(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の無線アクセスポイントから受信された信号に基づいて、前記複数の無線アクセスポイントから受信された信号の複数のサブセットの各々について移動局の位置を決定することによって、前記移動局の複数のテスト位置を決定するステップであって、前記複数の無線アクセスポイントから受信された信号の複数のサブセットの各々は、ユニークであり、かつ、前記複数の無線アクセスポイントから受信された信号のうちの1つが除去され、前記複数の無線アクセスポイントは、4つ以上の無線アクセスポイントを含み、前記移動局の位置を決定することは、三辺測量、ラウンドトリップ時間(RTT)、受信信号強度インジケータ(RSSI)、到着時間(TOA)、到着角度(AoA)、または、これらの任意の組合せに基づく、ステップと、
前記複数のテスト位置を比較して位置情報について誤設定された無線アクセスポイントを識別するステップと、
をコンピュータに実行させるように構成することによって位置情報について誤設定された無線アクセスポイントを識別するためのコンピュータ読み取り可能な命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の態様は、本発明の特定の実施形態に関する以下の説明および関連する図面において開示される。本発明の範囲から逸脱せずに、代替の実施形態が考案されうる。加えて、本発明のよく知られている要素は、詳細に説明されないか、または本発明の関連する詳細を不明瞭にしないように省略される。
【0018】
「例示的な」という用語は、本明細書において、「例、事例、または例示として機能する」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明されるいずれの実施形態も、その他の実施形態に勝って好ましい、または有利であると解釈されるとは限らない。同様に、「本発明の実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態が議論される特徴、利点、または動作モードを含むことを必要としない。
【0019】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけであり、本発明の実施形態を限定することが意図されない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、その内容がそうでないことを明確に示さない限り、複数形を同様に含むことが意図される。「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つもしくは複数のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在あるいは追加を除外しない点をさらに理解されよう。
【0020】
さらに、多くの実施形態は、例えば、コンピューティングデバイスの要素によって実行されることになる動作の順序の点から説明される。本明細書で説明される様々な動作は、特定の回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、1つもしくは複数の処理ユニットによって実行されているプログラム命令によって、またはそれら両方の組合せによって実行されうる点を認識されよう。加えて、本明細書で説明されるこれらの動作の順序は、実行時に、関連する処理ユニットに、本明細書で説明される機能を実行させることになるコンピュータ命令の対応するセットを格納している、任意の形態のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体内で完全に実施されるとみなされてよい。したがって、本発明の様々な態様は、そのすべてが特許請求される主題の範囲内にあることが企図されている、いくつかの異なる形態で実施可能である。加えて、本明細書で説明される実施形態のそれぞれに関して、対応する形態の任意のかかる実施形態は、本明細書において、例えば、説明される活動を実行「するように構成された論理」として説明される場合がある。
【0021】
以下でより詳細に説明されるように、移動局の位置決定は、移動局と複数の無線アクセスポイント/フェムトセルなどとの間で交換された信号から導出された情報に依存しうる。かかる信号から導出された情報は、例えば、ラウンドトリップ時間(RTT)、受信信号強度/受信信号強度インジケータ(RSS/RSSI)および/または到着角度(AoA)を含みうる。例えば、基準座標フレーム内で説明されるそれらの位置など、無線アクセスポイントに関する補助情報も使用されうる。移動局に関する位置の正確な推定を提供するために、信号から導出された情報および補助情報が、1つまたは複数の無線信号モデル(例えば、RTTを基にした、RSSIを基にした、および/またはAoAを基にしたモデル)と共に利用可能である。(1つもしくは複数の)無線信号モデルに提供された任意のタイプの補助情報が誤っている場合、かつ/または無線信号モデル内で使用されたパラメータが不正確である場合、移動局の位置解決策は弱まる可能性がある。例えば、無線アクセスポイントが移動されて、その位置がその新しい位置を反映するように更新されなかったために、その無線アクセスポイントの位置が誤っている場合、不適切に構成された無線アクセスポイントは、移動局に関する位置解決の精度に悪影響を与える場合がある。
【0022】
本明細書で使用される場合、「誤設定された無線アクセスポイント」という用語は、任意のタイプの誤った情報部分、古い情報部分、または不足している情報部分に関連する無線アクセスポイントを指定するために使用される場合がある。したがって、誤設定された無線アクセスポイントは、(1つまたは複数の)無線信号モデル内で使用される、誤った位置および/または任意の不正確なパラメータ(例えば、遅延時間、信号電源減衰など)と関連付けられてよい。本明細書で説明される較正手法は、誤設定された無線アクセスポイントの補正を手動で実行する必要なしに、その誤設定された無線アクセスポイントを発見して、補正するために使用されうる。これらの技法は自動的に実行可能であるため、これらの技法は、ネットワークが最初にセットアップされて、配備された後に(すなわち、配備後に)有用でありうる。
【0023】
図1は、本開示の一実施形態に整合する、ネットワークと通信中の1つまたは複数の移動局108向けの1つの例示的な動作環境100である。動作環境100は、1つもしくは複数の異なるタイプの無線通信システムおよび/または無線測位システムを含みうる。
図1に示される実施形態では、移動局108に関する位置情報の独立したソースとして、衛星測位システム(SPS)が使用されうる。それぞれの移動局108a〜108cは、詳細には、SPS衛星102から地理的位置情報を導出するための信号を受信するように設計された、1つまたは複数の専用のSPS受信機を含みうる。
【0024】
動作環境100は、広域ネットワークを含みうる(本明細書において、バックホールネットワークと呼ばれる場合もある)バックエンドネットワークを含むことも可能である。このバックエンドネットワークは、1つもしくは複数の有線ネットワークおよび/または無線ネットワークを含むことが可能であり、インターネットアクセスおよび/またはセルラデータ網アクセスを提供することも可能である。このバックエンドネットワークは、無線音声通信および/または無線データ通信に関して、移動局108に関する独立した位置情報の別のソースとして潜在的に使用可能な、1つまたは複数の広域ネットワーク無線アクセスポイント(WAN-WAP)104をさらに含みうる。WAN-WAP104は、知られている位置にセルラ基地局を含みうる無線広域ネットワーク(WWAN)内、および/または、例えば、WiMAX(例えば、802.16)など、その他の広域無線システム内に組み込まれることが可能である。WWANは、(例えば、基地局コントローラなど) 1つまたは複数のコントローラ114と、WWANを広域ネットワーク118と相互接続するためのゲートウェイ120とをさらに含みうる。その他の知られているネットワーク構成要素がさらに含まれてもよいが、説明を簡単にするために、
図1には示されない。通常、WWAN内のそれぞれのWAN-WAP104a〜104cは、固定された、知られている位置から動作して、大都市および/または地域エリアの全域でネットワークカバレッジを提供することが可能である。
【0025】
