(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1弾性変形部(23,43,63,83,103)及び前記第2弾性変形部(25,45,65,85,105)は、前記突出部(22,42,62,82,102)の肉厚を他の部分よりも薄肉状に形成して成る請求項1記載の連結具。
前記突出部は一対の脚部(22,42,62)であり、前記脚部(22,42,62)の先端部に前記係合部(24,44,64)を備え、前記収容部(32,52,72)に前記被係止部(34,54,74)が設けられ、前記脚部(22,42,62)が前記収容部(32,52,72)に収容されて、前記係合部(24,44,64)と前記被係合部(34,54,74)が係合する請求項1または2記載の連結具。
前記第1弾性変形部(23,43,63)は、前記脚部(22,42,62)の基端部(22a,52a,62a)側に形成され、前記第2弾性変形部(25,45,65)は前記脚部(22,42,62)の前記係合部(24,44,64)側に設けられている請求項3記載の連結具。
前記突出部は平板状に突出した係合舌片(82,102)から成り、前記係合舌片(82,102)の先端部に前記係合部(84,104)が設けられている請求項1記載の連結具。
前記第2弾性変形部(25,45,65,85,105)は、自身の弾性限度内の荷重が互いに離反する方向にかかると、前記係合部(24,44,64,84,104)と前記被係合部(34,54,74,94,114)との係合が解除され、前記プラグ(12)と前記ソケット(14)との係合及び係合解除を、係合強度の低下無く、繰り返し行うことが可能な請求項1記載の連結具。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の第一実施形態のバックルのプラグとソケットの斜視図である。
【
図2】第一実施形態のバックルのプラグとソケットの部分破断正面図である。
【
図3】第一実施形態のバックルの連結状態の斜視図である。
【
図4】第一実施形態のバックルのプラグの正面図(a)、右側面図(b)である。
【
図5】第一実施形態のバックルのソケットの平面図(a)、正面図(b)、右側面図(c)である。
【
図6】第一実施形態のバックルの連結状態の正面図である。
【
図7】第一実施形態のバックルの連結状態の背面図である。
【
図8】この発明の第二実施形態のバックルのプラグとソケットの斜視図である。
【
図9】第二実施形態のバックルのプラグとソケットの部分破断正面図である。
【
図10】第二実施形態のバックルの連結状態の斜視図である。
【
図11】第二実施形態のバックルのプラグの正面図(a)、A−A断面図(b)である。
【
図12】第二実施形態のバックルのソケットの平面図(a)、正面図(b)、B−B断面図(c)である。
【
図13】この発明の第三実施形態のバックルのプラグとソケットの部分破断正面図である。
【
図14】この発明の第四実施形態の係止具のプラグとソケットの斜視図である。
【
図15】第四実施形態の係止具の連結状態の斜視図である。
【
図16】第四実施形態の係止具のプラグの正面図(a)、C−C断面図(b)である。
【
図17】第四実施形態の係止具のソケットの正面図(a)、D−D断面図(b)である。
【
図18】第四実施形態の係止具の連結状態の正面図(a)、E−E断面図(b)である。
【
図19】この発明の第五実施形態の係止具の連結状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の連結具の第一実施形態のバックル10について、
図1〜
図7を基にして説明する。この実施形態のバックル10は、図示しないバッグ類等のベルトや紐体等、その他の部材の端等に取り付けられるプラグ12とソケット14とから成る。プラグ12とソケット14は、ポリアセタール、ポリアミド、ポリプロピレンなどの合成樹脂により一体成形され、プラグ12がソケット14に挿入されて連結される。
【0018】
