(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5976953
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】ブリッジレッグ
(51)【国際特許分類】
H02M 7/5387 20070101AFI20160817BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20160817BHJP
【FI】
H02M7/5387 Z
H02M7/48 M
【請求項の数】32
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-548317(P2015-548317)
(86)(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公表番号】特表2016-504904(P2016-504904A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2013074982
(87)【国際公開番号】WO2014095297
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年7月14日
(31)【優先権主張番号】12198978.4
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515169588
【氏名又は名称】インモーション テクノロジーズ アクチボラーグ
【氏名又は名称原語表記】INMOTION TECHNOLOGIES AB
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、ウルフ ベンクト インゲマール
【審査官】
槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−324851(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0054499(US,A1)
【文献】
米国特許第05081409(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/5387
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(12)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
少なくとも一つの第一誘導性素子(51)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記ブリッジレッグ出力(2)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオフになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオフになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(12)。
【請求項2】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(12)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
少なくとも一つの第一誘導性素子(51)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記ブリッジレッグ出力(2)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになった時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになった時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(12)。
【請求項3】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(12)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
少なくとも一つの第一誘導性素子(51)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記ブリッジレッグ出力(2)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)がオンになった後で前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減する前に前記第一スイッチアセンブリ(22)はオフになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)がオンになった後で前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減する前に前記第二スイッチアセンブリ(21)がオフになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(12)。
【請求項4】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(13)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
第一誘導性素子(51)と、
少なくとの一つの第二誘導性素子(52)と、
第六スイッチアセンブリ(26)と、
第七スイッチアセンブリ(25)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記ブリッジレッグ出力(2)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第六スイッチアセンブリ(26)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第一誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第六スイッチアセンブリ(26)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第七スイッチアセンブリ(25)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間に直列に接続され、前記第二誘導性素子(52)は、前記第七スイッチアセンブリ(25)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオフになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオフになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(13)。
【請求項5】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(13)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
第一誘導性素子(51)と、
少なくとの一つの第二誘導性素子(52)と、
第六スイッチアセンブリ(26)と、
第七スイッチアセンブリ(25)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記ブリッジレッグ出力(2)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第六スイッチアセンブリ(26)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第一誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第六スイッチアセンブリ(26)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第七スイッチアセンブリ(25)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間に直列に接続され、前記第二誘導性素子(52)は、前記第七スイッチアセンブリ(25)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになった時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになった時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(13)。
