特許第5976802号(P5976802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スネクマの特許一覧

特許5976802航空機の制御およびモニタリングシステム
<>
  • 特許5976802-航空機の制御およびモニタリングシステム 図000002
  • 特許5976802-航空機の制御およびモニタリングシステム 図000003
  • 特許5976802-航空機の制御およびモニタリングシステム 図000004
  • 特許5976802-航空機の制御およびモニタリングシステム 図000005
  • 特許5976802-航空機の制御およびモニタリングシステム 図000006
  • 特許5976802-航空機の制御およびモニタリングシステム 図000007
  • 特許5976802-航空機の制御およびモニタリングシステム 図000008
  • 特許5976802-航空機の制御およびモニタリングシステム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976802
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】航空機の制御およびモニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
   B64D 13/06 20060101AFI20160817BHJP
   F02C 6/08 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   B64D13/06
   F02C6/08
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-520699(P2014-520699)
(86)(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公表番号】特表2014-526993(P2014-526993A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】FR2012051596
(87)【国際公開番号】WO2013011222
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2015年6月16日
(31)【優先権主張番号】1156494
(32)【優先日】2011年7月18日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505277691
【氏名又は名称】スネクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セバ,ジエローム・ギー・ロジエ
(72)【発明者】
【氏名】ボン,フアブリス
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−537366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 13/06
F02C 6/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の空気抜き取りシステムであって、
航空機で気流を(F)抜き取るのに適した少なくとも1つの空気抜き取り弁(5、5’、5”)と、
第1の獲得チャネル(15、115、115’、215、315、415、515、515’)を介して、第1の抜き取られた気流(F)の温度情報を判定し、かつ送信するように構成された第1の温度情報モジュール(10、110、210、310、410、510)と、
第2の獲得チャネル(25、125、125’、225、325、425、525)を介して第2の抜き取られた気流(F)の温度情報を判定し、かつ送信するように構成された第2の温度情報モジュール(20、120、220、320、420、520)と、
データ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)に結合された少なくとも1つの管理モジュール(30、130、130’、230、330、430、530)であって、
一方では、第1の獲得チャネル(15、115、115’、215、315、415、515、515’)を介して、対応する空気抜き取り弁(5、5’、5”)制御を可能にする第1の抜き取られた気流の温度情報を、および/または他方では、第2の獲得チャネル(25、125、125’、225、325、425、525)を介して、所定の抜き取られた気流(F)の温度しきい値の超過をモニタすることが可能になる第2の抜き取られた気流(F)の温度情報を受信し、
第1の温度情報および第2の温度情報を送信する
ように構成された少なくとも1つの管理モジュール(30、130、130’、230、330、430、530)と、
管理モジュール(30、130、130’、230、330、430、530)に結合された少なくとも1つのデータ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)であって、
第1の処理チャネル(135、135’、235、335、435、535a、535a’)を介して、第1の抜き取られた気流(F)の温度情報を受信し、対応する空気抜き取り弁(5、5’、5”)制御を可能にし、
第2の処理チャネル(135、135’、235、335、435’、535b)を介して、所定の抜き取られた気流(F)の温度しきい値の超過をモニタすることが可能になる、第2の抜き取られた気流(F)の温度情報を受信し、前記しきい値が超えられた場合に、少なくとも1つの空気抜き取り弁(5、5’、5”)の閉鎖を可能にする
ように構成された少なくとも1つのデータ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)と
を備えるシステム(1、101、10、201、301、401、501)。
【請求項2】
第1の温度情報モジュール(10、110、210、310、410、510)が、第1の獲得チャネル(15、115、115’、215、315、415、515、515’)を介して、第1の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュール(20、120、220、320、420、520)は、第2の獲得チャネル(25、125、125’、225、325、425、525)を介して第2の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、かつ送信するように、または第2の獲得チャネル(25、125、125’、225、325、425、525)を介して、抜き取られた気流(F)の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成される、請求項1に記載の航空機の空気抜き取りシステム。
【請求項3】
第1の温度情報モジュール(110)が、第1の獲得チャネル(115)を介して、第1の抜き取られた気流(F)の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュール(120)は、第2の獲得チャネル(125)を介して、第2の抜き取られた気流(F)の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、管理モジュール(130)は、第1の温度情報モジュール(110)から第1の獲得チャネル(115)を介して前記第1の計測値を、および第2の温度情報モジュール(120)から第2の獲得チャネル(125)を介して前記第2の計測値を受信するのに適し、管理モジュールは処理モジュール(140)に結合され、第1および第2の処理チャネル(135)は同一である、請求項1および2のいずれか一項に記載の航空機の空気抜き取りシステム。
【請求項4】
前記システム(101’)がまた、第3および第4の同一処理チャネル(135’)により第2のデータ処理モジュール(140’)に結合され、一方では第1の温度情報モジュール(110)に、他方では第2の温度情報モジュール(120)に結合された第2の管理モジュール(130’)を備え、第2の管理モジュール(130’)は、第1の温度情報モジュール(110)から第3の獲得チャネル(115’)を介して第1の計測値を、および第2の温度情報モジュール(120)から第4の獲得チャネル(125’)を介して第2の計測値を受信するのに適している、請求項1から3のいずれか一項に記載の航空機の空気抜き取りシステム。
【請求項5】