このプラグ12には、その基部16の両側から平行に突出し、互いに対称に形成された突出部である一対の脚部22が設けられている。各脚部22の基端部22aには、弾性変形を相対的に容易にした薄肉の第1弾性変形部23が、脚部22の外側面の一部を切り欠いて形成されている。各脚部22の先端部22bには、ソケット14の後述する被係合部34と係合して互いに連結する係合部24が形成されている。係合部24は、脚部22の突出方向に対してほぼ直角方向の当接面24aを有し、当接面24aが各々外側方に開放されている。各脚部22の先端部22bの係合部24の外側面は、先端側に向かうに従い互いに近づくような傾斜面22cが形成されている。
【0019】
係合部24の基端部22a側には、弾性変形を相対的に容易にした薄肉の第2弾性変形部25が、脚部22の外側面の一部を切り欠いて形成されている。第2弾性変形部25は、第1弾性変形部23と同様に弾性変形が容易な部分であり、用途に応じて適宜撓み方向の弾性係数が設定される。第1弾性変形部23と第2弾性変形部25の間には、僅かに側方に膨らんだ厚肉の操作片26が形成されている。
【0020】
プラグ12の基部16の端縁部には、連結されるベルト等の取付部である取付孔28a,28bが、ベルトの長さ調整可能に平行に形成されている。また、基部16の中央部には、脚部22と平行にその突出方向にガイド突部29が突設されている。
【0021】
ソケット14には、
図2等に示すように、プラグ12の脚部22が挿入される差込口32aを有した収容部32が形成されている。プラグ12の一対の係合部24と係合する一対の被係合部34が、この収容部32の差込口32aとは反対側の端部である基部18に形成されている。被係合部34は、係合部24の当接面24aと対面して互いに係合する当接面34aを有し、互いの当接状態で接触面は、各脚部22の突出方向と直角な面に対して、各々外側方向且つ脚部22の基端部22a方向に向かって数度程度の角度、例えば3度程度僅かに傾斜している。
【0022】
ソケット14の両側面には、係合部24が被係合部34係合した状態で、各操作片26が各々外側に露出する一対の操作用開口部36が形成さている。この操作用開口部36の周縁は、脚部22の操作片26の差込方向中央部に向かって、徐々に互いに中心側に窪んだ形状に形成されている。また、ソケット14の差込口32aとは反対側の端部には、ベルト等が挿通される取付部である取付孔38が形成されている。
【0023】
収容部32内の中央部には、
図2に示すように、差込口32aから基部18側に向かって、ソケット14の収容部32の表裏の内面に、ガイド溝39が形成されている。ガイド溝39には、プラグ12のガイド突部29が嵌合して挿通される。
【0024】
次に、この発明の第一実施形態のバックル10の使用方法と機能について述べる。まず、プラグ12とソケット14を連結する場合は、
図1の状態から、プラグ12の脚部22をソケット14の差込口32aから収容部32に挿入する。これにより脚部22の先端部22bの傾斜面22cが、ソケット14の収容部32内の被係合部34の角部のガイド部34bに当接する。そして、プラグ12の押し込みに伴って、一対の脚部22は、互いに一旦内側方向に、主に第1弾性変形部23で弾性変形し、一対の係合部24が一対の被係合部34間の内側を通過する。そして、係合部24の当接面24aが、被係合部34の当接面34a間を、差し込み方向に通過すると、脚部22の第1弾性変形部23の弾性変形が復帰して、脚部22が各々外側の元の位置に戻る。これにより、当接面24a,34aが互いに対面して、脚部22の挿入方向に対してほぼ直角な面で互いに面接触する。
【0025】
プラグ12とソケット14の連結を解除する場合、ソケット14の両側面の操作用開口部36から露出したプラグ12の操作片26を、両側から内側へ押圧することにより、第1弾性変形部23が弾性変形して、係合部24の当接面24aが被係合部34の当接面34aから各々内側方向に離れ、プラグ12をソケット14から引き抜くことができる。
【0026】