このバックエンドネットワークは、広域ネットワーク118に接続可能な別個の測位サーバ(PS)112をさらに含みうる。PS112は、誤設定された無線アクセスポイントを補償するために、配備後較正を実行することが可能である。加えて、PS112は、個々の無線アクセスポイントに関する情報および/またはその他のネットワーク要素に関する情報を提供することによって、それらの位置を決定する際に、移動局108を援助することが可能である。このバックエンドネットワークは、ローカルエリアネットワークを広域ネットワーク118に相互接続するための相互接続ネットワーク116も含みうる。ネットワーク116は、
図1に示されるように有線ネットワークであってよいが、その他の実施形態では、ネットワーク116は、全部または一部が無線ネットワークであってもよい。さらに、様々な実施形態は、PS機能をバックエンドネットワークの別の部分の中に配置させることが可能である。
【0026】
動作環境100は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)をさらに含みうる。WLANは、1つまたは複数のローカルエリアネットワーク無線アクセスポイント(LAN-WAP)106を含みうる。WLANは、無線音声通信および/または無線データ通信、ならびに位置データの別の独立したソースに関して使用されうる。それぞれのLAN-WAP106a〜106eは、無線方式および/または有線方式を使用して、バックエンドネットワークに接続することが可能である。例えば、
図1に示されるように、LAN-WAP106a〜106cは、相互接続ネットワーク116を介して広域ネットワーク118に対してインターフェースで連結することが可能であり、一方、LAN-WAP106dおよび106eは、無線接続を使用して、バックエンドネットワークに対して通信することが可能である。範囲内にあるとき、それぞれの移動局108a〜108cは、1つまたは複数のLAN-WAP106とパケットを無線で交換することが可能である。WLANは、通常、建物内で動作して、WWANよりもより小さな地理的領域を介して通信を実行することが可能であり、WLANは、Wi-Fiネットワーク(IEEE 802.11x)、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、フェムトセルなどのプロトコルの下で動作することが可能である。
【0027】
移動局108は、SPS送信機102、WAN-WAP 104、および/またはLAN-WAP106のうちいずれか1つもしくはそれらの組合せからその他の独立した位置情報を導出することが可能である。前述のシステムのそれぞれは、異なる技法を使用して、移動局108に関する位置の独立した推定を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、移動局108は、位置データの精度を改善するために、異なるタイプの送信機/アクセスポイントのそれぞれから導出された解決策を組み合わせることが可能である。以下では、通常の方法で移動局108の位置を決定することに関する詳細が短く提示される。
【0028】
図1をさらに参照すると、移動局108は、任意のタイプの携帯用無線デバイスを表しうる。したがって、限定ではなく、例として、移動局108は、無線デバイス、セルラ電話デバイス、コンピューティングデバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、またはその他の類似の可動無線通信を装備したデバイス、機器、もしくは機械を含みうる。
【0029】
本明細書で使用される場合、「無線デバイス」という用語は、ネットワークを介して情報を転送することが可能であり、位置決定機能および/またはナビゲーション機能を有することも可能な、任意のタイプの無線通信デバイスを指す場合がある。この無線デバイスは、任意の移動局、セルラ移動体端末、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、ラップトップ、携帯情報端末、またはネットワーク信号および/またはSPS信号を受信して、処理することが可能な任意のその他の適切な移動体デバイスであってよい。
【0030】
SPSを使用して位置データを導出するとき、移動局108は、詳細には、通常の技法を使用して、利用可能なSPS送信機102によって送信された複数の信号から位置を抽出するSPSと共に使用するように設計された受信機を利用することが可能である。それらの送信機は、エンティティが、それらの送信機から受信された信号に少なくとも一部基づいて、地球上または上空のそれらのエンティティの位置を決定することを可能にするように配置されうる。かかる送信機は、通常、設定されたチップ数の繰り返し擬似ランダム雑音(PN)コードを用いてマーキングされた信号を送信し、地上に配置された制御局、ユーザ機器、および/または宇宙船の上に配置可能である。特定の例では、かかる送信機は、地球軌道衛星ビークル(SV)上に配置されうる。例えば、全地球測位システム(GPS)、ガリレオ、グロナス、またはコンパスなど、全地球航法衛星システム(GNSS)のコンスタレーション内のSVは、(例えば、GPSの場合のように、それぞれの衛星に関して異なるPNコードを使用して、またはグロナスの場合のように、異なる周波数上で同じコードを使用して)コンスタレーション内のその他のSVによって送信されたPNコードと区別可能なPNコードを用いてマーキングされた信号を送信することが可能である。いくつかの態様によれば、本明細書で提示される技法は、SPSに関する全地球システム(例えば、GNSS)に限定されない。例えば、本明細書で提供される技法は、例えば、日本の上空の準天頂衛星システム(QZSS)、インドの上空のインド領域航法衛星システム(IRNSS)、中国の上空の北斗など、様々な領域システム、ならびに/あるいは1つもしくは複数の全地球航法衛星システムおよび/または領域航法衛星システムに関連しうるか、あるいはそうでない場合、当該航法衛星システムと共に使用することが可能にされうる様々な増強システム(例えば、衛星に配置された増強システム(SBAS))において使用するために適用されることが可能であるか、またはそうでない場合、それらの領域システムにおいて使用することが可能にされうる。限定ではなく、例として、SBASは、例えば、広域補強システム(WAAS)、欧州静止航法オーバーレイサービス(EGNOS)、運用多目的衛星用衛星航法補強システム(MSAS)、GPS支援地球
補強航法(GPS Aided Geo Augmented Navigation )システム、またはGPSおよび地球補強航法(GPS and Geo Augmented Navigation)システム(GAGAN)など、完全性情報、差異修正などを提供する、(1つもしくは複数の)増強システムを含みうる。したがって、本明細書で使用される場合、SPSは、1つもしくは複数の全地球航法衛星システムおよび/または領域航法衛星システムならびに/あるいは1つもしくは複数の全地球増強システムおよび/または領域増強システムの任意の組合せを含むことが可能であり、SPS信号は、SPS、SPSのような信号、および/またはかかる1つもしくは複数のSPSに関連するその他の信号を含みうる。
【0031】
さらに、開示される方法および装置は、擬似衛星、または衛星と擬似衛星の組合せを利用する測位決定システムと共に使用されうる。擬似衛星は、PNコード、またはGPS時間と同期されうるL帯域(または、その他の周波数)搬送波信号上で変調された(GPSセルラ信号またはCDMAセルラ信号に類似した)その他の測距コードをブロードキャストする地上に配置された送信機である。それぞれのかかる送信機には、遠隔受信機による識別を可能にするために、独自のPNコードが割り当てられることが可能である。擬似衛星は、トンネル、鉱山、建物、都会の谷間、またはその他の閉鎖領域の中など、軌道衛星からの信号が利用可能でない可能性がある状況において有用である。擬似衛星のもう1つの実装形態は、無線ビーコンとして知られている。本明細書で使用される場合、「衛星」という用語は、擬似衛星、擬似衛星の同等物、および場合によってはその他の物を含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「SPS信号」という用語は、擬似衛星または擬似衛星の同等物からのSPSのような信号を含むことが意図される。
【0032】
WWANから位置を導出するとき、それぞれのWAN-WAP104a〜104cは、デジタルセルラネットワーク内の基地局の形をとることが可能であり、移動局108は、セルラトランシーバと、位置を導出するために、基地局信号を活用することができるプロセッサとを含みうる。デジタルセルラネットワークは、追加の基地局、または
