特許第5976952号(P5976952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976952
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】過酸化物の安定なオーラルケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/22 20060101AFI20160817BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/24 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/28 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20160817BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   A61K8/22
   A61K8/81
   A61K8/24
   A61K8/25
   A61K8/26
   A61K8/28
   A61K8/34
   A61K8/86
   A61Q11/00
【請求項の数】28
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-547908(P2015-547908)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2016-503019(P2016-503019A)
(43)【公表日】2016年2月1日
(86)【国際出願番号】US2012069867
(87)【国際公開番号】WO2014092735
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年12月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590002611
【氏名又は名称】コルゲート・パーモリブ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・プレンチペ
(72)【発明者】
【氏名】プラカサラオ・マンダディ
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ・ガロット
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−526648(JP,A)
【文献】 特表2007−515385(JP,A)
【文献】 特表2009−510062(JP,A)
【文献】 特表2009−543900(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0045854(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)過酸化水素と複合された架橋ポリビニルピロリドンのホワイトニング複合体を含む過酸化物ホワイトニング剤、(ii)当該組成物の重量に基づいて、0.05重量%〜5重量%の量の酸性ピロリン酸ナトリウム(Na2227)、および(iii)当該組成物の重量に基づいて、3重量%未満の水を含む、オーラルケア組成物。
【請求項2】
前記酸性ピロリン酸ナトリウム(Na2227)が、当該組成物の重量に基づいて、0.1重量%〜5重量%の量存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記酸性ピロリン酸ナトリウム(Na2227)が、当該組成物の重量に基づいて、0.1重量%〜3重量%の量で存在する、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記過酸化水素と複合された架橋ポリビニルピロリドンのホワイトニング複合体が、当該組成物の重量に基づいて、3重量%〜15重量%の量存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記過酸化水素と複合された架橋ポリビニルピロリドンのホワイトニング複合体が、当該組成物の重量に基づいて、5重量%〜12重量%の量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ホワイトニング複合体が、該ホワイトニング複合体の重量に基づいて、10〜30重量%の過酸化水素、および5〜15重量%の全窒素を含む、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
前記過酸化水素の総量が、当該組成物の重量に基づいて0.5重量%〜3重量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
さらに、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムから選択されるタータ・コントロール試薬またはそれらの混合物含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の重量に基づいて1〜2重量%のピロリン酸四ナトリウムをさらに含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
さらに、か焼アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよび沈降炭酸カルシウムの少なくとも1つから選択される研磨剤、またはそれらの2つまたはそれ以上のいずれかの混合物を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記研磨剤が当該組成物の重量に基づいて5重量%〜40重量%の量存在する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記研磨剤が、ピロリン酸カルシウムであり、当該組成物の重量に基づいて12重量%〜37重量%の量で存在する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
