特許第5977191号(P5977191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5977191高調波抑制制御回路、高調波抑制装置および高調波抑制システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977191
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】高調波抑制制御回路、高調波抑制装置および高調波抑制システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/01 20060101AFI20160817BHJP
   H02J 3/18 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   H02J3/01
   H02J3/18 142
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-77379(P2013-77379)
(22)【出願日】2013年4月3日
(65)【公開番号】特開2014-204522(P2014-204522A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2015年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
(74)【代理人】
【識別番号】100173451
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 彪
(72)【発明者】
【氏名】青山 文夫
(72)【発明者】
【氏名】臼木 一浩
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平1−206417(JP,A)
【文献】 特開平9−56071(JP,A)
【文献】 特開平10−309039(JP,A)
【文献】 特開2006−352943(JP,A)
【文献】 特開2008−48520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/01
H02J 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自励式変換器を備えて負荷および高調波フィルタが接続された負荷系統における高調波を抑制する高調波抑制装置に実装される、前記負荷に流れる負荷電流を検出する電流変成器および前記負荷系統の電圧を検出する電圧変成器から検出信号を受ける高調波抑制制御回路であって、
前記負荷系統の電圧の検出信号から高調波成分を抽出して通過させる高域通過フィルタと、
前記高域通過フィルタから抽出されて通過した電圧に所定のゲインを乗じて第1電流指令値を演算して出力するゲイン調整部と、
前記負荷系統の電圧および前記負荷電流の検出信号に基づいて、前記負荷に流れる無効電力の変動成分を補償する第2電流指令値を演算して出力する電流指令演算部と、
前記第1電流指令値と前記第2電流指令値とを加算して補償電流指令値を求め、当該補償電流指令値に基づいて前記自励式変換器の電流を制御する変換器制御部と、
を備えることを特徴する高調波抑制制御回路。
【請求項2】
負荷および高調波フィルタが接続された負荷系統における高調波を抑制する高調波抑制装置であって、
前記負荷に流れる負荷電流を検出する電流変成器と、
前記負荷系統の電圧を検出する電圧変成器と、
前記負荷系統に接続される自励式変換器と、
検出した前記負荷系統の電圧から高調波成分を抽出して通過させる高域通過フィルタと、
前記高域通過フィルタから抽出されて通過した電圧に所定のゲインを乗じて第1電流指令値を演算して出力するゲイン調整部と、
検出した前記負荷系統の電圧および前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる無効電力の変動成分を補償する第2電流指令値を演算して出力する電流指令演算部と、
前記第1電流指令値と前記第2電流指令値とを加算して補償電流指令値を求め、当該補償電流指令値に基づいて前記自励式変換器の電流を制御する変換器制御部と、
を備えることを特徴する高調波抑制装置。
【請求項3】
負荷および高調波フィルタが接続された負荷系統に設置され、負荷に起因する高調波を抑制する自励式無効電力補償装置および前記高調波フィルタに起因する高調波を抑制する高調波抑制装置を備える高調波抑制システムであって、
前記負荷に流れる負荷電流を検出する電流変成器と、
前記負荷系統の電圧を検出する電圧変成器とをさらに備え、
前記自励式無効電力補償装置は、
前記負荷系統に接続される第1自励式変換器と、
検出された前記負荷系統の電圧および前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる無効電力の変動成分を補償する第1電流指令値を演算し、当該第1電流指令値に基づいて前記第1自励式変換器の電流を制御する制御回路と、を備え、
