(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976801
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】固定ポットホール保護を用いたシザーリフトのブレークオーバー角度の最大化
(51)【国際特許分類】
B60P 3/14 20060101AFI20160817BHJP
E04G 1/22 20060101ALI20160817BHJP
B62D 21/18 20060101ALI20160817BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20160817BHJP
B60K 28/14 20060101ALI20160817BHJP
B66F 9/075 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
B60P3/14 A
E04G1/22 Z
B62D21/18 Z
B62D25/20 A
B60K28/14
B66F9/075 Z
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-520415(P2014-520415)
(86)(22)【出願日】2012年10月17日
(65)【公表番号】特表2014-526992(P2014-526992A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】US2012060506
(87)【国際公開番号】WO2013059243
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2014年1月8日
(31)【優先権主張番号】61/547,936
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597011614
【氏名又は名称】ジェイエルジー インダストリーズ インク.
【氏名又は名称原語表記】JLG INDUSTRIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(72)【発明者】
【氏名】ソラーズ, ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンクランス, デヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング, トロイ
【審査官】
畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06019190(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0193290(US,A1)
【文献】
特開2000−281295(JP,A)
【文献】
特開2009−143676(JP,A)
【文献】
Iteco self-propelled push around,2011年 8月12日,URL,http://www.vertikal.net/en/news/story/12958
【文献】
Mast Boom Lifts,2008年,URL,http://www.rentalift.be/docs/JLGToucan10E.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/14
B60K 28/14
B62D 21/18
B62D 25/20
B66F 9/075
E04G 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シザーリフトの支持台と協働可能なポットホール保護アセンブリであって、前記支持台は前輪、後輪及びシャーシを備え、前記ポットホール保護アセンブリは、
前記シャーシに動かないように固定され且つ各々が前記前輪にそれぞれ近接して位置づけられる一対の前部ポットホールバーと、
前記シャーシに動かないように固定され且つ各々が前記後輪にそれぞれ近接して位置づけられる一対の後部ポットホールバーと、
前記前輪の各々の内表面に近接し、前記シャーシと一体になった前部内側フレームプレートであって、前記前輪がポットホールに落ちた時に該ポットホールの縁をとらえるように前記シャーシの下方に突出した前部内側フレームプレートと、