さらに、グリセリンおよびプロピレングリコールから選択される少なくとも1つの湿潤剤、またはそれらの混合物を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの湿潤剤が、当該組成物の重量に基づいて、25重量%〜60重量%の量存在する、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つの湿潤剤が、当該組成物の重量に基づいて、25重量%〜45重量%の量で存在する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
プロピレングリコールを、当該組成物の重量に基づいて15重量%〜30重量%の量で含む、請求項13または15に記載の組成物。
【請求項17】
グリセリンを、当該組成物の重量に基づいて5重量%〜20重量%の量で含む、請求項1316のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
さらに、5000Da未満の平均分子量の酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体を実質的に含まない、5000Da超の平均分子量の酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
(酸化エチレン)x−(酸化プロピレン)y[ここで、xが80〜150の整数であり、yが30〜80の整数である]を含む酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体が、組成物の重量に基づいて、5重量%〜12重量%の量で存在する、請求項18または19に記載の組成物。
【請求項21】
さらに、平均分子量400〜800Daのポリエチレングリコール含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記ポリエチレングリコールが、当該組成物の重量に基づいて5重量%〜15重量%の量で存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
さらに、架橋ポリビニルピロリドンおよびヒュームドシリカから選択される増粘剤たはそれらの混合物含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記増粘剤が、当該組成物の重量に基づいて1重量%〜5重量%の量で存在する、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
当該組成物の重量に基づいて2重量%未満の水を含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
単相組成物である、請求項1〜25のいずれか一項の組成物。
【請求項27】
ペーストである、請求項1〜26のいずれか一項の組成物。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物を哺乳動物の歯の表面に適用することを含む、歯を白くする方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景技術)
[0001]
過酸化物を含む歯磨き配合物は公知であり、歯を清掃し、かつ白くするのに有用である。過酸化物は歯を漂白でき、汚れを除去でき、かつ、う蝕原性細菌を殺菌できる。しかしながら、過酸化物化合物は非常に反応性が高く、結果的に配合するのが難しい。さらに、過酸化水素は自発的に分解して酸素ガス(O)および水を形成し、その結果、保管時に、歯磨剤容器は膨らみ、破裂または漏れる可能性があり、また、残留する配合物は歯を効果的に清掃し、かつ白くするのに十分な残留過酸化物を有さないであろう。いくつかのものは、最初は、非常に高いレベルの過酸化物を含み、これは経時的に分解し、従って、適用に際して送達される過酸化物の正確な量は変動し、その歯磨剤が保管される期間および条件に大きく依存する。
【0002】
[0002]
過酸化物は、過酸化水素として、または結合型過酸化水素源として存在してよい。結合型過酸化水素源は、PVP−H複合体、過酸化尿素、過酸化カルシウムおよび過炭酸ナトリウムを含む。
【0003】
[0003]
オーラルケア製品に見られる多くの一般的な成分、特に水および研磨剤とのその反応性のために、過酸化水素および結合型過酸化水素のそのような源を配合して安定な歯磨剤とすることは挑戦的なことである。過酸化物の安定性は配合物のpHを減少させることによって改善できることは、当分野では公知である。しかしながら、日常的に使用するために設計された練り歯磨きにおいて、ブラッシングの間に水性溶液中で使用された場合に、pHを5.5以下に下げること、または最適な下限値pH6さえ下回ることは、エナメル質の有害な酸蝕を引き起こし得る。
【0004】
[0004]
単相ホワイトニング歯磨組成物は、例えば、本出願人の以前のWO−A−2012/102750、WO−A−2011/079167およびWO−A−2007/037961、およびUS−A−2006/0062744に記載されており、それらの開示内容は引用により本文中に組み込まれる。それらの組成物は酸性ではなく、組成物中に過酸化水素を安定させるPVP−H複合体を含み、それらは低水含有量を有するか、または実質的に無水である。口腔の場合のような水性環境に曝すと、PVP−Hは、個々の化学種(PVPポリマーおよびH)に解離する。PVP−H複合体は、一般に、約80重量%のポリビニルピロリドンおよび20重量%のHを含む。WO−A−2012/102750において、カルシウム研磨剤および具体的な分子量の酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体を慎重に選択しても、歯磨剤中の結合型過酸化水素の安定性を改善するために使用できることが実際に示されている。
