特許第5976780号(P5976780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976780
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】適応通知
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-505183(P2014-505183)
(86)(22)【出願日】2012年4月3日
(65)【公表番号】特表2014-513474(P2014-513474A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】US2012032022
(87)【国際公開番号】WO2012141945
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2015年3月13日
(31)【優先権主張番号】13/084,027
(32)【優先日】2011年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ベーア,マサイアス
(72)【発明者】
【氏名】シュライナー,ジェッシー セージ
【審査官】 松平 英
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−167726(JP,A)
【文献】 特開2000−148607(JP,A)
【文献】 特開2005−323179(JP,A)
【文献】 特表2010−541428(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/078152(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0205259(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/03−3/0489
H04B 7/24−7/26
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置で表示される通知を適応させる方法であって、
無線ネットワークの検出に応答して表示されるメッセージ通知を表示するステップと、
前記メッセージ通知を拒絶する動作又は前記メッセージ通知に対する無活動をモニタするステップと、
前記拒絶又は無活動に応答して、将来の同様のメッセージの通知が表示されるかどうかを変更するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記メッセージ通知は第1のメッセージ通知であり、将来の同様のメッセージを変更するステップは、
イベントを検出するステップと、
前記イベントに関連する第2のメッセージ通知を表示する前に、同じメッセージ通知に応答した過去のユーザ動作についてデータ記憶を確認するステップと、
前記過去のユーザ動作に基づき、前記第2のメッセージ通知をキャンセルし、あるいは、前記第2のメッセージ通知が如何にしてアクセスされるのかを変更するステップと
を更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のメッセージ通知が如何にしてアクセスされるのかを変更するステップは、ポップアップウィンドウを表示することなく前記メッセージ通知をアクセス可能にするステップを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記将来の同様のメッセージの通知が表示されるかどうかを変更するステップは、システム状態又はコンテキスト情報に基づき順位付けレベルを決定するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記メッセージ通知は携帯電話機で表示され、前記メッセージは前記携帯電話機から発せられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記メッセージ通知は、自動的に表示されるポップアップウィンドウである、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
モバイル装置において表示される通知を適応させる方法であって、
無線ネットワークが利用可能であること、バッテリー残量が低いこと、ローミングステータスの変化があること、タイムゾーンの変化があること、又は時間変更があることのうちの1又はそれ以上の検出である第1のイベントに応答して第1のポップアップ通知を表示するステップと、
前記第1のポップアップ通知に対するユーザの応答をモニタするステップと、
前記ユーザの応答が前記第1のポップアップ通知に関心又は無関心を示したかどうかを決定するステップと、
前記ユーザの応答が関心を示した場合は、第2のイベントの検出時に前記第1のポップアップ通知と同様である第2のポップアップ通知を表示するステップと、
前記ユーザの応答が無関心を示した場合は、前記第2のポップアップ通知を抑制するステップと
