(54)【発明の名称】殺菌性3−[(1,3−チアゾール−4−イルメトキシイミノ)(フェニル)メチル]−2−置換−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン誘導体
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
式(I)
【化1】
〔式中、
・ X
1は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルを表し;
・ Z
1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、シアノ基、カルボン酸基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアミノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキル−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルアミノを表すか、又は、式QC(=U)NR
aで表される基を表し;
ここで、
Qは、水素原子、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリールスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合カルボシクリル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合ヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないシクロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないシクロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ;置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合カルボシクリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合ヘテロシクリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルコキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアリール、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアリール、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル−C
3−C
8−シクロアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル−C
3−C
8−シクロアルキルを表し;
Uは、酸素原子又は硫黄原子を表し;
R
aは、水素原子、ヒドロキシ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニルを表し;
・ Z
2は、水素原子、ハロゲン原子、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシを表し;
・ Y
1〜Y
5は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換されているか若しくは置換されていないカルバルデヒドO−(C
1−C
8−アルキル)オキシム、ペンタフルオロ−λ
6−スルフェニル基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−ハロゲノアルキル、C
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−ハロゲノアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルコキシ)−C
1−C
8−アルカンイミドイル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルコキシ)−C
1−C
8−ハロゲノアルカンイミドイル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル、置換されているか若しくは置換されていないフェノキシ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8−アルキル)−シリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8−アルキル)−シリル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルオキシを表す〕
で表される化合物、並びに、その塩、N−オキシ
ド、又は、その(E)異性体及び(Z)異性体及びそれらの混合物。
少なくとも1種類の増量剤及び/又は少なくとも1種類の界面活性剤に加えて、請求項1〜16のいずれか1項に記載の式(I)で表される少なくとも1種類の化合物を含んでいることを特徴とする、有害な植物病原性菌類を防除するための組成物。
殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、薬害軽減剤、生物学的薬剤及び情報化学物質からなる群から選択される少なくとも1種類のさらなる活性成分を含んでいる、請求項18に記載の殺菌剤組成物。
栽培学的に有効で且つ植物に対して実質的に毒性を示さない量の請求項1〜16に記載の化合物又は請求項18に記載の組成物を、植物が成育しているか若しくは成育することが可能な土壌、植物の葉及び/若しくは果実、又は、植物の種子に施用することを特徴とする、作物の植物病原性菌類を防除する方法。
請求項1〜16のいずれか1項に記載の式(I)で表される誘導体を増量剤及び/又は界面活性剤と混合することを特徴とする、有害な植物病原性菌類を防除するための組成物を製造する方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
農業においては、活性成分に対する耐性株の発達を回避又は抑制するために、新規殺有害生物剤化合物を使用することに関して常に高い関心が持たれている。さらにまた、既知化合物と少なくとも同等の効力を維持しながら、同時に、使用する活性化合物の量を低減するために、既知化合物よりも活性が高い新規化合物を使用することに関しても、高い関心が持たれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記で記載した効果又は有利点を有する化合物の新規ファミリーを見いだした。
【0010】
従って、本発明は、式(I)
【化4】
【0011】
〔式中、
・ X
1は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルを表し;
・ Z
1は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、シアノ基、カルボン酸基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアミノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキル−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルアミノを表すか、又は、式QC(=U)NR
aで表される基を表し;
ここで、
Qは、水素原子、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリールスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合カルボシクリル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合ヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないシクロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないシクロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ;置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合カルボシクリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合ヘテロシクリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルコキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアリール、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアリール、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル−C
3−C
8−シクロアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル−C
3−C
8−シクロアルキルを表し;
Uは、酸素原子又は硫黄原子を表し;
R
aは、水素原子、ヒドロキシ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニルを表し;
・ Z
2は、水素原子、ハロゲン原子、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシを表し;
・ Y
1〜Y
5は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換されているか若しくは置換されていないカルバルデヒドO−(C
1−C
8−アルキル)オキシム、ペンタフルオロ−λ
6−スルフェニル基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−ハロゲノアルキル、C
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−ハロゲノアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルコキシ)−C
1−C
8−アルカンイミドイル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルコキシ)−C
1−C
8−ハロゲノアルカンイミドイル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル、置換されているか若しくは置換されていないフェノキシ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8−アルキル)−シリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8−アルキル)−シリル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルオキシを表す〕
で表される3−[(1,3−チアゾール−4−イルメトキシイミノ)(フェニル)メチル]−2−置換−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン誘導体、並びに、その塩、N−オキシド、金属錯体及び半金属錯体、又は、その(E)異性体及び(Z)異性体及びそれらの混合物を提供する。
【0012】
本発明の化合物は、いずれも、その化合物内の立体単位(stereogenic unit)(IUPAC規則による定義のとおり)の数に応じて、1種類以上の立体異性体として存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全ての立体異性体及び可能な全ての立体異性体の全ての比率における混合物に関する。当業者は、自体公知の方法により、立体異性体を分離させることができる。
【0013】
特に、式(I)で表される4−置換−3−{フェニル[(ヘテロシクリルメトキシ)イミノ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン誘導体の中に存在しているオキシム部分の立体構造は、(E)異性体又は(Z)異性体を含んでおり、及び、これらの立体異性体は、本発明の一部分を構成する。
【0014】
本発明によれば、下記総称は、一般に、以下の意味で用いられる:
・ ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する;
・ ヘテロ原子は、窒素、酸素又は硫黄であることができる;
・ 特に別途示されていない限り、本発明に従って置換される基又は置換基は、以下の基又は原子のうちの1つ以上で置換されることができる: ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、スルフェニル基、ペンタフルオロ−
6−スルフェニル基、ホルミル基、カルバルデヒドO−(C
1−C
8−アルキル)オキシム、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、ホルミルアミノ基、(ヒドロキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル基、C
1−C
8−アルキル、トリ(C
1−C
8−アルキル)シリル、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルケニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノシクロアルキル、C
2−C
8−アルケニル、C
2−C
8−アルキニル、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
2−C
8−アルキニルオキシ、C
1−C
8−アルキルアミノ、ジ−C
1−C
8−アルキルアミノ、C
1−C
8−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルコキシ、C
1−C
8−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC
2−C
8−ハロゲノアルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC
3−C
8−ハロゲノアルキニルオキシ、C
1−C
8−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルキルカルボニル、C
1−C
8−アルキルカルバモイル、ジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル、N−C
1−C
8−アルキルオキシカルバモイル、C
1−C
8−アルコキシカルバモイル、N−C
1−C
8−アルキル−C
1−C
8−アルコキシカルバモイル、C
1−C
8−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルコキシカルボニル、C
1−C
8−アルキルカルボニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C
1−C
8−アルキルカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C
1−C
8−アルコキシカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルコキシカルボニルアミノ、C
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ、C
1−C
8−アルキルオキシカルボニルオキシ、(C
1−C
6−アルコキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、(C
1−C
6−アルケニルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、(C
1−C
6−アルキニルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、C
1−C
8−アルコキシアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC
1−C
8−ハロゲノアルコキシアルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルフェニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルフェニル、又は、フェニルアミノ、アリール基、ヘテロシクリル基;又は、
・ 本発明に従って置換される基又は置換基は、置換する基が一緒になって、置換されているか又は置換されていない飽和又は部分的飽和の3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員又は11員の環(ここで、該環は、炭素環であることができるか、又は、N、O及びSからなるリストから選択される4個以下のヘテロ原子を含んでいるヘテロ環であることができる)を形成するように置換され得る;
・ 用語「アリール」は、フェニル又はナフチルを意味する;
・ 用語「ヘテロシクリル」は、N、O、Sからなるリストの中で選択される4個以下のヘテロ原子を含んでいる、縮合しているか又は縮合していない飽和又は不飽和の4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、11員又は12員の環を意味する;
・ 本発明の化合物が互変異性体形態で存在し得る場合、そのような化合物は、上記及び下記において、それぞれの場合にたとえ具体的に言及されていなくとも、適切な場合には、対応する互変異性体形態も包含するものと理解される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による式(I)で表される好ましい化合物は、X
1が置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル又は置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルを表す化合物である。
【0016】
本発明による式(I)で表されるさらに好ましい化合物は、X
1がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基又はシクロプロピル基を表す化合物である。
【0017】
本発明による式(I)で表される一層さらに好ましい化合物は、X
1がメチル基又はエチル基を表す化合物である。
【0018】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、Z
1が水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアミノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルアミノを表すか又は式QC(=U)NR
a−で表される基を表す化合物である。
【0019】
本発明による式(I)で表されるさらに好ましい化合物は、Z
1が水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキルアミノを表すか又は式QC(=U)NR
a−で表される基を表す化合物である。
【0020】
本発明による式(I)で表される一層さらに好ましい化合物は、Z
1がアミノ基を表すか又は式QC(=U)NR
aで表される基を表す化合物である。
【0021】
Z
1が式QC(=U)NR
aで表される基を表す場合、本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、Uが酸素原子を表す化合物である。
【0022】
Z
1が式QC(=U)NR
aで表される基を表す場合、本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、R
aが水素原子、ヒドロキシ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシを表す化合物である。
【0023】
Z
1が式QC(=U)NR
aで表される基を表す場合、本発明による式(I)で表されるさらに好ましい化合物は、R
aが水素原子を表す化合物である。
【0024】
Z
1が式QC(=U)NR
aで表される基を表す場合、本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、Qが置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルコキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリル−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないアリール−C
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ−C
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
8−アルキルを表す化合物である。
【0025】
Z
1が式QC(=U)NR
aで表される基を表す場合、本発明による式(I)で表されるさらに好ましい化合物は、Qが置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルを表す化合物である。
【0026】
Z
1が式QC(=U)NR
aで表される基を表し且つQが置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルを表す場合、本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、置換基がハロゲン原子、シアノ基、(ヒドロキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル基、C