【0005】
[0005]
しかしながら、過酸化物を含む既知のホワイトニング歯磨剤組成物は、販売に先立って、または使用者によって保管された結果として、許容されないレベルの過酸化物の分解およびホワイトニング効力の喪失を示すであろう。
【0006】
[0006]
かくして、改善された過酸化物含有ホワイトニングオーラルケア組成物に関する要求、例えば、過酸化物の改善された美容上の安定性を示し、それで長期間の保管に化学的に安定であり、かつホワイトニング効能が有意に失われることなく日常的な消費者の使用に適した歯磨剤組成物に関する要求がある。
【0007】
[0007]
さらにまた、オーラルケア組成物、例えば歯磨剤組成物を調製する場合、配合物が物理的安定性を有し、販売前または使用者による保管の結果として固相および液相に徐々に分離しないことが重要である。過酸化物を含む既知のホワイトニング歯磨組成物のいくつかは、使用者が許容できないレベルの著しい相分離を示し得る。
【0008】
[0008]
このように、組成物が改善された美容上の相安定性を示し、かつ長期間の保管のために物理的に安定であり、かつ単相が有意に崩壊することなく日常的な消費者使用に適切である、改善された過酸化物含有ホワイトニングオーラルケア組成物、例えば単相歯磨剤組成物についてのさらなる要求がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(概要)
[0009]
発明は、それらの要求の一方または両方を満たすことを少なくとも部分的に目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0010]
本発明はまた、単相ホワイトニングオーラルケア組成物を提供し、該組成物は過酸化物の化粧上の化学安定性および該組成物の物理的な安定性を示し、そして、長時間の保管に化学的に及び物理的に安定であり、及び日常的な消費者の使用に適しており、並びに歯を清掃および白くするのに有効なままでいる。
【0011】
[0011]
本発明は、使用の間に許容されるpH、例えばpH6超を示す、および消費者が押し出し可能な、および製造の間にポンプ輸送可能な十分に低い粘度を示す、単相ホワイトニングオーラルケア組成物を提供することをさらに目的とする。
【0012】
[0012]
したがって、本発明は、(i)過酸化水素と複合された架橋ポリビニルピロリドンのホワイトニング複合体を含む過酸化物ホワイトニング剤、(ii)組成物の重量に基づいて、0.05重量%〜5重量%の量の酸性ピロリン酸ナトリウム(Na)、および(iii)組成物の重量に基づいて、3重量%未満の水を含む、オーラルケア組成物を提供する。
【0013】
[0013]
場合により、酸性ピロリン酸ナトリウム(Na)は、組成物の重量に基づいて0.1重量%〜5重量%の量で、さらに場合により、組成物の重量に基づいて0.1重量%〜3重量%の量で存在する。
【0014】
[0014]
場合により、過酸化水素と複合された架橋ポリビニルピロリドンのホワイトニング複合体は、組成物の重量に基づいて、3重量%〜15重量%の量で、さらに場合により、5重量%〜12重量%の量で存在する。
【0015】
[0015]
場合により、ホワイトニング複合体は、ホワイトニング複合体の重量に基づいて10〜30重量%の過酸化水素および5〜15重量%の全窒素を含む。場合により、過酸化水素の総量は組成物の重量に基づいて0.5重量%〜3重量%である。
【0016】
[0016]
場合により、組成物は、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムから選択されるタータ・コントロール試薬またはそれらの混合物をさらに含む。さらに場合により、タータ・コントロール試薬は、組成物の重量に基づいて、1〜2重量%のピロリン酸四ナトリウムを含む。
【0017】
[0017]
場合により、組成物は、さらに、か焼アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよび沈降炭酸カルシウム、およびそれらの2つまたはそれ以上のいずれかの混合物の少なくとも1つから選択される研磨剤を含む。典型的に、研磨剤は組成物の重量に基づいて5重量%〜40重量%の量で存在する。場合により、研磨剤は、組成物の重量に基づいて、10重量%〜37重量%の量で存在する。
【0018】
[0018]
いくつかの実施形態において、組成物は、さらに、グリセリンおよびプロピレングリコールから選択される少なくとも1つの湿潤剤、またはそれらの混合物を含む。場合により、少なくとも1つの湿潤剤は、組成物の重量に基づいて25重量%〜60重量%の量で、さらに場合により、組成物の重量に基づいて25重量%か〜45重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は、プロピレングリコールを組成物の重量に基づいて15重量%〜30重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、組成物は、グリセリンを組成物の重量に基づいて5重量%〜20重量%の量で含む。
【0019】
[0019]
いくつかの実施形態において、組成物は、さらに、平均分子量5000Da未満の酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体を実質的に含まず、平均分子量5000Da超の酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体をさらに含む。典型例として、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体は(酸化エチレン)x−(酸化プロピレン)yを含み、ここで、xは80〜150の整数であり、yは30〜80で整数である。場合により、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体は、組成物の重量に基づいて5重量%〜12重量%の量で存在する。