図1に示されないその他のリソースを含みうる点を理解されたい。WAN-WAP104は、実際に可動でありうるか、またはそうでない場合、位置変更されることが可能でありうるが、例示のために、WAN-WAP104は、本質的に、固定位置に配置されていることが仮定される。移動局108は、例えば、高度順方向リンク三辺測量(AFLT)など、通常の到着時間技法を使用して、位置決定を実行することが可能である。その他の実施形態では、任意のWAN-WAP104a〜104cは、WiMAX無線ネットワーキング基地局の形をとってよい。例えば、移動局108は、WAN-WAP104によって提供された信号からの到着時間(TOA)技法を使用して、その位置を決定することが可能である。移動局108は、独立モードで、または通常のTOA技法を使用して、測位サーバ112および/または広域ネットワーク118の支援を使用して、位置を決定することが可能である。本開示の実施形態は、移動局108に、異なるタイプであるWAN-WAP104を使用して、位置情報を決定させるステップを含みうる点に留意されたい。例えば、いくつかのWAN-WAP104は、セルラ基地局であってよく、その他のWAN-WAPは、WiMAX基地局であってよい。かかる動作環境では、移動局108は、それぞれ異なるタイプのWAN-WAPからの信号を活用して、精度を改善するために、導出された位置解決策をさらに組み合わせることが可能でありうる。
【0033】
WLANを使用する通常の技法に基づいて、任意の移動局の独立した位置情報を導出するとき、かかる移動局108は、測位サーバ112および広域ネットワーク118の支援と共に、到着時間技法および/または信号強度技法を利用することが可能である。これらの通常の位置決定技法は、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、その他の様々な無線通信ネットワークと共に使用されることも可能である。
【0034】
「ネットワーク」および「システム」という用語は、多くの場合、交換可能に使用される。WWANは、符号分割多重接続(CDMA)ネットワーク、時分割多重接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多重接続(FDMA)ネットワーク、直行周波数分割多重接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数多重接続(SC-FDMA)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、WiMAX(IEEE802.16)ネットワークなどでありうる。CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W-CDMA)など、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装することが可能である。cdma2000は、IS-95標準、IS-2000標準、およびIS-856標準を含む。TDMAネットワークは、移動体通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、デジタル先進移動電話システム(D-AMPS)、またはいくつかのその他のRATを実装することが可能である。GSM(登録商標)およびW-CDMAは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と呼ばれる協会からの文書で説明される。cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と呼ばれる協会からの文書で説明される。3GPP文書および3GPP2文書は、公に利用可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークであってよく、WPANはBluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15x、またはいくつかのその他のタイプのネットワークであってよい。これらの技法は、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せに関して使用されることも可能である。
【0035】
上述のローカライゼーション技術、ならびに任意のその他の知られている通常の位置決定手法は、精度および/またはパフォーマンスを改善するための様々なネットワークを中心にした位置決定の実施形態と共に使用可能である。普通に決定されるローカライゼーション情報を利用することが可能なネットワークを中心にした実施形態は、本明細書の後の説明において、より詳細に説明される。
【0036】
図2は、1つの例示的な移動局200の様々な構成要素を例示するブロック図である。説明を簡単にするために、
図2の図内に例示される様々な特徴および機能は、共通のバスを使用して一緒に接続され、これは、これらの様々な特徴および機能が動作可能に一緒に結合されることを表すことが意味される。当業者は、実際の携帯用無線デバイスを動作可能に結合して、構成するために、必要に応じて、その他の接続、機構、特徴、機能などが提供され、適合されることが可能である点を認識されよう。さらに、
図2の例において示される特徴または機能のうちの1つもしくは複数は、さらに細分化されてよく、あるいは
図2に例示される特徴または機能のうちの2つ以上は、組み合わされてもよい点も認識されよう。
【0037】
移動局は、1本または複数のアンテナ202に接続可能な、1つまたは複数の広域ネットワークトランシーバ204を含みうる。広域ネットワークトランシーバ204は、WAN-WAP104と通信し、かつ/または、WAN-WAP104に対する/WAN-WAP104からの信号を検出し、かつ/または、ネットワーク内のその他の無線デバイスと直接的に通信するための適切なデバイス、ハードウェア、および/または、ソフトウェアを備える。一態様では、広域ネットワークトランシーバ204は、無線基地局のCDMAネットワークと通信するのに適したCDMA通信システムを備えうるが、その他の態様では、無線通信システムは、例えば、TDMAまたはGSM(登録商標)など、別のタイプのセルラ電話ネットワークを備えることが可能である。加えて、例えば、WiMAX(802.16)など、任意のその他のタイプの無線ネットワーキング技術が使用できる。移動局は、1本または複数のアンテナ202に接続可能な1つまたは複数のローカルエリアネットワークトランシーバ206も含みうる。ローカルエリアネットワークトランシーバ206は、LAN-WAP106と通信し、かつ/または、LAN-WAP106に対する/LAN-WAP106からの信号を検出し、かつ/または、ネットワーク内のその他の無線デバイスと直接的に通信するための適切なデバイス、ハードウェア、および/または、ソフトウェアを備える。一態様では、ローカルエリアネットワークトランシーバ206は、1つまたは複数の無線アクセスポイントと通信するのに適したWiFi(802.11x)通信システムを備えうるが、その他の態様では、ローカルエリアネットワークトランシーバ206は、別のタイプのローカルエリアネットワーク技術、パーソナルエリアネットワーク技術(例えば、Bluetooth(登録商標))などを備える。加えて、例えば、超広帯域、ZigBee、無線USBなど、任意のその他のタイプの無線ネットワーキング技術が使用できる。
【0038】
本明細書で使用される場合、「無線アクセスポイント」(WAP)という用語は、LAN-WAP106、フェムトセル、および/またはWAN-WAP104、Bluetooth(登録商標)トランシーバなどを指すために使用される場合がある。詳細には、下で提示される説明において、「WAP」という用語が使用されるとき、実施形態は、複数のLAN-WAP106、複数のWAN-WAP104、フェムトセル、または複数の技術の任意の組合せからの信号を活用できる移動局200を含みうる点を理解されたい。移動局200によって利用されているWAPの特定のタイプは、動作の環境に依存しうる。さらに、移動局200は、正確な位置解決策に達するために、様々なタイプのWAPの中から動的に選択することが可能である。
【0039】
SPS受信機208は、移動局200内に含まれることも可能である。SPS受信機208は、SPS信号を受信するために、1本または複数のアンテナ202に接続されることが可能である。SPS受信機208は、SPS信号を受信して、処理するための任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えうる。SPS受信機208は、必要に応じて、その他のシステムから情報および動作を要求し、任意の適切なSPSアルゴリズムによって取得された測定値を使用して、移動局200の位置を決定するために必要な計算を実行することが可能である。