【請求項6】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(13)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
第一誘導性素子(51)と、
少なくとの一つの第二誘導性素子(52)と、
第六スイッチアセンブリ(26)と、
第七スイッチアセンブリ(25)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記ブリッジレッグ出力(2)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第六スイッチアセンブリ(26)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第一誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第六スイッチアセンブリ(26)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第七スイッチアセンブリ(25)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間に直列に接続され、前記第二誘導性素子(52)は、前記第七スイッチアセンブリ(25)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力との間に接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)がオンになった後で前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減する前に前記第一スイッチアセンブリ(22)はオフになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)がオンになった後で前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減する前に前記第二スイッチアセンブリ(21)がオフになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(13)。
【請求項7】
前記第六および第七スイッチアセンブリ(26、25)はトランジスタである、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(13)。
【請求項8】
前記第六および第七スイッチアセンブリ(26、25)はダイオードである、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(13)。
【請求項9】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(14)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
第一誘導性素子(51)と、
少なくとも一つの第二誘導性素子(52)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第二誘導性素子(52)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力(2)との間に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第一誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力(2)との間で接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力(2)のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオフになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオフになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(14)。
【請求項10】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(14)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
第一誘導性素子(51)と、
少なくとも一つの第二誘導性素子(52)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第二誘導性素子(52)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力(2)との間に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第一誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力(2)との間で接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力(2)のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになった時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになった時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減すると、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(14)。
【請求項11】
各入力端子(30、31)で直流電圧をスイッチングして、その出力端子(2)で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグ(14)であって、
第一スイッチアセンブリ(22)と、
第二スイッチアセンブリ(21)と、
第三スイッチアセンブリ(24)と、
第四スイッチアセンブリ(23)と、
第一誘導性素子(51)と、
少なくとも一つの第二誘導性素子(52)と、を備え、
前記第一スイッチアセンブリ(22)および前記第二スイッチアセンブリ(21)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第二誘導性素子(52)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力(2)との間に形成され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記ブリッジレッグ入力端子(30、31)同士の間で直列に接続され、前記第一誘導性素子(51)は、前記第三スイッチアセンブリ(24)と前記第四スイッチアセンブリ(23)との相互接続点と前記ブリッジレッグ出力(2)との間で接続され、
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力(2)のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御され、
前記第一スイッチアセンブリ(22)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)がオンになった後で前記第一スイッチアセンブリ(22)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減する前に前記第一スイッチアセンブリ(22)はオフになり、前記第二スイッチアセンブリ(21)はオンになり、前記第四スイッチアセンブリ(23)はオフになり、
前記第二スイッチアセンブリ(21)が逆電流を導通していて且つオフになるべき時、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)がオンになった後で前記第二スイッチアセンブリ(21)の前記逆電流がゼロまたは順方向に低減する前に前記第二スイッチアセンブリ(21)がオフになり、前記第一スイッチアセンブリ(22)はオンになり、前記第三スイッチアセンブリ(24)はオフになる、ブリッジレッグ(14)。
【請求項12】
