特許第5977086号(P5977086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977086
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】発泡洗浄剤組成物及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/04 20060101AFI20160817BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20160817BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20160817BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20160817BHJP
   C11D 3/39 20060101ALI20160817BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   C11D1/04
   C11D1/75
   C11D1/12
   C11D3/04
   C11D3/39
   B08B3/08 Z
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-125154(P2012-125154)
(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公開番号】特開2013-249383(P2013-249383A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000190736
【氏名又は名称】株式会社ニイタカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】守屋 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】赤阪 天平
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 恵太
【審査官】 吉田 邦久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−253297(JP,A)
【文献】 特開2007−177092(JP,A)
【文献】 特開昭64−070597(JP,A)
【文献】 特開昭61−123700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/04
B08B 3/08
C11D 1/12
C11D 1/75
C11D 3/04
C11D 3/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アルカリ剤を0.1〜15.0重量%と、
(B)アニオン界面活性剤を0.1〜5.0重量%と、
(C)炭素原子数が8〜18のアルキル基またはアルキレン基を有するアルキルジメチルアミンオキサイドを0.5〜5.0重量%と、
(D)炭素原子数が6〜14の脂肪酸又はその塩を0.1〜4.0重量%とを必須成分として含有し、
前記(B)として、下記一般式(1)で示される2級アルカンスルホン酸ナトリウムが含有されることを特徴とする発泡洗浄剤組成物。
【化1】
[式中、R及びR′はアルキル基を示し、R及びR′の炭素原子数の和は12〜16である。]
【請求項2】
前記(B)としての前記2級アルカンスルホン酸ナトリウムと前記(C)との重量比は、(B):(C)=1:9〜7:3である請求項に記載の発泡洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに、(E)塩素系酸化剤を有効塩素濃度として、組成物全体に対して0.1〜7.0%含有する請求項1又は2に記載の発泡洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記(D)は、少なくとも2−エチルヘキサン酸又はその塩を含む請求項1〜3のいずれかに記載の発泡洗浄剤組成物。
【請求項5】
前記(D)は、さらにオクタン酸又はその塩を含む請求項4に記載の発泡洗浄剤組成物。
【請求項6】
前記(D)の平均炭素数は8であり、少なくともオクタン酸又はその塩を含む請求項1〜3のいずれかに記載の発泡洗浄剤組成物。
【請求項7】
前記(A)は、水酸化ナトリウム、及び、水酸化カリウムからなる群から選択された少なくとも一種である請求項1〜のいずれかに記載の発泡洗浄剤組成物。
