【文献】
Kuroda, Hiroyuki et al,Antitumor effect of bisbenzylisoquinoline alkaloids,Chemical & Pharmaceutical Bulletin,1976年,24(10),2413-20
【文献】
Roger Adams,Organic Reactions,米国,John Wiley and Sons, Inc,1949年,Vol 1,p63-90
【文献】
Lee, Shoei-Sheng et al,Longiberine and O-methyllongiberine, dimeric protoberberine-benzyl tetrahydroisoquinoline alkaloids from Thalictrum longistylum,Journal of Natural Products ,1999年,62(10),1410-1414
【文献】
Xu CX et al,Anti-tumor effect of haermandezine and other components extracted from Thalictrum glandulosissimum,Acta Pharmaceutica Sinica,1990年,25(5),330-335
【文献】
Wang, Feng-Peng et al,Reversal of P-glycoprotein-dependent resistance to vinblastine by newly synthesized bisbenzylisoquinoline alkaloids in mouse leukemia P388 cells,Biological & Pharmaceutical Bulletin,2005年,28(10),1979-1982
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
非芳香族窒素含有ヘテロシクリルが、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル又はジアザシクロヘプチルである、請求項11に記載の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
ヘテロアリール含有ラジカルにおけるヘテロアリールが、ピリジル、イミダゾリル又はチエニルである、請求項16又は17に記載の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
腫瘍が、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、肝癌、胃癌、乳癌、胆管細胞癌、膵臓癌、肺癌、結腸直腸癌、骨肉腫、ヒト子宮頚癌、神経膠腫、鼻咽頭癌、喉頭癌、食道癌、中耳腫瘍、黒色腫及び前立腺癌から選択される、請求項22に記載の使用。
腫瘍が、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、肝癌、胃癌、乳癌、胆管細胞癌、膵臓癌、肺癌、結腸直腸癌、骨肉腫、ヒト子宮頚癌、神経膠腫、鼻咽頭癌、喉頭癌、食道癌、中耳腫瘍、黒色腫及び前立腺癌から選択される、請求項24に記載の治療剤。
腫瘍が、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、肝癌、胃癌、乳癌、胆管細胞癌、膵臓癌、肺癌、結腸直腸癌、骨肉腫、ヒト子宮頚癌、神経膠腫、鼻咽頭癌、喉頭癌、食道癌、中耳腫瘍、黒色腫及び前立腺癌から選択される、請求項26に記載の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【背景技術】
【0002】
化学式6,6’,7,12−テトラメトキシ−2,2’ジメチルベルバミンを有するテトランドリン、即ちTTDは、中国の薬草防已(Chinese herbal fangji)の根塊から抽出されたビスベンジルイソキノリンアルカロイドである。テトランドリンは、中枢神経を阻害する効果、並びに抗炎症効果、鎮痛効果及び解熱効果を有する。それは、末梢血管を直接拡張し、顕著で持続的な降圧効果をもたらし、したがって、リウマチ痛、関節炎、神経痛、筋痛及び様々な型の高血圧に用途を見出すことができる。テトランドリンは、心臓に対して負の変力効果、負の変時効果及び負の変伝導効果を有する。さらに、テトランドリンは、圧反射心拍が増加していない間に、酸素の心筋消費を減少させ、心筋不応期及び房室伝導を延長し、心筋血流を増加させ、全末梢血管抵抗を低下させ、血圧を下げる。後負荷の減少によって、心臓病患者の拍出量は増加し得る。これらの効果は、すべてそのカルシウム拮抗作用と関連している。
【0003】
したがって、テトランドリン並びにその誘導体及びアナログは、世界中で広範囲に研究されている(Ji, Yubin et al., Pharmacology of the Effective Components of Traditional Chinese Medicine and Their Applications. Harbin: Heilongjiang Science and Technology Press, 1995;Su, J. Y. Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pharmacol. 1993. 347:445-451;Wei, N.; Sun, H.; Wang, F. P. Cancer Chenother Pharmacol. 2011, 67:1017-1025;Rahman, A. U. Chem Pharm Bull, 2004, 52(7): 802;Wang, Jiwu et al., Handbook of the Effective Components of Plant Drugs. Beijing: People's Medical Publishing House, 1986;Knox, V.D. Use of tetrandrine and its derivatives to treat malaria(米国特許第5025020号明細書(1991年));Virginio, C.; Graziani, F.; Terstappen, G. C. Neuroscience Letters. 2005. 381:299-304;Karen, O. L.; Carolina, G. A.; Alexey, v. E.; Anatoly, K. Y. Org. Biomol. Chem. 2004, 2:1712-1718;Lin, Mubin et al., Chemical Resarch on Tetrandrine-N-oxides, Acta Chimica Sinica, 1984, 42(2):199-203;Tsutsumi, T.; Kobayashi, S.; Liu, Y. Y.; Kontani, H. Biol. Pharm. Bull. 26(3):313-317)。
【0004】
テトランドリン及びその一部の誘導体又はアナログは、以下のとおりである:
【0005】
【化1】
【0006】
テトランドリンは、子宮頚癌HeLa細胞の増殖に対して阻害を示す。研究は、様々な濃度及び異なる時間でテトランドリンによる子宮頚癌HeLa細胞株の増殖に対する阻害を検出するMTT法を使用する。細胞アポトーシスは、フローサイトメータ及び共焦点レーザ走査顕微鏡検査によって検出される。実験で示されるように、テトランドリンは、子宮頚癌HeLa細胞の増殖に対して阻害を示し、これは、時間及び濃度に対して依存性を有する。(Zhu Kexiu et al., Qualitative and quantitative studies on tetrandrine-induced apoptosis of cervical cancer cells, Journal of Xi'an Jiaotong University (Medical Sciences Edition), 2010, 31 (1), 102)。
【0007】
テトランドリンは、ヘパトーマ細胞の増殖を阻害し得る。ヘパトーマ細胞へのテトランドリンの作用後、反応性酸素種(ROS,reactive oxygen species)が2時間以内に生じ、ROSの生成は、用量の増加とともに顕著に増加する。テトランドリンは、ミトコンドリア機能に干渉することによって反応性酸素種を生じさせ、これは、細胞脂質の過酸化を引き起こし、DNA分子を損傷させるか又はアポトーシスの関連遺伝子を制御し、それにより、ヘパトーマ細胞の増殖を阻害し得ることが示唆されている。(Jing Xubin et al., Experimental studies on the tetrandrine-induced oxidative damage of hepatoma cells, Journal of Clinical Hepatology, 2002, 18 (6), 366)。
【0008】
インビトロでテトランドリンは、ヒト神経芽細胞腫細胞株TGWの増殖に対して明らかな阻害作用を示すことも報告されている。研究により、このような阻害は、用量の増加とともに徐々に増加し、及びこのような阻害はまた、長期にわたる阻害時間とともに明らかに増加し、良好な用量−時間の相関を示すことが示されている(Li Weisong et al., Journal of Clinical Pediatrics, Experimental studies on tetrandrine-induced apoptosis of neuroblastoma cell line TDW, 2006, 24(6), 512)。
【0009】
腫瘍細胞に干渉し、それらの増殖を阻害し、細胞アポトーシス及び腫瘍増殖を誘導する上記効果に加えて、テトランドリンはまた、P−糖タンパク質仲介多剤耐性細胞の薬剤耐性を制御し、薬剤耐性遺伝子mdr1mRNAの発現の下方制御を行い得る。
【0010】
一部の報告は、薬剤耐性肺癌におけるテトランドリンの適用後に、薬剤耐性指数が、5.43(アドリアマイシンが使用されている間)から1.89に減少することがインビトロ実験によって証明されており、テトランドリンが、アドリアマイシンに対して薬剤耐性肺癌細胞GLC−82/ADRの薬剤耐性を逆転させ得ることを示す。さらに、ヒト乳癌多剤耐性系MCF−7/ADRに対するテトランドリンの逆転効果について研究が行われ、2.5μmol/Lのテトランドリンが、薬剤耐性腫瘍に対するアドリアマイシン細胞毒性を20.4倍増加させ得ることが見い出されており、テトランドリンが、腫瘍ADRの逆転において非常に大きな潜在性を有することを示す(Xu Meng et al., Experimental studies on the reversal of lung cancer chemotherapy resistance and resistance to apoptosis by tetrandrine, Practical Journal of cancer, 2003, 18(4):347;Fu, L. W, et al. The multidrug resistance of tumour cells was reversed by tetrandrine in vitro and in xenographs derived from human breast adenocarcinoma MCF-7/adr cells. European Journal of Cancer, 2002, 38(3):418)。
【0011】
さらに、臨床実験により、テトランドリンは、照射癌細胞がG2期からM期に入ることを促進することができ、このことは放射線治療細胞の損傷修理の時間を短くし、それにより放射線増感作用の目的を達成することも実証されている。
【0012】
乳癌細胞の放射線感受性を増加させるテトランドリンについての実験的研究に基づいて、一部の報告は、照射後に誘発される細胞周期停止が、p53遺伝子機能に密接に関連しているという結論を出している。細胞がガンマ線照射を受けた後、サイクリンB1及びそのCdc2タンパク質発現レベルは著しく低下しており、分裂指数も著しく低下し、テトランドリンがG2期停止を解除するのに役立ち、その結果、ヒト乳癌細胞に対するガンマ線の殺傷効果を著しく増強させる。さらに、一部の研究により、テトランドリンが、ヒト食道癌TE1細胞の立体実験(stereo experiment)に対する放射線増感効果を有することも見出されている。テトランドリンの低濃度が、放射線増感効果を調べるために一部の実験で選択され、TE1細胞生存率は、放射線量の増加とともに指数的に低下すること、及び最高放射線増感作用1.62が0.5μg/mLの薬剤濃度で到達され、テトランドリンが、インビトロで培養された食道癌細胞に一定の放射線増感効果を有し、根底にある機構は、G2+M期の細胞停止が、サイクリンB1の発現増加によって解除されることであり得ることがわかった(Tian Qingzhong et al., Study of potentiation of radiosensitivity by tetrandrine and its mechanism, Journal of Southeast University, 2005, 24(4), 233;Yu Jingping et al., Radiosensitizing effect of tetrandrine in human esophageal carcinoma cells: A preliminary in vitro study, Chinese Journal of Radiation Oncology, 2010, 19(6), 568)。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、抗腫瘍活性を有する新規なテトランドリン誘導体、特に5−置換テトランドリン誘導体を提供する。
【0036】
本発明は、式(I)の5−置換テトランドリン誘導体、又はその薬学的に許容される付加体、錯体若しくは塩に関し、
【0038】
式中、
Xは、酸素、硫黄、窒素及びカルボニルオキシから選択され;
nは1又は2であり、Xが酸素又は硫黄である場合、n=1であり、Xが窒素である場合、n=2であり;
Rは、H、C
1−C
6アルキル、C
3−C
7シクロアルキル若しくはシクロアルケニル、アリール若しくはヘテロアリール、アリール−C
1−C
3アルキル、ヘテロアリール−C
1−C
3アルキル、アリールオキシ−C
1−C
3アルキル又はヘテロアリールオキシ−C
1−C
3アルキルから独立して選択され;Xがカルボニルオキシである場合、Rは、C
1−C
6アルコキシ又はC
1−C
6アルキルチオであることもでき;Xが窒素である場合、2個のR基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非芳香族窒素含有ヘテロシクリル又は窒素含有ヘテロアリールを形成することができ;Hを除く前述のラジカルは、ハロゲン、アミノ、C
1−C
6アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシ、チオール及びC
1−C
6アルキルチオからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、窒素含有ヘテロシクリル又は窒素含有ヘテロアリールは、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシルC
1−C
6アルキル、チオールC
1−C
6アルキル及びフェニルから選択される置換基で置換されていてもよい。
【0039】
Xが式(I)においてカルボニルオキシである場合、本発明の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩は、式(I−b)
【0041】
(式中、R
1は、H、C
1−C
6アルキル、アリール若しくはヘテロアリール、C
1−C
6アルコキシ又はC
1−C
6アルキルチオから選択され、Hを除くこれらは、ハロゲン、アミノ、C
1−C
6アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシ、チオール及びC
1−C
6アルキルチオからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;前記アリール及びヘテロアリールは、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシルC
1−C
6アルキル及びチオールC
1−C
6アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい)
で表される。
【0042】
好ましくは、式(I−b)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、R
1は、C
1−C
6アルキル、アリール及びヘテロアリールから選択される。
【0043】
より好ましくは、式(I−b)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、R
1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、ジメチルアミノフェニル、フリル、チエニル、メチルチエニルなどから選択される。
【0044】
Xが式(I)において窒素である場合、本発明の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩は、式(I−c)
