特許第5976852号(P5976852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5976852マルチパストランスポートを使用した協調帯域幅アグリゲーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976852
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】マルチパストランスポートを使用した協調帯域幅アグリゲーション
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/00 20090101AFI20160817BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20160817BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20160817BHJP
   H04W 40/02 20090101ALI20160817BHJP
【FI】
   H04W4/00 110
   H04W88/06
   H04W72/12 110
   H04W40/02
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2015-5163(P2015-5163)
(22)【出願日】2015年1月14日
(62)【分割の表示】特願2013-503919(P2013-503919)の分割
【原出願日】2011年4月6日
(65)【公開番号】特開2015-111879(P2015-111879A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】12/957,801
(32)【優先日】2010年12月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/321,201
(32)【優先日】2010年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】ディリップ・クリシュナスワミー
(72)【発明者】
【氏名】サミア・エス.・ソリマン
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサ・アール.・エラベッリ
【審査官】 深津 始
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/078633(WO,A1)
【文献】 特開2009−296084(JP,A)
【文献】 特開2009−278162(JP,A)
【文献】 Yi Li, Yin Zhang, LiLi Qiu, Simon Lam,"SmartTunnel: A Multipath Approach to Achieving Reliability in the Internet",Department of Computer Sciences, University of Texas at Austin,2006年 7月31日,p.1-13,Internet Article:URL:ftp://ftp.cs.utexas.edu/pub/techreports/tr06-38.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 −H04B 7/26
H04W 4/00 −H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信の方法であって、
性能パラメータおよび経路パラメータに基づいて複数のMPTP経路を選択することと、
前記選択された複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することと、
前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信することと、ここにおいて、前記送信することは、ラウンドトリップ時間(RTT)に基づく経路に渡る遅延差に基づいて、パケットが受信アグリゲーションエンドポイントにおいて時間的により近接して到着するように、より遅い経路上での早期データ送信またはより速い経路上での遅延送信を送信アグリゲーションエンドポイントにおいて実行することを含む、
前記選択された複数の経路の各々に複数アンテナ干渉消去(MAIC)を適用することを備え、
前記リンクを前記確立することは、前記適用されたMAICに基づいて前記リンクを確立することをさらに備える、ワイヤレス通信の方法。
【請求項2】
記性能パラメータは、
アプリケーションの帯域幅使用、
パケット伝送遅延制約、
現在のTCP輻輳ウィンドウ推定値、または
プロアクティブリンク性能情報
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1の方法。
【請求項3】
記経路パラメータは、
経路スペクトル効率
リンク品質、
リンク利用ファクタ、
チャネル帯域幅、
利用可能なデータ帯域幅および遅延、
ネットワークプライシング、
エネルギー、
動的ネットワーク負荷、または
経路利用コスト
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1の方法。
【請求項4】
前記選択することは、デバイスがアイドル状態にある期間中または少ない量の帯域幅を使用している時間中に、ネットワーク輻輳を低減するために、未使用の経路を解放することをさらに備える、請求項1の方法。
【請求項5】
前記確立することは、第1の通信方向のために前記複数の経路のうちの第1の経路を使用することをさらに備える、請求項1の方法。
【請求項6】
前記確立することは、第2の通信方向のために前記複数の経路のうちの第2の経路を使用することをさらに備え、前記第2の通信方向は前記第1の通信方向とは異なる、請求項5の方法。
【請求項7】
ワイヤレス通信の方法であって、
性能パラメータおよび経路パラメータに基づいて複数のMPTP経路を選択することと、
前記選択された複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することと、
前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信することと、ここにおいて、前記送信することは、ラウンドトリップ時間(RTT)に基づく経路に渡る遅延差に基づいて、パケットが受信アグリゲーションエンドポイントにおいて時間的により近接して到着するように、より遅い経路上での早期データ送信またはより速い経路上での遅延送信を送信アグリゲーションエンドポイントにおいて実行することを含む、
前記選択された複数の経路の各々に複数アンテナ干渉消去(MAIC)を適用することを備え、
前記リンクを確立することは、前記適用されたMAICに基づいて前記リンクを確立することをさらに備え、
前記使用することは、前記各経路に有効な帯域幅に関する情報と、ラウンドトリップ時間(RTT)測定値に基づいた前記各経路の有効な遅延に関する情報とに基づいて、トラフィックフローを最適化することをさらに備える、ワイヤレス通信の方法。
【請求項8】
ワイヤレス通信の方法であって、
性能パラメータおよび経路パラメータに基づいて複数のMPTP経路を選択することと、
前記選択された複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することと、
前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信することと、ここにおいて、前記送信することは、ラウンドトリップ時間(RTT)に基づく経路に渡る遅延差に基づいて、パケットが受信アグリゲーションエンドポイントにおいて時間的により近接して到着するように、より遅い経路上での早期データ送信またはより速い経路上での遅延送信を送信アグリゲーションエンドポイントにおいて実行することを含む、
前記選択された複数の経路の各々に複数アンテナ干渉消去(MAIC)を適用することを備え、
前記リンクを確立することは、前記適用されたMAICに基づいて前記リンクを確立することをさらに備え、
前記方法は、前記確立されたリンク上で第2のパケットを送信することをさらに備え、ここにおいて、前記第2のパケットを送信することは、第1のMPTP経路よりも早い第2の経路上でスケジュール時間よりも後に前記第2のパケットを送信することを含む、ワイヤレス通信の方法。
【請求項9】
ワイヤレス通信のための装置であって、
性能パラメータおよび経路パラメータに基づいて複数のMPTP経路を選択する手段と、
前記選択された複数のMPTP経路を使用してリンクを確立する手段と、
前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信する手段と、ここにおいて、送信する前記手段は、ラウンドトリップ時間(RTT)に基づく経路に渡る遅延差に基づいて、パケットが受信アグリゲーションエンドポイントにおいて時間的により近接して到着するように、より遅い経路上での早期データ送信またはより速い経路上での遅延送信を送信アグリゲーションエンドポイントにおいて実行する手段を含む、
前記選択された複数の経路の各々に複数アンテナ干渉消去(MAIC)を適用する手段とを備え、
前記リンクを確立する前記手段は、前記適用されたMAICに基づいて前記リンクを確立する手段をさらに備える、ワイヤレス通信のための装置。
【請求項10】
記性能パラメータは、
アプリケーションの帯域幅使用、
パケット伝送遅延制約、
現在のTCP輻輳ウィンドウ推定値、または
プロアクティブリンク性能情報
のうちの少なくとも1つを備える、請求項9の装置。
【請求項11】
記経路パラメータは、
経路スペクトル効率
リンク品質、
リンク利用ファクタ、
チャネル帯域幅、
利用可能なデータ帯域幅および遅延、
ネットワークプライシング、
エネルギー、
動的ネットワーク負荷、または
経路利用コスト
のうちの少なくとも1つを備える、請求項9の装置。
【請求項12】
選択する前記手段は、デバイスがアイドル状態にある期間中または少ない量の帯域幅を使用している時間中に、ネットワーク輻輳を低減するために、未使用の経路を解放する手段をさらに備える、請求項9の装置。
【請求項13】
確立する前記手段は、第1の通信方向のために前記複数の経路のうちの第1の経路を使用する手段をさらに備える、請求項9の装置。
【請求項14】
確立する前記手段は、第2の通信方向のために前記複数の経路のうちの第2の経路を使用する手段をさらに備え、前記第2の通信方向は前記第1の通信方向とは異なる、請求項13の装置。
【請求項15】
ワイヤレス通信のための装置であって、
性能パラメータおよび経路パラメータに基づいて複数のMPTP経路を選択する手段と、
前記選択された複数のMPTP経路を使用してリンクを確立する手段と、
前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信する手段とを備え、
送信する前記手段は、ラウンドトリップ時間(RTT)に基づく経路に渡る遅延差に基づいて、パケットが受信アグリゲーションエンドポイントにおいて時間的により近接して到着するように、より遅い経路上での早期データ送信またはより速い経路上での遅延送信を送信アグリゲーションエンドポイントにおいて実行する手段を含む、
使用する前記手段は、前記各経路に有効な帯域幅に関する情報と、ラウンドトリップ時間(RTT)測定値に基づいた前記各経路の有効な遅延に関する情報とに基づいて、トラフィックフローを最適化する手段をさらに備える、ワイヤレス通信のための装置。
【請求項16】
ワイヤレス通信のための装置であって、
性能パラメータおよび経路パラメータに基づいて複数のMPTP経路を選択する手段と、
前記選択された複数のMPTP経路を使用してリンクを確立する手段と、
前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信する手段とを備え、
送信する前記手段は、ラウンドトリップ時間(RTT)に基づく経路に渡る遅延差に基づいて、パケットが受信アグリゲーションエンドポイントにおいて時間的により近接して到着するように、より遅い経路上での早期データ送信またはより速い経路上での遅延送信を送信アグリゲーションエンドポイントにおいて実行する手段を含む、
前記装置は、前記確立されたリンク上で第2のパケットを送信する手段をさらに備え、ここにおいて、送信する前記手段は、前記第2のパケットを送信する手段をさらに備え、ここにおいて、前記第2のパケットを送信する手段は、前記第1のパケットを送信する手段よりも早い第2の経路上でスケジュール時間よりも後に前記第2のパケットを送信する、ワイヤレス通信のための装置。
【請求項17】
請求項1乃至8の1つに従う方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項18】
請求項1乃至8の1つに従う方法をコンピュータに実行させるプログラムを記憶するコンピュータ読取可能記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる、2010年4月6日に出願された「マルチパストランスポートを使用した協調帯域幅アグリゲーション」と題する米国仮特許出願第61/321,201号の利益を主張する。
【背景】
【0002】
分野
以下の説明は、一般に、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、マルチパストランスポートプロトコルを使用した協調帯域幅アグリゲーションのための方法に関する。
【0003】
背景
マルチパストランスポートプロトコル(MPTP:MultiPath Transport Protocol)は、インターネット上のソースと宛先との間のトランスポートレイヤにおいて管理されるべき複数のサブフローまたはストリームのサポートを可能にする。MPTPの例には、マルチパス伝送制御プロトコル(TCP)およびストリーム制御伝送プロトコル(SCTP: Stream Control Transmission Protocol)がある。特に、マルチパス伝送制御プロトコル(MPTCP:MultiPath Transmission Control Protocol)は、経路にわたって性能をアグリゲート(集積)するためにソースと宛先との間のインターネット上で複数の経路を利用するために提案されている。マルチパスTCPは、マルチパスTCP対応ソフトウェアスタックを実装するためにソースノードと宛先ノードの両方を必要とする。インターネット上の多くのアプリケーションサーバは、レガシーTCPスタックを持ち得る。クライアントのTCPスタックをマルチパスTCP対応に変更することもできるが、アプリケーションサーバはマルチパスTCP能力を持たない場合がある。
【0004】
ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)クライアントノードは、同時に複数のワイヤレスキャリアを利用することが可能であり得る。WWANクライアントノードは、キャリアにわたって同じワイヤレス技術または異なるワイヤレス技術をサポートするプロトコルスタックを用いて異なるワイヤレスキャリアにアクセスするために複数のモデムを持つことができる。しかしながら、複数のキャリアを使用するとき、複数のキャリアにわたる差分(differential)帯域幅と複数のキャリア間のキャリア間スキューとが著しくなり得る。そのようなキャリア間スキューは、一般に、20msから200msまでの範囲にわたって変動することがある。このスキューは、WWANインフラストラクチャ中でトラフィックが分割される場所に応じて変動する。たとえば、複数のキャリアにわたるトラフィックがeノードBにおいて分割され、そのようなeノードBが、両方ともLong
Term Evolution(LTE)をサポートする複数のキャリアをサービスする場合、スキューはローカルであるので、スキューの変動は小さくなり得る。LTEにおけるeノードB間で1つまたは複数の経路についてトンネリングが必要とされる場合があり、それによりこれらの経路にわたってスキューが増加することがある。複数の経路にわたる差分帯域幅は、一般に複数のWWAN経路にわたって数十〜数百kbps程度変動することがある。さらに、たとえば、WCDMA(登録商標)/UMTS/LTEネットワーク中で異なるノードBをサービスするか、またはCDMA2000ネットワーク中で異なるBTSをサービスするRadio Network Controller(RNC)においてトラフィックが分割され、各々が、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)/UMTSまたは高速パケットアクセス(HSPA)に対して異なるキャリアをサポートする場合、差分帯域幅の追加の変動があり得、複数の経路にわたってスキューが発生することがある。さらに、トラフィックは、RNCおよび/またはeノードBおよび/またはBNCを最終的にサービスするインフラストラクチャ中のより上位のノードにおいてRNC間および/またはeノードB間で分割され得る。
【0005】
WWANクライアントのための単一のアプリケーションフローが複数のキャリアを利用するとき、複数の経路にわたる差分帯域幅およびスキューは、TCP性能に影響を及ぼし得る。そのような場合、マルチパスTCPは、スキューを最適化するために有用であることになる。しかしながら、TCP接続の他のエンドポイントのための、インターネット上のアプリケーションサーバは、マルチパスTCP対応でないことがある。
【概要】
【0006】
以下で、1つまたは複数の態様の基本的理解を与えるために、そのような態様の簡略化された概要を提示する。この概要は、すべての企図された態様の包括的な概観ではなく、すべての態様の主要または重要な要素を識別するものでも、いずれかまたはすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後で提示するより詳細な説明の導入として、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0007】