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、C
2−C
8−アルケニル、C
2−C
8−アルキニル、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
2−C
8−アルキニルオキシ、C
1−C
8−アルコキシ、C
1−C
8−アルキルスルフェニル、(C
1−C
6−アルコキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、(C
1−C
6−アルケニルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、(C
1−C
6−アルキニルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、C
1−C
8−アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルフェニル、フェノキシ、フェニルスルフェニル、アリール基若しくはヘテロシクリル基からなるリストの中で選択される化合物であるか、又は、置換基が一緒になって、置換されているか若しくは置換されていない飽和若しくは部分的飽和の3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員若しくは11員の環(ここで、該環は、炭素環であることができるか、又は、N、O及びSからなるリストから選択される4個以下のヘテロ原子を含んでいるヘテロ環であることができる)を形成する化合物である。
【0027】
Z
1が式QC(=U)NR
aで表される基を表し且つQが置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルを表す場合、本発明による式(I)で表されるさらに好ましい化合物は、置換基がハロゲン原子、シアノ基、(ヒドロキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル基、C
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、C
2−C
8−アルケニル、C
2−C
8−アルキニル、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
2−C
8−アルキニルオキシ、C
1−C
8−アルコキシ、C
1−C
8−アルキルスルフェニル、(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル、C
1−C
8−アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、フェノキシ、アリール基若しくはヘテロシクリル基からなるリストの中で選択される化合物であるか、又は、置換基が一緒になって、飽和若しくは部分的飽和の3員、4員、5員、6員の環(ここで、該環は、炭素環であることができるか、又は、N、O及びSからなるリストから選択される4個以下のヘテロ原子を含んでいるヘテロ環であることができる)を形成する化合物である。
【0028】
Z
1が式QC(=U)NR
aで表される基を表す場合、本発明による式(I)で表される一層さらに好ましい化合物は、Qが置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルを表す化合物である。
【0029】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、Z
2が水素原子、ハロゲン原子、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルを表す化合物である。
【0030】
本発明による式(I)で表されるさらに好ましい化合物は、Z
2が水素原子を表す化合物である。
【0031】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、Y
1〜Y
5が独立して水素原子、ハロゲン原子、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−ハロゲノアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシを表す化合物である。
【0032】
本発明による式(I)で表されるさらに好ましい化合物は、Y
1〜Y
5が独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アリル、エチニル、プロパルギル、シクロプロピル、メトキシ又はトリフルオロメトキシを表す化合物である。
【0033】
本発明による式(I)で表される一層さらに好ましい化合物は、Y
1〜Y
5が独立して水素原子又はフッ素原子を表す化合物である。
本発明による式(I)で表される化合物の置換基に関して上記で挙げた好ましい態様は、さまざまに組み合わせることができる。好ましい態様についてのそのような組合せは、かくして、本発明による化合物のサブクラスを提供する。本発明による好ましい化合物のそのようなサブクラスの例では、以下のものを組み合わせることができる:
・ Z
1の好ましい態様と、Z
2、X
1、Y
1〜Y
5のうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Z
2の好ましい態様と、Z
1、X
1、Y
1〜Y
5のうちの1つ以上の好ましい態様;
・ X
1の好ましい態様と、Z
1、Z
2、Y
1〜Y
5のうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Y
1の好ましい態様と、Z
1、Z
2、X
1、Y
2〜Y
5のうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Y
2の好ましい態様と、Z
1、Z
2、X
1、Y
1、Y
3、Y
4、Y
5のうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Y
3の好ましい態様と、Z
1、Z
2、X
1、Y
1、Y
2、Y
4、Y
5のうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Y
4の好ましい態様と、Z
1、Z
2、X
1、Y
1、Y
2、Y
3、Y
5のうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Y
5の好ましい態様と、Z
1、Z
2、X
1、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4のうちの1つ以上の好ましい態様。
【0034】
本発明による化合物の置換基の好ましい態様についての上記組合せにおいて、当該好ましい態様を、Z
1、Z
2、X
1及びY
1〜Y
5のそれぞれのさらに好ましい態様の中で選択して、本発明による化合物の最も好ましいサブクラスを構成させることもできる。
【0035】
本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物を調製する方法にも関する。かくして、本発明のさらなる態様により、式(II)で表される化合物から式(I)で表される化合物を調製するための調製方法P1が提供され、ここで、該調製方法は、既知方法に従い、場合により塩基の存在下で、式(III)で表される化合物において求核置換反応を行って、式(IV)で表される化合物を生成させ、次いで、既知方法に従い、場合により塩基の存在下、場合により酸の存在下で、式(IV)で表される化合物にヒドロキシルアミン誘導体又はヒドロキシルアミン誘導体塩を付加して、式(V)で表される化合物を生成させ、次いで、既知方法に従い、場合により塩基の存在下で、ホスゲン等価物を用いて式(V)で表される化合物の環化反応を行って、式(I)で表される化合物を生成させることによる。
【0036】
そのような場合、本発明による調製方法P1が提供され、そして、該調製方法P1は、以下の反応スキームによって例示することができる:
調製方法P1
【化5】
【0037】
ここで、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Z
2及びX
1は、本明細書中で定義されているとおりであり、LGは、独立して、脱離基を表す。適切な脱離基は、ハロゲン原子又は慣習的な別の離核性基(例えば、トリフラート、メシラート又はトシラート)からなるリストの中で選択され得る。
【0038】
式(V)で表される化合物を式(I)で表される化合物に変換するのに適しているホスゲン等価物は、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、カルボニルジ−イミダゾール、クロロホルメート誘導体(例えば、クロロギ酸エチル及び4−ニトロフェノキシ−クロロホルメート)であるように選択され得る。
【0039】
式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物は、市販されているか、又は、当業者が容易に入手することが可能である。調製の例は、国際特許出願第WO 2009/130193号の中に見いだすことができる。ヒドロキシルアミン誘導体又はヒドロキシルアミン誘導体塩は、市販されているか、又は、当業者が容易に入手することが可能である。
【0040】
本発明により、式(Ia)で表される化合物から式(Ib)で表される化合物を調製するためのさらなる調製方法P2が提供される。
【0041】
本発明による式(Ia)〔ここで、Z
1は、−NHR
aを表している〕で表される化合物に関し、本発明による調製方法P1は、既知方法に従い、上記基の付加的な修飾を含むさらなる段階によって、特に、アシル化反応、アルコキシカルボニル化反応、アルキルアミノカルボニル化反応、(チオ)アシル化反応、アルコキシ(チオ)カルボニル化反応、アルキルスルフェニル(チオ)カルボニルか反応又はアルキルアミノ(チオ)カルボニル化反応により、式(Ib)で表される化合物を生成させることによって、完結させることができる。そのような場合、本発明による調製方法P2が提供され、そして、該調製方法P2は、以下の反応スキームによって例示することができる:
調製方法P2
【化6】
【0042】
ここで、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、X
1、Z
2、U、R
a及びQは、本明細書中で定義されているとおりであり、並びに、LG’は、脱離基を表す。
【0043】
適切な脱離基は、ハロゲン原子又は慣習的な別の離核性基(例えば、アルコラート、水酸化物又はシアン化物)からなるリストの中で選択され得る。
【0044】
本発明により、式(Ic)で表される化合物から式(Id)で表される化合物を調製するためのさらなる調製方法P3が提供され、ここで、該調製方法は、既知方法に従い、場合により触媒〔特に、遷移金属触媒、例えば、パラジウム塩又はパラジウム錯体、例えば、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)クロリド〕の存在下で、求核置換反応を行って、式(Id)で表される化合物を生成させることによる。代替法として、該パラジウム錯体は、既知方法に従い、場合により塩基〔例えば、無機塩基又は有機塩基、好ましくは、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、カリウムtert−ブタノラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸セシウム又は炭酸アンモニウム、並びに、さらに、第3級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−ベンジルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)〕の存在下で、当該反応混合物にパラジウム塩と錯体リガンド〔例えば、ホスフィン、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリス−(o−トリル)ホスフィン、ナトリウム3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゾールスルホネート、トリス−2−(メトキシフェニル)ホスフィン、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス−(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリス−(2,4−tert−ブチルフェニル)−ホスフィト、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン〕を別々に添加することにより、当該反応混合物内で直接生成させる。そのような場合、本発明による調製方法P3が提供され、そして、該調製方法P3は、以下の反応スキームによって例示することができる:
調製方法P3
【化7】
【0045】
ここで、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Z
2及びX
1は、本明細書中で定義されているとおりであり、Z
1aは、ハロゲン原子を表し、Z
1bは、シアノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアミノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルアミノを表すか、又は、式QC(=O)NHR
aで表される基を表す。
【0046】
本発明により、式(Ie)で表される化合物から式(If)で表される化合物を調製するためのさらなる調製方法P4が提供される。
【0047】
本発明による式(Ie)〔ここで、Z
1は、式QC(=O)NR
aで表される基を表している〕で表される化合物に関し、本発明による調製方法P1は、既知方法に従い、上記基の付加的な修飾を含むさらなる段階によって、特に、チオカルボニル化剤(例えば、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン2,4−ジスルフィド、五硫化リン、硫黄)の存在下におけるチオカルボニル化反応により、式(If)で表される化合物を生成させることによって、完結させることができる。そのような場合、本発明による調製方法P4が提供され、そして、該調製方法P4は、以下の反応スキームによって例示することができる:
調製方法P4
【化8】
【0048】
ここで、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、X
1、Z
2、R
a及びQは、本明細書中で定義されているとおりである。
【0049】
本発明により、式(Ig)で表される化合物から式(Ih)で表される化合物を調製するためのさらなる調製方法P5が提供され、ここで、該調製方法は、既知方法に従い、アルキル化反応を行うことによる。そのような場合、本発明による調製方法P5が提供され、そして、該調製方法P5は、以下の反応スキームによって例示することができる:
調製方法P5
【化9】
【0050】
ここで、
・ Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Z
2、X
1は、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ Z
1cは、アミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノを表すか、又は、式−NHC(=O)Q〔式中、Qは、本明細書中で定義されているとおりである〕で表される基を表し;
・ Z
1dは、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルアミノを表すか、又は、式QC(=U)NRで表される基を表し;
・ Rは、置換されていてもよいC
1−C
8−アルキル、C
2−C
8−アルケニル、C
2−C
8−アルキニル、C
3−C
10−シクロアルキル、C
3−C
10−シクロアルケニル、C
3−C
10−縮合ビシクロアルキル、C
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルを表し;
・ LG”は、脱離基を表す。
【0051】
適切な脱離基は、ハロゲン原子又は慣習的な別の離核性基(例えば、アルコラート、水酸化物又はシアン化物)からなるリストの中で選択され得る。
【0052】
本発明により、式(Ii)で表される化合物から式(Ij)で表される化合物を調製するためのさらなる調製方法P6が提供され、ここで、該調製方法は、既知方法に従い、脱保護反応を行うことによる。そのような場合、本発明による調製方法P6が提供され、そして、該調製方法P6は、以下の反応スキームによって例示することができる:
調製方法P6
【化10】
【0053】
ここで、
・ Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Z
2、X
1は、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ Z
1fは、式Z
1e−PGで表される基を表し、その際、Z
1eは、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
10−シクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルアミノを表し、及び、PGは、保護基(例えば、ホルミル基、C
1−C
8−アルキルカルボニル、C
1−C
8−アルコキシカルボニル、C
1−C
8−アルコキシ−C
1−C
2−アルキル、トリ(C
1−C
8−アルキル)シリル−C
1−C
2−アルキル、トリ(C
1−C
8−アルキル)シリルオキシ−C
1−C
2−アルキルを表す。
【0054】
アミノ保護基及び関連するその切断方法は、知られており、そして、「T.W.Greene and P.G.M.Wuts, Protective Group in Organic Chemistry, 3
rd ed., John Wiley & Sons」の中に見いだすことができる。
【0055】
本発明により、式(Ik)で表される化合物から式(Il)で表される化合物を調製するためのさらなる調製方法P7が提供され、ここで、該調製方法は、既知方法に従い、還元剤(例えば、水素ガス又は水素化物誘導体、特に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム)の存在下でアミノ還元反応を行うことによる。そのような場合、本発明による調製方法P7が提供され、そして、該調製方法P7は、以下の反応スキームによって例示することができる:
調製方法P7
【化11】
【0056】
ここで、
・ Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Z
2、X
1は、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ Z
1gは、アミノ基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノを表し;
・ Z
1hは、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノを表す。
【0057】
本発明により、式(Im)で表される化合物から式(In)で表される化合物を調製するためのさらなる調製方法P8が提供され、ここで、該調製方法は、1段階又は2段階における下記反応スキームによる。
【0059】
ここで、
・ Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Z
2、X
1、R
aは、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ Q’は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないアリールスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないシクロアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないシクロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロシクリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−縮合ビシクロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合カルボシクリルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
5−C
12−ベンゾ縮合ヘテロシクリルオキシを表し;
・ LG
1及びLG
2は、脱離基を表し;
・ 適切な脱離基は、ハロゲン原子又は慣習的な別の離核性基(例えば、イミダゾール、ハロゲノフェノキシドなど)からなるリストの中で選択され得る。
【0060】
本発明によれば、調製方法P1〜調製方法P8は、適切な場合には溶媒の存在下、及び、適切な場合には塩基の存在下で、実施することができる。
【0061】
本発明によれば、調製方法P1及び調製方法P2は、適切な場合には触媒の存在下で実施することができる。適切な触媒は、4−ジメチル−アミノピリジン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール又はジメチルホルムアミドであるように選択することができる。
【0062】
LG