【0046】
(式中、R
1及びR
2は、H、C
1−C
6アルキル、C
3−C
7シクロアルキル若しくはシクロアルケニル、アリール−C
1−C
3アルキル、ヘテロアリール−C
1−C
3アルキル、アリールオキシ−C
1−C
3アルキル、又はヘテロアリールオキシ−C
1−C
3アルキルから独立して選択されるか、或いはR
1及びR
2は、それらが結合している窒素と一緒になって、非芳香族窒素含有ヘテロシクリル若しくは窒素含有ヘテロアリールを形成し;Hを除く前述のラジカルは、ハロゲン、アミノ、C
1−C
6アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシ、チオール及びC
1−C
6アルキルチオからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、窒素含有ヘテロシクリル又は窒素含有ヘテロアリールは、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシルC
1−C
6アルキル、チオールC
1−C
6アルキル及びフェニルから選択される置換基で置換されていてもよい)
で表される。
【0047】
好ましくは、式(I−c)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、R
1及びR
2は、H、C
1−C
6アルキル、C
3−C
7シクロアルキル、アリール−C
1−C
3アルキル若しくはヘテロアリール−C
1−C
3アルキルから独立して選択されるか、又はR
1及びR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非芳香族窒素含有ヘテロシクリル若しくは窒素含有ヘテロアリールを形成する。
【0048】
好ましくは、式(I−c)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、Hを除く前述のラジカルは、アミノ、C
1−C
6アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル及びC
1−C
6アルコキシからなる群から選択される置換基で置換されており;前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、窒素含有ヘテロシクリル又は窒素含有ヘテロアリールは、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシルC
1−C
6アルキル及びフェニルから選択される置換基で置換されている。
【0049】
好ましくは、式(I−c)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、R
1及びR
2は、H、ヒドロキシル若しくはC
1−C
6アルコキシで置換されていてもよいC
1−C
6アルキル、ヒドロキシル若しくはC
1−C
6アルコキシで置換されていてもよいC
3−C
7シクロアルキル、C
1−C
6アルキルによりアリールが置換されていてもよいアリール−C
1−C
3アルキル、又はC
1−C
6アルキルによりヘテロアリールが置換されていてもよいヘテロアリール−C
1−C
3アルキルから独立して選択されるか、或いはR
1及びR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非芳香族窒素含有ヘテロシクリル若しくは窒素含有ヘテロアリールを形成し;前記非芳香族窒素含有ヘテロシクリルは、ヒドロキシル、ヒドロキシルC
1−C
6アルキル、アミノ、C
1−C
6アルキルアミノ、C
1−C
6アルキル、シアノ、ニトロ及びフェニルから選択される置換基で置換されていてもよい。
【0050】
好ましくは、式(I−c)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、R
1及びR
2は、H、C
1−C
3アルコキシで置換されたC
1−C
3アルキル、C
3−C
6シクロアルキル、アリールメチル、アリール(メチル)メチル、若しくはヘテロアリールメチルから独立して選択されるか、又はR
1及びR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非芳香族窒素含有ヘテロシクリルを形成し;前記非芳香族窒素含有ヘテロシクリルは、ヒドロキシル、ヒドロキシルC
1−C
6アルキル、アミノ、C
1−C
6アルキルアミノ、C
1−C
6アルキル、シアノ、ニトロ及びフェニルから選択される置換基で置換されていてもよい。
【0051】
好ましくは、式(I−c)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、前記非芳香族窒素含有ヘテロシクリルは、R
1及びR
2に結合している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を含んでいてもよい、5〜7員環であり;より好ましくは、前記非芳香族窒素含有ヘテロシクリルは、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル又はジアザシクロヘプチルである。
【0052】
好ましくは、式(I−c)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、アリールを有するそれらの基におけるアリールは、好ましくはフェニルであり;ヘテロアリールを有するそれらの基におけるヘテロアリールは、好ましくは、C
1−C
3アルキルで置換されていてもよいピリジル、C
1−C
3アルキルで置換されていてもよいフリル、又はC
1−C
3アルキルで置換されていてもよいチエニルである。
【0053】
Xが、式(I)において酸素又は硫黄である場合、本発明の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩は、式(I−d)又は式(I−e)
【0055】
(式中、R
2は、C
1−C
6アルキル、アリール、C
3−C
7シクロアルキル若しくはシクロアルケニル、アリール−C
1−C
3アルキル、ヘテロアリール−C
1−C
3アルキル、ヘテロシクリル−C
1−C
3アルキル、アリールオキシ−C
1−C
3アルキル又はヘテロアリールオキシ−C
1−C
3アルキルから選択され、これらは、ハロゲン、アミン、C
1−C
6アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシ、チオール及びC
1−C
6アルキルチオからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロアリールは、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシルC
1−C
6アルキル及びチオールC
1−C
6アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい)
で表される。
【0056】
好ましくは、式(I−d)又は式(I−e)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、R
2は、アリール−C
1−C
3アルキル、ヘテロアリール−C
1−C
3アルキル、アリールオキシ−C
1−C
3アルキル及びヘテロアリールオキシ−C
1−C
3アルキルから選択される。
【0057】
より好ましくは、式(I−d)又は式(I−e)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、アリールを有するそれらの基におけるアリール又はヘテロアリールを有するそれらの基におけるヘテロアリールは、ハロゲン及びC
1−C
6アルコキシから選択される置換基で置換されている。
【0058】
より好ましくは、式(I−d)又は式(I−e)の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩において、アリールを有するそれらの基におけるアリールは、好ましくはフェニルであり、ヘテロアリールを有するそれらの基におけるヘテロアリールは、好ましくはピリジル、イミダゾリル又はチエニルである。
【0059】
本発明の5−置換テトランドリン誘導体の一部を以下に示す。これらの例は、単に本発明をさらに説明することを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0061】
上に列挙された化合物の特性データの一部を以下の表に示す:
【0063】
本発明によれば、別の実施形態において、以下のとおりの式(I)の化合物は特に好ましい:
【0065】
本発明の化合物は抗腫瘍活性を有すること、及び本発明の好ましい化合物はテトランドリンTTDの抗腫瘍活性に比べて明らかに優れた抗腫瘍活性を有することが証明された。
【0066】
本発明は、本発明の式(I)の化合物の塩、溶媒和物、水和物、付加体、錯体、多形体及びプロドラッグに関する。
【0067】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、指定された数の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状炭化水素ラジカル、例えば、C
1−C
6アルキル、C
1−C
5アルキル、C
1−C
4アルキル、C
1−C
3アルキルなどを指す。アルキルの例には、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが含まれる。
【0068】
「C
3−C
7シクロアルキル又はシクロアルケニル」という用語は、3〜4員環、3〜5員環及び3〜6員環を含めて、飽和(シクロアルキル)又は不飽和(シクロアルケニル)であり得る3〜7員の単環式炭化水素ラジカルを指す。C
3−C
7シクロアルキルの代表例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル及びシクロヘキセニルであり得る。
【0069】
「アリール」という用語は、6〜14個の炭素原子を有し、縮合された又は縮合されていない単環式アリール又は多環式アリールを指す。多環式アリールの場合、少なくとも1つの環は、芳香族である。アリールは、ヘテロシクリルと縮合していることもできる。アリールの例には、フェニル、ビフェニル、ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニルなどが含まれる。
【0070】
「ヘテロアリール」という用語は、環原子(複数可)として環中に1〜4個のヘテロ原子(例えば、1、2、3又は4個のヘテロ原子)を有する芳香族環基を指す。ヘテロ原子は、窒素、酸素又は硫黄を指す。ヘテロアリールは、5〜7個の環原子を有する単環式ヘテロアリール又は7〜11個の環原子を有する二環式ヘテロアリールであり得る。前記二環式ヘテロアリールは、少なくとも1つの芳香族ヘテロ環を含むべきであり、他の環(複数可)は、ヘテロ原子の有無にかかわらず、芳香族又は非芳香族であり得る。ヘテロアリールの例には、例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チオフェニル、イソオキサゾリル、インドリルなどが含まれる。「窒素含有ヘテロアリール」は、環員として少なくとも1個の窒素原子を含む上に定義されたとおりの「ヘテロアリール」を指す。
【0071】
「ヘテロシクリル」は、環員として1〜4個のヘテロ原子(例えば、1、2、3又は4個のヘテロ原子)を有する非芳香族環式基を指す。ヘテロ原子は、窒素、酸素又は硫黄を指す。ヘテロシクリルは、4〜8個の環原子を有する単環式ヘテロシクリル(例えば、4〜7員環、5〜7員環及び5〜6員環)又は7〜11個の環原子を有する二環式ヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリルは、飽和であり得るか、又は不飽和であり一方で非芳香族であり得る。ヘテロシクリルの例には、アザシクロブチル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロフリル、ピペラジニル、ピペリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニルなどが含まれる。
【0072】
「窒素含有ヘテロシクリル」は、環員として少なくとも1個の窒素原子を含む上に定義されたとおりの「ヘテロシクリル」を指す。
【0073】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0074】
「アルキルアミノ」という用語は、指定された数の炭素原子を有する1又は2個のアルキル(シクロアルキルを含む)で置換されたアミノ基を指す。
【0075】
「アルコキシ」という用語は、アルコキシ及びシクロアルキルオキシを含む。
【0076】
「アルキルチオ」という用語は、アルキルチオ及びシクロアルキルチオを含む。
【0077】
「式(I)の化合物の薬学的に許容される付加体及び錯体」という用語は、非化学的結合又は非共有結合分子間力を介してさらなる結合(combined)小分子又は生物学的巨大分子を有する、本発明の化合物によって形成される生成物を指す。
【0078】
本明細書で使用される場合、「式(I)の化合物の薬学的に許容される塩」という用語の例は、薬学的に許容されるアニオンを有する有機酸によって形成される有機酸塩で例示される。これらの有機酸塩には、限定されるものではないが、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、及びα−グリセロリン酸塩が含まれる。好適な無機塩もまた形成され得、限定されるものではないが、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩及び炭酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などが含まれる。
【0079】
薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知の標準的な手順を用いて、例えば、十分量のアルカリ化合物を、薬学的に許容されるアニオンを与える適切な酸と反応させることによって得られてもよい。
【0080】
本明細書で使用される場合、「多形体」という用語は、本発明の化合物又はその錯体の固体結晶形態を意味する。一つの同じ化合物の様々な多形体は、異なる物理的、化学的及び/又は分光学的特性を示し得る。異なる物理的特性には、限定されるものではないが、安定性(例えば、熱又は光安定性)、圧縮性及び密度(これらは、生成物の製剤化及び製造に重要である)、並びに溶解速度(これは、その生物学的利用能及び吸収性に影響し得る)が含まれる。安定性の違いは、化学反応性(例えば、ある多形体を含む剤形は、別の多形体を含むものより急速に変色するような、差別的酸化)若しくは機械的特性(例えば、保存中に、反応速度的に有利な多形体の錠剤の破砕部分は、熱力学的により安定な多形体に変換される)又は両方(例えば、ある多形体から構成される錠剤は、高湿度でより破壊されやすい)における変化をもたらし得る。様々な多形体の異なる物理的特性は、それらの加工性に影響を与え得る。例えば、ある多形体は、別のものに比べて、それらの異なる粒子形状又はサイズ分布のために、溶媒和物をより形成しやすいことがあり、又は洗浄によりろ過除去若しくは精製されることがより難しいことがある。
【0081】
本明細書で使用される場合、「水和物」という用語は、非共有結合分子間力を介して結合された化学量論的又は非化学量論的量の水をさらに含むような本発明の化合物又はその塩を意味する。
【0082】
特に断りのない限り、本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件下(インビトロ又はインビボ)での加水分解、酸化、又は他の反応を介して、本発明の化合物を与え得る発明化合物の誘導体を意味する。プロドラッグは、このような生物学的条件下での反応後に活性になるだけであってもよいか、又はその未反応形態で活性を有していてもよい。通常、プロドラッグは、知られた方法、例えば、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery (1995) 172-178, 949-982 (Manfred E. Wolff, 5
th edition), Prodrugs and Targeted Delivery by J. Rautio (2011) 31-60 (Wiley-VCH, Methods and Principles in Medicinal Chemistry, Vol. 47)、及びFundamentals of Medicinal Chemistry (2003) by G. Thomas, 195-200(Wiley)に記載されたものを用いて調製され得る。
【0083】
本発明の化合物における5−置換テトランドリン誘導体の2つの不斉中心は、構造式(I)で表される立体化学構造を有する。本明細書で使用される立体化学の定義及び慣例は、一般にMcGRAW-HILL DICTIONARY OF CHEMICAL TERMS(S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Book Company, New York, 1984);及びELIEL, E. AND WILEN, S., STEREOCHEMISTRY OF ORGANIC COMPOUNDS (John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994)に従う。有機化合物の多くは光学活性形態で存在し、すなわち、それらは、平面偏光の面を回転させる能力を有する。
