(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976940
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】取り外し可能な火格子を備えたペレットボイラ
(51)【国際特許分類】
F23H 15/00 20060101AFI20160817BHJP
F23K 3/00 20060101ALI20160817BHJP
F23J 1/02 20060101ALI20160817BHJP
F23H 11/00 20060101ALI20160817BHJP
F22B 1/18 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
F23H15/00
F23K3/00 302
F23J1/02 Z
F23H11/00 Z
F22B1/18 G
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-529133(P2015-529133)
(86)(22)【出願日】2012年9月5日
(65)【公表番号】特表2015-534025(P2015-534025A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】IB2012054583
(87)【国際公開番号】WO2014037761
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2015年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】514275761
【氏名又は名称】アルカン、ゼキ
【氏名又は名称原語表記】ARIKAN,Zeki
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アルカン、ゼキ
【審査官】
黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第2400217(EP,A2)
【文献】
英国特許出願公開第2120367(GB,A)
【文献】
特開平7−139713(JP,A)
【文献】
米国特許第5265587(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23H 11/00 − 17/12
F23K 3/00
F23J 1/02
F22B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動灰排出/洗浄システム、燃焼室、空気吸入口、燃料供給システム、空気ファン、及び火格子(4)を含む燃料器(1)であって、固体燃料を燃焼することによって自動的に作動できる燃料器(1)において、前記火格子(4)が、
(a)U字形状の構造であって、燃焼の際に燃焼器内に“C”状に配置される前記U字形状の構造と、
(b)互いに独立して火格子シャフト(4.1.3)にわたって水平角において移動できる火格子アーム(4.1.2)と、
(c)前記火格子アーム(4.1.2)上のスロット(4.1.9)を通過することによって前記火格子アーム(4.1.2)を互いに接続する火格子シャフト(4.1.3)と、
(d)前記火格子アーム(4.1.2)の間に、かつ前記火格子シャフト(4.1.3)に配置された火格子シム(4.1.4)と、
(e)前記火格子シャフト(4.1.3)により前記火格子アーム(4.1.2)に接続される火格子フレーム(4.1.1)と、
(f)前記火格子アーム(4.1.2)を前記火格子フレーム(4.1.1)に接続し、頂部火格子(4.1)を火格子座金(4.2)に接続する軸部(4.1.5)であって、前記頂部火格子(4.1)を上下移動方向において移動させることを容易にする前記軸部(4.1.5)と、
(g)凹凸レール(5)であって、そこにおいて頂部火格子(4.1)が移動する前記凹凸レール(5)と、
(h)前記凹凸レール(5)において頂部火格子(4.1)の移動を提供する火格子ガイドピン(4.1.6)と、
(i)前記頂部火格子(4.1)の下向きの角度移動を制限する支持部(4.1.7)と、
(j)前記頂部火格子(4.1)の上向きの垂直角度移動を制限する支持部(4.1.8)と、
(k)前記火格子(4)のベアリングとして作動する灰排出口を開閉する火格子座金(4.2)と、