【請求項8】
(A)アルカリ剤を0.1〜15.0重量%と、(B)アニオン界面活性剤を0.1〜5.0重量%と、(C)炭素原子数が8〜18のアルキル基またはアルキレン基を有するアルキルジメチルアミンオキサイドを0.5〜5.0重量%と、(D)炭素原子数が6〜14の脂肪酸又はその塩を0.1〜4.0重量%とを必須成分として含有する発泡洗浄剤組成物を希釈して洗浄剤希釈液を調製する工程と、
前記洗浄剤希釈液を泡洗浄機を用いて洗浄対象物に吹き付ける工程と、
前記洗浄剤希釈液を吹き付けた洗浄対象物を水ですすぐ工程とを含むことを特徴とする洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡洗浄剤組成物及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品工場等では、食品加工機械、コンベヤライン、床、壁等(以下、これらを総称して食品加工設備という)に付着したタンパク質や油脂等の食品汚れを除去する方法として、発泡洗浄が用いられている。発泡洗浄とは、発泡洗浄剤組成物を希釈して泡洗浄機に投入後、エアーを混入して発泡させ、洗浄対象物に吹き付けることにより汚れを除去する方法である。発泡洗浄剤組成物を泡状に塗布することで、洗浄対象物における泡持ちが良くなり、洗浄効果の向上が期待できる。
【0003】
しかしながら、従来の発泡洗浄剤組成物を泡状に塗布しても、泡保持性(滞留性)が乏しく、洗浄対象物が垂直面である場合はすぐに垂れ落ちてしまっていた。そのため、発泡洗浄剤組成物と洗浄対象物の汚れとの接触時間を充分に確保することができず、充分な洗浄効果が得られないという課題があった。
【0004】
発泡洗浄剤組成物の泡保持性及び洗浄効果を向上させるため、例えば、特許文献1では、アルカリ剤、アニオン界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキサイド、メタキシレンスルホン酸ナトリウム(芳香族スルホン酸塩)等を含有する発泡洗浄剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−150307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発泡洗浄剤組成物では、貯蔵安定性の観点からメタキシレンスルホン酸ナトリウムを配合している。しかしながら、メタキシレンスルホン酸ナトリウムを含有する発泡洗浄剤組成物では、洗浄対象物に塗布した際の起泡力及び滞留性に改善の余地があった。
また、塩素系酸化剤を用いた場合、メタキシレンスルホン酸ナトリウムの配合量が多いと、塩素安定性が悪くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、優れた起泡力及び滞留性を有するとともに、洗浄効果の高い発泡洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の発泡洗浄剤組成物は、(A)アルカリ剤を0.1〜15.0重量%と、(B)アニオン界面活性剤を0.1〜5.0重量%と、(C)炭素原子数が8〜18のアルキル基またはアルキレン基を有するアルキルジメチルアミンオキサイドを0.5〜5.0重量%と、(D)炭素原子数が6〜14の脂肪酸又はその塩を0.1〜4.0重量%とを必須成分として含有することを特徴とする。
【0009】
本発明の発泡洗浄剤組成物は、上記(D)を0.1〜4.0重量%含有する。上記(D)を0.1〜4.0重量%含有すると、発泡洗浄剤組成物の起泡力を向上させることができるので、その結果、充分な洗浄効果を発揮することができる。
上記(D)の含有量が0.1重量%未満であると、発泡洗浄剤組成物の起泡力が充分でない場合がある。起泡力が充分でないと、洗浄対象物にはミスト状の発泡洗浄剤組成物が塗布されるため、発泡洗浄剤組成物が広範囲に渡って噴霧されない。その結果、洗浄効果が劣る場合がある。また、ミスト状の発泡洗浄剤組成物を使用者が吸い込み、人体に悪影響を与える場合がある。
上記(D)の含有量が4.0重量%を超えると、発泡洗浄剤組成物がさらに塩素系酸化剤を含有する場合に、塩素安定性が悪くなる場合がある。
【0010】
さらに、上記(D)は、アニオン界面活性剤とアルキルジメチルアミンオキサイドとを可溶化させることで、貯蔵安定性を向上させる役割を果たしていると考えられる。上記(D)は、配合量が少なくてもアニオン界面活性剤とアルキルジメチルアミンオキサイドとを可溶化させることができる。上記(D)の配合量が少ない分、単位体積当たりのアルカリ剤の配合量を多くすることができ、その結果、充分な洗浄効果を発揮することができる。
