(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977345
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】組み込みアジュバントを含む除草剤乳剤
(51)【国際特許分類】
A01N 25/04 20060101AFI20160817BHJP
A01N 39/02 20060101ALI20160817BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20160817BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
A01N25/04 101
A01N39/02 D
A01P13/00
A01N25/00 101
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-517141(P2014-517141)
(86)(22)【出願日】2012年6月21日
(65)【公表番号】特表2014-520154(P2014-520154A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】US2012043478
(87)【国際公開番号】WO2012177832
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2015年6月16日
(31)【優先権主張番号】61/499,879
(32)【優先日】2011年6月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】デイブ,ヒテシュクマール
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,レイ
(72)【発明者】
【氏名】バウチャー,レイモンド イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウーズ,デイヴィッド ジー.
(72)【発明者】
【氏名】マン,リチャード ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジフォード,ジェームス エム.
【審査官】
水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−531838(JP,A)
【文献】
特表2007−511537(JP,A)
【文献】
国際公開第00/025586(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/056639(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N,A01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)組成物に対して1リットル当たり25グラム(g/L)〜225g/Lのアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤と;
b)組成物に対して600g/L〜950g/Lの非石油由来組み込みアジュバントと;
c)組成物に対して10g/L〜150g/Lの非イオン性界面活性剤と
を含み、前記非石油由来組み込みアジュバントは植物、藻類もしくは動物由来油または植物、藻類もしくは動物由来油のC1〜C10エステルの少なくとも1種であり、前記除草剤と前記非石油由来組み込みアジュバントの重量比が1:3〜1:33である、除草剤乳剤組成物。
【請求項2】
前記アリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤がシハロホップブチル、フェノキサプロップエチル、フルアジホップPブチル、ハロキシホップメチル、ハロキシホップRメチル、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップPエチルまたはキザロホップPテフリルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤がシハロホップブチルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
組成物に対して25g/L〜150g/Lの前記アリールオキシフェノキシプロピオン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
1種または複数の追加の不活性成分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
植物、藻類または動物由来油の前記C1〜C10エステルがダイズ油脂肪酸メチルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
600g/L〜850g/Lの前記非石油由来組み込みアジュバントを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤がアルキルフェノール−アルキレンオキシド付加物、ソルビトールエステル、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
50g/L〜150g/Lの前記界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記除草剤と前記非石油由来組み込みアジュバントの重量比が1:4〜1:33である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
(A)前記アリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤がシハロホップブチル、フェノキサプロップエチル、フルアジホップPブチル、ハロキシホップメチル、ハロキシホップRメチル、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップPエチルまたはキザロホップPテフリルであり;
