(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のランドマークを有する撮影対象についての第一画像データにおける前記撮影対象の形状を、予め取得された第二画像データと同一の応力条件下における前記撮影対象の形状に変形する変形演算を行なう形状変形演算部であって、前記第一画像データにおけるランドマークを前記第二画像データにおいて対応するランドマークに移動させる仮想的外力を用いて形状変形演算を行なう形状変形演算部を備え、
前記第一画像データは、前記撮影対象を第一の応力条件下で撮影して取得されたデータを、第二の応力条件を想定して変形演算して得られたデータであり、
前記第二画像データは、前記撮影対象を第二の応力条件下で撮影して取得されたデータである
ことを特徴とする数値シミュレーション装置。
前記第一画像データは、前記第一の応力条件を初期状態として、前記第二の応力条件下において前記撮影対象にかかる相対的な応力を想定して変形演算して得られたデータであることを特徴とする請求項1に記載の数値シミュレーション装置。
前記形状変形演算部は、前記形状変形演算の結果を前記変位ベクトルにフィードバックして反復演算を行なうことを特徴とする請求項3に記載の数値シミュレーション装置。
前記形状変形演算部は、形状変形演算によって変形された前記第一画像データの撮影対象におけるランドマークの位置と、前記第二画像データにおけるランドマークの位置との差異がしきい値を下回った場合、前記反復演算が収束したと判定する請求項4に記載の数値シミュレーション装置。
前記形状変形演算部は、粒子法又は有限要素法による形状変形演算の支配方程式に、前記仮想的外力の算出式を加算した支配方程式を用いて形状変形演算を行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の数値シミュレーション装置。
複数のランドマークを有する撮影対象についての第一画像データにおける前記撮影対象の形状を、予め取得された第二画像データと同一の応力条件下における前記撮影対象の形状に変形する変形演算を行なう形状変形演算機能であって、前記第一画像データにおけるランドマークを前記第二画像データにおいて対応するランドマークに移動させる仮想的外力を用いて形状変形演算を行なう形状変形演算機能を実行させることを特徴とする数値シミュレーション装置のコンピュータプログラムであって、
前記第一画像データは、前記撮影対象を第一の応力条件下で撮影して取得されたデータを、第二の応力条件を想定して変形演算して得られたデータであり、
前記第二画像データは、前記撮影対象を第二の応力条件下で撮影して取得されたデータである
ことを特徴とする数値シミュレーション装置のコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について
図1〜
図8に基づいて説明する。
図1に示された数値シミュレーション装置1は、例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer)などであり、記憶部2、形状変形演算部3及び入力部4を有している。ただし、
図1では本発明の実施形態の説明に必要な機能的構成を示し、コンピュータとしての公知のハードウェア構成については特に図示しない。
【0012】
前記記憶部2は、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)や半導体メモリ(Memory)などである。前記記憶部2には、前記数値シミュレーション装置1とネットワークなどで接続された医用画像装置50で取得された医用画像データなどが記憶される。
【0013】
ちなみに、前記医用画像装置50は、例えばMRI装置、X線CT(Computed Tomography)装置、超音波診断装置などである。本例では、前記医用画像装置50は、MRI装置であるものとして説明する。
【0014】
前記形状変形演算部3は、前記医用画像装置50で撮影された医用画像における撮影対象の形状を変形する形状変形演算を行なう(形状変形演算機能)。詳細は後述する。前記形状変形演算部3は、本発明における形状変形演算部の実施の形態の一例である。また、前記形状変形演算機能は、本発明における形状変形演算機能の実施の形態の一例である。