を含むことを特徴とする燃料器(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記スロット(4.1.9)の直径は前記火格子シャフト(4.1.3)の直径より大きく設定されていることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項3】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、二つの前記火格子アームの間の距離は、前記火格子アーム(4.1.2)の移動性によって、前記各火格子アーム(4.1.2)の壁の厚さに応じて25%から75%まで変更できることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項4】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記火格子アーム(4.1.2)の先端が尖っていることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項5】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、二つの前記火格子アームの間の距離は、各火格子アームの壁の厚さの25%〜75%の比率で設定されることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項6】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記火格子座金(4.2)は鋳造材料から生産され、前記火格子座金(4.2)の前方部分は前端に向かって下方に傾斜していることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項7】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記火格子シャフト(4.1.3)及び前記火格子フレーム(4.1.1)は、ステンレススティールから構成されることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項8】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記火格子シャフト(4.1.3)は前記火格子フレーム(4.1.1)に開口した穴に進入することが許容され、また一側においてフレーム(4.1.1)に固定されることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項9】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、リニアスラスト軸(7)及び前記火格子(4)を前後に移動させるリニアスラストモータ(8)を含むことを特徴とする燃料器(1)。
【請求項10】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記頂部火格子(4.1)は燃焼の際にフロアと平行する基部を形成し、前記火格子ガイドピン(4.1.6)は前記火格子フレーム(4.1.1)の縁部に配置されることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項11】
請求項1または請求項10に記載の燃焼器(1)において、前記火格子ガイドピン(4.1.6)は前記火格子フレーム(4.1.1)のアームの先端に配置されることを特徴とする燃料器(1)。
【請求項12】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記凹凸レール(5)は、前記燃焼器(1)の内側の基部内に配置され、押し付け移動の際に、前記凹凸レール(5)は、前記頂部火格子(4.1)の縁部が上方へ押し付けられることを容易にし、又前記頂部火格子(4.1)の縁部は前記火格子ガイドピン(4.1.6)に対してベアリングとして作動することを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項13】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記凹凸レール(5)の下側は灰排出孔(5.1)を備えることを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項14】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記支持部(4.1.7,4.1.8)は、前記火格子フレーム(4.1.1)の前記軸部(4.1.5)の連接部分に設けられることを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項15】