前記高調波抑制装置は、
前記負荷系統に接続される第2自励式変換器と、
検出された前記負荷系統の電圧から高調波成分を抽出する高域通過フィルタと、
前記高域通過フィルタから抽出された電圧に所定のゲインを乗じて第2電流指令値を演算して出力するゲイン調整部と、
前記第2電流指令値に基づいて、前記第2自励式変換器の電流を制御する変換器制御部と、を備える
ことを特徴する高調波抑制システム。
【請求項4】
負荷および高調波フィルタが接続された負荷系統に設置され、負荷に起因する無効電力の変動成分を抑制する他励式無効電力補償装置および前記高調波フィルタに起因する高調波を抑制する高調波抑制装置を備える高調波抑制システムであって、
前記負荷に流れる負荷電流を検出する電流変成器と、
前記負荷系統の電圧を検出する電圧変成器とをさらに備え、
前記他励式無効電力補償装置は、
複数の自己消孤能力を持たない電力用半導体素子を有する、前記負荷系統に接続される第1他励式変換器と、
検出された前記負荷系統の電圧および前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる無効電力の変動成分を補償する第1電流指令値を演算し、当該第1電流指令値に基づいて前記第1他励式変換器を位相制御する制御回路と、を備え、
前記高調波抑制装置は、
前記負荷系統に接続される第2自励式変換器と、
検出された前記負荷系統の電圧から高調波成分を抽出する高域通過フィルタと、
前記高域通過フィルタから抽出された電圧に所定のゲインを乗じて第2電流指令値を演算して出力するゲイン調整部と、
前記第2電流指令値に基づいて、前記第2自励式変換器の電流を制御する変換器制御部と、を備える
ことを特徴する高調波抑制システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧フリッカを抑制するための高調波抑制装置に用いられる高調波抑制制御回路、高調波抑制装置および高調波抑制システムに関する。
【背景技術】
【0002】
交流系統の負荷側において、例えば負荷系統でアーク炉、溶接機などの設備による急峻な電流変動に起因し、照明のちらつきなど視覚的に不快感を与え、交流系統に接続されている機器の誤動作などを引き起こすフリッカが発生するため、このフリッカを抑制する技術が求められている。
【0003】
なお、アクティブフィルタ及び電圧フリッカ抑制制御方法において、配電線との接続点における電圧である設置点電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段によって検出された設置点電圧から補償電流指令値を生成する制御手段と、補償電流指令値に応じて補償電流を制御する電流制御手段とを有することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−48520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術は、配電系統のフリッカを抑制する技術であり、個々の負荷系統のフリッカを抑制するには限界がある。
【0006】
図9に、従来の無効電力補償装置の構成を示すブロック図を示す。図9に示すように、例えばフリッカ抑制対象となる負荷系統24には、高調波フィルタ28を次数毎(例えば、2次、3次等)に設置して負荷系統24に流出する高調波成分を抑制し、さらに、無効電力補償装置110(SVC:Static Var Compensator)を設置して電圧フリッカを抑制していた。
【0007】
図9に示す無効電力補償装置110は、複数の自己消孤型スイッチング素子を有して、交流系統から自律的に制御可能として負荷系統24に接続される自励式変換器11と、自励式変換器11を制御する無効電力制御回路101とを備えている。さらに、無効電力制御回路101は、負荷25に流れる無効電力の変動成分を補償する電流指令値iを演算する電流指令演算部102、および、当該電流指令値iおよび検出した負荷系統24の負荷電圧VTに同期して自励式変換器11から供給する補償電流iを制御する変換器制御部103を有している。
【0008】
また、この他にも、負荷25に流れる負荷電流iを検出する電流変成器26、負荷系統24の負荷電圧VTを検出する電圧変成器27などが設置されている。なお、受電系統22は系統電源21から受電し、負荷系統24は受電変圧器23を介して、受電系統22に接続されている。
【0009】
しかし、負荷系統24において、受電変圧器23を含む系統インピーダンス20(系統インダクタンスLsとする)と高調波フィルタ28とに起因して並列共振回路が構成され、受電側から非整数次の高調波電流を引き込み、それによって負荷系統24の電圧フリッカが増大する現象が発生していた。
【0010】