【0040】
運動センサ212は、広域ネットワークトランシーバ204、ローカルエリアネットワークトランシーバ206、およびSPS受信機208によって受信された信号から導出された運動データから独立している相対的な移動情報および/または方位情報を提供するために、プロセッサ210に結合されることが可能である。限定ではなく、例として、運動センサ212は、加速度計(例えば、MEMSデバイス)、ジャイロスコープ、地磁気センサ(例えば、コンパス)、高度計(例えば、気圧高度計)、および/または任意のその他のタイプの移動検出センサを利用することが可能である。さらに、運動センサ212は、複数の異なるタイプのデバイスを含み、運動情報を提供するために、その出力を組み合わせることが可能である。
【0041】
処理ユニット210は、広域ネットワークトランシーバ204と、ローカルエリアネットワークトランシーバ206と、SPS受信機208と、運動センサ212とに接続されることが可能である。処理ユニットは、処理機能、ならびにその他の計算および制御機能を提供する、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、および/またはデジタル信号プロセッサを含みうる。プロセッサ210は、移動局内でプログラムされた機能を実行するためのデータおよびソフトウェア命令を格納するためのメモリ214も含みうる。メモリ214は、(例えば、同じICパッケージ内の)処理ユニット210上に搭載されてよく、かつ/またはメモリ214は、処理ユニットの外部にあってもよく、データバスを介して機能的に結合されてもよい。本開示の態様に関連するソフトウェア機能の詳細は、以下でより詳細に説明される。
【0042】
いくつかのソフトウェアモジュールおよび/またはデータ表がメモリ214内に常駐し、通信および測位決定機能を管理するために、処理ユニット210によって利用されることが可能である。加えて、一実施形態では、移動局200は、以下でより詳細に説明されるように、配備後較正を実行することが可能である。さらに
図2を参照すると、メモリ214は、測位モジュール216、アプリケーションモジュール218、受信信号強度インジケータ(RSSI)モジュール220、ラウンドトリップ時間(RTT)モジュール222、および、(破線で例示される)オプションの較正モジュール228を含むことが可能であり、かつ/またはそうでない場合、これらを受け入れることが可能である。
図2に示されるようなメモリ内容の構成は、単なる例であり、したがって、モジュールおよび/もしくはデータ構造の機能は、移動局200の実装形態に応じて、様々な形で組み合わされること、分離されること、ならびに/または構成されることが可能である点を理解されたい。
【0043】
アプリケーションモジュール218は、測位モジュール216から位置情報を要求する、移動体デバイス200の処理ユニット210上で動作しているプロセスでありうる。アプリケーションは、通常、ソフトウェアアーキテクチャの上位層内で動作し、屋内ナビゲーション(Indoor Navigation)、バディロケータ(Buddy Locator)、買い物およびクーポン、資産追跡、および位置認識サービス発見(location Aware Service Discovery)を含みうる。測位モジュール216は、様々な無線信号モデルから、かつオプションで、較正モジュール228から導出された情報を使用して、移動体デバイス200の位置を導出することが可能である。無線信号モデルは、例えば、複数のWAPと交換された信号から測定されたラウンドトリップ時間を使用することが可能なRTTモデルを含みうる。RTT技法を使用して、位置を正確に決定するために、それぞれのWAPに関連する様々なパラメータの合理的な推定値が知られるべきであり、当該推定値は、本明細書で説明される較正技法を使用して決定可能である。測定されたRTTは、RTT情報を導出するために、移動局200とWAPとの間で交換された信号のタイミングを測定することが可能なRTTモジュール222によって決定されうる。測定されると、RTT値は、移動体デバイス200の位置を決定するのを支援するために、測位モジュール216に送られることが可能である。
【0044】
測位モジュール216は、位置決定のために、その他の無線信号モデルと、対応する測定値とを利用することが可能である。一実施形態では、信号強度情報を提供するために、WAPによって送信された信号の振幅値が使用されうる。これらの振幅値は、RSSIモジュール220によって決定されたRSSI測定値の形で決定されうる。RSSIモジュール220は、位置モジュール216に対する信号に関する振幅情報および統計情報を提供することが可能である。その他の信号モデルは、やはり利用可能な角度情報を提供するために到着角度(AoA)を使用することが可能である。測位モジュール216は、位置を正確に決定するために、かかる情報を使用することが可能である。この位置は、次いで、その前述のアプリケーションプログラム要求に応答して、アプリケーションモジュール218に送出されうる。加えて、測位モジュール216は、動作パラメータを交換するためにパラメータデータベース224を利用することが可能である。かかるパラメータは、それぞれのWAPに関して決定された処理時間、共通座標フレーム内のWAPの位置、ネットワークに関連する様々なパラメータ、初期の処理時間推定、予め決定された処理時間推定などを含みうる。
【0045】
いくつかの実施形態では、移動局は、オプションの較正モジュール228を使用して、配備後較正を実行することが可能である。この較正モジュールは、誤設定された無線アクセスポイントを補償するために、1つまたは複数の無線信号モデル内で使用される様々なパラメータを精緻化することが可能である。この較正モジュールは、RTTモジュール222からのRTT情報、測位モジュール216からの移動局200の位置情報、および/またはRSSIモジュール220からのRSSI情報を直接的に利用することが可能である。この較正モジュールは、信号位相情報技法および/またはマルチアンテナ技法を使用して決定されうるAoA情報を使用することも可能である。例えば、無線信号モデルパラメータを決定することは、誤設定された無線アクセスポイントからの信号に基づいて、AoA測定値を決定することを備えうる。例えば、1つまたは複数の無線アクセスポイントの知られている位置など、追加の情報は、パラメータデータベース224から取得可能である。較正モジュール228は、1つもしくは複数の無線アクセスポイントに関連する情報を精緻化および/または補正し、次いで、移動局のより正確な位置決定のために、この情報を測位モジュール216に提供し戻されることが可能である。この(1つまたは複数の)較正解決策は、パラメータデータベース224内に格納された情報の精度を更新/改善するために、パラメータデータベース224内に格納されてもよい。
【0046】
その他の実施形態では、その他の情報が位置決定を支援することも可能であり、その他のソースから決定可能な補助位置データおよび/または補助運動データをオプションで含みうる。この補助位置データは、不完全である可能性、または雑音がある可能性があるが、WAPの処理時間を推定するための別の独立情報源として有用でありうる。破線を使用して
図2に例示されるように、移動体デバイス200は、以下で説明されるように、その他のソースから受信された情報から導出されうる補助位置/運動データ226をオプションでメモリ内に格納することが可能である。さらに、その他の実施形態では、その他の情報は、Bluetooth(登録商標)信号、ビーコン、RFIDタグ、および/またはマップから導出されうるまたはそれらに基づく情報(例えば、デジタルマップと相互に作用しているユーザなどによって地理的マップのデジタル表示から受信された座標)を含みうるが、これらに限定されない。
【0047】
一実施形態では、補助位置/運動データ226のすべてもしくは一部は、運動センサ212および/またはSPS受信機208によって供給される情報から導出されうる。その他の実施形態では、補助位置/運動データ226は、非RTT技法(例えば、CDMAネットワーク内のAFLT)を使用して、追加のネットワークを介して決定可能である。いくつかの実装形態では、補助位置/運動データ226のすべてもしくは一部は、処理ユニット210によるさらなる処理なしに、運動センサ212および/またはSPS受信機208によって提供されることも可能である。いくつかの実施形態では、補助位置/運動データ226は、運動センサ212および/またはSPS受信機208によって処理ユニット210に直接的に提供可能である。位置/運動データ226は、方向と速度とを提供しうる加速度データおよび/または速度データを含んでもよい。その他の実施形態では、位置/運動データ226は、運動の方向だけを提供しうる方向性データをさらに含みうる。