本開示の一態様では、ワイヤレス通信の方法は、第1のIPアドレスを使用して第1のMPTP経路を通してサーバと通信することと、第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通してサーバと通信することであって、第2のMPTP経路を通したサーバとの通信が、第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことと、ピアツーピア通信を通してワイヤレスノードと通信することとを含む。
【0008】
本開示の一態様では、ワイヤレス通信の方法は、MPTPトンネリングサーバとのMPTPセッションを要求することを含む。さらに、本方法は、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバと通信することであって、トンネルが1つまたは複数のMPTP経路を備え、MPTP経路の各々が通信のためのキャリアに対応する、ことを含む。
【0009】
本開示の一態様では、ワイヤレス通信の方法は、1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択することと、選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することとを含む。
【0010】
さらに別の態様は装置に関する。本装置は、第1のIPアドレスを使用して第1のMPTP経路を通してサーバと通信する手段と、第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通してサーバと通信する手段であって、第2のMPTP経路を通したサーバとの通信が、第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、手段と、ピアツーピア通信を通してワイヤレスノードと通信する手段とを含むことができる。
【0011】
さらに別の態様は別の装置に関する。本装置は、MPTPトンネリングサーバとのMPTPセッションを要求する手段を含むことができる。さらに、本装置は、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバと通信する手段であって、トンネルが1つまたは複数のMPTP経路を備え、MPTP経路の各々が通信のためのキャリアに対応する、手段を含む。
【0012】
さらに別の態様は装置に関する。本装置は、1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択する手段と、選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立する手段とを含むことができる。
【0013】
さらに別の態様は、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品に関する。本コンピュータ可読媒体は、第1のIPアドレスを使用して第1のMPTP経路を通してサーバと通信することと、第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通してサーバと通信することであって、第2のMPTP経路を通したサーバとの通信が、第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことと、ピアツーピア通信を通してワイヤレスノードと通信することとを行うためのコードを含むことができる。
【0014】
さらに別の態様は、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品に関する。本コンピュータ可読媒体は、MPTPトンネリングサーバとのMPTPセッションを要求することと、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバと通信することであって、トンネルが1つまたは複数のMPTP経路を備え、MPTP経路の各々が通信のためのキャリアに対応する、こととを行うためのコードを含むことができる。
【0015】
さらに別の態様は、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品に関する。本コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択することと、選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することとを行うためのコードを含むことができる。
【0016】
別の態様は、ワイヤレス通信のための装置に関する。本装置はまた、第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して第1のMPTP経路を通してサーバと通信することと、第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通してサーバと通信することであって、第2のMPTP経路を通したサーバとの通信が、第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことと、ピアツーピア通信を通してワイヤレスノードと通信することとを行うように構成された処理システムを含み得る。
【0017】
別の態様は、ワイヤレス通信のための装置に関する。本装置はまた、MPTPトンネリングサーバとのMPTPセッションを要求することと、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバと通信することであって、トンネルが1つまたは複数のMPTP経路を備え、MPTP経路の各々が通信のためのキャリアに対応する、こととを行うように構成された処理システムを含み得る。
【0018】
別の態様は、ワイヤレス通信のための装置に関する。本装置はまた、1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択することと、選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することとを行うように構成された処理システムを含み得る。
【0019】
上記および関連する目的を達成するために、1つまたは複数の態様は、以下で十分に説明し、特に特許請求の範囲で指摘する特徴を備える。以下の説明および添付の図面に、1つまたは複数の態様のうちのいくつかの例示的な特徴を詳細に記載する。ただし、これらの特徴は、様々な態様の原理が採用され得る様々な方法のほんのいくつかを示すものであり、この説明は、すべてのそのような態様およびそれらの均等物を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、例示的な装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、マルチパストランスポートトンネリングサービスを示すブロック図である。
図3図3は、マルチパスTCPを使用したWWANキャリアにわたるトンネリングサービスを示すブロック図である。
図4図4は、キャリア間スキューおよびフロー管理のための経路協調および経路管理オーバーレイのサポートを示すブロック図である。
図5図5は、協調マルチパストランスポートを示すブロック図である。
図6図6は、協調マルチパスTCPを示すブロック図である。
図7図7は、キャリア間スキューおよびフロー管理のための経路協調および経路管理オーバーレイのサポートを示す別のブロック図である。
図8図8は、協調マルチパスTCPのコールフロー図である。
図9図9は、協調マルチパストランスポートを示す別のブロック図である。
図10図10は、UEがWWANクライアントノードとして働くように動作可能であり得るマルチパストランスポートトンネリングサービスを示すブロック図である。
図11図11は、ユーザ機器がWWANクライアントノードとして働くように動作可能であり得る協調マルチパストランスポートを示すブロック図である。
図12図12は、UEがWWANクライアントノードとして働くように動作可能であり得る協調マルチパストランスポートを示す別のブロック図である。
図13図13は、モデム間協調を用いるマルチパストランスポートトンネリングサービスを示すブロック図である。
図14図14は、モデム間協調を用いるマルチパストランスポートトンネリングサービスを示す別のブロック図である。
図15図15は、例示的なパケットフローを示すブロック図である。
図16図16は、例示的な方法のフローチャートである。
図17図17は、例示的な装置の機能を示す概念ブロック図である。
図18図18は、別の例示的な方法のフローチャートである。
図19図19は、例示的な装置の機能を示す概念ブロック図である。
図20図20は、さらに別の例示的な方法のフローチャートである。
図21図21は、例示的な装置の機能を示す概念ブロック図である。
【詳細な説明】
【0021】
添付の図面を参照しながら新規のシステム、装置および方法の様々な態様について以下でより十分に説明する。ただし、本開示の教示は、多くの異なる形態で実施され得、本開示全体にわたって提示する任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために与えるものである。本明細書の教示に基づいて、本開示の範囲は、本発明の他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本開示の他の態様と組み合わせて実装されるにせよ、本明細書で開示する新規のシステム、装置および方法のいかなる態様をもカバーするものであることを、当業者なら諒解されたい。たとえば、本明細書に記載の態様をいくつ使用しても、装置を実装し得、または方法を実施し得る。さらに、本発明の範囲は、本明細書に記載の本発明の様々な態様に加えてまたはそれらの態様以外に、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施されるそのような装置またはそのような方法をカバーするものとする。本明細書で開示する任意の態様が請求項の1つまたは複数の要素によって実施され得ることを理解されたい。
【0022】
本発明の様々な態様を組み込むことに好適な装置の例には、限定はしないが、ワイヤレスネットワーク中で動作することが可能なユーザ機器(UE)、WWANクライアントなどがある。UEは、ワイヤレス端末、モバイルフォン、ユーザ端末、移動局、モバイルデバイス、加入者局、ワイヤレスデバイス、ワイヤレスノード、端末、アクセス端末、ノード、ハンドヘルドデバイス、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることがある。本開示全体にわたって説明する様々な概念は、装置の固有の名称にかかわらず、すべての好適な装置に当てはまるものである。
【0023】
概して、一態様では、協調するWWANモデムにわたる同時帯域幅アグリゲーションが行われ得、これらの協調するモデムは、1つのモバイルプラットフォーム上に、または互いのワイヤード近傍またはワイヤレス近傍内にある複数のモバイルプラットフォーム上に常駐することができる。WWAN技術の例には、限定はしないが、LTE(Long Term Evolution)、高速パケットアクセス(HSPA)およびそれの発展形、CDMA2000−DORevA/B、Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX)、UMTS、GPRS/EDGE、ホワイトスペースベースのWWANがある。WWANモデムの各々は、WWANネットワークにアクセスすることができ、したがって、モバイルプラットフォームは、それに利用可能なWWANモデムの各々を使用して帯域幅をアグリゲートすることができる。ユーザに関連する利用可能なモデムは、1つのデバイス上に常駐する場合がある。追加のモデムは複数のデバイス上に存在する場合があり、これらのデバイスは互いのワイヤード近傍またはワイヤレス近傍内の入ったときに動的に関連付けるとしてもよい。さらに、そのような複数のデバイスは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンクを介して互いに協調する場合がある(たとえば、トラフィックのマージまたは分割がこれらのデバイスのうちの1つの上で実行される場合がある)。一態様では、利用可能なモデムは、WWAN技術の利用可能性および性能および価格設定ならびにリンク状態などに関する情報を交換するために互いに協調し、次いで、使用すべき適切なWWANを選択することができる。WWANで利用可能な性能は、ネットワーク中のユーザ数に基づいて変動し得る。概して、WWANは、セルスペクトル効率λを有することができ、λは、0.8から1.65bps/Hzまで変動し得る。シグナリングによるネットワーク上の輻輳は、スペクトル効率を低減することがある。さらに、その場合、低減は、「ツイッター非効率ファクタ」と呼ばれる小部分ηによって指定される。ηは、負荷がかけられたネットワークでは0.4または40%になり得ることが考えられる。その場合、真のデータ送信のためのシステム中の有効な動的に利用可能なスペクトル効率は、ηλによって与えられる。さらに、チャネル帯域幅Wおよびアクティブデータユーザ数Nを仮定した場合、ネットワーク中のアクティブデータユーザの平均利用可能性能は、ηλW/Nによって与えられる。ηは定数ではなく、システム中の接続ユーザ数Mに応じて変動し、MはNよりもはるかに大きいことが予想されることに留意されたい。各接続ユーザがシステム中でδbpsを効果的に利用する場合(δは、帯域幅ではなく、輻輳によりシステム中で失われる時間に関する有効負荷であることに留意されたい)、M人の接続ユーザは、Mδbpsのリソースを効果的に利用する。利用可能な全スペクトル性能はλWである。したがって、一態様では、ηは、η=(1−Mδ/λW)によって与えられる。一例では、λ=1bps/Hz、W=5MHz、δ=25kbps、およびM=100のシステムの場合、η=0.5であり、WWAN Sは、5つ組(η,λ,W,N,M)によって決定される状態を有し得る。すべての他のファクタが固定であると仮定すると、WWAN中の平均ユーザスループットは、(1/N)として低下し(たとえば、WWAN中のアクティブデータユーザ数の逆数として低下し)、Tu(S)=ηλW/Nによって与えられる。ここで、コード、タイムスロット、および電力管理を含む、完全なリソース利用可能性を仮定すると、λは、WWANシステムの平均スペクトル効率である。ユーザ数が少ないとき、コード多重化利得またはマルチユーザダイバーシティ利得などの特徴が完全に利用されないことがある。しかしながら、セル/セクタ中にランダムに分散するユーザ数が増加するにつれて、システム中のスペクトル効率は、システムにおける平均期待値に収束し得る。
【0024】
別の例では、それぞれの状態が(η1,λ1,W1,N1,M1)および(η2,λ2,W2,N2,M2)にある2つのWWAN S1およびS2について考察する。上記で説明した式に基づいて、2つのWWANからのデータ経路を使用するときのユーザの予想平均ユーザスループットTu(S1,S2)は、Tu(S1,S2)=η1λ11/N1+η2λ22/N2によって与えられる。k個のWWAN S1、S2、...SKの場合、アグリゲート帯域幅は、Tu(S1、S2、...SK)=Σiηiλii/Niによって与えられる。したがって、モバイルプラットフォームは、様々なネットワーク/チャネルを使用してより高いスループットを取得することができる。より高いスループットはまた、同じチャネル上で2つのWWANモデムを使用するときに可能になり得る。そのような態様では、ユーザは、同じ基地局を用いて2つのWWANモデムをオンにし得る。基地局がすでに、N1個のモデムで負荷がかけられていることがあるので、比例公平スケジューリングを仮定すると、ネットワーク中のユーザの平均性能は、η1λ11/N1から2η1λ11/(N1+1)まで増加し得る。Tu(S1,S1)=2η1λ11/(N1+1)。負荷がかけられたネットワーク中でN1が大きいとき、すべての他のユーザにわずかに影響を及ぼすが、2つのWWANモデムを使用するユーザは、ただ1つのモデムを使用した場合に有することになるスループットのほぼ2倍のスループットを得ることができる(ここでの改善は(2/(N1+1))/(1/N1)=2/(1+1/N1)である)。そのような態様では、すべてのユーザが同じチャネル上で2つのモデムをオンにすると、(たとえば、システム中に2N1個のモデムがあり、ユーザごとに2つのモデムがワイヤレスチャネル中で利用可能な総リソースを共有しているので)2つのモデムを用いるユーザの平均性能は、1つのモデムを用いる各ユーザの平均性能に劣化することになることをさらに留意されたい。したがって、WWANにおいて利用可能な性能は、所与の時間にアクティブな接続ユーザ数に依存し得る。さらに、特定のユーザの性能はまた、基地局(たとえば、EノードB/ノードB/BTS)に対するユーザのロケーション、ユーザのロケーションおよびモビリティに基づいてユーザが受けるリンク状態、WWANモデムによって使用される変調およびコーディング方式などに依存し得る。
【0025】
概して、同時リンクアグリゲーションは、各無線アクセス技術(RAT)から利用可能な容量を利用し、次いで各RATから利用可能な容量をアグリゲートするために、異なるチャネル(潜在的に不連続)上で異なるRATを用いて遂行され得る。そのような同時リンクアグリゲーションはネットワークにわたって利用可能な性能の総和を与えるが、それはプラットフォーム上のエネルギー消費量を増加または減少させないことがある。たとえば、同様のデータリンク/技術であれば、2倍の電力が、ファイルまたは電子メール添付ファイルをダウンロードすることなどの所与の通信タスクのために消費され得るが、通信時間は半分に低減され、したがって、エネルギー消費量は、ただ1つのデータリンクを利用する場合とほぼ同じである。しかしながら、通信タスクは半分の時間で完了され得、プラットフォーム上での全体的な性能およびユーザエクスペリエンスはより良いものになる。
【0026】
さらに、複数のWWANモデムを使用した利用可能なWWAN経路にわたるアグリゲーションのためのマルチパスTCPは、(たとえば、スマートフォン、カーモデム、ラップトップ、タブレットなどの)1つのモバイルプラットフォーム上で、または(たとえば、スマートフォンとタブレット、タブレットとラップトップ、またはスマートフォンとタブレットとラップトップなど)複数のプラットフォームで使用され得る。