を有する方法。
【請求項8】
携帯電話機でポップアップ通知を適応させる方法であって、
前記携帯電話機において、無線装置、バッテリー低下、ローミングステータスの変化、タイムゾーンの変化、又は時間変更のうちの1又はそれ以上の検出である局所的イベントを検出するステップと、
ユーザに対する前記局所的イベントの順位付けレベルに基づき、前記局所的イベントの検出に応答して前記携帯電話機で通知を表示すべきかどうかを決定するステップと
を有し、
前記決定するステップは、
同様の通知に対する1又はそれ以上の過去の応答を示す局所データ記憶からデータを取り出し、前記通知を表示すべきかどうかを決定する際に前記データを用いるステップと、
前記決定に基づき、前記順位付けレベルが閾値を超える場合はポップアップ通知を表示し、あるいは、前記順位付けレベルが前記閾値を超えない場合は前記通知を表示しないステップと
を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現在の無線及びブロードバンド通信技術は、携帯電話、コンピュータ、テレビ受像機等のような電子機器を用いて様々な通知を提示する。そのような通知は、人々が関心を引く情報の把握を保つのを助ける。時々、しかしながら、通知は、ユーザの一次タスクの歓迎されない中断となり得る。
【0002】
現在、ユーザが通知に関連する種々の優先を選択することができるシステムが存在する。そのような特定の且つ方向性を持ったユーザ制御は、望まないメッセージを多少なりとも解消するのに役立つことができる。他のシステムは、ユーザの現在の状態及び周囲環境を追跡し推測することによって、通知を適応させることができる。そのようなシステムは、どれだけ容易に且つ明りょうにメッセージが認識されるかを計算するモデルを含むことができる。例えば、システムは、ユーザの現在の活動によって識別されるユーザの注視状態を計算しようと試みることができる。幾つかのシステムは、ユーザの視覚的注意が電話に向けられているかどうかを検出しようとさえ試みる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザ位置、移動パターン、及びユーザ注意を追跡する高度なモデリングは、開発するのにあまりに費用がかかる。更に、そのようなシステムは遅く、エラーを起こしがちである。望まないメッセージを別なふうに除き又は減らすより簡易なシステムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本項目は、詳細な説明において以下で更に記載される簡単な形で概念の選択を導入するよう提供される。本項目は、請求される対象の重要な特徴又は必須の特徴を特定するよう意図されず、且つ、請求される対象の適用範囲を制限するために用いられるよう意図されない。
【0005】
本願は、(同意して又は非動作により)メッセージを受け入れた又は拒絶した過去の動作を見、将来の同様の通知が表示されるかどうか及び/又は如何にして表示されるのかを変更する簡易な通知スキームを提供する。例えば、ユーザがポップアップ通知を一貫して無視又は拒絶する場合は、システムは、そのようなポップアップ通知が再び表示されるか否かを変更することができる。
【0006】
1つの具体的な実施例では、無線ネットワークが携帯電話によって検出されてよい。携帯電話は、ポップアップ通知がユーザの過去の動作に基づき表示されるべきかどうかを決定することができる。無線ネットワークの検出の例では、ポップアップ通知は、電子メール又はSMSメッセージから生じるプッシュタイプ通知と対照的に、携帯電話自体において起こる。
【0007】
他の実施形態では、1又はそれ以上のパラメータは、ユーザについて通知の順位付けを決定するために解析されてよい。順位付けレベルが所定の閾値を超える場合は、通知は表示され得る。他方で、順位付けレベルが閾値を下回る場合は、通知は抑制され得る。抑制は、メッセージ通知を完全にキャンセルすること、又はユーザによる積極的行動によりメッセージ通知を利用可能にすること、であってよい。パラメータの例には、過去の行動、システム状態又はコンテキスト情報、あるいは、他のユーザの過去の動作が含まれてよい。
【0008】
本発明の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して進行する以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に従う携帯電話の例である。
図2】以前の動作に基づき通知を変更する方法のフローチャートである。
図3】潜在的な入力パラメータに基づき通知を変更するシステムの例である。
図4】通知の扱いが局所的イベントの検出に基づく他の実施形態のフローチャートである。
図5】メッセージ通知が無線ネットワークの検出に応答して適応される特定の例のフローチャートである。
図6】メッセージ通知を表示すべきかどうか及び/又は如何にして表示すべきかを決定する際に使用され得る複数の入力パラメータを示す方法のフローチャートである。