第1の温度情報モジュール(210)が、第1の獲得チャネル(215)を介して、第1の抜き取られた気流(F)の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュール(220)は、第2の獲得チャネル(225)を介して、抜き取られた気流(F)の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成され、管理モジュール(230)は、第1の獲得チャネル(215)を介して温度計測値を、第2の獲得チャネル(225)を介して超過状態を受信するように構成され、第1および第2の処理チャネル(235)は同一である、請求項1および2のいずれか一項に記載の航空機の空気抜き取りシステム。
【請求項6】
第1の温度情報モジュール(310)が、第1の獲得チャネル(315)を介して、第1の抜き取られた気流(F)の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュール(320)は、第2の獲得チャネル(325)を介して、抜き取られた気流(F)の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成され、管理モジュール(330)は、第1の獲得チャネル(315)を介して温度計測値を受信するように構成され、データ処理モジュール(340)は、第2の獲得チャネル(325)を介して超過状態を受信するように構成され、第2の獲得チャネル(325)および第2の処理チャネル(325)は同一である、請求項1および2のいずれか一項に記載の航空機の空気抜き取りシステム。
【請求項7】
第1の温度情報モジュール(410)が、第1の獲得チャネル(415)を介して、第1の抜き取られた気流(F)の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュール(420)は、第2の獲得チャネル(425)を介して、抜き取られた気流(F)の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成され、管理モジュール(430)は、第1の獲得チャネル(415)を介して温度計測値を、および第2の獲得チャネル(425)を介して超過状態を受信するように構成され、第2の獲得チャネル(425)および第2の処理チャネル(435’)は異なる、請求項1および2のいずれか一項に記載の航空機の空気抜き取りシステム。
【請求項8】
システム(501)が、第1の処理チャネル(535a)を介して第1の温度情報を受信するように構成された第1のデータ処理モジュール(540a)と、第2の処理チャネル(535b)を介して第2の温度情報を受信するように構成された第2のデータ処理モジュール(540b)とを備える、請求項1および2のいずれか一項に記載の航空機の空気抜き取りシステム。
【請求項9】
前記システム(501)がまた、第3の獲得チャネル(515’)と、第3の処理チャネル(535a’)を介して第1の温度情報を受信するように構成された第3のデータ処理モジュール(540a’)とを備える、請求項8に記載の航空機の空気抜き取りシステム。
【請求項10】
空気抜き取りシステムを備える航空機内の空気抜き取りシステムを管理する方法であって、前記システム(1、101、10、201、301、401、501)は、
航空機で気流を(F)抜き取るのに適した少なくとも1つの空気抜き取り弁(5、5’、5”)と、
第1の獲得チャネル(15、115、115’、215、315、415、515、515’)を介して、第1の抜き取られた気流(F)の温度情報を判定し、かつ送信するように構成された第1の温度情報モジュール(10、110、210、310、410、510)と、
第2の獲得チャネル(25、125、125’、225、325、425、525)を介して第2の抜き取られた気流の温度情報を判定し、かつ送信するように構成された第2の温度情報モジュール(20、120、220、320、420、520)と、
データ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)に結合された少なくとも1つの管理モジュール(30、130、130’、230、330、430、530)であって、
一方では、第1の獲得チャネル(15、115、115’、215、315、415、515、515’)を介して、対応する空気抜き取り弁(5、5’、5”)制御を可能にする第1の抜き取られた気流(F)の温度情報を、および/または他方では、第2の獲得チャネル(25、125、125’、225、325、425、525)を介して、所定の抜き取られた気流(F)の温度しきい値の超過をモニタすることを可能にする第2の抜き取られた気流(F)の温度情報を受信し、
第1の温度情報および第2の温度情報を送信する
ように構成された少なくとも1つの管理モジュール(30、130、130’、230、330、430、530)と、
管理モジュール(30、130、130’、230、330、430、530)に結合された少なくとも1つのデータ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)であって、
第1の処理チャネル(135、135’、235、335、435、535a、535a’)を介して、第1の抜き取られた気流の温度情報を受信し、対応する空気抜き取り弁(5、5’、5”)制御を可能にし、
第2の処理チャネル(135、135’、235、335、435’、535b)を介して、所定の抜き取られた気流(F)の温度しきい値の超過をモニタすることを可能にする、第2の抜き取られた気流(F)の温度情報を受信し、前記しきい値が超えられた場合に、少なくとも1つの空気抜き取り弁(5、5’、5”)の閉鎖を可能にする
ように構成された少なくとも1つのデータ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)と
を備え、
方法は、
弁で少なくとも部分的に空気の流れ(F)を抜き取るステップと、
管理モジュール(30、130、130’、230、330、430、530)上で、前記抜き取られた気流(F)の第1の温度情報を第1の温度情報モジュール(10、110、210、310、410、510、610)から受信するステップと、
管理モジュール(30、130、130’、230、330、430、530)またはデータ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)上で、前記抜き取られた気流(F)の第2の温度情報を第2の温度情報モジュール(20、120、220、320、420、520)から受信するステップと、
データ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)上で、第1の温度情報および/または第2の温度情報を受信するステップと、
データ処理モジュール(40、140、140’、240、340、440、540、540a’、540b)上で、第1の温度情報および/または第2の温度情報に応じて1つまたは複数の空気抜き取り弁(5、5’、5”)の開放または閉鎖を制御するステップと
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機を制御し、モニタリングするためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、空気抜き取り口での温度を制御するため、および航空機内の所定の温度しきい値の超過をモニタリングするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば飛行機などの公知の航空機が、コックピットデッキおよび客室を含む機体、ならびに少なくとも1つのエンジンセットを備える。このようなエンジンセットは、エンジンと、空気抜き取りが行われることができる送風機とを備える。このような抜き取りは、空気抜き取りシステムと呼ばれるシステムにより行われ、複数の弁、および予冷器を備える。これらの弁により、エンジンの中および周囲を循環するさまざまな気流中の、たとえば、エンジンで抜き取られた高圧高温の空気の流れ、同じくエンジンで抜き取られた中圧でより低い温度の冷たい空気の流れ、および送風機で抜き取られた冷たい送風機の気流中の空気を抜き取ることが可能になる。高圧の空気の流れ、および中圧の空気の流れは混合されて、予冷器に供給される混合流にされることができる。このとき、予冷器は、混合流と送風機の気流の間の熱交換を可能にし、たとえば調整された温度で気流を航空機のコックピットまたは客室に供給するために、予冷器の出口で混合流の温度を下げることを可能にする。
