に混ぜ入れ、次いで相Cを加え、そして十分にホモジナイズする。40℃未満に冷却した後、相Dを加え、そして一分間ホモジナイズする。

本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する。
1.
水溶性または水膨潤性のポリマーであって、それの繰り返し構造単位が、
a)次式(1)の一種または二種以上の互いに独立した繰り返し構造単位90.0〜99.99モル%、
【化3】
[式中、
は、水素、メチルまたはエチルを意味し、
Aは、線状もしくは分枝状C−C12−アルキレンを意味し、そして
は、H、NH、有機アンモニウムイオン[HNR(式中、R、R及びRは、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜22の線状もしくは分枝状アルキル基、炭素原子数2〜22の線状もしくは分枝状でモノ不飽和もしくはポリ不飽和のアルケニル基、C−C22−アルキルアミドプロピル基、炭素原子数2〜10の線状モノ−ヒドロキシアルキル基または炭素原子数3〜10の線状もしくは分枝状ジ−ヒドロキシアルキル基であることができ、この際、R、R及びR基のうちの少なくとも一つは水素ではない)、アルカリ金属、1/2アルカリ土類金属++、1/2Zn++または1/3Al+++、あるいはこれらのイオンの混合物を表す]
及び
b)次式(2)の一種または二種以上の互いに独立した繰り返し架橋性構造単位0.01〜10.0モル%、
【化4】
[式中、
は、水素、メチル、エチル、メチロールまたはエチロールを意味し、
2a、R2b及びR2cは、それぞれ互いに独立して、水素、メチルまたはエチルを意味し、
Xは、化学結合、メチレン、エチレンまたは炭素原子数3の線状もしくは分枝状アルキレン基を意味し、
、Y及びYは、それぞれ互いに独立して、化学結合、O、CH、C(O)O、OC(O)、C(O)NRまたはNRC(O)を意味し、
は、水素またはC原子数1〜50の線状もしくは分枝状アルキル基を意味し、
D、E及びFは、それぞれ互いに独立して、メチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、炭素原子数1〜6の線状もしくは分枝状アルキレン基、炭素原子数2〜6の線状もしくは分枝状でモノ不飽和もしくはポリ不飽和のアルケニレン基、炭素原子数2〜6の線状もしくは分枝状モノ−ヒドロキシアルキレン基、または炭素原子数3〜6の線状もしくは分枝状ジ−ヒドロキシアルキレン基を意味し、及び
o、p及びqは、それぞれ互いに独立して、0〜50の整数を意味し、そしてo+p+qの合計は≧3である]
からなることを特徴とする、前記水溶性または水膨潤性のポリマー。

2.
式(1)の一種または二種以上の構造単位が、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸またはそれの塩から誘導されることを特徴とする、上記1に記載のポリマー。

3.
式(1)の一種または二種以上の構造単位の中和度が50.0〜100モル%であることを特徴とする、上記1または2に記載のポリマー。

4.
式(1)の一種または二種以上の構造単位においてHとは異なる対イオンQが、NH、アルカリ金属、1/2アルカリ土類金属++及びこれらのイオンの混合物から選択されることを特徴とする、上記1〜3の一つまたはそれ以上に記載のポリマー。

5.
式(2)の一種または二種以上の構造単位において、Rが水素またはエチルであり、R2a、R2b及びR2cが、それぞれ互いに独立して、水素またはメチルであり、Xが化学結合またはメチレンであり、Y、Y及びYが、それぞれ互いに独立して、C(O)OまたはOC(O)であり、D、E及びFが、それぞれ互いに独立して、エチレンオキシまたはプロピレンオキシであり、o、p及びqが、それぞれ互いに独立して、0〜30の整数であり、そしてo+p+qの合計が3〜20であることを特徴とする、上記1〜4の一つまたはそれ以上に記載のポリマー。

6.
式(2)の一種または二種以上の構造単位が、グリセリンプロポキシレートトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(TMPTA−PO−3)及びトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(TMPTA−EO−3)からなる群から選択される一種または二種以上の架橋剤に由来することを特徴とする、上記1〜5の一つまたはそれ以上に記載のポリマー。

7.
上記1〜6の一つまたはそれ以上に記載の一種または二種以上のポリマーを、組成物の総重量を基準にして0.01〜10.0重量%の量で含む、化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

8.
水系もしくは水−アルコール系として構成されるか、またはエマルションとして存在することを特徴とする、上記7に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

9.
無機塩及び有機塩から選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、上記7または8に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

10.
アルファ−及びベータ−ヒドロキシ酸から選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、上記7〜9の一つまたはそれ以上に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

11.
ビタミンC及びビタミンC誘導体から選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、上記7〜10の一つまたはそれ以上に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

12.
安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸、乳酸及びパラメトキシ安息香酸から選択される一種または二種以上の物質を含むことを特徴とする、上記7〜11の一つまたはそれ以上に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

13.
一種または二種以上の抗菌有効物質を含み、そして消毒用ジェルの形で存在することを特徴とする、上記7〜12の一つまたはそれ以上に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

14.
無機及び有機UV−フィルターから選択される一種または二種以上の物質を含み、そして好ましくはサンスクリーン組成物の形で存在することを特徴とする、上記7〜13の一つまたはそれ以上に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

15.
pH値が2〜10であることを特徴とする、上記7〜14の一つまたはそれ以上に記載の化粧料組成物、皮膚科学的組成物または医薬組成物。

16.
増粘剤、コンシステンシー付与剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、接着剤、安定化剤または降伏点発生剤としての、上記1〜6の一つまたはそれ以上に記載の一種または二種以上のポリマーの使用。

17.
エマルションの安定化、好ましくは塩含有エマルションの安定化のための、上記16に記載の一種または二種以上のポリマーの使用。