図7】様々な装置にわたって如何にしてメッセージ通知を変更すべきかを決定するためにネットワークが使用され得るシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、全体として102で示される様々な任意のハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを有するモバイル装置100の例を表すシステム図である。モバイル装置における如何なるコンポーネント102も如何なる他のコンポーネントとも通信することができるが、例示の簡単のために、全ての接続が示されているわけではない。モバイル装置は、様々なコンピュータ装置(例えば、セル方式の携帯電話、スマートホン、携帯型コンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、等)のいずれであってもよく、セルラー又は衛星ネットワークのような1又はそれ以上のモバイル通信ネットワーク104との無線双方向通信を可能にすることができる。
【0011】
表されているモバイル装置100は、信号符号化、データ処理、入出力処理、電力制御、及び/又は他の機能のようなそんなタスクを実行するコントローラ又はプロセッサ110(例えば、信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、ASIC、又は他の制御及び処理ロジック回路)を有することができる。オペレーティングシステム112は、コンポーネント102の割当及び使用を制御し、且つ、1又はそれ以上のアプリケーションプログラム114をサポートすることができる。アプリケーションプログラムは、一般的なモバイルコンピュータアプリケーション(例えば、電子メールアプリケーション、カレンダ、コンタクトメッセンジャ、ウェブブラウザ、メッセージングアプリケーション)、又は何らかの他のコンピュータアプリケーションを有してよい。
【0012】
表されているモバイル装置100は、メモリ120を有することができる。メモリ120は、取り外し不可能なメモリ122及び/又は取り外し可能なメモリ124を有することができる。取り外し不可能なメモリ122は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、又は他のよく知られているメモリ記憶技術を有することができる。取り外し可能なメモリ124は、GSM(登録商標)通信システムにおいてよく知られているフラッシュメモリ若しくは加入者識別モジュール(SIM;Subscriber Identity Module)カード、又は“スマートカード”のような他のよく知られているメモリ記憶技術を有することができる。メモリ120は、オペレーティングシステム112及びアプリケーション114を実行するデータ及び/又はコードを記憶するために使用されてよい。データの例には、1以上のネットワークサーバ又は他の装置との間で1以上の有線又は無線ネットワークを介して送信及び/又は受信されるウェブページ、テキスト、画像、音響ファイル、映像データ、又は他のデータセットが含まれ得る。メモリ120は、国際移動電話加入者識別番号(IMSI;International Mobile Subscriber Identity)のような加入者識別子と、国際移動電話設備識別番号(IMEI;International Mobile Equipment Identifier)のような設備識別子とを記憶するために使用されてよい。そのような識別子は、ユーザ及び設備を識別するようネットワークサーバへ送信されてよい。
【0013】
モバイル装置100は、タッチスクリーン132、マイクロホン134、カメラ136、物理キーボード138及び/又はトラックボール140のような1以上の入力装置130と、スピーカ152及びディスプレイ154のような1以上の出力装置150とをサポートすることができる。ディスプレイ154は、ここで記載される適応通知を表示するために使用されてよい。他の可能な出力装置(図示せず。)は、圧電型の又は他の触覚に基づく出力装置を有することができる。幾つかの装置は、1よりも多い入力/出力機能を提供することができる。例えば、タッチスクリーン132及びディスプレイ154は、単一の入力/出力装置においてまとめられてよい。
【0014】
無線モデム160は、アンテナ(図示せず。)へ結合可能であり、当該技術においてよく理解されているように、プロセッサ110と外部装置との間の双方向通信をサポートすることができる。モデム160は総称的に示されており、モバイル通信ネットワーク104と通信するセルラーモデム及び/又は他の無線に基づくモデム(例えば、ブルートゥース又はワイファイ)を有することができる。無線モデム160は、一般的に、単一のセルラーネットワーク内、セルラーネットワーク間、又はモバイル装置と公衆交換電話網(PSTN;Public Switched Telephone Network)との間のデータ及びボイス通信のためのGSMネットワークのような1以上のセルラーネットワークとの通信のために構成される。