従来の無効電力補償装置110は、負荷電流iを検出することにより負荷25に起因する電圧フリッカを抑制することは可能であったが、前述したような負荷系統24に接続された高調波フィルタ28に起因する並列共振によって発生する電圧フリッカを抑制できなかった。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、高調波フィルタを備えている負荷系統において、負荷および高調波フィルタに起因する電圧フリッカを抑制することができる高調波抑制制御回路、高調波抑制装置および高調波抑制システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る高調波抑制制御回路は、自励式変換器を備えて負荷および高調波フィルタが接続された負荷系統における高調波を抑制する高調波抑制装置に実装される、前記負荷に流れる負荷電流を検出する電流変成器および前記負荷系統の電圧を検出する電圧変成器から検出信号を受ける高調波抑制制御回路である。当該高調波抑制制御回路は、前記負荷系統の電圧の検出信号から高調波成分を抽出して通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタから抽出されて通過した電圧に所定のゲインを乗じて第1電流指令値を演算して出力するゲイン調整部と、前記負荷系統の電圧および前記負荷電流の検出信号に基づいて、前記負荷に流れる無効電力の変動成分を補償する第2電流指令値を演算して出力する電流指令演算部と、前記第1電流指令値と前記第2電流指令値とを加算して補償電流指令値を求め、当該補償電流指令値に基づいて前記自励式変換器の電流を制御する変換器制御部と、を備えることを特徴する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る高調波抑制装置は、負荷および高調波フィルタが接続された負荷系統における高調波を抑制する高調波抑制装置である。当該高調波抑制装置は、前記負荷に流れる負荷電流を検出する電流変成器と、前記負荷系統の電圧を検出する電圧変成器と、前記負荷系統に接続される自励式変換器と、検出した前記負荷系統の電圧から高調波成分を抽出して通過させる高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタから抽出されて通過した電圧に所定のゲインを乗じて第1電流指令値を演算して出力するゲイン調整部と、検出した前記負荷系統の電圧および前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる無効電力の変動成分を補償する第2電流指令値を演算して出力する電流指令演算部と、前記第1電流指令値と前記第2電流指令値とを加算して補償電流指令値を求め、当該補償電流指令値に基づいて前記自励式変換器の電流を制御する変換器制御部と、を備えることを特徴する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る一つの高調波抑制システムは、負荷および高調波フィルタが接続された負荷系統に設置され、負荷に起因する高調波を抑制する自励式無効電力補償装置および前記高調波フィルタに起因する高調波を抑制する高調波抑制装置を備える高調波抑制システムである。当該高調波抑制システムは、前記負荷に流れる負荷電流を検出する電流変成器と、前記負荷系統の電圧を検出する電圧変成器とをさらに備える。前記自励式無効電力補償装置は、前記負荷系統に接続される第1自励式変換器と、検出された前記負荷系統の電圧および前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる無効電力の変動成分を補償する第1電流指令値を演算し、当該第1電流指令値に基づいて前記第1自励式変換器の電流を制御する制御回路と、を備え、前記高調波抑制装置は、前記負荷系統に接続される第2自励式変換器と、検出された前記負荷系統の電圧から高調波成分を抽出する高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタから抽出された電圧に所定のゲインを乗じて第2電流指令値を演算して出力するゲイン調整部と、前記第2電流指令値に基づいて、前記第2自励式変換器の電流を制御する変換器制御部と、を備えることを特徴する。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る他の一つの高調波抑制システムは、負荷および高調波フィルタが接続された負荷系統に設置され、負荷に起因する無効電力の変動成分を抑制する他励式無効電力補償装置および前記高調波フィルタに起因する高調波を抑制する高調波抑制装置を備える高調波抑制システムである。当該高調波抑制システムは、前記負荷に流れる負荷電流を検出する電流変成器と、前記負荷系統の電圧を検出する電圧変成器とをさらに備える。