請求項1または請求項14に記載の燃焼器(1)において、前記頂部火格子(4.1)の移動角度は上向き最大10度及び下向き最大10度であることを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項16】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記燃焼器(1)は移動火格子(4)構造を後方へ引っ張って移動する際に、前記頂部火格子(4.1)に設けられた火格子隙間を掃除することによって堆積された廃棄物を掃き出すスイーパー(13)を含むことを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項17】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、前記燃焼器(1)はボイラをさらに備えるとともに当該ボイラから完全に独立したユニットであって、ボルト(12)を緩めることによって取り外せることを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項18】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、先端部に円錐コーティング(9.1)を備えた、少なくとも二つのセラミック点火装置(9)及び前記円錐コーティング(9.1)の縁部に配置された貫通穴を含むことを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項19】
請求項18に記載の燃焼器(1)において、前記セラミック点火装置(9)は前記燃焼室からl−5cm離れた位置に配置されることを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項20】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、燃料室(2)を前記燃焼器(1)に固定することを容易にするネジ(2.2)は中空の中間部分を有し、前記中間部分は、空気がそれを通すことを許容し、又、前記ネジ(2.2)は燃料供給口の反対方向に固定され、燃料は前記燃料供給口から前記燃料室に供給されることを特徴とする燃焼器(1)。
【請求項21】
請求項1に記載の燃焼器(1)において、少なくとも二つの光電池(10)が利用されることを特徴とする燃焼器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体燃料、より具体的にペレット及びオリーブストーンを利用する加熱システムに関する。本発明による加熱システムでは、より改善されており、より経済的かつより実践的であって、又、従来技術の加熱システムと異なる解決方策が提供される。本課題に具体的取り組むなら、本発明は燃焼器構造内に配置された移動火格子構造や、燃焼器の火格子構造を実用的に洗浄することや、燃焼器により固体燃料を有効に燃焼することや、システムのロックダウンを抑制することや、合理的な洗浄によって頻繁なメンテナンスを除去することや、操作者による介入がなく加熱ボイラ内に配置されたパイプ及び燃焼器を洗浄することなどにおける革新を提示することと言える。
【背景技術】
【0002】
一般的に、周知のペレット燃焼器は空気を燃料器に吹きいれることによって燃焼を実行する。このようなタイプの燃焼器において、燃焼の準備をするため、燃焼室内の酸素を測る酸素センサー(ラムダセンサー)から得たデータに基づいて吸気を制御するバルブアセンブリが使用される。これらのタイプの構造において、燃焼室の貫通穴及び二重膜構造内に堆積された燃滓を排出し、貫通穴の目詰まりを取り除くため、燃焼室に直接に接続される高電力のファンシステムが使用される。また、空気通過細孔の目詰まりを抑制するため、高効率な空気が使用される。しかし、洗浄システムにおける目詰りは燃料及びシステムの質の低さによるものであり、燃焼室の表面における穴の完全な洗浄を不可能にするため、作業効率の低減及び作業の中断という不都合に直面している。これによって、連続なメンテナンス及び外部介入を要する。空気が燃焼室への進入を阻止する空気燃滓の排出などの課題を解決するために、火格子の間にそれらのリニア移動が一定の発明において利用されることを容易にする振動システムもしくはシステムは提供される。移動機構を有し、周期振動のあるシステムは本発明のシステムと比較した場合、加熱効率、メンテナンス及び実際の洗浄効率を提供できるシステムではない。従来技術によるこのようなシステムは既に特許文献1〜3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,596,437号明細書