【0003】
このような調整は、気流抜き取り弁の1つまたは複数の開放を制御することにより得られる。気流の温度は、制御される1つまたは複数の弁を選択することにより、たとえば送風機の気流抜き取り弁の開放または閉鎖を制御することにより調整されることができる。
【0004】
一方では、1つまたは複数の弁の開放または閉鎖を可能にするために温度の制御が行われ、他方では、1つまたは複数の弁、たとえば熱気抜き取り弁の閉鎖、または所定の温度しきい値が超過される場合に1つまたは複数の弁、たとえば冷気抜き取り弁の開放を可能にするために、前記しきい値の超過のモニタリングが行われるシステムが公知である。このような超過は、たとえば、コックピット用に意図された、抜き取られた空気の温度が高すぎるときに発生し、このタイプの事象は、航空機の安全性に関して破局的と分類される。
【0005】
公知の空気抜き取りシステムが、1つまたは複数の弁に直接接続され、かつ前記1つまたは複数の弁で抜き取る空気の温度を制御することを可能にするサーモスタットを備え、1つまたは複数の弁の開放は、サーモスタット信号により加減される。しかしながら、このようなサーモスタットは、温度計測値に、したがって、ひいては計測値の制御に誤差を実際に誘発する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の一解決策が、予冷器から得られる流れの温度を計測し、空気抜き取りシステム専用の空気抜き取りシステム管理コンピュータにこの計測値を報告するための温度センサを配置することにある。このとき、正式に得られた計測値により、コンピュータは、抜き取る空気の温度により、抜き取る空気の温度の制御と、所定の温度しきい値の超過のモニタリングの両方を行うことが可能になる。しかしながら、このような計測値を使用することにより、共通モードの問題が実際に誘発される。実際には、制御およびモニタリングが、このような場合、同じ温度計測値に同時に依存するので、正しくない計測値が、抜き取る空気の温度の制御が不十分であることと、所定の抜き取る空気の温度しきい値の超過のモニタリングが不十分であることの両方を意味し、これは、航空機の安全性に関する問題を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、これらの欠点を部分的に除去することである。この目的を達成するために、本発明は、航空機の空気抜き取りシステムであって、
航空機で気流を抜き取るのに適した少なくとも1つの空気抜き取り弁と、
第1の獲得チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度情報を判定し、かつ送信するように構成された第1の温度情報モジュールと、
第2の獲得チャネルを介して、第2の抜き取られた気流の温度情報を判定し、かつ送信するように構成された第2の温度情報モジュールと、
データ処理モジュールに結合された少なくとも1つの管理モジュールであって、
一方では、第1の獲得チャネルを介して、対応する空気抜き取り弁制御を可能にする第1の抜き取られた気流の温度情報、および/または他方では、第2の獲得チャネルを介して、所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過をモニタすることを可能にする第2の抜き取られた気流の温度情報を受信し、
第1の温度情報および第2の温度情報を送信する
ように構成された少なくとも1つの管理モジュールと、
管理モジュールに結合された少なくとも1つのデータ処理モジュールであって、
第1の処理チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度情報を受信し、対応する空気抜き取り弁制御を可能にし、
第2の処理チャネルを介して、所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過をモニタすることを可能にする、第2の抜き取られた気流の温度情報を受信し、前記しきい値が超えられた場合に、少なくとも1つの空気抜き取り弁の閉鎖を可能にする
ように構成された少なくとも1つのデータ処理モジュールと
を備えるシステムに関する。
【0008】
「航空機で気流を抜き取る」という用語は、本明細書では、たとえば航空機の送風機またはエンジンで循環している流れから空気を抜き取る行為を意味すると理解されるべきである。
【0009】
「獲得チャネル」は、情報モジュールにより送信される情報の伝送を可能にするのに適した通信チャネルを意味すると理解されるべきである。
【0010】
「処理チャネル」は、処理モジュールへの情報の伝送を可能にするのに適した通信チャネルを意味すると理解されるべきであり、処理チャネルは、獲得チャネルと同一とすることができる、すなわち獲得チャネルと統合されることができる。
【0011】
「温度情報」は、温度の計測値、または温度しきい値の超過の状態を意味すると理解されるべきである。
【0012】
「判定する」という用語は、温度を計測すること、または抜き取られた気流の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を確立することを意味すると理解されるべきである。
【0013】
「温度しきい値の超過の状態」は、「しきい値を超過した」または「しきい値を超過しない」というタイプの2値またはブール代数の結果を意味すると理解されるべきである。状態が2値である、またはたとえば離散値の形を取ることができる。
【0014】
しきい値が所与の瞬間に設定されることができるが、その後、たとえば低下したモードでモジュールが動作することが可能になるように、修正されることができることが留意されよう。
【0015】
したがって、データ処理モジュールにより管理モジュールから受信された温度情報は、たとえば、温度計測値に、または所定の温度しきい値の超過の状態に対応する値を備えることができる。
【0016】
したがって、このようなシステムにより、2つの異なる獲得チャネルを介して得られた2つの温度情報項目に基づき、抜き取る空気の温度を制御することと、所定の抜き取る空気の温度しきい値の超過をモニタすることの両方が可能になる。換言すれば、第1の情報モジュールにより、制御機能を実行させるために、第1の温度情報を獲得することが可能になり、一方、第2の情報モジュールにより、モニタリング機能を実行させるために、第2の温度情報を獲得することが可能になる。したがって、制御とモニタリングの間に共通モードはもはやまったく存在しない。さらに、制御およびモニタリングは、正確な温度情報に基づき、たとえば計測値、または所定の温度しきい値の超過の所与の状態に基づき実行される。
【0017】
有利には、システムは、高圧空気抜き取り弁と、中圧空気抜き取り弁と、送風機の空気抜き取り弁と、予冷器とを備え、高圧空気抜き取り弁で抜き取られた気流が、予冷器入口で混合流を得るために、中圧空気抜き取り弁で抜き取られた気流と混合され、予冷器は、送風機の空気抜き取り弁で抜き取られた空気の流れとの熱交換により、前記混合流を再冷却するのに適している。
【0018】
好ましくは、第1の温度情報モジュールは、第1の獲得チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュールは、第2の獲得チャネルを介して、第2の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、送信するように、または第2の獲得チャネルを介して、抜き取られた気流の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成される。
【0019】
本発明の一特徴によれば、管理モジュールは、
受信された、抜き取られた気流の温度の計測値を数値に変換するように、および/または受信された、抜き取られた気流の温度に関する情報を所定のしきい値と比較するように構成された解析モジュールと、
数値、および/または比較の結果を送信するように構成された送信モジュールと
を備える。
【0020】
詳細には、管理モジュールは、受信されたアナログ温度計測値を、たとえば、プロセッサにより、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)により使用されることができるデジタル値に変換するのに適していることができる。
【0021】