【0084】
本明細書で使用される「治療(treatment)」、「治療する(treating)」、「治療する(treat)」などの用語は、一般に所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を得ることを指す。この効果は、疾患若しくはその症状を完全若しくは部分的に予防する点で予防的であり得、並びに/又は疾患及び/若しくはその疾患に起因する副作用の部分的若しくは完全な安定化若しくは治癒の点で治療的であり得る。本明細書で使用される場合の「治療」は、(a)疾患又は症状に罹り易いが、それを有するとまだ診断されていない対象でその疾患若しくは症状が起こることの予防;(b)疾患の症状の抑制、すなわち、その進行の停止;又は(c)疾患の症状の緩和、すなわち、疾患若しくは症状の回帰を生じさせること、を含めて、対象における疾患のあらゆる治療に及ぶ。
【0085】
本発明の化合物は、従来の有機化学合成法によって調製され得る。例えば、本発明の式(I)の化合物は、以下のとおりに調製される。
【0087】
式(I)の原料、テトランドリンは、天然産物から抽出及び分離によって得ることができる。塩酸及び塩化亜鉛の存在下で、テトランドリン及びホルムアルデヒドは、クロロメチル化のブラン反応に供されて、5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)を生成する。ブラン反応は、通常は低温又は室温下で行われる。5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)は、水、アミン又は塩酸などの小分子と反応して、対応する置換メチル基を有する誘導体、例えば、5−ヒドロキシメチルテトランドリン(I−a、X=OH)、5−アミノメチルテトランドリン(I−a、X=NH
2)及び5−ヨードメチル−テトランドリン(I−a、X=I)を生成する。5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)及び対応する有機小分子は、置換反応又は縮合反応に供されて、式(I)におけるR及びXが上記式(I)で定義されたとおりである式(I)の5−置換テトランドリン誘導体を生成する。
【0089】
本発明の式(I−b)の5−エステル化メチルを有するテトランドリン誘導体は、上に示された反応に従って調製され得る。この反応において、5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)は、クロロメチル化のブラン反応を介して生成され、次いで、アルカリの存在下で、前記5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)及び適切な有機ナトリウム塩は、有機溶媒中で加熱されて、求核置換反応を介して式(I−b)のテトランドリン誘導体を生成する。
【0090】
上記反応で用いられるアルカリには、限定されるものではないが、無機アルカリ、例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムが含まれる。有機ナトリウム塩は、市販の原料であるか、又は反応系において有機酸によって生成され得る。
【0091】
上記反応の温度は、有機酸ラジカルの反応性に依存し、50〜80℃であり得る。
【0092】
上記反応は、通常は溶媒中で行われる。用いられる溶媒には、限定されるものではないが、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランが含まれる。
【0093】
式(I−b)におけるR
1及びXは、上記式(I)で定義されたものと同一であり、ここではX(=Cl)が反応中に脱離基として作用する。
【0095】
本発明の式(I−c)の5−アルキルアミノメチル基を有するテトランドリン誘導体は、上に示された反応に従って調製され得る。その作用において、5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)は、ブラン反応を介して生成され、次いで、アルカリの存在下で、前記5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)及び適切な有機アミンは、有機溶媒中で加熱されて、求核置換反応を介して式(I−c)のテトランドリン誘導体を生成する。
【0096】
上記反応で用いられるアルカリには、限定されるものではないが、有機アルカリ、例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン(TEA)、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)が含まれる。
【0097】
上記反応の温度は、有機酸アミドの反応性に依存し、50〜80℃であり得る。
【0098】
上記反応は、通常は溶媒中で行われる。用いられる溶媒には、限定されるものではないが、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランが含まれる。
【0099】
式(I−c)におけるR
1、R
2及びXは、上記式(I)で定義されたものと同一であり、ここではX(=Cl)が反応中に脱離基として作用する。
【0101】
本発明の式(I−d)の、5−アルコキシメチルを有するテトランドリン誘導体は、上に示された反応に従って調製され得る。この反応において、5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)は、ブラン反応を介して生成され、次いで、アルカリの存在下で、前記5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)及び適切な有機アルコール又は有機ナトリウムアルコキシドは、有機溶媒中で加熱されて、求核置換反応を介して式(I−d)のテトランドリン誘導体を生成する。
【0102】
上記反応で用いられるアルカリには、限定されるものではないが、無機アルカリ、例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムが含まれる。有機ナトリウムアルコキシドは、市販の原料であり得るか、又は反応系においてアルコールから生成され得る。
【0103】
上記反応の温度は、アルコールの反応性に依存し、50〜80℃であり得る。
【0104】
上記反応は、通常は溶媒中で行われる。用いられる溶媒には、限定されるものではないが、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランが含まれる。
【0105】
式(I−d)におけるR
1及びXは、上記式(I)で定義されたとおりであり、ここではX(=Cl)が反応において脱離基として作用する。
【0107】
本発明の式(I−e)の5−アルキルチオメチルを有するテトランドリン誘導体は、上に示された反応に従って調製され得る。この反応において、5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)は、ブラン反応を介して生成され、次いで、アルカリの存在下で、前記5−クロロメチルテトランドリン(I−a、X=Cl)及び適切な有機メルカプタン又は有機ナトリウムメルカプチドは有機溶媒中で加熱されて、求核置換反応を介して式(I−e)のテトランドリン誘導体を生成する。
【0108】
上記反応中に用いられるアルカリには、限定されるものではないが、無機アルカリ、例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムが含まれる。有機ナトリウムメルカプチドは、市販の原料であり得るか、又は反応系において有機メルカプタンから生成され得る。
【0109】
上記反応の温度は、有機メルカプタンの反応性に依存し、50〜80℃であり得る。
【0110】
上記反応は、通常は溶媒中で行われる。用いられる溶媒には、限定されるものではないが、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランが含まれる。
【0111】
式(I−e)におけるR
1及びXは、上記式(I)で定義されたとおりであり、ここではX(=Cl)が反応中に脱離基として作用する。
【0112】
本発明はまた、本発明の化合物又はその塩を調製するために使用され得る、式(I−a)の中間化合物に関する:
【0114】
式中、Xは、ヒドロキシル、チオール、アミノ及びハロゲンから選択される。
【0115】
上記反応のための原料、例えば、有機酸、有機ナトリウム塩、有機無水物、有機ハロゲン化アシル、アルコール、メルカプタン、ナトリウムアルコキシド、ナトリウムメルカプチド、及び有機アミンは、すべて市販されている。原料テトランドリンは、天然産物から抽出及び分離によって得られるか、又は市販されているかのいずれかである。
【0116】
上記反応の典型的な操作は、限定されるものではないが、反応剤とアルカリ又は縮合剤とを適当な比率で、5−クロロメチルテトランドリンのアセトニトリル溶液に添加すること;加熱及び撹拌下で数時間反応させること;次いで、得られた生成物を有機溶媒で抽出すること;水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得ること;並びに粗生成物をHPLCで精製して、純生成物を得ることであり得る。
【0117】
クロロメチル化のブラン反応(G. Blanc, Bull. Soc. Chim. France 33(4), 313 (1923);R. C. Fuson, C. H. McKeever, Org. React. 1, 63 (1942))及びフリーデル−クラフト反応は、典型的で完成された条件下で操作される(C. C. Price, Org. React. 3, 1 (1946))。
【0118】
本発明を実施するために、従来の化学変換法が使用されてもよい。当業者は、これらの化学変換のための適切な化学薬品、溶媒、保護基及び反応条件を決定し得る。関連情報は、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989);T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd Ed., John Wiley and Sons (1999);L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994);及びL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)並びにそれらの後続版に記載されている。
【0119】
保護基は、活性部分(例えば、ヒドロキシル又はアミノ基)に結合すると、その部分がその後の反応で干渉することを防止し、反応後に、従来の方法によって除去され得る基を指す。ヒドロキシル保護基の例には、限定されるものではないが、アルキル、ベンジル、アリル、トリチル(トリフェニルメチルとしても知られる)、アシル[例えば、ベンゾイル、アセチル、又はHOOC−X”−CO−(式中、X”は、アルキリデン、アルケニレン、シクロアルキレン、又はアリーレンである)]、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、及びt−ブチルジメチルシリル)、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル(例えば、ジメチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル、及びフェニルアミノカルボニル)、アルコキシメチル、ベンジルオキシメチル、並びにアルキルメルカプトメチルが含まれる。アミノ保護基の例には、限定されるものではないが、アルコキシカルボニル、アルカノイル、アリールオキシカルボニル、アリール置換アルキルなどが含まれる。ヒドロキシル及びアミノ保護基は、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd. Ed., John Wiley and Sons (1991)で検討されている。ヒドロキシル及びアミノ保護基のすべては、反応後に従来法によって除去され得る。
【0120】
本発明はまた、本発明の式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0121】
本発明は、少なくとも1種の上に定義されたとおりの本発明の式(I)の化合物及び任意選択で薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0122】
所与の量の活性成分を有する様々な医薬組成物を調製する方法は、公知であるか、又はこの開示に照らして当業者に明らかである。REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, Martin, E.W., ed., Mack Publishing Company, 19th ed. (1995)に記載されるように、このような医薬組成物を調製する方法は、他の適切な薬学的賦形剤、担体、希釈剤などを組み込むことを含む。
【0123】
本発明の医薬製剤は、混合、溶解又は凍結乾燥プロセスを含む既知の方法によって製造される。
【0124】
本発明の化合物は、医薬組成物に製剤化されて、選択された投与方式に適切な経路で、例えば、経口又は非経口的に(例えば、静脈内、筋内、局所又は皮下経路によって)対象に投与され得る。
【0125】
したがって、本化合物は、不活性希釈剤又は可食性担体などの薬学的に許容される担体と併用して、全身的に投与、例えば、経口投与されてもよい。それらは、硬質若しくは軟質ゼラチンカプセルに封入されてもよいか、又は錠剤に圧縮されてもよい。治療的経口投与の場合、活性化合物は、1又は2種以上の賦形剤と組み合わされてもよく、摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウエハ剤などの形態で取られてもよい。このような組成物又は製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有しなければならない。当然ながら、組成物及び製剤中の活性化合物の割合は、変動してよく、所与の単位剤形の約1重量%から約99重量%であり得る。治療的に有用な組成物では、活性化合物は、有効投与量レベルが達成されるような量で存在する。
【0126】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などは、結合剤、例えば、トラガカントゴム、アラビアゴム、トウモロコシデンプン又はゼラチン;賦形剤、例えば、リン酸二水素カルシウム;崩壊剤、例えば、トウロモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸など;滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;及び甘味剤、例えば、スクロース、フルクトース、ラクトース若しくはアスパルテーム;又は香味剤、例えば、ペパーミント、ウィンターグリーン油、若しくはチェリーフレーバも含んでもよい。単位剤形がカプセル剤である場合、それは、上記材料に加えて、液体媒体、例えば、植物油又はポリエチレングリコールを含んでもよい。様々な他の材料が、コーティングとして存在してもよく、又はそうでなければ、固体単位剤形の物理的形態を変えてもよい。例えば、錠剤、丸剤、又はカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、シェラック又は糖などで被覆されていてもよい。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤、例えば、スクロース又はフルクトース、保存剤、例えば、メチルパラベン又はプロピルパラベン、染料及び香味剤(チェリー又はオレンジフレーバなど)を含有してもよい。当然に、単位剤形の調製に用いられるいずれの材料も、用いられる量において薬学的に許容され、及び実質的に非毒性でなければならない。さらに、活性化合物は、持続放出型製剤中に又は装置に組み込まれてもよい。
【0127】
活性化合物はまた、輸液又は注射によって静脈内又は腹腔内投与されてもよい。活性化合物又はその塩の水溶液は、任意選択で非毒性界面活性剤と混合されて、調製されてもよい。グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、若しくはそれらの混合物中、又は油中の分散液も調製され得る。通常の保存及び使用条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。
【0128】
注射又は輸液に適した医薬剤形には、活性成分(リポソーム中に封入されていてもよい)を含む滅菌水溶液、分散液、又は滅菌粉末が含まれてもよく、これらは、滅菌の注射可能又は輸液可能な溶液又は分散液の即時製剤用に適合される。すべての場合に、最終剤形は、製造及び保存条件下で滅菌の及び安定な液体でなければならない。液体担体又は媒体は、溶媒、又は例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリルエステル、及びそれらの適切な混合物を含む液体分散媒であってもよい。適当な流動性は、例えば、リポソームの形成によって、分散の場合に必要な粒径の維持によって、又は界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって達成され得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖、緩衝剤又は塩化ナトリウムが好ましく含まれる。注射可能組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの組成物の使用によって得ることができる。