前記他励式無効電力補償装置は、複数の自己消孤能力を持たない電力用半導体素子を有する、前記負荷系統に接続される第1他励式変換器と、検出された前記負荷系統の電圧および前記負荷電流に基づいて、前記負荷に流れる無効電力の変動成分を補償する第1電流指令値を演算し、当該第1電流指令値に基づいて前記第1他励式変換器を位相制御する制御回路と、を備え、前記高調波抑制装置は、前記負荷系統に接続される第2自励式変換器と、検出された前記負荷系統の電圧から高調波成分を抽出する高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタから抽出された電圧に所定のゲインを乗じて第2電流指令値を演算して出力するゲイン調整部と、前記第2電流指令値に基づいて、前記第2自励式変換器の電流を制御する変換器制御部と、を備えることを特徴する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る高調波抑制制御回路、高調波抑制装置および高調波抑制システムによれば、高調波フィルタを備えている負荷系統において、負荷および高調波フィルタに起因する電圧フリッカを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る高調波抑制装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
図2図1の自励式変換器の構成の一例を示す図。
図3図1の高調波抑制装置が負荷系統に設置された場合の周波数特性の一例を示す図。
図4図1に示す負荷系統の等価回路を示す図。
図5】本発明に係る高調波抑制装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
図6図5の既設TCRの構成の一例を示す図。
図7】本発明に係る高調波抑制装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図。
図8図7の既設SVCの構成の一例を示す図。
図9】従来の無効電力補償装置の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態の高調波抑制制御回路、高調波抑制装置および高調波抑制システムについて、図面を参照して具体的に説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。ここで説明する下記の実施形態はいずれも、高調波フィルタが接続された負荷系統の一例をとりあげて説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る高調波抑制装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図2は、図1の自励式変換器の構成の一例を示す図である。また、図3図1の高調波抑制装置が負荷系統に設置された場合の周波数特性の一例を示す図であり、図4図1に示す負荷系統の等価回路を示す図である。以下、図1ないし図4を参照しながら第1の実施形態の高調波抑制装置について説明する。
【0020】
受電系統22は、系統電源21から受電している。負荷系統24は、受電変圧器23を介して、受電系統22に接続されている。なお、受電変圧器23を含む系統インピーダンス20とし、系統インダクタンスをLsとする。
【0021】
負荷系統24には、負荷25が接続されている。また、負荷系統24には、受電系統22に流出する電源周波数(基本波周波数)に対する高調波成分を抑制するために、高調波フィルタ28が接続されている。
【0022】
高調波フィルタ28は、所定の高調波の次数を抑制するフィルタ特性を有している。高調波フィルタ28は、例えば直列に接続されたコンデンサCF1とインダクタンスLF1とから構成される。所定の高調波の次数とは、例えば2次等であり、その場合は、図1に示す高調波電流iF1には基本波周波数(fとする)の2次成分が含まれる。
【0023】
さらに、負荷系統24には、負荷系統24の無効電力を補償するために、高調波抑制装置10aが接続されている。
【0024】
負荷系統24には受電系統22から負荷系統電流isが流れ、負荷系統電流isには負荷25の負荷電流iを含んでいる。電流変成器26は、この負荷に流れる負荷電流iを検出する。電圧変成器27は、負荷系統24の電圧(負荷電圧VT)を検出する。これら検出された負荷電流iおよび負荷電圧VTは、高調波抑制装置10aに入力される。
【0025】
高調波抑制装置10aは、図1に示すように、高調波抑制制御回路1aおよび自励式変換器11を備えており、負荷電流iおよび負荷電圧VTに基づいて、負荷系統24における無効電力を補償する。なお、高調波抑制装置10aが、電流変成器26および電圧変成器27を含める構成であってもよい。以下、高調波抑制制御回路1aについて主に説明する。
【0026】
高調波抑制制御回路1aは、負荷電圧VTに基づいて、負荷電圧VTに含まれる高調波成分を検出し、高調波フィルタ28に起因する電圧フリッカを抑制するように、自励式変換器11の電流を制御する。また、高調波抑制制御回路1aは、負荷電圧VTおよび負荷電流iに基づいて、負荷25に起因する電圧フリッカを抑制するように、自励式変換器11の電流を制御する。
【0027】