【0048】
図2に示されるモジュールは、この例において、メモリ214内に含まれているとして示されるが、いくつかの実装形態では、かかる手順は、その他の機構もしくは追加の機構を使用して提供可能であり、またはそうでない場合、その他の機構もしくは追加の機構を使用して、動作可能に構成可能であることを認識されよう。例えば、較正モジュール228、測位モジュール216、および/またはアプリケーションモジュール218のすべてもしくは一部は、ファームウェア内に提供されうる。加えて、この例では、測位モジュール216および較正モジュール228は、別個の特徴であるとして示されるが、例えば、かかる手順は、1つの手順として一緒に組み合わされてよく、もしくは場合によっては、その他の手順と一緒に組み合わされてよく、またはそうでない場合、複数の副手順にさらに分割されてもよい点を認識されよう。
【0049】
処理ユニット210は、少なくとも、本明細書で提供される技法を実行するのに適した、任意の形態の論理を含みうる。例えば、処理ユニット210は、移動体デバイスのその他の部分において使用するための運動データを活用する、1つまたは複数のルーチンを選択的に開始するために、メモリ214内の命令に基づいて動作可能に構成されうる。
【0050】
移動局200は、移動局200とのユーザ相互作用を可能にするマイクロフォン/スピーカ252、キーパッド254、およびディスプレイ256など、任意の適切なインターフェースシステムを提供するユーザインターフェース250を含みうる。マイクロフォン/スピーカ252は、広域ネットワークトランシーバ204および/またはローカルエリアネットワークトランシーバ206を使用して、音声通信サービスを提供する。キーパッド254は、ユーザ入力向けの任意の適切なボタンを備える。ディスプレイ256は、例えば、バックライトLCDディスプレイなど、任意の適切なディスプレイを備え、追加のユーザ入力モード向けのタッチスクリーンをさらに含みうる。
【0051】
本明細書で使用されるように、移動局108は、1つもしくは複数の無線通信デバイスまたは無線通信ネットワークから送信された無線信号を獲得して、当該無線通信デバイスまたは当該無線通信ネットワークに無線信号を送信するように構成可能な、任意の携帯用デバイスもしくは携帯用機械、または可動デバイスもしくは可動機械であってよい。
図1および
図2に示されるように、移動局は、かかる携帯用無線デバイスを表す。したがって、限定ではなく、例として、移動局108は、無線デバイス、セルラ無線通信デバイスもしくはその他の無線通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、パーソナル情報マネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、コンピューティングデバイス、またはその他の類似の可動無線通信を装備したデバイス、器具、もしくは機械を含みうる。「移動局」という用語は、デバイスにおいて、もしくはパーソナルナビゲーションデバイス(PND)において、衛星信号受信、支援データ(assistance data)受信、および/または位置関連処理が発生するかどうかにかかわらず、短距離無線接続、赤外線接続、有線接続、あるいは、その他の接続など、PNDと通信するデバイスを含むことも意図される。また、「移動局」は、デバイスにおいて、サーバにおいて、またはネットワークに関連する別のデバイスにおいて、衛星信号受信、支援データ受信、および/もしくは位置関連処理が発生するかどうかにかかわらず、インターネット、Wi-Fi、またはその他のネットワークを経由してなど、サーバと通信することが可能な無線通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどを含むすべてのデバイスを含むことが意図される。上記の任意の動作可能な組合せも「移動局」と見なされる。
【0052】
上記で議論されたように、「無線デバイス」という用語は、ネットワークを介して情報を転送することが可能であり、位置決定および/またはナビゲーション機能を有することも可能な任意のタイプの無線通信デバイスを指す場合がある。この無線デバイスは、任意の移動局、セルラ移動端末、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、ラップトップ、携帯情報端末、またはネットワーク信号および/もしくはSPS信号を受信して、処理することが可能な任意のその他の適切な移動デバイスであってよい。
【0053】
したがって、一実施形態では、移動局200は、誤設定された無線アクセスポイントを較正することが可能である。移動局200は、複数の無線アクセスポイントに関する位置を受信するための手段(例えば、206)と、無線信号モデルに基づいて、移動局200の位置を決定するための手段(例えば、216)と、移動局200の位置と、複数の無線アクセスポイントに関する位置を伴う無線信号モデルとを比較するための手段(例えば、228)と、少なくとも1つの無線アクセスポイントが誤設定されているかどうかを決定するための手段(例えば、228)とを含みうる。
【0054】
図3は、測位サーバ(PS)112の1つの例示的な実施形態を示すブロック図である。この測位サーバは、バックエンドネットワーク内に常駐する別個のデバイスであってよい。PS112は、1つまたは複数の誤設定されたWAPの配備後較正を実行するために、(1つまたは複数の)移動局108によって提供された情報の受信を調整することが可能である。加えて、PS112は、その位置を決定する際に移動局108を支援するために、ネットワーク要素に関する情報を提供することが可能である。その他の実施形態では、PS112は、ネットワークを中心にした方法を使用して、1つまたは複数の移動局108の位置を決定することが可能である。PS112が少なくとも1つのWAPを較正すると、(1つまたは複数の)補正されたパラメータは、移動体デバイスに提供し戻されてよく、かつ/または将来の使用のために、ローカルパラメータデータベース内に格納されてもよい。PS112が、通常、バックエンドネットワーク上に常駐しうるとき、いくつかの実施形態では、かかる較正機能は、較正機能を実行するために修正されている1つまたは複数のWAP内にオプションで組み込まれることが可能である。
【0055】
説明を簡単にするために、
図3のブロック図で例示される様々な特徴および機能は、共通のバスを使用して一緒に結合され、これは、これらの様々な特徴および機能が一緒に動作可能に結合されることを表すことが意味される。当業者は、実際のPSを動作可能に結合して、構成するために、必要に応じて、その他の接続、機構、特徴、機能などが提供され、適用されることが可能である点を理解されよう。さらに、
図3の例で示された特徴または機能のうちの1つもしくは複数は、さらに分割されてよく、あるいは
図3に例示された特徴または機能のうちの2つ以上は、組み合わされてもよい点も理解されよう。
【0056】
PS112は、WANおよび/もしくはLANを介して通信するための有線ならびに/または無線であってよいネットワークインターフェース305を含みうる。一実施形態では、PS112は、WAN118を経由して、バックエンドネットワーク内のその他のネットワーク要素と通信することが可能であり、これはゲートウェイ120を経由したWWANとの通信を含みうる。このPSは、1つもしくは複数のWAPと情報を交換するために、WAN118および/または相互接続ネットワーク116を介して、ネットワークインターフェース305を使用して通信することも可能である。ネットワークインターフェース305は、任意の知られている有線ネットワーキング技術(例えば、イーサネット(登録商標))および/または無線技術(例えば、Wi-Fi(IEEE 802.11x))を利用することが可能である。
【0057】
処理ユニット310は、ネットワークインターフェース305と、ユーザインターフェース315と、メモリ320とに接続可能である。処理ユニット310は、処理機能、ならびにその他の計算および制御機能を提供する、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、および/またはデジタル信号プロセッサを含みうる。処理ユニット310は、プログラムされた機能を実行するためのデータおよび/またはソフトウェア命令を読み取るため/当該データおよび/または当該ソフトウェア命令を書き込むためにメモリ320にアクセスすることが可能である。メモリ320は、(例えば、同じICパッケージ内の) 処理ユニット310上に搭載されてよく、かつ/またはこのメモリは、処理ユニットの外部にあってもよく、データバスを介して機能的に結合されてもよい。