’がヒドロキシ基を表す場合、本発明による調製方法P2は、縮合剤の存在下で実施することができる。適切な縮合剤は、以下のものであるように選択することができる:酸ハロゲン化物形成物質、例えば、ホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、三塩化リン酸化物(phosphorous trichloride oxide)若しくは塩化チオニル;無水物形成物質、例えば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル若しくはメタンスルホニルクロリド;カルボジイミド類、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、又は、別の慣習的な縮合剤、例えば、五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/テトラクロロメタン、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド水和物若しくはブロモ−トリピロリジノ−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート。
【0063】
本発明による調製方法P1〜調製方法P8を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒である。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0064】
本発明による調製方法P1〜調製方法P8を実施するのに適している塩基は、そのような反応に関して慣習的な無機塩基及び有機塩基である。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、又は、アルカリ金属アルコキシド、例えば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシド、又は、別の水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酢酸塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン(DBN)又は1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)。
【0065】
本発明による調製方法P1〜調製方法P8を実施する場合、その反応温度は、独立して、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、本発明による調製方法P1は、−20℃〜160℃の温度で実施する。
【0066】
本発明による調製方法P1〜調製方法P8は、一般に、独立して、大気圧下で実施する。しかしながら、高圧下又は減圧下で実施することも可能である。
【0067】
後処理は、慣習的な方法で実施する。一般に、当該反応混合物を水で処理し、その有機相を分離し、脱水後、減圧下で濃縮する。適切な場合には、残った残渣から、依然として存在している可能性のある不純物を、クロマトグラフィー又は再結晶などの慣習的な方法によって除去することができる。
【0068】
本発明の化合物は、上記調製方法に準じて調製することができる。それにもかかわらず、当業者が、自分の一般的な知識及び利用可能な刊行物に基づいて、合成することが望まれる本発明化合物のそれぞれの特性に応じて該調製方法を適合させることができるということは理解されるであろう。
【0069】
本発明は、かくして、本発明による調製方法のための中間体化合物又は中間体物質として有用な、式(V)
【化13】
【0070】
〔式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、X
1、Z
1及びZ
2は、本明細書中で定義されているとおりである〕
で表される化合物を提供する。
【0071】
好ましい中間体は、本発明による式(V)〔式中、X
1は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルを表す〕で表される化合物である。
【0072】
さらなる態様において、本発明は、さらに、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の式(I)で表される活性化合物を含んでいる殺菌剤組成物にも関する。
【0073】
「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量」という表現は、作物上に存在しているか又はおそらく出現するであろう菌類を防除又は駆除するのに充分で、且つ、該作物について植物毒性の感知可能などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。そのような量は、防除対象の菌類、作物の種類、気候条件、及び、本発明の殺菌剤組成物に含まれている化合物に応じて、広い範囲内で変動し得る。そのような量は、当業者が実行可能な範囲内にある体系的な圃場試験により決定することが可能である。
【0074】
かくして、本発明により、活性成分としての有効量の本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物及び農業上許容される支持体、担体又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物が提供される。
【0075】
本発明によれば、用語「支持体(support)」は、式(I)の活性化合物と組み合わせて又は関連させて、特に植物の一部分に対して、より容易に施用できるようにする、天然又は合成の有機化合物又は無機化合物を意味する。このような支持体は、従って、一般に不活性であり、また、農業上許容されるものであるべきである。支持体は、固体であることができるし、又は、液体であることもできる。適切な支持体の例としては、クレー、天然又は合成のシリケート、シリカ、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール(特に、ブタノール)、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体などを挙げることができる。このような支持体の混合物を使用することもできる。
【0076】
本発明の組成物には、さらにまた、付加的な成分も含有させることができる。特に、該組成物には、さらに、界面活性剤を含有させることができる。該界面活性剤は、イオン性若しくは非イオン性のタイプの乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤であることが可能であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物であることが可能である。例えば、以下のものを挙げることができる:ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩若しくはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールのリン酸エステル若しくはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸官能基、スルホン酸官能基及びリン酸官能基を含んでいる上記化合物の誘導体。該活性化合物及び/又は該不活性支持体が水不溶性である場合、並びに、施用のための媒介物(vector agent)が水である場合、一般に、少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることが必要である。好ましくは、界面活性剤の含有量は、該組成物の5重量%〜40重量%であり得る。
【0077】
場合により、さらなる成分、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤などを含ませることもできる。さらに一般的には、該活性化合物は、通常の製剤技術に従う固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0078】
一般に、本発明の組成物には、0.05〜99重量%の活性化合物、好ましくは、10〜70重量%の活性化合物を含有させることができる。
【0079】
本発明の組成物は、エーロゾルディスペンサー、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold fogging concentrate)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、ガス剤(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、粒剤、温煙霧濃厚剤(hot fogging concentrate)、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、ペースト剤、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処理用粉剤、農薬粉衣種子、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、可溶性粉剤、種子処理用溶液剤、懸濁製剤(フロアブル剤)、微量散布用液剤(ultra low volume (ULV) liquid)、微量散布用懸濁液剤(ultra low volume (ULV) suspension)、顆粒水和剤、水分散性錠剤、スラリー処理用水和剤、水溶性顆粒剤、水溶性錠剤、種子処理用水溶性粉剤及び水和剤などのような、さまざまな形態及び製剤で使用することが可能である。これらの組成物には、処理対象の植物又は種子に対して噴霧装置又は散粉装置のような適切な装置を用いて施用される状態にある組成物のみではなく、作物に対して施用する前に希釈することが必要な商業的な濃厚組成物も包含される。
【0080】
上記製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性成分を少なくとも1種類の慣習的な増量剤、溶媒又は希釈剤、アジュバント、乳化剤、分散剤及び/又は結合剤又は固着剤、湿潤剤、撥水剤、適切な場合には、乾燥剤及び紫外線安定剤、並びに、適切な場合には、染料及び顔料、消泡剤、防腐剤、無機及び有機の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類、並びに、さらに、さらなる加工助剤、及び、さらに水と混合させることによって、調製することができる。調製しようとする製剤の型に応じて、さらなる加工段階、例えば、湿式粉砕、乾式粉砕及び造粒などが必要である。
【0081】
本発明による活性成分は、それだけで存在し得るか、又は、その(商業用)製剤中に、及び、そのような製剤から調製された使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、薬害軽減剤、生物学的薬剤及び/又は情報化学物質などの別の(既知)活性成分との混合物として、存在し得る。
【0082】
本発明は、さらに、植物病原性菌類を防除するための、本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物の使用にも関する。
【0083】
本発明は、さらに、トランスジェニック植物を処理するための、本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物の使用にも関する。
【0084】
本発明は、さらに、種子及びトランスジェニック植物の種子を処理するための、本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物の使用にも関する。
【0085】
本発明は、さらに、有害な植物病原性菌類を防除するための組成物を製造する方法にも関し、ここで、該方法は、本明細書中で定義されている式(I)で表される誘導体を増量剤及び/又は界面活性剤と混合させることを特徴とする。
【0086】
本発明の別の対象よれば、植物、作物又は種子の植物病原性菌類を防除する方法が提供され、ここで、該方法は、栽培学的に有効で且つ植物に対して実質的に毒性を示さない量の本発明による殺有害生物剤組成物を、種子、植物若しくは植物の果実に対して、又は、植物がそこで生育しているか若しくは植物をそこで栽培するのが望ましい土壌若しくは不活性底土(例えば、無機底土、例えば、砂、ロックウール、グラスウール;発泡鉱物、例えば、パーライト、バーミキュライト、ゼオライト又は発泡クレー)、軽石、火砕性の物質若しくは材料、合成有機底土(例えば、ポリウレタン)、有機底土(例えば、泥炭、堆肥、木製廃棄物、例えば、コイア、木繊維若しくは木材チップ、樹皮)若しくは液体底質(例えば、浮遊水耕システム、Nutrient Film Technique、Aeroponics)に対して、種子処理として、茎葉施用として、茎施用(stem application)として、灌注若しくは滴下施用〔化学溶液灌水(chemigation)〕として施用することを特徴とする。
【0087】
「処理対象の植物に施用する」という表現は、本発明の目的のためには、
・ 上記組成物のうちの1種類を含んでいる液体を当該植物の地上部に噴霧すること;
・ 散粉すること、粒剤又は粉剤を土壌中に混和すること、当該植物の周囲に噴霧すること、及び、樹木の場合には、注入すること又は塗りつけること;
・ 上記組成物のうちの1種類を含んでいる植物保護混合物を用いて当該植物の種子にコーティング又はフィルムコーティングを施すこと;
などのさまざまな処理方法を用いて、本発明の対象である殺有害生物剤組成物を施用することが可能であるということを意味するものと理解される。
【0088】
本発明の方法は、治療方法、予防方法又は根絶する方法のいずれかであり得る。
【0089】
この方法において、使用する組成物は、本発明による2種類以上の活性化合物を混合させることによって予め調製することができる。
【0090】
上記方法の代替的な方法では、2種類又は3種類の活性成分(A)又は(B)のうちの1種類をそれぞれが含んでいる別個の組成物の複合的な(A)/(B)の効果を示すように、化合物(A)及び化合物(B)を同時に、順次に又は別々に施用することも可能である。
【0091】
本発明による処理方法において通常施用される活性化合物の薬量は、一般に、また、有利には、
・ 茎葉処理では、0.1〜10000g/ha、好ましくは、10〜1000g/ha、さらに好ましくは、50〜300g/haであり;灌注又は滴下施用の場合、特に、ロックウール又はパーライトなどの不活性底土を用いる限り、該薬量は低減させることも可能であり;
・ 種子処理では、種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150gであり;
・ 土壌処理では、0.1〜10000g/ha、好ましくは、1〜5000g/haである。
【0092】
本明細書中に示されている薬量は、本発明の方法を例証するための例として与えられている。当業者は、特に処理対象の植物又は作物の種類に応じて、該施用薬量を適合させる方法を理解するであろう。
【0093】
特定の条件下、例えば、処理対象又は防除対象の植物病原性菌類の種類に応じて、より少ない薬量で充分な保護を提供できる場合がある。特定の気候条件、抵抗性、又は、別の要因、例えば、植物病原性菌類の種類又は侵襲の程度(例えば、上記菌類による植物の侵襲の程度)などによって、組み合わせられた活性成分のより多い薬量が必要となる場合がある。最適な薬量は、通常、幾つかの要因、例えば、処理対象の植物病原性菌類の種類、侵襲されている植物の種類若しくは生育の程度、植生の密度、又は、施用方法などに依存する。
【0094】
限定するものではないが、本発明の殺有害生物剤組成物又は組合せで処理される作物は、例えば、ブドウの蔓である。しかしながら、そのような作物は、穀類、野菜類、ムラサキウマゴヤシ、ダイズ、市場向け園芸作物、芝、木材、木又は園芸植物でもあり得る。
【0095】
本発明による処理方法は、さらにまた、塊茎又は根茎のような繁殖器官を処理するのにも有効であり得、さらには、種子、実生又は移植実生(seedlings pricking out)及び植物又は移植植物(plants pricking out)を処理するのにも有効であり得る。この処理方法は、根を処理するのにも有効であり得る。本発明による処理方法は、関係している植物の樹幹、茎又は柄、葉、花及び果実のような植物の地上部を処理するのにも有効であり得る。
【0096】
本発明の方法で保護可能な植物の中で、以下のものを挙げることができる:ワタ;アマ;ブドウの蔓;果実又は野菜作物、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果(pip fruit)、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、アーモンド及びモモ)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランタン)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、セリ科各種(Umbelliferae sp.)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)、マメ科各種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウ)、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、イチゴ);主要作物(major crop)、例えば、イネ科各種(Graminae sp.)(例えば、トウモロコシ、芝、又は、禾穀類、例えば、コムギ、イネ、オオムギ及びライコムギ)、キク科各種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、ナタネ)、マメ科各種(Fabacae sp.)(例えば、ピーナッツ)、マメ科各種(Papilionaceae sp.)(例えば、ダイズ)、ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、ビートの根(beetroots));園芸作物及び森林作物(forest crops);さらに、これら作物の遺伝子組み換えが行われた相同物。
【0097】
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)(例えば、植物又は種子)の処理において使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。表現「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子をダウンレギュレート若しくはサイレンシングすることにより、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の特性を付与する遺伝子を意味する〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術、RNA干渉(RNAi)技術又はミクロRNA(miRNA)技術などを使用する〕。ゲノム内に位置している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
【0098】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)も生じ得る。かくして、例えば、本発明により使用し得る活性化合物及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0099】
特定の施用量において、本発明による活性化合物組合せは、植物において強化効果(strengthening effect)も示し得る。従って、本発明による活性化合物組合せは、望ましくない微生物類による攻撃に対して植物の防御システムを動員させるのにも適している。これは、適切な場合には、本発明による組合せの例えば菌類に対する強化された活性の理由のうちの1つであり得る。本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘導する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない微生物類を接種されたときに、それらの微生物類に対して実質的な程度の抵抗性を示すように、植物の防御システムを刺激することができる物質又は物質の組合せを意味するものと理解される。この場合、望ましくない微生物類は、植物病原性の菌類、細菌類及びウイルス類を意味するものと理解される。従って、処理後特定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために、本発明による物質を用いることができる。保護が達成される期間は、植物が該活性化合物で処理されてから、一般に、1〜10日間、好ましくは、1〜7日間に及ぶ。
【0100】
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種は、特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的方法によって得られたものであろうと)を包含する。
【0101】
本発明に従って処理するのが同様に好ましい植物及び植物品種は、1以上の生物的ストレスに対して抵抗性を示す。即ち、そのような植物は、害虫及び有害微生物に対して、例えば、線虫類、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類、ウイルス類及び/又はウイロイド類などに対して、良好な防御を示す。
【0102】