【0015】
モバイル装置100は、少なくとも1つの入力/出力ポート180、電源182、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信器のような衛星ナビゲーションシステム受信器184、加速度計186、及び/又は物理コネクタ190を更に有することができる。物理コネクタ190は、USBポート、IEEE1394(ファイヤファイヤ)ポート、及び/又はRS−232ポートであってよい。表されているコンポーネント102は、いずれのコンポーネントも削除可能であり且つ他のコンポーネントが加えられ得るので、必須でも包括的でもない。
【0016】
図2は、モバイル装置のユーザのために通知を適応させる方法のフローチャートである。処理ブロック210で、第1のメッセージ通知が表示される。例えば、メッセージ通知はポップアップ通知であってよい。ポップアップ通知は、標準ウィンドウよりもサイズが小さいウィンドウであり、一般的に、ツールバー又はステータスバーのような標準機能を含まない。代替的に、全機能を搭載したウィンドウがメッセージ通知として表示されてよい。処理ブロック220で、プロセッサ110又は他の装置は、ユーザの動作をモニタしてよい。特に、ユーザの動作は、ユーザがメッセージ通知を拒絶し又は別なふうに通知を無視するかどうかを決定するよう、モニタされる。いずれの場合にも、ユーザの応答は、通知への無関心を示す。代替的に、ユーザがメッセージ通知を受け入れる場合は、ユーザの応答は、通知への関心を示す。例となるメッセージ通知は、無線ネットワークが利用可能であることを携帯電話が検出するところの無線ネットワーク通知であってよい。そのような通知はしばしば、“ワイファイ”通知として表示される。一実施形態において、通知を拒絶することは、通知を“キャンセル”する又は閉じるとの指示のようなタッチ画面上の適切なキー又は位置を押すことによる積極的な選択を介してよい。他の実施形態では、一定期間単に通知を無視すること(すなわち、無活動)が拒絶と見なされてよい。処理ブロック230で、拒絶又は無活動に応答して、携帯電話は、将来の同様のメッセージが表示されるかどうか、又は将来の同様のメッセージが如何にして表示されるのか、を変更する。一実施形態において、例えば、単純な順位付けシステムが使用されてよく、通知の順位付けは拒絶により下げられる。そのような順位付けは、将来の使用のために局所データベースにおいて記憶されてよい。メッセージ通知が表示される頻度も相応に減らされてよい。簡単な例において、メッセージが連続して5回無視される場合に、それは再び表示されず、あるいは、それは50%又はその他の割合の時間だけ表示される。メッセージが拒絶又は無視される回数が多くなるほど、そのメッセージが同じイベントに応答して表示される時間の割合はますます短くなる。他の実施形態において、順位が低いメッセージに関し、メッセージ通知は、ユーザがそのメッセージ通知を積極的に探す場合に利用可能にされてよく、一方、通知は、割り込んだポップアップウィンドウでは表示されない。よって、順位付けアルゴリズムは、通知が表示される方法を変更するために使用されてよい。すなわち、通知を提供する情報が変更され得る。ソーシャルネットワーキング通知の例を用いて、近しい友人からの通知は、より遠い知人からの通知とは違って、又は異なる情報を有して表示されてよい。同様に、‘熱い’会話の部分として特定された通知の例を用いることは、違って取り扱われてよい。
【0017】
適応通知は、SMS、インスタントメッセージング又は電子メール通知のようなプッシュ通知にも適用され得る。例えば、ユーザが一貫して特定の人物からのインスタントメッセージを無視する場合、将来のインスタントメッセージはそれらの順位付けに関して降格されてよい。同様に、ユーザが一貫して特定のサードパーティのステータス更新を拒絶又は無視する場合、そのような更新はそのサードパーティに関して格下げされてよい。適応通知は、プッシュ通知よりむしろ、モバイル装置自体において起こる通知にも適用され得る。例えば、無線ネットワークの検出は、モバイル装置において起こるメッセージ通知である。他の例には、(何らかの新しい地理的範囲内に移動することに基づく)ジオフェンシング、無線装置(例えば、ブルートゥース)の検出、バッテリー低下、ローミングステータスの変化、タイムゾーンの変化、(夏時間調整による)時間変更等がある。
【0018】
