【実施例】
【0052】
以下、本発明をより具体的に説明する実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
(発泡洗浄剤組成物の調製)
イオン交換水に、(A)成分として水酸化カリウム(純度:48%)を10.0重量%(含有量:4.8重量%)、(B)成分として2級アルカンスルホン酸ナトリウム(純度:30%)を1.3重量%(含有量:0.4重量%)、(C)成分としてミリスチルジメチルアミンオキサイド(純度:23%)を6.9重量%(含有量:1.6重量%)、(D)成分としてカプリル酸(純度:98%)を0.5重量%(含有量:0.5重量%)、及び、(E)成分として次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素:12%)を41.6重量%混合して発泡洗浄剤組成物を調製した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、並びに、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比を表1に示す。
【0054】
(有効塩素濃度の測定)
調製した発泡洗浄剤組成物の有効塩素濃度を、以下の方法により測定した。
【0055】
まず、調製した発泡洗浄剤組成物1gに、ヨウ化カリウム1gの水溶液及び氷酢酸水溶液10mLを添加して充分に混合することにより混合液を作製した。次に、0.1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液で混合液を滴定し、褐色が消えて無色になった点を終点とした。その時のチオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量に基づき、次式(2)によって有効塩素濃度を算出した。算出した有効塩素濃度を表1に示す。
有効塩素濃度[%]=チオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量[mL]×0.3546/洗浄剤組成物の重量[g] ・・・(2)
【0056】
(実施例2〜6、9及び10)
発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0057】
(実施例7)
発泡洗浄剤組成物に(E)成分が含まれず、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0058】
(実施例8)
発泡洗浄剤組成物が、さらに(F)芳香族スルホン酸塩としてメタキシレンスルホン酸ナトリウム(純度:40%)を7.5重量%(含有量:3.0重量%)配合し、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0059】
(比較例1〜3)
発泡洗浄剤組成物に(D)成分が含まれず、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例8と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0060】
(比較例4)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(B)アニオン界面活性剤として2級アルカンスルホン酸ナトリウム(純度:30%)の配合比率が0.3重量%(含有量:0.09重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0061】
(比較例5)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(A)アルカリ剤として水酸化カリウム(純度:48%)の配合比率が16.5重量%(含有量:8.0重量%)、水酸化ナトリウム(純度:48%)の配合比率が16.5重量%(含有量:8.0重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0062】
(比較例6)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(C)アルキルジメチルアミンオキサイドとしてミリスチルジメチルアミンオキサイド(純度:23%)の配合比率が1.3重量%(含有量:0.3重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0063】
(比較例7)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(D)脂肪酸として2−エチルヘキサン酸(純度:98%)の配合比率が0.05重量%(含有量:0.05重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0064】
(比較例8)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(D)脂肪酸として2−エチルヘキサン酸(純度:98%)の配合比率が4.6重量%(含有量:4.5重量%)、カプリル酸(純度:98%)の配合比率が0.5重量%(含有量:0.5重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1に示す(B)成分及び(C)成分は、以下に示す製品を用いた。
(B)成分
・2級アルカンスルホン酸ナトリウム(炭素原子数13〜17)
製品名「HOSTAPUR SAS 30」(クラリアントジャパン株式会社製)
・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
製品名「テイカパワー L124」(テイカ株式会社製)を水酸化ナトリウムで中和して用いた。
・アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(炭素原子数12)
製品名「テイカポール NE1230」(テイカ株式会社製)
(C)成分
・ミリスチルジメチルアミンオキサイド(炭素原子数14)
製品名「GENAMINOX MY」(クラリアントジャパン株式会社製)
【0067】
各実施例及び各比較例の発泡洗浄剤組成物について、下記の通り、起泡力、滞留性及び塩素安定性を評価した結果を表2に示す。
なお、実施例7の発泡洗浄剤組成物では、(E)成分を含有しないため、塩素安定性の評価は行っていない。また、比較例5及び7の発泡洗浄剤組成物では、調製した発泡洗浄剤組成物が分離するため、起泡力、滞留性及び塩素安定性の評価は行っていない。
【0068】
(起泡力の評価)
まず、発泡洗浄剤組成物を水道水で5重量%に希釈して、洗浄剤希釈液を調製した。次に、泡洗浄機(製品名「サニプランフォーマー」、株式会社ニイタカ製)を用いて、以下の発泡条件にて、垂直なステンレス表面に1m
2当たり350mLの洗浄剤希釈液を塗布した。
エアー圧力:5kg/cm
2
フォーム調製バルブ回転数:5回転
洗浄希釈液温度:25℃
【0069】
塗布した際の洗浄剤希釈液の状態を、以下の評価基準に従って判定した。
◎:厚みが均一で、きめ細かい泡が形成されている。
○:厚みのある泡が形成されているが、泡の一部が消失している。
△:厚みが薄い泡、又は、形が均一でない泡が形成され、泡の一部が消失している。
×:液状又はミスト状であり、泡が形成されない。
【0070】
(滞留性の評価)
洗浄剤希釈液の調製及び塗布は、起泡力の評価と同様にして行った。
そして、3分間放置した後の洗浄剤希釈液の状態を、以下の評価基準に従って判定した。
◎:塗布した面積の90%以上に洗浄剤希釈液が残っている。
○:塗布した面積の75%以上90%未満に洗浄剤希釈液が残っている。
△:塗布した面積の25%以上75%未満に洗浄剤希釈液が残っている。
×:塗布した面積の25%未満に洗浄剤希釈液が残っている。
【0071】
(塩素安定性の評価)
各実施例及び各比較例で調製した発泡洗浄剤組成物を密閉容器に入れ、25℃の恒温槽に入れた。そして、30日間保管した後の有効塩素濃度を測定し、次式(3)により有効塩素濃度の残存率を算出した。
残存率[%]=(30日後有効塩素濃度[%]/初期有効塩素濃度[%])×100 ・・・(3)
さらに、算出した有効塩素濃度の残存率を以下の評価基準に従って判定した。
◎:残存率が90%以上である。
○:残存率が80%以上90%未満である。
×:残存率が80%未満である。
【0072】
【表2】
【0073】
表2の実施例1〜10の結果からわかるように、(A)成分0.1〜15.0重量%と、(B)成分0.1〜5.0重量%と、(C)成分0.5〜5.0重量%と、(D)成分0.1〜4.0重量%とを含有する発泡洗浄剤組成物では、優れた起泡力及び滞留性を有する。
また、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比が(B):(C)=1:9〜7:3である実施例1〜8では、より優れた起泡力及び滞留性を有し、特に、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比が(B):(C)=2:8〜4:6である実施例1〜3、及び、6〜8では、さらに優れた起泡力及び滞留性を有する。
【0074】
また、表2の実施例1〜4、6、9及び10の結果からわかるように、(E)成分を有効塩素濃度として、組成物全体に対して0.1〜7.0%含有する発泡洗浄剤組成物では、塩素安定性を向上させることができる。
一方、(E)成分の含有量が、有効塩素濃度として、組成物全体に対して7.5%である実施例5では、塩素安定性が劣ることがわかる。また、(F)成分を含有した実施例8でも、塩素安定性が劣ることがわかる。
【0075】
表2の比較例1〜3の結果からわかるように、(D)成分を含まない発泡洗浄剤組成物では、起泡力及び/又は滞留性が劣る。また、(D)成分の含有量が4.0重量%を超える比較例8では、塩素安定性が劣ることがわかる。
【0076】
また、(B)成分の含有量が0.1重量%未満である比較例4では滞留性が劣り、(C)成分の含有量が0.5重量%未満である比較例6では起泡力が劣ることがわかる。