【0027】
一態様では、N個の経路の各々の輻輳ウィンドウCWiによって決定される差分帯域幅に基づいたマルチパスTCPベースの手法を使用して、トラフィックは、輻輳ウィンドウに比例する比率、たとえば、CW1:CW2:CW3:.......:CWNの比率に分割され得る。一態様では、より費用のかからない経路がより多く利用され得、その結果、価格設定考慮事項が経路にわたる比例配分にも影響を及ぼすことがある。
【0028】
さらに、一態様では、RTT(ラウンドトリップ時間:Round Trip Time)に基づく経路にわたる遅延差に基づいて、パケットが受信アグリゲーションエンドポイントにおいて時間的により近接して到着するように、より遅い経路上での早期データ送信またはより速い経路上での遅延送信が、送信アグリゲーションエンドポイントにおいて実行され、それによって、フロー管理を改善しながら受信クライアントにおけるバッファリング要件を低減し得る。
【0029】
またさらに、一態様では、UDPを使用した軽量オーバーレイが、クライアントとネットワークトンネリングアンカとの間で情報を交換するために使用され得る。これらのオーバーレイは、WWANモデムによって知覚される現在のWWAN状態および/またはリンク品質(使用されている現在の変調および符号化方式など)および/またはリンク利用率(ネットワーク上で利用される時間の小部分など)を交換することによって、WWANリンクの各々の品質に関する追加の動的情報を与え得る。そのような情報は、プロアクティブ適応が、クライアントにあるWWANモデムによって知覚される状態を変化させることを可能にするために、マルチパスTCP接続中の経路の予想性能の予想傾向を決定するのを支援するために使用され得る。さらに、経路は、マルチパスTCPセッション内で動的に追加または削除され得る。さらに、アプリケーションレイヤアグリゲーションの場合、マルチパスTCPセッションは、インターネット上でアプリケーションサーバを用いて直接セットアップされ得る。追加または代替として、オペレータのネットワーク中で、またはオペレータネットワークにわたってマルチパスTCPトンネリングアンカが示唆され得る。マルチパスTCPトンネルは、モバイルプラットフォームに関連する複数のWWANモデムを利用してより高い帯域幅を与えることができ、単にトンネルを使用するインターネット上のアプリケーションサーバへの変更を必要としないことがある。トンネルは、システム中での単一経路利用状態とマルチパス利用状態との間の遷移中に持続する。いくつかの態様では、帯域幅をアグリゲートするモバイルプラットフォームが、他のモバイルプラットフォームへのアクセスポイントとして働くとき、複数の経路にわたってアグリゲートされた帯域幅は、他のモバイルプラットフォームにも利用可能にされ得る。
【0030】
次に、図1を参照しながら、装置の様々な態様を提示する。図1は、装置のハードウェア構成を示す概念ブロック図である。装置100は、プロセッサ104と、プロセッサ104に結合された機械可読媒体(メモリ)108と、プロセッサ104に結合された1つまたは複数のモデム102と、プロセッサ104に結合されたトランシーバ106とを含む。プロセッサ104と機械可読媒体108は一緒に処理システム110と呼ばれることがある。しかしながら、処理システム110は、いくつかのプロセッサ104構成では、機械可読媒体108なしにプロセッサ104を含み得る。
【0031】
モデム102は、マルチパストランスポートを使用した帯域幅アグリゲーションのために協調する。すなわち、協調は、装置100内にあるか、あるいは装置100と装置100のワイヤレス近傍内の1つまたは複数のワイヤレスノードとの両方の内にある複数のモデムにわたって実装され得る。
【0032】
処理システム110は、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。1つまたは複数のプロセッサは、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、コントローラ、状態機械、ゲートロジック、個別ハードウェア構成要素、あるいは情報の計算または他の操作を実行することができる任意の他の好適なエンティティの任意の組合せを用いて実装され得る。
【0033】
処理システム110はまた、ソフトウェアを格納するための機械可読媒体108を含み得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などの名称にかかわらず、任意のタイプの命令を意味すると広く解釈されたい。命令は、(たとえば、ソースコード形式、バイナリコード形式、実行可能コード形式、または任意の他の好適なコード形式の)コードを含み得る。命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、以下で説明する様々な機能ならびに他のプロトコル処理機能を処理システム110に実行させる。
【0034】
機械可読媒体108は、プロセッサのうちの1つまたは複数に統合された記憶装置を含み得る。機械可読媒体108は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、DVD、または任意の他の好適な記憶デバイスなど、1つまたは複数のプロセッサの外部にある記憶装置をも含み得る。さらに、機械可読媒体108は、データ信号を符号化する伝送線路または搬送波を含み得る。当業者なら、どのようにしたら処理システムの説明した機能を最も良く実装することができるかを認識されよう。
【0035】
図2は、WWANキャリアにわたるトンネリングサービスを示すブロック図200である。アプリケーションサーバ208との通信を可能にするために、1つまたは複数のサポートインフラストラクチャ、たとえば、キャリアWWANサポートインフラストラクチャ1、2、...N(210、212、214)を通してWWANクライアント202とMPTPトンネリングサーバ204との間に、マルチパストランスポートプロトコル(MPTP)キャリア間トンネルが確立される。WWANクライアント202は、1つまたは複数のサポートインフラストラクチャ(210、212、214)を通してMPTPトンネリングサーバ204と同時に通信するための複数のモデム102を有する。クライアント202がインターネット/ネットワーク206に接続するとき、それのデータフローはトンネリングサーバ204を介して確立される。MPTPはマルチパスTCPまたはSCTPであり得る。
【0036】
図3は、マルチパスTCPを使用したWWANキャリアにわたるトンネリングサービスを示すブロック図300である。マルチパスTCPキャリア間トンネルは、WWANクライアント302とマルチパスTCPトンネリングサーバ304との間に確立される。一態様では、図10図11、および図12に関して説明するように、WWANクライアント302は、他のデバイス(たとえば、UE)のアドホックアクセスポイントとして働くように動作可能であり得る。そのような態様では、WWANクライアント302は、WWANクライアント302とマルチパスTCPトンネリングサーバ304との間の通信に使用されるものと同じTCPを使用して他のデバイスと通信し得る。別の態様では、WWANクライアント302は、ワイヤラインおよび/またはワイヤレスプロトコルに基づいて他のデバイスと通信し得る。
【0037】
クライアント302がインターネット/ネットワーク306に接続するとき、それのデータフローはトンネリングサーバ304を介して確立される。マルチパスTCPトンネリングサーバ304は、動的に割り振られることも、割り振られないこともあるClientVPN_Public_IPアドレスを与え、クライアント302は、インターネット/ネットワーク306上でアプリケーションサーバ308と通信するときに、このClientVPN_Public_IPアドレスをパケット中に含める。各キャリアを通る各経路について、クライアント302は、キャリアごとにWWANインフラストラクチャ310、312、314に異なるIPアドレスを要求することができる。たとえば、クライアント302が、N個のキャリアを使用することができる場合、クライアント302は、第1のキャリアのためにアドレスClientTunnelIP1を、第2のキャリアのためにアドレスClientTunnelIP2を、N番目のキャリアのためにアドレスClientTunnelIPNを受信する。トンネリングサーバ304は、MPTP接続のために相応してN個のIPアドレスTunnelServerIP1、TunnelServerIP2、...、TunnelServerIPNを与える。インターネット/ネットワーク306上のアプリケーションサーバ308は、それ自体のIPアドレスApplicationServer_IPを有することができる。
【0038】
レガシーTCPまたはユーザデータグラムプロトコル(UDP)セッションは、IPアドレスClientVPN_Public_IPとApplicationServer_IPとを使用してアプリケーションサーバ308とクライアント302との間に確立される。アプリケーションのためのTCPパケットは、クライアント302のためのIPアドレスClientTunnelIP1、ClientTunnelIP2、...、ClientTunnelIPNと、トンネリングサーバ304のためのIPアドレスTunnelServerIP1、TunnelServerIP2、...、TunnelServerIPNとを使用して確立されるマルチパスTCPトンネル上で搬送される。クライアント302を離れるパケットは、マルチパスTCPトンネルにラッピングされ、トンネリングサーバ304に配信される。トンネリングサーバ304は、パケットをアンラッピングし、IPアドレスApplicationServer_IP宛てのパケットを送る。アプリケーションサーバ308からのパケットは、トンネリングサーバ304の領域中で管理されるClientVPN_Public_IPアドレスに送られる。トンネリングサーバ304が、アプリケーションサーバ308からパケットを受信するとき、トンネリングサーバ304は、トンネリングサーバ304とクライアント302との間のマルチパスTCPトンネルにパケットをラッピングする。パケットがクライアント302に到着するとき、パケットは、クライアント302によってアンラッピングされ、その後、クライアント302上のアプリケーションのためのレガシーTCPまたはUDPエンドポイントに配信される。
【0039】
クライアント302は、マルチパスTCPレイヤ302DとサブフローTCP/IPレイヤ302Eを有し得、したがって、クライアント302は、アプリケーション302Aを介してレガシーTCP302B、302Cを通してマルチパスTCPを利用することができる。クライアント302は、トンネリングサーバ304に通信を送ることおよびそこから通信を受信することによってマルチパスTCPを利用する。そのような構成では、マルチパスTCPレイヤ302DはサブフローTCP/IPレイヤ302Eに通信を中継し、サブフローTCP/IPレイヤ302Eは、マルチパスTCP対応レイヤであり、それぞれ(L1、L2、L3に対応する)IPアドレスClientTunnelIP1、ClientTunnelIP2、...、ClientTunnelIPNの各々からIPアドレスTunnelServerIP1、TunnelServerIP2、...、TunnelServerIPNにおいてトンネリングサーバ304に通信を送る。サブフローTCP/IPレイヤ302Eは、トンネリングサーバ304から通信を受信し、その通信をマルチパスTCPレイヤ302Dに中継する。トンネリングサーバ304は同様に、マルチパスTCPレイヤ304AとサブフローTCP/IPレイヤ304Bとを有し得る。サブフローTCP/IPレイヤ302E、304Bは、各サブフローのための輻輳制御機構およびスロースタート機構を含めて、各サブフローを独立して管理する。マルチパスTCPレイヤ302D、304Aは、サブフローにわたってデータをマージ/分割する。
【0040】
図4は、キャリア間スキューおよびフロー管理のための経路協調および経路管理オーバーレイのサポートを示すブロック図400である。各WWANキャリアに関連する経路ごとに、トンネリングサーバ中では経路マネージャ406、408が生成され、被トンネリングクライアント中では経路マネージャ456、458が生成される。経路マネージャは、各キャリアの各サブフローの発見およびセットアップを可能にする。キャリア間経路コーディネータ404はトンネリングサーバ304において確立され、キャリア間経路コーディネータ454は被トンネリングクライアント302において確立される。キャリア間経路コーディネータ404、454は、各経路の性能を動的に分析し、次いで、利用可能な経路にわたるフローの分布を最適化する。ノード302とノード304との間でMPTPトンネル402、452を使用して経路の同時利用を最適化するために、キャリア間経路コーディネータ404、454と、被トンネリングクライアント302およびトンネリングサーバ304にある経路マネージャとの間で情報を交換するために、トンネリングサーバ304と被トンネリングクライアント302との間にアプリケーションレイヤオーバーレイが確立され得る。一態様では、図10図11、および図12に関して説明するように、トンネリングクライアント302は、他のデバイス(たとえば、UE)のアドホックアクセスポイントとして働くように動作可能であり得る。
【0041】
(各サブフローの輻輳ウィンドウサイズを使用することおよび/または各経路についてのWWANリンク品質/利用率/負荷情報に関する情報を利用することなどによる)経路の各々に有効な帯域幅に関する知識と、(各サブフローについてのRTT(ラウンドトリップ時間)測定値に基づいた)各経路の有効な遅延に関する知識とに基づいて、トラフィックフローが最適化され得る。有効な帯域幅がB1、B2、...、BNである場合、トラフィックは、サブフローにわたってB1:B2:...:BNの比率で分割され得る。また、遅延がD1、D2、...、DNである場合、パケットがクライアントにある受信MPTCPエンドポイントに時間的により近接して到着することができるように、より長い遅延をもつ経路のためのパケットが、経路にわたる遅延差に基づいて早期に送信されるようにスケジュールされ得る。そのようなスケジューリングは、受信MPTCPエンドポイントにおけるバッファリング要件を低減することができる。ただし、受信MPTCPエンドポイントにおいてパケットをバッファし、サブフローにわたってパケットをアグリゲートすることによって最終的に順序正しく配信することができるので、そのようなスケジューリングは要件ではない。
【0042】
トンネリングサーバ304は、複数のキャリアをサポートするWWANインフラストラクチャ310〜314内に純粋に配置され得る。異なるWWANキャリアをサポートするために複数のWWANインフラストラクチャ310〜314が必要とされるとき、トンネリングサーバ304はWWANインフラストラクチャ310〜314の外部に配置され得る。そのようなトンネリングサービスは、WWANキャリアにわたるスキューを管理することが可能であり、それによりWWANキャリアにわたる利用可能な帯域幅のアグリゲーションが可能になる。レガシーアプリケーションサーバは、マルチパスTCPをサポートする必要なしに、アグリゲートされた性能を活用することができる。
【0043】
上記で説明したように、トンネリングサービスを使用することによって、クライアント302は、MPTP能力を有しないアプリケーションサーバとのMPTP通信を利用することができる。別の構成では、図5図6図7、および図8に関して以下で説明するように、クライアントは、協調デバイスを使用することによってMPTPを利用することができる。
【0044】
図5は、協調MPTPを示すブロック図500である。MPTP対応UE(たとえば、クライアントノード)502は、1つまたは複数の通信経路512を通して1つまたは複数のWWANネットワーク510と同時に通信するための複数のモデム102を有する。一態様では、通信経路512は、MPTPを使用することが可能であり得る。さらに、システム500は、ピアツーピア通信514を通してクライアントノード502と通信し得る少なくとも1つのプロキシノード504を含む。一態様では、ピアツーピア通信514は、1つまたは複数のワイヤードおよび/またはワイヤレスプロトコルを使用してサポートされ得る。プロキシノード504がクライアントノード502のワイヤレス近傍内に入ると、プロキシノード504はクライアントノード502によって発見され得る。協調MPTPを使用して、クライアントノード502は、インターネット/ネットワーク506上に常駐するMPTP対応サーバ508に情報を送り、それから情報を受信し得る。上記で説明したように、MPTPはマルチパスTCPまたはSCTPであり得る。
【0045】