【0020】
[0020]
いくつかの実施形態において、組成物は平均分子量400〜800Daのポリエチレングリコールをさらに含む。場合により、ポリエチレングリコールは、組成物の重量に基づいて5重量%〜15重量%の量で存在する。
【0021】
[0021]
場合により、組成物は、架橋ポリビニルピロリドンおよびヒュームドシリカから選択される増粘剤またはそれらの混合物をさらに含む。典型的には、増粘剤は、組成物の重量に基づいて5重量%〜15重量%の量で存在してよい。
【0022】
[0022]
場合により、組成物は、組成物の重量に基づいて1重量%未満の水を含む。
【0023】
[0023]
場合により、組成物は単相組成物である。
【0024】
[0024]
いくつかの実施形態において、組成物はさらに、アニオン性界面活性剤を組成物の重量に基づいて0.5〜3重量%の量で含む。
【0025】
[0025]
本発明の好ましい実施形態において、オーラルケア組成物は、長期保管の間、化学的に及び物理的に安定であり、かつ、組成物の製造および使用の間に良好な化粧用の安定性を有し、歯を清掃するための、及び歯を白くするための効果が持続する。
【0026】
[0026]
発明者らは、酸性ピロリン酸ナトリウム(Na)、あるいは別名SAPPまたはピロリン酸二ナトリウムが、ホワイトニング複合体の形で過酸化物ホワイトニング剤を含む歯磨剤において、具体的には無水歯磨剤、最も具体的には単相歯磨剤において、化学的な過酸化物安定性および物理的な相安定性の両方を増大させ得ることを予期せず見出した。酸性ピロリン酸ナトリウム(Na)の量は、歯を磨くために水性溶液中で用いる場合に組成物のpHが過度に低下しないように、および組成物をチューブなどのパッケージから押し出すのを困難に、または製造中にポンプ輸送するのを困難にするほどに歯磨剤の粘度を過度に増加させないように、制御され得る。
【0027】
[0027]
本発明はまた、本発明の組成物を哺乳動物の歯の表面に適用することを含む、歯を白くする方法を提供する。
【0028】
[0028]
発明のさらなる実施形態は、詳しい説明および実施例から明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(詳しい説明)
[0029]
本明細書を通じて用いられるように、範囲はその範囲内にある各数値およびすべての数値を表す短縮形として用いられる。該範囲内にある値はいずれも、該範囲の上限下限として選択され得る。
【0030】
[0030]
いくつかの実施形態において、本発明は、(i)過酸化水素と複合された架橋ポリビニルピロリドンのホワイトニング複合体を含む過酸化物ホワイトニング剤、(ii)組成物の重量に基づいて、0.05重量%〜5重量%の量の酸性ピロリン酸ナトリウム(Na)、および(iii)組成物の重量に基づいて、3重量%未満の水を含む、オーラルケア組成物を提供する。
【0031】
[0031]
オーラルケア組成物は、典型的に単相組成物、例えば練り歯磨きである。
【0032】
[0032]
オーラルケア組成物において、ホワイトニング剤は、結合型過酸化水素源として作用する過酸化物ホワイトニング複合体、特にPVP−H複合体を含む。
【0033】
[0033]
いくつかの実施形態において、過酸化水素と複合された架橋ポリビニルピロリドンは、組成物の重量に基づいて、3重量%〜15重量%の量で、典型的には5重量%〜12重量%の量で存在する。
【0034】
[0034]
典型的に、ホワイトニング複合体は、ホワイトニング複合体の重量に基づいて10〜30重量%の過酸化水素および5〜15重量%の全窒素を含む。いくつかの実施形態において、過酸化水素の総量は、組成物の重量に基づいて、0.5重量%〜3重量%、例えば、0.75〜1.5重量%、例えば、約1重量%である。
【0035】
[0035]
典型的には、ホワイトニング複合体は、例えば、インターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ社(Wayne,NJ)から入手可能なポリプラスドン(Polyplasdone)(登録商標)XL−10、例えば、Polyplasdone(登録商標)XL−10Fと実質的に同一の規格を有する、約15〜25重量%、例えば約17〜22重量%の過酸化水素、および約7〜12重量%の全窒素を含有する。
【0036】
[0036]
本発明によれば、酸性ピロリン酸ナトリウム(Na)は、組成物の重量に基づいて、0.05重量%〜5重量%の量で存在し、かつ過酸化物安定化剤(peroxide stabilizer)と相安定化剤(phase stabilizer)の両方として作用することが見出された。
【0037】
[0037]
過酸化物ホワイトニング剤のための過酸化物安定化剤により、該ホワイトニング剤は化学分解を低下させた。そのような相安定化剤により、組成物は、固相および液相に分離する傾向が低下した。
【0038】
[0038]
いくつかの実施形態において、酸性ピロリン酸ナトリウム(Na)は、組成物の重量に基づいて0.1重量%〜5重量%の量で、典型的には、組成物の重量に基づいて0.1重量%〜3重量%の量で存在する。
【0039】
[0039]
いくつかの実施形態において、組成物が練り歯磨きまたはゲルとして使用されることを可能にするチューブなどの容器から使用者が該組成物を押し出すことを可能にするために、容易に製造されるために、特にポンプ輸送可能となるように、組成物を増粘する増粘剤、例えば架橋ポリビニルピロリドンおよび/またはヒュームドシリカが供される増粘系を、当該組成物は含む。
【0040】
[0040]
いくつかの実施形態において、架橋ポリビニルピロリドンおよび/またはヒュームドシリカ増粘剤は、組成物の重量に基づいて、1重量%〜5重量%の量で存在する。
【0041】
[0041]
