(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5976976
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】スライドレール方式建込み簡易土留工法
(51)【国際特許分類】
E02D 17/08 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
E02D17/08 C
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-115774(P2016-115774)
(22)【出願日】2016年6月9日
【審査請求日】2016年6月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591267925
【氏名又は名称】日本スピードショア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073689
【弁理士】
【氏名又は名称】築山 正由
(72)【発明者】
【氏名】前田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】菊田 亮一
(72)【発明者】
【氏名】清水 一史
【審査官】
苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭55−116929(JP,A)
【文献】
特開平8−74256(JP,A)
【文献】
特開2006−70437(JP,A)
【文献】
特開平6−294127(JP,A)
【文献】
特開昭59−10624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 17/00〜 17/20
E02D 5/00〜 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後両面の部材長手方向に案内溝がそれぞれ形成されている所要長さのスライドレールを一対、その案内溝形成部と交差する方向の一側面を二本以上の伸縮自在な切梁で相互に繋いで梯子状のスライドレールユニットを形成し、この一組目のスライドレールユニットを予掘した掘削溝に建て込み、掘進方向側の案内溝にパネルを挿入し、当該パネルの掘進方向側端部に二組目のスライドレールユニットの案内溝を挿入し、二組目のスライドレールユニットの掘進方向側案内溝にパネルを挿入し、以下同一作業を繰り返して土留めを行うスライドレール方式建込み簡易土留め工法において、
地上部に、支持部材を用いて一組のパネルを起立させ、
起立させた一組のパネルの溝掘進側の端部に、予掘した掘削溝に最初に建て込むスライドレールユニットの案内溝を挿入することを特徴とするスライドレール方式建込み簡易土留工法。
【請求項2】
前後両面の部材長手方向に案内溝がそれぞれ形成されている所要長さのスライドレールを一対、その案内溝形成部と交差する方向の一側面を二本以上の伸縮自在な切梁で相互に繋いで梯子状のスライドレールユニットを形成し、この一組目のスライドレールユニットを予掘した掘削溝に建て込み、掘進方向側の案内溝にパネルを挿入し、当該パネルの掘進方向側端部に二組目のスライドレールユニットの案内溝を挿入し、二組目のスライドレールユニットの掘進方向側案内溝にパネルを挿入し、以下同一作業を繰り返して土留めを行うスライドレール方式建込み簡易土留め工法において、
地上部に、支持部材を用いて一組のパネルを起立させ、
起立させた一組のパネルの溝掘進側と逆側の端部に、スライドレールユニットの案内溝を挿入し、
次いで前記一組のパネルの溝掘進側の端部に、予掘した掘削溝に最初に建て込むスライドレールユニットの案内溝を挿入することを特徴とするスライドレール方式建込み簡易土留工法。
【請求項3】
支持部材が底板に二本の柱部材を立設したものである請求項1又は請求項2に記載のスライドレール方式建込み簡易土留工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削溝の土留め先行工法およびその装置に関するものであり、より詳しくはスライドレールと土留めパネルと呼ばれる板状の矢板を用いるスライドレール方式建込み簡易土留工法に関する。
【背景技術】
【0002】
小規模な溝掘削作業を伴う上下水道工事等においては、溝掘削作業及び溝内作業中における土砂崩壊に伴う労働災害を防ぐため、溝内での作業に先行して土留め支保工を設置するのが通常である。この土留め支保工を設置する方法として溝の掘削と板状の矢板の圧入を繰り返しながら支保工を組み立てる、スライドレール方式建込み簡易土留工法と呼ばれるものがある。
【0003】
図1乃至
図10は、このスライドレール方式建込み簡易土留工法の手順を示すものである。予め地上で、一対のスライドレール1にカッター幅に合わせた複数の切梁2を取り付け、スライドレールユニット5を組み立てる。
図1はこのスライドレールユニット5を、予掘りした掘削溝Aに、図示されないバックホウで吊り下げ、建て込んだ状態を示すものである。
【0004】
次いで、
図2及び
図3に示すように、一方のスライドレール1の案内溝1aに掘進方向にむけて、バックホウで吊り下げた下パネル3を挿入する。更に
図4及び
図5に示すように、他方のスライドレール1の案内溝1aに、バックホウで吊り下げた下パネル3を挿入する。
【0005】