有利には、航空機は、コンピュータおよび管理モジュールを備え、データ処理モジュールは、前記コンピュータにより実装される。コンピュータは、公知のように、データを処理し、かつコンピュータプログラムを実装するように構成された情報処理手段を備える。コンピュータは、たとえば、航空機の1つまたは複数のエンジンの動作に関する情報を管理するために使用される、航空機のエンジンコンピュータとすることができる。航空機エンジンコンピュータを使用することにより、航空機の空気抜き取りシステムの管理専用の追加コンピュータを使用することを避け、したがって、集中化された手法で、航空機の空気抜き取りシステムの、およびエンジンの制御を行うことが可能になる。
【0022】
本発明の一特徴によれば、第1の温度情報モジュールは、第1の獲得チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュールは、第2の獲得チャネルを介して、第2の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、管理モジュールは、第1の温度情報モジュールから第1の獲得チャネルを介して前記第1の計測値を、および第2の温度情報モジュールから第2の獲得チャネルを介して前記第2の計測値を受信するのに適し、管理モジュールは処理モジュールに結合され、第1および第2の処理チャネルは同一である。
【0023】
したがって、第1の情報モジュールにより、制御機能を実行させるために、第1の温度計測値を獲得することが可能になり、一方、第2の情報モジュールにより、モニタリング機能を実行させるために、第2の温度計測値を獲得することが可能になり、2つの計測値は、この場合、単一管理モジュールにより、単一チャネルにより相互に連結された単一処理モジュールに送信される。したがって、2つの温度情報項目は、管理モジュールまで分離される。
【0024】
本発明の一特徴によれば、システムはまた、第3および第4の同一処理チャネルにより第2のデータ処理モジュールに結合され、かつ一方では第1の温度情報モジュールに、他方では第2の温度情報モジュールに結合された第2の管理モジュールを備え、第2の管理モジュールは、第1の温度情報モジュールから第3の獲得チャネルを介して第1の計測値を、および第2の温度情報モジュールから第4の獲得チャネルを介して第2の計測値を受信するのに適している。
【0025】
このような構成により、たとえば、コンピュータのたとえば第1の物理チャネル上で、異なる温度情報モジュールから(それぞれ、第1の温度情報モジュールから、および第2の温度情報モジュールから)温度計測値をそれぞれ報告する第1のチャネルと第2のチャネルを結びつける、および第2の物理チャネル上で、異なる温度情報モジュールから(それぞれ、第1の温度情報モジュールから、および第2の温度情報モジュールから)温度計測値をそれぞれ報告する第1のチャネルと第2のチャネルを結びつけることが可能になる。2つの物理チャネルを使用することにより、管理モジュールの一方が正しく動作しない場合に、他方が一方の機能を保証することができるように、管理モジュールの管理機能を分割することが可能になる。
【0026】
本発明の他の特徴によれば、第1の温度情報モジュールは、第1の獲得チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュールは、第2の獲得チャネルを介して、抜き取られた気流の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成され、管理モジュールは、第1の獲得チャネルを介して温度計測値を、第2の獲得チャネルを介して超過状態を受信するように構成され、第1および第2の処理チャネルは同一である。
【0027】
したがって、第1の情報モジュールにより、制御機能を実行させるために、温度計測値を獲得することが可能になり、一方、第2の情報モジュールにより、モニタリング機能を実行させるために、所定の温度しきい値の超過の状態を獲得することが可能になり、2つの情報項目は、この場合、単一管理モジュールにより、単一チャネルにより相互に連結された単一処理モジュールに送信される。したがって、2つの温度情報項目は、管理モジュールまで分離される。
【0028】
本発明の他の特徴によれば、第1の温度情報モジュールは、第1の獲得チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の情報モジュールは、第2の獲得チャネルを介して、抜き取られた気流の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成され、管理モジュールは、第1の獲得チャネルを介して温度計測値を受信するように構成され、データ処理モジュールは、第2の獲得チャネルを介して超過状態を受信するように構成され、第2の獲得チャネルおよび第2の処理チャネルは同一である。
【0029】
したがって、第1の情報モジュールにより、制御機能を実行させるために、温度計測値を獲得することが可能になり、一方、第2の情報モジュールにより、モニタリング機能を実行させるために所定の温度しきい値の超過の状態を獲得することが可能になる。この場合、計測値だけが単一管理モジュールに送信され、状態は、第2の情報モジュールにより単一データ処理モジュールに直接送信される。したがって、2つの温度情報項目は、データ処理モジュールまで分離される。
【0030】
本発明の他の特徴によれば、第1の温度情報モジュールは、第1の獲得チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成され、第2の温度情報モジュールは、第2の獲得チャネルを介して、抜き取られた気流の温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成され、管理モジュールは、第1の獲得チャネルを介して温度計測値を、および第2の獲得チャネルを介して超過状態を受信するように構成され、第2の獲得チャネルおよび第2の処理チャネルは異なる。
【0031】
したがって、第1の情報モジュールにより、制御機能を実行させるために、温度情報を獲得することが可能になり、一方、第2の情報モジュールにより、モニタリング機能を実行させるために、所定の温度しきい値の超過の状態を獲得することが可能になる。この場合、2つの温度情報項目は単一管理モジュールに送信されるが、計測値は、第1の処理チャネルを介して単一処理モジュールに送信され、状態は、第2の処理チャネルを介して単一データ処理モジュールに送信され、これにより、2つの温度情報項目がデータ処理モジュールまで分離されることが可能になる。
【0032】
本発明の他の特徴によれば、システムは、第1の処理チャネルを介して第1の温度情報を受信するように構成された第1のデータ処理モジュールと、第2の処理チャネルを介して第2の温度情報を受信するように構成された第2のデータ処理モジュールとを備える。
【0033】
したがって、抜き取る空気の温度の制御、および所定の抜き取る空気の温度しきい値の超過のモニタリングは、2つのデータ処理モジュールの間で、すなわち、たとえば航空機の2つのコンピュータ間で分離されることができ、これにより、コンピュータの一方の故障が、制御またはモニタリングの機能の一方の喪失を招くだけであるということを考慮すると、航空機の安全性を高めることが可能になる。
【0034】
本発明の他の特徴によれば、第2のデータ処理モジュールは、第2の温度情報を第1のデータ処理モジュールに送信するように構成される。この状態は、直接、またはたとえば通信モジュールを介して送信されることができる。
【0035】
本発明の他の特徴によれば、システムはまた、第3の処理チャネルを介して第1の温度情報を受信するように構成された第3のデータ処理モジュールを備える。
【0036】
これにより、処理モジュールの1つを分割することにより、第1の温度情報の獲得を安全にすることが可能になる。
【0037】
本発明はまた、航空機内の空気抜き取りシステムを管理する方法であって、前記航空機は航空機の空気抜き取りシステムを備え、前記システムは、
航空機で気流を抜き取るのに適した少なくとも1つの空気抜き取り弁と、
第1の獲得チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度情報を判定し、かつ送信するように構成された第1の温度情報モジュールと、
第2の獲得チャネルを介して、第2の抜き取られた気流の温度情報を判定し、かつ送信するように構成された第2の温度情報モジュールと、
データ処理モジュールに結合された少なくとも1つの管理モジュールであって、
一方では、第1の獲得チャネルを介して、対応する空気抜き取り弁制御を可能にする第1の抜き取られた気流の温度情報、および/または他方では、第2の獲得チャネルを介して、所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過をモニタすることが可能になる第2の抜き取られた気流の温度情報を受信し、
