特許第5977076号(P5977076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977076
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】自動車に用いるリア・シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/64 20060101AFI20160817BHJP
   B60N 2/20 20060101ALI20160817BHJP
   B60N 2/32 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   B60N2/64
   B60N2/20
   B60N2/32
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-109159(P2012-109159)
(22)【出願日】2012年5月11日
(65)【公開番号】特開2013-233909(P2013-233909A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(72)【発明者】
【氏名】野嶋 紘之
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−277375(JP,A)
【文献】 特開平06−278513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/64
B60N 2/20
B60N 2/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前倒し可能なシート・バックの上部後面に突き出されてバック・フレームに取り付けられるウィンチ・バーと、
このウィンチ・バーを食み出させる長穴を有すると共に前記バック・フレームとバック・パッドとの組付け状態の上に被せられて固定されるトリム・カバーと、
横方向に所定の間隔を置いて相反方向に交互に向く多数の爪を有すると共に前記ウィンチ・バーに対応して前記バック・フレームに取り付けられるインナー・ガーニッシュと、
長さ方向に所定の間隔を置いて多数の爪引っ掛け穴を有する細長い樹脂プレートと、
前記ウィンチ・バーを食み出させる開口部を有するアウター・ガーニッシュと、
を有し、
前記トリム・カバーは、その長穴の上下の長手縁が前記細長い樹脂プレートにそれぞれ縫い付けられて成り、
該細長い樹脂プレートは、前記インナー・ガーニッシュと前記アウター・ガーニッシュに、挟み込まれると共にその爪引っ掛け穴に前記インナー・ガーニッシュの爪が引っ掛けられてプレート重ね合わせ状態になり、
前記アウター・ガーニッシュとインナー・ガーニッシュは、前記バック・フレームに固定されることにより、トリム・カバーの長穴の周縁を、前記アウター・ガーニッシュと前記インナー・ガーニッシュとで挟み込んでなる自動車に用いるリア・シート。
【請求項2】
前記細長い樹脂プレートは、それの爪引っ掛け穴を前記インナー・ガーニッシュの爪の数に合せてなる請求項1に記載の自動車に用いるリア・シート。
【請求項3】
前記アウター・ガーニッシュは、前記インナー・ガーニッシュにねじで前記バック・フレームに共締めされてなる請求項1および2の何れかに記載の自動車に用いるリア・シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車に用いるリア・シートに関し、詳細には、ウィンチで車椅子を巻き揚げ可能にするリア・ハッチ型自動車に用いるベンチ型リア・シート、左右分割型リア・シートに関し、特に、前倒し可能なシート・バックの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のウィンチで車椅子を車室内に巻き揚げ可能にするリア・ハッチ型自動車では、ウィンチ・バーがリア・シートの前倒し可能なシート・バックの上部後面に取り付けられるので、そのウィンチ・バーの周りのトリム・カバー処理は、各種レバーの取付け同様にそのトリム・カバーに穴を明けて部材を取り付ける場合、上下の部材でそのトリム・カバーの穴周縁を挟み込んで取り付けるのが一般的である。