【0011】
また、本発明の発泡洗浄剤組成物は、上記(B)及び上記(C)を含有する。上記(B)及び上記(C)を含有すると、発泡洗浄剤組成物の起泡力及び滞留性を向上させることができる。その結果、充分な洗浄効果を発揮することができる。
【0012】
本発明の発泡洗浄剤組成物では、上記(B)として、下記一般式(1)で示される2級アルカンスルホン酸ナトリウムが含有されることが望ましい。
【化1】
[式中、R及びR′はアルキル基を示し、R及びR′の炭素原子数の和は12〜16である。]
上記(B)として上記2級アルカンスルホン酸ナトリウムが含有されていると、さらに滞留性を高めることができる。また、上記2級アルカンスルホン酸ナトリウムは、容易に入手することができる。
【0013】
本発明の発泡洗浄剤組成物では、上記(B)としての上記2級アルカンスルホン酸ナトリウムと上記(C)との重量比は、(B):(C)=1:9〜7:3であることが望ましい。
上記(B)と上記(C)との重量比が上記範囲内であると、発泡洗浄剤組成物の起泡力及び滞留性をさらに向上させることができる。
上記(B)と上記(C)との重量比が(B):(C)=1:9未満であると、発泡洗浄剤組成物の起泡力は充分であるものの、泡の滞留性が劣る場合がある。その結果、洗浄対象物から泡が垂れ落ちてしまい、洗浄効果が劣る場合がある。
上記(B)と上記(C)との重量比が(B):(C)=7:3を超えると、発泡洗浄剤組成物の起泡力が充分でない場合がある。起泡力が充分でないと、洗浄対象物にはミスト状の発泡洗浄剤組成物が塗布されるため、発泡洗浄剤組成物が広範囲に渡って噴霧されない。その結果、洗浄効果が劣る場合がある。また、ミスト状の発泡洗浄剤組成物を使用者が吸い込み、人体に悪影響を与える場合がある。
【0014】
本発明の発泡洗浄剤組成物は、さらに、(E)塩素系酸化剤を有効塩素濃度として、組成物全体に対して0.1〜7.0%含有することが望ましい。
上記(E)を用いた場合、特許文献1に記載の発泡洗浄剤組成物では、アニオン界面活性剤とアルキルジメチルアミンオキサイドとを可溶化させて貯蔵安定性を向上させるために、メタキシレンスルホン酸ナトリウムを多く配合させる必要があった。しかしながら、メタキシレンスルホン酸ナトリウムを多く配合した発泡洗浄剤組成物は、塩素安定性が悪いという問題があった。本発明の発泡洗浄剤組成物では、少量の脂肪酸又はその塩を配合することでアニオン界面活性剤とアルキルジメチルアミンオキサイドとを可溶化させるため、塩素安定性を向上させることができる。
【0015】
上記(E)を有効塩素濃度として、組成物全体に対して0.1〜7.0%含有すると、洗浄効果をさらに高めることができる。
上記(E)の含有量が、有効塩素濃度として、組成物全体に対して0.1%未満であると、含まれる塩素量が少なすぎて、洗浄効果が充分でない場合がある。
上記(E)の含有量が、有効塩素濃度として、組成物全体に対して7.0%を超えると、塩素安定性が悪くなる場合がある。
【0016】
本発明の発泡洗浄剤組成物では、上記(D)は、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、及び、デカン酸からなる群から選択された少なくとも一種であることが望ましい。
上記(D)が2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、及び、デカン酸からなる群から選択された少なくとも一種であると、発泡洗浄剤組成物の起泡力をさらに向上させることができる。また、上記(E)を用いた場合、上記(D)がアニオン界面活性剤とアルキルジメチルアミンオキサイドとを可溶化させ、その結果、塩素安定性をさらに向上させることができる。
【0017】
本発明の発泡洗浄剤組成物では、上記(A)は、水酸化ナトリウム、及び、水酸化カリウムからなる群から選択された少なくとも一種であることが望ましい。
上記(A)が水酸化ナトリウム、及び、水酸化カリウムからなる群から選択された少なくとも一種であると、洗浄効果をさらに高めることができる。
【0018】
本発明に記載の洗浄方法は、請求項1〜6のいずれかに記載の発泡洗浄剤組成物を希釈して洗浄剤希釈液を調製する工程と、上記洗浄剤希釈液を泡洗浄機を用いて洗浄対象物に吹き付ける工程と、上記洗浄剤希釈液を吹き付けた洗浄対象物を水ですすぐ工程とを含むことを特徴とする。
【0019】