図3は、通知を示す要求が310で受け取られるシステム図を示す。通知は、プッシュタイプの通知又はモバイル装置自体において起こる通知であってよい。320で、過去の動作のデータ記憶部は、通知に関連する情報と、如何にして以前に通知が応答されたかとを記憶する。330で、適応通知アルゴリズムは、要求310を受け取り、データ記憶部320から同様の要求に対する以前の応答を検索する。以前の応答に基づき、適応通知アルゴリズム330は、通知を表示すべきかどうか及び/又は如何にして通知を表示すべきかに関する知的決定を行うことができる。複雑なアルゴリズムよりむしろ、適応通知アルゴリズムは簡単な規則に基づくアプローチであることができる。例えば、通知が以前に1度拒絶された場合は、アルゴリズムは通知を80%の時間だけ表示するよう、2度拒絶された場合は、60%の時間だけ、3度拒絶された場合は、40%の時間だけといったように決定することができる。適応通知アルゴリズム330はまた、通知をディスプレイ340で即座に表示すると決定することができる。あるいは、適応通知アルゴリズム330は、通知が表示される態様を決定することができる。例えば、自動ポップアップ通知に代えて、メッセージ通知は、ユーザがメッセージを見るよう積極的にメッセージにアクセスする場合に利用可能にされてよい。そのようなものとして、より低い順位付けを有するメッセージ通知の場合が当てはまる。反対に、高い順位付けを有するメッセージ通知は、(ツールバーを有する)ポップアップウィンドウにおいて自動的に表示されてよい。よって、変更を表示するモードは、決定された順位付けに基づき変更されてよい。
【0019】
他のデータが適応通知アルゴリズム330に入力されてよい。例えば、350で、他のシステム状態又はコンテキスト情報が適応通知アルゴリズム330によって使用されてよい。コンテキスト情報は地理的位置に基づいてよい。例えば、電子メールがバンクーバーにいる友人から受信され且つユーザが現在バンクーバーを旅行中である場合、電子メール通知は順位付けを上げられてよい。よって、携帯電話は、局所GPS受信機を用いて地理的位置を計算し又は別なふうに決定し、それに応じて通知順位付けを変更してよい。システム状態情報の一例は、電話のバッテリーの充電が不十分である場合に、バイブレーション又は画面起動がエネルギを節約するために抑制され得る。代わりに、ユーザは、次にユーザが画面起動を開始するときに通知を得ることができる。360で、同様の通知を受け取った同様のユーザのデータも適応通知アルゴリズム330によって使用されてよい。例えば、マンション開発に関する無線ネットワーク通知がユーザの99%によって過去に拒絶されていた場合、通知の順位付けは下げられる。
【0020】
ユーザから収集される如何なる情報もオプトイン承諾を有してよく、ユーザはデータ収集に同意するようデータが収集される前に積極的行動を取ることができる点に留意すべきである。代替的に、暗黙の承諾が与えられてよく、これによって、通知に応答して何もしないことは、データが収集されてよいことを暗に意味する。
【0021】
図4は、如何にして通知が局所的イベントに基づき表示されるのかを適応させるための方法のフローチャートである。処理ブロック410で、局所的イベントが検出され得る。例えば、ブルートゥース装置が検出されてよく、あるいは、無線ネットワークが検出されてよい。イベントは、検出がモバイル装置自体に起こった点で局所的である。処理ブロック420で、データ記憶は、過去のユーザ行動について確認される。例えば、データ記憶部は、ユーザが同様のメッセージ通知(例えば、同じメッセージ通知)を拒絶又は無視した(概して、メッセージに無関心であった)回数を記憶することができる。代替的に、ユーザがメッセージ通知を受け入れた回数が記憶されてよい。処理ブロック430で、過去のユーザ行動に基づき、メッセージ通知はキャンセルされてよく(これは、それがユーザに報告されないことを意味する。)、あるいは、メッセージ通知は、如何にしてそれがアクセスされるのかに関して変更されてよい。メッセージ通知を変更することにより、通知は、それが以前にユーザに提示されたのとは別なふうに扱われる。通知が表示された最後のときに、それはポップアップ通知として表示されていたが、順位付けが下がったことにより、その通知は今では、ポップアップウィンドウの割り込みなしに、ユーザが暇なときにアクセスすることができるフォルダに追いやられてよい。
【0022】
図5は、無線ネットワーク通知に関する特定の方法のフローチャートである。処理ブロック510で、無線ネットワークが携帯電話によって検出される。そのような検出は、外部からのプッシュ通知が電話によって受け取られていないという意味で局所的である。処理ブロック520で、データ記憶は、ユーザに同じ無線ネットワークについての以前の通知を以前に拒絶又は無視したかどうかを決定するよう確認される。例えば、現在の通知がスターバックス(登録商標)ネットワークからである場合、そのネットワーク情報は、キーとしてスターバックス(登録商標)ネットワークを検索することによって、データ記憶部から取り出される。次いで、順位付けは、データ記憶部から得られ、あるいは、関連する記憶データに基づき動的に計算されてよい。決定ブロック530で、取り出された情報は、1又はそれ以上の以前のメッセージ通知が閾回数よりも多く拒絶されたかどうかを示すかどうかが確認される。否(‘いいえ’)である場合、処理ブロック540で、検出された無線ネットワークの新たな通知がポップアップ通知において表示される。真(‘はい’)である場合、処理ブロック550で、順位付けレベルに基づき、通知を表示すべきかどうかが決定される。順位付けレベルは多種多様なパラメータに基づいてよく、使用される特定のパラメータは設計に依存する。しかし、パラメータの幾つかの例が図6に関して記載される。