図6は、協調マルチパスTCPを示すブロック図600である。図7は、キャリア間スキューおよびフロー管理のための経路協調および経路管理オーバーレイのサポートを示すブロック図700である。図8は、協調マルチパスTCPのコールフロー図800である。マルチパスTCP対応UE(たとえば、クライアントノード)602は、ピアツーピア通信を通してWWANネットワーク610と少なくとも1つのプロキシノード604と同時に通信するための複数のモデム102を有する。一態様では、ピアツーピア通信は、1つまたは複数のワイヤードおよび/またはワイヤレスプロトコルを使用してサポートされ得る。プロキシノード604がクライアントノード602のワイヤレス近傍内に入ると、プロキシノード604はクライアントノード602によって発見され得る。クライアントノード602は、続いて、それのIPアドレス(1次IPアドレスと呼ぶ)を使用してインターネット/ネットワーク606上のサーバ608とのTCPセッションを開始し(802)、サーバ608がマルチパスTCP対応であることを発見する(804)。一態様では、図10図11、および図12に関して説明するように、クライアントノード602は、他のデバイス(たとえば、UE)のアドホックアクセスポイントとして働くように動作可能であり得る。そのような態様では、クライアントノード602は、クライアントノード602とサーバ604との間の通信に使用されるものと同じTCPを使用して他のデバイスと通信し得る。別の態様では、クライアントノード602は、ワイヤラインおよび/またはワイヤレスプロトコルに基づいて他のデバイスと通信し得る。次いで、クライアント602は、プロキシノード604に2次IPアドレスを要求する(806)。プロキシノード604は、ネットワーク610にIPアドレスを要求する(808)。プロキシノード604がネットワーク610からIPアドレスを受信するとき、プロキシノード604は、クライアント602にそのIPアドレスを与える(810)。クライアント602は、そのIPアドレスをそれの2次IPアドレスとして使用する。クライアント602は、それの1次IPアドレスとそれの2次IPアドレスとを使用してサーバ608とのマルチパスTCPセッションをセットアップする(812、814)。他の実施形態では、クライアントノード602は、最初に、プロキシノード604を通してサーバ608との経路をセットアップするためにプロキシノード604から1次IPアドレスを取得し得る。これは、クライアント602が考察し得る多くの理由により生じ得る。これらの理由には、WWANネットワークがクライアントの直接アクセスのために利用可能でないことがあるという可能性、あるいはネットワークへのサブスクリプションがクライアントの所与のロケーションにおいて利用可能でないことがあるという可能性、あるいはプロキシノードを通る経路を使用するとエネルギーが少なくなるか、またはコストが低くなることがあるという可能性、あるいはプロキシノードを通るネットワークの性能が直接経路よりも良いという可能性があり得る。その後、サーバ608がマルチパスTCP対応であることを発見した後に、クライアントノード602は、それのネットワークの利用可能性に基づいて、またはそのネットワークを使用するコストに基づいて、またはエネルギー考慮事項に基づいて、または性能要件に基づいて、それのWWANネットワークを通る直接経路のための1つまたは複数の2次IPアドレスを追加し得る。クライアントノード602はまた、同じプロキシノード604または異なるプロキシノードを通る別の経路のための1つまたは複数の2次IPアドレスを追加し得る。クライアントノード602およびプロキシノード604は、異なるWWANネットワークと通信し得る。概して、プロキシノードおよびクライアントノードがそれらのそれぞれのネットワークと通信するために使用するWWANネットワークまたはチャネルまたはプロトコルまたは技術は、同じものであるかまたは異なるものであり得る。各IPアドレスについての各サブフローのためのサーバ608からのトラフィックは、ネットワーク610に到着する(816)。ネットワーク610は、1次IPアドレスについてのサブフロートラフィックをクライアント602にダイレクトする(618)。ネットワーク608は、2次IPアドレスについてのサブフロートラフィックをプロキシノード604にダイレクトする(820)。次いで、プロキシノード604は、プロキシノード604とクライアント602との間のピアツーピア(P2P)リンクを介してクライアントの2次IPアドレスについて受信したトラフィックをクライアント602に配信する(822)。P2Pアプリケーションは、2次IPサブフローに関連するパケットを配信するために使用され得る。その後、サブフローは、クライアント602においてマージされ、クライアントアプリケーションに配信される。クライアント602からサーバ608への逆経路では、クライアントは、1次IPアドレスについてのサブフロートラフィックをネットワーク610に送り(818)、2次IPアドレスについてのサブフロートラフィックをプロキシノード604に送り(822)、プロキシノード604は、ネットワーク610に転送する(820)。ネットワーク610は、両方のサブフローのためのトラフィックをサーバ608に送る(816)。概して、クライアントノード602は、それが直接利用することができるWWANネットワークの各々のための複数のIPアドレスと、それの近傍にあるプロキシノードがアクセスすることができるWWANネットワークの各々のための複数のIPアドレスとを取得し得る。
【0046】
ネットワーク610は、プロキシノード604およびクライアントノード602がそれらのそれぞれのWWANに接続することができるようなWWANまたは複数のWWANであり得る。これにより、クライアント602は、プロキシノード604のために異なるWWANを使用して、またはプロキシノード604とクライアント602の両方のために同じWWAN中の異なるWWANチャネルを使用してアプリケーションの有効帯域幅を増加させることが可能になる。(1つまたは複数の)WWANの変更を必要としない。プロキシノード604は、2次IPアドレスとして使用するためにそれのIPアドレスをクライアント602に供給するので、ネットワーク610に関する限り、2次IPアドレスについてのすべてのトラフィックはプロキシノード604を対象とする。ネットワーク610は、プロキシノード604がそれのIPアドレスをクライアント602に貸したことに気がつかないことがある。サーバ608に関する限り、それはクライアント602とだけ通信している。プロキシノード604とクライアント602との間のP2Pアプリケーションは、2次IPアドレスについてのサブフロートラフィックを通信するために使用される。WWANと通信するとき、プロキシノード604およびクライアント602は、それらの1次IPアドレスと2次IPアドレスとをセットアップするために、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストをセットアップすることができる。協調プロキシノードを通るマルチパスTCPは、3つ以上の経路を使用するように拡張され得、たとえば、同じプロキシまたは異なるプロキシを使用して3次経路をセットアップすることができ、したがって、協調性質は、ネットワーク610への変更を必要とすることなく、複数のプロキシノードを使用する複数の経路に対してスケーラブルである。
【0047】
図7を参照すると、各WWANキャリアに関連する経路ごとに、マルチパストランスポートサーバ508中では経路マネージャ706、708が生成され、マルチパストランスポートクライアント502中では経路マネージャ756、758が生成される。経路マネージャは、各キャリアの各サブフローの発見およびセットアップを可能にする。キャリア間経路コーディネータ704はサーバ508において確立され、キャリア間経路コーディネータ754はクライアント502において確立される。キャリア間経路コーディネータ704、754は、各経路の性能を動的に分析し、次いで、利用可能な経路にわたるフローの分布を最適化する。ノード508とノード502との間でMPTPセッション702、752を使用して経路の同時利用を最適化するために、キャリア間経路コーディネータ704、754とクライアント502およびサーバ508にある経路マネージャとの間で情報を交換するために、サーバ508とクライアント502との間にアプリケーションレイヤオーバーレイが確立され得る。
【0048】
図8は、協調マルチパスTCPのコールフロー図800である。一態様では、システム800は、マルチパスTCPクライアント602と、マルチパスTCPプロキシ604と、ネットワーク610と、マルチパスTCPサーバ608とを含み得る。シーケンスステップ802において、マルチパスTCPクライアント602は、マルチパスTCPサーバ608を通して1次IPアドレスとの接続を開始する。シーケンス804において、マルチパスTCPサーバ608は接続を承認する。一態様では、マルチパスTCPサーバ608は、接続がマルチパスTCP対応であることをさらに示し得る。シーケンスステップ806において、マルチパスTCPクライアント602は、マルチパスTCPプロキシ604のための2次IPアドレスを要求する。一態様では、マルチパスTCPプロキシ604およびマルチパスTCPクライアント602は、ネットワーク610を通してマルチパスTCPサーバ608と協調的に通信し得る。シーケンスステップ808において、マルチパスTCPプロキシ604は、ネットワーク610にIPアドレスを要求し、取得する。シーケンスステップ810において、マルチパスTCPプロキシ604は、マルチパスTCPクライアント602に取得したIPアドレスを通信する。一態様では、マルチパスTCPプロキシ604はまた、マルチパスTCP協調通信を承認し得る。
【0049】
シーケンスステップ812において、マルチパスTCPクライアント602は、マルチパスTCPサーバ608にマルチパス接続を要求する。一態様では、要求は、1次IPアドレスと2次IPアドレスとを含み得る。シーケンスステップ814において、マルチパスTCPサーバ608は、マルチパスIPアドレスを使用してマルチパスTCPセッションをセットアップする。シーケンスステップ816において、マルチパスTCPサーバ608はネットワーク610と通信して、マルチパスTCPセッションのためにセットアップされた複数のサブフローのためのデータを送るおよび/または受信する。シーケンスステップ818において、ネットワーク610は、マルチパスTCPクライアント602に関連する複数のIPアドレスのうちの1つへのサブフローのためのデータを送るおよび/または受信する。さらに、シーケンスステップ820において、ネットワーク610は、マルチパスTCPプロキシ604に関連する複数のIPアドレスのうちの1つへのサブフローのためのデータを送るおよび/または受信し、その後、シーケンスステップ822において、マルチパスTCPクライアント602にサブフローを通信する。
【0050】
追加または代替として、マルチパスTCPクライアント602は、他のデバイス(たとえば、UE)のアドホックアクセスポイントとして働くように動作可能であり得る。そのような態様では、マルチパスTCPクライアント602は、マルチパスTCPクライアント602とサーバ610との間の通信に使用されるものと同じTCPを使用して他のデバイスと通信し得る。別の態様では、マルチパスTCPクライアント602は、ワイヤラインおよび/またはワイヤレスプロトコルに基づいて他のデバイスと通信し得る。
【0051】
図9は、協調マルチパスTCPを示す別のブロック図900である。アプリケーションサーバ906がマルチパスTCP対応でない場合、アプリケーションサーバ906とクライアント902との間の通信はトンネリングサーバ908を通して処理され得る。アプリケーションサーバ906はインターネット/ネットワーク910中にある。トンネリングサーバ908もインターネット/ネットワーク910中にあり得る。代替的に、トンネリングサーバは、1つまたは複数のWWANネットワーク912中に常駐し得る。トンネリングサーバ908は、1つまたは複数の通信経路912を通してクライアント902とプロキシノード904の両方との通信を処理し得る。一態様では、通信経路912は、MPTPを使用することが可能であり得る。さらに、システム900は、ピアツーピア通信914を通してクライアントノード902と通信し得る少なくとも1つのプロキシノード904を含む。一態様では、ピアツーピア通信914は、1つまたは複数のワイヤードおよび/またはワイヤレスプロトコルを使用してサポートされ得る。
【0052】
図10図11、および図12に関してさらに説明するように、WWANクライアントは、他のデバイス(たとえば、UE)のローカルアドホックアクセスポイントとして働き得る。
【0053】
図10は、WWANキャリアにわたるトンネリングサービスを示すブロック図1000である。アプリケーションサーバ1008との通信を可能にするために、1つまたは複数のサポートインフラストラクチャ、たとえば、キャリアWWWANサポートインフラストラクチャ1、2、...N(1010、1012、1014)を通してWWANクライアント1002とMPTPトンネリングサーバ1004との間に、マルチパストランスポートプロトコル(MPTP)キャリア間トンネルが確立される。WWANクライアント1002は、1つまたは複数のサポートインフラストラクチャ(1010、1012、1014)を通してMPTPトンネリングサーバ1004と同時に通信するための複数のモデム102を有する。クライアント1002がインターネット/ネットワーク1006に接続するとき、それのデータフローはトンネリングサーバ1004を介して確立される。MPTPはマルチパスTCPまたはSCTPであり得る。
【0054】
さらに、一態様では、WWANクライアント1002は、1つまたは複数のUE(1020、1022、1024)と通信するように動作可能であり得る。そのような態様では、WWANクライアント1002は、UE1020、1022、1024がアプリケーションサーバ1008などのエンティティと通信することを可能にするために、1つまたは複数のUE、たとえば、UE(1)1020、UE(2)1022、UE(N)1024などに1つまたは複数のアドホックネットワークアクセスポイントを公開し得る。一態様では、WWANクライアント1002と1つまたは複数のUE1020、1022、1024との間の通信に使用されるアドホックネットワークは、ワイヤラインおよび/またはワイヤレスプロトコルに基づき得る。さらに、ワイヤレス通信は、802.11プロトコルに基づき得る。
【0055】
図11は、協調MPTPを示すブロック図1100である。MPTP対応ユーザ機器(UE)(たとえば、クライアントノード)1102は、1つまたは複数の通信経路1112を通して1つまたは複数のWWANネットワーク1110と同時に通信するための複数のモデム102を有する。一態様では、通信経路1112は、MPTPを使用することが可能であり得る。さらに、システム1100は、ピアツーピア通信1114を通してクライアントノード1102と通信し得る少なくとも1つのプロキシノード1104を含む。一態様では、ピアツーピア通信1114は、1つまたは複数のワイヤードおよび/またはワイヤレスプロトコルを使用してサポートされ得る。プロキシノード1104がクライアントノード1102のワイヤレス近傍内に入ると、プロキシノード1104はクライアントノード1102によって発見され得る。協調MPTPを使用して、クライアントノード1102は、インターネット/ネットワーク1106上に常駐するMPTP対応サーバ1108に情報を送り、それから情報を受信し得る。上記で説明したように、MPTPはマルチパスTCPまたはSCTPであり得る。
【0056】
さらに、一態様では、クライアントノード1102は、1つまたは複数のUE(1120、1122、1124)と通信するように動作可能であり得る。そのような態様では、クライアントノード1102は、UE1120、1122、1124がエンティティと通信することを可能にするために、1つまたは複数のUE、たとえば、UE(1)1120、UE(2)1122、UE(N)1124などに1つまたは複数のアドホックネットワークアクセスポイントを公開し得る。一態様では、クライアントノード502と1つまたは複数のUE1120、1122、1124との間の通信に使用される通信1116は、ワイヤラインおよび/またはワイヤレスプロトコルに基づき得る。さらに、通信1116は、802.11プロトコルに基づき得る。またさらに、通信116は、ピアツーピア通信を可能にするために使用され得、1つまたは複数のワイヤードおよび/またはワイヤレスプロトコルを使用してサポートされ得る。一態様では、高速チップ間(HSIC:high speed inter chip)インターフェース(チップ間USB)を介して第2のチップまたはモデムを使用してワイヤード通信が使用可能になり得る。そのような態様は、残りのUSB設計とワイヤード接続設計を保持したまま、通常のUSBトランシーバをなくし得る。
【0057】
図12は、協調マルチパスTCPを示す別のブロック図1200である。アプリケーションサーバ1206がマルチパスTCP対応でない場合、アプリケーションサーバ1206とクライアント1202との間の通信はトンネリングサーバ908を通して処理され得る。アプリケーションサーバ1206はインターネット/ネットワーク1210中にある。トンネリングサーバ1208もインターネット/ネットワーク1210中にあり得る。代替的に、トンネリングサーバは、1つまたは複数のWWANネットワーク1212中に常駐し得る。トンネリングサーバ1208は、1つまたは複数の通信経路1212を通してクライアント1202とプロキシノード1204の両方との通信を処理し得る。一態様では、通信経路1212は、MPTPを使用することが可能であり得る。さらに、システム1200は、ピアツーピア通信1204を通してクライアントノード1202と通信し得る少なくとも1つのプロキシノード1214を含む。一態様では、ピアツーピア通信1214は、1つまたは複数のワイヤードおよび/またはワイヤレスプロトコルを使用してサポートされ得る。
【0058】
さらに、一態様では、クライアントノード1202は、1つまたは複数のUE(1220、1222、1224)と通信するように動作可能であり得る。そのような態様では、クライアントノード1202は、UE1220、1222、1224がエンティティと通信することを可能にするために、1つまたは複数のUE、たとえば、UE(1)1220、UE(2)1222、UE(N)1224などに1つまたは複数のアドホックネットワークアクセスポイントを公開し得る。一態様では、クライアントノード1202と1つまたは複数のUE1220、1222、1224との間の通信に使用される通信1216は、ワイヤラインおよび/またはワイヤレスプロトコルに基づき得る。さらに、通信1216は、802.11プロトコルに基づき得る。またさらに、通信1216は、ピアツーピア通信を可能にするために使用され得、1つまたは複数のワイヤードおよび/またはワイヤレスプロトコルを使用してサポートされ得る。一態様では、高速チップ間(HSIC: high speed inter chip)インターフェース(チップ間USB)を介して第2のチップまたはモデムを使用してワイヤード通信が使用可能になり得る。そのような態様は、残りのUSB設計とワイヤード接続設計を保持したまま、通常のUSBトランシーバをなくし得る。