上記工程により、食品加工設備に付着したタンパク質や油脂等の食品汚れを充分に除去することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の発泡洗浄剤組成物は、優れた起泡力及び滞留性を有するとともに、充分な洗浄効果を発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
【0022】
まず、本発明の発泡洗浄剤組成物について説明する。
本発明の発泡洗浄剤組成物は、(A)アルカリ剤を0.1〜15.0重量%と、(B)アニオン界面活性剤を0.1〜5.0重量%と、(C)炭素原子数が8〜18のアルキル基またはアルキレン基を有するアルキルジメチルアミンオキサイドを0.5〜5.0重量%と、(D)炭素原子数が6〜14の脂肪酸又はその塩を0.1〜4.0重量%とを必須成分として含有することを特徴とする。
【0023】
上記(A)としては、水酸化カリウム、又は、水酸化ナトリウム等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、水酸化カリウムであることが望ましい。
【0024】
上記(A)は、本発明の発泡洗浄剤組成物中に0.1〜15.0重量%含有され、特に、3.0〜10.0重量%含有されていることが望ましい。
上記(A)の含有量が0.1重量%未満であると、洗浄効果が劣る場合がある。また、上記(A)の含有量が15.0重量%を超えると、発泡洗浄剤組成物がさらに塩素系酸化剤を含有する場合に、塩素安定性が悪くなる場合がある。
【0025】
上記(B)としては、炭素原子数13〜17の2級アルカンスルホン酸ナトリウム、炭素原子数13〜17の2級アルカンスルホン酸カリウム、炭素原子数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素原子数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、又は、炭素原子数8〜18のアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、滞留性の点から炭素原子数13〜17の2級アルカンスルホン酸ナトリウムが含有されていることが望ましい。
【0026】
ここで、炭素原子数13〜17の2級アルカンスルホン酸ナトリウムとは、下記一般式(1)で示される2級アルカンスルホン酸ナトリウムのことをいう。以下、本明細書中の記載についても同様である。
【化1】
[式中、R及びR′はアルキル基を示し、R及びR′の炭素原子数の和は12〜16である。]
【0027】
上記(B)は、本発明の発泡洗浄剤組成物中に0.1〜5.0重量%含有され、特に、0.5〜2.0重量%含有されていることが望ましい。
上記(B)の含有量が0.1重量%未満であると、上記(B)が2級アルカンスルホン酸ナトリウムである場合に、泡の滞留性が劣る場合がある。その結果、洗浄対象物から泡が垂れ落ちてしまい、洗浄効果が劣る場合がある。また、上記(B)の含有量が5.0重量%を超えると、発泡洗浄剤組成物がさらに塩素系酸化剤を含有する場合に、塩素安定性が悪くなる場合がある。
【0028】
上記(C)は、炭素原子数が8〜18のアルキル基またはアルキレン基を有するアルキルジメチルアミンオキサイドであるが、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、炭素原子数が10〜14のアルキル基またはアルキレン基を有するアルキルジメチルアミンオキサイドであることがより望ましく、炭素原子数が14のアルキルジメチルアミンオキサイドであることがさらに望ましい。
上記(C)が、炭素原子数が14のアルキルジメチルアミンオキサイドであると、溶液の粘度が高くなり、より滞留性を向上させることができる。
【0029】
上記(C)は、本発明の発泡洗浄剤組成物中に0.5〜5.0重量%含有され、特に、1.0〜3.0重量%含有されていることが望ましい。
上記(C)の含有量が0.5重量%未満であると、発泡洗浄剤組成物の起泡力が充分でない場合がある。起泡力が充分でないと、洗浄対象物にはミスト状の発泡洗浄剤組成物が塗布されるため、発泡洗浄剤組成物が広範囲に渡って噴霧されない。その結果、洗浄効果が劣る場合がある。また、ミスト状の発泡洗浄剤組成物を使用者が吸い込み、人体に悪影響を与える場合がある。
上記(C)の含有量が5.0重量%を超えると、発泡洗浄剤組成物がさらに塩素系酸化剤を含有する場合に、塩素安定性が悪くなる場合がある。
【0030】