【0015】
前記入力部4は、例えばキーボード(Keyboard)やマウス(Mouse)などである。
【0016】
さて、本例の作用について
図2のフローチャートに基づいて説明する。
図2において、先ずステップS1では、前記医用画像装置50を用いて被検体について医用画像を撮影する。ここでは、被検体の乳房を対象にしてMRI画像の撮影を行ない、ボリュームデータ(Volume Data)を取得する。
【0017】
被検体の乳房には、複数のランドマーク(Landmark)LMを配置して撮影を行なう。このランドマークLMは、例えば磁気共鳴可能な核子(nucleon)を含有する物質(磁気共鳴物質)が封入されたカプセル(Capsule)である。前記ランドマークLMは、例えば被検体の体表面に粘着テープなどで固定される。また、ランドマークLMは、被検体の乳頭であってもよい。
【0018】
MRI画像の撮影は、被検体が伏臥位になっている状態と仰臥位になっている状態の二つの姿勢で行なわれる。伏臥位の状態で撮影を行なって取得された画像データを画像データDa、仰臥位の状態で撮影を行なって取得された画像データを画像データDbとする。前記画像データDa,Dbはボリュームデータであるものとする。
【0019】
前記画像データDaに基づく画像は、本発明において第一の応力条件下で撮影して取得された画像に該当する。また、前記画像データDbに基づく画像は、本発明において第二の応力条件下で撮影して取得された画像に該当する。
【0020】
前記画像データDaに基づくMRI画像Gaを
図3に示す。また、前記画像データDbに基づくMRI画像Gbを
図4に示す。これら
図3及び
図4には、ボリュームデータにおける一断面の画像が示されている。前記MRI画像Gaにおける乳房Brは垂下した形状になっており、前記MRI画像Gbにおける乳房Brは自重によってつぶれたような形状になっている。
【0021】
伏臥位の状態での撮影にあっては、乳房の周囲に乳房撮影用コイル(Coil)を配置する。一方、仰臥位の状態での撮影にあっては、このような乳房撮影用コイルを用いない。従って、
図3及び
図4に示すように、前記MRI画像Gbよりも前記MRI画像Gaの方が分解能に優れた画像になっている。また、伏臥位の状態で撮影を行なうことにより、呼吸や心拍の影響を排除することができる。このことも、前記MRI画像Gbよりも前記MRI画像Gaの方が分解能に優れた画像になる理由である。
【0022】
前記MRI画像Ga,Gbには五つのランドマークLMが表示されている。前記MRI画像Gaに表示されたランドマークLMを、ランドマークLM1−a,LM2−a,LM3−a,LM4−a,LM5−aとする。また、前記MRI画像Gbに表示されたランドマークLMを、ランドマークLM1−b,LM2−b,LM3−b,LM4−b,LM5−bとする。前記ランドマークLM1−a及びLM1−b、前記ランドマークLM2−a及びLM2−b、前記ランドマークLM3−a及びLM3−b、前記ランドマークLM4−a及びLM4−b、前記ランドマークLM5−a及びLM5−bは、被検体において同一のランドマークであり、本発明において、対応するランドマークの一例である。ちなみに、前記ランドマークLM3−a,LM3−bは乳頭である。
【0023】
ただし、被検体におけるランドマークLMは五つだけではなく、前記MRI画像Ga,Gbの断面以外にもランドマークLMが配置されているものとする。
【0024】
次に、ステップS2では、前記画像データDa,Dbを前記数値シミュレーション装置1の記憶部2に記憶する。
【0025】
次に、ステップS3では、対応するランドマークを指定する入力を行なう。例えば、操作者は、前記入力部4によって、前記MRI画像Ga,Gbにおいて、対応するランドマークに対して同じ数字を割り当てる入力を行なう。より詳細には、
図5,6に示すように、前記ランドマークLM1−a及びLM1−bには「1」を割り当て、前記ランドマークLM2−a及びLM2−bには「2」を割り当て、前記ランドマークLM3−a及びLM3−bには「3」を割り当て、前記ランドマークLM4−a及びLM4−bには「4」を割り当て、前記ランドマークLM5−a及びLM5−bには「5」を割り当てる。