次に、この実施形態のバックル10により連結された紐体等の連結部材に何らかの外部からの張力がかかった場合の動作について説明する。バックル10のプラグ12とソケット14を互いに引き離す方向の力Fが加わった場合、その力Fは、係合部24の当接面24aが被係合部34の当接面34aに作用する。当接面24a,34aに作用する力Fは、連結している各部材を経て、基部16から第1弾性変形部23、操作片26、及び第2弾性変形部25を介して、当接面24aから当接面34aに作用する。このとき、当接面24a,34aに作用する力Fは、第2弾性変形部25を経て作用するので、係合部24の当接面24aが当接する被係合部34の当接面34aでの力Fの作用点と、第2弾性変形部25から係合部24に作用する力Fの作用点がずれており、第2弾性変形部25にはそのずれ幅dと作用する力FとによるモーメントM=Fdが働く。このモーメントMにより、第2弾性変形部25は、徐々に先端部22bが互いに内側に回動するように弾性変形する。これにより、当接面24aは、外部の張力等の力Fにより、当接面24aはその外側先端が基部16側とは反対側へ僅かに回動し傾斜する。これにより当接面24aの法線と力Fの方向とのなす角度θが、0度付近から徐々に大きくなる(以下、当接面の係合解除方向への動きをプラスとして、角度θが大きくなると称す)。そして、当接面24aと平行な方向に作用する滑り力F1(F1=Fsinθ)が、静止摩擦力であるμFcosθ(μ:静止摩擦係数)を超えると(F1>μFcosθ)、当接面24aで係合部24が滑り出し、係合部24と被係合部34の連結が解除される。
【0027】
このとき、第1弾性変形部23にも、当接面24a,34aの中心と第1弾性変形部23との力Fの作用方向が平行にずれており、第1弾性変形部23にもモーメントが発生するが、当接面24a,34aの当接状態を維持する方向のモーメントであり、係合部24と被係合部34の連結を解除する方向に作用するものではない。
【0028】
この実施形態のバックル10によれば、バックル10が外部からの荷重により係合が解除される条件は、第2弾性変形部25の弾性係数によることになり、この部分の厚みや太さ断面形状等を適宜設定して、所望の力で係合が解除可能に設計することができる。また、一定以上の比較的強い力でのみ係合が外れるような構造も容易に可能である。この場合、所定の小さい力では係合が外れないように、第2弾性変形部25の弾性係数を設定すればよい。例えば、鞄使用者の操作性を害しない程度の弾性係数の第1弾性変形部23と、不用意な連結解除は生じないが、何者かに鞄を強く引っ張られた場合には、そのような外部からの張力により第2弾性変形部25が弾性変形して、鞄使用者が耐え得る張力の限界で係合部24と被係合部34の係合が解除されるように形成することもできる。特に、子供等の場合は、子供が耐え得る10〜20kg、好ましくは十数kg程度、例えば15kgで当接面24a,34a同士の係合が解除されることが好ましい。しかも、第2弾性変形部25は、弾性限度内の変形であり、繰り返しの引っ張りによる係合解除に対しても耐久性があり、部分的な損傷も生じないので、安定な品質を長期間維持することができる。
【0029】
次に、この発明の連結具の第二実施形態のバックルについて、
図8〜
図12に基づいて説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態のバックル40も、上記実施形態のバックルと同様に用いられるもので、図示しないバッグ類等のベルトや紐体等の部材の端に取り付けられて用いられる。
【0030】
この実施形態のプラグ12の突出部である一対の脚部42の基端部42aには、弾性変形を相対的に容易にした薄肉の第1弾性変形部43が形成されている。各脚部42の突出方向中間位置よりも先端側には、操作片46が形成されている。脚部42の操作片46の先端部42bの外側面には、先端側に向かうに従い互いに近づくような傾斜面42cが形成されている。操作片46の基端部42a側の端部には、後述する被係合部54と係合して互いに連結する係合部44が形成されている。係合部44は、脚部42の突出方向に対して僅かに傾斜した当接面44aを有し、当接面44aが各々外側方に開放され、基端部42a側に傾斜している。
【0031】
係合部44から続く基端部42a側の脚部42には、弾性変形を相対的に容易にした薄肉の第2弾性変形部45が形成されている。第2弾性変形部45は、第1弾性変形部43と同様に弾性変形が容易な部分であり、用途に応じて適宜撓み方向の弾性係数が設定される。