上記(B)として炭素原子数13〜17の2級アルカンスルホン酸ナトリウムが含有される場合、上記(B)としての炭素原子数13〜17の2級アルカンスルホン酸ナトリウムと上記(C)との重量比は、(B):(C)=1:9〜7:3であることが望ましく、(B):(C)=2:8〜4:6であることがより望ましい。
【0031】
上記(D)は、炭素原子数が6〜14の脂肪酸又はその塩であれば特に限定されないが、炭素原子数が8〜10の脂肪酸又はその塩であることが望ましく、炭素原子数が8〜10の脂肪酸であることがより望ましい。
上記(D)としては、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸(カプリル酸)、デカン酸(カプリン酸)、ヘキサン酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、ドデカン酸、又は、テトラデカン酸等又はこれらの塩が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、及び、デカン酸からなる群から選択された少なくとも一種であることが望ましく、2−エチルヘキサン酸であることがより望ましい。2−エチルヘキサン酸は、水への溶解性が高いため、容易に取り扱うことができる。
【0032】
塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。これらの中では、アルカリ金属の塩が望ましく、経済性の点からナトリウム塩がより望ましい。
【0033】
上記(D)は、本発明の発泡洗浄剤組成物中に0.1〜4.0重量%含有され、特に、0.1〜2.0重量%含有されていることが望ましい。
【0034】
本発明の発泡洗浄剤組成物は、さらに、(E)塩素系酸化剤を含有することが望ましい。
上記(E)としては、亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩、塩素酸ナトリウム等の塩素酸塩、過塩素酸ナトリウム等の過塩素酸塩、又は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等の塩素化シアヌル酸塩が挙げられる。特に、経済性及び取扱い性の点から次亜塩素酸ナトリウムであることが望ましい。
【0035】
上記(E)は、有効塩素濃度として、組成物全体に対して0.1〜7.0%含有することが望ましく、1.0〜6.0%含有することがより望ましい。有効塩素濃度を測定する方法については、後述する実施例にて詳細を説明する。
【0036】
本発明の発泡洗浄剤組成物は、さらに、(F)芳香族スルホン酸塩を含有していてもよい。
上記(F)としては、メタキシレンスルホン酸ナトリウム、メタキシレンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム及びパラトルエンスルホン酸カリウム、又は、クメンスルホン酸ナトリウム及びクメンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
【0037】
上記(F)は、本発明の発泡洗浄剤組成物中に0.5〜4.0重量%含有されていてもよい。
しかしながら、発泡洗浄剤組成物が上記(E)を含有する場合は、上記(F)を含有しないことが望ましい。上記(F)を含有すると、塩素安定性が悪くなる場合があるからである。
【0038】
本発明の発泡洗浄剤組成物は、さらに、(G)水を含有することが望ましい。
上記(G)としては、水道水、蒸留水、純水又はイオン交換水等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、不純物の少なさ及び経済性の点からイオン交換水であることが望ましい。
【0039】
上記(G)は、本発明の発泡洗浄剤組成物において発泡洗浄剤組成物を構成する各成分に由来する結晶水や水溶液の形で含まれる水と、その他の外から加えられる水との総和であり、組成物全体が100重量%となるようにバランス量が配合される。
【0040】
そして、本発明の発泡洗浄剤組成物には任意成分として、香料、染料、防腐剤、金属腐食抑制剤、可溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、高分子化合物、又は、曇点向上剤等を含有していてもよい。
【0041】
次に、本発明の発泡洗浄剤組成物の製造方法の一例について説明する。
本発明の発泡洗浄剤組成物は、(A)アルカリ剤と、(B)アニオン界面活性剤と、(C)炭素原子数が8〜18のアルキル基またはアルキレン基を有するアルキルジメチルアミンオキサイドと、(D)炭素原子数が6〜14の脂肪酸又はその塩と、必要に応じて水等の補助成分とを添加し、ミキサーを用いて攪拌することにより製造することができる。