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)を流れる前記逆電流が、前記第一スイッチアセンブリ(22)がオフになる瞬間より先に、負荷電流と比べて低減するように、且つ、前記第二スイッチアセンブリ(21)を流れる前記逆電流が、前記第二スイッチアセンブリ(21)がオフになる瞬間より先に、負荷電流と比較して低減するように制御される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項13】
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)を流れる電流が、前記第一スイッチアセンブリ(22)がオフになる瞬間にゼロまたは順方向になるように、且つ、前記第二スイッチアセンブリ(21)を流れる電流が、前記第二スイッチアセンブリ(21)がオフになる瞬間にゼロまたは順方向になるように制御される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項14】
前記第一スイッチアセンブリ(22)を流れる電流が逆方向から順方向に変わることで、前記第一スイッチアセンブリ(22)のターンオフが始まる、請求項12または13に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項15】
前記第二スイッチアセンブリ(21)を流れる電流が逆方向から順方向に変わることで、前記第二スイッチアセンブリ(21)のターンオフが始まる、請求項12乃至14のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項16】
前記第一スイッチアセンブリ(22)に並列に結合される第一コンデンサ(72)と、
前記第二スイッチアセンブリ(21)に並列に結合される第二コンデンサと、をさらに備えた、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項17】
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)の制御の基となる前記電流が、前記ブリッジレッグ(12、13)によって測定される、請求項13に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項18】
前記第一乃至第四スイッチアセンブリ(21、22、23、24)を制御するために、ブリッジレッグ出力(2)を流れる電流を測定するよう配置される出力電流測定装置(60)をさらに備えた、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項19】
前記第一乃至第四スイッチアセンブリ(21、22、23、24)を制御するために、前記第一スイッチアセンブリ(22)と前記第二スイッチアセンブリ(21)との相互接続点と、前記ブリッジレッグ出力(2)と前記第一誘導性素子(51)との相互接続点との間を流れる電流を測定するよう配置された相互接続点電流測定装置(65)をさらに備えた、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項20】
前記第一スイッチアセンブリ(22)を流れる電流を測定するよう配置された第一スイッチアセンブリ電流測定装置(62)と、
前記第二スイッチアセンブリ(21)を流れる電流を測定するよう配置された第二スイッチアセンブリ電流測定装置(61)と、をさらに備えた、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項21】
前記第一乃至第四スイッチアセンブリ(21、22、23、24)を制御するタイミングを、ブリッジレッグ出力電流、誘導性素子の値およびブリッジレッグ電圧を考慮することで決定する、請求項1乃至20のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項22】
前記第一および第二スイッチアセンブリ(21、22)は金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFETs)である、請求項1乃至21のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項23】
前記第一および第二スイッチアセンブリ(21、22)は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBTs)である、請求項1乃至21のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項24】
前記第三および第四スイッチアセンブリ(23、24)は金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFETs)である、請求項1乃至23のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項25】
前記第三および第四スイッチアセンブリ(23、24)は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBTs)である、請求項1乃至23のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項26】
いずれのスイッチアセンブリ(21、22、23、24)も、並列に結合されたトランジスタを二つ以上備えている、請求項1乃至25のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項27】
すべてのスイッチアセンブリ(21、22、23、24)が、前記ブリッジレッグから出力すべき負荷電流を導通するよう配置された、請求項1乃至26のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項28】
前記誘導性素子(51、52)のいずれか一つが、前記ブリッジレッグの別の回路素子の漂遊インダクタンスである、請求項1乃至27のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項29】
前記誘導性素子(51、52)が、前記第三および第四スイッチアセンブリ(23、24)のターンオンより先に電流を導通しない、請求項1乃至28のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項30】
前記第三スイッチアセンブリ(24)および前記第四スイッチアセンブリ(23)は、前記第一スイッチアセンブリ(22)または前記第二スイッチアセンブリ(21)のいずれかを流れる逆電流が、前記ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比較して少なくとも50%低減するように制御される、請求項1乃至29のいずれか一項に記載のブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項31】
二つのブリッジレッグがHブリッジを形成するように構成され、前記各ブリッジレッグの出力は前記誘導負荷に供給される、請求項1乃至30のいずれか一項に記載の二つのブリッジレッグ(12、13、14)。
【請求項32】
三つのブリッジレッグが三相ブリッジレッグ(17)を形成するように構成され、前記各ブリッジレッグの前記出力(2u、2v、2w)は前記誘導負荷に供給される、請求項1乃至30のいずれか一項に記載の三つのブリッジレッグ(12u、13v、14w)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各入力端子で直流電圧をスイッチングして、その出力端子で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグに関する。
【背景技術】
【0002】
現状の高電流低電圧スイッチングのためのブリッジレッグは、モータの形体で誘導負荷に供給される電流を制御するために多数の並列の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFETs)の形体で通常実施されるスイッチを含む。近年、MOSFETsのオン抵抗はますます低減しており、モータ制御装置におけるスイッチング損失が支配的になり始める地点に到達した。このことにより、スイッチング損失がさらに低減できなければ、MOSFETオン抵抗における更なる改良のメリットは微々たるものとなった。
【0003】
スイッチング損失を低減することを困難にする一つの要因は、MOSFET固有ボディダイオードの性能である。このダイオードの性能は、MOSFETの他の多くの特性ほどは改良されていない。
【0004】