ここで、高調波フィルタ28に起因する電圧フリッカとは、系統インピーダンス20(系統インダクタンスLs)および高調波フィルタ28に起因する並列共振によって発生する電圧フリッカをいう。また、負荷25に起因による電圧フリッカとは、負荷電流iに含まれる変動成分(高調波成分を含む)によって発生する電圧フリッカをいう。
【0028】
このために、高調波抑制制御回路1aは、図1に示すように、変換器制御部2aと、HPF部3と、ゲイン調整部4と、電流指令演算部5とを備えている。
【0029】
HPF部3は、高域通過フィルタ(High Pass Filter)を有し、当該高域通過フィルタは所定のHPF定数を有している。HPF部3は、負荷電圧VTから高調波成分を抽出し、ゲイン調整部4に出力する。HPF定数として、例えば基本周波数fよりも高く、高調波フィルタ28に起因する並列共振周波数fよりも低い低域遮断周波数を有する。
【0030】
なお、HPF部3に、帯域通過フィルタ(Band Pass Filter)を用いてもよい。この場合には、前述した低域遮断周波数に加えて、高域遮断周波数を定める。例えば、高域遮断周波数は、複数の高調波フィルタが負荷系統24に接続されている場合に、最も高次の高調波フィルタに起因する並列共振周波数fよりも高い周波数に定められる。または、所定の周波数通過域が定められた複数の帯域通過フィルタを有して、その帯域通過フィルタの出力ごとに、ゲイン調整部4が設けられてゲインKが定められてもよい。
【0031】
ゲイン調整部4は、負荷電圧VTから高調波成分を抽出した電圧に所定のゲインKを乗じて、第1電流指令値iとして変換器制御部2aに出力する。
【0032】
以上のように、高調波フィルタ28に起因する電圧フリッカを抑制するために、HPF部3のHPF定数、および、ゲイン調整部4のゲインKを定める。なお、詳しくは後述するが、例えば図3の破線に示す周波数特性のように、実線で示す並列共振点近傍の電流増幅率|is/i|を抑制する。
【0033】
電流指令演算部5は、負荷系統24から検出される負荷電圧VTと負荷電流iとを入力する。電流指令演算部5は、負荷電圧VTおよび負荷電流iに基づいて、第2電流指令値iを算出する。この第2電流指令値iは、負荷25に起因する電圧フリッカを抑制する周知の技術により算出される。
【0034】
変換器制御部2aに入力される前に、加算器により第1電流指令値iと第2電流指令値iとが加算され、加算された結果である補償電流指令値iが変換器制御部2aに入力される。
【0035】
変換器制御部2aは、補償電流指令値iおよび検出された負荷電圧VTに基づいて、自励式変換器11を制御する。すなわち、変換器制御部2aは、補償電流指令値iとなるように、自励式変換器11の電流制御を行い、検出された負荷電圧VTにより、系統電圧の電圧位相に同期させて、変換器をPWM制御する。この結果、自励式変換器11から補償電流iが出力される。
【0036】
自励式変換器11は、図2に示すように、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、IEGT(Injection Enhanced Gate Transistor)などの自己消孤型スイッチング素子31、リアクトル32および平滑化コンデンサ33などにより構成される。
【0037】
自励式変換器11は、上述した高調波抑制制御回路1aにより演算された補償電流指令値iに追従するようにPWM制御を行い、負荷系統24に補償電流iを出力する。これにより、自励式変換器11は、高調波フィルタ28に起因する電圧フリッカを抑制することができ、また、負荷25に起因する電圧フリッカも抑制することができる。
【0038】
以上の構成による効果を、図3を参照しながら説明する。図3に、高調波抑制装置10aを備えた負荷系統24における周波数特性を従来例と比較して示す。特に、実線は比較のために示す従来の無効電力補償装置が負荷系統に設置された場合の周波数特性の一例であり、破線は図1の高調波抑制装置10aが負荷系統24に設置された場合の周波数特性の一例である。
【0039】
図3において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は電流増幅率|is/i|(dB)である。また、系統電源21の基本波周波数f0、並列共振周波数f、高調波フィルタ28の直列共振周波数fとする。また、図1に示す負荷系統24を、例えば、近似的に図4に示す等価回路で表現して示す。なお、図4に示すダンピング抵抗Rdは、高調波抑制装置10aを等価的に示したものである。
【0040】
ここで、例えば図4に示す等価回路に基づくと、系統インダクタンスLsと高調波フィルタ28とに起因する並列共振について、並列共振周波数fは式(1)のように求めることができる。また、高調波フィルタ28の直列共振について、直列共振周波数fは式(2)のように求めることができる。
【0041】
=1/2π/√{(L+LF1)・CF1} ・・・(式1)
=1/2π/√(LF1・CF1) ・・・(式2)