【特許文献2】米国特許第5,265,587号明細書
【特許文献3】米国特許第4,103,627号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、移動火格子構造は従来技術であるこのような文献に言及されても、前記移動火格子構造は使用された材料及び設計が原因で膨張をもたらす。膨張発生により、火格子はいずれ変形することになり、火格子は期待通りの移動機能を提供できないという不都合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術とは異なって、本発明において、吸気原理に基づく燃焼システムは、空気ブロアを備える燃焼システムを代替して利用されることで、燃焼器火格子の目詰まりが原因で発生可能であるいずれかの種類の不要なかつ危険性があるガス漏れを抑制し、又、火炎の逆火に起因した、燃焼器の供給部分及び燃料タンクに生じる燃焼を防止する。更に、ボイラ内に設けた加熱パイプ内に配置されたバネコイルを備えるパイプ構造を用いて、熱伝達相を通過せず、パイプ中央内に配置された低抵抗領域を通過する高温空気は抑制され、又パイプ表面にわたって吹き捲る高温空気は増加されることでシステムの加熱効率に肯定的な影響を与える。内管構造内のコイル構造のおかげで、又、持ち上がり及びリリース運動を前記コイル構造に与える駆動モータのおかけで、パイプ内に生じた、可能な煤及び汚染物質は抑制されることで、洗浄のため、ボイラを停止し、冷却することによるエネルギーの損失を抑制し、ボイラの連続なかつ効率な作動を確保する。更に、固体燃料、特にペレット燃料が利用されたシステムにおける最も重要な問題は、燃焼したペレットから生じた廃棄物及び燃滓に起因する、火格子に設けられたチャネルを通して空気が燃焼室に進入することにより容易に発生するチャネルの目詰まりである。燃焼室へ空気の不十分な供給の結果によってシステムの効率の低減を招来し、更にはシステムの不調により以後の目詰まりが発生した後に短期間をおいてシステムの作動が停止される。
【0006】
ペレット燃料が利用された、このようなシステムでは、全部のシステムが停止されて冷却され、又全部の燃焼器の連接部分が取り外された後においてのみ内部チャンバに手を入れることができるため、多大なエネルギーの損失及び労力の無駄をもたらす。本発明によるシステムによって、独立のアームを有する火格子に配置されたスイーパー(13)機構は、火格子において吹付運動を実行し、チャネルの間に詰まり、火格子に堆積された廃棄物及び燃滓を洗浄する。必要な際には、燃焼器を取り外す必要がなく火格子は取り出すことができ、そして全ての必要なメンテナンス及び洗浄工程が実行でき、これにより洗浄問題が解決される。燃焼効率を増加する目的とする本発明によれば、一次空気及び二次空気は完全に別のチャネルによって燃焼室に伝送されることを目標とし、これによって、一次及び二次空気の量は互いに独立し分配される。更に、燃焼器、燃焼室、火格子、一次及び二次空気チャネルは一体に形成する。六つのボルト(12)を取り外すことによって、燃焼器はボイラユニットから独立して取り出すことによりメンテナンス及び部品の交換を実行することを保証する。特に、本発明による火格子構造によって、システムの目詰まりは、より連続的かつ効率的な燃焼をもたらす安定な吸気を提供することにて抑制される。外部洗浄の実行及び外部介入処理工程は殆ど完全に除去される。システムの全部の部品は互いに同期に作動する駆動モータ及びセンサーを備えるため、該システムはワンボタンのみで操作可能であるため、使用者にとって扱いやすい構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2C】互いに独立している火格子アームの移動を示す図。
【
図2D】前記移動の際に他の移動部品を示す図及び火格子アームの前後移動を示す図。
【
図3】それに火格子ガイドピンが移動する凹凸のランプ(5.2)を示す詳細図。
【
図4】火格子アームおよびスイーパーの同時作動を示す図。
【0008】
図面に示された部品名:
1.燃焼器
2.燃焼室
2.1.燃焼室の二次空気吸入口
2.2.燃焼室の固定用ネジ
3.一次空気吸入口
4.移動火格子
4.1.頂部火格子
4.1.1.火格子フレーム
4.1.2.火格子アーム
4.1.3.火格子シャフト
4.1.4.火格子シム
4.1.5.軸部
4.1.6.火格子ガイドピン
4.1.7.真直運動制限用支持部
4.1.8.垂直運動制限用支持部
4.1.9.スロット