【0058】
いくつかのソフトウェアモジュールおよび/またはデータ表は、メモリ320内に常駐して、WAP調整および/または測位決定機能の両方を管理するために、処理ユニット310によって利用されることが可能である。ここで例示されるように、メモリ320内に、PS112は、調整モジュール325、較正モジュール330、測位モジュール335、および/もしくはパラメータデータベース340をさらに含むことが可能であり、またはそうでない場合、これらを提供することが可能である。調整モジュール325は、1つもしくは複数の移動局108から情報を問い合わせること、および/または情報を受信することが可能である。かかる情報は、移動局のそれ自体から導出された位置と、その位置を導出するために移動局が使用した情報とを含みうる。この情報は、PS112によって要求されてよく、またはこの情報は、移動局108のイニシアチブでプッシュダウンされてもよい。PS112によって要求されたとき、移動局は、例えば、パケットから導出されたRTT測定値および/またはRSSI測定値、位置を導出するために使用されたWAPの識別、位置を決定するために、移動局108によって使用されたそれぞれのWAPの位置などを提供することが可能である。この情報がPS112によって受信されると、調整モジュール325は、さらなる処理を実行し、次いで、その情報を較正モジュール330に伝えることが可能である。較正モジュールは、誤設定されたWAPを識別するために、受信された情報を解析することが可能である。受信された情報が複数の移動局からの十分な情報を含む場合、較正モジュール330は、それらの測定値と1つまたは複数の誤設定されたWAP内の正確なパラメータとを組み合わせることが可能である。例えば、WAPが誤った位置を用いて誤設定された場合、較正モジュール330は、測位モジュール335と共に、誤設定されたWAPの正確な位置を決定するために、複数の移動局の位置を使用することが可能である。1つまたは複数の誤設定されたWAPに関して(1つもしくは複数の)パラメータが較正されると、これらの(1つもしくは複数の)パラメータは、(1つもしくは複数の)移動局108に返送されてよく、かつ/または(1つもしくは複数の)補正されたパラメータは、将来の使用のために、パラメータデータベース340内
に格納されてもよい。
【0059】
図3に示されるソフトウェアモジュールは、この例では、メモリ320内に含まれているとして例示されるが、いくつかの実装形態では、かかる手順は、その他の機構もしくは追加の機構を使用して提供可能であり、またはそうでない場合、その他の機構もしくは追加の機構を使用して、動作可能に構成可能である点を認識されたい。例えば、調整モジュール325、較正モジュール330、パラメータデータベース340、および/または測位モジュール335のすべてもしくは一部は、ファームウェア内に提供されうる。加えて、
図3において、モジュールは別個のエンティティとして示されるが、例えば、例示されるモジュールは、1つの手順として一緒に組み合わされてよく、もしくは場合によっては、例示されないその他の手順と一緒に組み合わされてよく、またはそうでない場合、手順の異なるグループにさらに分割されてもよい点を理解されたい。
【0060】
したがって、一実施形態は、移動局108の位置を決定するために使用された、誤設定された無線アクセスポイントを較正するための装置(例えば、112)を含みうる。装置112は、(1つまたは複数の)移動局108の位置と、(1つまたは複数の)移動局と複数の無線アクセスポイントとの間で交換されたパケットから導出された無線信号モデル測定値とを受信するための手段(例えば、305)と、少なくとも1つの移動局108の位置を決定する際に使用された複数の無線アクセスポイントの位置および/または識別情報を受信するための手段(例えば、305)と、少なくとも1つの移動局の位置を無線信号モデル測定値と比較するための手段(例えば、330)と、その比較するための手段に基づいて、誤設定された無線アクセスポイントを識別するための手段(例えば、330)とを含みうる。
【0061】
図4は、1つのローカルエリアネットワーク無線アクセスポイント(LAN-WAP)が誤設定されている可能性がある、移動局と通信しているいくつかのLAN-WAPを示す、1つの例示的な実施形態を示す。
図4では、移動局108は、無線信号を介してパケットを交換することによって、複数のLAN-WAP 311と通信することが可能である。この例では、移動局108は、位置(X,Y)に配置されてよく、無線リンクを経由して、LAN-WAP1・311a、LAN-WAP2・311b、LAN-WAP3・311cと通信することが可能である。この例では、LAN-WAP1・311aおよびLAN-WAP2・311bは、それらの位置に関して適切に設定されている。しかし、LAN-WAP3 311cは、その位置に関して誤設定されている。この例示的な実施形態は3個のLAN-WAPを示すが、これは単なる例示であり、任意の数のLAN-WAPおよび/または無線リンクが利用可能である点を理解されよう。
【0062】
さらに
図4をより詳細に参照すると、LAN-WAP1・311aは、位置(X
1,Y
1)に配置されてよく、LAN-WAP2・311bは、位置(X
2,Y
2)に配置されてよく、この場合、これらの位置のそれぞれは、それらの真の位置を反映する。移動局108は、LAN-WAP3・311cが誤った位置(X
3err,Y
3err)にあると「認識」しているが、その実際の位置は(X
3act,Y
3act)にある。移動局によって使用されたそれぞれのLAN-WAPの位置は、ビーコン信号内のそれぞれのLAN-WAPによって報告されうる。加えて、LAN-WAPの位置は、移動局108内のパラメータデータベース224内および/またはPS112内のパラメータデータベース340内に格納されたデータ構造から読み取られることが可能である。いくつかの実施形態では、データベースは、注釈付きマップ(annotated maps)の形でそれらの位置を格納することが可能である。
【0063】
LAN-WAPの位置は、それらのそれぞれの信号測定値と共に、移動局108の位置を導出するために、1つまたは複数の無線モデルと共に使用されうる。移動局108とLAN-WAP1・311a、LAN-WAP2・311b、およびLAN-WAP3・311cとの間で交換されたパケットを使用して出された信号測定値は、それぞれの距離d
01、d
02、およびd
03を提供しうる。移動局108は、1つもしくは複数の無線信号モデル(例えば、RTT測距モデルおよび/またはRSSI測距モデル)に基づく測距技法を利用してこれらの距離を測定すること、ならびに/あるいは(例えば、AoAモデルを使用して)それらの位置をさらに精緻化することが可能である。例えば、移動局108は、データのパケットを複数のローカルLAN-WAP311に送信することが可能である。ローカルLAN-WAP311は、データのパケットを処理して、応答を移動局108に返送することが可能である。移動局108は、次いで、交換されたパケットに関連するRTTを推定することが可能である。このRTTは、移動局108からLAN-WAP311のうちのいずれかに送信されたデータのパケットの伝送から、対応するLAN-WAP311から受信された対応する肯定応答(ACK)までの間に経過した時間でありうる。例示的なRTTモデル/RSSIモデルは、参照により本明細書に組み込まれる、Aggarwalらによる同時係属特許出願“WIRELESS POSITION DETERMINATION USING ADJUSTED ROUND TRIP TIME MEASUREMENTS”(第12/622,289号)において説明されている。
【0064】
到着角度情報は、例えば、信号位相情報、複数のチャネル、および/または受信された信号に関する到着角度情報を推定するために、複数の無線アクセスポイントから受信されて組み合わされた信号を活用するステップを含みうる通常の技法を使用して決定されうる。この到着角度情報は、誤設定された無線アクセスポイントの位置を最初に分離するために利用可能である。例えば、到着角度情報は、LAN-WAPがそのこれまでの位置から移動したかどうかを示すための「トリガ」として使用されうる。
【0065】
移動局108の位置を決定するとき、決定された距離d
01、d
02、およびd
03のそれぞれは、円の半径を画定することが可能である。それぞれの円の中心は、それぞれのLAN-WAPの位置によって画定されうる。円の交差点は、移動局108の位置(x,y)を提供しうる。