なお、高調波フィルタ28のコンデンサ容量値CF1、インダクタンス値LF1とし、ここでは、便宜的に、高調波フィルタ28の抵抗分は考慮しないこととする。
【0042】
変換器制御部2aにおいて、高調波フィルタ28に起因する電圧フリッカを抑制するために、図1に示すHPF部3のHPF定数、および、ゲイン調整部4のゲインKを定める。例えば、図3の破線に示す周波数特性のように、実線で示す並列共振点近傍の電流増幅率を抑制する。すなわち、HPF部3およびゲイン調整部4では、図3の破線に示す周波数特性を有するような、HPF定数およびゲインKが定められる。
【0043】
HPF定数は、並列共振周波数fを通過させる低域遮断周波数とし、また、ゲインKは、並列共振周波数f近傍で電流増幅率|is/i|を抑えるように定める。
【0044】
負荷25の一例としてアーク炉等があり、アーク炉は急峻に電流が変化する負荷である。当該負荷が接続された負荷系統24では、例えば高調波フィルタ28に2次フィルタ等の低次のフィルタが用いられる。
【0045】
高調波フィルタ28に2次フィルタを用いた場合には、前述した図3に示すように、例えば基本波周波数fと高調波フィルタ28の直列共振周波数f(f図3の2f)との間に非整数次の並列共振周波数fが現れる。
【0046】
例えば、従来の無効電力補償装置では、図1に示す受電変圧器23を含む系統インピーダンス20(系統インダクタンスLs)と高調波フィルタ28のインピーダンス(CF1およびLF1)とにより、図3の実線に示すような並列共振が発生することがあった。すなわち、負荷系統24に流れ込む負荷系統電流iと、負荷25の負荷電流iとの比率において、負荷系統電流iが大きくなることである。これは、図3において、例えば基本波周波数f(Hz)と高調波フィルタ28の直列共振周波数f(Hz)との間に存在する並列共振周波数fの共振点付近に対応するものであり、高調波フィルタ28に流れ込む高調波電流iF1が増大している状態である。
【0047】
具体的な例として、例えば並列共振周波数fがおよそ2f−10(Hz)程度の場合である。このような場合に、従来の無効電力補償装置が接続された負荷系統24において非整数次の高調波が発生し、それによって負荷系統24の電圧フリッカが増大する現象が発生していた。このような周波数成分の変動は、例えば負荷系統24の電圧には10Hz程度の脈動として現れることになるため、人間の目の性質上、電圧フリッカとして最も影響してくる。したがって、上述した高調波フィルタ28に起因する並列共振による電圧フリッカは無視することができないものである。
【0048】
本実施形態の高調波抑制装置10aは、図3に示す破線のように、高調波フィルタ28に起因する電圧フリッカを抑制することができる。換言すれば、高調波抑制装置10aが、高調波フィルタ28に起因する並列共振周波数f付近で負荷系統24に対して、図4に示すダンピング抵抗Rdのように作用することができる。
【0049】
以上説明したように、高調波抑制装置10aは、負荷電流iおよび負荷電圧VTに基づいて、負荷25の無効電力を補償することにより負荷25に起因による電圧フリッカを抑制することができ、また、負荷電圧VTに含まれる高調波成分を検出することにより高調波フィルタ28に起因する電圧フリッカを抑制することができる。
【0050】
第1の実施形態によれば、高調波フィルタを備えている負荷系統において、負荷および高調波フィルタに起因する電圧フリッカを抑制することができる。
【0051】
[第2の実施形態]
図5は、本発明に係る高調波抑制装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。図6は、図5の既設TCRの構成の一例を示す図である。
【0052】
図5に示す高調波抑制システムは、高調波抑制装置10bと、既設システム113とを備えるものとする。すなわち、高調波抑制システムにおいて、既設システム113に追加したものは、高調波抑制装置10bである。
【0053】
既設システム113は、既設TCR(Thyristor phase Controlled Reactor)13b、電流変成器26、電圧変成器27、高調波フィルタ28および29を備えている。なお、図5において、系統インピーダンス20、系統電源21、受電系統22、受電変圧器23、負荷系統24、負荷25等については、図1に含まれる構成と同様であるため、ここではその説明を省くものとする。また、既設TCR13bは既設システム113が備えるものとするが、新設のシステムで設置されてもよい。
【0054】
既設TCR13bは、他励式無効電力補償装置であり、主に負荷25を起因とする電圧フリッカを抑制するために設けられている。
【0055】
既設TCR13bは、図6に示すように、第1他励式変換器41および制御回路44を備えている。第1他励式変換器41は、複数の逆並列サイリスタ42などの自己消孤能力を持たない電力用半導体素子、リアクトル43などを有し、負荷系統24に接続されている。この既設TCR13bは、点孤角を変化させることにより出力する遅相無効電力を変化させることができる。