線虫抵抗性植物の例は、例えば、以下のものに記載されている:米国特許出願第11/765,491号、米国特許出願第11/765,494号、米国特許出願第10/926,819号、米国特許出願第10/782,020号、米国特許出願第12/032,479号、米国特許出願第10/783,417号、米国特許出願第10/782,096号、米国特許出願第11/657,964号、米国特許出願第12/192,904号、米国特許出願第11/396,808号、米国特許出願第12/166,253号、米国特許出願第12/166,239号、米国特許出願第12/166,124号、米国特許出願第12/166,209号、米国特許出願第11/762,886号、米国特許出願第12/364,335号、米国特許出願第11/763,947号、米国特許出願第12/252,453号、米国特許出願第12/209,354号、米国特許出願第12/491,396号、米国特許出願第12/497,221号、米国特許出願第12/644,632号、米国特許出願第12/646,004号、米国特許出願第12/701,058号、米国特許出願第12/718,059号、米国特許出願第12/721,595号、米国特許出願第12/638,591号、及び、WO 11/002992、WO 11/014749、WO 11/103247、WO 11/103248。
【0103】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、1以上の非生物的ストレスに対して抵抗性を示す植物である。非生物的なストレス状態としては、例えば、渇水、低温に晒されること、熱に晒されること、浸透ストレス、湛水、土壌中の塩分濃度の上昇、より多くの鉱物に晒されること、オゾンに晒されること、強い光に晒されること、利用可能な窒素養分が限られていること、利用可能なリン養分が限られていること、日陰回避などを挙げることができる。
【0104】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、増大した収量特性を特徴とする植物である。そのような植物における増大した収量は、例えば、改善された植物の生理機能、生長及び発育、例えば、水の利用効率、水の保持効率、改善された窒素の利用性、強化された炭素同化作用、改善された光合成、上昇した発芽効率及び促進された成熟などの結果であり得る。収量は、さらに、改善された植物の構成(architecture)によっても影響され得る(ストレス条件下及び非ストレス条件下)。そのような改善された植物の構成としては、限定するものではないが、早咲き、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の寸法、節間の数及び距離、根の成長、種子の寸法、果実の寸法、莢の寸法、莢又は穂の数、1つの莢又は穂当たりの種子の数、種子の体積、強化された種子充填、低減された種子分散、低減された莢の裂開及び耐倒伏性などがある。収量についてのさらなる形質としては、種子の組成、例えば、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量及び油の組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、改善された加工性並びに向上した貯蔵安定性などがある。
【0105】
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレスに対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。そのような植物は、典型的には、雄性不稔交配母体近交系(inbred male−sterile parent line)(雌性親)を別の雄性稔性交配母体近交系(inbred male−fertile parent line)(雄性親)と交雑させることによって作られる。ハイブリッド種子は、典型的には、雄性不稔植物から収穫され、そして、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、場合により(例えば、トウモロコシにおいて)、雄穂を除去することによって〔即ち、雄性繁殖器官(又は雄花)を機械的に除去することによって〕、作ることができる。しかしながら、より典型的には、雄性不稔性は、植物ゲノム内の遺伝的決定基の結果である。その場合、及び、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、典型的には、該ハイブリッド植物において雄性稔性を確実に完全に回復させることは有用である。これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいるハイブリッド植物において雄性稔性を回復させることが可能な適切な稔性回復遺伝子を雄性親が有していることを確実なものとすることによって達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、細胞質内に存在し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属各種(Brassica species)に関して記述された(WO 92/05251、WO 95/09910、WO 98/27806、WO 05/002324、WO 06/021972、及び、US 6,229,072)。しかしながら、雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、核ゲノム内にも存在し得る。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な方法は、WO 89/10396に記載されており、ここでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄ずい内のタペータム細胞において選択的に発現させる。次いで、タペータム細胞内においてバルスターなどのリボヌクレアーゼインヒビターを発現させることによって、稔性を回復させることができる(例えば、WO 91/02069)。
【0106】
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0107】
除草剤抵抗性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。植物は、種々の方法によって、グリホセートに対して耐性にすることができる。例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)(Comai et al., 1983, Science 221, 370−371)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barry et al., 1992, Curr. Topics Plant Physiol. 7, 139−145)、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子(Shah et al., 1986, Science 233, 478−481)、トマトのEPSPSをコードする遺伝子(Gasser et al., 1988, J. Biol. Chem. 263, 4280−4289)又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子(WO 01/66704)。それは、例えばEP 0837944、WO 00/66746、WO 00/66747、WO 02/26995、WO 11/000498などに記述されているように、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、米国特許第5,776,760号及び米国特許第5,463,175号に記述されているように、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 02/36782、WO 03/092360、WO 05/012515及びWO 07/024782などに記述されているように、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 01/024615又はWO 03/013226などに記述されているように、上記遺伝子の自然発生突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることもできる。グリホセート耐性を付与するEPSPS遺伝子を発現する植物は、例えば、米国特許出願第11/517,991号、米国特許出願第10/739,610号、米国特許出願第12/139,408号、米国特許出願第12/352,532号、米国特許出願第11/312,866号、米国特許出願第11/315,678号、米国特許出願第12/421,292号、米国特許出願第11/400,598号、米国特許出願第11/651,752号、米国特許出願第11/681,285号、米国特許出願第11/605,824号、米国特許出願第12/468,205号、米国特許出願第11/760,570号、米国特許出願第11/762,526号、米国特許出願第11/769,327号、米国特許出願第11/769,255号、米国特許出願第11/943801号又は米国特許出願第12/362,774号などに記載されている。グリホセート耐性を付与する別の遺伝子(例えば、デカルボキシラーゼ遺伝子)を含んでいる植物は、例えば、米国特許出願第11/588,811号、米国特許出願第11/185,342号、米国特許出願第12/364,724号、米国特許出願第11/185,560号又は米国特許出願第12/423,926号などに記載されている。
【0108】
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示す突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって、得ることができる(例えば、米国特許出願第11/760,602号に記載されている)。そのような有効な一解毒酵素は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトマイセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、例えば、米国特許第5,561,236号、米国特許第5,648,477号、米国特許第5,646,024号、米国特許第5,273,894号、米国特許第5,637,489号、米国特許第5,276,268号、米国特許第5,739,082号、米国特許第5,908,810号及び米国特許第7,112,665号などに記述されている。
【0109】
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。HPPDは、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、WO 96/38567、WO 99/24585、WO 99/24586、WO 2009/144079、WO 2002/046387又はUS 6,768,044、WO 11/076877、WO 11/076882、WO 11/076885、WO 11/076889、WO 11/076892に記述されているように、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、突然変異HPPD酵素若しくはキメラHPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。そのような植物及び遺伝子は、WO 99/34008及びWO 02/36787に記述されている。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、WO 2004/024928に記述されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えてプレフェナートデスヒドロゲナーゼ(PDH)活性を有する酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。さらに、植物は、WO 2007/103567及びWO 2008/150473に記載されているように、そのゲノムの中にHPPD阻害薬を代謝又は分解することが可能な酵素(例えば、CYP450酵素)をコードする遺伝子を加えることによって、HPPD阻害薬除草剤に対してさらに耐性にすることができる。
【0110】
さらに別の除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、例えば「Tranel and Wright(2002, Weed Science 50:700−712)」などに記述され、さらに、米国特許第5,605,011号、米国特許第5,378,824号、米国特許第5,141,870号及び米国特許第5,013,659号などにも記述されているように、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、米国特許第5,605,011号、米国特許第5,013,659号、米国特許第5,141,870号、米国特許第5,767,361号、米国特許第5,731,180号、米国特許第5,304,732号、米国特許第4,761,373号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,928,937号及び米国特許第5,378,824号並びに国際公開WO 96/33270号に記述されている。別のイミダゾリノン耐性植物についても、例えば、WO 2004/040012、WO 2004/106529、WO 2005/020673、WO 2005/093093、WO 2006/007373、WO 2006/015376、WO 2006/024351及びWO 2006/060634などに記述されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物は、さらにまた、例えば、WO 07/024782、WO 11/076345、WO 2012058223及び米国特許出願第61/288958号などにも記述されている。
【0111】
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を示す別の植物は、例えば、ダイズに関しては米国特許第5,084,082号に記述されているように、イネに関してはWO 97/41218に記述されているように、テンサイに関しては米国特許第5,773,702号及びWO 99/057965に記述されているように、レタスに関しては米国特許第5,198,599号に記述されているように、又は、ヒマワリに関してはWO 01/065922に記述されているように、誘導された突然変異誘発、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜又は突然変異育種によって得ることができる。
【0112】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0113】
本明細書中で使用されている場合、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物が包含される:
(1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、クリックモアら「Crickmore et al. (1998, Microbiology and Molecular Biology Reviews, 62:807−813」によって記載され、クリックモアら「Crickmore et al. (2005)」によって、オンライン「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/」上で「バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名法」において更新された殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、Cryタンパク質類(Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1B、Cry1C、Cry1D、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Aa、又は、Cry3Bb)のタンパク質若しくはその殺虫活性を示す一部分(例えば、EP 1999141、及び、WO 2007/107302)、又は、例えば米国特許出願第12/249,016に記載されている合成遺伝子によってコードされているタンパク質;又は、
(2) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する第2の別の結晶タンパク質又はその一部分の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質又はその一部分、例えば、Cry34結晶タンパク質とCry35結晶タンパク質で構成されているバイナリートキシン(Moellenbeck et al. 2001, Nat. Biotechnol. 19:668−72; Schnepf et al. 2006, Applied Environm. Microbiol. 71, 1765−1774)、又は、Cry1A若しくはCry1Fタンパク質とCry2Aa若しくはCry2Ab若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP 08010791.5);又は、
(3) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する種々の殺虫性結晶タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシイベントMON89034で産生されるCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777);又は、
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、トウモロコシイベントMON863若しくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質又はトウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質;又は、
(5) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html」において挙げられている栄養生長期殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal protein)(VIP)、例えば、VIP3Aaタンパク質類のタンパク質;又は、
(6) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する第2の分泌タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP1Aタンパク質とVIP2Aタンパク質で構成されているバイナリートキシン(WO 94/21795);又は、
(7) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する種々の分泌タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド;又は、
(8) 上記(5)〜(7)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、ワタイベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質;又は、
(9) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP3とCry1A若しくはCry1Fで構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第61/126083号、及び、米国特許出願第61/195019号)、又は、VIP3タンパク質とCry2Aaタンパク質若しくはCry2Abタンパク質若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP 08010791.5);又は、
(10) 上記(9)のタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの。
【0114】
もちろん、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、上記クラス(1)〜(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含んでいる任意の植物も包含する。一実施形態では、異なった標的昆虫種に対して異なったタンパク質を使用した場合に影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、又は、同一の標的昆虫種に対して殺虫活性を示すが作用機序は異なっている(例えば、当該昆虫体内の異なった受容体結合部位に結合する)異なったタンパク質を用いることによって当該植物に対する昆虫の抵抗性の発達を遅延させるために、昆虫抵抗性植物は、上記クラス(1)〜(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含んでいる。
【0115】
「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、さらに、例えばWO 2007/080126、WO 2006/129204、WO 2007/074405、WO 2007/080127及びWO 2007/035650などに記述されているような、植物の害虫に摂取されたときにその害虫の成長を阻害する二本鎖RNAを発現時に産生する配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物も包含する。
【0116】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレスに対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(1) 植物細胞内又は植物内におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含んでいる植物(WO 00/04173、WO /2006/045633、EP 04077984.5又はEP 06009836.5に記述されている);