【0032】
プラグ12の基部16の端縁部には、連結されるベルト等の取付部である取付孔48が形成されている。また、基部16の中央部には、脚部42と平行にその突出方向にガイド突部49が突設されている。ガイド突起49の表面側には湾曲凹部49aが形成され、裏面側には、ガイド溝49bが突出方向に沿って形成されている。
【0033】
ソケット14には、プラグ12の脚部42が挿入される差込口52aを有した収容部52が形成されている。ソケット14の両側面には、係合した状態で各操作片46が各々外側に露出する一対の操作用開口部56が形成さている。この操作用開口部56の周縁は、収容部52の中央部に向かって、互いに中心側に窪んだ形状に形成されている。また、ソケット14の差込口52aとは反対側の端部である基部18には、ベルト等が挿通される取付部である取付孔58が形成されている。
【0034】
ソケット14には、プラグ12の一対の係合部44と係合する一対の被係合部54が、各操作片46が各々外側に露出する一対の操作用開口部56の差込口52a側の端縁部に形成さている。被係合部54は、係合部44の当接面44aと対面して互いに係合する当接面54aを有し、互いの当接状態で接触面は、各脚部42の突出方向に対して、係合部44の当接面54aと同様の傾斜で接触可能に傾斜して設けられている。
【0035】
収容部52内の中央部には、
図9、
図12示すように、差込口52aから基部18側に向かって、ソケット14の収容部52の裏面側の内面に、ガイド溝59aとガイド突起59bが形成されている。ガイド溝59aには、プラグ12のガイド突部49が嵌合し、ガイド突起59bは、プラグ12のガイド溝49bに挿通される。
【0036】
次に、この発明の第二実施形態のバックル40の使用方法と機能について述べる。まず、プラグ12とソケット14を連結する場合は、
図8の状態から、プラグ12の脚部42をソケット14の差込口52aから収容部52に挿入する。このとき、プラグ12とソケット14には表裏があるので、プラグ12のガイド溝49bをソケット14のガイド突起59bに合わせて挿入する。挿入により脚部42の先端部42bの傾斜面42cが、ソケット14の収容部52内の両側壁内の挿入ガイド面であるガイド部55の表面に当接し、押し込みに伴って一旦内側方向に脚部42の第1弾性変形部43が弾性変形し、一対の係合部44が一対の被係合部54の内側を通過する。そして、係合部44の当接面44aが被係合部54の当接面54aを通過すると、脚部42の第1弾性変形部43の弾性変形が復帰して、脚部42が各々元の位置に戻る。これにより、当接面44a,54aが互いに対面する。
【0037】
次に、プラグ12とソケット14の連結を解除する場合、ソケット14の両側面の操作用開口部56から露出したプラグ12の操作片46を両側から内側へ押圧することにより、係合部44の当接面44aが被係合部54の当接面54aから離れ、プラグ12をソケット14から引き抜くことができる。
【0038】
次に、この実施形態のバックル40により連結された紐体等の連結部材に何らかの外部からの張力がかかった場合の動作について説明する。バックル40に、プラグ12とソケット14を互いに引き離す方向の力Fが加わった場合、その力Fは、係合部44の当接面44aが被係合部54の当接面54aに作用する。当接面44a,54aに作用する力Fは、上記実施形態と同様に、第2弾性変形部45には、力FによるモーメントM=Fd(d:力の作用点のずれ幅)が働く。このモーメントMにより、第2弾性変形部45は、徐々に先端部42bが内側に回動するように弾性変形する。これにより、当接面44aの法線と力Fの方向とのなす角度θは、当初は力の方向に対して0度よりマイナス側に向いていた(当接面44aの外側先端が基部16側に傾斜するように位置していた)のが、0度よりも徐々に大きくなる。そして、当接面44aと平行な方向に作用する滑り力F1(F1=Fsinθ)が、静止摩擦力であるμFcosθ(μ:静止摩擦係数)を超えると(F1>μFcosθ)、当接面44aが滑り出し、係合部44と被係合部54の連結が解除される。