【0059】
図13は、モデム間協調を用いるWWANキャリアにわたるトンネリングサービスを示すブロック図1300である。アプリケーションサーバ1308との通信を可能にするために、1つまたは複数のサポートインフラストラクチャ、たとえば、キャリアWWWANサポートインフラストラクチャ1、2、...N(1310、1312、1314)を通してWWANクライアント1302とMPTPトンネリングサーバ1304との間にMPTPキャリア間トンネルが確立される。一態様では、アプリケーションサーバ1308は、カスタムアプリケーションサービスを与え得る。たとえば、モバイルネットワークオペレータ(MNO:mobile network operator)がネットワーク中でマルチパスアグリゲーションアンカ1316を与えるとき、次いで、アプリケーションサービスプロバイダは、最小限の変更でまたは変更なしにサービスを使用し得る。対照的に、MNOがマルチパスアグリゲーションのためにサポートされるアンカを有しない場合、アプリケーションサービスプロバイダは、利用可能なクライアントIPアドレスを使用したクライアントデバイス1302へのマルチパスセッションを可能にするためにマルチパスサーバ1304を設置し得る。そのような態様では、マルチパスTCPアンカ1316は、アプリケーションサービスプロバイダに属するサーバ中に常駐し得る(たとえば、ストリーミングメディアコンテンツプロバイダは、クライアントデバイスとのマルチパスセッションを直接セットアップすることができる)。トンネリングアンカ1316は、マルチパスアグリゲーションのサポートを与え得るサーバとは異なるサーバからコンテンツが配信される場合に依然として使用され得る。そのような態様では、データは、コンテンツプロバイダサーバ1308からマルチパスTCPサーバ1304への単一の経路中でストリーミングされ得、マルチパスTCPサーバ1304は、次いで、マルチパスストリームを使用してクライアントデバイス1302にデータをストリームし得る。
【0060】
WWANクライアント1302は、1つまたは複数のサポートインフラストラクチャ(1310、1312、1314)を通してMPTPトンネリングサーバ1304と同時に通信するための複数のモデム102を有する。クライアント1302がインターネット/ネットワーク1306に接続するとき、それのデータフローはトンネリングサーバ1304を介して確立される。MPTPはマルチパスTCPまたはSCTPであり得る。
【0061】
別の態様では、ネットワーク経路のうちの1つが別のオペレータ(共有LTEネットワーク経路など)を通して確立される場合、所与のロケーションにおけるこの共有ネットワークに関連するコストに基づいて経路が使用されないことがある。たとえば、クライアントMPTPアンカ1318は、システムのエネルギーレベル、各経路に対するデータ通信のエネルギー効率に基づいて変動するエネルギーコスト、各経路をオンにすることに関連する固定コストなどの様々なファクタに応じて、クライアントアプリケーション1320のための接続を確立するのに2つ以上の経路を使用すべきかどうかを選択し得る。一態様では、クライアントデバイス1302はバッテリー式であり得る。さらに、WWAN(1310、1312、1314)は、異なる帯域を効率的に使用して互いの帯域からの干渉を消去するために、マルチアンテナ干渉消去(MAIC:Multi-Antenna Interference Cancellation)など、協調アクティビティに関与することができる。一態様では、そのような機能は、RFフロントエンドシステムからベースバンドシステムにプロトコルを変更することを含み得る。
【0062】
別の態様では、モデム間協調の結果に基づいて、マルチパスTCPアンカ1316による使用のために2つ以上のWWAN経路を公開すべきかどうかの決定がプラットフォームによってなされ得る。
【0063】
動作中、WWAN(たとえば、1310)中の接続ユーザは、WWAN1310中の輻輳を生じ、利用可能な性能を低減することがある。一態様では、WWANシステムは、スマートフォンなどの多くのデバイスのための低データレート動作モードをサポートし得る。これらのモバイルデバイス1302上で動作する様々なアプリケーション1320により、転送されるデータ量は少なくなり得るが、かなりの量のオーバーヘッドシグナリングアクティビティが生じることがある。このオーバーヘッドシグナリングは、アプリケーション1320のためのキープアライブメッセージ、またはインスタントメッセンジャー実装形態のためのプレゼンスアップデートなど、頻繁な低データレートメッセージから生じることがある。さらに、スマートフォンを使用するユーザ数が増加するとすれば、輻輳負荷の著しい増加が観測され、ユーザに実際のデータを配信するためにシステム1300中で利用可能な性能に影響を及ぼす。一態様では、複数のWWAN(1310、1312、1314)を介したマルチパストランスポート接続を使用し、各WWANを最小限に使用することにより、ユーザは、複数のWWAN(1310、1312、1314)中で輻輳を不必要に生じる。
【0064】
さらに、マルチパストランスポート接続は、複数のWWAN(1310、1312、1314)経路を使用する能力を用いて確立され得る。しかしながら、ユーザアプリケーション1320が、1つのWWAN経路によって配信され得ない、より高い帯域幅を必要とするとき、マルチパスTCPアンカ1316は、2つ以上のWWAN経路を割り振り得る。(たとえば、接続ユーザが時々の電子メールまたはIMアップデートを受信するなど)ユーザが低帯域幅を消費しているモード中に、ユーザの接続状態は、WWANのうちのただ1つの上でマルチパスTCPアンカ1316によって維持される。マルチパスTCPアンカ1316は、他のWWANを通る追加の経路が、いつオンにされるのか、およびいつクライアントデバイス1302とネットワーク1306との間のマルチパストランスポート接続に追加されるのかを決定し得る。一態様では、マルチパスTCPアンカ1316は、アグリゲートスループットの移動平均を維持し得、したがって、デバイス1302がアイドル状態にある時間中、またはそれが少ない量の帯域幅を使用している時間中に、輻輳を低減し、複数のWWANネットワーク1300での占有を低減するために、追加の経路のためのWWANネットワークリソースが解放され得る。別の態様では、選択された経路がそのときに必要とされる任意の遅延要件を満たすように、帯域幅要件が低いときに最も低コストの経路(たとえば、エネルギー/ビットまたは価格*エネルギー/ビット)が利用される。より高い帯域幅が必要とされるとき、追加の利用可能なWWAN経路がオンにされ、利用され、次いで解放され得る。さらに別の態様では、経路は、マルチパスTCPトンネル1304内で動的に追加または削除され得る。言い換えれば、トンネルは、システム1300中での単一経路利用状態とマルチパス利用状態との間の遷移中に持続し得る。
【0065】
一態様では、マルチパスTCPアンカ1316は、第1のより遅い経路に沿ってデータのパケットのより早期の送信を行うように、および/または第2の速い経路に沿ってデータのパケットの遅延送信を行うように動作可能であり得る。たとえば、パケット送信は、より遅い経路上では早期に送信され、比較的より速い経路上ではオンタイムに送信されるようにスケジュールされ得る。別の例では、パケット送信は、より遅い経路上でのオンタイム送信がスケジュールされ、比較的より速い経路上では遅延され得る。さらに、より遅い経路上での早期送信とより速い経路上での遅延送信との任意の組合せが実装され得る。別の態様では、デバイス1302は、バックホールのためのマルチパストランスポート接続性を利用するアクセスポイントを与えるために使用され得、アクセスは、ワイヤードまたはワイヤレス接続を介して与えられる。別の態様では、マルチパスTCPアンカ1316は、各経路に沿って利用可能な性能パラメータに基づいて複数の経路にわたってトラフィックを分割し得る。一態様では、そのような性能パラメータは、現在のTCP輻輳ウィンドウ推定値、経路情報交換のためのオーバーレイを使用して利用可能なプロアクティブリンク性能情報などを含み得る。
【0066】
別の態様では、マルチパスTCPアンカ1316は、輻輳、各経路のために利用可能なウィンドウサイズなどのファクタに基づいてトラフィックを区分するように動作可能であり得る。さらに別の態様では、トラフィック区分のための適応は、プロアクティブオーバーレイを通して取得されるリアルタイム情報を使用して実行され得る。本明細書で使用するプロアクティブオーバーレイは、マルチパスクライアント1302とマルチパスサーバ1304との間でエンドツーエンドに情報を交換するUDPベースのアプリケーションであり得る。たとえば、WWANモデム1302によるワイヤレスリンクに関係する性能変化は、プロアクティブオーバーレイを使用してネットワーク中のMPTPサーバ1304に報告され得る。一態様では、プロアクティブオーバーレイは、そのようなプロアクティブ性能情報を送るのにトンネルに依存するサイドアプリケーションとして働き得る。さらに、プロアクティブオーバーレイは、UDPを介して直接サーバ1304にも送られ得る。情報がUDPのために失われた場合、問題はなく、前に受信した情報が使用される。
【0067】
一態様では、経路マネージャは、クライアント1302とサーバ1304との間の経路ごとに生成にされ得る。さらに、この経路マネージャは、WWANクライアントノード1302とトンネリングサーバノード1304の両方に存在し得る。経路マネージャは、各キャリアの各サブフローの発見およびセットアップを可能にするのに有用であり得る。別の態様では、キャリア間経路コーディネータは、各経路の性能を動的に分析し、次いで、利用可能な経路にわたるフローの分布を最適化するために両方のノードにおいて確立され得る。アプリケーションレイヤオーバーレイは、ノード間のマルチパスTCPトンネルを使用して複数の経路の利用を最適化するためにキャリア間経路コーディネータとWWANクライアント1302にある経路マネージャとトンネリングサーバノード1304との間で情報を交換するためにトンネリングサーバノード1304と被トンネリングクライアント1302との間に確立され得る。さらに、所与の経路のワイヤレス性能の劣化が、クライアント1302によってサーバ1304に迅速に報告され得るように、経路マネージャは、msの数10分の1秒またはmsの数100分の1秒など、ある時間期間にわたって各経路で観測される性能の移動平均を報告することができる。
【0068】
別の態様では、マルチパスTCPアンカ1316は、順方向リンクフローに1つまたは複数の経路(たとえば、順方向リンク専用(FLO:forward link only)経路)を割り振るように動作可能であり得る。別の態様では、マルチパスTCPアンカ1316は、双方向フローに1つまたは複数の他の経路(たとえば、高速パケットアクセス(HSPA: high speed packet access))を割り振るように動作可能であり得る。たとえば、FLO無線が使用される場合、データは、ダウンリンク上でのみクライアントデバイスによって受信され得る。いかなる肯定応答も、アップリンクサポートを与える代替無線経路上を通過し得る。たとえば、代替無線経路は、LTEまたはHSPAによって与えられ得る。そのような代替無線経路は、双方向であり、第1の経路についてダウンリンクデータフローとアップリンクデータフローの両方のサポートを行い得る。したがって、単方向経路は、一方向(ダウンリンクまたはアップリンクのいずれか)においてのみ第2のデータフローのサポートを行い、反対方向(それぞれアップリンクまたはダウンリンクのいずれか)でのデータのサポートのために第1の経路を利用することができる。第1のデータフローのためのラウンドトリップ時間(RTT)(RTT_1)は、第1の経路についての両方向における遅延を含むことになる。第2のデータフローのためのRTT(RTT_2)は、単方向経路に沿って一方向の遅延を含み、反対方向の遅延には、双方向の第1の経路が使用されることになる。単方向経路のための単方向遅延値は、式(1)を使用して推定され得る。
【0069】
単方向の一方向遅延=RTT_2−0.5×RTT_1 (1)
そのような実装形態は、特に、第2のデータフローがアップリンク方向において最小限の必要を有する、たとえば、クライアントへの2つの経路をサービスしているマルチパスTCPアンカサーバにTCP肯定応答を送る必要を有する場合、システム1300においてさらなるフレキシビリティを与え得る。たとえば、双方向HSPA接続を介して双方向フローのIPアドレスが取得され得る。その後、単方向FLO経路を介した双方向接続性は不可能であるので、双方向HSPA接続を介してFLOダウンリンク単方向経路に関連する第2のIPアドレスも取得され得る。
【0070】
動作中、WWANモデム1302の実装形態は、所与の時間にただ1つのWWANデータ技術をアクティブにすることのサポートを行うWWANマルチモデム設計を含み得る。そのような最適化マルチモデム設計に基づいて、マルチモデム設計は、同時アクセスを可能にし、複数のWANを利用し得る。そのような態様では、同時処理(concurrency)の量は、アクティブな同時WWANデータモデム数に基づき得る。そのような同時処理は、同時帯域幅アグリゲーション(COBA:concurrent bandwidth aggregation)システムではモデム同時処理レベル(MCL:Modem Concurrency Level)と呼ばれることがある。第1のステップとして、MCLが2になるように、複製されるただ2つのWWANモデム設計を検討することが望ましいであろう。同時にWWANにアクセスし、利用するためのモデム同時処理の追加レベルが将来検討され得る。
【0071】
別の態様では、COBAシステムは、MPTPを使用してアグリゲートされた帯域幅を配信するために、各々がWWANモデムをもつ2つの異なるチップからWWANモデムを使用し、2つ以上のWWAN RFチェーンを利用して実装され得る。そのような態様では、これらのチップのうちの1つの中のアプリケーションプロセッサは、モデムにわたってアグリゲーションタスクを実行することができる。さらに、そのような実装形態は、各々が1つまたは複数のWWANモデムをもつ複数のチップの使用を可能にする。追加または代替として、単一のチップに、複数のWWANモデムが組み込まれ、さらに、トラフィックをアグリゲートするためにアプリケーション処理サブシステムが組み込まれている場合、単一のチップが使用され得る。さらに、利用可能なときに追加のワイヤレスデータ経路を与えるために、そのようなプラットフォームにコグニティブ機能およびホワイトスペースアクセス機能を含むことができる。言い換えれば、単一のデバイス上でのアグリゲーションは、デュアルUICCデュアルデータリンクアクセスをもつ電話に現れ得る。そのような設計は、それ自体のデバイス(これらのチップからなる電話など)により高い帯域幅を与えることができ、ワイヤード(USB/イーサネット(登録商標)接続)リンクまたはワイヤレス(Wi−Fi/WiFi−Directまたは他のワイヤレス)リンク上で異なるデバイスによって利用され得るアクセスポイントデバイスにより高い帯域幅を与えることなどができる。たとえば、ワイヤード接続は、USBコード接続を介して確立され得る。
【0072】
別の態様では、アクセスポイントデバイス1302は、複数のWWANモデムを使用して複数のWWAN1304にアクセスし得、WLAN、USB、イーサネットベースのアクセスなどを介した他のデバイスへの帯域幅をアグリゲートし得る。そのようなデバイス1302は、WiFiアクセスポイントデバイスであり得、このデバイスは、既存のWiFiアクセスポイントのイーサネットポートの背面に接続され得る。追加または代替として、デバイス1302は、テザー付きUSB接続を介して1つまたは複数の他のデバイスへのアクセスを与えることができる。単一デバイスソリューションはまた、WWANモデムをもつ他のデバイスがUSBを介して接続することを可能にするマルチパスTCPアグリゲータデバイスを使用して実装され得る。概して、デバイスは、1つまたは複数の内部WWANモデムを有し得、ワイヤード接続を介して他のWWANモデムを利用することができる。内部WWANモデムは、バス、プロセッサ、およびシステムメモリなどを使用して、オンチップ相互接続を使用して単一チップ内で通信することができる。追加または代替として、1つまたは複数のWWANモデムが異なるチップ上で利用可能である場合、内部WWANモデムは、限定はしないが、UART、GPIOまたはHSICインターフェースなどの様々なインターフェースを使用するなどしてチップ間相互接続を用いて接続され得る。一態様では、チップは、デバイスを備えるプラットフォーム上で互いに接続され得る。
【0073】
さらに、一態様では、複数のWWANモデムを有するスーパーデバイスを生成するために、各デバイス上の少なくとも1つのWWANモデムが使用され得るように2つ以上のデバイスが互いに結合され得る。本明細書で使用する結合は、ワイヤード(たとえば、USB)を使用して、またはワイヤレスに(Wi−Fi Direct、従来のWiFi、BT、UWBなど)デバイス間で行われ得る。さらに、アグリゲーションは、これらのデバイスのうちの1つに対して実行され得る。動作中、COBAクライアント1302上のWWANモデムは、IPアドレスを取得し得る。さらに、COBAプロキシなどの様々なデバイスが、クライアント1302のワイヤード/ワイヤレス近傍内にあり得る。そのようなプロキシデバイスは、それのWWANからIPアドレスを取得し得、クライアントデバイスにこのIPアドレスを貸与し得る。その後、そのようなデバイスはそれのIPアドレスをクライアントに与えることができ、クライアントは、それのWWANモデムと近傍中のプロキシデバイスとから利用可能なIPアドレスを利用することが可能になる。そのような実装形態では、デバイス間に分散された利用可能なWWANモデムが、プラットフォームのうちの1つの上のアプリケーションプロセッサでアグリゲーションを実行し得、システム中でアグリゲートされた帯域幅を与え得るシステムが形成され得る。そのようなマルチデバイスアグリゲートソリューションはまた、マルチパスWWAN接続性を使用するために他のデバイスにアクセスポイントを公開するために使用され得る。