本発明の組成物は、限定するものではないが、カルボマー、別名カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、別名アイルランドコケおよびより具体的にはカラギーナン(イオタ−カラギーナン、高分子量ポリエチレングリコール(例えば、Dow Chemical社から入手可能なカルボワックス(CARBOWAX(登録商標)))、セルロースポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびそれらの塩、例えばCMCナトリウム、天然ガム、例えばカラヤゴム、キサンタンゴム、アラビアゴムおよびトラガカントゴム、ならびにコロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびそれらの混合物の1つまたはそれ以上から選択される付加的な経口的に許容される増粘剤を、場合により含んでもよい。そのような付加的な増粘剤は、場合により、組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜約50重量%、例えば、約0.1重量%〜約35重量%または約1重量%〜約15重量%の総量で存在してよい。
【0042】
[0042]
いくつかの実施形態において、組成物は、さらに、(i)ポリエチレングリコール、(ii)少なくとも5000の分子量を有するポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体、および(iii)それらの組合せから選択されるポリマーシックナーを含む。
【0043】
[0043]
いくつかの実施形態において、組成物は、5000超、例えば8000〜13000Da、例えば約9800の平均分子量を有する、式(酸化エチレン)x−(酸化プロピレン)y[式中、xは80〜150、例えば100〜130、例えば約118の整数であり、yは30〜80、例えば約60〜70、例えば約66の整数である]の酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体を含む。
【0044】
[0044]
いくつかの実施形態において、組成物は、平均分子量5000Da超の酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体を含み、それは、平均分子量5000Da未満の酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体を実質的に含まない。場合により、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体は、組成物の重量に基づいて5重量%〜12重量%の量で存在する。酸化エチレン/酸化プロピレンのブロック共重合体は有用であるが、より高分子量、例えば、>5000Daが好ましく、例えばプルラケア(PLURACARE)(登録商標)L1220(BASF,Wyandotte,Mich.(米国)から入手可能な)を含む。
【0045】
[0045]
いくつかの実施形態において、組成物は平均分子量400〜800Da、例えば約600Daのポリエチレングリコールをさらに含む。低分子量または中間分子量のポリエチレングリコール、例えば、PEG400、PEG600、PEG800、PEG1000およびそれらの混合物は、本発明のいくつかの実施形態の組成物において有用である。
【0046】
[0046]
さらに場合により、ポリエチレングリコールは、組成物の重量に基づいて5重量%〜15重量%の量で存在してよい。
【0047】
[0047]
いくつかの実施形態において、オーラルケア組成物は、加えて、安定化量の付加的な直鎖状ポリビニルピロリドンを含んでよい。
【0048】
[0048]
本発明の組成物は、湿潤剤、表面活性剤、またはゲル化剤等のような、組成物のレオロジーおよび触感を調整するための種々の歯磨剤成分を含んでもよい。
【0049】
[0049]
いくつかの実施形態において、オーラルケア組成物は活性な成分用のビヒクルを含む。ビヒクルは、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、およびそれらの組合せから選択される湿潤剤を含んでよい。
【0050】
[0050]
いくつかの実施形態において、オーラルケア組成物は、組成物の重量に基づいて、約25〜約60重量%、場合により、約25〜約45重量%の湿潤剤を含んでよい。
【0051】
[0051]
いくつかの実施形態において、組成物はさらに、プロピレングリコールを、組成物の重量に基づいて15重量%〜30重量%の量で含む。
【0052】
[0052]
いくつかの実施形態において、組成物は、グリセリンを組成物の重量に基づいて5重量%〜20重量%の量でさらに含む。
【0053】
[0053]
本発明の典型的な組成物は、「低水」含有量を有し、これは、いずれかの遊離水およびいずれかの成分に含有された全ての水も含めた、水の総濃度が約5重量%未満、好ましくは3重量%未満、好ましくは2重量%未満の水であることを意味する。
【0054】
[0054]
場合により、組成物は、組成物の重量に基づいて3重量%未満の水を含む。いくつかの実施形態において、オーラルケア組成物は、2重量%未満の水、例えば、1重量%未満の水を含有する。いくつかの実施形態において、組成物は実質的に無水である。
【0055】
[0055]
ビヒクル成分は、特に、約10,000CPS〜約700,000CPS、好ましくは約30,000CPS〜約300,000CPSの粘度を有する歯磨剤を提供する。
【0056】
[0056]
当業者によって認識されるように、本発明の経口組成物は、場合により、他の試薬、例えば齲歯予防薬、脱感作剤(desensitizing agent)、粘度調整剤、希釈剤、表面活性剤、例えば界面活性剤、乳化剤および発泡モジュレーター、pH調整剤、研磨剤を含んでよく、上記リストに加えて、湿潤剤、口あたりを良くする試薬(mouth feel agent)、甘味料、フレーバー剤、着色剤、保存剤およびそれらの組合せ含んでもよい。前記カテゴリーの物質のそれぞれの一般的な属性は異なるであろうが、いくつかの共通する属性が可能であり、いずれかの所与の物質は、物質の当該カテゴリーの2つまたはそれ以上のうちの多重の目的を果たすことができることは理解される。好ましくは、組成物の他の成分との適合性のために担体が選択される。