【0039】
以上より、この実施形態のバックル40が外部からの力により係合が解除される条件は、第2弾性変形部45の弾性係数によることになり、この部分の厚みや太さ断面形状等を適宜設定して、所望の力で係合が解除可能に設計することができる。この実施形態においても、上記実施形態と同様に、一定以上の比較的強い力でのみ係合が外れるような構造も可能である。さらに、操作片46が脚部42の先端側にあるので、より軽い操作で脚部42の第1弾性変形部43を弾性変形させることができる。
【0040】
次に、この発明の連結具の第三実施形態のバックルについて、
図13に基づいて説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態のバックル60も、上記実施形態のバックルと同様に用いられるもので、図示しないバッグ類等のベルトや紐体等の部材の端に取り付けられて用いられる。
【0041】
この実施形態のプラグ12は、その両側部よりもやや中央部寄りの位置から、突出部である一対の脚部62が突設されている。プラグ12の脚部62の外側には、ソケット14に差し込む際の案内及び位置決めを行う位置決め突起61が突設されている。
【0042】
脚部62の基端部62aには、弾性変形が容易な第1弾性変形部63が形成されている。脚部62は、薄肉状で環状に形成され、厚み方向に貫通した空間部62dを備えている。脚部62の先端部62bの外側面には、先端側に向かうに従い互いに近づくような傾斜面62cが形成されている。各脚部62の先端部62bには、ソケット14の後述する被係合部74と係合して互いに連結する係合部64が形成されている。係合部64は、脚部62の突出方向に対してほぼ直角方向の当接面64aを有し、当接面64aが各々外側方に開放されている。係合部64を形成した部分の樹脂の肉厚は、脚部62の基端部62aの第1弾性変形部63より薄肉で、弾性変形が相対的に容易に形成され、第2弾性変形部65を構成している。ここでの第1弾性変形部63、第2弾性変形部65も、上記実施形態と同様に、用途に応じて適宜撓み方向の弾性係数が設定される。プラグ12の基部16の端縁部には、連結されるベルト等の取付部である取付孔68が形成されている。
【0043】
ソケット14には、プラグ12の脚部62が挿入される収容部72が形成されている。ソケット14の両側面には、係合した状態でプラグ12の脚部62を中心方向へ押して弾性変形させる操作片76が、揺動可能に両側方に設けられている。操作片76は、各々外側に膨出した操作片76aと、操作片76aの内側表面から内側方向に突出して、係合しているプラグ12の係合部64の外側面に当接する押圧部76bとを備えている。
【0044】
ソケット14の収容部72内には、プラグ12の一対の係合部64と係合する一対の被係合部74が突設されている。被係合部74は、係合部64の当接面64aと対面して互いに係合する当接面74aを有し、互いの当接状態で接触面は、各脚部62の突出方向に対してほぼ90度に交わる面上に位置している。被係止部74の基端部には、脚部62の先端の傾斜面62cが当接するガイド部74bが形成されている。ソケット14の差込口72aとは反対側の端部である基部18には、ベルト等が挿通される取付部である取付孔78が形成されている。
【0045】
次に、この発明の第三実施形態のバックル60の使用方法と機能について述べる。まず、プラグ12とソケット14を連結する場合は、プラグ12の脚部62をソケット14の差込口72aから収容部72に挿入する。挿入により脚部62の先端部62bの傾斜面62cが、被係止部74のガイド部74bに当接し、押し込みに伴って一旦内側方向に脚部62の第1弾性変形部63が弾性変形し、一対の係合部64が一対の被係合部74の内側を通過する。そして、係合部64の当接面64aが被係合部74の当接面74aを通過すると、脚部62の弾性変形が復帰して、脚部62が各々元の位置に戻る。これにより、当接面64a,74aが互いに対面する。
【0046】