ゲート電圧が十分な時、例えば、高ジャンクション温度にて75VMOSFETで約4−5mohmといった低いオン抵抗で、MOSFETはオンになる。このオン状態において、MOSFETは順方向および逆方向の両方に電流を伝導する。ここでいう順方向とは、“望ましい”方向、すなわち、適切な制御信号をそれぞれのスイッチ制御ゲートに付与することによってスイッチで電流を制御できる方向であり、一方、逆方向とは、“望ましくない”方向、すなわち、適切な制御信号をそれぞれのスイッチ制御ゲートに付与することによってスイッチで電流を制御できない方向である。
【0005】
しかしながら、MOSFETトランジスタは、もしトランジスタがオフ状態にあった場合、MOSFET逆方向に電流を伝導する固有ボディダイオードを有する。ブリッジレッグ内を流れる電流のシュートを避けるために、各MOSFETをスイッチングするための制御信号間で不感帯時間が、典型的には約1−2μs用いられる。この間に、MOSFETのチャンネルからブリッジレッグの二つのスイッチのいずれかの固有ボディダイオードに、負荷(モータ)電流の方向に応じて電流が伝送される。不感帯時間の後、ブリッジレッグの他方のスイッチがオンになる。そして、ダイオードを再チャージしてダイオードを流れる電流を消滅させるために、負荷(モータ)電流より高い値まで逆回復電流が増加する。
【0006】
上記のように、誘導負荷のハードスイッチングは、トランジスタボディダイオードまたは別個の逆並列接続ダイオードのダイオード回復を生じさせる。このダイオード回復は、ブリッジレッグのスイッチングの回復部分中に、di/dtが制御できないシュートスルー電流を発生させ、それによってEMCエミッションが発生する。伝統的に、これらの従来のスイッチは、スイッチングレートの上限がおよそ10−25kHzであり、通電およびスイッチングに起因する損失を消散するために比較的大きなヒートシンクを要した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、現状のこの問題を解決もしくは少なくとも軽減すること、および改良されたブリッジレッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明の第一の態様において、各入力端子で直流電圧をスイッチングして、その出力端子で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグによって達成される。ブリッジレッグは第一スイッチアセンブリ、第二スイッチアセンブリ、第三スイッチアセンブリ、第四スイッチアセンブリ、および少なくとも一つの第一誘導性素子を備える。第一スイッチアセンブリおよび第二スイッチアセンブリは、ブリッジレッグ入力端子同士の間で直列に接続され、ブリッジレッグ出力端子は、第一スイッチアセンブリと第二スイッチアセンブリとの相互接続点に形成される。第三スイッチアセンブリおよび第四スイッチアセンブリは、ブリッジレッグ入力端子同士の間で直列に接続され、誘導性素子は第三スイッチアセンブリと第四スイッチアセンブリとの相互接続点とブリッジレッグ出力との間に接続される。第三スイッチアセンブリおよび第四スイッチアセンブリは、第一スイッチアセンブリまたは第二スイッチアセンブリのいずれかを流れる逆電流が、ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御される。
【0009】
この目的は、本発明の第二の態様において、各入力端子で直流電圧をスイッチングして、その出力端子で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグによって達成される。ブリッジレッグは、第一スイッチアセンブリ、第二スイッチアセンブリ、第三スイッチアセンブリ、第四スイッチアセンブリ、第一誘導性素子、第二誘導性素子、第一ダイオードおよび第二ダイオードを備える。第一スイッチアセンブリおよび第二スイッチアセンブリは、ブリッジレッグ入力端子同士の間で直列に接続され、ブリッジレッグ出力は第一スイッチアセンブリと第二スイッチアセンブリとの相互接続点に形成される。第三スイッチアセンブリおよび第一ダイオードは、ブリッジレッグ入力端子同士の間で直列に接続され、第一誘導性素子は、第三スイッチアセンブリと第一ダイオードスイッチアセンブリの陰極端子との相互接続点とブリッジレッグ出力との間に接続される。第二ダイオードおよび第四スイッチアセンブリは、ブリッジレッグ入力端子同士の間で直列に接続され、第二誘導性素子は、第二ダイオードの陽極端子と第四スイッチアセンブリとの相互接続点とブリッジレッグ出力との間で接続される。第三スイッチアセンブリおよび第四スイッチアセンブリは、第一スイッチアセンブリまたは第二スイッチアセンブリのいずれかを流れる逆電流が、ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間よりも先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御される。
【0010】
この目的は、本発明の第三の態様において、各入力端子で直流電圧をスイッチングして、その出力端子で、誘導負荷に供給するための交流電圧を生成するブリッジレッグによって達成される。ブリッジレッグは、第一スイッチアセンブリ、第二スイッチアセンブリ、第三スイッチアセンブリ、第四スイッチアセンブリ、第一誘導性素子および少なくとも一つの第二誘導性素子を備える。第一スイッチアセンブリおよび第二スイッチアセンブリはブリッジレッグ入力端子同士の間に接続され、第二誘導性素子は第一スイッチアセンブリと第二スイッチアセンブリとの相互接続点とブリッジレッグ出力との間に接続される。第三スイッチアセンブリおよび第四スイッチアセンブリはブリッジレッグ入力端子同士の間に直列に接続され、第一誘導性素子は、第三スイッチアセンブリと第四スイッチアセンブリとの相互接続点とブリッジレッグ出力との間に接続される。第三スイッチアセンブリおよび第四スイッチアセンブリは、第一スイッチアセンブリまたは第二スイッチアセンブリのいずれかを流れる逆電流が、ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間よりも先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御される。
【0011】
有利には、本発明の第一、第二、および第三の態様の実施形態によるブリッジレッグは、パルス幅変調(PWM)によって制御され、二つのメインスイッチ(第一および第二スイッチアセンブリ)と、二つの追加のヘルプスイッチ(第三および第四スイッチアセンブリ)と、ハードスイッチングメインスイッチのダイオード回復電流を除去する一つ以上の追加のインダクタとを備える。追加のヘルプスイッチの制御は、メインスイッチのPWM制御信号と同期させることができる。したがって、現状のブリッジレッグと比較すると、メインスイッチのダイオード逆回復を避けるために、スイッチングでの電流は、インダクタを介して追加のヘルプスイッチによって一時的に引き継がれる。インダクタに保存されるエネルギーは、直流母線にフィードバックされる。
【0012】
ダイオード回復電流は、モータ制御ユニットにおける電磁環境適合性(EMC)エミッションのメインソースの一つであり、ゆえにEMCはダイオード回復電流の消散によって低減する。スイッチング損失およびEMCエミッションが低減できるので、ヒートシンクの大きさが縮小でき、モータコントローラのレーティングが増加するか、もしくは両者の組み合わせが可能になる。例えばフォークリフトトラックのような多くのモータ制御アプリケーションにおいては、スペースは非常に限られているので、より小さなヒートシンクは大変有利になる。
【0013】
有利には、第一スイッチアセンブリまたは第二スイッチアセンブリのいずれかを流れる逆電流は、ブリッジレッグ出力のスイッチングの瞬間よりも先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて、相当に低減されるべきであり、好ましくは50%以上低減される。
【0014】
本発明の実施形態によるブリッジレッグのトポロジーにより、メインスイッチの各逆並列ダイオードを流れる逆電流の流れを防止できる。ダイオードの逆回復特性は、ブリッジレッグが実装されるモータコントローラユニットのスイッチング速度を制限するので、この電流の流れを避けることは有利である。
【0015】
本発明の一実施形態では、第三スイッチアセンブリおよび第四スイッチアセンブリ、すなわちヘルプスイッチは、メインスイッチの一つである第一スイッチを流れる逆電流が、第一スイッチがオフになる瞬間よりも先に、負荷電流と比べて低減するように、且つ、もう一方のメインスイッチである第二スイッチを流れる逆電流が、第二スイッチがオフになる瞬間に、負荷電流と比べて低減するように制御される。有利には、ヘルプスイッチは一時的にメインスイッチから電流を“引き継ぐ”。