第1の温度情報および第2の温度情報を送信する
ように構成された少なくとも1つの管理モジュールと、
管理モジュールに結合された少なくとも1つのデータ処理モジュールであって、
第1の処理チャネルを介して、第1の抜き取られた気流の温度情報を受信し、対応する空気抜き取り弁制御を可能にし、
第2の処理チャネルを介して、所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過をモニタすることが可能になる、第2の抜き取られた気流の温度情報を受信し、前記しきい値が超えられた場合に、少なくとも1つの空気抜き取り弁の閉鎖を可能にする
ように構成された少なくとも1つのデータ処理モジュールと
を備え、
方法は、
弁で少なくとも部分的に空気の流れを抜き取るステップと、
管理モジュール上で、第1の温度情報モジュールから、前記抜き取られた気流の第1の温度情報を受信するステップと、
管理モジュールまたはデータ処理モジュール上で、第2の温度情報モジュールから、前記抜き取られた気流の第2の温度情報を受信するステップと、
データ処理モジュール上で、第1の温度情報および/または第2の温度情報を受信するステップと、
データ処理モジュール上で、第1の温度情報および/または第2の温度情報に応じて1つまたは複数の空気抜き取り弁の開放または閉鎖を制御するステップと
を備える方法に関する。
【0038】
本発明の特徴および利点が、対応する添付図面(同一参照番号が類似する対象と関係がある)を参照して、限定しない例として示される、本発明の一実施形態の以下の説明を読むとよりはっきりと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1a】本発明によるシステムを示す。
図1b】本発明によるシステムの第1の実施形態を示す。
図1c】本発明によるシステムの第2の実施形態を示す。
図2】本発明によるシステムの第3の実施形態を示す。
図3】本発明によるシステムの第4の実施形態を示す。
図4】本発明によるシステムの第5の実施形態を示す。
図5】本発明によるシステムの第6の実施形態を示す。
図6】本発明によるシステムの第7の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明によるシステムについて、温度計測値、または所定の温度しきい値の超過の状態を参照して上記で説明された。しかしながら、本発明はまた、同じく航空機の空気抜き取りシステムの1つもしくは複数の弁の開放および/または閉鎖を制御するために、他の計測値に、たとえば、圧力計測値に、または所定の圧力しきい値の超過の状態に適用されることができることが留意されよう。
【0041】
図1aに示される、本発明による、航空機の空気抜き取りシステム1は、航空機のエンジン2で循環している気流内の2つの空気抜き取り弁5および5’と、航空機の前記エンジン2の送風機で循環している流れの空気抜き取り弁5”とを備える。
【0042】
弁5は、たとえば、エンジンで抜き取られた中圧の気流内の抜き取り弁とすることができ、一方、弁5’は、たとえば、より高い温度の、同じくエンジンで抜き取られた高圧の気流内の抜き取り弁とすることができる。弁5”により、航空機のエンジン2の上流にある送風機で冷たい気流を直接抜き取ることが可能になる。
【0043】
エンジンで空気抜き取り弁5、5’により抜き取られた気流は、予冷器6の上流で混合流に混合される。予冷器により、混合流と送風機の気流の間で熱交換が可能になり、予冷器出口で得られる混合流Fの温度を下げることが可能になる。調整された温度で得られる混合流Fは、ダクト7により、たとえば空調システムを介して、コックピットに、または客室に、または航空機の翼の結氷を防ぐために経路設定される。
【0044】
このような調整は、1つまたは複数の気流抜き取り弁5、5’、5”の開放を制御することにより得られる。詳細には、気流の温度は、送風機の気流抜き取り弁5”の開放または閉鎖を制御することにより、および/または制御される1つまたは複数の弁5、5’、5”を選択することにより調整されることができる。
【0045】
システム1はまた、第1の温度情報モジュール10と、第2の温度情報モジュール20と、少なくとも1つの管理モジュール30と、管理モジュール30に結合された少なくとも1つのデータ処理モジュール40とを備える。
【0046】
第1の温度情報モジュール10は、第1の獲得チャネル15を介して、ダクト7内を循環している抜き取られた気流Fの第1の温度計測値を計測し、かつ送信するように構成される。
【0047】
第2の温度情報モジュール20は、第2の獲得チャネル25を介して、ダクト7内を循環している抜き取られた気流Fの第2の温度計測値を計測し、かつ送信するように、または第2の獲得チャネル25を介して、ダクト7内を循環している抜き取られた気流Fの温度により所定の温度しきい値の超過の状態を判定し、かつ送信するように構成される。
【0048】
1つまたは複数の管理モジュール30は、少なくとも1つのデータ処理モジュール40に結合され、第1の温度情報モジュール10から、および第2の温度情報モジュール20から受信された温度情報を前記データ処理モジュール40に送信するように構成される。
【0049】
1つまたは複数のデータ処理モジュール40は、管理モジュール30に結合され、コマンドを送信して、管理モジュール30から、または温度情報モジュール(10、20)から受信された情報に応じて、空気抜き取り弁5、5’、5”のうち1つまたは複数の開放または閉鎖を制御するように構成される。
【0050】
データ処理モジュール40は、コンピュータプログラムを格納するように構成されたメモリ(図示されず)を備える、またはメモリに結合されることができる。このようなプログラムにより、温度情報の処理が可能になり、かつ航空機の空気抜き取りシステムの弁5、5’、5”に対する開放および閉鎖のコマンドを送信するように設計されることができる。
【0051】
たとえば、制御機能を実行させるために、データ処理モジュール40は、受信された温度と基準温度の差を計測し、弁のうち1つ、たとえば送風機の空気抜き取り弁の比例作動を可能にする。
【0052】
同様に、たとえばモニタリング機能を実行させるために、データ処理モジュール40は、受信された測定値がしきい値を超えているかどうかを、または受信された状態が、送風機の空気抜き取り弁を閉じる作動を可能にする超過条件を示す場合でさえ判定することができる。
【0053】
したがって、本発明によるシステムでは、管理モジュールにより、特に、温度情報を獲得し、フォーマットすることが可能になり、データ処理モジュールにより、管理モジュールから受信された温度情報を解析し、おそらくは航空機の空気抜き取りシステムの弁のうち1つまたは複数を作動させることが可能になる。空気抜き取り弁の作動は、処理モジュール40自体により行われることができる、または処理モジュールは、たとえば、パイロットが他の所で1つまたは複数の空気抜き取り弁の作動を手動で行うことができるように、航空機のキャビンをモニタするためのモジュールなどの、他のモジュールまたはシステムに警報メッセージを送信することができる。
【0054】
本発明によるシステムの一実施形態では、弁5、5’、5”は、データ処理モジュール40により、またはたとえば、パイロットによる手動モニタリング用のモジュールなどの、航空機の他のモジュールにより、遠隔で制御されることができる。代替の一実施形態では、弁が、たとえば中圧の空気抜き取り弁が独立して存在することができ、たとえば、自分の末端の圧力に従って自己調整されるばね動作の空気圧弁とすることができ、このとき、データ処理モジュールは、その他の2つの弁を制御するのに適している。
【0055】
図1bに示される第1の実施形態では、システム101は、第1の温度情報モジュール110と、第2の温度情報モジュール120と、管理モジュール130と、データ処理モジュール140とを備える。
【0056】
第1の温度情報モジュール110は、たとえば温度計測プローブとすることができる。第2の温度情報モジュール120は、たとえば第2の温度計測プローブ、または当業者に公知の熱電対とすることができる。
【0057】
管理モジュール130は、一方では第1の温度情報モジュール110に、他方では第2の温度情報モジュール120に結合される、または接続される。
【0058】
この実施形態では、第1の温度情報モジュール110および第2の温度情報モジュール120は、2つの温度計測プローブである。したがって、第1の温度情報モジュール110および第2の温度情報モジュール120は、空気抜き取りシステム101のダクト107内を循環している抜き取られた気流Fの温度を計測するように構成される。