前記後輪の各々の内表面に近接し、前記シャーシと一体になった後部内側フレームプレートであって、前記後輪がポットホールに落ちた時に該ポットホールの縁をとらえるように前記シャーシの下方に突出した後部内側フレームプレートとを備え、
前記前輪と前記後輪の間の空間が地上高区域を定め、前記前部ポットホールバー及び前記後部ポットホールバーが前記地上高区域の互いに反対側に位置する端部に配置され、
前記前部ポットホールバーが前記前輪に対して、前記前輪に接する鉛直線が前記前部ポットホールバーの一部分と交差するような方法で位置づけられており、前記後部ポットホールバーが前記後輪に対して、前記後輪に接する鉛直線が前記後部ポットホールバーの一部分と交差するような方法で位置づけられており、
前記前輪に接する鉛直線は、前記前輪上の前記後輪に最も近い位置において前記前輪に接する鉛直線であり、前記後輪に接する鉛直線は、前記後輪上の前記前輪に最も近い位置において前記後輪に接する鉛直線であるポットホール保護アセンブリ。
【請求項2】
前記前部ポットホールバー及び前記後部ポットホールバーの端部が先細りになっている請求項1に記載のポットホール保護アセンブリ。
【請求項3】
前記前部ポットホールバー及び前記後部ポットホールバーが平行四辺形形状である請求項1又は2に記載のポットホール保護アセンブリ。
【請求項4】
前記前部ポットホールバーの底面が前記前部ポットホールバーの上面よりも前方に位置し、前記後部ポットホールバーの底面が前記後部ポットホールバーの上面よりも後方に位置している請求項1〜3のいずれか一項に記載のポットホール保護アセンブリ。
【請求項5】
前記前部内側フレームプレート及び前記後部内側フレームプレートは、前記支持台を側面から見た時に、それぞれ前記前輪及び前記後輪の下半分の外周部を超えて延在していない請求項1〜4のいずれか一項に記載のポットホール保護アセンブリ。
【請求項6】
シザーリフトであって、
前輪、後輪及びシャーシを備える支持台と、
ポットホール保護アセンブリを備え、前記ポットホール保護アセンブリは、
前記シャーシに動かないように固定され且つ各々が前記前輪にそれぞれ近接して位置づけられる一対の前部ポットホールバーと、
前記シャーシに動かないように固定され且つ各々が前記後輪にそれぞれ近接して位置づけられる一対の後部ポットホールバーと、
前記前輪の各々の内表面に近接し、前記シャーシと一体になった前部内側フレームプレートであって、前記前輪がポットホールに落ちた時に該ポットホールの縁をとらえるように前記シャーシの下方に突出した前部内側フレームプレートと、
前記後輪の各々の内表面に近接し、前記シャーシと一体になった後部内側フレームプレートであって、前記後輪がポットホールに落ちた時に該ポットホールの縁をとらえるように前記シャーシの下方に突出した後部内側フレームプレートとを備え、
前記前輪と前記後輪の間の空間が地上高区域を定め、前記前部ポットホールバー及び前記後部ポットホールバーが前記地上高区域の互いに反対側に位置する端部に配置され、
前記前部ポットホールバーが前記前輪に対して、前記前輪に接する鉛直線が前記前部ポットホールバーの一部分と交差するような方法で位置づけられており、前記後部ポットホールバーが前記後輪に対して、前記後輪に接する鉛直線が前記後部ポットホールバーの一部分と交差するような方法で位置づけられており、
前記前輪に接する鉛直線は、前記前輪上の前記後輪に最も近い位置において前記前輪に接する鉛直線であり、前記後輪に接する鉛直線は、前記後輪上の前記前輪に最も近い位置において前記後輪に接する鉛直線であるシザーリフト。
【請求項7】
前記前部ポットホールバー及び前記後部ポットホールバーの端部が先細りになっている請求項6に記載のシザーリフト。
【請求項8】
前記前部ポットホールバー及び前記後部ポットホールバーが平行四辺形形状である請求項6又は7に記載のシザーリフト。
【請求項9】
前記前部ポットホールバーの底面が前記前部ポットホールバーの上面よりも前方に位置し、前記後部ポットホールバーの底面が前記後部ポットホールバーの上面よりも後方に位置している請求項6〜8のいずれか一項に記載のシザーリフト。
【請求項10】
前記前部内側フレームプレート及び前記後部内側フレームプレートは、前記支持台を側面から見た時に、それぞれ前記前輪及び前記後輪の下半分の外周部を超えて延在していない請求項6〜9のいずれか一項に記載のシザーリフト。
【請求項11】
前記支持台と協働可能であり且つ前記シザーリフトの傾斜量を検出する傾きセンサをさらに備える請求項6〜10のいずれか一項に記載のシザーリフト。