【0016】
本発明のさらなる実施形態では、第一スイッチを流れる電流が、第一スイッチがオフになる瞬間よりも先にゼロまたは順方向になるように、且つ、第二スイッチを流れる電流が、第二スイッチがオフになる瞬間より先にゼロまたは順方向になるように、ヘルプスイッチが制御される。有利には、ヘルプスイッチはオフになるべきメインスイッチから一時的に電流を引き継ぐので、メインスイッチのトランジスタは、負電流がトランジスタを流れることなく、ゼロまたは正電流状態においてオフにすることができる。
【0017】
なお、スイッチは単一のMOSFETトランジスタまたは並列に接続されたいくつかのMOSFETトランジスタから形成することができる。さらに、スイッチはまた単一のIGBTもしくはいくつかの並列のIGBT、特に真性ダイオードを有するIGBTから作ることができる。さらに、スイッチは、単体または並列で、炭化ケイ素(SiC)もしくは窒化ガリウム(GaN)トランジスタから作ることができる。
【0018】
さらに、本発明の態様によるブリッジレッグは、スイッチング周波数の増加が可能であるので、インバータおよびパワーコンバータに適用することができる。したがって、電力出力段と交流負荷との間のフィルターインダクタンスは、縮小することができる。これは、スイッチング周波数の増加が、フィルターするのが容易であるが故に要求されるフィルターインダクタンスがより小さい、電圧出力高調波の周波数の増加につながるので、可能になる。
【0019】
ブリッジレッグは、例えば、産業用フォークリフトトラックの電気モータを制御するための三相交流制御ユニットに適用することができる。制御されるべきモータは、例えば、三相電動モータ、直流モータ、三相非同期モータ(誘導モータ)、永久モータ(PM)、またはリラクタンス型モータなどの様々なタイプであってよい。モータ用のアプリケーションの例としては、フォークリフトの牽引および油圧ポンプがある。
【0020】
本発明は、スイッチの逆方向に電流を導入する際の、メインスイッチの電流の変動率、すなわちdi/dtを制限することを可能にする。逆電流がゼロに低減するまで、または制御不能なブリッジレッグショートの恐れなく逆電流が順方向に導通するまで、メインスイッチのいずれかをオンにすることが可能になる。
【0021】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および下記の説明によって明白になる。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の属する業界における通常の知識を有する者に容易に分かるように、例示的な実施形態の開示された特徴を組み合わせて下記に説明する以外の実施形態を創成してもよい。
【0022】
ここから、本発明を、例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】誘導負荷と共に使用する従来技術のブリッジレッグの模式図。
【
図2】
図1に示す従来技術のブリッジレッグにおける出力誘導電流の上側スイッチから下側スイッチへの伝導を示した図。
【
図3】三相直流/交流コンバータを形成するように構成される
図1に示した三つのブリッジレッグを示した図。
【
図4】本発明の第一の態様によるブリッジレッグを示した図。
【
図5】電流が出力を介してブリッジレッグに流入する際、逆−順電流スイッチングを行う本発明の実施形態によるブリッジレッグの詳細な動作を示した図。
【
図6】電流が出力を介してブリッジレッグから流出する際、逆−順電流スイッチングを行う本発明のさらなる実施形態によるブリッジレッグの詳細な動作を示した図。
【
図7】電流が出力を介してブリッジレッグに流入する際、順−逆電流スイッチングを行う本発明の実施形態によるブリッジレッグの詳細な動作を示した図。
【
図8a】本発明の第二の態様によるブリッジレッグを示した図。
【
図8b】本発明の第二の態様の代替の実施形態によるブリッジレッグを示した図。
【
図9】本発明の第三の態様によるブリッジレッグを示した図。
【
図10】本発明によるブリッジレッグのさらに別の実施形態を示した図。
【
図11】
図4で先に示した、三相直流/交流コンバータを形成するよう構成された本発明のさらなる実施形態による三つのブリッジレッグを示した図。
【
図12】本発明のさらに別の実施形態による電流測定の代替の配置を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここから、例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、より充分に本発明を説明する。しかしながら、本発明は本明細書で述べる実施形態に限られると解釈されるべきではない。下記の説明を通して、適用可能な場合、同じ符号は、同じ要素、部分、事項、または特徴を示すのに用いられる。添付の特許請求の範囲で定義される第一および第二スイッチアセンブリは、明細書を通して時々メインスイッチと呼ばれ、第三および第四スイッチアセンブリは、明細書を通して時々ヘルプスイッチと呼ばれる。
【0025】
図1は、誘導負荷を用いて使用する従来技術のブリッジレッグ10の模式図である。ブリッジレッグ10は、ブリッジレッグ出力2の両側に配置される、MOSFETsの形体で実施される一対のスイッチ21、22を備える。第一スイッチ22は、第一ブリッジレッグ入力端子の正レールB+に接続されるドレイン端子と、ブリッジレッグ出力2、したがって誘導負荷(図示せず)に接続されるそのソース端子とを有する。第二スイッチ21は、ブリッジレッグ出力と誘導負荷に接続されるそのドレイン端子と、第二ブリッジレッグ入力端子の負レールB−に接続されるそのソース端子とを有し、その入力端子には電源電圧が接続される。スイッチ22と21にゲート信号を供給することにより、負荷はブリッジレッグ出力2を介して選択的にB+またはB−に接続することができる。Hブリッジを完成させるためには、さらに多くのブリッジレッグ10か、もしくは一つの三相ブリッジ(引き続き
図3に示す)につきもう二つのブリッジレッグ10が必要になる。直流母線および直流母線コンデンサを形成する端子B+および端子B−は、電圧のオーバーシュートを最小限にするために、物理的にスイッチに近いB+およびB−に接続される。さらに、B+およびB−は、端子30、31を介して、バッテリーまたは交流−直流整流器直流出力のような直流電源に接続することができる。
【0026】
先に述べたように、ブリッジレッグスイッチ21、22のMOSFETsは、固有ボディダイオードを有する。インダクタンス53および55は、配線によって引き起こされる漂遊インダクタンスを表し、各漂遊インダクタンス53、55は、各スイッチに接続される。ゲート信号は、スイッチ21、22の動作のために提供される。
【0027】
図2は、上側スイッチ22から下側スイッチ21への出力誘導電流の伝導を示す。電流の向きは、
図1に示すとおりである。モータ電流が上側スイッチ22から下側スイッチ21へ伝導する前、上側スイッチ22の電流は負である(すなわち、モータ電流はブリッジレッグ出力端子2へと流入する)。まず、上側スイッチ22がオフになると、電流はMOSFETチャンネルから上側スイッチ22のボディダイオードに流れる。典型的に1−2μsの不感帯の後、下側スイッチ21がオンになり、電流は上側スイッチ22から下側スイッチ21へと流れる。しかしながら、上側スイッチ22のボディダイオードが電流を伝導した際、残存電荷を保持するので、電荷が消散するまで伝導を止めることができない。電荷が消散する間、上側スイッチ22のボディダイオードは、B+からブリッジレッグ出力2までの短い回路を形成する。それによって大きな逆回復電流が、上側スイッチ22のボディダイオード、さらに下側スイッチ21を通って、B+からB−へ流れるが、これは電流I(L5)のオーバーシュートとして示されている。上側スイッチ22のボディダイオードが放電すると、上側スイッチ22を流れる電流I(L3)は素早くゼロまで下降する。これが起きると、上側スイッチ22の電圧U(H)は、漂遊インダクタンス53を超えて発生する追加電圧のために、オーバーシュートまで上昇する。電流と電圧の素早いトランザクションは高周波の発振を引き起こし、これはEMCの観点から問題となる。
【0028】
図3は、