【0057】
[0057]
フレーバー剤、甘味料、着色剤、発泡モジュレーター、口あたりを良くする試薬および他の試薬は、必要に応じて追加的に組成物に含めることができる。
【0058】
[0058]
本発明の組成物は、表面活性剤(界面活性剤)を含んでもよい。適切な界面活性剤は、限定するものではないが、C8−20硫酸アルキルの水溶性塩、C8−20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、サルコシネート、タウレート、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルモノグリセリドスルホン酸ナトリウム(sodium cocoyl monoglyceride sulfonate)、ラウリルサルコシン酸ナトリウム(sodium lauryl sarcosinate)、ラウリルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauryl isoethionate)、ラウレスカルボン酸ナトリウム(sodium laureth carboxylate)およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびココアミドプロピルベタイン(cocoamidopropyl betaine)を含む。
【0059】
[0059]
いくつかの実施形態において、組成物はアニオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム(SLS)をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、組成物はさらに、アニオン性界面活性剤を組成物の重量に基づいて0.5〜3重量%の量で含む。
【0060】
[0060]
オーラルケア組成物は、粒子の形態の研磨剤を含んでもよい。
【0061】
[0061]
研磨剤は、典型的には、か焼アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸二カルシウム二カルシウム・オルトリン酸塩、リン酸三カルシウム、ポリメ多リン酸カルシウムおよび沈降炭酸カルシウムの少なくとも1つから選択されるか、またはそれらの2つまたはそれ以上の組合せである。
【0062】
[0062]
典型的には、コーティングされた研磨剤は、組成物の重量に基づいて、5重量%〜40重量%の量で、より典型的には、研磨剤がピロリン酸カルシウムの場合、12重量%〜37重量%の量で存在する。
【0063】
[0063]
平均粒子サイズは、一般的には、約0.1〜約30ミクロン、例えば、約1〜約20ミクロン、または約5〜約15ミクロンである。
【0064】
[0064]
本発明の組成物は、場合により、口腔の硬組織または軟組織の状態または障害の予防または処置に、生理的障害または状態の予防または処置に、または美容上の利益を与えるために使用可能な1つまたはそれ以上のさらなる活性物質を含んでよい。
【0065】
[0065]
本発明のさまざまな実施形態において、口腔用組成物は抗歯石(タータ・コントロール)試薬を含む。一般に、タータ・コントロール試薬はいくつかのホワイトニング剤と不相溶であると類別されるが、本発明の実施形態はタータ・コントロール試薬とホワイトニング剤を単相のホワイトニング組成物中に含む。
【0066】
[0066]
適当な抗歯石剤は、限定されるものではないが、ホスフェートおよびポリホスフェート(例えば、ピロホスフェート)、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド、ポリオレフィンスルホネート、ポリオレフィンホスフェート、ジホスホネートを含む。典型的には、抗歯石剤は、組成物の重量に基づいて、約0.1%〜約30重量%で存在する。
【0067】
[0067]
口腔用組成物は、異なる抗歯石剤の混合物を含んでもよい。
【0068】
[0068]
いくつかの実施形態において、組成物は、例えば、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)およびトリポリリン酸ナトリウム(STPP)から選択されるタータ・コントロール試薬を付加的に含む。
【0069】
[0069]
1つの好ましい実施形態においては、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)および/またはトリポリリン酸ナトリウム(STPP)が用いられる。抗歯石剤は、組成物の重量に基づいて、それぞれ約1〜2%のTSPPおよび/または約7%〜約10%のSTPPを含んでよい。
【0070】
[0070]
オーラルケア組成物は、場合により、少なくとも1つの経口的に許容されるフッ化物イオン源を含んでもよい。当該分野において既知のもの、または開発されるものを、いずれも使用できる。適当なフッ化物イオン源は、フッ化物、モノフルオロリン酸およびフルオロケイ酸の塩を含む。1つまたはそれ以上のフッ化物イオン放出化合物は、場合により、組成物の重量に基づいて、それぞれ合計約100〜約20,000ppm、約200〜約5,000ppm、または約500〜約2,500ppmのフッ化物イオンを与える量で存在してよい。
【0071】
[0071]
組成物は、第一スズイオンまたは第一スズイオン源を含んでよい。適切な第一スズイオン源は、限定するものではないが、フッ化第一スズ、他のハロゲン化第一スズ、例えば塩化第一スズ二水和物、ピロリン酸第一スズ、有機カルボン酸第一スズ塩、例えばギ酸、酢酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸およびクエン酸の第一スズ塩、第一スズエチレングリコキシドおよびその類似物を含む。1つまたはそれ以上の第一スズイオン源が、場合により、また例示的に、組成物の重量に基づいて、それぞれ約0.01%〜約10%、例えば、約0.1%〜約7%または約1%〜約5%の総量で存在してよい。