【0026】
次に、ステップS4では、前記形状変形演算部3が第一の形状変形演算を行なう。この第一の形状変形演算では、前記形状変形演算部3は、前記画像データDaを対象にして有限要素法又は粒子法を用いた数値シミュレーションを行ない、
図7に示すように、前記画像データDaにおける乳房Br−aの形状を、被検体が仰臥位の状態である場合の乳房Br−b′の形状に変形する。
【0027】
この第一の形状変形演算においては、被検体が伏臥位の状態である場合の乳房に対し、逆方向へ重力がかかったと想定して、被検体が仰臥位の状態である場合の乳房の形状に変形する。詳細に説明する。人体においては大胸筋の上に乳房が載っている状態なので、粒子法又は有限要素法を用いた乳房の形状変形演算にあっては、大胸筋を剛体とし、乳房を非圧縮超弾性体としたモデルを想定して数値シミュレーションの支配方程式Eをたてる。すなわち、剛体に設けられた非圧縮超弾性体の形状変形を、粒子法又は有限要素法を用いた数値シミュレーションによって演算する。ただし、大胸筋を弾性の高い粘弾性体としたモデルを想定してもよい。
【0028】
具体的に図を用いて説明すると、前記画像データDaにおける乳房Br−aのように、被検体が伏臥位の状態の乳房として、
図8(A)に示すように水平状態の剛体Xの下面に設けられた非圧縮超弾性体Yが重力によって垂下した状態を想定する。この伏臥位の状態は、本発明における第一の応力条件下の実施の形態の一例である。一方、被検体が仰臥位の状態の乳房として、
図8(B)に示すように水平状態の剛体Xの上面に設けられた非圧縮超弾性体Yが自重によって剛体Xに対して押し付けられている状態を想定する。この仰臥位の状態は、本発明における第二の応力条件下の実施の形態の一例である。
【0029】
そして、非圧縮超弾性体Yが、
図8(A)に示すように剛体Xの下面において垂下した状態から、
図8(B)に示すように剛体Xの上面に対して自重で押し付けられている状態に変化した場合の非圧縮超弾性体の形状変形を粒子法又は有限要素法によって演算することにより、前記画像データDaにおける乳房Br−aの形状を、被検体が仰臥位の状態である場合の乳房Br−b′の形状に変形する。
【0030】
粒子法又は有限要素法による形状変形の演算により、
図8(A)に示すように、剛体Xの下面において非圧縮超弾性体Yが垂下している状態から、
図8(B)に示すように剛体Xの上面に対して非圧縮超弾性体Yが自重で押し付けられている状態に変化した場合における応力変化に伴う非圧縮超弾性体Yの変化形状が求まる。このような粒子法又は有限要素法による変形演算の際には、
図8(A)の状態を初期状態として
図8(B)における非圧縮超弾性体にかかる相対的な応力の大きさと向きを考えて前記支配方程式Eをたてる。具体的には、
図8(B)においては、
図8(A)の状態を基準にして、鉛直下向きの方向(
図8(B)における前記剛体Xの上面に対して押し付けられる方向)の2倍の重力(体積力)Wを想定した応力F=2Wが作用しているものとする。ただし、ここでいう重力は、
図8(A)の状態を基準にして考えた場合の相対的な重力である。
【0031】
第一の形状変形演算により得られた第一変形済み画像データDb′は、前記記憶部2に記憶される。この第一変形済み画像データDb′もボリュームデータである。この第一変形済み画像データDb′は、本発明における第一画像データに該当する。
【0032】
この第一変形済み画像データDb′における前記乳房Br−b′の形状は、実際に仰臥位の状態で撮影を行なった場合の乳房Br−bの形状とは異なっている場合がある。
図7において、二点鎖線は、前記画像データDbにおける乳房Br−bを示しており、前記乳房Br−b′とは形状が異なっている。
【0033】
ちなみに、前記乳房Br−b′におけるランドマークを、ランドマークLM′(ランドマークLM1−b′〜LM5−b′)とする。
【0034】
次に、ステップS5では、前記形状変形演算部3が第二の形状変形演算を行なう。この第二の形状変形演算が本発明における形状変形演算である。この第二の形状変形演算では、前記形状変形演算部3は、前記第一変形済み画像データDb′を対象にして粒子法又は有限要素法を用いた数値シミュレーションを行なう。このような第二の形状変形演算により、