【0129】
滅菌注射剤は、適切な溶媒中必要量の活性化合物を上に列挙されたとおりの様々な追加の所望成分と組み合わせ、続いて、ろ過及び滅菌することによって調製される。滅菌注射剤を調製するために用いられる滅菌粉末の場合、好ましい調製法は、真空乾燥及び凍結乾燥技術であり、これらは、活性成分に加えて、前のろ過された滅菌溶液中に存在するいずれかの追加の所望成分の粉末をもたらす。
【0130】
有用な固体担体には、微細固体、例えば、タルク、クレー、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなどが含まれる。有用な液体担体には、水、エタノール若しくはエチレングリコール、又は水−エタノール/エチレングリコール混合物が含まれ、これらの中で本発明の化合物は、任意選択で非毒性界面活性剤の助けとともに、有効含量で溶解又は分散され得る。アジュバント(フレーバなど)及び追加の抗菌剤が添加されて、所与の利用のための特性を最適化することができる。
【0131】
増粘剤(例えば、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩及びエステル、脂肪アルコール、変性セルロース又は変性無機材料)も、液体担体と一緒に使用されて、使用者の皮膚に直接適用するための塗布可能なペースト、ゲル、軟膏、石鹸などを形成し得る。
【0132】
治療に必要とされる化合物又はその活性な塩若しくは誘導体の量は、選択された特定の塩だけでなく、投与経路、治療される状態の性質並びに対象の年齢及び状態にも依存して変わり、最終的に担当医師又は臨床医の裁量で決定される。
【0133】
上記製剤は、ヒト又は他の哺乳動物への投与に適している単位投与量を含有する物理的に別個の単位である単位剤形で存在し得る。単位剤形は、1つのカプセル剤若しくは錠剤、又は複数のカプセル剤若しくは錠剤であってもよい。意図される特定の療法に応じて、単位剤形中の活性成分の量は、約0.1mgから約1,000mg以上の範囲で変えられ又は調整され得る。
【0134】
本発明はまた、薬剤、特に抗腫瘍薬の製造における本発明による化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物の使用を提供する。したがって、本発明は、腫瘍を患っている対象を治療する方法であって、それを必要としている対象に治療有効量の少なくとも1種の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。本発明の5−置換テトランドリン誘導体又はその薬学的に許容される塩は、例えば、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、肝癌、胃癌、乳癌、胆管細胞癌、膵臓癌、肺癌、結腸直腸癌、骨肉腫、黒色腫、子宮頚癌、神経膠腫、鼻咽頭癌、喉頭癌、食道癌、中耳腫瘍、前立腺癌などの治療に使用され得る。
【0135】
本発明は、以下の実施例によってより詳細に説明される。しかしながら、以下の実施例は、単なる例示を意図したものであり、本発明の範囲を限定することを決して意図するものではないことを理解されたい。
【0136】
以下の実施例で用いられる原料化学薬品は、市販されているものであるか又は当技術分野で知られた合成方法によって得ることができる。
【0137】
[実施例1]
化合物BS−TE−215の合成
【0139】
式中、(CH
2O)nは、すなわち、パラホルムアルデヒドである。
【0140】
テトランドリン(1.0g、1.6mmol)を濃HCl(5mL)に溶解させ、パラホルムアルデヒド(50mg、1.68mmol)を0℃下で添加する。この反応溶液を室温まで加温し、3時間撹拌する。次いで、それを濃縮して、鮮黄色固体として粗生成物を得て、これを次の反応ステップで直接用いる。
【0142】
水素化ナトリウム(15mg、0.34mmol)を、アセトニトリル(3mL)中5−クロロメチルテトランドリン(120mg、0.17mmol)及びチオフェン−2−ギ酸(44mg、0.34mmol)の溶液に添加する。この反応溶液を75℃まで加熱し、2時間撹拌する。反応溶液をろ過し、ろ過物を濃縮して、粗生成物を得、次いで、これを分取クロマトグラフィーによって分離及び精製して、白色固体粉末として化合物BS−TE−215(36.8mg、32%)を得る。
LC−MS:1.36分(97.64%)、m/z 382.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD中でのシグナルの部分的帰属)δ 7.79(dd,J=3.6Hz,1.2Hz,1H)、7.74(dd,J=4.8Hz,1.2Hz,1H)、7.55(d,J=8.1Hz,2.8Hz,1H)、7.14〜7.13(m,2H)、6.95(m,2H)、6.54〜6.48(m,2H)、6.14(s,1H)、4.50(m,1H)、3.90(s,3H)、3.75(s,3H)、3.42(s,3H)、2.97(s,3H)、2.65(s,3H)、2.43(s,3H)。
【0143】
化合物BS−TE−202は、BS−TE−215の調製方法に従って同じ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをN,N−ジメチルグリシンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.04分(63.88%)、1.13分(31.41%、異性体);m/z 739.6[M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.60(d,1H)、7.16(d,1H)、7.02(m,2H)、6.89(d,1H)、6.57〜6.52(m,2H)、6.19(s,1H)、4.25(m,1H)、3.91(s,3H)、3.76(s,3H)、3.49(s,3H)、3.33(s,3H)、3.14(s,3H)、3.08(s,3H)、2.50(s,3H)。
【0144】
化合物BS−TE−204は、BS−TE−215の調製方法に従って同じ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを4−ジメチルアミノ安息香酸と反応させることによって調製する。
LC−MS 1.36分(90.68%);m/z 800.9[M+H]
+、401.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.81(d,J=9Hz,2H)、7.50(d,1H)、7.11(d,1H)、6.93(m,2H)、6.77(m,2H)、6.67(d,2H)、6.55(s,1H)、3.89(s,3H)、3.73(s,3H)、3.41(s,3H)、3.34(s,3H)、3.01(s,6H)、2.85(s,3H)、2.36(s,3H)。
【0145】
化合物BS−TE−213は、BS−TE−215の調製方法に従って同じ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを4−メチルチアゾール−5−ギ酸と反応させることによって調製する。
LC−MS 1.13分(42.48%)、1.20分(57.52%、異性体);m/z 653.8[M+H]
+、327.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.62(dd,J=8.4Hz,2.8Hz,1H)、7.13(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、7.03(d,2H)、6.88(s,1H)、6.86(d,1H)、6.55(d,1H)、6.53(s,1H)、6.20(s,1H)、3.91(s,3H)、3.74(s,3H)、3.47(s,3H)、3.34(s,3H)、3.08(s,3H)、2.73(s,3H)。
【0146】
化合物BS−TE−216は、BS−TE−215の調製方法に従って同じ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを2−フランカルボン酸と反応させることによって調製する。
LC−MS 1.27分(98.44%)。m/z 747.8[M+H]
+、374.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.71(dd,J=1.5Hz,0.6Hz,1H)、7.47(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、7.19(d,1H)、7.09(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.86(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.79(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.68(s,1H)、6.56(m,2H)、6.42(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.03(s,1H)、4.03(m,1H)、3.88(s,3H)、3.72(s,3H)、3.37(s,3H)、3.24(s,3H)、2.65(s,3H)、2.25(s,3H)。
【0147】
化合物BS−TE−220は、BS−TE−215の調製方法に従って同じ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを5−メチルイソオキサゾール−4−ギ酸と反応させることによって調製する。
LC−MS 1.27分(88%)。m/z 762.9[M+H]
+。
【0148】
化合物BS−TE−223は、BS−TE−215の調製方法に従って同じ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを酢酸と反応させることによって調製する。
LC−MS 1.19分(91.97%)。m/z 695.8[M+H]
+、348.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.52(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、7.47(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.94(d,1H)、6.89(dd,J=7.8Hz,2.1Hz,1H)、6.82(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.76(s,1H)、6.53(d,1H)、6.47(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.09(s,1H)、4.32(m,1H)、3.97(d,1H)、3.89(s,3H)、3.70(s,3H)、3.41(s,3H)、3.25(s,3H)、2.84(s,3H)、2.72〜2.55(m,4H)、2.35(s,3H)、2.03(s,3H)。
【0149】
化合物BS−TE−224は、BS−TE−215の調製方法に従って同じ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを安息香酸と反応させることによって調製する。
LC−MS 1.38分(85.3%)。m/z 757.8[M+H]
+、379.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.98(m,2H)、7.58〜7.42(m,4H)、7.10(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.95〜6.87(m,2H)、6.82(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.76(s,1H)、6.54(d,1H)、6.47(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、6.09(s,1H)、4.30(m,1H)、4.01(d,1H)、3.88(s,3H)、3.73(s,3H)、3.40(s,3H)、3.26(s,3H)、2.83(s,3H)、2.34(s,3H)。
【0150】
[実施例2]
化合物BS−TE−305の合成
【0152】
水素化ナトリウム(15mg、0.34mmol)を、アセトニトリル(3mL)中5−クロロメチルテトランドリン(120mg、0.17mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(60uL、0.34mmol)及びピロリジン(24mg、0.34mmol)の溶液に添加する。この反応溶液を75℃まで加熱し、2時間撹拌する。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を濃縮して、粗生成物を得、次いで、これを分取クロマトグラフィーによって分離及び精製して、白色固体粉末として化合物BS−TE−305(30.5mg、22%)を得る。
LC−MS:1.05分(91.95%)、m/z 706.9[M+H]
+、354.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.54(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、7.14(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.95(d,1H)、6.91(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.85〜6.81(m,2H)、6.51〜6.48(m,2H)、6.14(s,1H)、4.49(m,1H)、3.90(s,3H)、3.80(s,3H)、3.44(s,3H)、3.31(s,3H)、2.95(s,3H)、2.35(s,3H)。
【0153】
化合物BS−TE−301は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをシクロプロピルアミンと反応させることによって調製する:
LC−MS 1.06分(74.25%)。m/z 692.9[M+H]
+、347.3[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.46(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.86(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.75(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.54(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.01(s,1H)、4.01(m,1H)、3.88(s,3H)、3.80(d,1H)、3.73(s,3H)、3.35(s,3H)、3.23(s,3H)、2.63(s,3H)、2.25(s,3H)。
【0154】
化合物BS−TE−307は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをモルホリンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.01分(91.41%)。m/z 722.8[M+H]
+、362.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.53(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.11(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.96(d,1H)、6.93(dd,J=7.8Hz,2.1Hz,1H)、6.81(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.76(s,1H)、6.54(d,1H)、6.48(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.10(s,1H)、4.34(m,1H)、4.13(d,1H)、3.90(s,3H)、3.38(s,3H)、3.26(s,3H)、2.85(s,3H)、2.69(d,1H)、2.45(s,3H)。
【0155】
化合物BS−TE−308は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを4−ヒドロキシピペリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.00分(80.99%)。m/z 736.9[M+H]