次いで、一対の下部パネル3に2組目のスライドレールユニット5を建て込み、箱形にした状態を示すのが
図6である。箱形にした下部パネル3の内側を更に掘削して、下部パネル3を押し込み、次にスライドレールユニット5を交互に押し込む。この作業を繰り返して、下部パネル3を地表面付近まで沈下させた状態を示すのが
図7である。
【0006】
図8は地表面付近まで押し込んだ下部パネル3に、上部パネル4を継ぎ足した状態を示すものである。そして、下部パネル3及び上部パネル4を押し込み、次にスライドレールユニット5を交互に押し込む。この作業を繰り返して、上部パネル4を地表面付近まで沈下させた状態を示すのが
図9である。
【0007】
かようにして1組目の支保工を所定の掘削深さに設置したら、2組目の支保工の下部パネル3を、1組目の支保工の一方端スライドレール1の案内溝1aに挿入し、次に掘進方向にスライドレールユニットを建て込む。上記
図7、
図8に示した下部パネル3の内側を更に掘削して、下部パネル3及び上部パネル4を押し込み、次にスライドレールユニット5を交互に押し込む。この作業を繰り返して、所定の掘削深まで沈下させた
図9の解説に記載の作業を繰り返して2組目の土留を完了した状態を示すのが
図10である。3組目以降もこの作業を繰り返し、所定長さの建て込みを完了するものである。
【0008】
特許文献1には、スライドレール方式建込み簡易土留工法を用いた防振ブロックの埋設工法が開示されている。
【0009】
特許文献2にはスライドレールとパネルで構成される支保工ユニットを予掘り溝に吊り込み、次いでスライドレールの案内溝にパネルをはめ込むことで順次土留め支保工ユニットを掘削溝に接続設置していく工法及び装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−180054号公報
【特許文献2】特開2006−70437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のスライドレール方式建込み簡易土留工法においては、
図1に示される1組目のスライドレールユニットを予掘りした掘削溝Aに、バックホウで吊り下げ建て込む作業が重要な意味を持つ。なぜなら、最初に建て込んだスライドレールユニットにより、掘進方向が決まるからである。それゆえ所定方向に掘進するためには、最初に建て込むスライドレールユニットの垂直性と掘進方向に対する方向性の位置決めを正確に行う必要がある。
【0012】
ところが、土壁の崩壊の恐れがあることから、土留めが行われていない掘削溝内に作業者が入って作業を行うことは出来ない。それゆえ、ボックホウの操作と、地上での作業員によるスライドレールユニットの手作業による誘導で、微妙な位置決めを行うことになる。しかし、かかる作業は難易度が高く、正確な位置決めは困難である。
【0013】
そこで本発明は、スライドレール方式建込み簡易土留工法における1組目のスライドレールユニットの位置決めを、容易且つ正確に行える工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成する本考案の構成は以下の通りである。
【0015】
(1) 請求項1に記載の発明は、前後両面の部材長手方向に案内溝がそれぞれ形成されている所要長さのスライドレールを一対、その案内溝形成部と交差する方向の一側面を二本以上の伸縮自在な切梁で相互に繋いで梯子状のスライドレールユニットを形成し、この一組目のスライドレールユニットを予掘した掘削溝に建て込み、掘進方向側の案内溝にパネルを挿入し、当該パネルの掘進方向側端部に二組目のスライドレールユニットの案内溝を挿入し、二組目のスライドレールユニットの掘進方向側案内溝にパネルを挿入し、以下同一作業を繰り返して土留めを行うスライドレール方式建込み簡易土留め工法において、地上部に、支持部材を用いて一組のパネル起立させ、この一組のパネルの溝掘進側の端部に、予掘した掘削溝に最初に建て込むスライドレールユニットの案内溝を挿入する工程により構成される。
【0016】
(2) 請求項2に記載の発明は、前後両面の部材長手方向に案内溝がそれぞれ形成されている所要長さのスライドレールを一対、その案内溝形成部と交差する方向の一側面を二本以上の伸縮自在な切梁で相互に繋いで梯子状のスライドレールユニットを形成し、この一組目のスライドレールユニットを予掘した掘削溝に建て込み、掘進方向側の案内溝にパネルを挿入し、当該パネルの掘進方向側端部に二組目のスライドレールユニットの案内溝を挿入し、二組目のスライドレールユニットの掘進方向側案内溝にパネルを挿入し、以下同一作業を繰り返して土留めを行うスライドレール方式建込み簡易土留め工法において、地上部に、支持部材を用いて一組のパネル起立させる工程と、この一組のパネルの溝掘進側と逆側の端部に、スライドレールユニットの案内溝を挿入する工程と、次いで前記一組のパネルの溝掘進側の端部に、予掘した掘削溝に最初に建て込むスライドレールユニットの案内溝を挿入する工程とにより構成される。
【0017】
(3) 請求項3に記載の発明は、 請求項1又は請求項2に記載のスライドレール方式建込み簡易土留工法において、支持部材を底板に二本の柱部材を立設して構成した。
【発明の効果】
【0018】
上記のように構成される本発明が、如何に作用して課題を解決するかを図面を参照しながら概説する。
【0019】
請求項1に記載の工法においては、予掘された掘削溝にスライドレールユニットを建て込む前に、