図1に示したブリッジレッグを三つ(10u、10v、10w)、三相直流/交流コンバータ11を形成するよう構成したものを示す。三相のU、V、およびWは、三つのブリッジレッグ出力2u、2v、および2wを介して、例えば電気モータの形体および誘導負荷に接続され、モータに供給される信号の基礎電圧振幅および周波数が、パルス幅変調(PWM)によって制御される。マイクロコントローラおよびゲートドライバ40は、出力2u、2v、2wを制御するために、すべてのスイッチ21u、21w、22w、22u、22vへのPWMゲート信号を発生させる。直流電源は、直流電源を供給するために、ブリッジレッグ直流入力端子30、31に接続される。直流コンデンサ32は、大きな電圧オーバーシュートを避けるために、ブリッジレッグの近くに配置される。
【0029】
図4は、本発明の第一の態様によるブリッジレッグを示す。ブリッジレッグ12は、各入力端子30、31で直流電圧をスイッチングし、その出力端子2で交流電圧を生成し、モータのような誘導負荷に供給する。ブリッジレッグ12は、第一スイッチアセンブリ22と第二スイッチアセンブリ21の、二つのメインスイッチを備える。さらに、ブリッジレッグ12は、第三スイッチアセンブリ24と第四スイッチアセンブリ23の、二つのヘルプスイッチを備える。さらに、本発明のこの特定の実施形態によるブリッジレッグ12は、少なくとも一つの第一誘導性素子51を備える。これは、メインスイッチとヘルプスイッチとの間に接続されるコンダクタの周りのエアギャップ有り/無しのフェライトコアのような別個のインダクタでもよいし、もしくは、例えばケーブルのような漂遊インダクタンスの形体で実施することもできる。第三スイッチアセンブリ24および第四スイッチアセンブリ23は、第一スイッチアセンブリ22もしくは第二スイッチアセンブリ21のいずれかを流れる逆電流が、ブリッジレッグ出力2のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力と比べて低減するように制御される。
【0030】
本発明の一実施形態では、一つ以上の電流測定装置62、61が、それぞれ電流Id(H)とId(L)を測定するのに用いられる。測定値は、少なくとも電流の方向を示す。代替の電流測定装置60は、I(モータ)を測定するために出力2で実装することができる。インダクタンス53および55は、配線による漂遊インダクタンスである。
【0031】
図5は、電流が出力2を介してブリッジレッグに流入する際の、本発明の実施形態によるブリッジレッグ12の詳細な動作を示す。第一スイッチ22がオン、他のすべてのスイッチ21、23、24がオフであるとすれば、第一スイッチ22がオフ、第二スイッチ21がオンの状態になることが望ましい。すなわち逆−順電流スイッチングが実行されるべきである。
【0032】
従来技術においては、
図1乃至
図3を参照して説明するように、第一スイッチ22がオフになると、電流は第一スイッチ22のボディダイオードを流れる。数マイクロ秒後、第二スイッチ21がオンになる。電流は第一スイッチダイオードを流れるため、結果的にしばらく逆方向に伝導する。逆回復は約10分の1マイクロ秒またはそれより短い時間続き、その後に急速にオフになる。この急速なターンオフが、回路インダクタンス53、55に高い電圧を発生させ、メインスイッチ21、22の破壊につながる場合があり、また、高いEMCを発生させる。
【0033】
図示した実施形態では、代わりに動作が以下のようになる(
図5を参照)。まず、第四スイッチ23がオンになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つとインダクタ51の電流が出力電流と等しくなる。この瞬間、第一スイッチ22を流れる電流Id(H)は、電流測定装置62で測定されるように、方向を変え、正に向かう。この方向転換が検出されると、第一スイッチ22のターンオフが始まる。第一メインスイッチ22がオフになると、第二メインスイッチ21をオンにすることができる。第二メインスイッチ21がオンになると、第四スイッチ23がオフになる。インダクタ51の電流は、第三スイッチ24のボディダイオードを流れ続け、インダクタ51のエネルギーは直流母線30、31に伝導して戻る。続いて第三スイッチ24のダイオードの逆回復が起こるが、電流の大きさがインダクタンス51によって制限されているため、これは比較的小さい。ヘルプスイッチ23、24は非常に短い時間しか動作しないため、直列および並列のショットキーダイオードを、ヘルプスイッチの周りに配置することができる。
【0034】
インダクタ51に保存されたエネルギーは直流母線30、31にフィードバックされるため、インダクタの大きさは、エネルギー損失なく、かなり大きく成り得る。しかしながら、ブリッジレッグ出力2の負荷インダクタンスと比較すると、その大きさはやはり非常に小さい。
【0035】
メインスイッチ21、22およびヘルプスイッチ23、24を制御する代替の方法は、ブリッジレッグ出力電流、インダクタ値、および供給(バッテリー)電圧の知識に基づいてタイミングを計算してスイッチするマイクロプロセッサを有することである。
【0036】
図6は、電流が出力2を介してブリッジレッグから流出する際の、本発明の実施形態によるブリッジレッグ12の詳細な動作を示す。第二スイッチ21がオン、他のすべてのスイッチ22、23、24がオフであるとすれば、第二スイッチ21がオフ、第一スイッチ22がオンの状態になることが望ましい。すなわち逆−順電流スイッチングが実行されるべきである。
【0037】
従来技術においては、
図1乃至
図3を参照して説明するように、第二スイッチ21がオフになると、電流は第二スイッチ21のボディダイオードを流れる。数マイクロ秒後、第一スイッチ22がオンになる。電流は第二スイッチダイオードを流れてきているため、結果としてしばらく逆方向に伝導する。逆回復が約10分の1マイクロ秒またはそれより短い時間続き、その後急速にオフになる。やはり、この急速なターンオフが、回路インダクタンス53、55に高い電圧を発生させ、メインスイッチ21、22の破壊につながり、また、高いEMCを発生させる。
【0038】
図示した実施形態では、代わりに動作は以下のようになる(
図6を参照)。まず、第三スイッチ24がオンになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つとインダクタ51の電流が出力電流と等しくなる。この瞬間、第二スイッチ21を流れる電流Id(L)は、電流測定装置61で測定されるように、方向を変え、正に向かう。この方向転換は(例えばコンパレータによって)検出され、第二スイッチ21のターンオフを始める。第二メインスイッチ21がオフになると、第一メインスイッチ22をオンにすることができる。第一メインスイッチ22がオンになると、第三スイッチ24がオフになる。インダクタ51の電流は、第四スイッチ23のボディダイオードを流れ続け、インダクタ51のエネルギーは直流母線30、31に伝送されて戻る。続いて、第四スイッチ23のダイオードの逆回復が起こるが、これは、電流の大きさがインダクタンス51によって制限されているため、比較的小さい。ヘルプスイッチ23、24は非常に短い時間しか動作しないため、直列および並列のショットキーダイオードを、ヘルプスイッチの周りに配置することができる。
【0039】
例えばメインスイッチ21、22がIGBTパワートランジスタから成る場合、タイミングを制御する代替のシーケンスが存在するが、それを以下に説明する。
【0040】
第一スイッチ22がオン、他のすべてのスイッチ21、23、24がオフであるとすれば、第一スイッチ22がオフ、第二スイッチ21がオンの状態になることが望ましい。すなわち逆−順電流スイッチングが実行されるべきである。代わりに動作は以下のようになる(図示せず)。第一スイッチアセンブリ22が逆電流を導通すると、第一スイッチアセンブリ22はオフになり、第四スイッチ23はオンになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つとインダクタ51の電流が出力電流と等しくなる。この瞬間、第一スイッチ22を流れる電流Id(H)は、電流測定装置62で測定されるように、方向を変え、正に向かう。そして第二メインスイッチ21がオンになり、第四スイッチ23がオフになる。インダクタ51の電流は、第三スイッチ24のダイオードを流れ続け、インダクタ51のエネルギーは直流母線30、31に伝送されて戻る。続いて第三スイッチ24のダイオードの逆回復が起こるが、電流の大きさがインダクタンス51によって制限されているため、これは比較的小さい。ヘルプスイッチ23、24は非常に短い時間しか動作しないため、直列および並列のショットキーダイオードを、ヘルプスイッチの周りに配置することができる。
【0041】
電流がブリッジレッグから出力2を介して流出する場合、シーケンスは下記のようになる。第二スイッチ21がオン、他のすべてのスイッチ22、23、24がオフであるとすれば、第二スイッチ21がオフ、第一スイッチ22がオンの状態になることが望ましい。すなわち逆−順電流スイッチングが実行されるべきである。