図9に示すように、前記第一変形済み画像データDb′における乳房Br−b′が、乳房Br−bbの形状に変形した画像データDbbが得られる。この乳房Br−bbは、前記画像データDbと同一の応力条件下(仰臥位)における乳房である。
【0035】
この第二の形状変形演算では、前記形状変形演算部3は、前記第一変形済み画像データDb′における前記乳房Br−b′のランドマークLM′を、前記画像データDbにおける乳房Br−bのランドマークLMに移動させる仮想的外力Fを用いて、粒子法又は有限要素法を用いた数値シミュレーションを行なう。前記画像データDbは、本発明における第二画像データに該当する。前記第一変形済み画像データDb′における前記乳房Br−b′のランドマークLM′及び前記画像データDbにおける乳房Br−bのランドマークLMは、前記ステップS3において特定された対応するランドマークである。
【0036】
前記数値シミュレーションについてより詳細に説明する。粒子法においては、解析対象を複数の粒子の集まりとして表現し、前記支配方程式Eは粒子ごとに存在する。また、有限要素法においては、解析対象を複数の要素の集まりとして表現し、前記支配方程式Eは要素ごとに存在する。前記第二の形状変形演算においては、前記ランドマークLMの位置にある粒子又は要素については、前記支配方程式E(前記ステップS4における第一の形状変形演算で用いられた支配方程式)に、前記仮想的外力Fの項を加算した支配方程式E′を用いる。ちなみに、前記ランドマークLMが位置していない粒子又は要素については、前記支配方程式Eを用いる。
【0037】
前記仮想的外力Fについて
図10に基づいて説明する。前記ランドマークLM1−b′を前記ランドマークLM1−bに移動させる仮想的外力をF1、前記ランドマークLM2−b′を前記ランドマークLM2−bに移動させる仮想的外力をF2、前記ランドマークLM3−b′を前記ランドマークLM3−bに移動させる仮想的外力をF3、前記ランドマークLM4−b′を前記ランドマークLM4−bに移動させる仮想的外力をF4、前記ランドマークLM5−b′を前記ランドマークLM5−bに移動させる仮想的外力をF5とする。
【0038】
前記仮想的外力Fは、対応するランドマークLM,LM′の座標に基づいて特定される三次元の変位ベクトルである。具体的に説明する。ここでは、前記ランドマークLM1−bの座標を(x1,y1,z1)、前記ランドマークLM2−bの座標を(x2,y2,z2)、前記ランドマークLM3−bの座標を(x3,y3,z3)、前記ランドマークLM4−bの座標を(x4,y4,z4)、前記ランドマークLM5−bの座標を(x5,y5,z5)とする。また、前記ランドマークLM1−b′の座標を(x1′,y1′,z1′)、前記ランドマークLM2−b′の座標を(x2′,y2′,z2′)、前記ランドマークLM3−b′の座標を(x3′,y3′,z3′)、前記ランドマークLM4−b′の座標を(x4′,y4′,z4′)、前記ランドマークLM5−b′の座標を(x5′,y5′,z5′)とする。前記各座標は、前記画像データDb及び前記第一変形済み画像データDb′における座標である。
【0039】
前記仮想的外力F1〜F5は、以下の(式1)〜(式5)のように定義される。
F1=k(x1′−x1,y1′−y1,z1′−z1)・・・(式1)
F2=k(x2′−x2,y2′−y2,z2′−z2)・・・(式2)
F3=k(x3′−x3,y3′−y3,z3′−z3)・・・(式3)
F4=k(x4′−x4,y4′−y4,z4′−z4)・・・(式4)
F5=k(x5′−x5,y5′−y5,z5′−z5)・・・(式5)
【0040】
kは、前記支配方程式E′の演算におけるフィードバックゲイン(Feedback Gain)である。前記形状変形演算部3は、前記ランドマークLMの位置にある粒子又は要素については、前記支配方程式E′の演算を反復して行ない、演算結果が収束した場合に第二の形状変形演算を終了する。前記フィードバックゲインkとして、演算が発散しない程度の大きい値を設定することにより、収束を早くすることができる。
【0041】