【請求項12】
さらに車輪を駆動し、プラットフォームをリフトする駆動システムを備え、前記シザーリフトの前記傾斜量が所定量を超えたことを前記傾きセンサが検出した場合、前記駆動システムが前記車輪の駆動及び前記プラットフォームのリフトを停止するように、前記傾きセンサが前記駆動システムと通信する請求項11に記載のシザーリフト。
【請求項13】
シザーリフトの支持台と協働可能なポットホール保護アセンブリであって、前記支持台は前輪、後輪及びシャーシを備え、前記ポットホール保護アセンブリは、
前記シャーシに動かないように固定され且つ各々が前記前輪にそれぞれ近接して位置づけられる一対の前部ポットホールバーであって、前記前輪の一つがポットホールに落ちた場合に、前記前輪の前記一つに近接する前記前部ポットホールバーが前記支持台が所定量を超えて傾斜することを防ぐような大きさである一対の前部ポットホールバーを含む前部アセンブリと、
前記シャーシに動かないように固定され且つ各々が前記後輪にそれぞれ近接して位置づけられる一対の後部ポットホールバーであって、前記後輪の一つがポットホールに落ちた場合に、前記後輪の前記一つに近接する前記後部ポットホールバーが前記支持台が所定量を超えて傾斜することを防ぐような大きさである一対の後部ポットホールバーを含む後部アセンブリと、
前記前輪の各々の内表面に近接し、前記シャーシと一体になった前部内側フレームプレートであって、前記前輪がポットホールに落ちた時に該ポットホールの縁をとらえるように前記シャーシの下方に突出した前部内側フレームプレートと、
前記後輪の各々の内表面に近接し、前記シャーシと一体になった後部内側フレームプレートであって、前記後輪がポットホールに落ちた時に該ポットホールの縁をとらえるように前記シャーシの下方に突出した後部内側フレームプレートとを備え、
前記前部ポットホールバーが前記前輪に対して、前記前輪に接する鉛直線が前記前部ポットホールバーの一部分と交差するような方法で位置づけられており、前記後部ポットホールバーが前記後輪に対して、前記後輪に接する鉛直線が前記後部ポットホールバーの一部分と交差するような方法で位置づけられており、
前記前輪に接する鉛直線は、前記前輪上の前記後輪に最も近い位置において前記前輪に接する鉛直線であり、前記後輪に接する鉛直線は、前記後輪上の前記前輪に最も近い位置において前記後輪に接する鉛直線であるポットホール保護アセンブリ。
【請求項14】
前記前部内側フレームプレート及び前記後部内側フレームプレートは、前記支持台を側面から見た時に、それぞれ前記前輪及び前記後輪の下半分の外周部を超えて延在していない請求項13に記載のポットホール保護アセンブリ。
【請求項15】
前記前部ポットホールバー及び前記後部ポットホールバーが平行四辺形形状である請求項13又は14に記載のポットホール保護アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中作業プラットフォーム(AWP)を有する車両のポットホール(路面穴)保護機構に関し、より具体的には、固定ポットホール保護を用いてシザーリフトのブレークオーバー角度を最大化することに関する。
【背景技術】
【0002】
シザーリフトのような自己推進型AWPには、一般的に、プラットフォームが上昇している間にポットホールに入り込んだり縁石から落ちたりした場合に転倒を防ぐ装置が備わっている。そのような装置は通常、AWPのプラットフォームがある高さを超えて上昇しているときに、地上高(グラウンドクリアランス)を1インチ(約2.54cm)未満に低下させることによって作動する。
【0003】
これを達成する方法の一つは、AWPのシャーシに取り付けられるとともに、プラットフォームを上昇させたときに下降させて位置固定することができるバー又はプレートを用いることである。続いてプラットフォームを下降させるときには、バー又はプレートを上昇させることができる。
【0004】
バー又はプレートを下降させ、固定し、上昇させるタスクを実行する機構を、ポットホール保護機構と呼ぶ。
【0005】