図4において理解できるように、半径d
03および中心(X
3err,Y
3err)によって画定された円は、LAN-WAP3・311cの位置誤差のために不適切にシフトされている。このシフトは、位置解決策の精度を低減する可能性がある。本明細書で説明される較正技法は、LAN-WAP3が誤設定され、以下で
図5において説明されるように、移動局108の位置を突き止める目的で使用される位置決定プロセスの精度を改善するために、LAN-WAP3・311cの実際の位置(X
3act,Y
3act)を推定することが可能でありうることを確実にすることができる。
【0066】
図5は、測位サーバ112が、複数の移動局108から導出された情報を使用して、誤設定されたLAN-WAP3・311cの実際の位置を推定することが可能な一実施形態を示す図である。それぞれの移動局108a、108b、および108cは、それぞれ、その位置(x
a、y
a)、(x
b、y
b)、および(x
c、y
c)を測位サーバ112に提供することが可能である。加えて、それぞれの移動局108a〜108cは、それぞれの移動局と誤設定されたLAN-WAP3・311cとの間の距離(それぞれ、d
3a、d
3b、d
3c)が決定されうるように、測定値(例えば、RTT および/またはRSSI)を提供することが可能である。それぞれの距離と、それぞれの移動局108a〜108cの位置とを知ることによって、例えば、三辺測量など、知られている技法を使用して、誤設定されたLAN-WAP3 311cの実際の位置(X
3act,Y
3act)が決定されうる。
【0067】
当初PS112に提供されたそれぞれの移動局108a〜108cの位置は、その決定において(X
3err,Y
3err)を使用したことから不正確である可能性があるため、PS112は、LAN-WAP3・311cの実際の位置(X
3act,Y
3act)に対して反復することが可能であり、この場合、LAN-WAP3・311c位置のそれぞれの連続的な推定は、LAN-WAP3・311cの実際の位置(X
3act,Y
3act)のこれまでの推定を使用して演算された、移動局108a〜108cの更新された位置を使用して精緻化されうる。
【0068】
誤設定されたLAN-WAP 311cの位置を三次元で推定するために、測位サーバ112は、少なくとも3つの移動局からの情報を有するべきである。
【0069】
図6は、測位サーバ(PS)112によって実行されうる較正プロセスの一実施形態を例示する流れ
図600である。当初、PS112は、少なくとも1つの移動局108からその位置推定を受信することが可能であり、この場合、この位置は、移動局自体によって決定されうる(605)。加えて、PS112は、移動局の位置の決定において使用されたWAPとのパケット交換に関する無線信号モデル測定値を移動局108から受信することが可能である(605)。これらの測定値は、RTT測定値および/またはRSSI測定値、ならびに少なくとも1つの移動局と複数のWAPとの間で交換されたパケットから導出された無線信号モデル測定値を含みうる。その他の実施形態では、無線信号モデル測定値は、1つまたは複数のWAPに対する到着角度測定値を含みうる。
【0070】
PS112は、移動局から、(1つもしくは複数の)移動局の位置を決定するために使用されている可能性があるWAPの位置および/または識別情報をさらに受信することが可能である(610)。それぞれのWAPの位置は、ビーコン信号を経由して、移動局108に報告されている可能性がある。あるいは、WAPの位置は、データベース(例えば、パラメータデータベース224)および/または(やはりデータベース内に格納されうる)注釈付きマップを介して決定可能である。WAPに関する位置は、バックエンドネットワークによって提供されうる。移動局108にWAPの位置を提供するための例示的な技法は、参照により本明細書に組み込まれる、Dasらによる、同時係属特許出願“A METHOD AND APPARATUS FOR PROVIDING AND UTILIZING LOCAL MAPS AND ANNOTATIONS IN LOCATION DETERMINATION”(第12/641,225号)において説明されている。
【0071】
その他の実施形態では、移動局108の位置決定において使用されたそれぞれのWAPの識別は、それらの位置が常駐データベース(例えば、パラメータデータベース340)から取出し可能であるように、移動局によって使用されうる(610)。さらなる実施形態では、この情報は、ネットワークに機能的に結合された(1つもしくは複数の)その他のデータベースから、全部または一部受信されることも可能である。これらのWAP識別は、例えば、MACアドレスなど、標準のネットワーキングパラメータであってよい。
【0072】
受信された情報に基づいて、PS112は、(1つまたは複数の)移動局108の受信された位置を無線信号モデル測定値と比較することが可能である。一実施形態では、これは、PS112に、無線信号モデル測定値と適切な無線信号モデルとを使用して、それぞれのWAPに対する距離(以下、「測定された距離」と呼ばれる)を決定させることによって達成可能である。それぞれのWAPと(1つまたは複数の)移動局108との間の対応する幾何学的距離は、(1つまたは複数の)移動局およびそれぞれのWAPの受信された位置を使用して、PS112によって演算されうる。PS112は、著しい偏移を検出するために、演算された幾何学的距離をその対応する測定された距離と比較することが可能である(615)。これらの比較は、複数の無線アクセスポイントから、少なくとも1つの誤設定された無線アクセスポイントを決定するために組み合わされてよい。PS112が(例えば、しきい値処理技法および/またはその他の統計的技法を使用して決定されうる)著しい偏移を見出した場合、それらの幾何学的距離に関するWAPは、誤設定された無線アクセスポイントとして識別されうる(620)。情報が複数の移動局108から受信された場合、無線信号モデルパラメータおよび/または無線信号モデル測定値と複数の移動局の位置とに基づく、誤設定された無線アクセスポイントの新しい位置が決定可能であり、(無線信号モデルパラメータおよび/または位置など) 誤設定されたWAP パラメータは補正されうる(625)。これらの補正は、複数の移動局108からの情報を組み合わせることによって実行可能である。例えば、上記で
図5において説明されたように、LAN-WAPの位置は、PS112に、それぞれの移動局位置と、誤設定されたLAN-WAPに対して測定された距離とを使用して、三辺測量を実行させることによって較正可能である。その他の実施形態では、誤設定されたWAPに関する時間遅延および/または信号強度パラメータを較正するために、統計的技法が使用されうる。この無線信号モデルパラメータは、誤設定された無線アクセスポイントに関する時間遅延および/または信号強度調整を含みうる。その他の実施形態では、PS112は、そのLAN-WAPがネットワークから除去されたかどうかを検出するために、移動局によって供給される
情報を使用することが可能である。例えば、いくつかの移動局が、WAP
kに関してこれまで決定された位置の近くで測定を行い、これらの測定値のいずれもWAP
kに関するRSSI測距情報/RTT測距情報を含まない場合、そのWAP
kは移動したか、または動作不能にされている可能性がありうる。
【0073】
図7は、移動局108によって実行されうる較正プロセスの一実施形態を例示する流れ
図700である。この方法は、上記で
図6において説明された方法に加えて実行可能である。当初、この方法は、移動局に、複数の無線アクセスポイントに関する位置を受信させることによって開始することが可能である(705)。この情報は、上記で
図6において説明されたように提供されうる(例えば、ビーコン信号内および/または注釈付きマップ内で受信されうる)。移動局108は、次いで、少なくとも1つの無線信号モデルと、関連する測定値とに基づいて、それ自身の位置を決定することが可能である(710)。移動局108は、次いで、少なくとも1つの誤設定されたWAPが存在するかどうかを決定するために、その位置を(1つまたは複数の)無線信号モデルと比較することが可能である(715)。これらの比較は、複数の無線アクセスポイントから少なくとも1つの誤設定された無線アクセスポイントを決定するために組み合わされてよい。この(1つまたは複数の)比較は、無線測定値に基づく距離を用いて、幾何学的に導出された距離を解析することを必要としうる。移動局は、次いで、測距に関与したWAPの数が3を超えるかどうかを決定することが可能である(720)。超える場合、移動局108は、除去のプロセスを使用して、誤設定されたWAPを識別することが可能であり、この場合、移動局108は、その位置を複数回決定し(例えば、テスト位置を計算し)、そのたびに、異なるWAPを除去して、位置決定に関して残りのWAPを使用する。これらの位置は比較可能であり、誤設定されたWAPを識別するために、移動局108の任意の外れ値位置が使用されうる(730)。WAPを除去することが、三辺測量前の距離測定値を三辺測量後の距離により緊密に一致させる場合、そのWAPは誤設定されている可能性のある候補とみなされる。この動作が何度も、多くの局によって見られる場合、誤設定されているWAPの可能性は増大し続ける(735)。