4.2.火格子座金
5.凹凸レール
5.1.灰排出孔
5.2.ランプ
6.灰排出口
7.リニアスラスト軸
8.リニアスラストモータ
9.電気点火装置
9.1.円錐コーティング
9.2.貫通穴
10.光電池
12.ボイラ‐燃焼器連接ボルト
13.スイーパー
【発明を実施するための形態】
【0009】
固体燃料とともに作動する加熱構造は基本的に二つ主要部分から構成される。これらの第一部分はボイラであって、第二部分は燃焼器である。燃焼器は、ボイラ内に配置され、加熱システムに供給される流体を加熱するために必要な燃焼を実行する。燃焼器は、多数類の燃料種類のために特別に設計される。本発明は、固体燃料を燃焼し、特にペレットタイプの燃料とオリーブストーンを燃焼する燃焼器(l)構造及び全体としてボイラを含むシステム部品の新設計に関する。
【0010】
ボイラ構造の全体において、生成した熱を加熱流体に伝達するために、火炎煙管が利用される。これらのチューブは数年間にわたって使用されている。従来技術のいくつかのボイラにおいて、熱損失を抑制するために、タービュレータが使用されている。しかし、これらのタービュレータは高温ガススタックの出口で抵抗を生成し、又、前記抵抗はチューブが快速に汚染される原因になるため、チューブに意図的ではない目詰まりをもたらす。この構造が原因で、ボイラを開けないと、チューブを洗浄することは不可能である。本発明によるボイラにおいて、内
管及び前記内
管に巻き付けられたコイルバ
ネは火炎煙管内に使用されている。コイルバ
ネを利用して、タービュレータを備える構造を使用することによって目標を達成することができる。また、更に、チューブ膜の全体にわたって堆積された煤を有する内
管は、振動モー
タにより、コイルバ
ネに加えられた持ち上げる運動及び下にリリースする運動によって、ボイラを開ける必要がなくても洗浄することができる。持ち上げる運動及び下にリリースする運動の結果、コイルバ
ネ及びチューブ膜に堆積された煤はボイラの燃焼室を通過し、灰収集領域に落下する。又、そこから灰は、灰搬送用スクリュ
ーを使用してボイラから外へ搬送されることで洗浄工程を実行する。本発明の基本的な特徴を提供する本発明の第一の実施様態において、燃焼器(1)はボイラから独立した完全なユニットであり、これは容易に分解することができる。このような、複雑な分解特徴が提供された構造のため、燃焼器(1)において実行されるメンテナンス及び修理は著しく難しくなる。又、長期間のメンテナンスが原因で、システムの連続な操作は抑制され、又、有効な洗浄工程を実行することには時に困難である。本発明の構造において、燃焼器(1)はただ六つのボルト(12)を緩めることで分解し、取り除かれる。更に、ただスラスト軸キャップ連接ボル
ト及び連接ピ
ンを分解することで、移動火格子(4)構造は取り除くことができる。これによって、火格子(4)において簡単なメンテナンスの実行を可能になり、又、そこに火格子(4)が移動する孔は手で届くことができ、又、燃焼器に対して何れかの内部処理は実行することもできる。吸込ファ
ンはボイラの燃料出口に存在し、これはシステムの全体を制御し、ボイラの燃焼室に必要な空気の進入を提供する。空気は吸込ファ
ンによって、燃焼器(1)に配置された一次空気吸入口(3)及び二次空気のメイン吸入
口からボイラの燃焼室に吸引され、又、これは燃焼室における熱効率を最高レベルに増加させることを可能にする。一次空気吸入口(3)及び二次空気吸入
口の経路は空気分離
器によって独立され、又、これらの空気吸入口を通過する空気の容量は互いに独立に分配される。頂部火格子(4.1)スリット及び燃焼室の二次空気吸入口(2.1)は、空気が異なる角度から頂部火格子(4.1)において燃焼するペレットと接触し、前記ペレットを燃焼室において完全に燃焼させることを可能にする。
【0011】
本発明によるシステムに特徴を増加する最も基本な実施様態は、移動火格子(4)構造、リニアスラスト軸(7)及びリニアスラストモータ(8)を含む。移動火格子(4)構造は、リニアスラスト軸(7)に依存するリニアスラストモータ(8)によって提供された駆動力によって移動された移動火格子(4)の移動を利用して頂部火格子(4.1)表面及び火格子チャネルに堆積された灰、燃滓及び他の不要な廃棄物を排出する。
【0012】
全体として、火格子構造は、そこに燃焼が燃焼器(1)内に配置された燃焼器の燃焼室のフロアにおいて実行される部分を形成する。燃料供給スクリュ