【0042】
代わりに動作は以下のようになる(図示せず)。第二スイッチアセンブリ21が逆電流を導通すると、第二スイッチアセンブリ21はオフになり、第三スイッチ24はオンになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つとインダクタ51の電流は出力電流と等しくなる。この瞬間、第二スイッチ21を流れる電流Id(L)は、方向を変え、正に向かう。そして第一メインスイッチ22をオンにすることができる。第一メインスイッチ22がオンになると、第三スイッチ24がオフになる。インダクタ51の電流は、第四スイッチ23のダイオードを流れ続け、インダクタ51のエネルギーは直流母線30、31に伝送されて戻る。
【0043】
さらなる代替案では、シーケンスは下記のように動作され得る。第一スイッチ22がオン、他のすべてのスイッチ21、23、24がオフであるとすれば、第一スイッチ22がオフ、第二スイッチ21がオンの状態になることが望ましい。すなわち逆−順電流スイッチングが実行されるべきである。代わりに動作は以下のようになる(図示せず)。第一スイッチアセンブリ22が逆電流を導通していると、第四スイッチ23はオンになる。第一スイッチアセンブリ22は、第四スイッチアセンブリ23がオンになる時と、第一スイッチアセンブリの逆電流がゼロまで低減するかもしくはわずかに順方向になる時との間にオフになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つとインダクタ51の電流が出力電流と等しくなるか、わずかに大きくなる。そして第二メインスイッチ21がオンになり、第四スイッチ23がオフになる。インダクタ51の電流は、第三スイッチ24のダイオードを流れ続け、インダクタ51のエネルギーは直流母線30、31に送られて戻る。
【0044】
電流がブリッジレッグから出力2を介して流出する場合、シーケンスは下記のようになる。第二スイッチ21がオン、他のすべてのスイッチ22、23、24がオフであるとすれば、第二スイッチ21がオフ、第一スイッチ22がオンの状態になることが望ましい。すなわち逆−順電流スイッチングが実行されるべきである。
【0045】
代わりに動作は以下のようになる(図示せず)。第二スイッチアセンブリ21が逆電流を導通すると、第三スイッチ24はオンになる。第二スイッチアセンブリ21は、第三スイッチ24がオンになる時と、第二スイッチアセンブリの逆電流がゼロまで低減するかもしくはわずかに順方向になる時との間にオフになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つとインダクタ51の電流が出力電流と等しくなるか、わずかに大きくなる。そして第一メインスイッチ22がオンになり、第三スイッチ24がオフになる。インダクタ51の電流は、第四スイッチ23のダイオードを流れ続け、インダクタ51のエネルギーは直流母線30、31に伝送されて戻る。
【0046】
図7は、電流が出力2を介してブリッジレッグに流入する際の、本発明の実施形態によるブリッジレッグ12の詳細な動作を示す。第二スイッチ21がオン、他のすべてのスイッチ22、23、24がオフであるとすれば、第二スイッチ21がオフ、第一スイッチ22がオンの状態になることが望ましい。すなわち順−逆電流スイッチングが実行されるべきである。このスイッチングには逆回復の問題がなく(先に述べた従来技術のブリッジレッグでは問題がある)、したがって、スイッチ23、24を使うことなく、成功裏に実行することができる。しかし、同じ制御シーケンスを使用してもよく、
図7にそれを示す。
【0047】
まず、第三スイッチ24がオンになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つと第二スイッチ21を流れる電流が、電流測定装置61に測定され、正であることが検知される。この状態により、第二スイッチ21のターンオフが起こる。第二スイッチ21がオフになると、電流は第一スイッチ22逆並列ダイオードに伝導し始め、第一スイッチ22は、通常の不感帯時間の後、オンにされ得る。第一スイッチ22がオンになると、第四スイッチ24がオフになる。
図7からわかるように、第一スイッチ22の逆方向の電圧降下によって、電流がいくらか第三スイッチ24を逆方向に流れる。しかしながら、もし第一スイッチ22の電圧降下が十分に小さいと、この電流は流れない。
【0048】
メインスイッチ21、22のダイオード回復を避けるため、電流を逆方向に導通する際のRDS(on)に応じて、MOSFET電圧降下が、ボディダイオード順方向電圧降下より小さいことが好ましく、これによってメインスイッチ21、22におけるダイオード逆回復を避けることができる。
【0049】
図8aは、本発明の第二の態様によるブリッジレッグを示す。ブリッジレッグ13は、各入力端子30、31で直流電圧をスイッチングし、その出力端子2で、モータのような誘導負荷に供給するための交流電圧を生成する。ブリッジレッグ13は、第一のスイッチアセンブリ22と第二のスイッチアセンブリ21の、二つのメインスイッチを備える。さらに、ブリッジレッグ13は、第三スイッチアセンブリ24と第四スイッチアセンブリ23の、二つのヘルプスイッチを備える。さらに、本発明のこの特定の実施形態によるブリッジレッグ13は、第一誘導性素子51と、第二誘導性素子52と、第一ダイオード26と、第二ダイオード25と、を備える。これは、メインスイッチとヘルプスイッチとの間に接続されるコンダクタの周りのエアギャップ有り/無しのフェライトコアのような、別のインダクタでも良いし、あるいはケーブルのような漂遊インダクタンスの形体で実施することもできる。第三スイッチアセンブリ24および第四スイッチアセンブリ23は、第一スイッチアセンブリ22もしくは第二スイッチアセンブリ21のいずれかを流れる逆電流が、ブリッジレッグ出力2のスイッチングの瞬間より先に、ブリッジレッグ出力電流と比べて低減するように制御される。
【0050】
さらに、第二の態様における本発明の実施形態では、一つ以上の電流測定装置62、61が、それぞれ電流Id(H)とId(L)を測定するのに用いられる。測定値は、少なくとも電流の方向を示す。代替の電流測定装置60は、I(モータ)を測定するために出力2で実装することができる。インダクタンス53および55は、配線による漂遊インダクタンスである。
【0051】
先に述べた本発明の第一の態様に則して、第二の態様において、電流が出力2を介してブリッジレッグ13に流入する際、第一スイッチ22がオン、他のすべてのスイッチ21、23、24がオフであるとすれば、第一スイッチ22がオフ、第二スイッチ21がオンの状態になることが望ましい。すなわち逆−順電流スイッチングが実行されるべきである。
【0052】
図示した実施形態では、動作が以下のようになる。まず、第四スイッチ23がオンになる。すると電流が第二誘導性素子52を流れ始め、しばらく経つと第二インダクタ52の電流が出力電流と等しくなる。この瞬間、第一スイッチ22を流れる電流Id(H)は、電流測定装置62で測定されるように、方向を変え、正に向かう。この方向転換が検出されると、第一スイッチ22のターンオフが始まる。第一メインスイッチ22がオフになると、第二メインスイッチ21をオンにすることができる。第二メインスイッチ21がオンになると、第四スイッチ23がオフになる。第二インダクタ52の電流は、第二ダイオード25を流れ続け、第二インダクタ52のエネルギーは直流母線30、31に伝送されて戻る。続いて、第二ダイオード25の逆回復が起こるが、電流の大きさが第二インダクタンス52によって制限されているため、これは比較的小さい。第二ダイオード25は、逆回復電荷が非常に小さいショットキーダイオードとすることができる。
【0053】
さらなるシナリオでは、電流が出力2を介してブリッジレッグ13から流出する際、第二スイッチ21がオン、他のすべてのスイッチ22、23、24がオフであるとされ、第二スイッチ21がオフ、第一スイッチ22がオンである状態になることが望ましい。
【0054】
図示した実施形態では、動作が以下のようになる。まず、第三スイッチ24がオンになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つとインダクタ51の電流が出力電流と等しくなる。この瞬間、第二スイッチ21を流れる電流Id(L)は、電流測定装置61で測定されるように、方向を変え、正に向かう。この方向転換が(例えばコンパレータによって)検出され、第二スイッチ21のターンオフが始まる。第二メインスイッチ21がオフになると、第一メインスイッチ22をオンにすることができる。第一メインスイッチ22がオンになると、第三スイッチ24がオフになる。第一インダクタ51の電流は、第一ダイオード26を流れ続け、第一インダクタ51のエネルギーは直流母線30、31に伝送されて戻る。続いて、第一ダイオード26の逆回復が起こるが、電流の大きさが第一インダクタンス51によって制限されているため、これは比較的小さい。