【0059】
管理モジュール130は、第1の計測プローブ110から第1の獲得チャネル115を介して第1の抜き取られた気流の温度計測値M1を、および第2の計測プローブ120から第2の獲得チャネル125を介して第2の抜き取られた気流の温度計測値M2を受信するのに適している。
【0060】
管理モジュール130は、第1の温度情報モジュール110により供給される温度計測値M1を、処理チャネル135を介してデータ処理モジュール140に供給するように構成された温度制御手段132を備える。
【0061】
データ処理モジュール140は、気流Fの温度が所望の値に調節されることが可能になるように、受信された計測値M1を処理し、1つまたは複数の弁5、5’、5”の制御を、すなわちこれらの弁の開放または閉鎖を可能にするように構成される。
【0062】
管理モジュール130はまた、取り出された気流の温度により所定の温度しきい値の超過の状態をモニタするための手段134を備える。これらのモニタリング手段134は、処理チャネル135を介して、第2のプローブ120から得られた第2の計測値M2をデータ処理モジュール140に供給するように構成される。
【0063】
データ処理モジュール140は、しきい値超過状態を、すなわち、第2の計測値M2に対応する温度が所定のしきい値を超えたかどうかを判定するように構成される。
【0064】
図2aに示される第1の実施形態を補完する、図2bに示される一実施形態では、システムは、モジュール130と同一の第2の管理モジュール130’と、モジュール140と同一であり、かつ管理モジュール130’ に結合された第2のデータ処理モジュール140’と、第3の獲得チャネル115’および第4の獲得チャネル125’とを備えることができる。したがって、モジュール130および140、ならびに手段132および134は、2つの同様の獲得チャネル115および125に分割される。
【0065】
第1の管理モジュール130は、一方では第1の温度情報モジュール110に、他方では第2の温度情報モジュール120に結合される、または接続される。
【0066】
第2の管理モジュール130’は、一方では第3の獲得チャネル115’により第1の温度情報モジュール110に、他方では第4の獲得チャネル125’により第2の温度情報モジュール120に結合される、または接続される。
【0067】
この実施形態では、第1の温度情報モジュール110および第2の温度情報モジュール120は、2つの温度計測プローブである。
【0068】
第1の管理モジュール130は、第1の計測プローブ110から第1の獲得チャネル115を介して第1の抜き取られた気流の温度計測値M1を、および第2の計測プローブ120から第2の獲得チャネル125を介して第2の抜き取られた気流の温度計測値M2を受信するのに適している。
【0069】
第2の管理モジュール130’は、第1の計測プローブ110から第3の獲得チャネル115’を介して第1の抜き取られた気流の温度計測値M1を、および第2の計測プローブ120から第4の獲得チャネル125’を介して第2の抜き取られた気流の温度計測値M2を受信するのに適している。
【0070】
第1の管理モジュール130は、処理チャネル135を介して、第1の温度情報モジュール110により供給される温度計測値M1をデータ処理モジュール140に供給するように構成された温度制御手段132を備える。このとき、データ処理モジュール140は、気流Fの温度を調節するために航空機の空気抜き取り弁制御を可能にするように、受信された計測値を処理する。
【0071】
第1の管理モジュール130はまた、抜き取られた気流Fの温度により所定の温度しきい値の超過の状態をモニタするための手段134を備える。このとき、モニタリング手段134は、処理チャネル135を介して、第2のプローブ120から得られた第2の計測値M2をデータ処理モジュール140に供給し、次いで、データ処理モジュール140は、モニタリング機能を実行させるために、しきい値超過状態を使用して、弁5、5’、5”を制御可能に、または制御不可能にする。
【0072】
同様に、第2の管理モジュール130’は、処理チャネル135’を介して、第1の温度情報モジュール110により供給される温度計測値M1をデータ処理モジュール140’に供給するように構成された温度制御手段132’を備える。このとき、データ処理モジュール140’は、気流Fの温度を調節するために航空機の空気抜き取り弁5、5’、5”の制御を可能にするように、受信された計測値を処理する。
【0073】
第2の管理モジュール130’はまた、取り出された気流の温度により所定の温度しきい値の超過の状態をモニタするための手段134’を備える。
【0074】
このとき、モニタリング手段134’は、処理チャネル135’を介して、第2のプローブ120から得られた第2の計測値M2をデータ処理モジュール140’に供給し、次いで、データ処理モジュール140’は、モニタリング機能を実行させるために、しきい値超過状態を使用して、弁5、5’、5”を制御可能に、または制御不可能にする。
【0075】
したがって、本発明によるシステムのこの実施形態により、2つではなく4つの獲得チャネルを介してプローブ110および120によりそれぞれ計測された温度計測値M1およびM2を報告することが可能になる。換言すれば、各計測値が、異なる獲得チャネルを介して、異なるデータ処理モジュールに2度報告される。モジュールおよびチャネルのこのような冗長性により、モジュールの一方の喪失が、他方の管理モジュール上に残っている、制御およびモニタリングの機能に有用な2つの計測値の喪失をもたらさないことを考慮すると、制御およびモニタリングの信頼性を強化することが可能になる。このようなアーキテクチャは、航空機のコンピュータ、たとえばいわゆる「エンジン」コンピュータ上に容易に実装されることができる。このような公知のコンピュータは、実際に、物理的データ通信チャネルを介してそれぞれ通信する2つのデータ処理モジュールを備えることができる。管理モジュールは、一方では自分のそれぞれのデータ処理モジュールに結合され、他方では2つのチャネルにより2つのプローブにそれぞれ連結されたコンピュータ上に設置されることができ、1つの同じプローブに連結された2つのチャネルは、コンピュータの1つの同じ物理的通信チャネルに連結される。
【0076】
図2図6は、本発明によるシステムの5つの他の実施形態を示すが、説明のために、弁および流れFは示されていない。さらに、図2aに示される実施形態に対して図2bに示される実施形態のように、図3図7に示される実施形態の各々が、システムを安全にする目的で、必要な変更を加えて同様に2つに分割されることができる。これらの二重の形態は、明確にするために示されているのではない。
【0077】
図2に示される第3の実施形態では、システム201は、温度計測プローブ210と、温度しきい値超過状態情報モジュール220と、管理モジュール230と、処理モジュール240とを備える。
【0078】
管理モジュール230は、一方では第1の獲得チャネル215により計測プローブ210に、および他方では第2の獲得チャネル225により情報モジュール220に接続される。
【0079】
管理モジュール230は、第1のチャネル215を介して、温度計測プローブ210により計測された、取り込まれた気流の温度計測値、および第2のチャネル225を介して、情報モジュール220により判定された所定の取り込まれた気流の温度しきい値の超過の状態を受信するように構成される。
【0080】
管理モジュール230は、アナログデジタル変換器250と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)260とを備える。アナログデジタル変換器250は、温度計測プローブ210から受信されたアナログ温度測定値をデジタル値に変換するように構成され、その結果、デジタル値は、処理手段により、たとえばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプロセッサにより使用されることができる。
【0081】
次いで、このように得られたデジタル値は、処理のためにフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)260に供給される。詳細には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)260は、アナログデジタル変換器250から受信されたデジタル値、および情報モジュール220から受信された状態を備える信号をフォーマットし、前記信号に関する障害または誤りを検出するように構成される。