【0074】
さらに、動作中、COBAは、ネットワークにわたって利用可能な性能の和を与え得るが、そのようなシステムは、プラットフォーム上でのエネルギー消費量を著しく増加または減少させないことがある。たとえば、同様のデータリンク/技術であれば、ファイルまたは電子メール添付ファイルをダウンロードすることなどの所与の通信タスクのために2倍の電力が消費されるが、通信時間は半分に低減され、したがって、エネルギー消費量は、ただ1つのデータリンクを利用する場合と同じである。しかしながら、そのような通信タスクは半分の時間で完了され得、COBAベースのプラットフォーム上での全体的な性能およびユーザエクスペリエンスはより良いものになる。またさらに、マルチパスTCP接続性をもつCOBAベースのシステムは、マルチパスTCPを使用するフローのために複数のWWANインターフェースを利用することによって単一TCPフローのピークレートを増加させることを可能にし得る。さらに、アプリケーションは、アプリケーションソフトウェアへのいかなる修正もなしに、マルチパストランスポートレイヤで利用可能なより高い帯域幅を使用し得る。そのような態様では、トンネルは、初期接続時にオペレータのネットワーク中に動的に確立され得、追加の経路は、その後に追加または削除され得るが、経路が追加または削除されるときにトンネルは持続し得る。準静的ワイヤレス接続を用いる大部分のモバイルコンピューティング使用事例では、セッション中に生成される経路は存在し続けることになることが期待される。
【0075】
図14は、モデム間協調を用いるWWANキャリアにわたるトンネリングサービスを示すブロック図1400である。MPTPのためのネットワークアンカは、1つまたは複数のサポートインフラストラクチャ、たとえば、WWANモデム1、2(1414、1416)、WWAN(1410、1412)、オペレータネットワーク1406などを通して、WWANクライアント1402のクライアントアプリケーション1420とアプリケーションサーバ1408との間にリンクを確立するのを支援し得る。一態様では、クライアントアプリケーション1420は、MPTP1418のためのクライアントアンカを通して通信し得る。
【0076】
一態様では、モデム間協調1422は、どのWWAN(1410、1412)が使用され得るのか、およびどのようにそれらのWWAN(1410、1412)が使用され得るのかを決定するために使用され得る。一態様では、WWANモデム(1414、1416)が同じプラットフォーム上にある場合、モデム間の情報は、プラットフォーム上の処理サブシステム(たとえば、ARM処理サブシステム)を通して交換され得、したがって、WWANモデム(1414、1416)は協調し、使用すべきWWAN(1410、1412)を選択し得る。たとえば、1つのWWANモデム1414が特定のネットワークを選択する場合、そのWWANモデム1414は、1つまたは複数の他のWWANモデム1416に異なるネットワークを選択するように通知し得、したがって、両方のネットワークからの性能がシステム1400にアグリゲートされ得る。また、別の態様では、限定はしないが、リンク状態、送信に関連するエネルギー/ビット、利用可能な帯域幅、リンクの利用コスト、使用されている変調および符号化方式、基地局への距離などの制約に基づいて、WWANモデム(1414、1416)は、帯域幅をアグリゲートするために互いにいつ協調すべきかを選択し得る。そのような制約情報は、通信のために利用可能なWWANを選択または利用するための、モデムにわたる意思決定を可能にするためにモデム間協調中にモデム間で交換され得る。さらに別の態様では、アクセスリンクの接続状態が不十分であるとき、たとえば、アクセスリンクのうちの1つのリンク状態が不十分であるか、またはエネルギー/ビットが低いとき、または利用可能な帯域幅が低い場合、またはアクセスのコストが高い場合、そのアクセスリンクは、アグリゲーションのために望ましいものではないと決定され得る。そのような態様では、WWANモデム(1414、1416)は、MPTP1404のためのネットワークアンカ中のマルチパスTCPレイヤにそのような経路を使用せず、他の経路を使用し続けるように一緒に通知し得る。一態様では、モデム間協調1422は、第2のデバイス上のワイヤレスp2pリンク(たとえば、接続1116、1216など)を介して利用可能な別のWWANモデムを用いて動作可能であり得る。別の態様では、1次協調は、同じプラットフォーム1402上の(たとえば、電話、ラップトップ、タブレットなどの内の)WWANモデム(1414、1416)間の協調を指すことがあり、2次協調は、プラットフォームにわたる(たとえば、1つまたは複数の電話、ラップトップ、タブレット、カーモデムなどの間の)協調を指すことがある。
【0077】
図15は、様々な例示的なパケットフォーマットおよびパケットフローを示すブロック図である。一態様では、パケットフォーマット1502、1506および1508は、クライアント(たとえば、1302)からインターネット宛先(たとえば、1308)へのデータフローを示す。データフォーマット1502は、クライアントにおけるアプリケーションデータのための例示的なIPパケットを与える。一態様では、IPパケット1502は、トンネリングペイロード1504中に含まれ得る。データフォーマット1506は、クライアントにおける例示的なトンネリングラッパを与える。図示された態様では、MPTCPサブフローのうちの1つが使用される。データフォーマット1508は、MPTCPトンネリングサーバにおけるパケットを受信するためのフォーマットを与える。
【0078】
別の態様では、パケットフォーマット1510、1512および1514は、インターネットサーバからクライアントへの通信のための例示的なパケットフォーマットを与える。データパケット1510は、インターネットサーバにおける例示的なデータフォーマットを与える。データパケット1512は、トンネリングサーバにおける例示的なフォーマットを与える。図示された態様では、MPTCPサブフローのうちの1つが使用される。さらに、データパケット1514は、トンネリングペイロード、アプリケーションデータなどを抽出するためにクライアントに例示的なフォーマットを与える
図16は、例示的な方法/プロセスのフローチャート1600である。本プロセスを使用して、デバイスは、第1のIPアドレスを使用して第1のMPTP経路を通してサーバと通信し(1602)、第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通してサーバと通信することであって、第2のMPTP経路を通したサーバとの通信が、第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことを行い(1604)、ピアツーピア通信を通してワイヤレスノードと通信する(1606)。
【0079】
図17は、例示的な装置1700の機能を示す概念ブロック図である。図17を参照すると、システム1700は、UEと、WWANクライアントと、任意の好適な数の追加のWWANクライアントまたはUEとを含み得る。さらに、動作中にシステム1700において、UEは、帯域幅アグリゲーション技法を実装し得る。
【0080】
装置1700は、第1のIPアドレスを使用して第1のMPTP経路を通してサーバと通信し得るモジュール1702を含む。装置1700は、第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通してサーバと通信し得るモジュール1704を含み、第2のMPTP経路を通したサーバとの通信は、第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る。装置1700は、ピアツーピア通信を通してワイヤレスノードと通信し得るモジュール1706を含む。
【0081】
図18は、例示的な方法/プロセスのフローチャート1800である。本プロセスを使用して、デバイスは、MPTPトンネリングサーバとのMPTPセッションを要求する(1802)。さらに、本プロセスにより、デバイスは、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバと通信することが可能になる(1804)。トンネルは、1つまたは複数のMPTP経路を含む。MPTP経路の各々は、通信のためのキャリアに対応する。
【0082】
図19は、例示的な装置1900の機能を示す別の概念ブロック図である。図19を参照すると、システム1900は、UEと、WWANクライアントと、任意の好適な数の追加のWWANクライアントまたはUEとを含み得る。さらに、動作中にシステム1900において、eNBは、帯域幅アグリゲーション技法を実装し得る。
【0083】
装置1900は、MPTPトンネリングサーバとのMPTPセッションを要求し得るモジュール1902を含む。装置1900は、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバと通信し得るモジュール1904を含む。
【0084】
図20は、例示的な方法/プロセスのフローチャート2000である。本プロセスを使用して、デバイスは、1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択する(2002)。さらに、本プロセスにより、デバイスは、選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することが可能になる(2004)。MPTP経路の各々は、通信のためのキャリアに対応し得る。
【0085】
図21は、例示的な装置2100の機能を示す別の概念ブロック図である。図21を参照すると、システム2100は、UEアンカ、WWANネットワークアンカなどを含み得る。装置2100は、1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択し得るモジュール2102を含む。装置2100は、選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立し得るモジュール2104を含む。
【0086】
一構成では、装置100は、第1のIPアドレスを使用して第1のMPTP経路を通してサーバと通信する手段と、第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通してサーバと通信する手段であって、第2のMPTP経路を通したサーバとの通信が、第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、手段と、ピアツーピア通信を通してワイヤレスノードと通信する手段とを含む。一構成では、装置100は、1つまたは複数のユーザデバイスと通信する手段を含み得、1つまたは複数のユーザデバイスは、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバにアクセスする。一構成では、装置100は、MPTPトンネルを介してMPTPトンネリングサーバを通してアプリケーションサーバと通信する手段を含み得る。一構成では、装置100は、新しいMPTP経路が利用可能になったときに新しいMPTPを追加する手段、または分析された性能に基づいて経路上でのサーバとの通信の分布を最適化する手段を含み得る。一構成では、装置100は、新しいMPTP経路が利用可能になったときに新しいMPTPを追加する手段、またはMPTP経路が失われたときに既存のMPTP経路を削除する手段を含み得る。
【0087】
別の構成では、装置100は、MPTPトンネリングサーバとのMPTPセッションを要求する手段と、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバと通信する手段とを含む。トンネルは、1つまたは複数のMPTP経路を含む。MPTP経路の各々は、通信のためのキャリアに対応する。一構成では、装置100は、1つまたは複数のユーザデバイスと通信する手段を含み得、1つまたは複数のユーザデバイスは、MPTPトンネルを通してMPTPトンネリングサーバにアクセスする。一構成では、装置100は、MPTPトンネルを介してMPTPトンネリングサーバを通してアプリケーションサーバと通信する手段を含み得る。一構成では、装置100は、新しいMPTP経路が利用可能になったときに新しいMPTPを追加する手段、またはMPTP経路が失われたときに既存のMPTP経路を削除する手段を含み得る。一構成では、装置100は、MPTPトンネリングサーバとの通信のMPTP経路の各々のためのクライアントIPアドレスとサーバIPアドレスとを取得する手段を含み得る。一構成では、装置100は、経路の各々の性能を分析する手段、または分析された性能に基づいて経路上でのMPTPトンネリングサーバとの通信の分布を最適化する手段を含み得る。一構成では、装置100は、第1のIPアドレスを使用して第1のMPTPサブフローを通してMPTPトンネリングサーバと情報を通信する手段と、第2のIPアドレスを使用して第2のMPTPサブフローを通してMPTPトンネリングサーバと情報を通信する手段であって、第2のMPTPサブフローを通したMPTPトンネリングサーバとの通信が、第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、手段と、ピアツーピア通信を通してワイヤレスノードと通信する手段とを含み得る。一構成では、装置100は、VPNアドレスを受信する手段を含み得る。
【0088】
別の構成では、装置100は、1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択する手段と、選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立する手段とを含む。一構成では、装置100は、選択された1つまたは複数の経路の各々にMAICを適用する手段と、適用されたMAICに基づいてリンクを確立する手段とを含み得る。一構成では、装置100は、未使用経路に関連するネットワーク輻輳を低減するために、経路を使用しないことを決定する手段を含み得る。一構成では、装置100は、第1の通信方向のために1つまたは複数の経路のうちの第1の経路を使用する手段を含み得る。一構成では、装置100は、第2の通信方向のために1つまたは複数の経路のうちの第2の経路を使用する手段を含み得る。一構成では、装置100は、各経路についてのラウンドトリップ時間情報に基づく片方向遅延推定値を使用してリンクを改良する手段を含み得る。一構成では、装置100は、確立されたリンク上で第1のパケットを送信する手段を含み得、送信する手段は、1つまたは複数の経路のうちの第1の経路上でスケジュール時間よりも前に第1のパケットを送信する手段をさらに備える。一構成では、装置100は、確立されたリンク上で第2のパケットを送信する手段を含み得、送信する手段は、1つまたは複数の経路のうちの第2の経路上で第2のパケットを送信する手段をスケジュール時間を超えて遅延させることをさらに備える。
【0089】
上述の手段は、上述の手段の各々で識別された機能を実行するように構成された処理システム110である。詳細には、上述の手段は、上述の手段の各々で識別された機能を実行するように構成されたプロセッサ104である。
【0090】
前述の説明は、いかなる当業者でも本開示の全範囲を完全に理解することができるように提供した。本明細書で開示する様々な構成への変更は当業者には容易に明らかであろう。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で説明した本開示の様々な態様に限定されるものではなく、特許請求の言い回しに矛盾しない全範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」を意味するものではなく、「1つまたは複数の」を意味するものである。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という語は「1つまたは複数の」を表す。当業者に知られている、または後に知られることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素のすべての構造的および機能的均等物は、参照により本明細書に明白に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されるものである。さらに、本明細書に開示したいかなることも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に具陳されているかどうかにかかわらず、公に供するものではない。いかなるクレーム要素も、その要素が「手段」という語句を使用して明確に具陳されていない限り、または方法クレームの場合には、その要素が「ステップ」という語句を使用して具陳されていない限り、米国特許法第112条第6項の規定の下で解釈されるべきではない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して第1のマルチパストランスポートプロトコル(MPTP)経路を通してサーバと通信することと、
第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通して前記サーバと通信することであって、前記第2のMPTP経路を通した前記サーバとの前記通信が、前記第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことと、
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと通信することとを備える、ワイヤレス通信の方法。
[C2]
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと前記通信することは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンクのいずれかを使用して通信することをさらに備える、C1の方法。
[C3]
1つまたは複数のユーザデバイスと通信することをさらに備え、前記1つまたは複数のユーザデバイスは、前記第1のMPTP経路または前記第2のMPTP経路のうちの少なくとも1つを通して前記サーバにアクセスするC1の方法。