(2) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、WO 2004/090140などに記述されている);
(3) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ合成経路の植物機能性酵素(plant−functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、EP 04077624.7、WO 2006/133827、PCT/EP07/002433、EP 1999263又はWO 2007/107326などに記述されている)。
【0117】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的特性〔特に、アミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖分布、粘性挙動、ゲル化強度(gelling strength)、澱粉粒径及び/又は澱粉粒子形態〕が変えられていて、特定の用途により適した変性澱粉を合成するトランスジェニック植物。変性澱粉を合成する該トランスジェニック植物は、例えば、EP 0571427、WO 95/04826、EP 0719338、WO 96/15248、WO 96/19581、WO 96/27674、WO 97/11188、WO 97/26362、WO 97/32985、WO 97/42328、WO 97/44472、WO 97/45545、WO 98/27212、WO 98/40503、WO 99/58688、WO 99/58690、WO 99/58654、WO 00/08184、WO 00/08185、WO 00/08175、WO 00/28052、WO 00/77229、WO 01/12782、WO 01/12826、WO 02/101059、WO 03/071860、WO 2004/056999、WO 2005/030942、WO 2005/030941、WO 2005/095632、WO 2005/095617、WO 2005/095619、WO 2005/095618、WO 2005/123927、WO 2006/018319、WO 2006/103107、WO 2006/108702、WO 2007/009823、WO 00/22140、WO 2006/063862、WO 2006/072603、WO 02/034923、EP 06090134.5、EP 06090228.5、EP 06090227.7、EP 07090007.1、EP 07090009.7、WO 01/14569、WO 02/79410、WO 03/33540、WO 2004/078983、WO 01/19975、WO 95/26407、WO 96/34968、WO 98/20145、WO 99/12950、WO 99/66050、WO 99/53072、US 6,734,341、WO 00/11192、WO 98/22604、WO 98/32326、WO 01/98509、WO 01/98509、WO 2005/002359、US 5,824,790、US 6,013,861、WO 94/04693、WO 94/09144、WO 94/11520、WO 95/35026、WO 97/20936、WO 10/012796、WO 10/003701に開示されている;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか又は遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物(EP 0663956、WO 96/01904、WO 96/21023、WO 98/39460及びWO 99/24593に開示されている)、α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 95/31553、US 2002031826、US 6,284,479、US 5,712,107、WO 97/47806、WO 97/47807、WO 97/47808及びWO 00/14249に開示されている)、α−1,6−分枝 α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 00/73422に開示されている)、及び、アルテルナンを産生する植物(WO 00/47727、WO 00/73422、EP 06077301.7、US 5,908,975及びEP 0728213などに開示されている)である;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物(例えば、WO 2006/032538、WO 2007/039314、WO 2007/039315、WO 2007/039316、JP 2006304779及びWO 2005/012529などに開示されている);
(4) トランスジェニック植物又はハイブリッド植物、例えば、「可溶性固形物高含有量」、「低辛味」(LP)及び/又は「長期保存」(LS)などの特性を有するタマネギ(米国特許出願第12/020,360号及び米国特許出願第61/054,026号に記述されている);
(5) 収穫量の増大を示すトランスジェニック植物(例えば、WO 11/095528に開示されている)。
【0118】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) 改変された形態のセルロースシンターゼ遺伝子を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 98/00549に記述されている);
(b) 改変された形態のrsw2相同核酸又はrsw3相同核酸を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 2004/053219に記述されている);
(c) スクロースリン酸シンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 01/17333に記述されている);
(d) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 02/45485に記述されている);
(e) 繊維細胞に基づいた原形質連絡のゲーティングのタイミングが(例えば、繊維選択的β−1,3−グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物)(WO 2005/017157に記述されているか、又は、EP 08075514.3若しくは米国特許出願第61/128,938号に記述されている);
(f) 反応性が(例えば、nodCを包含するN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)(WO 2006/136351、WO 11/089021、WO 2012074868に記述されている)。
【0119】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、US 5,969,169、US 5,840,946、US 6,323,392又はUS 6,063,947などに記載されている);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(US 6,270,828、US 6,169,190、US 5,965,755又はWO 11/060946に記載されている);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、米国特許第5,434,283号又は米国特許出願第12/668303号などに記載されている);
(d) グルコシノレートの含有量が改変されたオイルオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、WO 2012075426などに記載されている)。
【0120】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された種子脱粒特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された種子脱粒特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、種子の脱粒が遅延されているか又は低減されている植物(例えば、ナタネ植物)などがある(米国特許出願第61/135,230号、WO 09/068313、WO 10/006732及びWO 2012090499に記述されている)。
【0121】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、翻訳後タンパク質修飾パターンが改変されている植物(例えば、タバコ植物)である(例えば、WO 10/121818及びWO 10/145846に記載されている)。
【0122】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、アメリカ合衆国内における規制除外(non−regulated status)についてのアメリカ合衆国農務省(USDA)の動植物検疫局(APHIS)に対する申請の対象である(ここで、そのような申請は、許可されているか又は審理中である)、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物である。いつ何時でも、この情報は、APHIS(4700 River Road Riverdale, MD 20737,USA)から、例えば、そのインターネットサイト(URL http://www.aphis.usda.gov/brs/not_reg.html)において、容易に入手することができる。本出願の出願日において、APHISが審理中であるか又はAPHISによって許可された規制除外に対する申請は、下記情報を含んでいる申請であった:
− 申請: 当該申請の識別番号。形質転換イベントについての技術的な記述は、APHISから(例えば、APHISのウェブサイトにおいて、該申請番号を参照することによって)入手可能な個々の申請書類の中に見いだすことができる。それらの記述は、参照によって本明細書中に組み入れる。
【0123】
− 申請の拡張: 拡張が請求されている、先の申請についての言及。
【0124】
− 会社: 当該申請を提出している事業体の名称。
【0126】
− トランスジェニック表現型: 形質転換イベントによって植物に付与された形質。
【0127】
− 形質転換イベント又はライン: 規制除外が請求されている1つ又は複数のイベント(場合により、ラインとも称される)の名称。
【0128】
− APHIS文書: APHISに請求することが可能な、申請に関してAPHISによって刊行されている種々の文書。
【0129】
単一の形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる特に有用なさらなる植物は、例えば、国又は地域のさまざまな規制機関によるデータベースに記載されている〔例えば、「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」及び「http://www.agbios.com/dbase.php」を参照されたい〕。
【0130】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、下記のものを包含する、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいて例えば国又は地域のさまざまな規制機関によるデータベースに記載されている植物である:イベント1143−14A(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128569に記載されている);イベント1143−51B(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128570に記載されている);イベント1445(ワタ、除草剤耐性、寄託されていない、US2002120964又はWO2002/034946に記載されている);イベント17053(イネ、除草剤耐性、PTA−9843として寄託されている、WO2010/117737に記載されている);イベント17314(イネ、除草剤耐性、PTA−9844として寄託されている、WO2010/117735に記載されている);イベント281−24−236(ワタ、昆虫防除−除草剤耐性、PTA−6233として寄託されている、WO2005/103266又はUS2005216969に記載されている);イベント3006−210−23(ワタ、昆虫防除−除草剤耐性、PTA−6233として寄託されている、US2007143876又はWO2005/103266に記載されている);イベント3272(トウモロコシ、品質形質、PTA−9972として寄託されている、WO2006098952又はUS2006230473に記載されている);イベント40416(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−11508として寄託されている、WO2011/075593に記載されている);イベント43A47(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−11509として寄託されている、WO2011/075595に記載されている);イベント5307(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA−9561として寄託されている、WO2010/077816に記載されている);イベントASR−368(ベントグラス、除草剤耐性、ATCC PTA−4816として寄託されている、US2006162007又はWO2004053062に記載されている);イベントB16(トウモロコシ、除草剤耐性、寄託されていない、US2003126634に記載されている);イベントBPS−CV127−9(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB No.41603として寄託されている、WO2010/080829に記載されている);イベントCE43−67B(ワタ、昆虫防除、DSM ACC2724として寄託されている、US2009217423又はWO2006/128573に記載されている);イベントCE44−69D(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、US20100024077に記載されている);イベントCE44−69D(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128571に記載されている);イベントCE46−02A(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128572に記載されている);イベントCOT102(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、US2006130175又はWO2004039986に記載されている);イベントCOT202(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、US2007067868又はWO2005054479に記載されている);イベントCOT203(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2005/054480に記載されている);イベントDAS40278(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA−10244として寄託されている、WO2011/022469に記載されている);イベントDAS−59122−7(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA 11384として寄託されている、US2006070139に記載されている);イベントDAS−59132(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、寄託されていない、WO2009/100188に記載されている);イベントDAS68416(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA−10442として寄託されている、WO2011/066384又はWO2011/066360に記載されている);イベントDP−098140−6(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA−8296として寄託されている、US2009137395又はWO2008/112019に記載されている);イベントDP−305423−1(ダイズ、品質形質、寄託されていない、US2008312082又はWO2008/054747に記載されている);イベントDP−32138−1(トウモロコシ、ハイブリダイゼーション系、ATCC PTA−9158として寄託されている、US20090210970又はWO2009/103049に記載されている);イベントDP−356043−5(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA−8287として寄託されている、US20100184079又はWO2008/002872に記載されている);イベントEE−1(ナス、昆虫防除、寄託されていない、WO2007/091277に記載されている);イベントFI117(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209031として寄託されている、US2006059581又はWO1998/044140に記載されている);イベントGA21(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209033として寄託されている、US2005086719又はWO1998/044140に記載されている);イベントGG25(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209032として寄託されている、US2005188434又はWO1998/044140に記載されている);イベントGHB119(ワタ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−8398として寄託されている、WO2008/151780に記載されている);イベントGHB614(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA−6878として寄託されている、US2010050282又はWO2007/017186に記載されている);イベントGJ11(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC 209030として寄託されている、US2005188434又はWO1998/044140に記載されている);イベントGM RZ13(テンサイ、ウイルス抵抗性、NCIMB−41601として寄託されている、WO2010/076212に記載されている);イベントH7−1(テンサイ、除草剤耐性、NCIMB 41158又はNCIMB 41159として寄託されている、US2004172669又はWO2004/074492に記載されている);イベントJOPLIN1(コムギ、耐病性、寄託されていない、US2008064032に記載されている);イベントLL27(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB41658として寄託されている、WO2006/108674又はUS2008320616に記載されている);イベントLL55(ダイズ、除草剤耐性、NCIMB 41660として寄託されている、WO2006/108675又はUS2008196127に記載されている);イベントLLワタ25(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA−3343として寄託されている、WO2003013224又はUS2003097687に記載されている);イベントLLRICE06(イネ、除草剤耐性、ATCC−23352として寄託されている、US6468747又はWO2000/026345に記載されている);イベントLLRICE601(イネ、除草剤耐性、ATCC PTA−2600として寄託されている、US20082289060又はWO2000/026356に記載されている);イベントLY038(トウモロコシ、品質形質、ATCC PTA−5623として寄託されている、US2007028322又はWO2005061720に記載されている);イベントMIR162(トウモロコシ、昆虫防除、PTA−8166として寄託されている、US2009300784又はWO2007/142840に記載されている);イベントMIR604(トウモロコシ、昆虫防除、寄託されていない、US2008167456又はWO2005103301に記載されている);イベントMON15985(ワタ、昆虫防除、ATCC PTA−2516として寄託されている、US2004250317又はWO2002/100163に記載されている);イベントMON810(トウモロコシ、昆虫防除、寄託されていない、US2002102582に記載されている);イベントMON863(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA−2605として寄託されている、WO2004/011601又はUS2006095986に記載されている);イベントMON87427(トウモロコシ、授粉制御、ATCC PTA−7899として寄託されている、WO2011/062904に記載されている);イベントMON87460(トウモロコシ、ストレス耐性、ATCC PTA−8910として寄託されている、WO2009/111263又はUS20110138504に記載されている);イベントMON87701(ダイズ、昆虫防除、ATCC PTA−8194として寄託されている、US2009130071又はWO2009/064652に記載されている);イベントMON87705(ダイズ、品質形質−除草剤耐性、ATCC PTA−9241として寄託されている、US20100080887又はWO2010/037016に記載されている);イベントMON87708(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA9670として寄託されている、WO2011/034704に記載されている);イベントMON87754(ダイズ、品質形質、ATCC PTA−9385として寄託されている、WO2010/024976に記載されている);イベントMON87769(ダイズ、品質形質、ATCC PTA−8911として寄託されている、US20110067141又はWO2009/102873に記載されている);イベントMON88017(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−5582として寄託されている、US2008028482又はWO2005/059103に記載されている);イベントMON88913(ワタ、除草剤耐性、ATCC PTA−4854として寄託されている、WO2004/072235又はUS2006059590に記載されている);イベントMON89034(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC PTA−7455として寄託されている、WO2007/140256又はUS2008260932に記載されている);イベントMON89788(ダイズ、除草剤耐性、ATCC PTA−6708として寄託されている、US2006282915又はWO2006/130436に記載されている);イベントMS11(ナタネ、授粉制御−除草剤耐性、ATCC PTA−850又はPTA−2485として寄託されている、WO2001/031042に記載されている);イベントMS8(ナタネ、授粉制御−除草剤耐性、ATCC PTA−730として寄託されている、WO2001/041558又はUS2003188347に記載されている);イベントNK603(トウモロコシ、除草剤耐性、ATCC PTA−2478として寄託されている、US2007292854に記載されている);イベントPE−7(イネ、昆虫防除、寄託されていない、WO2008/114282に記載されている);イベントRF3(ナタネ、授粉制御−除草剤耐性、ATCC PTA−730として寄託されている、WO2001/041558又はUS2003188347に記載されている);イベントRT73(ナタネ、除草剤耐性、寄託されていない、WO2002/036831又はUS2008070260に記載されている);イベントT227−1(テンサイ、除草剤耐性、寄託されていない、WO2002/44407又はUS20092658