+、369.3[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.65(d,J=9.0Hz,1H)、7.15(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、7.07(s,2H)、6.90(m,2H)、6.59(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.52(s,1H)、6.23(s,1H)、3.92(s,3H)、3.83(s,3H)、3.51(s,3H)、3.34(s,3H)、3.11(s,3H)、2.79(s,3H)。
【0156】
化合物BS−TE−311は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをイソプロピルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.08分(69.65%)。m/z 694.9[M+H]
+、348.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.64(d,J=6.0Hz,1H)、7.14(dd,J=7.8Hz,2.1Hz,1H)、7.04(s,2H)、6.90(m,2H)、6.57(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.51(s,1H)、6.23(s,1H)、3.92(s,3H)、3.86(s,3H)、3.50(s,3H)、3.34(s,3H)、3.11(s,3H)、2.75(s,3H)。
【0157】
化合物BS−TE−313は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを4−アミノ−1−メチルピペリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.01分(58.11%)、1.12分(29.03%、異性体)。m/z 750.9[M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.64(d,1H)、7.15(dd,1H)、7.04(s,2H)、6.90(s,2H)、6.51(m,2H)、6.24(s,1H)、3.92(s,3H)、3.87(s,3H)、3.51(s,3H)、3.35(s,3H)、3.11(s,3H)、2.79(s,3H)。
【0158】
化合物BS−TE−315は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを1−アミノ−2−プロパノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.04分(94.45%)。m/z 710.9[M+H]
+、356.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(d,J=9.0Hz,1H)、7.08(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.93(d,1H)、6.85(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、6.78(d,1H)、6.66(s,1H)、6.54(s,1H)、6.38(dd,J=8.4Hz,1.5Hz)、6.01(s,1H)、3.88(s,3H)、3.74(s,3H)、3.36(s,3H)、3.23(s,3H)、2.62(s,3H)、2.24(s,3H)、1.29(s,3H)。
【0159】
化合物BS−TE−317は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを(S)−N−メチル−1−フェニルエチルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.11分(97.03%)。m/z 770.9[M+H]
+、386.5[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.65(d,J=9.0Hz,1H)、7.15(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、7.07(s,2H)、6.90(s,2H)、6.59(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.52(s,1H)、6.23(s,1H)、3.92(s,3H)、3.83(s,3H)、3.51(s,3H)、3.34(s,3H)、3.11(s,3H)、2.79(s,3H)。
【0160】
化合物BS−TE−320は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを2−アミノチアゾールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.10分(55.04%)、1.20分(13.08%、異性体)。m/z 735.8[M+H]
+、368.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.50(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.09(dd,J=8.1Hz,2.14Hz,1H)、6.93(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.75(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.68(s,1H)、6.55(d,1H)、6.42(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.20(m,2H)、6.03(s,1H)、3.96(m,1H)、3.90(s,3H)、3.68(s,3H)、3.38(s,3H)、3.26(s,3H)、2.74(s,3H)、2.22(s,3H)。
【0161】
化合物BS−TE−321は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−ヒドロキシピペリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.01分(95.15%)。m/z 736.9[M+H]
+、369.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.45(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.06(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.87(dd,J=7.8Hz,1.8Hz,1H)、6.77(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.67(s,1H)、6.56(d,1H)、6.42(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.02(s,1H)、4.04(m,1H)、3.88(s,3H)、3.68(s,3H)、3.35(d,3H)、3.24(d,3H)、2.66(s,3H)、2.55(d,1H)、2.27(s,3H)。
【0162】
化合物BS−TE−322は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−ヒドロキシピロリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.03分(59.49%)、1.11分(31.36%、異性体)。m/z 722.9[M+H]
+、362.3[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.77(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.65(s,1H)、6.55(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.00(s,1H)、4.29(s,1H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.67(s,3H)、3.35(s,3H)、3.23(s,3H)、2.62(s,3H)、2.23(s,3H)。
【0163】
化合物BS−TE−323は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを4−シアノピペリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.11分(81.69%)。m/z 745.9[M+H]
+、373.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.83(dd,J=7.8Hz,1.8Hz,1H)、6.78(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.56(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.01(s,1H)、4.57(s,1H)、4.01(m,1H)、3.88(s,3H)、3.73(s,1H)、3.66(s,3H)、3.33(s,3H)、3.23(s,3H)、2.63(s,3H)、2.24(s,3H)。
【0164】
化合物BS−TE−326は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをメチルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.16分(83.64%)。m/z 666.8[M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.49(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.09(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.92(d,1H)、6.88(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.78(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.70(s,1H)、6.53(d,1H)、6.41(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.04(s,1H)、4.56(s,1H)、4.12(m,1H)、3.89(s,3H)、3.69(s,3H)、3.37(s,3H)、3.27(s,3H)、2.71(s,3H)、2.55(d,1H)、2.26(s,3H)。
【0165】
化合物BS−TE−328は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをチオモルホリンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.11分(88.79%)、1.25分(10.42%、異性体)、1.41分(0.79%)。m/z 738.8[M+H]
+、370.3[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.46(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.86(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.78(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.65(s,1H)、6.55(d,1H)、6.41(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.00(s,1H)、4.29(s,1H)、4.00(m,1H)、3.88(s,3H)、3.66(s,3H)、3.32(s,3H)、3.22(s,3H)、2.63(s,3H)、2.23(s,3H)。
【0166】
化合物BS−TE−329は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを2,5−ジヒドロピロールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.10分(45.45%)、1.34分(31.32%、異性体)。m/z 704.9[M+H]
+、353.3[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.44(dd,J=8.41Hz,1.8Hz,1H)、7.08(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.77(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.55(d,1H)、6.41(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.01(m,2H)、6.005.78(s,1H)、4.00(m,1H)、3.88(s,3H)、3.67(s,3H)、3.35(s,3H)、3.24(s,3H)、2.63(s,3H)、2.51(d,1H)、2.25(s,3H)。
【0167】
化合物BS−TE−330は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをピラゾールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.20分(58.93%)、1.22分(39.49%、異性体)。m/z 703.8[M+H]
+、352.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.44(m,2H)、7.28(d,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.89(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.77(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.67(s,1H)、6.54(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.23(t,1H)、6.02(s,1H)、4.00(m,1H)、3.87(s,3H)、3.61(s,3H)、3.36(s,3H)、3.25(s,3H)、2.62(s,3H)、2.20(s,3H)。
【0168】
化合物BS−TE−333は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを1−イソプロピルピペラジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.06分(97.06%)。m/z 763.9[M+H]
+、383.0[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、7.08(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.86(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.79(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.56(d,1H)、6.43(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.00(s,1H)、4.29(s,1H)、3.99(m,1H)、3.89(s,3H)、3.67(s,3H)、3.34(s,3H)、3.24(s,3H)、2.63(s,3H)、2.24(s,3H)。
【0169】
化合物BS−TE−334は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをN−ヒドロキシエチルピペラジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.02分(98.72%)。m/z 765.9[M+H]
+、384.0[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.86(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.77(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.56(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.00(s,1H)、4.29(s,1H)、3.99(m,1H)、3.89(s,3H)、3.66(s,3H)、3.33(s,3H)、3.23(s,3H)、2.63(s,3H)、2.24(s,3H)。
【0170】
化合物BS−TE−340は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−メトキシプロピルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.07分(73.86%)、1.12分(14.47%、異性体)。m/z 724.9[M+H]