【0023】
図6は、異なる潜在的なパラメータを示す方法のフローチャートである。それらのパラメータのうちの1又はそれ以上が使用されてよい。処理ブロック610で、データが、過去の応答を示す局所記憶から受け取られる。処理ブロック620で、システム状態及び/又はコンテキスト情報が取り出される。そのようなコンテキスト情報は、例えば、携帯電話におけるGPSユニットから得られる位置読出に基づいてよい。処理ブロック630で、データは、同じ通知を受け取った同様のユーザに関して受け取られる。処理ブロック640で、順位付けアルゴリズムは、上記のパラメータのうちの1又はそれ以上に基づき順位付けレベルを決定するために使用される。決定ブロック650で、順位付けレベルが所定閾を超えたかどうかが決定される。真(‘はい’)である場合、通知が表示される(処理ブロック660)。否(‘いいえ’)である場合、処理ブロック670で、頻度決定は、メッセージ通知が以前に表示された頻度に関してなされる。頻度が決定された順位付けレベルに基づく所定範囲を下回る場合は、メッセージは表示される。そうでない場合は、メッセージは抑制される。
【0024】
図7は、記載されている実施形態、技術、及びテクノロジが実施され得る適切な実施環境700の一般化された例を表す。
【0025】
例となる環境700において、様々なタイプのサービス(例えば、コンピューティングサービス)がクラウド710によって提供される。例えば、クラウド710は、コンピュータ装置730,740,750の集合を有することができる。これらのコンピュータ装置は中央集権的に配置されても又は分散されてもよく、インターネットのようなネットワークを介して接続される様々なタイプのユーザ及び装置へクラウドに基づくサービスを提供する。実施環境700は、コンピュータタスクを達成するために様々な方法において使用されてよい。例えば、幾つかのタスク(例えば、ユーザ入力を処理すること及びユーザインターフェースを提示すること)は、ローカルコンピュータ装置(例えば、接続されている装置730,740,750)において実行されてよく、一方、他のタスク(例えば、その後の処理において使用されるデータの記憶)は、クラウド710において実行されてよい。適応通知に関して、通知が1つの装置において表示される方法における変更は、全ての装置にわたって再現され得る。例えば、1人のユーザがラップトップ及び携帯電話を有する場合、通知は、より普遍的な経験をユーザに提供するように両方において適応され得る。クラウド710はまた、過去のユーザ行動のデータ記憶を保持し且つ通知のための順位付けを保持又は計算することができる。
【0026】
例となる環境700において、クラウド710は、接続されている装置730,740,750に様々なスクリーン機能を提供する。接続されている装置730は、コンピュータ画面735(例えば、中型画面)を備えた装置に相当する。例えば、接続されている装置730は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、等のようなパーソナルコンピュータであってよい。接続されている装置740は、モバイル装置画面745(例えば、小型画面)を備えた装置に相当する。例えば、接続されている装置740は、携帯電話、スマートホン、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータ、等であってよい。接続されている装置750は、大画面755を備えた装置に相当する。例えば、接続されている装置750は、テレビジョン画面(例えば、スマートテレビジョン)又はテレビジョンへ接続されている他の装置(例えば、セットトップボックス若しくはゲーム機コンソール)等であってよい。接続されている装置730,740,750の1又はそれ以上はタッチスクリーン機能を有してよい。タッチスクリーンは、様々な方法において入力を受け入れることができる。例えば、容量式タッチスクリーンは、対象(例えば、指先又はスタイラス)が、表面にわたって通された電流を歪めるか又は遮断する場合に、タッチ入力を検出する。他の例として、タッチスクリーンは、光センサからのビームが遮断される場合にタッチ入力を検出するよう光センサを使用することができる。スクリーンの表面との物理接触は、幾つかのタッチスクリーンによって入力が検出されるために必須ではない。
【0027】
サービスは、サービスプロバイダ720を通じて、又はオンラインサービスの他のプロバイダ(図示せず。)を通じて、クラウド710によって提供され得る。例えば、クラウドサービスは、特定の接続されている装置(例えば、接続されている装置730,740,750)の画面サイズ、表示機能、及び/又はタッチスクリーン機能に対してカスタマイズされ得る。
【0028】