17に記載されている);イベントT25(トウモロコシ、除草剤耐性、寄託されていない、US2001029014又はWO2001/051654に記載されている);イベントT304−40(ワタ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−8171として寄託されている、US2010077501又はWO2008/122406に記載されている);イベントT342−142(ワタ、昆虫防除、寄託されていない、WO2006/128568に記載されている);イベントTC1507(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、寄託されていない、US2005039226又はWO2004/099447に記載されている);イベントVIP1034(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、ATCC PTA−3925として寄託されている、WO2003/052073に記載されている)、イベント32316(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、PTA−11507として寄託されている、WO2011/153186A1に記載されている)、イベント4114(トウモロコシ、昆虫防除−除草剤耐性、PTA−11506として寄託されている、WO2011/084621に記載されている);イベントEE−GM3/FG72(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託No.PTA−11041、WO2011/063413A2)、イベントDAS−68416−4(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託No.PTA−10442、WO2011/066360A1)、イベントDAS−68416−4(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託No.PTA−10442、WO2011/066384A1)、イベントDP−040416−8(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC受託No.PTA−11508、WO2011/075593A1)、イベントDP−043A47−3(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC受託No.PTA−11509、WO2011/075595A1)、イベントDP−004114−3(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC受託No.PTA−11506、WO2011/084621A1)、イベントDP−032316−8(トウモロコシ、昆虫防除、ATCC受託No.PTA−11507、WO2011/084632A1)、イベントMON−88302−9(ナタネ、除草剤耐性、ATCC受託No.PTA−10955、WO2011/153186A1)、イベントDAS−21606−3(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託No.PTA−11028、WO2012/033794A2)、イベントMON−87712−4(ダイズ、品質形質、ATCC受託No.PTA−10296、WO2012/051199A2)、イベントDAS−44406−6(ダイズ、スタック(stacked)除草剤耐性、ATCC受託No.PTA−11336、WO2012/075426A1)、イベントDAS−14536−7(ダイズ、スタック(stacked)除草剤耐性、ATCC受託No.PTA−11335、WO2012/075429A1)、イベントSYN−000H2−5(ダイズ、除草剤耐性、ATCC受託No.PTA−11226、WO2012/082548A2)、イベントDP−061061−7(ナタネ、除草剤耐性、寄託番号利用不可、WO2012071039A1)、イベントDP−073496−4(ナタネ、除草剤耐性、寄託番号利用不可、US2012131692)、イベント8264.44.06.1(ダイズ、スタック(stacked)除草剤耐性、受託No.PTA−11336、WO2012075426A2)、イベント8291.45.36.2(ダイズ、スタック(stacked)除草剤耐性、受託No.PTA−11335、WO2012075429A2)。
【0131】
本発明の組成物は、材木の表面又は内部で発生するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木(timber)」は、全ての種類の木材、そのような木材を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種類以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
【0132】
本発明の方法で防除可能な植物又は作物の病害の中で、以下のものを挙げることができる:
・ うどんこ病(powdery mildew disease)、例えば、
ブルメリア(Blumeria)病、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)に起因するもの;
ポドスファエラ(Podosphaera)病、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)に起因するもの;
スファエロテカ(Sphaerotheca)病、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)に起因するもの;
ウンシヌラ(Uncinula)病、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)に起因するもの;
・ さび病(rust disease)、例えば、
ギムノスポランギウム(Gymnosporangium)病、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae)に起因するもの;
ヘミレイア(Hemileia)病、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix)に起因するもの;
ファコプソラ(Phakopsora)病、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)又はファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)に起因するもの;
プッシニア(Puccinia)病、例えば、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)に起因するもの;
ウロミセス(Uromyces)病、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)に起因するもの;
・ 卵菌類による病害(Oomycete disease)、例えば、
ブレミア(Bremia)病、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)に起因するもの;
ペロノスポラ(Peronospora)病、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に起因するもの;
プラスモパラ(Plasmopara)病、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)に起因するもの;
プセウドペロノスポラ(Pseudoperonospora)病、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
・ 葉斑点性、葉汚斑性及び葉枯れ性の病害(leafspot, leaf blotch and leaf blight disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)に起因するもの;
セルコスポラ(Cercospora)病、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)に起因するもの;
クラジオスポルム(Cladiosporum)病、例えば、クラジオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブスに起因するもの;
コレトトリクム(Colletotrichum)病、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium)に起因するもの;
シクロコニウム(Cycloconium)病、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum)に起因するもの;
ジアポルテ(Diaporthe)病、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)に起因するもの;
エルシノエ(Elsinoe)病、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii)に起因するもの;
グロエオスポリウム(Gloeosporium)病、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor)に起因するもの;
グロメレラ(Glomerella)病、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)に起因するもの;
グイグナルジア(Guignardia)病、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli)に起因するもの;
レプトスファエリア(Leptosphaeria)病、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeia nodorum)に起因するもの;
マグナポルテ(Magnaporthe)病、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)に起因するもの;
ミコスファエレラ(Mycosphaerella)病、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)、ミコスファエレラ・アラキジコラ(Mycosphaerella arachidicola)、ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)に起因するもの;
ファエオスファエリア(Phaeosphaeria)病、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)に起因するもの;
ラムラリア(Ramularia)病、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni)に起因するもの;
リンコスポリウム(Rhynchosporium)病、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii)又はセプトリア・リコペルシシ(Septoria lycopersici)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベンツリア(Venturia)病、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)に起因するもの;
・ 根及び茎の病害、例えば、
コルチシウム(Corticium)病、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)に起因するもの;
ガエウマンノミセス(Gaeumannomyces)病、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
タペシア(Tapesia)病、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis)に起因するもの;
チエラビオプシス(Thielaviopsis)病、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)に起因するもの;
・ 穂の病害(ear and panicle disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラジオスポリウム属種(Cladiosporium spp.)に起因するもの;
クラビセプス(Claviceps)病、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ジベレラ(Gibberella)病、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
・ 黒穂病(smut and bunt disease)、例えば、
スファセロテカ(Sphacelotheca)病、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana)に起因するもの;
チレチア(Tilletia)病、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries)に起因するもの;
ウロシスチス(Urocystis)病、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta)に起因するもの;
ウスチラゴ(Ustilago)病、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)に起因するもの;
・ 果実の腐敗性及び黴性の病害(fruit rot and mould disease)、例えば、
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
ペニシリウム(Penicillium)病、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)に起因するもの;
スクレロチニア(Sclerotinia)病、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticilium)病、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum)に起因するもの;
・ 種子及び土壌が媒介する腐朽性、黴性、萎凋性、腐敗性及び苗立ち枯れ性の病害(seed and soilborne decay, mould, wilt, rot and damping−off disease)、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola)に起因するもの;
アファノミセス(Aphanomyces)病、例えば、アファノミセス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches)に起因するもの;
アスコキタ(Ascochyta)病、例えば、アスコキタ・レンチス(Ascochyta lentis)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera、Bipolaris 異名:Helminthosporium)に起因するもの;
コレトトリクム(Colletotrichum)病、例えば、コレトトリクム・ココデス(Colletotrichum coccodes)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ジベレラ(Gibberella)病、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
マクロホミナ(Macrophomina)病、例えば、マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
ペニシリウム(Penicillium)病、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)に起因するもの;
ホマ(Phoma)病、例えば、ホマ・リンガム(Phoma lingam)に起因するもの;
ホモプシス(Phomopsis)病、例えば、ホモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)に起因するもの;
ピリクラリア(Pyricularia)病、例えば、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
リゾプス(Rhizopus)病、例えば、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)に起因するもの;
スクレロチウム(Sclerotium)病、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticillium)病、例えば、ベルチシリウム・ダーリアエ(Verticillium dahliae)に起因するもの;
・ 腐乱性病害、開花病及び枯れ込み性病害(canker, broom and dieback disease)、例えば、
ネクトリア(Nectria)病、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)に起因するもの;
・ 枯損性病害(blight disease)、例えば、
モニリニア(Monilinia)病、例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa)に起因するもの;
・ 葉水泡性病害又は縮葉病(leaf blister or leaf curl disease)、例えば、
タフリナ(Taphrina)病、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans)に起因するもの;
・ 木本植物の衰退性病害(decline disease of wooden plant)、例えば、
エスカ(Esca)病、例えば、ファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)に起因するもの;
ユーティパダイバック病(Eutypa dyeback)、例えば、ユーティパ・ラタ(Eutypa lata)に起因するもの;
オランダ病(Dutch elm disease)、例えば、セラトシストス・ウルミ(Ceratocystsc ulmi)に起因するもの;
・ 花及び種子の病害、例えば、