【0056】
制御回路44は、負荷電流iおよび負荷系統24の負荷電圧VTの検出信号に基づいて、負荷25に流れる無効電力の変動分を補償する第1電流指令値を演算する。制御回路44は、第1電流指令値に基づいて逆並列サイリスタ42の点孤角を制御し、出力する遅相無効電力を制御する。
【0057】
負荷系統電流isの中に負荷電流iが含まれ、電流変成器26は、この負荷25に流れる負荷電流iを検出する。電圧変成器27は、負荷系統24にかかる負荷電圧VTを検出する。これら検出された負荷電流iおよび負荷電圧VTは、既設TCR13bに入力される。
【0058】
既設TCR13bは、検出された負荷電流iおよび負荷電圧VTに基づいて、負荷系統24に発生する無効電力を補償する。しかし、既設TCR13bは、他励式無効電力補償装置に分類され、高調波発生等の点で問題がある。そのため、負荷系統24には、負荷系統24に流出する電源周波数に対する高調波成分を抑制するために、高調波フィルタ28および29などが接続されている。高調波フィルタ28および29には、それぞれ高調波電流iF1およびiF2が流れ込む。なお、この高調波フィルタ28および29は、他励式無効電力補償装置としての進相コンデンサとしても活用されることがある。
【0059】
しかしながら、高調波抑制装置10bを設置しない場合、図5に示す受電変圧器23を含む系統インピーダンス20と高調波フィルタ28のインピーダンスとにより、例えば前述したような高調波フィルタ28に起因する並列共振(例えば図3に示す実線)が発生し、これによって電圧フリッカが発生することがある。なお、高調波フィルタ29に起因する電圧フリッカについても同様である。以下では、主に高調波フィルタ28について説明する。
【0060】
高調波抑制装置10bは、主に負荷系統24の系統インピーダンス20、高調波フィルタ28および29に起因する電圧フリッカを抑制するために、図5に示すように、高調波抑制制御回路1bおよび自励式変換器11を備えている。高調波抑制制御回路1bは、負荷電圧VTに基づいて、負荷電圧VTに含まれる高調波成分を検出し、高調波フィルタ28に起因する電圧フリッカを抑制するように、自励式変換器11を制御する。
【0061】
このために、高調波抑制制御回路1bは、図5に示すように、変換器制御部2bと、HPF部3と、ゲイン調整部4とを備えている。
【0062】
HPF部3は、高域通過フィルタ(High Pass Filter)であり、所定のHPF定数を有している。HPF部3は、負荷電圧VTから高調波成分を抽出し、ゲイン調整部4に出力する。
【0063】
ゲイン調整部4は、負荷電圧VTから高調波成分を抽出した電圧に所定のゲイン(K)倍にして、第1電流指令値iとして変換器制御部2bに出力する。
【0064】
また、高調波フィルタ28を起因とする並列共振による電圧フリッカを抑制するために、HPF部3のHPF定数、および、ゲイン調整部4のゲインKが定められる。例えば、前述した図3の破線に示す周波数特性のように、実線で示す並列共振点近傍の電流増幅率を抑制する。すなわち、HPF部3およびゲイン調整部4では、図3の破線に示す周波数特性を有するように、HPF定数およびゲインKが定められている。
【0065】
変換器制御部2bには、第1電流指令値iが入力される。変換器制御部2bは、第1電流指令値iおよび検出された負荷電圧VTに基づいて、自励式変換器11を制御する。すなわち、変換器制御部2bは、第1電流指令値iとなるように、自励式変換器11の電流制御を行い、検出された負荷電圧VTにより、系統電圧の電圧位相に同期させて、変換器をPWM制御する。この結果、自励式変換器11から補償電流iが出力される。なお、自励式変換器11は、前述した第1の実施形態と同様であり、ここではその説明を省くものとする。
【0066】
なお、高調波抑制装置10bは、図1に示す高調波抑制装置10aの負荷25に起因する電圧フリッカを抑制する機能部を除いたものである。
【0067】
以上により、図5に示す高調波抑制システムにおいて、例えば新設された高調波抑制装置10bは、高調波フィルタ28および29に起因する電圧フリッカを抑制すればよいため、第1の実施形態の高調波抑制装置に比べて小容量、かつ、低コストとすることができる。
【0068】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、高調波フィルタを備えている負荷系統において、負荷および高調波フィルタに起因する電圧フリッカを抑制することができる。また、既設のシステムに対しては、高調波抑制装置を新規に導入すればよい。
【0069】
さらに、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の高調波抑制装置に比べて小容量で、かつ、より低コストの装置を適用することができる。
【0070】
[第3の実施形態]