このウィンチ・バーの場合、その穴が大きな長穴に明けられるので、そのトリム・カバーの穴周縁が弛み易くなり、着座などによってそのトリム・カバーが引っ張られ、そのトリム・カバーのその大きな長穴の周縁で長手縁がその部材による挟込み域から外れる恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007−55505公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、前倒し可能なシート・バックの上部後面に取り付けられるウィンチ・バーの周りでトリム・カバーの長穴周縁の弛みを確実に防止できて挟込み域からそのトリム・カバーのその長穴周縁の外れを未然に回避でき、そして、そのトリム・カバーのその長穴周縁の保持を確実に向上させるところの自動車に用いるリア・シートを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の自動車に用いるリア・シートは、前倒し可能なシート・バックの上部後面に突き出されてバック・フレームに取り付けられるウィンチ・バーと、
このウィンチ・バーを食み出させる長穴を有すると共に前記バック・フレームとバック・パッドとの組付け状態の上に被せられて固定されるトリム・カバーと、
横方向に所定の間隔を置いて相反方向に交互に向く多数の爪を有すると共に前記ウィンチ・バーに対応して前記バック・フレームに取り付けられるインナー・ガーニッシュと、
長さ方向に所定の間隔を置いて多数の爪引っ掛け穴を有する細長い樹脂プレートと、
前記ウィンチ・バーを食み出させる開口部を有するアウター・ガーニッシュと、
を有し、
前記トリム・カバーは、その長穴の上下の長手縁が前記細長い樹脂プレートにそれぞれ縫い付けられて成り、
該細長い樹脂プレートは、前記インナー・ガーニッシュと前記アウター・ガーニッシュに、挟み込まれると共にその爪引っ掛け穴に前記インナー・ガーニッシュの爪が引っ掛けられてプレート重ね合わせ状態になり、
前記アウター・ガーニッシュとインナー・ガーニッシュは、前記バック・フレームに固定されることにより、トリム・カバーの長穴の周縁を、前記アウター・ガーニッシュと前記インナー・ガーニッシュとで挟み込んでなる。
【発明の効果】
【0006】
この発明の自動車に用いるリア・シートでは、その細長い樹脂プレートがそのトリム・カバーのその長穴の上下の長手縁にそれぞれ縫い付けられ、そして、そのトリム・カバー
がその組付け状態のバック・フレームおよびバック・パッド上に被せられてからその多数の爪引っ掛け穴でそのインナー・ガーニッシュのその多数の爪に引っ掛けられてそのインナー・ガーニッシュに重ね合わせ状態になされ、そして、そのアウター・ガーニッシュに重ね合わせ状態になされ、そして、そのアウター・ガーニッシュがその開口部から外部にそのウィンチ・バーを食み出させてそのインナー・ガーニッシュとの間にそのトリム・カバーのその長穴の周縁を挟み込んでそのインナー・ガーニッシュと共にそのバック・フレームに固定的に取り付けられるので、前倒し可能なシート・バックの上部後面に取り付けられるそのウィンチ・バーの周りでそのトリム・カバーのその長穴周縁の弛みが確実に防止されて挟込み域からそのトリム・カバーのその長穴周縁の外れが未然に回避され、そして、そのトリム・カバーのその長穴周縁の保持の確実性が向上され、また、その上下の細長い樹脂プレートがそのインナー・ガーニッシュのその多数の爪に引っ掛けられてプレート重ね合わせ状態に止められるので、そのインナー・ガーニッシュとそのアウター・ガーニッシュとの挟込み精度がさほど高くなくともそのトリム・カバーのその長穴周縁が確実に保持可能になり、さらには、そのウィンチ・バーの下側でその長穴周りのぼろ隠しなどが省かれて構成の簡素化が十分に図られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ウィンチで車椅子を車室内に巻き揚げ可能にするリア・ハッチ型自動車に用いる分割型リア・シートに活用されるところのこの発明の自動車に用いるリア・シートの具体例で左の前倒し可能なシート・バックを示した斜視図である。
図2】その左の前倒し可能なシート・バックの上部後面を部分的に示した拡大図である。
図3図1の3−3線に沿って示した断面図である。
図4】細長い樹脂プレートを示した正面図である。
図5】インナー・ガーニッシュを示した正面図である。
図6図5の6−6線の沿って示した断面図である。