次に、プラグ12とソケット14の連結を解除する場合、ソケット14の両側面の操作片76を両側から内側へ押圧することにより、プラグ12の第1弾性変形部63が弾性変形して、係合部64が互いに近づくように内側に移動する。これにより、係合部64の当接面64aが被係合部74の当接面74aから離れ、プラグ12をソケット14から引き抜くことができる。
【0047】
次に、この実施形態のバックル60により連結された紐体等の連結部材に何らかの外部からの張力がかかった場合の動作について説明する。バックル60のプラグ12とソケット14を互いに引き離す方向の力Fが加わった場合、その力Fは、係合部64の当接面64aが被係合部74の当接面74aに作用する。当接面64a,74aに作用する力Fは、上記実施形態と同様に、第2弾性変形部65には、作用する力FによるモーメントM=Fd(d:力の作用点のずれ幅)が働く。このモーメントMにより、第2弾性変形部65は徐々に先端部62bが内側に回動するように弾性変形する。これにより、当接面64aの法線と力Fの方向とのなす角度θが、力の方向に対して0度よりも徐々に大きくなる。そして、当接面64aと平行な方向に作用する滑り力F1(F1=Fsinθ)が、静止摩擦力であるμFcosθ(μ:静止摩擦係数)を超えると(F1>μFcosθ)、当接面64aが滑り出し、係合部64と被係合部74の連結が解除される。
【0048】
以上より、この実施形態のバックル60が外部からの力により係合が解除される条件は、第2弾性変形部65の弾性係数によることになり、この部分の厚みや太さ等を適宜設定して、所望の力で係合が解除可能に設計することができる。この実施形態においても、上記実施形態と同様に、一定以上の比較的強い力でのみ係合が外れるような構造も可能である。
【0049】
次に、この発明の連結具の第四実施形態の係止具について、
図14〜
図18に基づいて説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の係止具80は、上記実施形態のバックルと同様に用いられるもので、図示しないバッグ類等のベルトや紐体等の部材の端に取り付けられて用いられる。
【0050】
このプラグ12は、
図14,
図16に示すように、その基部16から平板状に突出した突出部である舌状片81が設けられ、舌状片81の内側に、舌状片81の先端部81aから見てU字状に貫通溝81bが形成されている。貫通溝81bで囲まれた部分が、係合舌片82を構成している。プラグ12の基部16の端縁部には、連結されるベルト等の取付部である取付孔88が形成されている。
【0051】
係合舌片82の基端部82aの裏面側には、弾性変形を相対的に容易にした薄肉部である第1弾性変形部83が形成されている。係合舌片82の先端部82bには、ソケット14の後述する被係合部94と係合して互いに連結する係合部84が形成されている。係合部84は、係合舌片82の突出方向に対してほぼ直角方向の当接面84aを有し、当接面84aは、上方に開放されている。係合舌片82の先端部82bの係合部84の先端側上面には、先端側に向かうに従い裏面に近づくような傾斜面82cが形成されている。係合舌片82の係合部84を形成した部分に接する係合舌片82には、透孔82dが形成され、透孔82dの側方の裏面側には、弾性変形が相対的に容易にした薄肉部である第2弾性変形部85が構成されている。ここでの第1弾性変形部83、第2弾性変形部85も、上記実施形態と同様に、用途に応じて適宜撓み方向の弾性係数が設定される。
【0052】
ソケット14には、
図17,
図18に示すように、プラグ12の係合舌片82が挿入される収容部92が形成されている。ソケット14の表面側には、連結状態で、係合した状態でプラグ12の係合舌片82を中心方向へ押して弾性変形させる操作片96が、内外方向に揺動可能に設けられている。ソケット14の収容部92内には、プラグ12の係合部84と係合する被係合部94が表面側内面に設けられている。被係合部94は、係合部84の当接面84aと対面して互いに係合する当接面94aを有し、互いの当接状態で接触面は、係合舌片82の突出方向に対してほぼ90度で交わる面上に位置している。収容部92の差込口92a付近には、プラグ12の挿入時にプラグ12の係合舌片82を裏面方向へ押して弾性変形させるガイド部94bが、被係止部94に設けられている。さらに、ソケット14の差込口92aとは反対側の端部である基部18には、ベルト等が挿通される取付部である取付孔98が形成されている。