図12に示されるように、予掘された掘削溝Aに隣接した地上部において、支持部材20を用いて起立させたパネル10により形成した一組のガイド部材を設置する。そのうえで、
図13に示すようにパネル10の掘進方向側端部に、掘削溝Aに最初に建て込むスライドレールユニット5を構成するスライドレール1の案内溝1aを挿入し、建て込む作業を行うものである。
【0020】
上記の通り、最初に建て込んだこのスライドレールユニット5の、垂直性と掘進方向に対する方向性の位置決めを正確に行う必要がある。
【0021】
そこでガイド部材を構成するパネル10の、掘進方向側端部が垂直になるよう、支持部材20で起立させるものであるが、この作業は掘削溝内ではなく地上で行うことが可能であり、バックホウによる吊下げと、作業員による手作業よる誘導で容易に行うことが可能となる。同じくパネル10を掘進方向に正確に位置決めすることも、掘削溝内ではなく地上で行うことが可能であり、容易且つ正確に行うことが可能となる。
【0022】
請求項2に記載の工法においては、予掘された掘削溝にスライドレールユニットを建て込む前に、
図16に示されるように、予掘された掘削溝Aに隣接した地上部において、支持部材20を用いて起立させたパネル10の掘進方向逆側端部に、スライドレールユニット40を構成するスライドレール30の案内溝31を挿入して形成した一組のガイド部材を設置する。そのうえで、
図17に示すようにパネル10の掘進方向側端部に、掘削溝Aに最初に建て込むスライドレールユニット5を構成するスライドレール1の案内溝1aを挿入し、建て込む作業を行うものである。
【0023】
上記の通り、最初に建て込んだこのスライドレールユニット5の、垂直性と掘進方向に対する方向性の位置決めを正確に行う必要がある。
【0024】
そこでガイド部材を構成するパネル10の、掘進方向側端部が垂直になるよう、支持部材20で起立させるものであるが、この作業は掘削溝内ではなく地上で行うことが可能であり、バックホウによる吊下げと、作業員による手作業よる誘導で容易に行うことが可能となる。同じくパネル10を掘進方向に正確に位置決めすることも、掘削溝内ではなく地上で行うことが可能であり、容易且つ正確に行うことが可能となる。
【0025】
また、起立させたパネル10の掘進方向逆側端部に、スライドレールユニット40を構成するスライドレール30の案内溝31を挿入することで、掘削溝のカッター幅に合わせて正確に一対のパネル10を設置することが可能となる。スライドレールユニット40を構成するスライドレール30の案内溝31をパネル10に挿入し嵌め込むことで、一対のパネルを安定して支持することも可能となる。
【0026】
かように、一対のパネル10とスライドレールユニット40より成るガイド部材は、掘削溝内ではなく地上で容易に組み立てることが可能であり、パネル10の正確な位置決めで、掘削溝Aに最初に建て込むスライドレールユニット5の正確な位置決めが可能となることから、本発明によればスライドレール方式建込み簡易土留工法における1組目のスライドレールユニット5の位置決めを、容易且つ正確に行える工法を提供することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図2】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図3】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図4】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図5】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図6】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図7】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図8】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図9】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【
図10】スライドレール方式建込み簡易土留工法の工程説明図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、好ましい発明の一実施形態につき、図面を参照しながら概説する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属
する限り種々の形態を採りうる。 また、従来例と同じ部材に関しては同一符号を用いている。
【0029】
本発明は、背景技術の項目で記載した一般的なスライドレール方式建込み簡易土留工法における、掘削溝に最初に建込むスライドレールユニットの位置決めに関するものである。
【0030】
請求項1に記載の発明においては、まず
図11に示すように、地表面に予め掘削溝のカッター幅に応じた間隔で置かれた一対の支持部材20に、一対のパネル10を図示されないバックホウ等で吊り下げ、嵌めこみ起立させる。
【0031】
このようにして形成した一対のパネル10より成るガイド部材51の近傍に掘削溝を予掘し、あるいは予掘した掘削溝の近傍に、ガイド部材51を設置した状態を示すのが
図12である。
【0032】
かかる状態から、