【0055】
図8bは、本発明の第二の態様によるブリッジレッグ13の代替の実施形態であり、第一および第二ダイオード25、26の代わりにトランジスタを使用する(
図8bではMOSFETSの形で実施される)。機能は、
図8aを参照して説明したものと同様である。
【0056】
図9は、本発明の第三の態様によるブリッジレッグ14を示す。
図4に示すものと比べると、このブリッジレッグ14は、第二誘導性素子52をさらに備える。第三および第四スイッチ23、24は、電流および電圧容量の点で第一および第二スイッチ21、22と同等にすることができ、相電流は第三および第四スイッチ23、24と第一および第二スイッチ21、22との間を交互に流れることができる。したがって、スイッチの組21、22および23、24は、損失を均等に分けるために、メインおよびヘルプスイッチを交替することができる。
【0057】
ここでは、本発明の実施形態によるブリッジレッグに、相互接続点とブリッジレッグ出力との間に接続される誘導性素子を有する二つのスイッチを備えたサブブリッジレッグをいくつでも含むことができるものとする。
【0058】
電流が出力2を介してブリッジレッグ14を流れるとき、動作は以下のようになる。第一スイッチ22がオン、他のすべてのスイッチ21、23、24がオフであれば、第一スイッチ22がオフ、第四スイッチ23がオンの状態になることが望ましい。すなわち逆−順電流スイッチングが実行されるべきである。
【0059】
図示した実施形態では、動作は以下のようになる。まず、第四スイッチ23がオンになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つと第一インダクタ51の電流が出力電流と等しくなる。この瞬間、第一スイッチ22を流れる電流Id(H)は、電流測定装置62で測定されるように、方向を変え、正に向かう。この方向転換が検出されると、第一スイッチ22のターンオフが始まり、伝送が完了する。
【0060】
第四スイッチ23がオン、他の全てのスイッチ21、22、24がオフである場合、以下の動作が遂行される。電流はやはりブリッジレッグ出力2を介して負荷から流入するものとする。第四スイッチ23がオフ、第三スイッチ24がオンの状態に移行し、電流を第一および第二スイッチ21、22と第三および第四スイッチ23、23との間で等しく交互に変更することが望ましい。提案された実施形態では、シーケンスは以下のようになる。まず、第四スイッチ23がオフになる。すると、第一インダクタンス51は電流を導通し続け、電流は第三スイッチ24のダイオードを流れ始める。そうすると、MOSFET逆方向の電圧降下は通常の電流範囲でのダイオード順方向降下よりも小さいため、第三スイッチ24はオンになり、電流は第三スイッチ24のダイオードからMOSFETチャネルへと伝送することができる。
【0061】
第三スイッチ24がオン、他の全てのスイッチ21、22、23がオフである状態からスイッチングする場合、以下のプロセスが遂行される。電流がやはり出力2を介してモータからブリッジレッグ14に流入するとすれば、第三スイッチ24がオフ、第二スイッチ21がオンの状態に移行し、電流を一方の第一および第二スイッチ21、22と他方の第三および第四スイッチ23、24との間で等しく交互に変更することが望ましい。提案された実施形態では、動作は以下のようになる。
【0062】
まず、第二スイッチ21がオンになる。すると電流が第二誘導性素子52を流れ始め、しばらく経つと第二インダクタンス52の電流が出力電流と等しくなる。この瞬間、電流Id(H−h)は、電流測定装置64で測定されるように、方向を変え、正に向かう。この方向転換が検出されると、第三スイッチ24のターンオフが始まり、伝送が完了する。
【0063】
これは、第一および第二スイッチ21、22と第三および第四スイッチ23、24とに、相電流を等しく分ける動作を示す。ブリッジレッグ出力2から流出するモータ相電流については、対応する動作が遂行される。
【0064】
図10は、本発明によるブリッジレッグ12のさらなる実施形態を示し、コンデンサ72、71がそれぞれ第一および第二スイッチ22、21に並列に接続される。ブリッジレッグ12の制御は、並列なコンデンサ71、72が、第三および第四スイッチ23、24の制御を介して、負荷電流とともに第一インダクタ51を導通する電流によって、フル直流電圧から第一および第二スイッチ21、22電圧降下のみに移行するように遂行される。これは、コンデンサ71、72のdv/dtが制御可能に昇降することを示すので、メインスイッチ21、22のターンオフおよびターンオンはいずれも低い電圧で為される。
【0065】
以下では、電流が出力2を介してブリッジレッグ12に流入する際の、本発明の本実施形態によるブリッジレッグ12の詳細な動作を示す。第一スイッチ22がオン、他のすべてのスイッチ21、23、24がオフであるとすれば、第一スイッチ22がオフ、第二スイッチ21がオンの状態になることが望ましい。
【0066】
従来技術では、
図1乃至
図3を参照して説明するように、第一スイッチ22がオフになると、電流は第一スイッチ22のボディダイオードに流入する。数マイクロ秒後、第二スイッチ21がオンになる。電流は第一スイッチダイオードに流れてきているため、したがってしばらく逆方向に導通する。逆回復は約10分の1マイクロ秒以下続き、その後急速にオフになる。この急速なターンオフが、回路インダクタンス53、55に高い電圧を発生させ、それがメインスイッチ21、22の破壊につながる場合があり、また、高いEMCを発生させる。したがって、コンデンサ71、72は、高い電圧を抑えるために付加される。
【0067】
図示した実施形態では、代わりに動作が以下のようになる。まず、第四スイッチ23がオンになる。すると電流が第一誘導性素子51を流れ始め、しばらく経つとインダクタ51の電流が出力電流と等しくなる。この瞬間、第一スイッチ22を流れる電流Id(H)は、電流測定装置62で測定されるように、方向を変え、正に向かう。この方向転換が検出されると、第一スイッチ22のターンオフが始まる。第一メインスイッチ22がオフになると、第四スイッチ23は、第一コンデンサ72を充電し、第二コンデンサ71を放電するために必要な時間、さらにオンになる。前述の充電/放電の後、第二メインスイッチ21をオンにすることができる。第二メインスイッチ21がオンになると、第四スイッチ23がオフになる。インダクタ51の電流は、第三スイッチ24のボディダイオードを流れ続け、インダクタ51のエネルギーは直流母線30、31に伝送されて戻る。続いて、第三スイッチ24のダイオードの逆回復が起こるが、電流の大きさがインダクタンス51によって制限されているため、これは比較的小さい。ヘルプスイッチ23、24は非常に短い時間しか動作しないため、直列および並列のショットキーダイオードを、ヘルプスイッチの周りに配置することができる。
【0068】
図11は、三相直流−交流コンバータ17を形成するよう構成された、例えば
図4で先に示したような、本発明のさらなる実施形態による三つのブリッジレッグ12u、12v、12wを示す。各ブリッジレッグU、V、W出力2u、2v、2wは、通常電気モータに接続され、モータへの基本電圧振幅および周波数はパルス幅変調(PWM)によって制御される。マイクロコントローラおよびゲートドライバ(図示せず)は、全てのスイッチ21u、21v、21w、22u、22v、22w、23u、23v、23w、24u、24v、24wへのPWMゲート信号を発生させ、全ての出力2u、2v、2wを制御する。直流電源は、ブリッジレッグ直流入力端子30、31に接続され、直流電力を供給する。直流コンデンサ32は、ブリッジレッグを超える大きな電圧オーバーシュートを避けるために、ブリッジレッグ12u、12v、12wの近くに配置される。
【0069】
図12は、本発明のさらに他の実施形態による電流測定の代替の配置を示す。スイッチ21、22、23、24を制御するために、メインスイッチ21、22の共通接続点と、(一つ以上の)インダクタ51のブリッジレッグ出力2への接続点との間に配置されたコンダクタの電流センサ65によって、電流が測定される。
【0070】
本発明が、その特定の例示的な実施形態を参照して説明されたが、多くの異なる変更、修正などが、当業者には明らかである。説明した実施形態はしたがって、添付の特許請求の範囲に定める発明の範囲を限定するものではない。