図7は、本発明に係る高調波抑制装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。図8は、図7の既設SVCの構成の一例を示す図である。
【0071】
図7に示す高調波抑制システムは、高調波抑制装置10cと、既設システム114とを備えるものとする。すなわち、高調波抑制システムにおいて、既設システム114に追加したものは、高調波抑制装置10cである。
【0072】
既設システム114は、既設SVC(Static Var Compensator)13c、電流変成器26、電圧変成器27、高調波フィルタ28および29を備えている。なお、図7において、系統インピーダンス20、系統電源21、受電系統22、受電変圧器23、負荷系統24、負荷25等については、図1に含まれる構成と同様であるため、ここではその説明を省くものとする。また、既設SVC13cは既設システム114が備えるものとするが、新設のシステムとして設置されてもよい。
【0073】
既設SVC13cは、自励式無効電力補償装置である。既設SVC13cは、図8に示すように、第1自励式変換器51および制御回路55を備えている。第1自励式変換器51は、複数の自己消孤型スイッチング素子52、リアクトル53および平滑化コンデンサ54などを有し、負荷系統24に接続されている。
【0074】
制御回路55は、負荷電流iおよび負荷系統24の負荷電圧VTの検出信号に基づいて、負荷25に流れる無効電力の変動成分を補償する第1電流指令値を演算する。制御回路55は、第1電流指令値に基づいて、第1自励式変換器51の電流を制御する。自己消孤型スイッチング素子52は、例えばGTO(Gate Turn−Off Thyristor)、IGBTなどのスイッチング素子である。
【0075】
既設SVC13cは、検出された負荷電流iおよび負荷電圧VTに基づいて、既設SVC13cが出力すべき補償電流を制御し、負荷25の無効電力を補償する。これにより、既設SVC13cは、主に負荷25に起因する電圧フリッカを抑制する。なお、負荷25に起因する電圧フリッカを抑制する技術は、周知の技術が用いられる。
【0076】
高調波抑制装置10cは、上述した既設システム114に追加されたものであり、負荷系統24に接続された高調波フィルタ28および29に起因する電圧フリッカを抑制する。このために、高調波抑制装置10cは、図7に示すように、高調波抑制制御回路1cおよび自励式変換器11を備えている。また、高調波抑制制御回路1cは、変換器制御部2cと、HPF部3と、ゲイン調整部4とを備えている。なお、これ以外の図7に示す機能部は、既設システム114で備えているものとする。また、図7に示す高調波抑制装置10cは、図5に示す高調波抑制装置10bと同様な機能であり、ここではその詳細な説明は省くものとする。
【0077】
高調波抑制装置10cは、主に負荷系統24のインピーダンス、高調波フィルタ28および29に起因する電圧フリッカを抑制する。以上により、図7に示す高調波抑制システムにおいて、例えば新設した高調波抑制装置10cは、高調波フィルタ28および29に起因する電圧フリッカを抑制すればよいため、第1の実施形態の高調波抑制装置に比べて小容量、かつ、低コストとすることができる。
【0078】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、高調波フィルタを備えている負荷系統において、負荷および高調波フィルタに起因する電圧フリッカを抑制することができる。また、既設のシステムに対しては、高調波抑制装置を新規に導入すればよい。
【0079】
さらに、第3の実施形態によれば、第1の実施形態の高調波抑制装置に比べて小容量で、かつ、より低コストの装置を適用することができる。
【0080】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形には、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
1a、1b、1c…高調波抑制制御回路、2a、2b、2c、103…変換器制御部、3…HPF部、4…ゲイン調整部、5、102…電流指令演算部、10a、10b、10c…高調波抑制装置、11…自励式変換器、13b…既設TCR(Thyristor phase Controlled Reactor)、13c…既設SVC(Static Var Compensator)、20…系統インピーダンス、21…系統電源、22…受電系統、23…受電変圧器、24…負荷系統、25…負荷、26…電流変成器、27…電圧変成器、28、29…高調波フィルタ、31、52…自己消孤型スイッチング素子、32、43、53…リアクトル、33、54…平滑化コンデンサ、41…第1他励式変換器、42…逆並列サイリスタ、44、55…制御回路、51…第1自励式変換器、101…無効電力制御回路、110…無効電力補償装置、113、114…既設システム、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9