【0072】
[0072]
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、場合により、抗微生物剤(例えば、抗菌剤)、例えばトリクロサンを含んでよい。有用な抗菌剤のさらなる例示的なリストは、Gaffarらに対する米国特許第5,776,435号に列記されたもので示され、その内容は引用により本文中に組み込まれる。1つまたはそれ以上の抗微生物剤は、場合により、抗微生物的に有効な総量で、組成物の重量に基づいて、典型的にはそれぞれ約0.05%〜約10%、例えば、約0.1%〜約3%で存在してよい。
【0073】
[0073]
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、場合により抗酸化物質を含んでよい。いずれかの経口上許容される酸化防止剤を用いることができ、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンA、カロチノイド、ビタミンE、フラボノイド、ポリフェノール、アスコルビン酸、ハーブ系酸化防止剤(herbal antioxidant)、クロロフィル、メラトニンおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
[0074]
本発明の組成物は、唾液分泌促進薬または唾液刺激剤、抗歯垢形成剤、抗炎症剤および/または脱感作剤を場合により含んでもよい。
【0075】
[0075]
成分は、時々、本明細書中で、カテゴリーにより、例えば湿潤剤、抗酸化物質、シックナー等により特定されるが、この特定は便宜および明瞭性のためであり、限定することを意図するものではない。組成物中の成分の全ては、それらの一次的な機能に加えて機能を有してよく、その安定性、効能、粘稠度、口当たり、味、臭い等を含めた組成物の特性全体に寄与し得る。
【0076】
[0076]
ヒトまたは動物対象において口腔表面を白くする方法であって、本発明の組成物を安定な形で保管すること、および該組成物を口腔表面と接触させることを含む、方法が提供される。本明細書中で用いる「動物対象」は、ヒト以外の高等目の哺乳動物、例えばイヌ科動物、ネコ科動物、およびウマを含む。オーラルケア組成物を哺乳動物対象の口腔表面と接触させ、それにより、ホワイトニング剤、過酸化物不相容性の研磨剤および他の成分間のいかなる有害な相互作用もなく、きわめて効果的に歯を白くする。
【0077】
[0077]
さまざまな実施形態において、オーラルケア組成物を適用し、口腔表面と接触させるのが好ましい。本発明の特定の実施形態に従って調製された歯磨剤は、定期的に、好ましくは日常的に、少なくとも1回を複数日間、あるいは2日もしくは3日毎に口腔表面に適用される。好ましくは、口腔用組成物は、1日1〜3回を少なくとも2週間、最長8週間、4カ月から3年、または生涯、口腔表面に適用される。
【0078】
[0078]
本発明を以下の非限定的実施例にて説明する。
実施例
実施例1および比較例1
【0079】
[0079]
歯磨剤組成物は、各々実施例1および比較例1に従って調製された。組成物は表1で特定される以下の成分を有し、そこでは、量は重量%で表す。
【表1】
【0080】
[0080]
比較例1の歯磨剤は、架橋ポリビニルピロリドンおよび過酸化水素の複合体を含有する過酸化物ホワイトニング剤を含んだ。過酸化水素は、歯磨剤の総量の約1重量%を構成した。歯磨剤は、PEG118/PPG66共重合体(Pluracare L1220F)、グリセリン、プロピレングリコールおよびPEG600を含む実質的に無水のビヒクルを含んだ。ヒュームドシリカは、シックナーおよび粘度改変剤(viscosity modifying agent)として存在した。研磨剤は、ピロリン酸カルシウムを含んだ。
【0081】
[0081]
実施例1の歯磨剤は、追加的に、酸性ピロリン酸ナトリウムを0.1重量%の量で含んだ。
【0082】
[0082]
実施例1および比較例1の歯磨剤の安定性を、2つの異なる試験プロトコルを用いて評価した。
【0083】
[0083]
一方の試験プロトコルは、歯磨剤中の過酸化水素の化学安定性を評価し、特に過酸化水素を含有する歯磨剤を含むパッケージングを膨らますことを評価した。
【0084】
[0084]
他方の試験プロトコルは、歯磨剤の物理的安定性を評価し、特に過酸化水素を含む歯磨剤の相分離を評価した。
【0085】
[0085]
過酸化水素は分解生成物である水および酸素ガスに化学的に分解し、2モルの過酸化水素は1モルの酸素を生成する。しかしながら、1モルの酸素ガスは2モルの過酸化水素よりも大きな体積を必要とし、従って、過酸化水素が化学的に分解するにつれて、歯磨剤の閉じたチューブ内でかなり圧力が高まり得る。
【0086】
[0086]
実施例1および比較例1の試験において、38mmのショルダー幅および125mmの長さを有する慣用の柔軟性ポリマー練り歯磨きチューブを、110gの各歯磨剤で充填して、該チューブを慣用のクロージャーで閉じた。
【0087】
[0087]
歯磨剤中の過酸化水素の化学安定性を評価するための第一試験プロトコルでは、実施例1および比較例の過酸化水素含有歯磨剤配合物の、過酸化水素の分解から結果的に生じる累進的な膨張を、カメラを用いてチューブの側面のデジタル画像を撮影して測定した。該チューブが占める画像の面積を測定するために、イメージ分析ソフトウェアを使用した。酸素ガスにより生じる内圧のためにチューブが膨らむにつれて、該チューブが占める画像の面積はそれに対応して増加する。
【0088】
[0088]
歯磨剤調製およびパッケージングの翌日に(ベースライン測定として)、および60℃加速エージングの10日後に、撮像した。結果の画像は、該チューブのショルダー幅に合わせた。
【0089】
[0089]