【0074】
ブロック720において、測距WAPの数が3以下であると決定された場合、移動局108は、バックエンドネットワークに適切な情報を提供することが可能であり、この場合、PS112は、誤設定されたWAPを識別するために使用されうる(725)。
【0075】
当業者は、情報ならびに信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表されてよい点を理解されよう。例えば、上の説明の全体にわたって参照されうるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光粒子、またはそれらの任意の組合せによって表されてよい。実施形態は、本明細書で説明されたプロセス、機能、および/またはアルゴリズムを実行するための様々な方法を含む点を理解されよう。例えば、
図6に例示されるように、一実施形態は、移動局の位置を決定するために使用された、誤設定された無線アクセスポイントを較正するための方法を含みうる。この方法は、少なくとも1つの移動局の位置と、その少なくとも1つの移動局と複数の無線アクセスポイントとの間で交換されたパケットから導出された無線信号モデル測定値とを受信するステップを含みうる。この方法は、その少なくとも1つの移動局の位置を決定する際に使用された複数の無線アクセスポイントの位置および/または識別情報を受信するステップと、少なくとも1つの移動局の位置を無線信号モデル測定値と比較するステップと、その比較するステップに基づいて、誤設定された無線アクセスポイントを識別するステップとをさらに含みうる。もう1つの例示的な方法が、移動局における誤設定された無線アクセスポイントの較正を説明する流れ図が例示される
図7に示される。この方法は、複数の無線アクセスポイントに関する位置を受信するステップと、無線信号モデルに基づいて、移動局の位置を決定するステップとを含みうる。この方法は、移動局の位置と、複数の無線アクセスポイントに関する位置を伴う無線信号モデルとを比較するステップと、少なくとも1つの無線アクセスポイントが誤設定されているかどうかを決定するステップとをさらに含みうる。
【0076】
さらに、当業者は、本明細書で開示された実施形態に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれら両方の組合せとして実装されうる点を理解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの交換可能性を明瞭に例示するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、一般に、それらの機能の点から説明されている。かかる機能がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられた設計制約に依存する。当業者は、説明された機能をそれぞれの特定のアプリケーションに関して様々な様式で実装することが可能であるが、かかる実装形態の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じさせるものと解釈されるべきではない。
【0077】
本明細書で説明された方法論は、アプリケーションに応じて、様々な手段によって実装可能である。例えば、これらの方法論は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せの形で実装可能である。ハードウェア実装形態の場合、処理ユニットは、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理素子(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するように設計されたその他の電子ユニット、またはそれらの組合せの中で実装可能である。
【0078】
ファームウェア実装形態および/またはソフトウェア実装形態の場合、これらの方法論は、本明細書で説明された機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)を用いて実装されうる。命令を有形に実行している任意の機械読み取り可能な媒体は、本明細書で説明される方法論を実装する際に使用されうる。機械は、コンピュータ/処理ユニットの形をとってよい。例えば、ソフトウェアコードは、メモリ内に格納されて、処理ユニットによって実行されることが可能である。メモリは、プロセッサユニット内で実装可能であり、またはプロセッサユニットの外部でも実装可能である。本明細書で使用される場合、「メモリ」という用語は、任意のタイプの長期的メモリ、短期的メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはその他のメモリを指し、任意の特定のタイプのメモリ、もしくは任意の特定の数のメモリ、またはメモリが格納された任意のタイプの媒体に限定されない。
【0079】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアの形で実装される場合、これらの機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の1つもしくは複数の命令またはコードとして格納されうる。例は、データ構造を用いて符号化されたコンピュータ読み取り可能な媒体と、コンピュータプログラムを用いて符号化されたコンピュータ読み取り可能な媒体とを含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、製品の形をとってよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく、例として、かかるコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスクもしくはその他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形で、所望されるプログラムコードを格納するために使用可能であり、コンピュータによってアクセス可能な任意のその他の媒体を備えうる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、DVD(digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、この場合、ディスク(disks)は、通常、磁気的にデータを再生し、一方、ディスク(disc)は、レーザを用いて、光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0080】
コンピュータ読み取り可能な媒体上の記憶装置に加えて、命令および/またはデータは、通信装置内に含まれる伝送媒体上の信号として提供されうる。例えば、通信装置は、命令およびデータを示す信号を有するトランシーバを含みうる。これらの命令およびデータは、1つまたは複数の処理ユニットに特許請求の範囲において大要を述べた機能を実装させるように構成される。すなわち、これらの通信装置は、開示された機能を実行するための情報を示す信号を有する伝送媒体を含む。第1の時点で、通信装置内に含まれた伝送媒体は、開示された機能を実行するための情報の第1の部分を含んでよく、一方、第2の時点で、通信装置内に含まれたこの伝送媒体は、開示された機能を実行するための情報の第2の部分を含んでよい。
【0081】
前述の開示は本発明の例示的な実装形態を示すが、添付の特許請求の範囲によって画定された本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書に様々な変更および修正が行われうる点を理解されたい。本明細書で説明された本発明の実施形態によるこれらの方法クレームの機能、ステップ、および/または動作は、任意の特定の順序で実行されなくてよい。さらに、本発明の要素は、単数形で説明または特許請求される場合があるが、単数形への限定が明示的に指定されない限り、複数形も企図される。