[C4]
MPTPセッションを開始するために前記サーバとの通信を開始することと、
前記サーバが複数のMPTP経路上で通信することができることを示す情報を前記サーバから受信することとをさらに備える、C1の方法。
[C5]
前記第1のMPTP経路は第1のMPTPサブフローに対応し、前記第2のMPTP経路は第2のMPTPサブフローに対応し、前記第1のMPTP経路を通して前記サーバと前記通信することは、第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して前記第1のMPTPサブフローを通して前記サーバと情報を通信することを備え、前記第2のMPTP経路を通して前記サーバと前記通信することは、第2のIPアドレスを使用して前記第2のMPTPサブフローを通して前記サーバと情報を通信することを備える、C1の方法。
[C6]
前記ワイヤレスノードに前記第2のIPアドレスを要求することと、
前記ワイヤレスノードから前記第2のIPアドレスを受信することと、
前記第2のMPTPサブフローを開始するために前記第2のIPアドレスを用いて前記サーバとの前記通信を開始することとをさらに備える、C5の方法。
[C7]
前記サーバおよび前記ワイヤレスノードと前記通信することは、
前記第1のMPTP経路を通して前記サーバに第1の通信を送ることと、
前記第1のMPTP経路を通して前記第1のIPアドレスで示される前記サーバから第2の通信を受信することと、
前記第2のMPTP経路を通して前記サーバに第3の通信を送信することであって、前記第3の通信が、前記ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードに送られ、前記ワイヤレスノードによって前記サーバに送られる、ことと、
前記第2のMPTP経路を通して前記サーバから第4の通信を受信することであって、前記第4の通信が、前記サーバから前記第2のIPアドレスに送られ、前記第2のIPアドレスで示される前記ワイヤレスノードによって受信され、前記ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードによって送られる、こととを備える、C1の方法。
[C8]
前記経路の各々の性能またはコストのうちの少なくとも1つを分析することと、
前記分析された性能またはコストに基づいて前記経路上での前記サーバとの前記通信の分布を最適化することとをさらに備える、C1の方法。
[C9]
性能情報を前記サーバと交換するために少なくとも1つのオーバーレイが使用される、C8の方法。
[C10]
新しいMPTP経路が利用可能になったときに前記新しいMPTPを追加することと、
前記MPTP経路が失われたときに既存のMPTP経路を削除することとのうちの少なくとも1つをさらに備える、C1の方法。
[C11]
前記MPTP経路の前記追加または削除は、ネットワーク利用可能性、プロキシノード利用可能性、または前記MPTP経路の性能に基づく、C10の方法。
[C12]
前記サーバと前記通信することは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンク上で、通信デバイスに関連する2つ以上のモデムを通して通信することをさらに備える、C1の方法。
[C13]
前記2つ以上のモデムを通して通信することは、1つまたは複数のWWANに関する性能情報、価格設定情報、および利用可能性情報のうちの少なくとも1つを交換するために、または1つまたは複数のWWANを選択するために、モデム間協調を使用することをさらに備える、C12の方法。
[C14]
マルチパストランスポートプロトコル(MPTP)トンネリングサーバとのMPTPセッションを要求することと、
MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバと通信することであって、前記トンネルが1つまたは複数のMPTP経路を備え、前記MPTP経路の各々が通信のためのキャリアに対応する、こととを備える、ワイヤレス通信の方法。
[C15]
MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバと前記通信することは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンクのいずれかを使用して通信することをさらに備える、C14の方法。
[C16]
前記サーバと前記通信することは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンク上で、通信デバイスにとって利用可能な2つ以上のモデムを通して通信することをさらに備える、C14の方法。
[C17]
前記2つ以上のモデムを通して通信することは、1つまたは複数のWWANに関する性能情報、価格設定情報、および利用可能性情報のうちの少なくとも1つを交換するために、または1つまたは複数のWWANを選択するために、モデム間協調を使用することをさらに備える、C16の方法。
[C18]
1つまたは複数のユーザデバイスと通信することをさらに備え、前記1つまたは複数のユーザデバイスは、前記MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバにアクセスする、C14の方法。
[C19]
前記MPTPトンネルを介して前記MPTPトンネリングサーバを通してアプリケーションサーバと通信することをさらに備える、C14の方法。
[C20]
新しいMPTP経路が利用可能になったときに前記新しいMPTPを追加することと、
前記MPTP経路が失われたときに既存のMPTP経路を削除することとのうちの少なくとも1つをさらに備える、C14の方法。
[C21]
前記MPTP経路の前記追加または削除は、ネットワーク利用可能性、プロキシノード利用可能性、または前記MPTP経路の性能に基づく、C20の方法。
[C22]
前記MPTPトンネリングサーバとの通信の前記MPTP経路の各々のクライアントインターネットプロトコル(IP)アドレスとサーバIPアドレスとを取得することをさらに備え、前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信は、前記クライアントIPアドレスにおいて受信され、前記MPTP経路の各々の前記サーバIPアドレスに送られる、C14の方法。
[C23]
前記経路の各々の性能またはコストのうちの少なくとも1つを分析することと、
前記分析された性能またはコストに基づいて前記経路上での前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信の分布を最適化することとをさらに備える、C22の方法。
[C24]
性能情報を前記MPTPトンネリングサーバと交換するために少なくとも1つのオーバーレイが使用される、C23の方法。
[C25]
前記MPTP経路は、第1のMPTPサブフローに対応する第1のMPTP経路と、第2のMPTPサブフローに対応する第2のMPTP経路とを含み、前記MPTPトンネリングサーバと前記通信することは、
第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して前記第1のMPTPサブフローを通して前記MPTPトンネリングサーバと通信することと、
第2のIPアドレスを使用して第2のMPTPサブフローを通して前記MPTPトンネリングサーバと情報を通信することであって、前記第2のMPTPサブフローを通した前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信が前記第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことと、
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと通信することとを備える、C14の方法。
[C26]
バーチャルプライベートネットワーク(VPN)アドレスを受信することをさらに備える、C14の方法。
[C27]
前記VPNアドレスは動的に割り振られる、C26の方法。
[C28]
1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択することと、
前記選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することとを備える、ワイヤレス通信の方法。
[C29]
前記1つまたは複数の性能パラメータは、
アプリケーションの帯域幅使用、
パケット伝送遅延制約、
現在のTCP輻輳ウィンドウ推定値、または
プロアクティブリンク性能情報のうちの少なくとも1つを備える、C28の方法。
[C30]
前記1つまたは複数の経路パラメータは、
経路スペクトル係数、
リンク品質、
リンク利用ファクタ、
チャネル帯域幅、
利用可能なデータ帯域幅および遅延、
ネットワークプライシング、
エネルギー、
動的ネットワーク負荷、または
経路利用コストのうちの少なくとも1つを備える、C28の方法。
[C31]
前記選択された1つまたは複数の経路の各々に複数アンテナ干渉消去(MAIC)を適用することをさらに備え、
前記リンクを前記確立することは、前記適用されたMAICに基づいて前記リンクを確立することをさらに備える、C28の方法。
[C32]
前記選択することは、未使用経路に関連するネットワーク輻輳を低減するために、前記経路を使用しないことを決定することをさらに備える、C28の方法。
[C33]
前記確立することは、第1の通信方向のために前記1つまたは複数の経路のうちの第1の経路を使用することをさらに備える、C28の方法。
[C34]
前記確立することは、第2の通信方向のために前記1つまたは複数の経路のうちの第2の経路を使用することをさらに備え、前記第2の通信方向は前記第1の通信方向とは異なる、C33の方法。
[C35]
前記使用することは、各経路についてのラウンドトリップ時間情報に基づく片方向遅延推定値を使用して前記リンクを改良することをさらに備える、C33の方法。
[C36]
前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信することをさらに備え、前記送信することは、前記1つまたは複数の経路のうちの第1の経路上でスケジュール時間よりも前に前記第1のパケットを送信することをさらに備える、C28の方法。
[C37]
前記確立されたリンク上で第2のパケットを送信することをさらに備え、前記送信することは、前記1つまたは複数の経路のうちの第2の経路上で前記第2のパケットを送信することをスケジュール時間を超えて遅延させることをさらに備え、前記第2の経路は、前記第1の経路よりも速い送信時間をサポートする、C36の方法。
[C38]
第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して第1のマルチパストランスポートプロトコル(MPTP)経路を通してサーバと通信する手段と、
第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通して前記サーバと通信する手段であって、前記第2のMPTP経路を通した前記サーバとの前記通信が、前記第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、手段と、
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと通信する手段とを備える、ワイヤレス通信のための装置。
[C39]
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと前記通信する手段は、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンクのいずれかを使用して通信する手段をさらに備える、C38の装置。
[C40]
1つまたは複数のユーザデバイスと通信する手段をさらに備え、前記1つまたは複数のユーザデバイスは、前記第1のMPTP経路または前記第2のMPTP経路のうちの少なくとも1つを通して前記サーバにアクセスする、C38の装置。
[C41]
MPTPセッションを開始するために前記サーバとの通信を開始する手段と、
前記サーバが複数のMPTP経路上で通信することができることを示す情報を前記サーバから受信する手段とをさらに備える、C38の装置。
[C42]
前記第1のMPTP経路は第1のMPTPサブフローに対応し、前記第2のMPTP経路は第2のMPTPサブフローに対応し、前記第1のMPTP経路を通して前記サーバと通信する前記手段は、第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して前記第1のMPTPサブフローを通して前記サーバと情報を通信し、前記第2のMPTP経路を通して前記サーバと通信する前記手段は、第2のIPアドレスを使用して前記第2のMPTPサブフローを通して前記サーバと情報を通信する、C38の装置。
[C43]
前記ワイヤレスノードに前記第2のIPアドレスを要求する手段と、
前記ワイヤレスノードから前記第2のIPアドレスを受信する手段と、
前記第2のMPTPサブフローを開始するために前記第2のIPアドレスを用いて前記サーバとの前記通信を開始する手段とをさらに備える、C42の装置。
[C44]
前記サーバおよび前記ワイヤレスノードと前記通信することは、
前記第1のMPTP経路を通して前記サーバに第1の通信を送る手段と、
前記第1のMPTP経路を通して前記第1のIPアドレスで示される前記サーバから第2の通信を受信する手段と、
前記第2のMPTP経路を通して前記サーバに第3の通信を送る手段であって、前記第3の通信が、前記ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードに送られ、前記ワイヤレスノードによって前記サーバに送られる、手段と、
前記第2のMPTP経路を通して前記サーバから第4の通信を受信する手段であって、前記第4の通信が、前記サーバから前記第2のIPアドレスに送られ、前記第2のIPアドレスで示される前記ワイヤレスノードによって受信され、前記ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードによって送られる、手段とを備える、C38の装置。
[C45]
前記経路の各々の性能またはコストのうちの少なくとも1つを分析する手段と、
前記分析された性能またはコストに基づいて前記経路上での前記サーバとの前記通信の分布を最適化する手段とをさらに備える、C38の装置。
[C46]
性能情報を前記サーバと交換するために少なくとも1つのオーバーレイが使用される、C45の装置。
[C47]
新しいMPTP経路が利用可能になったときに前記新しいMPTPを追加する手段と、
前記MPTP経路が失われたときに既存のMPTP経路を削除する手段とのうちの少なくとも1つをさらに備える、C38の装置。
[C48]
前記MPTP経路の前記追加または削除は、ネットワーク利用可能性、プロキシノード利用可能性、または前記MPTP経路の性能に基づく、C47の装置。
[C49]
前記サーバと通信する前記手段は、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンク上で、通信デバイスにとって利用可能な2つ以上のモデムを通して通信する手段をさらに備える、C38の装置。
[C50]
前記2つ以上のモデムを通して通信する手段は、1つまたは複数のWWANに関する性能情報、価格設定情報、および利用可能性情報のうちの少なくとも1つを交換するために、または1つまたは複数のWWANを選択するために、モデム間協調を使用する手段をさらに備える、C49の装置。
[C51]
MPTPトンネリングサーバにマルチパストランスポートプロトコル(MPTP)セッションを要求する手段と、
MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバと通信する手段であって、前記トンネルが1つまたは複数のMPTP経路を備え、前記MPTP経路の各々が通信のためのキャリアに対応する、手段とを備える、ワイヤレス通信のための装置。
[C52]
MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバと前記通信する手段は、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンクのいずれかを使用して通信する手段をさらに備える、C51の装置。
[C53]
前記サーバと通信する前記手段は、通信デバイスにとって利用可能な2つ以上のモデムを通して通信する手段をさらに備える、C51の装置。
[C54]
前記2つ以上のモデムを通して通信する手段は、1つまたは複数のWWANに関する性能情報、価格設定情報、または利用可能性情報のうちの少なくとも1つを交換するために、または1つまたは複数のWWANを選択するために、モデム間協調を使用する手段をさらに備える、C53の方法。
[C55]
1つまたは複数のユーザデバイスと通信する手段をさらに備え、前記1つまたは複数のユーザデバイスは、前記MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバにアクセスする、C51の装置。
[C56]
前記MPTPトンネルを介して前記MPTPトンネリングサーバを通してアプリケーションサーバと通信する手段をさらに備える、C51の装置。
[C57]
新しいMPTP経路が利用可能になったときに前記新しいMPTPを追加する手段と、
前記MPTP経路が失われたときに既存のMPTP経路を削除する手段とのうちの少なくとも1つをさらに備える、C51の装置。
[C58]
前記MPTP経路の前記追加または削除は、ネットワーク利用可能性、プロキシノード利用可能性、または前記MPTP経路の性能に基づく、C57の装置。
[C59]
前記MPTPトンネリングサーバとの通信の前記MPTP経路の各々のクライアントインターネットプロトコル(IP)アドレスとサーバIPアドレスとを取得する手段をさらに備え、前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信は、前記クライアントIPアドレスにおいて受信され、前記MPTP経路の各々の前記サーバIPアドレスに送られる、C51の装置。