例となる環境700において、クラウド710は、少なくとも部分的にサービスプロバイダ720を用いて、ここで記載されている技術及び解決法を様々な接続されている装置730,740,750へ提供する。例えば、サービスプロバイダ720は、様々なクラウドに基づくサービスのために中央集権的解決法を提供することができる。サービスプロバイダ720は、ユーザ及び装置のための(例えば、接続されている装置730,740,750及び/又はそれらの夫々のユーザのための)サービス加入を管理することができる。
【0029】
開示されている方法の一部の動作は、都合の良い提示のために、特定の順序において記載されるが、このような記載の仕方は、特定の順序づけが以下で挙げられている具体的な言語によって必要とされない限り、再配置を包含すると理解されるべきである。例えば、順次記載される動作は幾つかの場合に再配置されるか又は同時に実行されてよい。更に、簡単のために、添付の図面は、開示されている方法が他の方法とともに使用可能である様々な方法を示さないことがある。
【0030】
開示されている方法のいずれも、1以上のコンピュータ読取可能な記憶媒体(例えば、1以上の光学媒体ディスク、揮発性メモリコンポーネント(例えば、DRAM若しくはSRAM)、又は不揮発性メモリコンポーネント(例えば、ハードドライブ)のような持続性コンピュータ可読媒体)において記憶されてコンピュータ(例えば、コンピュータハードウェアを有するスマートホン若しくは他のモバイル装置を含むあらゆる市販のコンピュータ)において実行されるコンピュータ実行可能な命令として実施されてよい。開示されている技術を実施するためのコンピュータ実行可能な命令並びに開示されている実施形態の実施の間に生成および使用されるあらゆるデータのいずれも、1以上のコンピュータ読取可能な媒体(例えば、持続性コンピュータ可読媒体)において記憶されてよい。コンピュータ実行可能な命令は、例えば、ソフトウェアアプリケーション、あるいは、ウェブブラウザ又は他のソフトウェアアプリケーション(例えば、遠隔コンピュータアプリケーション)を介してアクセス又はダウンロードされるソフトウェアアプリケーションの部分であってよい。そのようなソフトウェアは、例えば、単一のローカルコンピュータ(例えば、あらゆる適切な市販のコンピュータ)において、又は1以上のネットワークコンピュータを用いるネットワーク環境において(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、クライアントサーバネットワーク(例えば、クラウドコンピュータネットワーク)、又は他のそのようなネットワークを介して)実行されてよい。
【0031】
明りょうさのために、ソフトウェアに基づく実施のある選択された態様のみが記載されている。当該技術においてよく知られている他の詳細は省略される。例えば、開示されている技術は、何らかの特定のコンピュータ言語又はプログラムに限定されないことが理解されるべきである。例えば、開示されている技術は、C++、Java(登録商標)、Perl、JavaScript(登録商標)、Adobe Flash、又は他の何らかの適切なプログラミング言語によって実施されてよい。同様に、開示されている技術は、如何なる特定のコンピュータ又はタイプのハードウェアにも限定されない。適切なコンピュータ及びハードウェアのある詳細はよく知られており、本開示において詳細に記載される必要がない。
【0032】
更に、(例えば、コンピュータに開示されている方法のいずれかを実行させるためのコンピュータ実行可能な命令を有する)ソフトウェアに基づく実施形態のいずれも、適切な通信手段を介してアップロードされ、ダウンロードされ、あるいは、遠隔でアクセスされてよい。そのような適切な通信手段は、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバケーブルを含む。)、磁気通信、電磁気通信(RF、マイクロ波、及び赤外線通信を含む。)、電子通信、又は他のそのような通信手段を含む。
【0033】
開示されている方法、装置、及びシステムは、決して限定として解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で並びに互いの様々な結合及び小結合において、様々な開示されている実施形態の全ての新規且つ非自明の特徴及び態様に向けられている。開示されている方法、装置、及びシステムは、如何なる特定の態様若しくは特徴又はそれらの結合にも制限されず、開示されている実施形態は、1以上の特定の利点のいずれかが提示されるか又は問題が解決されることを要さない。
【0034】
開示されている発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮して、表されている実施形態は単に本発明の望ましい例にすぎず、本発明の適用範囲を制限すると解されるべきではないことが認識されるべきである。むしろ、本発明の適用範囲は、特許請求の範囲によって定義される。従って、我々は、特許請求の範囲の適用範囲及び精神の中にある全てを我々の発明として請求する。
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図7