(B)前記非石油由来組み込みアジュバントが植物、藻類もしくは動物由来油または植物、藻類もしくは動物由来油のC1〜C10エステルの少なくとも1種であり;
(C)前記界面活性剤がアルキルフェノール−アルキレンオキシド付加物、ソルビトールエステル、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体、またはこれらの混合物である、
請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記アリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤がシハロホップブチルであり;前記非石油由来組み込みアジュバントがダイズ油脂肪酸メチルであり;前記界面活性剤がポリグリコール26−2である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
1種または複数の追加の殺有害生物剤有効成分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
除草剤解毒剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
望ましくない植生またはその隣接領域に請求項1に記載の乳剤またはその希釈物を接触させるステップを含む、望ましくない植生を防除する方法。
【請求項16】
(A)葉に請求項1に記載の組成物またはその希釈物を噴霧するステップ、または
(B)請求項1に記載の組成物を水中環境に潅注または添加するステップ
を含む、水中環境の望ましくない植生を防除する方法。
【請求項17】
前記水中環境が湛水田または畑である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(A)または(B)が前記望ましくない植生の発生前に行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
(A)または(B)が前記望ましくない植生の発生後に行われる、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月22日出願の米国仮特許出願第61/499879号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、イネ科草本活性除草剤および非石油由来組み込みアジュバントを含有する除草剤乳剤に関する。このような乳剤は、湛水水稲施用において雑草に対する改善した除草効果を示す。
【背景技術】
【0003】
農薬製剤は、一般的に、顧客ニーズおよび有効成分の生理化学的特性、例えば、水または非水性溶媒への有効成分の溶解度に基づいて設計される。製剤の2つの主要なカテゴリー、固形製剤および液体製剤が存在する。
【0004】
農業有効成分を含有する乳剤(EC)は、農業において雑草および有害生物を防除するために日常的に使用されている液体製剤の1つのクラスを表す。固体または液体の形の有効成分は、乳剤として製剤化することができ、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤および殺線虫剤を含むことができる。EC製剤は、溶解した有効成分に加えて、水非混和性溶媒と、1種または複数の界面活性剤と、アジュバントと、他の不活性成分とを含むことができる。ECは、有害生物または雑草を防除するために噴霧施用するために使用する時点で水などの担体溶媒で希釈され得る、あるいは例えば湛水水稲などの対象とする領域に直接施用され得る。
【0005】
アジュバントはEC製剤の重要な成分であり、有効成分の生物学的活性を増加させることができるが、それ自体は有意に生物学的に活性でない物質と定義される。アジュバントは、例えば、除草剤の標的雑草植物中への送達および取り込みを改善することなどにより有効成分の効果を促進し、改善した生物学的防除をもたらす。
【0006】
固体または液体の形のアジュバントを、ECなどの製剤化した農業製品に直接添加して、施用時の製品の性能を改善することができる。一般的に使用されているアジュバントには、例えば、界面活性剤、展着剤、石油および植物由来の油ならびに溶媒ならびに湿潤剤が含まれ得る。一般的に使用されているアジュバントの例としては、それだけに限らないが、パラフィン油、園芸用スプレーオイル(horticultural spray oil)(例えば、サマーオイル)、メチル化ナタネ油、メチル化ダイズ油、高精製植物油など、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシ化エステル、エトキシ化アルコール、アルキル多糖およびブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、ポリエチレングリコールエステル、有機ケイ素系界面活性剤、エチレン酢酸ビニルターポリマー、エトキシ化アルキルアリールリン酸エステルなどが挙げられる。これらのおよび他のアジュバントは、Dept. of Plant, Soil and Agricultural Systems, Southern Illinois University MC-4415, 1205 Lincoln Drive, Carbondale, IL 62901のBryan Youngにより編集された「Compendium of Herbicide Adjuvants、第9版」に記載されており、これはhttp://www.herbicide−adjuvants.com/でインターネット上での閲覧が利用可能である。
【0007】
用語「組み込みアジュバント」とは、製品の使用時に例えば噴霧液に添加されるのではなく、製品の製造段階で液体製剤または粒剤などの特定の製剤に添加される1種または複数のアジュバントを指す。組み込みアジュバントの使用は、個別に測定および施用しなければならない成分の数を減らすことにより、最終消費者の農薬製品の使用を単純化する。
【0008】