[C60]
前記経路の各々の性能またはコストのうちの少なくとも1つを分析する手段と、
前記分析された性能またはコストに基づいて前記経路上での前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信の分布を最適化する手段とをさらに備える、C59の装置。
[C61]
性能情報を前記MPTPトンネリングサーバと交換するために少なくとも1つのオーバーレイが使用される、C60の装置。
[C62]
前記MPTP経路は、第1のMPTPサブフローに対応する第1のMPTP経路と、第2のMPTPサブフローに対応する第2のMPTP経路とを含み、前記MPTPトンネリングサーバと通信する前記手段は、
第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して前記第1のMPTPサブフローを通して前記MPTPトンネリングサーバと情報を通信する手段と、
第2のIPアドレスを使用して前記第2のMPTPサブフローを通して前記MPTPトンネリングサーバと情報を通信する手段であって、前記第2のMPTPサブフローを通した前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信が、前記第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、手段と、
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと通信する手段とを備える、C51の装置。
[C63]
バーチャルプライベートネットワーク(VPN)アドレスを受信する手段をさらに備える、C51の装置。
[C64]
前記VPNアドレスは動的に割り振られる、C63の装置。
[C65]
1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択する手段と、
前記選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立する手段とを備える、ワイヤレス通信のための装置。
[C66]
前記1つまたは複数の性能パラメータは、
アプリケーションの帯域幅使用、
パケット伝送遅延制約、
現在のTCP輻輳ウィンドウ推定値、または
プロアクティブリンク性能情報のうちの少なくとも1つを備える、C65の装置。
[C67]
前記1つまたは複数の経路パラメータは、
経路スペクトル係数、
リンク品質、
リンク利用ファクタ、
チャネル帯域幅、
利用可能なデータ帯域幅および遅延、
ネットワークプライシング、
エネルギー、
動的ネットワーク負荷、または
経路利用コストのうちの少なくとも1つを備える、C65の装置。
[C68]
前記選択された1つまたは複数の経路の各々に複数アンテナ干渉消去(MAIC)を適用する手段をさらに備え、
前記リンクを確立する前記手段は、前記適用されたMAICに基づいて前記リンクを確立する手段をさらに備える、C65の装置。
[C69]
選択する前記手段は、未使用経路に関連するネットワーク輻輳を低減するために、前記経路を使用しないことを決定する手段をさらに備える、C65の装置。
[C70]
確立する前記手段は、第1の通信方向のために前記1つまたは複数の経路のうちの第1の経路を使用する手段をさらに備える、C65の装置。
[C71]
確立する前記手段は、第2の通信方向のために前記1つまたは複数の経路のうちの第2の経路を使用する手段をさらに備え、前記第2の通信方向は前記第1の通信方向とは異なる、C70の装置。
[C72]
使用する前記手段は、各経路についてのラウンドトリップ時間情報に基づく片方向遅延推定値を使用して前記リンクを改良する手段をさらに備える、C70の装置。
[C73]
前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信する手段をさらに備え、送信する前記手段は、前記1つまたは複数の経路のうちの第1の経路上でスケジュール時間よりも前に前記第1のパケットを送信する手段をさらに備える、C65の装置。
[C74]
前記確立されたリンク上で第2のパケットを送信する手段をさらに備え、送信する前記手段は、前記1つまたは複数の経路のうちの第2の経路上で前記第2のパケットを送信する手段をスケジュール時間を超えて遅延させることをさらに備え、前記第2の経路は、前記第1の経路よりも速い送信時間をサポートする、C73の装置。
[C75]
第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して第1のマルチパストランスポートプロトコル(MPTP)経路を通してサーバと通信することと、
第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通して前記サーバと通信することであって、前記第2のMPTP経路を通した前記サーバとの前記通信が、前記第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことと、
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと通信することと
を行うためのコードを備えるコンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
[C76]
マルチパストランスポートプロトコル(MPTP)トンネリングサーバとのMPTPセッションを要求することと、
MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバと通信することであって、前記トンネルが1つまたは複数のMPTP経路を備え、前記MPTP経路の各々が通信のためのキャリアに対応する、ことと
を行うためのコードを備えるコンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
[C77]
1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択することと、
前記選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することと
を行うためのコードを備えるコンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
[C78]
第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して第1のマルチパストランスポートプロトコル(MPTP)経路を通してサーバと通信することと、
第2のIPアドレスを使用して第2のMPTP経路を通して前記サーバと通信することであって、前記第2のMPTP経路を通した前記サーバとの前記通信が、前記第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことと、
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと通信することと
を行うように構成された処理システムを備える、ワイヤレス通信のための装置。
[C79]
前記処理システムは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンクのいずれかを使用して通信するようにさらに構成された、C78の装置。
[C80]
前記処理システムは、1つまたは複数のユーザデバイスと通信するようにさらに構成され、前記1つまたは複数のユーザデバイスは、前記第1のMPTP経路または前記第2のMPTP経路のうちの少なくとも1つを通して前記サーバにアクセスする、C78の装置。
[C81]
前記処理システムは、
MPTPセッションを開始するために前記サーバとの通信を開始することと、
前記サーバが複数のMPTP経路上で通信することができることを示す情報を前記サーバから受信することとを行うようにさらに構成された、C78の装置。
[C82]
前記第1のMPTP経路は第1のMPTPサブフローに対応し、前記第2のMPTP経路は第2のMPTPサブフローに対応し、前記処理システムは、
第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して前記第1のMPTPサブフローを通して前記サーバと情報を通信することと、
第2のIPアドレスを使用して前記第2のMPTPサブフローを通して前記サーバと情報を通信することとを行うようにさらに構成された、C78の装置。
[C83]
前記処理システムは、
前記ワイヤレスノードに前記第2のIPアドレスを要求することと、
前記ワイヤレスノードから前記第2のIPアドレスを受信することと、
前記第2のMPTPサブフローを開始するために前記第2のIPアドレスを用いて前記サーバとの前記通信を開始することとを行うようにさらに構成された、C82の装置。
[C84]
前記処理システムは、
前記第1のMPTP経路を通して前記サーバに第1の通信を送ることと、
前記第1のMPTP経路を通して前記第1のIPアドレスで示される前記サーバから第2の通信を受信することと、
前記第2のMPTP経路を通して前記サーバに第3の通信を送ることであって、前記第3の通信が、前記ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードに送られ、前記ワイヤレスノードによって前記サーバに送られる、ことと、
前記第2のMPTP経路を通して前記サーバから第4の通信を受信することであって、前記第4の通信が、前記サーバから前記第2のIPアドレスに送られ、前記第2のIPアドレスで示される前記ワイヤレスノードによって受信され、前記ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードによって送られる、こととを行うようにさらに構成された、C78の装置。
[C85]
前記処理システムは、
前記経路の各々の性能またはコストのうちの少なくとも1つを分析することと、
前記分析された性能またはコストに基づいて前記経路上での前記サーバとの前記通信の分布を最適化することとを行うようにさらに構成された、C78の装置。
[C86]
性能情報を前記サーバと交換するために少なくとも1つのオーバーレイが使用される、C85の装置。
[C87]
前記処理システムは、
新しいMPTP経路が利用可能になったときに前記新しいMPTPを追加することと、
前記MPTP経路が失われたときに既存のMPTP経路を削除することとのうちの少なくとも1つを実行するようにさらに構成された、C78の装置。
[C88]
前記MPTP経路の前記追加または削除は、ネットワーク利用可能性、プロキシノード利用可能性、または前記MPTP経路の性能に基づく、C87の装置。
[C89]
前記処理システムは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンク上で、通信デバイスにとって利用可能な2つ以上のモデムを通して通信するようにさらに構成された、C78の装置。
[C90]
前記処理システムは、1つまたは複数のWWANに関する性能情報、価格設定情報、または利用可能性情報のうちの少なくとも1つを交換するために、または1つまたは複数のWWANを選択するために、モデム間協調を使用するようにさらに構成された、C89の装置。
[C91]
MPTPトンネリングサーバにマルチパストランスポートプロトコル(MPTP)セッションを要求することと、
MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバと通信することであって、前記トンネルが1つまたは複数のMPTP経路を備え、前記MPTP経路の各々が通信のためのキャリアに対応する、ことと
を行うように構成された処理システムを備える、ワイヤレス通信のための装置。
[C92]
前記処理システムは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンクのいずれかを使用して通信するようにさらに構成された、C91の装置。
[C93]
2つ以上のモデムをさらに備え、前記処理システムは、ワイヤードリンクまたはワイヤレスリンク上で、前記2つ以上のモデムを通して通信するようにさらに構成された、C91の装置。
[C94]
前記処理システムは、1つまたは複数のWWANに関する性能情報、価格設定情報、または利用可能性情報のうちの少なくとも1つを交換するために、または1つまたは複数のWWANを選択するために、モデム間協調を使用するようにさらに構成された、C93の装置。
[C95]
前記処理システムは、
1つまたは複数のユーザデバイスと通信するようにさらに構成され、前記1つまたは複数のユーザデバイスは、前記MPTPトンネルを通して前記MPTPトンネリングサーバにアクセスする、C91の装置。
[C96]
前記処理システムは、前記MPTPトンネルを介して前記MPTPトンネリングサーバを通してアプリケーションサーバと通信するようにさらに構成された、C91の装置。
[C97]
前記処理システムは、
新しいMPTP経路が利用可能になったときに前記新しいMPTPを追加することと、
前記MPTP経路が失われたときに既存のMPTP経路を削除することとのうちの少なくとも1つを実行するようにさらに構成された、C91の装置。
[C98]
前記MPTP経路の前記追加または削除は、ネットワーク利用可能性、プロキシノード利用可能性、または前記MPTP経路の性能に基づく、C97の装置。
[C99]
前記処理システムは、前記MPTPトンネリングサーバとの通信の前記MPTP経路の各々のクライアントインターネットプロトコル(IP)アドレスとサーバIPアドレスとを取得するようにさらに構成され、前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信は、前記クライアントIPアドレスにおいて受信され、前記MPTP経路の各々の前記サーバIPアドレスに送られる、C91の装置。
[C100]
前記処理システムは、
前記経路の各々の性能またはコストのうちの少なくとも1つを分析することと、
前記分析された性能またはコストに基づいて前記経路上での前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信の分布を最適化することとを行うように構成された、C99の装置。
[C101]
性能情報を前記MPTPトンネリングサーバと交換するために少なくとも1つのオーバーレイが使用される、C100の装置。
[C102]
前記MPTP経路は、第1のMPTPサブフローに対応する第1のMPTP経路と、第2のMPTPサブフローに対応する第2のMPTP経路とを含み、前記処理システムは、
第1のインターネットプロトコル(IP)アドレスを使用して前記第1のMPTPサブフローを通して前記MPTPトンネリングサーバと情報を通信することと、
第2のIPアドレスを使用して前記第2のMPTPサブフローを通して前記MPTPトンネリングサーバと情報を通信することであって、前記第2のMPTPサブフローを通した前記MPTPトンネリングサーバとの前記通信が、前記第2のIPアドレスで示されるワイヤレスノードを通る、ことと、
ピアツーピア通信を通して前記ワイヤレスノードと通信することとを行うようにさらに構成された、C101の装置。
[C103]
前記処理システムはバーチャルプライベートネットワーク(VPN)アドレスを受信するようにさらに構成された、C101の装置。
[C104]
前記VPNアドレスは動的に割り振られる、C103の装置。
[C105]
1つまたは複数の性能パラメータおよび1つまたは複数の経路パラメータに基づいて1つまたは複数のMPTP経路を選択することと、
前記選択された1つまたは複数のMPTP経路を使用してリンクを確立することと
を行うように構成された処理システムを備える、ワイヤレス通信のための装置。
[C106]
前記1つまたは複数の性能パラメータは、
アプリケーションの帯域幅使用、
パケット伝送遅延制約、
現在のTCP輻輳ウィンドウ推定値、または
プロアクティブリンク性能情報のうちの少なくとも1つを備える、C105の装置。
[C107]
前記1つまたは複数の経路パラメータは、
経路スペクトル係数、
リンク品質、
リンク利用ファクタ、
チャネル帯域幅、
利用可能なデータ帯域幅および遅延、
ネットワークプライシング、
エネルギー、
動的ネットワーク負荷、または
経路利用コストのうちの少なくとも1つを備える、C105の装置。
[C108]
前記処理システムは、
前記選択された1つまたは複数の経路の各々に複数アンテナ干渉消去(MAIC)を適用することと、
前記適用されたMAICに基づいて前記リンクを確立することとを行うようにさらに構成された、C105の装置。
[C109]
前記処理システムは、未使用経路に関連するネットワーク輻輳を低減するために、前記経路を使用しないことを決定するようにさらに構成された、C105の装置。
[C110]
前記処理システムは、第1の通信方向のために前記1つまたは複数の経路のうちの第1の経路を使用するようにさらに構成された、C105の装置。
[C111]
前記処理システムは、第2の通信方向のために前記1つまたは複数の経路のうちの第2の経路を使用するようにさらに構成され、前記第2の通信方向は前記第1の通信方向とは異なる、C110の装置。
[C112]
前記処理システムは、各経路についてのラウンドトリップ時間情報に基づく片方向遅延推定値を使用して前記リンクを改良するようにさらに構成された、C110の装置。
[C113]
前記処理システムは、前記確立されたリンク上で第1のパケットを送信するようにさらに構成され、前記送信することは、前記1つまたは複数の経路のうちの第1の経路上でスケジュール時間よりも前に前記第1のパケットを送信することをさらに備える、C105の装置。
[C114]
前記処理システムは、前記1つまたは複数の経路のうちの第2の経路上で第2のパケットを送信することをスケジュール時間を超えて遅延させることによって前記確立されたリンク上で前記第2のパケットを前記送信するようにさらに構成され、前記第2の経路は、前記第1の経路よりも速い送信時間をサポートする、C113の装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図21