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
・ 塊茎の病害、例えば、
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)病、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)に起因するもの。
【0133】
本発明の化合物は、さらにまた、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌性疾患(trichophyton disease)及びカンジダ症、又は、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)(例えば、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus))に起因する疾患のような、ヒト又は動物の菌類病を治療的又は予防的に処置するのに有用な組成物を調製するために使用することもできる。
【0134】
化合物例についての下記表1及び調製又は効力についての下記実施例を参照して、本発明のさまざまな態様について例証する。
【0135】
下記表1は、本発明による化合物の例について非限定的に例示している。
【化14】
【表1】
【0136】
logP値の測定は、「EEC directive 79/831 Annex V.A8」に従い、下記方法を用いて、逆相カラムでのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により実施した:
LC−MSの測定は、水中の0.1%ギ酸及びアセトニトリル(0.1%ギ酸含有)を溶離液として使用し、10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配で、pH2.7で実施した。
【0137】
較正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン2−オン(3個〜16個の炭素原子含有)を用いて実施した(logP値は、保持時間を用いて、連続するアルカノンの間の線形補間により測定)。ラムダマックス値は、200nm〜400nmの紫外線スペクトル及びクロマトグラフシグナルのピーク値を用いて決定した。
【0138】
NMR−ピークリスト
選択された実施例の1H−NMRデータは、1H−NMR−ピークリストの形態で記載されている。各シグナルピークに対して、δ値(ppm)及びシグナル強度(丸括弧内)が記載されている。δ値−シグナル強度の対の間には、区切り記号としてのセミコロンがある。
【0139】
従って、1つの例のピークリストは、以下の形態を有する:
「δ
1(強度
1);δ
2(強度
2);....;δ
i(強度
i);....;δ
n(強度
n)」。
【0140】
NMR−ピークリスト 表1
【表2】
【0141】
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の関係を示している。幅が広いシグナルからは、数種類のピーク又は該シグナルの中央及び当該スペクトルの中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対的強度が示され得る。
【0142】
1Hスペクトルの化学シフトを較正するために、特にスペクトルがDMSO中で測定される場合には、テトラメチルシランを使用するか及び/又は用いられる溶媒の化学シフトを使用する。従って、NMRピークリストでは、テトラメチルシランのピークは存在し得るが、必ずしも存在するわけではない。
【0143】
1H−NMRピークリストは、古典的な1H−NMRのプリントと類似しており、従って、通常、NMRの古典的な解釈で記載される全てのピークを含んでいる。
【0144】
さらに、それらは、古典的な1H−NMRのプリントのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、本発明の対象である)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。
【0145】
溶媒及び/又は水のデルタ−範囲内における化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク(例えば、DMSO−D
6中のDMSOのピーク)及び水のピークは、本発明者らの1H−NMRピークリストの中に示されており、そして、通常、平均して高い強度を有している。
【0146】
目標化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常、平均して、目標化合物(例えば、純度>90%)のピークよりも低い強度を有している。
【0147】
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、本発明者らの調製方法の再現性を「副産物の指紋(side−products−fingerprints)」によって認識するのに役立ち得る。
【0148】
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACD−シミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、1H−NMRの古典的な解釈での関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
【0149】
ピークリストによるNMRデータの記載のさらなる詳細については、「Research Disclosure Database Number 564025」の刊行物「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」の中に見いだすことができる。
【0150】
下記表2は、本発明による式(V)で表される化合物の例について非限定的に例示している。
【化15】
【0152】
logP値の測定は、「EEC directive 79/831 Annex V.A8」に従い、下記方法を用いて、逆相カラムでのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により実施した:
LC−MSの測定は、水中の0.1%ギ酸及びアセトニトリル(0.1%ギ酸含有)を溶離液として使用し、10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配で、pH2.7で実施した。
【0153】
較正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン2−オン(3個〜16個の炭素原子含有)を用いて実施した(logP値は、保持時間を用いて、連続するアルカノンの間の線形補間により測定)。ラムダマックス値は、200nm〜400nmの紫外線スペクトル及びクロマトグラフシグナルのピーク値を用いて決定した。
【0154】
NMR−ピークリスト
選択された実施例の1H−NMRデータは、1H−NMR−ピークリストの形態で記載されている。各シグナルピークに対して、δ値(ppm)及びシグナル強度(丸括弧内)が記載されている。δ値−シグナル強度の対の間には、区切り記号としてのセミコロンがある。
【0155】
従って、1つの例のピークリストは、以下の形態を有する:
「δ
1(強度
1);δ
2(強度
2);....;δ
i(強度
i);....;δ
n(強度
n)」。
【0156】
NMR−ピークリスト 表2
【表4】
【0157】
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の関係を示している。幅が広いシグナルからは、数種類のピーク又は該シグナルの中央及び当該スペクトルの中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対的強度が示され得る。
【0158】
1Hスペクトルの化学シフトを較正するために、特にスペクトルがDMSO中で測定される場合には、テトラメチルシランを使用するか及び/又は用いられる溶媒の化学シフトを使用する。従って、NMRピークリストでは、テトラメチルシランのピークは存在し得るが、必ずしも存在するわけではない。
【0159】
1H−NMRピークリストは、古典的な1H−NMRのプリントと類似しており、従って、通常、NMRの古典的な解釈で記載される全てのピークを含んでいる。
【0160】
さらに、それらは、古典的な1H−NMRのプリントのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、本発明の対象である)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。
【0161】
溶媒及び/又は水のデルタ−範囲内における化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク(例えば、DMSO−D
6中のDMSOのピーク)及び水のピークは、本発明者らの1H−NMRピークリストの中に示されており、そして、通常、平均して高い強度を有している。
【0162】
目標化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常、平均して、目標化合物(例えば、純度>90%)のピークよりも低い強度を有している。
【0163】
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、本発明者らの調製方法の再現性を「副産物の指紋(side−products−fingerprints)」によって認識するのに役立ち得る。
【0164】
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACD−シミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、1H−NMRの古典的な解釈での関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
【0165】
ピークリストによるNMRデータの記載のさらなる詳細については、「Research Disclosure Database Number 564025」の刊行物「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」の中に見いだすことができる。
【実施例】
【0166】
使用実施例
実施例A: フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)(トマトの疫病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0167】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、26℃で成育させたトマト植物(品種「Rentita」)を、Z12葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0168】
24時間経過した後、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり20000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染した植物から採取する。汚染されたトマト植物を、16〜18℃、相対湿度100%でインキュベートする。
【0169】
上記汚染から5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0170】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)が観察される:
【表5】
【0171】
実施例B: アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)(ハツカダイコンの黒斑病(leaf spot))に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0172】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、17℃で成育させたハツカダイコン植物(品種「Pernod Clair」)を、子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0173】
24時間経過した後、アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり50000胞子)を子葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取する。汚染されたハツカダイコン植物を、20℃、相対湿度100%でインキュベートする。
【0174】
上記汚染から6日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0175】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
【表6】
【0176】
実施例C: ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色かび病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0177】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、24℃で成育させたガーキン(gherkin)植物(品種「Vert petit de Paris」)を、Z11子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0178】
24時間経過した後、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)の低温保存された胞子の水性懸濁液(1mL当たり50,000胞子)を子葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、10g/LのPDB、50g/LのD−フルクトース、2g/LのNH
4NO
3及び1g/LのKH
2PO
4で構成される栄養溶液に懸濁させる。汚染されたガーキン植物を、17℃、相対湿度90%でインキュベートする。
【0179】
上記汚染から4〜5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0180】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
【表7】
【0181】
実施例D: スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(ウリ科植物のうどんこ病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0182】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、24℃で成育させたガーキン(gherkin)植物(品種「Vert petit de Paris」)を、Z11子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0183】
24時間経過した後、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100000胞子)を子葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、汚染された植物から採取する。汚染されたガーキン植物を、約20℃、相対湿度70〜80%でインキュベートする。
【0184】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0185】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
【表8】
【0186】
実施例E: ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)(オオムギの網斑病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0187】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、22℃で成育させたオオムギ植物(品種「Plaisant」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0188】
24時間経過した後、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり12000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12日間培養したものから採取する。汚染されたオオムギ植物を、20℃、相対湿度100%で48時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70〜80%で12日間インキュベートする。
【0189】
上記汚染から14日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0190】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
【表9】
【0191】
実施例F: プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(コムギの赤さび病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0192】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、22℃で成育させたコムギ植物(品種「Scipion」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0193】
24時間経過した後、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染された植物から採取し、2.5mL/LのTween 80(10%)を含んでいる見ずに懸濁させる。汚染されたコムギ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70〜80%で10日間インキュベートする。
【0194】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0195】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
【表10】
【0196】
実施例G: セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)(コムギの葉枯病(leaf spot))に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0197】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、22℃で成育させたコムギ植物(品種「Scipion」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0198】
24時間経過した後、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)の低温保存された胞子の水性懸濁液(1mL当たり500000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物に接種する。汚染されたコムギ植物を、18℃、相対湿度100%で72時間インキュベートし、次いで、相対湿度90%で21日間インキュベートする。
【0199】
上記汚染から24日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0200】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
【表11】
【0201】
実施例H: フィトフトラ(Phytophthora)試験(トマト)に対するインビボ予防試験
溶媒: 49重量部のN,N−ジメチルホルムアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0202】
予防活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の該調製物を記載されている施用量で噴霧する。この処理の1日後、該植物に、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)の胞子の水性懸濁液を用いて接種する。その植物を、約22℃で相対大気湿度100%のインキュベーション室の中に1日間維持する。次いで、その植物を、約20℃で相対大気湿度96%のインキュベーション室の中に置く。
【0203】
当該試験について、上記接種の7日後に評価する。0%は、処理されていない対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
【0204】
この試験において、本発明による下記化合物は、活性成分の濃度100ppmで、70%又はそれ以上の効力を示した。
【表12】
【0205】
実施例I: プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)(ブドウの木)に対するインビボ予防試験
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0206】