【0082】
情報モジュール220により判定された所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過の状態は、たとえば、回路値、または2値、またはブール値を備える離散値の形を取ることができる。たとえば、離散値のうち低い状態(開放された回路)は、しきい値より高い気流温度に対応することができ、高い状態(閉じた回路)は、しきい値に到達しないことに対応することができ、その逆も同様である。2値の結果が、たとえば、他の情報モジュール(たとえば、他のコンピュータ)からデジタルバスを介して受信された0または1とすることができる。この超過状態は情報モジュール220により、処理するためにフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)260に直接供給される。
【0083】
データ処理モジュール240は、第2のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)270と、プロセッサ280とを備える。FPGA260は、管理モジュール230から受信されたデータをプロセッサ280が処理するために、処理チャネル235を介して、プロセッサ280に結合されたFPGA270と通信する。換言すれば、FPGA270は、詳細には、管理モジュール230とプロセッサ280の間の通信の管理を保証する。
【0084】
図3に示される第4の実施形態では、システム301は、温度計測プローブ310と、温度しきい値超過状態情報モジュール320と、管理モジュール330と、データ処理モジュール340とを備える。
【0085】
管理モジュール330は、第1の獲得チャネル315により計測プローブ310に接続され、一方、データ処理モジュール340は、この場合、処理チャネルと統合された第2の獲得チャネル325により情報モジュール320に接続される。
【0086】
管理モジュール330は、アナログデジタル変換器350と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)360とを備える。アナログデジタル変換器350は、温度計測プローブ310から受信されたアナログ温度測定値をデジタル値に変換するように構成され、その結果、デジタル値は、処理手段により、たとえばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプロセッサにより使用されることができる。次いで、このように得られたデジタル値は、処理のためにフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)360に供給される。詳細には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)360は、アナログデジタル変換器350から受信されたデジタル値を備える信号をフォーマットし、前記信号に関する障害または誤りを検出するように構成される。
【0087】
処理モジュール340は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)370と、プロセッサ380とを備える。フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)360は、管理モジュール330から受信されたデータをプロセッサ380が処理するために、処理チャネル335を介して、プロセッサ380に結合されたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)370にデジタル値を伝達する。FPGA370は、詳細には、管理モジュール330とプロセッサ380の間の通信の管理を保証する。
【0088】
情報モジュール320により判定された所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過の状態は、たとえば離散値の形を取ることができる。データ処理モジュール340は、情報モジュール320から第2の獲得チャネル325を介して、所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過の状態を受信するように構成される。本発明によるシステムのこの実施形態では、この状態は、処理するために、情報モジュール320により、この場合も同じく処理チャネルである第2のチャネル325を介してプロセッサ380に直接供給される。
【0089】
したがって、一方ではプローブ310とプロセッサ380の間の、他方では情報モジュール320とプロセッサ380の間の通信リンクを分離することにより、プロセッサ380までの獲得を分離する、すなわち、共通モードをプロセッサ380だけに縮小することが可能になる。
【0090】
図5に示される第5の実施形態では、システム401は、
温度計測プローブ410と、
温度しきい値超過状態情報モジュール420と、
管理モジュール430と、
データ処理モジュール440と
を備える。
【0091】
管理モジュール430は、第1の獲得チャネル415により計測プローブ410に接続され、一方、第2の管理モジュール430bは、第2の獲得チャネル425により情報モジュール420に接続される。
【0092】
管理モジュール430は、アナログデジタル変換器450と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)460とを備える。
【0093】
アナログデジタル変換器450は、計測プローブ410から第1のチャネル415を介して、前記プローブ410により計測された、取り込まれた気流の温度計測値を受信するように構成される。
【0094】
さらに、アナログデジタル変換器450は、温度計測プローブ410から受信されたアナログ温度測定値をデジタル値に変換するように構成され、その結果、デジタル値は、処理手段により、たとえばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプロセッサにより使用されることができる。
【0095】
次いで、このように得られたデジタル値は、処理のためにフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)460に供給される。詳細には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)460は、アナログデジタル変換器450から受信されたデジタル値を備える信号をフォーマットし、かつ前記信号に関する障害または誤りを検出するように構成される。
【0096】
フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)460により、アナログデジタル変換器450から受信されたデジタル値を処理することが可能になる。
【0097】
管理モジュール430はまた、情報モジュール420から所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過の状態を受信するように構成された第2のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)452を備える。この場合、このような状態は離散値の形を取る。
【0098】
処理モジュール440は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)470と、プロセッサ480とを備える。
【0099】
フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)460は、第1の処理チャネル435を介して温度計測値のデジタル値をフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)470に伝達する。
【0100】
フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)460は、第2の処理チャネル435’を介して超過状態を第2のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)452に伝達し、FPGA470まで計測値と状態を完全に分離することが可能になる。
【0101】
FPGA470は、特に、管理モジュール430とプロセッサ480の間の通信の管理を保証する。したがって、FPGA470は、処理するために、計測値または状態をプロセッサ480に伝送する。