【0042】
続いて、本発明の洗浄方法について説明する。
本発明の洗浄方法は、本発明の発泡洗浄剤組成物を希釈して洗浄剤希釈液を調製する工程と、上記洗浄剤希釈液を泡洗浄機を用いて洗浄対象物に吹き付ける工程と、上記洗浄剤希釈液を吹き付けた洗浄対象物を水ですすぐ工程とを含むことを特徴とする。
【0043】
以下、本発明の洗浄方法の一例について説明する。
まず、本発明の発泡洗浄剤組成物を水で2〜20重量%の濃度に希釈して洗浄剤希釈液を調製する。
上記洗浄剤希釈液の濃度が2重量%未満であると、洗浄性及び起泡力に乏しくなる場合がある。また、上記洗浄剤希釈液の濃度が20重量%を超えると、洗浄性が飽和となり、経済性に乏しくなるばかりでなく、すすぎ性が低下する場合がある。
【0044】
次に、上記洗浄剤希釈液を100〜300g/Lの泡比重で、洗浄対象物表面1m当たりの泡容積として300〜1500mL相当を、泡洗浄機を用いて吹き付ける。
洗浄対象物表面1m当たりの泡容積が300mL未満であると、洗浄性に乏しい場合がある。また、洗浄対象物表面1m当たりの泡容積が1500mLを超えると、経済性の点で好ましくない場合がある。
【0045】
上記洗浄剤希釈液を泡洗浄機を用いて洗浄対象物に吹き付けた後、1〜20分間放置することが望ましい。
1〜20分間放置すると、泡状に塗布された上記洗浄剤希釈液が、洗浄対象物に付着した食品汚れと密着し易くなる。
【0046】
最後に、上記洗浄剤希釈液を吹き付けた洗浄対象物を水ですすぐ。
水ですすぐ工程は、固定又は可動の噴射ノズルからすすぎ水を噴射して行われる。上記すすぎ水としては、水道水又は軟水等が挙げられるが、通常、水道水が用いられる。また、上記すすぎ水の温度は特に限定されるものではないが、すすぎ効率の点から、25〜40℃程度であることが望ましい。
【0047】
上記水ですすぐ工程の後、必要に応じて乾燥工程を行ってもよい。
上記乾燥工程は、特に限定されるものではないが、通常、10〜50℃の空気を洗浄対象物に30〜60分間当てることにより行う。
上記乾燥工程は、自然乾燥、所定温度の空気を送風乾燥してもよく、また、必要に応じて加熱乾燥するなどして行ってもよい。
【0048】
本発明に用いられる泡洗浄機としては、洗浄溶液とエアーの加圧の機能を有するものが用いられ、なかでも圧力と流量の調整機能を有するものが好ましい。
【0049】
こうした泡洗浄機としては、製品名「サニプランフォーマー」(株式会社ニイタカ製)、製品名「シュアフォームF50」(ディバーシー株式会社製)、又は、製品名「スプレーカート」(スプレーイングシステムジャパン株式会社製)等が挙げられる。特に、製品名「サニプランフォーマー」(株式会社ニイタカ製)であることが望ましい。製品名「サニプランフォーマー」は、取扱いが容易で、安定した泡を出すことができる。
【0050】
本発明の発泡洗浄剤組成物及びそれを用いた洗浄方法は、食品加工工場、飲料工場、乳業工場、又は、ビール工場等で使用される食品加工設備の発泡洗浄に好適に用いることができる。
【0051】
以上の工程により、本発明の発泡洗浄剤組成物を用いて、洗浄対象物に付着した食品汚れを除去することができる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明をより具体的に説明する実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
(発泡洗浄剤組成物の調製)
イオン交換水に、(A)成分として水酸化カリウム(純度:48%)を10.0重量%(含有量:4.8重量%)、(B)成分として2級アルカンスルホン酸ナトリウム(純度:30%)を1.3重量%(含有量:0.4重量%)、(C)成分としてミリスチルジメチルアミンオキサイド(純度:23%)を6.9重量%(含有量:1.6重量%)、(D)成分としてカプリル酸(純度:98%)を0.5重量%(含有量:0.5重量%)、及び、(E)成分として次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素:12%)を41.6重量%混合して発泡洗浄剤組成物を調製した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、並びに、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比を表1に示す。
【0054】
(有効塩素濃度の測定)
調製した発泡洗浄剤組成物の有効塩素濃度を、以下の方法により測定した。
【0055】