図13に示すようにパネル10の掘削方向端部に、背景技術に記載の、一般的なスライドレール方式建込み簡易土留工法に用いられるスライドレールユニット5を嵌め込み、掘削溝Aに建て込むものである。具体的にはスライドレールユニット5をバックホウ等で吊り下げ、スライドレール1の案内溝1aにパネル10の端部を挿入し嵌め込むものである。
【0033】
以上の工程で、1組目のスライドレールユニット5を予掘りした掘削溝Aに建て込む作業が完了するものである。以下は背景技術において
図1乃至
図10を参照しながら概説した、一般的なスライドレール方式建込み簡易土留工法を用いて土留め作業を完了するものである。
【0034】
請求項2に記載の発明においては、まず
図11に示すように、地表面に予め掘削溝のカッター幅に応じた間隔で置かれた一対の支持部材20に、一対のパネル10を図示されないバックホウ等で吊り下げ、嵌めこみ起立させる。
【0035】
次いで
図15に示すように、スライドレール30にカッター幅に合わせた複数の切梁2を取り付けて形成した梯子状のスライドレールユニット40を、パネル10の掘進方向逆側端部に嵌め込む。より詳しくはスライドレール30の案内溝31にパネル10をはめ込むものである。
【0036】
このようにして形成したスライドレールユニット40及びパネル10より成るガイド部材50の近傍に掘削溝を予掘し、あるいは予掘した掘削溝の近傍に、ガイド部材50を設置した状態を示すのが
図16である。
【0037】
かかる状態から、
図17に示すようにパネル10の掘削方向端部に、背景技術に記載の、一般的なスライドレール方式建込み簡易土留工法に用いられるスライドレールユニット5を嵌め込み、掘削溝Aに建て込むものである。具体的にはスライドレールユニット5をバックホウ等で吊り下げ、スライドレール1の案内溝1aにパネル10の端部を挿入し嵌め込むものである。
【0038】
以上の工程で、1組目のスライドレールユニット5を予掘りした掘削溝Aに建て込む作業が完了するものである。以下は背景技術において
図1乃至
図10を参照しながら概説した、一般的なスライドレール方式建込み簡易土留工法を用いて土留め作業を完了するものである。
【0039】
図19に示されるように、スライドレールユニット40は、前後両面の部材長手方向に案内溝31がそれぞれ形成されている所要長さのスライドレール30を一対、その案内溝形成部と交差する方向の一側面を二本以上の伸縮自在な切梁2で相互に繋いで梯子状に形成されるものである。
【0040】
すなわちスライドレール30,30は、案内溝31を備えていない側面32を相対向させて、少なくとも二本の切梁2を上下に所要の間隔で配して連結され、梯子状に組み立てられるものである。
【0041】
ここで使用される切梁2は、ターンバックル構造にされており、両端部を前記のスライドレール30,30の側面32,32に固着されている。また、ターンバックル構造に替えてジャッキ形式の切梁でも使用可能なものである。
【0042】
また、スライドレール30の所定位置に装着用のブラケット33が設けられ、この装着用のブラケット33に切梁2の基端が嵌められて、ピンなどによって着脱可能に固定できるような構造とされる。
【0043】
スライドレール30は従来例におけるスライドレール1の長手方向高さを、短くしたものである。すなわち、構造材を組合わせてパネル10を支持可能な長さに形成され、使用時における前後方向の両面に案内溝31がそれぞれ形成されている。この実施形態ではリップ溝形鋼をウェブ表面側を重ね合わせて一体形状にされ、その内側が案内溝31となるように形成されている。したがって、案内溝31はリップ部分31a,31a間が開口部となる構造である。なお、このスライドレール30は、かかる実施形態に限定されるものではなく、他の部材を使用して所要断面強度が得られ、かつ前後位置あるいは前後どちらか一方に、後述するパネル10の端部を嵌め込み保持できる案内溝が形成されるものであればよい。
【0044】
パネル10は、一般的な土留め支保工に用いられれる土留め用パネルを利用可能であり、所要土圧に対応する強度を与えられた鋼材による複合構造を備えるものである。
【0045】
支持部材20は、
図20に示されるように底板21に、パネル10を嵌め込むための所要間隔をあけた二本の縦板22,22を垂直方向に固着したものである。むろんこれは一例であり、パネル10を嵌めこみ起立させることが可能なものであれば任意の形態のものを使用できる。例えば底板に複数本の支持棒、を垂直方向に立設したものなどでも良い。
【符号の説明】
【0046】
10・・パネル
20・・支持部材
30・・スライドレール
【要約】
【目的】スライドレール方式建込み簡易土留工法における1組目のスライドレールユニットの位置決めを、容易且つ正確に行える工法を提供すること。
【構成】スライドレールを繋いで梯子状のスライドレールユニットを形成し、このスライドレールユニットを掘削溝に建て込み、掘進方向側の案内溝にパネルを挿入し、当該パネルの掘進方向側端部に次のスライドレールユニットの案内溝を挿入し、このスライドレールユニットの掘進方向側案内溝にパネルを挿入し、以下同一作業を繰り返して土留めを行う土留め工法において、地上部に、支持部材を用いて一組のパネル起立させる工程と、この一組のパネルの溝掘進側と逆側の端部に、スライドレールユニットの案内溝を挿入する工程と、次いで前記一組のパネルの溝掘進側の端部に、予掘した掘削溝に最初に建て込むスライドレールユニットの案内溝を挿入する工程とにより構成される。
【選択図】
図18