ーによって燃焼器の燃焼室(2)に供給されたペレットは、前記火格子において燃焼行程を直接に実行する。燃焼室(2)に配置された二次空気吸入口(2.1)の開口部は、燃焼を完全にさせ、一酸化炭素値を望ましい正常な値に減少させることを可能にする。又、本システムにおいて、ペレットから残され、火格子に燃焼する灰及び燃滓は、火格子(4)構造の運動を利用して、灰排出口(6)として形成された孔を通して落下する。又、落下した灰は火格子の下にある灰収集室または灰収集部分内に収集される。
【0013】
本発明によるシステムにおける移動火格子(4)はU字形状の構造を有し、燃焼の際に燃焼器内に時計方向において“C”字状に90度を成して立てる。火格子(4)構造の形を利用することで、火格子(4)の頂部、換言すれば頂部火格子(4.1)は燃焼室(2)のフロアを形成すると同時に、火格子(4)の底部、換言すれば火格子座金(4.2)は排出口(6)を閉塞する。更にこの方法によって、空気は一次空気吸入口(3)を通過し、直接に頂部火格子の下に燃焼室(2)に進入することで一次空気経路の通路ルートを画定する。灰収集室に対して開口する灰排出口(6)は火格子座金(4.2)とともに閉じるため、この部分からの何れかの過剰空気の進入は抑制される。又、洗浄工程の際に頂部火格子(4.1)とともに移動する火格子座金(4.2)の後ろ向きの移動によって、これは灰を灰排出口(6)から灰収集室に落下させることを可能にする。このような形式を利用することを言い換えれば、洗浄の際または一次空気吸入口(3)から到達した空気を制御することにおいて顕著な利点が得られる。
【0014】
移動火格子(4)の頂部は燃焼室(2)を支配し、底部の部分には灰排出口(6)が存在する。火格子(4)の前後移動は基本的に上述の二つ部分の間に実行される。移動火格子(4)構造は燃焼の際に燃焼室(2)のフロアの役務を満たしている。又、移動火格子(4)は、リニアスラスト軸(7)及びモータのシミング移動によって後方の孔に移入される。このような方法によって、この位置における燃焼室(2)及び灰排出口(6)の間の通路は形成される。又、灰、燃滓または他の廃棄物は直接に灰排出口(6)から落下することが可能になる。
【0015】
本発明範囲内における一実施様態において、直線移動性を移動火格子(4)に与えるリニアスラストモータ(8)は、電気パネルから受信された指令値に基いて一定時間の間隔で作動する。リニアスラストモータ(8)は一定時間の間隔で作動し、燃焼室(2)内に堆積された灰及び燃滓を直接に燃焼室から排出することによって、全ての供給された燃料は可能な限り最善の方法で燃焼されることを可能になる。
【0016】
燃焼室(2)の前部に配置されたスイーパー(13)は、移動火格子(4)構造を後方へ引っ張って移動する際に、頂部火格子(4.1)に配置された前記火格子チャネルを掃除することによって火格子チャネルに堆積した廃棄物を有効に灰排出口(6)から外へ掃き出し、排出する。
【0017】
上述のU字形状の火格子(4)構造は基本的に二つの部分を含む。頂部として定義された部分は、燃焼室(2)のフロアを形成する頂部火格子(4.1)の部分である。頂部火格子(4.1)の部分は各独立の部品からなる火格子アーム(4.1.2)及び、それらのアームと火格子フレーム(4.1.1)とを連接するシャフト(4.1.3)とから構成される。各火格子アーム(4.1.2)において、スロット(4.1.9)が存在する。スロット(4.1.9)は十分大きいため、火格子シャフト(4.1.3)がそれらを通過することを許容する。それらのスロット(4.1.9)の直径は火格子シャフト(4.1.3)の直径より大きい。これは膨張の前もしくは膨張の後に火格子シャフト(4.1.3)における火格子アーム(4.1.2)の自由移動を可能にする。更に、各火格子アーム(4.1.2)の間に孔の存在を許容するシム(4.1.4)も提供される。
【0018】
火格子アーム(4.1.2)、火格子シャフト(4.1.3)及び火格子フレーム(4.1.1)はステンレススティール、望ましくは、310Sタイプのステンレススティールから構成される。しかし、火格子アーム(4.1.2)及び火格子シャフト(4.1.3)は基本的に互いに独立した部品であり、又これらの部品は溶接などによって互いに接続されていないため、熱に起因した膨張から生じた何れかの変形及び収縮は避けられ、これによって、火格子チャネルの穴の閉塞は抑制される。又、これによって、例え長期間の使用でも火格子穴は何れかの外部介入の必要がなく、燃料廃棄物の排出を許容する。また、前記独立部品を結合し、生産する時間が低減される。この方法によって、メンテナンスであり、ペレットボイラの洗浄時間の間隔である最も重要な課題の一つが増加される。またシステムはこのシステムに対して何れかのほかのメンテナンスを実行する必要がなくても、長期間で同じ効率で作動することを可能にする。