+、363.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.85(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、6.77(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.67(s,1H)、6.54(d,1H)、6.41(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、6.02(s,1H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.75(s,3H)、3.36(s,3H)、3.24(s,3H)、2.62(s,3H)、2.49(d,1H)、2.24(s,3H)。
【0171】
化合物BS−TE−341は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをジメチルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.07分(71.60%)、1.17分(16.12%、異性体)。m/z 680.9[M+H]
+、341.3[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.65(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.20(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.88(m,1H)、6.59(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.52(s,1H)、6.24(s,1H)、4.35(d,1H)、3.92(s,3H)、3.86(s,3H)、3.51(s,3H)、3.34(s,3H)、3.11(s,3H)、2.89(s,6H)、2.74(s,3H)。
【0172】
化合物BS−TE−342は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをN−エチルピペラジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.09分(77.97%)、1.17分(20.17%、異性体)。m/z 749.9[M+H]
+、375.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.86(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.79(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.56(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.00(s,1H)、4.29(s,1H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.66(s,3H)、3.33(s,3H)、3.23(s,3H)、2.62(s,3H)、2.24(s,3H)、1.28(s,3H)。
【0173】
化合物BS−TE−343は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをN−フェニルピペラジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.44分(79.45%)、1.63分(9.06%)。m/z 797.9[M+H]
+、400.0[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.256〜7.173(m,2H)、7.08(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、7.00〜6.92(m,3H)、6.87(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.83〜6.76(m,2H)、6.69(s,1H)、6.56(d,1H)、6.43(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.04(s,1H)、4.29(s,1H)、4.10(m,1H)、3.97(d,1H)、3.89(s,3H)、3.69(s,3H)、3.36(s,3H)、3.26(s,3H)、2.69(s,3H)、2.30(s,3H)。
【0174】
化合物BS−TE−346は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−メチルピペリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.35分(90.37%)。m/z 734.9[M+H]
+、368.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.78(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.67(s,1H)、6.55(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.02(s,1H)、4.01(m,1H)、3.89(s,3H)、3.69(s,3H)、3.36(s,3H)、3.25(s,3H)、2.64(s,3H)、2.25(s,3H)。
【0175】
化合物BS−TE−348は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−ピリジルメチルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.24分(21.76%)、1.32(69.43%)。m/z 743.9[M+H]
+、372.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 8.56(d,1H)、8.45(dd,J=4.8Hz,1.5Hz,1H)、7.90(d,1H)、7.50(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.45〜7.40(m,2H)、7.10(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.92(d,1H)、6.88(dd,J=7.8Hz,2.1Hz,1H)、6.80(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.71(s,1H)、6.52(d,1H)、6.45(dd,J=8.7Hz,2.4Hz,1H)、6.05(s,1H)、4.20(m,1H)、3.89(s,3H)、3.66(s,3H)、3.37(s,3H)、3.25(s,3H)、2.74(s,3H)、2.54(d,1H)、2.31(s,3H)。
【0176】
化合物BS−TE−350は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−フリルメチルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.13分(99.16%)。m/z 732.5[M+H]
+、366.7[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.52(d,1H)、7.49(dd,J=7.8Hz,2.1Hz,1H)、7.09(dd,J=8.7Hz,2.1Hz,1H)、6.94(d,1H)、6.86(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、6.76(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.70(s,1H)、6.52(d,1H)、6.41(m,3H)、6.04(s,1H)、4.11(m,1H)、3.89(s,3H)、3.70(s,3H)、3.37(s,3H)、3.25(s,3H)、2.7(s,3H) 2.28(s,3H)。
【0177】
化合物BS−TE−351は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−ヒドロキシメチルピペリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.28分(83.02%)、1.42(16.98%、異性体)。m/z 750.9[M+H]
+、376.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.87(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.77(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.55(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.01(s,1H)、4.00(m,1H)、3.88(s,3H)、3.68(s,3H)、3.34(s,3H)、3.24(s,3H)、2.63(s,3H)、2.53(d,1H)、2.24(s,3H)。
【0178】
化合物BS−TE−352は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを2−メチルアミノピリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.33分(54.28%)、1.74分(0.28%、異性体)。m/z 743.9[M+H]
+、372.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 8.49(d,1H)、7.79(td,1H)、7.45(m,2H)、7.30(m,1H)、7.05(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.77(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.65(s,1H)、6.53(d,1H)、6.40(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.00(s,1H)、4.01(m,1H)、3.88(s,3H)、3.67(s,3H)、3.33(s,3H)、3.23(s,3H)、2.63(s,3H)、2.24(s,3H)。
【0179】
化合物BS−TE−354は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを4−ジメチルアミノピペリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.21分(91.1%)。m/z 763.9[M+H]
+、383.0[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.85(dd,J=7.8Hz,1.8Hz,1H)、6.79(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.56(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.00(s,1H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.66(s,3H)、3.33(s,3H)、3.23(s,3H)、2.63(s,3H)、2.35(s,6H)、2.23(s,3H)。
【0180】
化合物BS−TE−355は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをピペリジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.31分(89.22%)。m/z 720.9[M+H]
+、361.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.45(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.06(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.84(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、6.76(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.56(d,1H)、6.39(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、5.96(s,1H)、3.98(m,1H)、3.89(s,3H)、3.67(s,3H)、3.34(s,3H)、3.24(s,3H)、2.62(s,3H)、2.23(s,3H)。
【0181】
化合物BS−TE−356は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをN−メチルホモピペラジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.24分(84.77%)。m/z 750.0[M+H]
+、375.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.86(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.79(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.56(d,1H)、6.42(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.01(s,1H)、3.99(m,1H)、3.89(s,3H)、3.66(s,3H)、3.33(s,3H)、3.23(s,3H)、2.63(s,3H)、2.64(s,3H)、2.24(s,3H)。
【0182】
化合物BS−TE−358は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを5−メチル−2−フリルメチルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.42分(98.01%)。m/z 747.0[M+H]
+、374.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.52(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、7.10(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.92(d,1H)、6.87(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.82(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.74(s,1H)、6.51(d,1H)、6.46(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.41(d,1H)、6.07(s,1H)、6.05(dd,J=3.3Hz,1.2Hz,1H)、4.24(m,1H)、3.89(s,3H)、3.72(s,3H)、3.39(s,3H)、3.27(s,3H)、2.79(s,3H)、2.30(s,3H)。
【0183】
化合物BS−TE−359は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを2−チエニルメチルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.37分(99.05%)。m/z 748.8[M+H]
+、375.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.46(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、7.32(dd,J=5.1Hz,1.2Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、7.01(d,1H)、6.98〜6.95(m,2H)、6.90(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.77(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.54(d,1H)、6.40(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.00(s,1H)、3.88(s,3H)、3.70(d,1H)、3.67(s,3H)、3.35(s,3H)、3.23(s,3H)、2.62(s,3H)、2.23(s,3H)。
【0184】