図7図5の7−7線に沿って示した断面図である。
図8】アウター・ガーニッシュを示した正面図である。
図9】そのアウター・ガーニッシュを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の自動車に用いるリア・シートは、前倒し可能なシート・バックの上部後面に突き出されてバック・フレームに取り付けられるウィンチ・バーと、
このウィンチ・バーを食み出させる長穴を有すると共に前記バック・フレームとバック・パッドとの組付け状態の上に被せられて固定されるトリム・カバーと、
横方向に所定の間隔を置いて相反方向に交互に向く多数の爪を有すると共に前記ウィンチ・バーに対応して前記バック・フレームに取り付けられるインナー・ガーニッシュと、
長さ方向に所定の間隔を置いて多数の爪引っ掛け穴を有する細長い樹脂プレートと、
前記ウィンチ・バーを食み出させる開口部を有するアウター・ガーニッシュと、
を有し、
前記トリム・カバーは、その長穴の上下の長手縁が前記細長い樹脂プレートにそれぞれ縫い付けられて成り、
該細長い樹脂プレートは、前記インナー・ガーニッシュと前記アウター・ガーニッシュに、挟み込まれると共にその爪引っ掛け穴に前記インナー・ガーニッシュの爪が引っ掛けられてプレート重ね合わせ状態になり、
前記アウター・ガーニッシュとインナー・ガーニッシュは、前記バック・フレームに固定されることにより、トリム・カバーの長穴の周縁を、前記アウター・ガーニッシュと前記インナー・ガーニッシュとで挟み込んでなる。
【0009】
また、この発明の自動車に用いるリア・シートは、その細長い樹脂プレートがそれの爪引っ掛け穴をそのインナー・ガーニッシュのその爪の数に合せて硬質樹脂で成形され、そして、そのトリム・カバーのその長穴の上下の長手縁のどちらにも縫い付け可能になって縫付け作業が簡単でコスト低減が図られる。勿論、その細長い樹脂プレートは、それの爪
引っ掛け穴をそのインナー・ガーニッシュのその多数の相反向き爪に実際に引っ掛けられる数に合わせて樹脂で成形されてもかまわない。
【0010】
さらに、この発明の自動車に用いるリア・シートは、そのアンダー・ガーニッシュがそのインナー・ガーニッシュと一緒にねじでそのバック・フレームに共締めされるのが望ましい。
【実施例1】
【0011】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車に用いるリア・シートを説明するに、図1ないし図7は、左右のウィンチ(図示せず)で車椅子を車室内に巻
き揚げて積み込み可能にするリア・ハッチ型自動車に用いる左右分割型リア・シートに活用されるところのこの発明の自動車に用いるリア・シートの具体例10を部分的に示し、そして、このリア・シート10は、そのリア・ハッチ型自動車のボディ・フロアに据え付けられる左右のシート・クッション(図示せず)、その左のシート・クッションの後でそのボディ・フロアに据え付けられてその左のシート・クッション上に前倒し可能にされる左のシート・バック11、その右のシート・クッションの後でそのボディ・フロアに据え付けられてその右のシート・クッション上に前倒し可能にされる右のシート・バック(図示せず)、そして、その左のシート・バック11および右シート・バックに対応されて取り外し可能に取り付けられる左右のヘッドレスト(図示せず)などで組み立てられ、そして、その左のシート・バック11がそれの上部後面12にウィンチ・バー30を、その右のシート・バックがそれの上部後面にウィンチ・バー(図示せず)をそれぞれ配置する構造を採り、そして、その左のシート・バック11および右のシート・バックをその左右のシート・クッション上に対応的に前倒しさせ、その左右のウィンチから巻き揚げベルト(図示せず)を引き出して車椅子(図示せず)に取り付けてその車椅子を車室内に巻き揚げて積み込む際、その左のウィンチ・バー30にはその左のウィンチのその巻き揚げベルト(図示せず)を、その右のウィンチ・バーにはその右のウィンチのその巻き揚げベルト(図示せず)をそれぞれ案内させる。
【0012】
その左右のウィンチは、左右のフロント・シート(図示せず)の後に対応されてそのボディ・フロアに据え付けられ、そして、その車椅子をその車室内に積み込む際に案内として活用される。
【0013】