ポットホール保護機構を伸長した状態では、ブレークオーバー角度、すなわち、この角度を超えると保護バーが地面に接触するグラウンド角度が小さくなる。このようなシステムを伸縮するために、既存のポットホール保護機構は、センサ、カム、スプリング、ピン、ベアリングなどを含み、これにより、容認できないブレークオーバー角度を有することを避けるため、又はマシンがひっくり返ることを避けるために、ポットホールシステムを正常に機能させることが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の能動ポットホールシステムと同じ保護及びブレークオーバー角度を提供しつつ複雑な可動部品の必要がない、固定ポットホール保護装置を提供することが望ましい。好ましい実施形態の固定ポットホール保護アセンブリは、能動システムが安定性とブレークオーバー角度の両方の点においてできることを、可動部品及びセンサなしに達成する。1つの構成において、これは、装置の車輪に近接して諸条件に配慮して配置された構造部材を利用して、ポットホールの縁をとらえてプラットフォームが上昇された状態で装置を安定に保つことにより達成される。装置の腹部全体に代えて車輪の近くに構成要素をとどめることによって、好ましい地上高をもたらすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態において、ポットホール保護アセンブリはシザーリフトの支持台と協働可能である。前記支持台は前輪、後輪及びシャーシを備える。ポットホール保護アセンブリは、シャーシに固定され且つ各々が前記前輪にそれぞれ近接して位置づけられる一対の前部ポットホールバーと、前記シャーシに固定され且つ各々が前記後輪にそれぞれ近接して位置づけられる一対の後部ポットホールバーとを備える。前記前輪と前記後輪の間の空間が地上高区域(グラウンドクリアランスゾーン)を定め、前記前部ポットホールバー及び前記後部ポットホールバーが前記地上高区域の互いに反対側に位置する端部に配置される。
【0008】
前部ポットホールバーは、前輪に対して、前輪に接する鉛直線が前部ポットホールバーの一部分と交差するような方法で位置づけられてよい。同様に、後部ポットホールバーは、後輪に対して、後輪に接する鉛直線が後部ポットホールバーの一部分と交差するような方法で位置づけられてよい。この状況において、前部ポットホールバー及び後部ポットホールバーの端部は先細り(テーパ)になっていてよい。また、前部ポットホールバー及び後部ポットホールバーは実質的に平行四辺形形状であってよい。さらに、前部ポットホールバーの底面が前部ポットホールバーの上面の前方に傾いていてよく、後部ポットホールバーの底面が後部ポットホールバーの上面の後方に傾いていてよい。
【0009】
ある配置において、前部ポットホールバー及び後部ポットホールバーは、支持台の地上高を最大化するように位置づけられる。
【0010】
ポットホール保護アセンブリはさらに、前輪の各々の内表面に近接して内側フレームプレートを備え、後輪の各々の内表面に近接して後部内側フレームプレートを備えてよい。前部内側フレームプレート及び後部内側フレームプレートはそれぞれ前輪及び後輪の外形の範囲内に位置づけられてよい。
【0011】
他の例示的な実施形態において、シザーリフトは、前輪、後輪及びシャーシを備える支持台と、上述の実施形態のポットホール保護アセンブリを備える。前記支持台と協働可能な傾きセンサがシザーリフトの傾斜量を検出してよい。シザーリフトはさらに、車輪を駆動し、プラットフォームをリフトする駆動システムを備えてよい。この状況において、シザーリフトの傾斜量が所定量を超えたことを傾きセンサが検出した場合に駆動システムが車輪の駆動及びプラットフォームのリフトを停止するように、傾きセンサが前記駆動システムと通信してもよい。
【0012】
さらに他の例示的な実施形態において、ポットホール保護アセンブリはシザーリフトの支持台と協働可能である。ポットホール保護アセンブリは、シャーシに固定される一対の前部ポットホールバーを含む前部アセンブリと、シャーシに固定される一対の後部ポットホールバーを含む後部アセンブリを含む。ポットホールバーは、各々が支持台の前後輪にそれぞれ近接して位置づけられる。バーは、車輪の一つがポットホールに落ちた場合に、支持台が所定量を超えて傾斜することを、その車輪の一つに近接するポットホールバーが防ぐような大きさである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
これらの態様および他の態様、並びに利点を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【
図1】
図1は、好ましい実施形態に従う固定ポットホール保護アセンブリを含む例示的なシザーリフトの側面図である。
【
図2】
図2は、ポットホール保護アセンブリの斜視図である。
【
図3】
図3は、ポットホール保護アセンブリの斜視図である。