化合物BS−TE−360は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをN−メチルピペラジンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.26分(81.86%)、1.41分(14.19%、異性体)。m/z 735.9[M+H]
+、368.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.47(dd,J=7.5Hz,2.4Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.91(d,1H)、6.86(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.79(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.55(d,1H)、6.42(dd,J=8.1Hz,1.5Hz,1H)、6.01(s,1H)、4.01(m,1H)、3.89(s,3H)、3.66(s,3H)、3.33(s,3H)、3.23(s,3H)、2.64(s,3H)、2.24(d,6H)。
【0185】
化合物BS−TE−361は、BS−TE−305の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをアンモニア水と反応させることによって調製する。
LC−MS 0.72分(89.40%)。m/z 651.0[M+H]
+、326.6[1/2M+H]
+。
【0186】
[実施例3]
化合物BS−TE−418の合成
【0188】
水素化ナトリウム(15mg、0.34mmol)を、アセトニトリル(3mL)中5−クロロメチルテトランドリン(120mg、0.17mmol)及び1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール(20mg、0.25mmol)の溶液に添加する。この反応溶液を75℃まで加熱し、2時間撹拌する。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を濃縮して、粗生成物を得、次いで、これを分取クロマトグラフィーによって分離及び精製して、白色固体粉末として化合物BS−TE−418(20mg、18%)を得る。
LC−MS:1.07分(95.52%)、m/z 747[M+H]
+、374[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.60(s,1H)、7.45(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、7.10(s,1H)、7.07(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.94〜6.91(m,2H)、6.86(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.77(d,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.67(s,1H)、6.53(d,1H)、6.41(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、4.02(m,1H)、3.88(s,3H)、3.61(s,3H)、3.34(s,3H)、3.21(s,3H)、2.65(s,3H)、2.22(s,3H)。
【0189】
化合物BS−TE−402は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを2−フェノキシエタノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.67分(91.83%)。m/z 773.9[M+H]
+、387.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.44(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.23(m,2H)、7.06(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.92〜6.87(m,4H)、6.84(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.76(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.65(s,1H)、6.54(d,1H)、6.38(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.00(s,1H)、4.59(s,1H)、4.11(m,2H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.82(m,2H)、3.68(s,3H)、3.34(s,3H)、3.20(s,3H)、2.62(s,3H)、2.48(d,1H)、2.22(s,3H)。
【0190】
化合物BS−TE−403は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3,5−ジメトキシフェニルエタノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.32分(95.19%)。m/z 817.9[M+H]
+、410.0[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.44(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、7.05(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.90〜6.85(m,3H)、6.76〜6.71(m,2H)、6.64(s,1H)、6.52(d,1H)、6.38(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、5.99(s,1H)、4.48(m,2H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.78(s,3H)、3.76(s,3H)、3.62(s,3H)、3.19(s,3H)、2.62(s,3H)、2.17(s,3H)。
【0191】
化合物BS−TE−406は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを1−メトキシ−2−プロパノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.22分(85.14%)。m/z 725.8[M+H]
+、363.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.44(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、7.08(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.93〜6.86(m,2H)、6.75(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.67(s,1H)、6.54(d,1H)、6.38(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.01(s,1H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.69(s,3H)、3.36(s,3H)、3.33(s,3H)、3.32(s,3H)、2.63(s,3H)、2.22(s,3H)、1.28(s,3H)。
【0192】
化合物BS−TE−408は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを4−フルオロベンジルアルコールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.36分(83.62%)。m/z 761.9[M+H]
+、382.0[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.44(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.38〜7.33(m,2H)、7.08〜7.02(m,3H)、6.92(m,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.75(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.54(d,1H)、6.38(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.01(s,1H)、4.52(m,4H)、3.96(m,1H)、3.88(s,3H)、3.65(s,3H)、3.35(s,3H)、3.21(s,3H)、2.62(s,3H)、2.49(d,1H)、2.24(s,3H)。
【0193】
化合物BS−TE−411は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−ピリジンメタノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.08分(85.44%)。m/z 744.9[M+H]
+、373.4[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 8.51(d,2H)、8.22(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、7.81(d,1H)、7.46(m,2H)、7.08(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.92(m,1H)、6.85(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.76(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.54(d,1H)、6.38(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.01(s,1H)、4.59(d,2H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.66(s,3H)、3.35(s,3H)、3.22(s,3H)、2.62(s,3H)、2.49(d,1H)、2.24(s,3H)。
【0194】
化合物BS−TE−415は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−チオフェンメタノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.31分(95.23%)。m/z 749.8[M+H]
+、375.9[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.46(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、7.38(m,1H)、7.33(m,1H)、7.09〜7.04(m,2H)、6.92(m,1H)、6.85(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、6.76(dd,J=7.8Hz,1.8Hz,1H)、6.68(s,1H)、6.54(d,1H)、6.39(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.03(s,1H)、4.55(m,3H)、3.99(m,1H)、3.89(s,3H)、3.66(s,3H)、3.36(s,3H)、3.22(s,3H)、2.66(s,3H)、2.50(d,1H)、2.26(s,3H)。
【0195】
化合物BS−TE−416は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−メトキシプロパノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.22分(92.15%)。m/z 725.9[M+H]
+、363.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.44(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、7.07(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.75(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.67(s,1H)、6.54(d,1H)、6.40(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.01(s,1H)、4.55(m,3H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.68(s,3H)、3.54(t,2H)、3.44(t,2H)、3.36(s,3H)、3.21(s,3H)、2.63(s,3H)、2.50(d,1H)、2.26(s,3H)。
【0196】
化合物BS−TE−417は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンを3−テトラヒドロフランメタノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.20分(99.34%)。m/z 737.9[M+H]
+、369.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.46(dd,J=7.8Hz,2.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.90(d,1H)、6.85(dd,J=7.8Hz,1.8Hz,1H)、6.75(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.66(s,1H)、6.55(d,1H)、6.40(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.01(s,1H)、4.50(m,2H)、3.99(m,1H)、3.88(s,3H)、3.68(s,3H)、3.36(s,3H)、3.21(s,3H)、2.62(s,3H)、2.50(d,1H)、2.24(s,3H)。
【0197】
化合物BS−TE−419は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをエタノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.22分(96.86%)。m/z 681.9[M+H]
+、341.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.50(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、7.09(dd,J=8.1Hz,2.7Hz,1H)、6.96(d,1H)、6.90(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.84(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.79(s,1H)、6.53(d,1H)、6.40(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、6.11(s,1H)、4.61(s,2H)、4.41(m,1H)、4.10(d,1H)、3.90(s,3H)、3.70(s,3H)、3.58(t,2H)、3.42(s,3H)、3.26(s,3H)、2.89(s,3H)、2.68(d,1H)、2.47(s,3H)。
【0198】
化合物BS−TE−420は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをシクロプロピルアミンと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.21分(100%)。m/z 667.8[M+H]
+、334.8[1/2M+H]
+。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 7.50(dd,J=8.1Hz,2.1Hz,1H)、7.08(dd,J=8.1Hz,2.4Hz,1H)、6.94(d,1H)、6.85(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,1H)、6.75(dd,J=8.4Hz,2.7Hz,1H)、6.74(s,1H)、6.54(d,1H)、6.45(dd,J=8.4Hz,2.1Hz,1H)、6.07(s,1H)、4.50(s,2H)、4.24(q,1H)、3.89(s,3H)、3.70(s,3H)、3.40(s,3H)、3.36(s,3H)、3.24(s,3H)、2.80(s,3H)、2.60(d,1H)、2.37(s,3H)。