【0053】
次に、この発明の第四実施形態の係止具80の使用方法と機能について述べる。まず、プラグ12とソケット14を連結する場合は、プラグ12の係合舌片82をソケット14の差込口92aから収容部92に挿入する。挿入により係合舌片82の先端部82bの傾斜面82cが、被係止部94のガイド部94bに当接し、押し込みに伴って一旦裏面方向に係合舌片82の第1弾性変形部83が弾性変形し、係合部84が被係合部94の下方を通過する。そして、係合部84の当接面84aが被係合部94の当接面94aを通過すると、係合舌片82の弾性変形が復帰して、係合舌片82が各々外側の元の位置に戻る。これにより、当接面84a,94aが互いに対面する。
【0054】
次に、プラグ12とソケット14の連結を解除する場合、ソケット14の表面側の操作片96を内側へ押圧することにより、プラグ12の第1弾性変形部83が弾性変形して、係合部84が互いに近づくように内側に移動する。これにより、係合部84の当接面84aが被係合部94の当接面94aから離れ、プラグ12をソケット14から引き抜くことができる。
【0055】
次に、この実施形態のバックル80により連結された紐体等の連結部材に何らかの外部からの張力がかかった場合の動作について説明する。バックル80のプラグ12とソケット14を互いに引き離す方向の力Fが加わった場合、その力Fは、係合部84の当接面84aが被係合部94の当接面94aに作用する。当接面84a,94aに作用する力Fは、上記実施形態と同様に、第2弾性変形部85に作用する力FによるモーメントM=Fd(d:力の作用点のずれ幅)が働く。このモーメントMにより、第2弾性変形部85は徐々に先端部82bが下側に回動するように弾性変形する。これにより、当接面84aの法線と力Fの方向とのなす角度θは、力Fの方向に対して0度よりも徐々に大きくなる。そして、当接面84aと平行な方向に作用する滑り力F1(F1=Fsinθ)が、静止摩擦力であるμFcosθ(μ:静止摩擦係数)を超えると(F1>μFcosθ)、当接面84aが滑り出し、係合部84と被係合部94の連結が解除される。
【0056】
以上より、この実施形態の係止具80が外部からの力により係合が解除される条件は、第2弾性変形部85の弾性係数によることになり、この部分の厚みや太さ等を適宜設定して、所望の力で係合が解除可能に設計することができる。この実施形態においても、上記実施形態と同様に、一定以上の比較的強い力でのみ係合が外れるような構造も可能である。
【0057】
次に、この発明の連結具の第五実施形態の係止具について、
図19、
図20に基づいて説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の係止具100は、図示しないバッグ類等の開閉部材の部材の端に取り付けられて用いられる。
【0058】
このプラグ12は、
図19、
図20に示すように、その基部16から環状に突出した舌状片101が設けられ、舌状片101の内側に、円板状に突出した突出部である係合舌片102が設けられている。係合舌片102は、表面側が操作片106として設けられ、係合舌片102の舌状片101との連結部付近は、端縁側に向かうに従い裏面に近づくような傾斜面102cが形成されている。係合舌片102は、環状の舌状片101の先端部101a側で連結され、基部16側に折り返されて延びている。係合舌片102の舌状片101との連結部分は、上述する係合部104の係合及び係合解除動作のための揺動を行う第1弾性変形部103を構成している。係合舌片102は、舌状片101に対して、通常は係合部104側が上方に傾斜して位置し、ソケット14に嵌合した状態で、係合舌片102が舌状片101に近づいた位置に弾性的に押圧される。
【0059】