さらなるテストにおいて、膨らみの結果としてのチューブの膨張量を定量するために、チューブの幅をキャリパーを用いて測定した。チューブ幅は、歯磨剤調製およびパッケージングの翌日に(ベースライン測定として)、および60℃の加速エージングの21日後に測定した。
【0090】
[0090]
表2は、画像分析およびキャリパー試験について、膨らみにおける増加を時間関数として示す。
【表2】
【0091】
[0091]
エージング10日後の比較例1には、実施例1と比較して画像のチューブ面積に大きな増加があり、さらに、エージング21日後には、キャリパーで測定されるように、実施例1と比較してより大きく膨らんだことが理解できる。キャリパー試験における、実施例1についての17%増加は、ヒトの目でチューブを見た場合に視覚的に知覚できる膨らみが実質的にないことを表したが、比較例1についての33%増加は、ヒトの目でチューブを見た場合に視覚的に知覚できる中程度の膨らみを表す。
【0092】
[0092]
これらの結果は、酸性ピロリン酸ナトリウムの添加が加速エージング試験の間の過酸化水素分解を減少させたことを示す。酸性ピロリン酸ナトリウムの添加は、過酸化水素が加速エージング試験において化学安定性を改善したことを提示した。
【0093】
[0093]
次いで、実施例1および比較例1の過酸化水素を含む歯磨剤の物理的安定性を評価した。
【0094】
[0094]
歯磨剤網様構造の物理的安定性を評価するために、実施例1および比較例1の各歯磨剤のサンプルを49℃の高温での加速エージングにかけ、次いで、相分離を評価し、0〜4の視覚的スケール(スコア0は物理的分離なしを表し、およびスコア4は程度の大きい物理的分離を表す)を用いて測定される固相/液相分離を判断した。
【0095】
[0095]
表3は、実施例1および比較例1の歯磨剤についての、高温49℃での2回の加速エージング期間である1ヶ月または2ヵ月後の相分離の結果を示す。
【表3】
【0096】
[0096]
実施例1と比較して、両方の試験期間で、歯磨剤のより大きな視覚的相分離が比較例1にあったことが理解され得る。スコア2は、許容される固相/液相分離を表したが、スコア4は許容されない固相/液相分離を表した。
【0097】
[0097]
これらの結果は、酸性ピロリン酸ナトリウムの添加が、加速エージング試験の間の過酸化水素を含む歯磨剤組成物の物理的な相安定性を高めることを示す。酸性ピロリン酸ナトリウムの添加は、過酸化水素を含む歯磨剤が、加速エージング試験における物理的安定性を改善したことを提示した。
【0098】
実施例2および実施例3および比較例2
[0098]
酸性ピロリン酸ナトリウムは、歯磨剤組成物に付加的な利益、例えば軽減された歯の表面の汚れ、特に向上した外因性の汚れ防止効能、および汚れ除去効能を提供することができる。
【0099】
[0099]
したがって、実施例1と比較して、より高含有量の酸性ピロリン酸ナトリウムを有する歯磨剤調製物は、実施例2および実施例3に従って調製され、その組成を表4にて明確に述べる。実施例2は3重量%の酸性ピロリン酸ナトリウムを含み、実施例3は5重量%の酸性ピロリン酸ナトリウムを含んだ。
【0100】
[00100]
追加の酸性ピロリン酸ナトリウム含有量は別として、実施例2および実施例3では、シックナーおよび粘度調整剤がヒュームドシリカではなく架橋ポリビニルピロリドンであったこと、また、少ない量のピロリン酸カルシウム研磨剤であったことを除き、実施例2および実施例3の歯磨剤は、実施例1の歯磨剤と類似の組成を含んだ。さらにまた、リン酸は存在しなかった。
【表4】
【0101】
[00101]
実施例2および実施例3の歯磨剤組成物を、調製後2週間の保管期間後の粘度を決定するために試験した。ブルックフィールド粘度を、スピンドルEを備えたBrookfieldモデルRVTDV−IIを用いて測定した。装置を較正して、スピンドルをペースト表面に持っていく。スピンドルは5rpmで動かし、該ペースト中へ挿入する。45秒後にBku測定を行う(Brookfield単位)。
【0102】
[00102]
この粘度評価の結果を表5(下記)に記載する。
【表5】
【0103】
[00103]
実施例2および実施例3の歯磨剤が許容される粘度を有していたこと、特に、ブルックフィールド粘度値が65Bku未満であったことが理解でき、これは、これらの組成物が容易にポンプ輸送可能であり、かつ押し出し可能であることを提示する。
【0104】
[00104]
結果的に、これらの結果は、最大5重量%の酸性ピロリン酸ナトリウム含有量が歯磨剤組成物に許容される粘度を与えたことを示す。
【0105】
[00105]
比較として、さらに高い量の酸性ピロリン酸ナトリウムを有する歯磨剤組成物を、粘度特性を決定するために試験した。
【0106】
[00106]
比較例2の組成物は表4でも示されるように、7重量%の酸性ピロリン酸ナトリウムを含んだ。
【0107】
[00107]
比較例2の歯磨剤のpHおよび粘度を実施例2および実施例3のように試験し、その結果を表5に示す。
【0108】
[00108]
比較例2の歯磨剤はまた容認できないほど高いブルックフィールド粘度100超を示し、それは、該組成物が、ブルックフィールド粘度計で組成物を試験できないほどに粘性が高かったことを意味する。
【0109】
[00109]
結果的に、これらの結果は、5重量%超の酸性ピロリン酸ナトリウム含有量が歯磨剤組成物に容認できないほど高い粘度を与えたことを示す。
【0110】
[00110]
要約すれば、実施例に記載のデータは、本発明に従って、酸性ピロリン酸ナトリウムを最大5重量%で配合した場合に、過酸化物ホワイトニング剤の化学安定性および該過酸化物ホワイトニング剤を含む歯磨剤の物理的安定性の両方に予想外の改善、更には許容される粘度を明白に示す。
【0111】
[00111]
本発明の特定の実施形態を例示して説明してきたが、当業者には、添付の請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく種々の変形および修飾をなすことができるのは明らかであろう。