【0102】
この実施形態では、一方ではプローブ410と処理モジュール440の間の、他方では情報モジュール420と処理モジュール440の間の通信リンクを分離することにより、データ処理モジュール440までの獲得を分離する、すなわち、共通モードをデータ処理モジュール440だけに縮小することが可能になる。
【0103】
図5に示される第6の実施形態では、システム501は、
温度計測プローブ510と、
温度しきい値超過状態情報モジュール520と、
管理モジュール530と、
第1のデータ処理モジュール540aと、
第2のデータ処理モジュール540bと
を備える。
【0104】
管理モジュール530は、一方では獲得チャネル515により計測プローブ510に、他方では獲得チャネル525により情報モジュール520に接続される。
【0105】
管理モジュール530は、計測プローブ510から第1のチャネル515を介して、前記プローブ510により計測され、送信された、取り込まれた気流Fの温度計測値M1を受信するように構成された第1の制御モジュール532を備える。
【0106】
制御モジュール532は、処理チャネル535aを介して第1のデータ処理モジュール540aと通信し、受信された計測値M1を前記第1のデータ処理モジュール540aに送信するように構成される。
【0107】
この場合、第1のデータ処理モジュール540aは、システム501の弁5、5’、5”の制御を、たとえば、前記弁5、5’、5”を制御するコマンドまたは警報を直接または間接的に送信することにより可能にするために、受信された計測値M1を処理する。
【0108】
管理モジュール530はまた、情報モジュール520から温度情報を受信するように構成されたモニタリングモジュール534を備える。
【0109】
情報モジュール520は、この場合、たとえば、温度計測プローブ、または所定の温度しきい値超過状態情報モジュールとすることができる。
【0110】
したがって、情報モジュール520により送信され、かつモニタリングモジュール534により受信された情報は、温度計測値M2、またはたとえば離散値からなる結果、2値の結果などの、所定の温度しきい値の超過の状態を備えることができる。
【0111】
さらに、モニタリングモジュール534は、第2のデータ処理モジュール540bに結合され、受信された温度情報を前記第2のデータ処理モジュール540bに送信するように構成される。
【0112】
この場合、第2のデータ処理モジュール540bは、データを処理して、たとえば、システム501の空気抜き取り弁を制御するコマンドまたは警報を直接または間接的に送信することにより、所定の抜き取られた気流の温度しきい値の超過をモニタすることが可能になる。
【0113】
この実施形態では、第1のデータ処理モジュール540aおよび第2のデータ処理モジュール540bは、物理的に分離されることができ、それぞれプロセッサを備える。
【0114】
第1のデータ処理モジュール540aおよび第2のデータ処理モジュール540bは、これらのモジュール間の通信を可能にするために、たとえばArinc(R)タイプの通信モジュール550を介して結合されることができる。
【0115】
第1のデータ処理モジュール540aは、たとえば航空機のエンジンコンピュータ上に実装される、すなわち設置されることができ、第2のデータ処理モジュール540bは、たとえば、専用コンピュータ、たとえば航空機の空気抜き取りシステム専用のコンピュータ上に、または航空機の他のエンジンコンピュータ上に実装されることができる。
【0116】
この場合、管理モジュール530は、制御モジュール532が一方のエンジンコンピュータ上に直接実装され、かつモニタリングモジュール534が第2のコンピュータ上に直接実装されるように、物理的に2つに分割されることができる。
【0117】
この実施形態では、一方ではプローブ510と第1のデータ処理モジュール540aの間の、他方では情報モジュール520と第2のデータ処理モジュール540bの間の通信リンクを分離することにより、獲得を完全に分離し、したがって、2つの温度情報項目間の共通モードを完全に除去することが可能になる。
【0118】
あるいは、第2のデータ処理モジュール540bは、たとえば通信モジュール550を介して第2の温度情報を第1のデータ処理モジュール540aに送信するように構成されることができ、その結果、第1のデータ処理モジュール540は、受信された第2の温度情報の処理を行い、たとえば、航空機の空気抜き取りシステムの弁5、5’、5”の開放および閉鎖のためのコマンドを送信する。したがって、この場合、抜き取る空気の温度の制御、および所定の抜き取る空気の温度しきい値の超過のモニタリングは、第1のデータ処理モジュール540aが管理モジュール530から受信する第1の情報から、および第1のデータ処理モジュール540aが通信モジュール550から受信する温度情報から、第1のデータ処理モジュール540aだけにより行われることができる。これにより、たとえば航空機の2つのコンピュータ間で、分離された2つのデータ処理モジュールを使用することにより、2つの温度情報項目の獲得を分離し、かつ処理モジュール540aにより使用される情報を相互に安全にすることが可能になり、この場合、共通モードは処理モジュール540aだけに限定される。
【0119】
図6に示される第7の実施形態では、システム501はまた、第3のデータ処理モジュール540a’を備え、管理モジュールはまた、第2の制御モジュール532’を備える。
【0120】
第2の制御モジュール532’は、計測プローブ510から第3のチャネル515’を介して、前記プローブ510により計測され、送信された、取り込まれた気流Fの温度計測値M1を受信するように構成される。
【0121】
制御モジュール532’は、処理チャネル535a’を介して第3のデータ処理モジュール540a’と通信し、受信された計測値M1を前記第3のデータ処理モジュール540a’に送信するように構成される。
【0122】
この場合、第3のデータ処理モジュール540a’は、システム501の弁5、5’、5”の制御を、たとえば、前記弁5、5’、5”を制御するコマンドを直接または間接的に送信することにより可能にするために、受信された計測値M1を処理する。
【0123】
第1のデータ処理モジュール540aおよび第3のデータ処理モジュール540a’は、交互に、たとえば、一方が主であり、かつ動作状態にあり、他方が副であり、かつ休止状態にあり、主モジュールが故障した場合、副モジュールが引き継ぐことができるように動作することができる。
【0124】
この実施形態では、第1のデータ処理モジュール540aおよび第3のデータ処理モジュール540a’は、たとえば航空機のエンジンコンピュータ上に実装されることができ、第2のデータ処理モジュール540bは、たとえば、専用の、たとえば航空機の空気抜き取りシステム専用のコンピュータ上に、または航空機の他のエンジンコンピュータ上に実装されることができる。
【0125】
この場合、管理モジュール530は、制御モジュール532および532’が一方のエンジンコンピュータ上に直接実装され、かつモニタリングモジュール534が(専用の、または専用ではない)第2のコンピュータ上に直接実装されるように、物理的に2つに分割されることができる。
【0126】
制御モジュール532および532’が2つの物理チャネルを備えるエンジンコンピュータ上に実装されたとき、チャネル515および515’は、それぞれエンジンコンピュータの第1の物理チャネル上および第2の物理チャネル上に物理的に実装されることができる。
【0127】
この実施形態では、一方ではプローブ510と第1のデータ処理モジュール540aと第3のデータ処理モジュール540a’との間の、他方では情報モジュール520と第2のデータ処理モジュール540bの間の通信リンクを分離することにより、獲得を完全に分離することが可能になり、したがって、2つの温度情報項目間の共通モードを完全に除去し、第1の温度情報の獲得を安全にして、温度制御機能を実行させる。
【0128】
あるいは、第2のデータ処理モジュール540bは、たとえば通信モジュール550を介して第2の温度情報を第1のデータ処理モジュール540aに、または第3のデータ処理モジュール540a’に送信するように構成されることができ、その結果、第1のデータ処理モジュール540または第3のデータ処理モジュール540a’は、受信された第2の温度情報の処理を行い、たとえば、航空機の空気抜き取りシステムの弁5、5’、5”の開放および閉鎖のためのコマンドを送信する。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6