まず、調製した発泡洗浄剤組成物1gに、ヨウ化カリウム1gの水溶液及び氷酢酸水溶液10mLを添加して充分に混合することにより混合液を作製した。次に、0.1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液で混合液を滴定し、褐色が消えて無色になった点を終点とした。その時のチオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量に基づき、次式(2)によって有効塩素濃度を算出した。算出した有効塩素濃度を表1に示す。
有効塩素濃度[%]=チオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量[mL]×0.3546/洗浄剤組成物の重量[g] ・・・(2)
【0056】
(実施例2〜6、9及び10)
発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0057】
(実施例7)
発泡洗浄剤組成物に(E)成分が含まれず、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0058】
(実施例8)
発泡洗浄剤組成物が、さらに(F)芳香族スルホン酸塩としてメタキシレンスルホン酸ナトリウム(純度:40%)を7.5重量%(含有量:3.0重量%)配合し、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0059】
(比較例1〜3)
発泡洗浄剤組成物に(D)成分が含まれず、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例8と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0060】
(比較例4)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(B)アニオン界面活性剤として2級アルカンスルホン酸ナトリウム(純度:30%)の配合比率が0.3重量%(含有量:0.09重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0061】
(比較例5)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(A)アルカリ剤として水酸化カリウム(純度:48%)の配合比率が16.5重量%(含有量:8.0重量%)、水酸化ナトリウム(純度:48%)の配合比率が16.5重量%(含有量:8.0重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0062】
(比較例6)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(C)アルキルジメチルアミンオキサイドとしてミリスチルジメチルアミンオキサイド(純度:23%)の配合比率が1.3重量%(含有量:0.3重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0063】
(比較例7)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(D)脂肪酸として2−エチルヘキサン酸(純度:98%)の配合比率が0.05重量%(含有量:0.05重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0064】
(比較例8)
発泡洗浄剤組成物に含まれる(D)脂肪酸として2−エチルヘキサン酸(純度:98%)の配合比率が4.6重量%(含有量:4.5重量%)、カプリル酸(純度:98%)の配合比率が0.5重量%(含有量:0.5重量%)であり、また、発泡洗浄剤組成物に含まれるその他の各成分の配合比率(重量%)を表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして発泡洗浄剤組成物を調製し、有効塩素濃度を測定した。
調製した発泡洗浄剤組成物に含まれる各成分の配合比率(重量%)及び含有量(重量%)、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比、並びに、有効塩素濃度を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1に示す(B)成分及び(C)成分は、以下に示す製品を用いた。
(B)成分
・2級アルカンスルホン酸ナトリウム(炭素原子数13〜17)