予防活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の該調製物を記載されている施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)の胞子の水性懸濁液を用いて接種し、次いで、その植物を、約20℃で相対大気湿度100%のインキュベーション室の中に1日間維持する。次に、その植物を、約21℃で相対大気湿度約90%の温室の中に4日間置く。次いで、その植物に水を吹きかけ、その植物をインキュベーション室の中に1日間置く。
【0207】
当該試験について、上記接種の6日後に評価する。0%は、処理されていない対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
【0208】
この試験において、本発明による下記化合物は、活性成分の濃度10ppmで、70%又はそれ以上の効力を示した。
【表13】
【0209】
化学
以下の実施例によって、本発明の式(I)で表される化合物の調製及び効力について非限定的に例証する。
【0210】
調製実施例1: 3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(化合物4)〔調製方法P1による〕
段階1:
(2Z)−(ヒドロキシイミノ)(フェニル)アセトニトリル(7.3g、49.95mmol、1eq.)を280mLのアセトニトリルと30mLのDMFに溶解させた溶液に、4−(クロロメチル)−1,3−チアゾール−2−アミン塩酸塩(11.09g、59.94mmol、1.2eq.)を添加した後、ヨウ化カリウム(829mg、4.99mmol、0.1eq.)及び炭酸セシウム(39.06g、119.88mmol、2.4eq.)を添加した。その反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、その溶媒を蒸発させ、その残渣をEtOAcに溶解させ、次いで、H
2O及びブラインで洗浄した。分離後、その有機相をMgSO
4で脱水し、次いで、濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、(2Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)アセトニトリル(10.30g、収率80%、1種類のオキシム異性体のみ)を得た。
【0211】
段階2:
(2Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)アセトニトリル(10.30g、39.87mmol、1eq.)及び炭酸セシウム(11.02g、79.75mmol、2.0eq)を2−プロパノール/水(150mL/40mL)に溶解させた溶液に、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(6.66g、79.75mmol、2eq.)を添加した。その反応物を撹拌しながら2時間85℃に加熱し、3/4になるまで溶媒を蒸発させた。その残渣をEtOAcで抽出し、水で洗浄した。その有機相を合し、MgSO
4で脱水し、濃縮して、(2Z)−2−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}−N−ヒドロキシ−N−メチル−2−フェニルエタンイミドアミド(10.30g、収率84%)(化合物V−2)を黄色の固体として得た。
【0212】
段階3: 3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(化合物4)の調製
(2Z)−2−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}−N−ヒドロキシ−N−メチル−2−フェニルエタンイミドアミド(5.00g、16.37mmol、1eq.)及びトリエチルアミン(2.28mL、16.37mmol、1eq)をDMF(100mL)に溶解させた溶液に、0℃で、クロロギ酸4−フルオロフェニル(28.58g、16.37mmol、1eq.)を滴下して加えた。0℃で1時間撹拌した後、その反応物を、水(50mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(2×150mL)で抽出した。その有機相を合し、MgSO
4で脱水し、濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(5.65g、収率96%)を得た。
【0213】
調製実施例2: N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−カルボキサミド(化合物9)〔調製方法P2による〕
3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(120mg、0.362mmol、1eq.)及びピリジン(0.044mL、0.543mmol、1.5eq)を乾燥ジクロロメタン(2.0mL)に溶解させた溶液に、室温で、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−カルボニルクロリド(108mg、0.543mmol、1.5eq)を添加し、一晩撹拌した。その反応物を、水を添加することによってクエンチし、濃縮乾固させた。その残渣をとってEtOAcの中に入れ、0.5mLの1N NaOHを添加した。その溶液をchemelutパッドで濾過し、EtOAcで洗浄した。濃縮後、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−カルボキサミド(190mg、収率99%)を得た。
【0214】
調製実施例3: N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}クロマン−2−カルボキサミド(化合物22)〔調製方法P2による〕
クロマン−2−カルボン酸(70.98mg、0.40mmol、1.1eq.))を乾燥ジクロロメタン(2.0mL)に溶解させた溶液に、トリエチルアミン(0.066mL、0.47mmol、1.3eq)及び酢酸エチル中の50重量%プロパンホスホン酸無水物(0.30g、0.47mmol、1.3eq)を添加した。その混合物を室温で20分間撹拌し、(3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(120mg、0.362mmol、1eq.)を添加した。次いで、その混合物を5時間還流した。次いで、その反応混合物をHCl(1M)に注ぎ、層を分離させた。その有機層をNaOH(1M)で洗浄し、水で洗浄し、次いで、MgSO
4で脱水した。濃縮後、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}クロマン−2−カルボキサミド(85mg、収率47%)を得た。
【0215】
調製実施例4: 2−(4−クロロフェニル)−N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}アセトアミド(化合物98)〔調製方法P2による〕
3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(300mg、0.905mmol、1eq.)及びピリジン(0.110mL、1.36mmol、1.5eq)を乾燥ジクロロメタン(4.0mL)に溶解させた溶液に、室温で、4−クロロフェニルアセチルクロリド(0.20mL、1.36mmol、1.5eq)を添加し、2時間撹拌した。その反応物を、2mLの1N NaOHを添加することによってクエンチした。層を分離させ、その有機層をMgSO
4で脱水した。濃縮後、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、2−(4−クロロフェニル)−N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}アセトアミド(365mg、収率79%)を得た。
【0216】
調製実施例5: 2−(4−クロロフェニル)−N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}エタンチオアミド(化合物100)及び2−(4−クロロフェニル)−N−{4−[({[(E)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}エタンチオアミド(化合物101)〔調製方法P4による〕
−(4−クロロフェニル)−N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}アセトアミド(300mg、0.620mmol、1eq.)をジオキサン(5.0mL)に溶解させた溶液に、室温で、4−メトキシフェニルジチオホスホン酸無水物(276mg、0.682mmol、1.1eq)を添加し、その混合物を80℃で一晩撹拌した。溶媒を除発させ、その残渣を逆相クロマトグラフィーで精製して、2−(4−クロロフェニル)−N−{4−[({[(Z)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}エタンチオアミド(100mg、収率30%)及び2−(4−クロロフェニル)−N−{4−[({[(E)−(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}エタンチオアミド(45mg、収率14%)を得た。
【0217】
調製実施例6: 3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(3−メトキシフェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン〔調製方法P1による〕
段階1:
(2Z)−(ヒドロキシイミノ)(3−メトキシフェニル)アセトニトリル(2.57g、14.59mmol、1eq.)を70mLのアセトニトリルと7mLのDMFに溶解させた溶液に、4−(クロロメチル)−1,3−チアゾール−2−アミン塩酸塩(2.87g、16.05mmol、1.1eq.)を添加し、次いで、ヨウ化カリウム(242mg、1.46mmol、0.1eq.)及び炭酸セシウム(10.45g、32.09mmol、2.2eq.)を添加した。その反応物を室温で8時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させた。その残渣をEtOAcに溶解させ、次いで、H
2O及びブラインで洗浄した。分離後、その有機相をMgSO
4で脱水し、次いで、濃縮して、(2Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(3−メトキシフェニル)アセトニトリル(4.03g、91%収率、1種類のオキシム異性体のみ)を得た。これは、それ以上精製することなく、次の段階で使用した。
【0218】
段階2:
(2Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(3−メトキシフェニル)アセトニトリル(4.00g、13.87mmol、1eq.)を2−プロパノール/水(60mL/16mL)に溶解させた溶液に、炭酸カリウム(3.84g、27.75mmol、2.0eq)及びN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.32g、27.75mmol、2eq.)を添加した。その反応物を撹拌しながら2時間85℃に加熱した。その残渣をEtOAcで抽出し、水で洗浄した。その有機相を合し、MgSO
4で脱水し、濃縮して、(2Z)−2−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}−N−ヒドロキシ−N−メチル−2−(3−メトキシフェニル)エタンイミドアミド(3.36、収率69%)を黄色の固体として得た。
【0219】
段階3:
(2Z)−2−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}−N−ヒドロキシ−N−メチル−2−(3−メトキシフェニルエタンイミドアミド(2.16g、6.44mmol、1eq.)及びトリエチルアミン(0.90mL、6.44mmol、1eq)をDMF(80mL)に溶解させた溶液に、0℃で、クロロギ酸4−フルオロフェニル(1.15g、6.44mmol、1eq.)を滴下して加えた。0℃で1時間撹拌した後、その反応物を、水(50mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(2×150mL)で抽出した。その有機相を合し、MgSO
4で脱水し、濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(1.93g、収率83%)を得た。
【0220】
調製実施例7: {4−[({[(Z)−(3−メトキシフェニル)(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}カルバミン酸シクロヘキシル(化合物33)〔調製方法P8による〕
3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(100mg、0.277mmol、1eq.)をアセトニトリル(2mL)に溶解させた溶液に、4−フルオロフェニルカルボノクロリデート(0.040mL、0.304mmol、1.1eq.)を添加し、次いで、ピリジン(0.022mL、0.277mmol、1eq.)を添加し、室温で2時間撹拌した。次いで、シクロヘキサノール(0.032mL、0.304mmol、1.1eq.)を添加し、得られた混合物を15時間還流した。濃縮後、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、{4−[({[(Z)−(3−メトキシフェニル)(2−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}カルバミン酸シクロヘキシル(110mg、収率77%)を白色の固体として得た。
【0221】
調製実施例8: 3−[(Z)−{[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(化合物99)〔調製方法P1による〕
段階1:
(2Z)−(ヒドロキシイミノ)(フェニル)アセトニトリル(2.9g、19.84mmol、1eq.)と2−ブロモ−4−(ブロモメチル)チアゾール(5.10g、19.84mmol、1eq.)とヨウ化カリウム(329mg、1.98mmol、0.1eq.)と炭酸セシウム(9.70g、29.76mmol、1.5eq.)の混合物に、80mLのアセトニトリル及び10mLのDMFを添加した。その反応物を室温で2時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させた。その残渣をEtOAcに溶解させ、次いで、H
2O及びブラインで洗浄した。分離後、その有機相をMgSO
4で脱水し、次いで、濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、(2Z)−{[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)アセトニトリル(5.70g、収率88%、1種類のオキシム異性体のみ)を得た。
【0222】
段階2:
(2Z)−{[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)アセトニトリル(2.50g、7.76mmol、1eq.)及び炭酸カリウム(2.14g、15.52mmol、2.0eq)を2−プロパノール/水(40mL/10mL)に溶解させた溶液に、N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.30g、15.52mmol、2eq.)を添加した。その反応物を撹拌しながら2時間80℃に加熱し、3/4になるまで溶媒を蒸発させた。その残渣をEtOAcで抽出し、水で洗浄した。その有機相を合し、MgSO
4で脱水し、濃縮して、(2Z)−2−{[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}−N−ヒドロキシ−N−メチル−2−フェニルエタンイミドアミド(2.30g、78%収率)(化合物V−3)を黄色の固体として得た。
【0223】
段階3: 3−[(Z)−{[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(化合物99)の調製
(2Z)−2−{[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}−N−ヒドロキシ−N−メチル−2−フェニルエタンイミドアミド(1.8g、4.87mmol、1eq.)をアセトニトリル(120mL)に溶解させた溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.58g、9.75mmol、2eq.)を添加した。80℃で1時間撹拌した後、その反応物を、水(100mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(2×100mL)で抽出した。その有機相を合し、MgSO
4で脱水し、濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、3−[(Z)−{[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(2g、収率100%)を得た。
【0224】
調製実施例9: 3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−エチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(化合物37)〔調製方法P1による〕
段階1:
(2Z)−(ヒドロキシイミノ)(フェニル)アセトニトリル(7.3g、49.95mmol、1eq.)を280mLのアセトニトリルと30mLのDMFに溶解させた溶液に、4−(クロロメチル)−1,3−チアゾール−2−アミン塩酸塩(11.09g、59.94mmol、1.2eq.)を添加し、次いで、ヨウ化カリウム(829mg、4.99mmol、0.1eq.)及び炭酸セシウム(39.06g、119.88mmol、2.4eq.)を添加した。その反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させた。その残渣をEtOAcに溶解させ、次いで、H
2O及びブラインで洗浄した。分離後、その有機相をMgSO4で脱水し、次いで、濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、(2Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)アセトニトリル(10.30g、80%収率、1種類のオキシム異性体のみ)を得た。
【0225】
段階2:
(2Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)アセトニトリル(1g、3.87mmol、1eq.)を乾燥ジクロロメタン(15mL)に溶解させた溶液に、室温で、ピリジン(0.38mL、4.65mmol、1.2eq)を添加した。室温で15分間撹拌した後、2−フェニルエチルカルボノクロリデート(858mg、4.65mmol、1.2eq)を添加し、5時間撹拌した。その反応物を、水を添加することによってクエンチし、濃縮乾固させた。その残渣を取ってDCM(5mL)の中に入れ、5mLの1N NaOHを添加した。層を分離させ、その有機相をMgSO
4で脱水し、次いで、濃縮して、{4−[({[(Z)−シアノ(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}カルバミン酸2−フェニルエチル(1.2g、収率55%)を得た。これは、それ以上精製することなく次の段階で使用した。
【0226】
段階3:
{4−[({[(Z)−シアノ(フェニル)メチレン]アミノ}オキシ)メチル]−1,3−チアゾール−2−イル}カルバミン酸2−フェニルエチル(200mg、0.49mmol、1eq.)及び炭酸カリウム(204mg、1.48mmol、3.0eq)を2−プロパノール/水(2mL/0.2mL)に溶解させた溶液に、N−エチルヒドロキシルアミントリフルオロ酢酸塩(258mg、1.48mmol、3eq.)を添加した。その反応物を撹拌しながら5時間80℃に加熱し、3/4になるまで溶媒を蒸発させた。その残渣をEtOAcで抽出し、水で洗浄した。その有機相を合し、MgSO
4で脱水し、濃縮して、(4−{[({(1Z,2Z)−2−[エチル(ヒドロキシ)アミノ]−2−イミノ−1−フェニルエチリデン}アミノ)オキシ]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)カルバミン酸2−フェニルエチル(160mg、収率50%、純度71%)(化合物V−4)を得た。これは、それ以上精製することなく次の段階で使用した。
【0227】
段階4:
(4−{[({(1Z,2Z)−2−[エチル(ヒドロキシ)アミノ]−2−イミノ−1−フェニルエチリデン}アミノ)オキシ]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)カルバミン酸2−フェニルエチル(160mg、純度71%、0.24mmol、1eq.)をアセトニトリル(3mL)に溶解させた溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(555mg、0.342mmol、1.4eq.)を添加した。80℃で6時間撹拌した後、その反応物を、水を添加することによってクエンチし、EtOAcで抽出した。その有機相を合し、MgSO
4で脱水し、濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、3−[(Z)−{[(2−アミノ−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]イミノ}(フェニル)メチル]−2−エチル−1,2,4−オキサジアゾール−5(2H)−オン(70mg、収率55%)を得た。