係合舌片102の先端縁部には、ソケット14の後述する被係合部114と係合して互いに連結する係合部104が形成されている。係合部104は、係合舌片102の突出方向に対してほぼ直角方向の当接面104aを有し、当接面104aは、上方に開放されている。係合舌片102には、弾性変形を相対的に容易にするための透孔102dが形成され、透孔102dが形成されて幅の狭くなった係合舌片102の先端縁部が第2弾性変形部105を構成している。ここで、第1弾性変形部103、第2弾性変形部105も、上記実施形態と同様に、用途に応じて適宜撓み方向の弾性係数が設定される。
【0060】
ソケット14には、
図19,
図20に示すように、プラグ12の係合舌片102が挿入される収容部112が形成されている。収容部112内には、プラグ12の係合部104と係合する被係合部114が、表面側内面に設けられている。被係合部114は、係合部104の当接面104aと対面して互いに係合する当接面114aを有し、互いの当接状態で接触面は、係合舌片102の突出方向に対してほぼ90度で交わる面上に位置している。収容部112の差込口112a付近には、プラグ12の挿入時にプラグ12の係合舌片102を裏面方向へ押して第1弾性変形部103を弾性変形させる被係止部114の基端部114bが設けられている。
【0061】
この実施形態のプラグ12とソケット14の裏面には、互いに連結される各部材の所定に位置に取り付けるための取付部である複数の取付突起107,115が各々一体に設けられ、取り付けられる部材の裏面側から挿入されるビス等により固定される。
【0062】
次に、この発明の第五実施形態の係止具100の使用方法と機能について述べる。まず、プラグ12とソケット14を連結する場合は、プラグ12の係合舌片102をソケット14の差込口112aから収容部112に挿入する。挿入により係合舌片102の先端部102bの傾斜面102cが、被係止部114の基端部114bに当接し、押し込みに伴って一旦裏面方向に係合舌片102の第1弾性変形部103が弾性変形し、係合部104が被係合部114の下方を通過する。そして、係合部104の当接面104aが被係合部114の当接面114aを通過すると、係合舌片102の弾性変形が復帰して、係合舌片102が各々外側の元の位置に戻る。これにより、当接面104a,114aが互いに対面する。
【0063】
次に、プラグ12とソケット14の連結を解除する場合、プラグ12の表面側の操作片106を内側へ押圧することにより、プラグ12の第1弾性変形部103が弾性変形して内側に移動する。これにより、係合部104の当接面104aが被係合部114の当接面114aから離れ、プラグ12をソケット14から引き抜くことができる。
【0064】
次に、この実施形態の係止具100により連結され部材に何らかの外部からの張力がかかった場合の動作について説明する。係止具100のプラグ12とソケット14を互いに引き離す方向の力Fが加わった場合、その力Fは、係合部104の当接面104aが被係合部114の当接面114aに作用する。当接面104a,114aに作用する力Fは、上記実施形態と同様に、第2弾性変形部105に作用する力FによるモーメントM=Fd(d:力の作用点のずれ幅)が働く。このモーメントMにより、第2弾性変形部105は徐々に
図20において反時計回りに回動するように弾性変形する。これにより、当接面104aの法線と力Fの方向とのなす角度θは、力Fの方向に対して0度よりも徐々に大きくなる。そして、当接面104aと平行な方向に作用する滑り力F1(F1=Fsinθ)が、静止摩擦力であるμFcosθ(μ:静止摩擦係数)を超えると(F1>μFcosθ)、当接面104aが滑り出し、係合部104と被係合部114の連結が解除される。
【0065】
以上より、この実施形態の係止具100が外部からの力により係合が解除される条件は、第2弾性変形部105の弾性係数によることになり、この部分の厚みや太さ等を適宜設定して、所望の力で係合が解除可能に設計することができる。この実施形態においても、上記実施形態と同様に、一定以上の比較的強い力でのみ係合が外れるような構造も可能である。
【0066】
なお、この発明の連結具は、上記各実施形態に限定されるものではなく、材料は、樹脂以外に金属や樹脂と金属の複合材料でも良い。第1弾性変形部、第2弾性変形部の弾性係数は、厚みや太さ、断面形状等により任意に設定可能である。また、操作片や連結される部材も適宜選択可能なものである。