【0199】
化合物BS−TE−421は、BS−TE−418の調製方法に従って同じアルカリ試薬及び溶媒を用いて、5−クロロメチルテトランドリンをチオフェノールと反応させることによって調製する。
LC−MS 1.41分(97.69%)。m/z 746.5[M+H]
+、373.8[1/2M+H]
+。
【0200】
[実施例5]
抗白血病活性についての本発明の5−置換テトランドリン誘導体の評価
(1)実験材料
白血病細胞株:白血病細胞株:K562/adr(薬剤耐性、慢性骨髄性白血病、CML)、NB4(急性骨髄球性白血病、AML)、Kasumi−1(急性骨髄性白血病M2型、AML−M2)、Jurkat(急性リンパ芽球性白血病、ALL)(これらのすべては、Cancer Research Institute of Zhejiang University(中国)により提供される);及びH9(急性リンパ芽球性白血病、ALL)(これは、China Center for Type Culture Collectionから購入する)。
試薬:テトランドリン(TTD)の標準試料は、Ci Yuan Biotechnology社(中国、上海)から購入する;及び本発明の5−置換テトランドリン誘導体。
主な装置:Thermo Scientific 3111インキュベータ及びBio-Rad iMarkマイクロプレートリーダー。
【0201】
(2)実験方法
6000個の十分に増殖している(well-growing)白血病細胞を得て、それらを96−ウェル細胞培養プレートのウェル中に接種する。培地は、10%ウシ胎仔血清を含有する1640個細胞培地である。異なる濃度のテトランドリン誘導体を添加し、均一に混合した後、プレートを37℃の二酸化炭素細胞インキュベータ(5%CO
2)に入れ、72時間インキュベートする。次いで、生存細胞濃度を、MTT法により決定する。この実験において、対照群(いずれの化合物によっても処理されていない)における細胞生存率を100%と設定し、処理後の細胞生存率(%)及び72時間における白血病細胞増殖についての化合物の半数阻害濃度(72時間のIC
50値及びIC
90)を計算する。
【0202】
(3)実験結果
実験結果を表1に示す。表1は、本発明の5−置換テトランドリン誘導体が、ヒト慢性骨髄性白血病細胞、急性骨髄性白血病細胞及び急性リンパ性白血病細胞の細胞死を誘導し、これらの白血病細胞の増殖を阻害し得ることを示す。テトランドリンそれ自体と比べて、本発明の5−置換テトランドリン誘導体は、著しく増強された抗白血病細胞活性を示し、本発明の5−置換テトランドリン誘導体BS−TE−329の抗K562/adr(薬剤耐性、慢性骨髄性白血病、CML)活性は、ほぼ4倍増加し;BS−TE−305、BS−TE−321、BS−TE−329、BS−TE−346、BS−TE−350、BS−TE−354、BS−TE−355、BS−TE−359及びBS−TE−360の抗Kasumi−1(急性骨髄性白血病M2型、AML−M2)活性は、テトランドリンに対して3〜4倍増加し;BS−TE−346、BS−TE−350、BS−TE−354、BS−TE−355、BS−TE−358及びBS−TE−360の抗Jurkat(急性リンパ芽球性白血病、ALL)活性は、テトランドリンに対してほぼ4倍増加し;BS−TE−402の抗NB4(急性前骨髄球性白血病、AML)活性は、ほぼ8倍増加し;BS−TE−360及びBS−TE−402の抗H9(急性リンパ芽球性白血病、ALL)活性は、テトランドリンに対してほぼ12倍増加する。
【0204】
[実施例6]
抗ヒト多発性骨髄腫及び抗リンパ腫細胞活性についての本発明の5−置換テトランドリン誘導体の評価
(1)実験材料
多発性骨髄腫及びリンパ腫細胞株:RPMI8226(多発性骨髄腫)、Fuxiang Bio-tech社(中国、上海)から購入。
試薬:実施例5におけるものと同じ。
主な装置:Thermo Scientific 3111インキュベータ及びBio-Rad iMarkマイクロプレートリーダー。
【0205】
(2)実験方法
6000個の十分に増殖している(well-growing)白血病細胞を得て、それらを96−ウェル細胞培養プレートのウェル中に接種する。培地は、10%ウシ胎仔血清を含有する1640個細胞培地である。異なる濃度のテトランドリン誘導体を添加し、均一に混合した後、プレートを37℃の二酸化炭素細胞インキュベータ(5%CO
2)に入れ、72時間インキュベートする。次いで、生存細胞濃度を、MTT法によって決定する。この実験において、対照群(いずれの化合物によっても処理されていない)における細胞生存率を100%と設定し、処理後の細胞生存率(%)及び72時間における白血病細胞増殖についての化合物の半数阻害濃度(72時間のIC
50値及びIC
90)を計算する。
【0206】
(3)実験結果
実験結果を表2に示す。表2は、本発明の5−置換テトランドリン誘導体が、ヒト骨髄腫及びリンパ腫細胞の細胞死を誘導し、これらの腫瘍細胞の増殖を阻害し得、本発明の5−置換テトランドリン誘導体BS−TE−305及びBS−TE−342の抗RPMI8226(多発性骨髄腫)活性が、テトランドリンに対して60倍超増加し、BS−TE−329の抗RPMI8226(多発性骨髄腫)活性が、ほぼ90倍増加することを示す。
【0207】
[実施例7]
抗ヒト固形腫瘍効果に対する本発明の5−置換テトランドリン誘導体の評価
(1)実験材料
ヒト固形腫瘍細胞株:Hep−2(喉頭癌)、A549(ヒト肺癌)、CaES−17(食道癌細胞)、PC−3(前立腺癌)、CNE(鼻咽頭癌細胞)及びSK−OV−3(卵巣癌細胞)(これらのすべては、China Center For Type Culture Collectionから購入する);RKO(ヒト結腸腺癌細胞)、MGC803(ヒト胃癌細胞)、MG63(骨肉腫)、及びU87MG(悪性神経膠腫細胞)(これらのすべては、Fuxiang Bio-tech社(中国、上海)から購入する);PANC−1(膵臓癌)、Huh7(ヒト肝癌細胞)、Becap37(ヒト乳癌細胞)、及びHela(ヒト子宮頚癌細胞)(これらのすべては、Cancer Research Institute of Zhejiang University(中国)から提供される)。
試薬:実施例5におけるものと同じ。
主な装置:Thermo Scientific 3111インキュベータ及びBio-Rad iMarkマイクロプレートリーダー。
【0208】
(2)実験方法
4000個の十分に増殖しているヒト固形腫瘍細胞を得て、それらを96−ウェル細胞培養プレートのウェル中に接種する。培地は、10%ウシ胎仔血清を含有するDMEM高グルコース細胞培地である。プレートを37℃の二酸化炭素細胞インキュベータ(5%CO
2)に入れ、24時間インキュベートする。異なる濃度のテトランドリン誘導体を添加し、均一に混合した後、プレートを37℃の二酸化炭素細胞インキュベータ(5%CO
2)に入れ、72時間インキュベートする。次いで、生存細胞濃度をMTT法により決定し、薬剤処理後の細胞生存率(%)を計算する。この実験において、対照群(いずれの化合物によっても処理されていない)の細胞生存率を100%と設定する。
【0209】
(3)実験結果を表2に示す。
実験結果を表2に示す。表2は、本発明の5−置換テトランドリン誘導体が、ヒト固形腫瘍細胞の細胞死を誘導し、これらの腫瘍細胞の増殖を阻害し得ることを示す。テトランドリンそれ自体と比較して、本発明の5−置換テトランドリン誘導体は、明らかに増強された抗ヒト固形腫瘍細胞活性を示し、BS−TE−305の抗A549(ヒト肺癌)活性は、ほぼ3倍増加し;BS−TE−317及びBS−TE−354の抗PNAC−1(膵臓癌)活性は、2倍増加し;BS−TE−354の抗Huh7(ヒト肝癌細胞)活性は、ほぼ8倍増加し;BS−TE−317、BS−TE−333、BS−TE−346、BS−TE−350、BS−TE−354、BS−TE−355、BS−TE−359及びBS−TE−360の抗MGC803(ヒト胃癌細胞)活性は、2倍超増加し;BS−TE−354及びBS−TE−402の抗Becap37(ヒト乳癌細胞)活性は、それぞれ、17倍及び13倍増加し;BS−TE−305及びBS−TE−317の抗PC−3(前立腺癌)活性は、ほぼ4倍増加し;BS−TE−360及びBS−TE−402の抗RKO(ヒト結腸腺癌細胞)活性は、それぞれ、22倍及び16倍増加し;BS−TE−402の抗Hep−2(喉頭癌)、抗CaES−17(食道癌細胞)、抗MG63(骨肉腫)及び抗Hela(ヒト子宮頚癌細胞)活性は、それぞれ、7倍、14倍、27倍及び9倍増加し;BS−TE−342、BS−TE−350、BS−TE−351、BS−TE−354、BS−TE−359及びBS−TE−360の抗U87MG(悪性神経膠腫細胞)活性は、2倍超増加し;BS−TE−354及びBS−TE−360の抗CNE(鼻咽頭癌細胞)活性は、5〜6倍増加し;BS−TE−354及びBS−TE−402の抗SK−OV−3(卵巣癌細胞)も6倍超増加する。
【0211】
実施例6及び実施例7におけるインビトロ実験データからわかるとおり、評価された本発明の化合物はすべて、抗腫瘍活性を有する。式(I−b)の化合物と比較して、式(I−c)、式(I−d)及び式(I−e)の化合物は、より強い抗腫瘍活性を有する。評価された式(I−c)、式(I−d)及び式(I−e)の化合物は、対照化合物TTDのものより低い又はそれと等しい、少なくとも1種の腫瘍細胞株に対するIC
50値を示す。
【0212】
[実施例8]
一部の本発明の5−置換テトランドリン誘導体のインビボ抗腫瘍活性の評価及びそれらの毒性の予備的評価
実験8−1:ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対するBS−TE−403及びBS−TE−333の阻害効果
(1)実験材料
細胞株:China Center for Type Culture Collection (CCTCC)からのヒト非小細胞肺癌細胞株A549;
動物:Shanghai Laboratory Animal Center of Chinese Academy of Sciences(中国)から購入した、BALB/cヌードマウス、8週齢、雌。
【0213】
(2)試薬:BS−TE−403及びBS−TE−333(本発明)、並びにJiangxi Jinfurong Pharmaceutical社からのテトランドリンTTD。化合物はすべて、毎回50mg/kg体重の投与量で投与する。
【0214】
(3)主な装置:細胞インキュベータ(Thermo Scientific CO
2インキュベータ、3111型)、バイオセイフティキャビネット(Heal Force、Hfsafe-1200A2)及び層流ラック(Suhang Brand清浄動物飼育キャビネット、DJ-2型)。
【0215】
(4)実験方法
滅菌条件下で、対数増殖期の上記腫瘍細胞を集め、ヌードマウスの右腋窩下に5×10
6/0.2ml/ヌードマウス(細胞生存率>95%)の量で皮下注射によって注射し、このようにしてヌードマウスにおけるヒト非小細胞肺癌の移植腫瘍モデルを確立する。
【0216】
この実験を、4群、すなわち、負の対照群(溶媒群)、正の対照群(リード化合物TTD群)、BS−TE−403群及びBS−TE−333群に分ける。
【0217】
接種後3日目からマウスに投与する。各マウスに、毎回0.4mlで、1日3回、8:00、14:00及び20:00に、6時間間隔で胃内投与する。
【0218】
投与は10日間連続である。投与前日は0日目と見なし、マウスの体重及び腫瘍サイズは5日毎に測定して、体重及び腫瘍増殖について動的プロットを作成する。27日目に、マウスを解剖し、腫瘍を摘出し、重さを量る。腫瘍阻害率(%)は、ゼロである対照群の腫瘍阻害率に基づいて薬剤の効果後に計算する。
【0219】
測定した値は、平均±標準誤差(M±SD)として示す。
【0221】
図1は、ヌードマウスの体重に対するBS−TE−403及びBS−TE−333の効果の動的変化を示す。
図1に示されるように、BS−TE−403群における重量損失は、対照群における体重と比較して認め得ず、BS−TE−403が、このような投与量下で明らかな毒作用又は副作用をまだ引き起こしていないことを示す。BS−TE−333群における重量損失は、対照群における重量と比較して相対的に明らかであり、BS−TE−333が、このような投与量下でいくらかの毒作用及び副作用を引き起こしたことを示す。
【0222】
図2は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対するBS−TE−403及びBS−TE−333の効果を示す動的曲線を示す。
図2に示されるように、BS−TE−403及びBS−TE−333は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対する阻害効果を示す。
【0223】
図3は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍の写真を示す。
図4は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍の重量に対するBS−TE−403及びBS−TE−333の効果を示す。
図5は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対するBS−TE−403及びBS−TE−333の阻害効果を示す。
【0224】
上記表及び図に示されるように、インビボ実験において、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対するBS−TE−403の阻害率は、29.08%であり;ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対するBS−TE−333の阻害率は、31.15%であり、BS−TE−403及びBS−TE−333は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対する阻害効果を示す。
【0225】
実験8−2:ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対するBS−TE−354の阻害効果
(1)実験材料
細胞株:China Center for Type Culture Collection (CCTCC)からの、ヒト非小細胞肺癌細胞株A549;
動物:Shanghai Laboratory Animal Center of Chinese Academy of Sciences(中国)から購入したBALB/cヌードマウス、8週齢、雌。
【0226】
(2)試薬:BS−TE−354(本発明)、毎回50mg/kg体重の投与量で投与。
【0227】
(3)主な装置:細胞インキュベータ(Thermo Scientific CO
2インキュベータ、3111型)、バイオセイフティキャビネット(Heal Force、Hfsafe-1200A2)及び層流ラック(Suhang Brand清浄動物飼育キャビネット、DJ-2型)。
【0228】
(4)実験方法
滅菌条件下で、対数増殖期の上記腫瘍細胞を集め、ヌードマウスの右腋窩下に1.3×10
7/0.2ml/ヌードマウス(細胞生存率>95%)の量で皮下注射によって注射し、このようにしてヌードマウスにおけるヒト非小細胞肺癌の移植腫瘍モデルを確立する。
【0229】
この実験を、3群、すなわち、負の対照群(溶媒群)、正の対照群(ゲフィチニブ(gefitinib)、Jef)及びBS−TE−354群に分ける。
【0230】
接種後3日目からマウスに投与する。各マウスに、毎回0.4mlで、1日3回、8:00、14:00及び20:00に、6時間間隔で胃内投与する。投与は10日間連続である。投与前日は0日目と見なし、マウスの体重及び腫瘍サイズは5日毎に測定して、体重及び腫瘍増殖について動的プロットを作成する。29日目に、マウスを解剖し、腫瘍を摘出し、重さを量る。腫瘍阻害率(%)は、ゼロである対照群の腫瘍阻害率に基づいて薬剤の効果後に計算する。
【0231】
測定した値は、平均±標準誤差(M±SD)として示す。
【0233】
図6は、ヌードマウスの体重に対するBS−TE−354の効果の動的変化を示す。
図6で示されるように、体重損失は、対照群における体重と比較してBS−TE−354群において相対的に顕著であり、BS−TE−354が、このような投与量下でいくらかの毒作用及び副作用を引き起こしたことを示す。
【0234】
図7は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対するBS−TE−354の効果の動的曲線を示す。
図8は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍の写真を示す。
図9は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍の重量に対するBS−TE−354の効果を示す。
図10は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対するBS−TE−354の阻害効果を示す。
【0235】
上記表及び図に示されるように、インビボ実験において、ヌードマウスにおけるヒト肺癌移植腫瘍に対するBS−TE−354の阻害率は、43.60%である。BS−TE−354は、ヌードマウスにおけるヒト肺癌の移植腫瘍に対する阻害効果を示す。