【0019】
実際に、本発明による火格子(4)構造のおかけで、これは熱に起因する膨張を抵抗することではなく、前記膨張が火格子構造を変形させないような形で火格子アーム(4.1.2)及び火格子シャフト(4.1.3)を膨張させることを許容する。
【0020】
更に、火格子アーム(4.1.2)及びシム(4.1.4)は、取付工程の完成後シャフト(4.1.3)にわたって自由に移動できる。これらはシム(4.1.4)の壁の厚さほど互いに近接でき、またはシムは壁の厚さの幅より遠く離れる。この距離値は未燃焼燃料が火格子を通過して落下することを抑制できるレベルで設定されるべきである。二つの火格子アームの間の距離は各火格子アームの壁の厚さの25%−75%の間の比率で設定すべきである。この方法によって、最適な空気流量及び燃焼効率に関する優位性は確定される。更に、火格子アーム(4.1.2)はそれらの間に自由に移動できるため、従来技術のシステムとの相違として熱に起因して膨張し収縮する火格子アーム(4.1.2)の間にあるスイーパー(13)の詰まりは抑制され、これによって、火格子アーム(4.1.2)の間に堆積された燃滓を適切に掃出されることを許容する。更に、これは、外部メンテナンスの間の時間の間隔を増加し、熱効率を増加することによって余分なメンテナンスを不要とするシステムをユーザに提供する。
【0021】
これの他に、火格子アーム(4.1.2)の先端は矢印の先端“>”のような形で尖らせる。火格子アーム(4.1.2)の先端は何れかの方式で、他のピースと分離されていないため、火格子アーム(4.1.2)は要求のように平面において膨張することを許容し、また、スイーパーが火格子アーム(4.1.2)のチャネルの間に進入することは許容されることで可能な限り最適な方法で洗浄を実行することを可能にする。水平面においてステンレススティールから生じた火格子シャフト(4.1.3)の膨張を許容するため、シャフトが火格子フレーム(4.1.1)に開口した穴に進入することは許容され、また一側は固定されていないため、シャフト(4.1.3)がフレーム(4.1.1)から膨張したことは許容されることで火格子の変形を抑制することを確保する。
【0022】
U字型の火格子(4)の底部の部分を形成する火格子座金(4.2)は、鋳造材料から生産され、また基本的に頂部火格子(4.1)の支持取付部として配置される。分散した燃料廃棄物及び燃滓を掃除するため、火格子座金(4.2)の前方部分はランプ(5.2)のように傾斜される。この方法によって、堆積された灰はU字型の火格子(4)の前後移動の際に火格子座金(4.2)に収集され、そして、後方へ移動の際に、前記灰が落下し、可能な目詰まりが抑制される。火格子座金(4.2)の別の基本的な機能は、燃焼の際に灰排出口(6)は閉塞され、そして灰室から進入した不要な気体は抑制される。また、洗浄工程の際に、灰排出口(6)が開き、灰が灰室に落下することを許容する。
【0023】
火格子アーム(4.1.2)、火格子シャフト(4.1.3)及び火格子フレーム(4.1.1)から形成された頂部火格子(4.1)構造は、軸部によって火格子座金(4.2)に接続されている。軸部(4.1.5)によって、頂部火格子(4.1)構造は上下に移動できる。この移動可能な頂部火格子(4.1)の目的は堆積された燃滓によるスパスムに起因したシステムのロックダウンを抑制する。この燃滓はU字型の火格子(4)の前後移動中に火格子座金(4.2)の下に堆積される。テストの実行の際に、頂部火格子(4.1)が固定システムとして生産された場合、燃滓はU字型の火格子(4)の火格子座金(4.2)の底部において堆積する傾向があり、また前記堆積はシングルピースの鋳造材料から生産されたU字型の火格子をブロックする傾向があって、これによってシステムをロックダウンさせることを発見しました。その課題に対しての対策を見つけるため、頂部火格子(4.1)の構造は、座金(4.2)において上下移動できるように設計される。しかし、頂部火格子(4.1)も燃焼室(2)のフロアを形成することは忘れることができないため、頂部火格子(4.1)は燃焼工程の際に湾曲されなくフロアと平行する平面を形成すべきことを念に入れるべきである。燃焼工程の際に、頂部火格子(4.1)が湾曲されなく、フロアと平行する基部を形成するため、火格子フレーム(4.1.1)の縁部にはガイドピン(4.1.6)が設置される。火格子ガイドピン(4.1.6)はあまり頂部火格子(4.1)の熱の影響を受けないことを確保するため、フレームはフレーム(4.1.1)のアームにおいて取り付けられる。