製品名「HOSTAPUR SAS 30」(クラリアントジャパン株式会社製)
・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
製品名「テイカパワー L124」(テイカ株式会社製)を水酸化ナトリウムで中和して用いた。
・アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(炭素原子数12)
製品名「テイカポール NE1230」(テイカ株式会社製)
(C)成分
・ミリスチルジメチルアミンオキサイド(炭素原子数14)
製品名「GENAMINOX MY」(クラリアントジャパン株式会社製)
【0067】
各実施例及び各比較例の発泡洗浄剤組成物について、下記の通り、起泡力、滞留性及び塩素安定性を評価した結果を表2に示す。
なお、実施例7の発泡洗浄剤組成物では、(E)成分を含有しないため、塩素安定性の評価は行っていない。また、比較例5及び7の発泡洗浄剤組成物では、調製した発泡洗浄剤組成物が分離するため、起泡力、滞留性及び塩素安定性の評価は行っていない。
【0068】
(起泡力の評価)
まず、発泡洗浄剤組成物を水道水で5重量%に希釈して、洗浄剤希釈液を調製した。次に、泡洗浄機(製品名「サニプランフォーマー」、株式会社ニイタカ製)を用いて、以下の発泡条件にて、垂直なステンレス表面に1m当たり350mLの洗浄剤希釈液を塗布した。
エアー圧力:5kg/cm
フォーム調製バルブ回転数:5回転
洗浄希釈液温度:25℃
【0069】
塗布した際の洗浄剤希釈液の状態を、以下の評価基準に従って判定した。
◎:厚みが均一で、きめ細かい泡が形成されている。
○:厚みのある泡が形成されているが、泡の一部が消失している。
△:厚みが薄い泡、又は、形が均一でない泡が形成され、泡の一部が消失している。
×:液状又はミスト状であり、泡が形成されない。
【0070】
(滞留性の評価)
洗浄剤希釈液の調製及び塗布は、起泡力の評価と同様にして行った。
そして、3分間放置した後の洗浄剤希釈液の状態を、以下の評価基準に従って判定した。
◎:塗布した面積の90%以上に洗浄剤希釈液が残っている。
○:塗布した面積の75%以上90%未満に洗浄剤希釈液が残っている。
△:塗布した面積の25%以上75%未満に洗浄剤希釈液が残っている。
×:塗布した面積の25%未満に洗浄剤希釈液が残っている。
【0071】
(塩素安定性の評価)
各実施例及び各比較例で調製した発泡洗浄剤組成物を密閉容器に入れ、25℃の恒温槽に入れた。そして、30日間保管した後の有効塩素濃度を測定し、次式(3)により有効塩素濃度の残存率を算出した。
残存率[%]=(30日後有効塩素濃度[%]/初期有効塩素濃度[%])×100 ・・・(3)
さらに、算出した有効塩素濃度の残存率を以下の評価基準に従って判定した。
◎:残存率が90%以上である。
○:残存率が80%以上90%未満である。
×:残存率が80%未満である。
【0072】
【表2】
【0073】
表2の実施例1〜10の結果からわかるように、(A)成分0.1〜15.0重量%と、(B)成分0.1〜5.0重量%と、(C)成分0.5〜5.0重量%と、(D)成分0.1〜4.0重量%とを含有する発泡洗浄剤組成物では、優れた起泡力及び滞留性を有する。
また、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比が(B):(C)=1:9〜7:3である実施例1〜8では、より優れた起泡力及び滞留性を有し、特に、(B)成分としての2級アルカンスルホン酸ナトリウムと(C)成分との重量比が(B):(C)=2:8〜4:6である実施例1〜3、及び、6〜8では、さらに優れた起泡力及び滞留性を有する。
【0074】
また、表2の実施例1〜4、6、9及び10の結果からわかるように、(E)成分を有効塩素濃度として、組成物全体に対して0.1〜7.0%含有する発泡洗浄剤組成物では、塩素安定性を向上させることができる。
一方、(E)成分の含有量が、有効塩素濃度として、組成物全体に対して7.5%である実施例5では、塩素安定性が劣ることがわかる。また、(F)成分を含有した実施例8でも、塩素安定性が劣ることがわかる。
【0075】
表2の比較例1〜3の結果からわかるように、(D)成分を含まない発泡洗浄剤組成物では、起泡力及び/又は滞留性が劣る。また、(D)成分の含有量が4.0重量%を超える比較例8では、塩素安定性が劣ることがわかる。
【0076】
また、(B)成分の含有量が0.1重量%未満である比較例4では滞留性が劣り、(C)成分の含有量が0.5重量%未満である比較例6では起泡力が劣ることがわかる。