【
図5】
図5は、固定ポットホール保護アセンブリを備える、傾斜を乗り越えるシザーリフトを示す。
【
図6】
図6は、車輪がポットホールに入っている状態の固定ポットホール保護アセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、ポットホール(路面穴)保護アセンブリ12を含む、シザーリフトの支持台10の側面図であり、
図2および
図3は斜視図である。 支持台10は、前輪14、後輪16、及びシャーシ18を含む。 ポットホール保護アセンブリ12は、溶接等でシャーシ18に固定され且つ図示されるように前輪14に近接して位置づけられる、一対の前部ポットホールバー20を備える前部アセンブリを含む。前部アセンブリはまた、前輪14の各々に近接して前部内側フレームプレート21を含む。後部アセンブリは、シャーシ18に固定され且つ後輪16に近接して位置づけられる一対の後部ポットホールバー22を含む。後部内側フレームプレート23は、後輪16の各々に近接して位置づけられる。前輪14と後輪16との間の空間が地上高区域(グラウンドクリアランスゾーン)24を定める。図示されるように、前部ポットホールバー20及び後部ポットホールバー22は地上高区域24の互いに反対側に位置する端部に配置される。
図4及び
図5を参照されたい。
【0015】
引き続き
図1を参照すると、前部ポットホールバー20は前輪14に対して、前輪に接する鉛直線Aが前部ポットホールバー20の一部分と交差するような方法で位置づけられる。後部ポットホールバー22も同様に構成される。
【0016】
好ましい構造において、前部ポットホールバー20及び後部ポットホールバー22の端部は先細り(テーパ)になっており、好ましくは前部ポットホールバー20及び後部ポットホールバー22は実質的に平行四辺形形状である。平行四辺形形状により、前面ポットホールバー20の底面は、前面ポットホールバー20の上面の前方に傾き、後部ポットホールバー22の底面は、後部ポットホールバー22の上面の後方に傾いている。好ましい構成とは関係なく、前部ポットホールバー20と後部ポットホールバー22を、支持台10の地上高を最大化する方法で位置づけることが望ましい。
図5を参照されたい。
【0017】
シザーリフト車両は、さらに、支持台10と協働可能であり且つ車両の傾斜量を検出する傾きセンサ26を含んでもよい。車輪を駆動し、プラットフォームをリフトする駆動システム28が傾きセンサ26からの信号を受信する。傾きセンサ26が車両の傾斜量が所定量を超えたことを検出した場合、駆動システム28が、車輪の駆動及びプラットフォームのリフトを停止する。
【0018】
前部ポットホールバー20および後部ポットホールバー22は概して鋼鉄(スチール)で形成され、シャーシ18に溶接される。フレームプレート21、23は、シャーシ18と一体になっていることが好ましい。ポットホールバー20、22の大きさは、近接する車輪がポットホールに落ちた場合に支持台10が所定量を超えて傾斜することを、その車輪に近接するポットホールバーの各々が防止するように選択される。また、フレームプレート21、23はその外形ゆえに車輪に追従して上昇し障害物を乗り越えることができるため、車輪の内側のフレームプレート21、23は、地上高を最大化し、同時にポットホールの縁をとらえる大きさである。つまり、側面から見ると、フレームプレート21、23は車輪の外周部を超えて延在しない。図
6は、前部ポットホール保護バー20が支持台10及びシザーリフトの安定性を維持した状態でポットホールPHを乗り越えている前輪14を示す。
【0019】
好ましい実施形態の固定ポットホール保護アセンブリは、既存の可動システムが安定性とブレークオーバー角度の両方の点においてできることを、可動部品やセンサなしで達成する。諸条件に配慮して配置されたポットホールバーは、ポットホールの縁をとらえ、プラットフォームが上昇された状態のまま装置を安定に保つ。装置の腹部全体ではなく車輪の近くに構成要素をとどめることによって、好ましい地上高を達成することができる。
【0020】
本発明は、最も実用的であり好ましい実施形態であると現在考えられるものに関連して記載したが、本発明は開示された実施形態に限定されないこと、むしろそれとは逆に、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる種々の改変及び等価な構成を包含するように意図されたものであることが理解されるべきである。