このリア・シート10は、その左のシート・バック11もその右のシート・バックもメイン・スチール・パイプ・フレーム14にスチール・バック・パネル15を組み付けたバック・フレーム13にバック・パッド16を支持させ、それにトリム・カバー17、18を被せ、固定して組み立てられ、そして、レッグ型インナー・ブラケット19およびレッグ型アウター・ブラケット20でそのボディ・フロアに据え付けられる。
そのレッグ型インナー・ブラケット19は、ピン23でヒンジ結合されるフロア側固定ブラケット21およびバック側可動レッグ・ブラケット22で組み立てられ、一方、そのレッグ型アウター・ブラケット20は、リクライニング・デバイス26でヒンジ結合されるフロア側固定ブラケット24およびバック側可動レッグ・ブラケット25で組み立てられる。
【0014】
さらに具体的に述べるに、この左のシート・バック11では、そのトリム・カバー17、18が、その左の前倒し可能なシート・バック11のその上部後面12に突き出されてそのバック・フレーム13に取り付けられるそのウィンチ・バー30を食み出させる長穴27を有し、そして、そのバック・フレーム13とそのバック・パッド16との組付け状態の上に被せられて固定され、また、インナー・ガーニッシュ31が、横方向に所定の間隔を置いて相互方向に交互に向く多数の爪32、33、を有し、そして、そのウィンチ・バー30に対応してそのウィンチ・バー30の裏側でそのバック・フレーム13にねじ止め
され、さらに、細長い樹脂プレート34が、長さ方向の所定の間隔を置いて多数の爪引っ掛け穴35を有し、予め、そのトリム・カバー17、18のその長穴27の上下の長手縁28、29にそれぞれ縫い付けられ、そして、そのトリム・カバー17、18が、そのバック・フレーム13およびバック・パッド16の組付け状態の上に被せられると、その爪引っ掛け穴35でそのインナー・ガーニッシュ31のその爪32、33に引っ掛けられてプレート重ね合わせ状態になされ、そして、アウター・ガーニッシュ36が、そのウィンチ・バー30を食み出させる開口部37を有し、そして、その開口部37から外部にそのウィンチ・バー30を食み出させてそのメイン・ガーニッシュ31との間にそのトリム・カバー17、18のその長穴27の周縁を挟み込んでそのインナー・ガーニッシュ31と一緒にねじ38、38でそのバック・フレーム13に共締めされ、そして、そのバック・フレーム13に固定的に取り付けられる。
【0015】
その細長い樹脂プレート34、34は、それの爪引っ掛け穴35、35、35、35、35をそのインナー・ガーニッシュ31のその爪32、32、33、33、33の数に合わせて硬質樹脂で穴開きの短冊形プレートに成形されてそのトリム・カバー17、18のその長穴27のその上下の長手縁28、29のどちらにも縫い付け可能にされている。その結果、この細長い樹脂プレート34、34は異なった形状で成形される必要がなく縫付け作業が簡単でコスト低減が図られる。勿論、その細長い樹脂プレート34、34は、その爪引っ掛け穴35、35、35、35、35をそのインナー・ガーニッシュ31のその多数の相互向き爪32、32、33、33、33に実際に引っ掛けられる数に合わせて硬質樹脂で穴開きの短冊形プレートに成形されてもかまわない。
【0016】
そのアウター・ガーニッシュ36は、硬質樹脂成形品でその開口部37にそのウィンチ・バー30を食み出させてそのウィンチ・バー30の両端を覆うアウター・カバーになされ、そして、そのインナー・ガーニッシュ31との間にそのトリム・カバー17、18のその長穴27の周縁を挟み込んでそのインナー・ガーニッシュ31と一緒にねじ38、38でそのバック・フレーム13に共締めされる。
【0017】
このリア・シート10では、その右のシート・バックもその左のシート・バック11も同様に組み立てられる。
【0018】
したがって、このリア・シート10では、その細長い樹脂プレート34、34がそのトリム・カバー17、18のその長穴の上下の長手縁28、29にそれぞれ縫い付けられ、そして、そのトリム・カバー17、18がその組付け状態のバック・フレーム13およびバック・パッド16上に被せられてからその多数の爪引っ掛け穴35、35、35、35、35でそのインナー・ガーニッシュ31のその多数の爪32、32、33、33、33に引っ掛けられてそのインナー・ガーニッシュ31に重ね合わせ状態になされ、そして、そのアウター・ガーニッシュ36がその開口部37から外部にそのウィンチ・バー30を食み出させてそのインナー・ガーニッシュ31との間にそのトリム