これらのガイドピン(4.1.6)は頂部火格子(4.1)に対して上方への移動を与えるため、凹凸レール(5)は燃焼器(1)の内部基部において取り付けられる。ガイドピン(4.1.6)は頂部火格子の先端を上方への押し付けを可能にし、また、前記凹凸レール(5)を移動することによる押し付け力とともに火格子が平行であることを確保する。押し付け移動の際に、火格子ガイドピン(4.1.6)の凹凸レール(5)の尖った点における傾斜部分はランプ(5.2)のように働き、そして押し付けによって、前記部分はだんだん持ち上げられ、燃焼室のフロアを形成する頂部火格子(4.1)は傾斜部の平面におけるフロアと平行することを確保する。更に、灰の排出用の木口の排出穴(5.1)は凹凸レール(5)の底部部分において開口することで、システムのロックダウンをさせなく移動を押し付けたり、引っ張ったりする場合、凹凸レール(5)の間に堆積された燃滓の排出を可能にする。
【0024】
頂部火格子の上下移動の境界を確定するため、火格子フレーム(4.1.1)の軸部(4.1.5)の連接部分において移動を制限する支持部(4.1.7,4.1.8)が存在する。軸部(4.1.5)は頂部火格子(4.1)に上下運動を提供する同時に、それはフレーム(4.1.1)の頂部に配置された下向きの支持制限部(4.1.7)によって頂部火格子(4.1)の下方への移動を制限することで、一定角度の距離において作動を継続することを確保する。また類似的に、一定角度において頂部火格子(4.1)の上方への移動を許容する軸部(4.1.5)の移動は、フレーム(4.1.1)の後方に配置された第二支持制限部(4.1.8)によって制限される。頂部火格子(4.1)の望ましい移動角度は上向き最大10度及び下向き最大10度と予想する。
【0025】
従来技術である周知の点火装置と異なり、本発明によるシステムにおいて、少なくとも二つ点火装置(9)が使用されている。従って、点火装置(9)によって生成した初期火炎はより均質、より効率的な点火を得ることを容易にする。更に、点火工程を短縮し、点火装置(9)の作動寿命を増加するため、セラミック系の点火装置(9)はスティール系の点火装置を代替して利用されている。また、従来技術の点火装置と違って、点火装置から燃料への距離を画定し、燃焼器(1)内の点火装置(9)を保護するため、特殊な円錐コーティング(9.1)は応用される。コーティング(9.1)の先端は円錐形であり、円錐の縁部における貫通穴(9.2)は開口している。従って、燃焼室から不要な燃料及び様々な粒子が点火装置(9)のスロットに進入することを抑制することが確保される。点火装置(9)を燃焼室に近接させる場合、より迅速な点火が得られることが知られても、このよう極めての近接は点火装置(9)の寿命期間を短縮させることも知られる。この原因で、点火装置(9)は燃料室よりl−5cmの距離離れた位置に配置された場合、より良い燃焼は得られ、また点火装置(9)の寿命期間において顕著な増加も確定される。
【0026】
本発明に特徴を加えた別の実施様態では、中空の中間部分を有するネジ(2.2)が設計される。中空の中間部分は、空気がそれを通すことを許容し、前記ネジは燃焼室(2)が燃焼器(1)に固定されることを確保し、また前記ネジ(2.2)は燃料供給口の反対方向に固定される。燃料は燃料供給口から燃料室に供給される。ネジ(2.2)の中間部分は中空であるため、空気はネジ(2.2)を通過してネジ(2.2)を冷却する。同様なネジ(2.2)は燃料供給部分の反対側に固定されるため、ネジはより少ない容量の熱を受ける。これらの研究の全部結果として、ネジ(2.2)のねじ山は熱によって溶けないと分かったため、これは燃焼室(2)に粘着することを抑制され、またメンテナンスの処理工程の際に前記ネジ(2.2)は容易に取り外される。
【0027】
上述の実施様態のその他には、加熱システムは燃料供給スクリュ
ーに接続するモータを確保するための電気パネルと、火格子(4)構造に接続するリニアスラストモータ(8)と、灰搬送用スクリュ
ーに接続するモータと、互いに同時にかつ独立に作動できるコイルバ
ネを振動させる振動モー
タを含む。電気パネルの作動の原理はシステム内及びフレームを連続的にモニターする少なくとも二つの光電池(10)における空気の圧力値を測る圧力センサ
ーに基づく。本発明によるシステムにおいて、二つの光電池(10)の利用は提案される。この方法によって、たとえ火炎は燃料室の別の部分に存在しても燃料室からの認識が得られる。圧力センサ
ーは光電池(10)からの確認に従って、測った圧力を電気パネルに伝送し、そして前記電気パネルは得られた圧力値に応じて同時にまたは独立に燃料を搬送するスクリューモータ、燃料供給駆動モータ及び吸込ファ
ンを作動する。