前記形状変形演算部3は、前記反復演算において、演算結果として得られたランドマークの座標を前記仮想的外力Fにフィードバックして次の演算の初期値として利用する。例えば、前記仮想的外力F1においては、x1′,y1′、z1′として、直前の演算結果で得られたランドマークの座標を用いる。そして、前記形状変形演算部3は、演算結果として得られたランドマークと、前記画像データDbにおいて対応するランドマークLMとの位置の差異が所定の閾値Thを下回った場合、演算結果が収束したと判定する。前記閾値Thは、操作者によって適宜設定することができるようになっていてもよい。
【0042】
前記第二の形状変形演算によって得られた画像データDbbはボリュームデータであり、前記記憶部2に記憶される。この画像データDbbは、任意のデータ形式で出力できるようになっていてもよい。
【0043】
前記画像データDbbにおける乳房Br−bbの形状は、前記画像データDbにおける乳房Br−bの形状と前記閾値Thの範囲内になる。従って、第一の形状変形演算で得られる形状よりも、実際に仰臥位で撮影された前記乳房Br−bの形状により近い形状に変形することができる。
【0044】
また、前記画像データDbbは、呼吸や心拍の影響を排除し、なおかつ乳房撮影用コイルを用いて撮影された前記画像データDaに基づいて得られたデータである。従って、前記画像データDbbの分解能は、同じ仰臥位の状態で撮影された前記画像データDbよりも向上する。
【0045】
また、本例によれば、第二の形状変形演算の前に第一の形状変形演算を行なっているので、第二の形状変形演算の収束を速めることができる。
【0046】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。この第二実施形態の数値シミュレーション装置1は、第一実施形態と同一の構成になっており、以下本例の作用について
図11に基づいて説明する。
【0047】
図11において、ステップS1〜S3については第一実施形態と同一であり説明を省略する。前記ステップS3において対応するランドマークの指定が行われると、ステップS10では、前記形状変形演算部3が形状変形演算を行なう。具体的には、前記形状変形演算部3は、前記画像データDaを対象にして有限要素法又は粒子法を用いた数値シミュレーションを行なう。この数値シミュレーションにより、
図12に示すように、前記画像データDaにおける乳房Br−aの形状が、被検体が仰臥位の状態である場合の乳房Br−bbの形状に変形した画像データDbbが得られる。
【0048】
このステップS10における形状変形演算においては、前記ランドマークLMが位置する粒子又は要素においては、前記仮想的外力Fの項を有する前記支配方程式E′を用いる。ここでの仮想的外力Fは、
図13に示すように、前記画像データDaにおける前記乳房Br−aのランドマークLMを、前記画像データDbにおける前記乳房Br−bのランドマークに移動させる変位ベクトルである。具体的に説明すると、前記ランドマークLM1−aの座標を(x1,y1,z1)、前記ランドマークLM2−aの座標を(x2,y2,z2)、前記ランドマークLM3−aの座標を(x3,y3,z3)、前記ランドマークLM4−aの座標を(x4,y4,z4)、前記ランドマークLM5−aの座標を(x5,y5,z5)とする。また、前記ランドマークLM1−bの座標を(x1′,y1′,z1′)、前記ランドマークLM2−bの座標を(x2′,y2′,z2′)、前記ランドマークLM3−bの座標を(x3′,y3′,z3′)、前記ランドマークLM4−bの座標を(x4′,y4′,z4′)、前記ランドマークLM5−bの座標を(x5′,y5′,z5′)とする。前記各座標は、前記画像データDa,Dbにおける座標である。前記仮想的外力F1〜F5は、第一実施形態で挙げた上記(式1)〜(式5)となる。
【0049】
一方、前記ランドマークLMが位置していない粒子又は要素については、前記支配方程式Eを用いる。
【0050】
このような形状変形演算を行なって得られた画像データDbbにおける乳房Br−bbの形状も、第一実施形態と同様に、仰臥位の乳房の形状により近い形状になる。また、第一実施形態と同様に、前記画像データDbbは分解能も優れている。
【0051】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。