・カバー17、18のその長穴27の周縁を挟み込んでそのインナー・ガーニッシュ31と共にそのバック・フレーム13に固定的に取り付けられるので、その左の前倒し可能なシート・バック11の上部後面12に取り付けられるそのウィンチ・バー30の周りでそのトリム・カバー17、18のその長穴27周縁の弛みが確実に防止されて挟込み域からそのトリム・カバー17、18のその長穴周縁の外れが未然に回避され、そして、そのトリム・カバー17、18のその長穴周縁の保持の確実性が向上され、また、その上下の細長い樹脂プレート34、34がそのインナー・ガーニッシュ31のその多数の爪32、32、33、33、33に引っ掛けられてプレート重ね合わせ状態に止められるので、そのインナー・ガーニッシュ31とそのアウター・ガーニッシュ36との挟込み精度がさほど高くなくともそのトリム・カバー17、18のその長穴周縁が確実に保持可能になり、さらには、そのウィンチ・バー30の下側でその長穴周りのぼろ隠しなどが省かれて構成の簡素化が十分に図られ
る。
【0019】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
上述から理解されるように、この発明の自動車に用いるリア・シートは、トリム・カバーが、前倒し可能なシート・バックの上部後面に突き出されてバック・フレームに取り付けられるウィンチ・バーを食み出させる長穴を有し、そして、そのバック・フレームとバック・パッドとの組付け状態の上に被せられて固定され、インナー・ガーニッシュが、横方向に所定の間隔を置いて相反方向に交互に向く多数の爪を有し、そして、そのウィンチ・バーに対応してそのバック・フレームに取り付けられ、細長い樹脂プレートが、長さ方向に所定の間隔を置いて多数の爪引っ掛け穴を有し、予め、そのトリム・カバーのその長穴の上下の長手縁にそれぞれ縫い付けられ、そして、そのトリム・カバーがそのバック・フレームおよびバック・パッドの組付け状態の上に被せられると、その爪引っ掛け穴でそのインナー・ガーニッシュのその爪に引っ掛けられてプレート重ね合わせ状態になされ、そして、アウター・ガーニッシュが、そのウィンチ・バーを食み出させる開口部を有し、そして、その開口部から外部にそのウィンチ・バーを食み出させてそのインナー・ガーニッシュとの間にそのトリム・カバーのその長穴の周縁を挟み込んでそのインナー・ガーニッシュと一緒にそのバック・フレームに固定的に取り付けられるので、この発明の自動車に用いるリア・シートでは、前倒し可能なシート・バックの上部後面に取り付けられるそのウィンチ・バーの周りでそのトリム・カバーのその長穴周縁の弛みが確実に防止されて挟込み域からそのトリム・カバーのその長穴周縁の外れが未然に回避され、そして、そのトリム・カバーのその長穴周縁の保持の確実性が向上され、また、その上下の細長い樹脂プレートがそのインナー・ガーニッシュのその多数の爪に引っ掛けられてプレート重ね合わせ状態に止められるので、そのインナー・ガーニッシュとそのアウター・ガーニッシュとの挟込み精度がさほど高くなくともそのトリム・カバーのその長穴周縁が確実に保持可能になり、さらには、そのウィンチ・バーの下側でその長穴周りのぼろ隠しなどが省かれて構成の簡素化が十分に図られ、その結果、自動車、特に、ウィンチで車椅子を車室内に巻き揚げて積み込み可能にする自動車にとって非常に有用で実用的である。
【符号の説明】
【0021】
10 リア・シート/左右分割型リア・シート
11 左のシート・バック/左の前倒し可能なシート・バック
12 上部後面
13 バック・フレーム
14 メイン・スチール・パイプ・フレーム
15 スチール・バック・パネル
16 バック・パッド
17 トリム・カバー
18 トリム・カバー
19 レッグ型インナー・ブラケット
20 レッグ型アウター・ブラケット
21 フロア側固定ブラケット
22 バック側可動レッグ・ブラケット
23 ピン
24 フロア側固定ブラケット
25 バック側可動レッグ・ブラケット
26 リクライニング・デバイス
27 長穴
28 上の長手縁
29 下の長手縁
30 ウィンチ・バー
31 インナー・ガーニッシュ
32 爪
33 爪
34 細長い樹脂プレート
35 爪引っ掛け穴/爪掛け穴
36 アウター・ガーニッシュ
37 開口部
38 ねじ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9