イネは、世界の多くの地域で栽培されている重要な穀物作物であり、湿潤および乾燥条件下の両方で栽培されている。高レベルの農業生産性を維持するために、イネに有害な雑草の防除は非常に重要である。湛水水稲の雑草防除のための除草剤乳剤の使用は、多くのイネ栽培地域で非常に一般的な農耕学的慣習である。現在の製品に対して改善した性能を提供する新規な除草剤製品は、常に需要がある。
【0009】
シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、(2R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロパン酸(CAS番号122008−78−0)は、fop除草剤として当技術分野で知られている除草剤のアリールオキシフェノキシプロピオン酸クラスの一員であり、イネのイネ科雑草を防除するために使用されている。シハロホップブチルは、Clincher(登録商標)除草剤(Dow AgroSciences LLCの登録商標)として市販されており、粒剤(GR)、エマルション製剤(EW)および乳剤(EC)製剤で販売されており、乾燥地および湛水田施用の両方で使用すると、イネへの優れた選択性を示す。
【0010】
シハロホップブチルを含有する既存の市販のEC製剤はまた、主に有効成分を溶解するのに役立つ比較的大量の石油由来溶媒も含有する。溶媒は、現在市販されているシハロホップブチルを含有するEC製品中の全製剤の50重量パーセント(重量%)超に寄与し得る。これらの製品への石油由来溶媒の使用は、最小除草剤アジュバント効果によりシハロホップブチル除草剤の生物学的性能を制限し得る。石油由来溶媒はまた、その引火性および毒性のために安全性および取扱いの問題も提起し得る。
【0011】
本発明は、比較的安全な非石油由来組み込みアジュバントを使用することにより、イネ科草本活性除草剤を含有するEC除草剤製品に改善をもたらす。このようなEC組成物は、湛水水稲施用において雑草に対する改善した除草効果と施用者(applicator)および環境に対する改善した安全性をもたらす。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、
a)総組成物に対して1リットル当たり約25グラム(g/L)〜約225g/Lを構成するアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤と;
b)総組成物に対して約600g/L〜約950g/Lを構成する非石油由来組み込みアジュバントと;
c)総組成物に対して約10g/L〜約150g/Lを構成する界面活性剤と
を含み、除草剤と非石油由来組み込みアジュバントの重量比が約1:3〜約1:33である、組み込みアジュバントを含有する除草剤乳剤に関する。
【0013】
本発明の別の態様は、望ましくない植生の発生前または発生後に、水中環境に除草剤乳剤またはその希釈物を噴霧、潅注または添加するステップを含む、水中環境の望ましくない植生を防除する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
低水溶性の農業有効成分は、時に、有害生物を排除するために作物に有効に施用することが困難となることがある。この状況は、例えば、除草剤を含有するEC製品を湛水水稲の雑草を防除するために使用する場合など、有効成分を植物葉に直接施用しない場合に特に課題となる。湛水水稲に施用される除草剤EC製品は、通常、水稲の水に直接添加され、施用中に植物葉とほとんど直接接触しない。シハロホップブチルは、ECとして水に施用する場合、除草剤の標的雑草への必要な送達および取り込みと許容可能なレベルの雑草防除の発現をもたらすために担体と組み込みアジュバントの両方として働くことができる有機溶媒を使用することを必要とする除草剤有効成分である。湛水水稲の雑草の防除用に現在市販されているシハロホップブチルを含有する乳剤は、例えば、芳香族溶媒またはフタル酸ジトリデシルのような油などの石油由来組み込みアジュバントを含有する。
【0015】
ここで、驚くべきことに、アリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤と、非石油由来組み込みアジュバント、例えば、植物由来メチル化種子油または植物油濃縮物と、界面活性剤とを含有する乳剤が、例えば、1ヘクタール当たりの有効成分のグラム(gai/ha)基準で、湛水水稲などの水中環境の改善した雑草防除を提供することが分かった。改善した雑草防除は、除草剤有効成分と非石油由来組み込みアジュバントの重量比に依存することが分かった。
【0016】
本発明の除草剤乳剤は、アリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤有効成分と、非石油由来組み込みアジュバントと、界面活性剤とから構成される。
【0017】
本発明のアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤有効成分には、それだけに限らないが、シハロホップブチル、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フルアジホップPブチル(fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップRメチル(haloxyfop-R-methyl)、メタミホップ(metamifop)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップPエチル(quizalofop-P-ethyl)およびキザロホップPテフリル(quizalofop-P-tefuryl)が含まれる。本発明の好ましいアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤有効成分には、シハロホップブチル、フェノキサプロップエチル、ハロキシホップメチル、ハロキシホップRメチルおよびメタミホップが含まれる。本発明のアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤有効成分は、総組成物に対して約25gai/L〜約225gai/L、好ましくは約25gai/L〜約150gai/Lを構成する。
【0018】
本発明の非石油由来組み込みアジュバントは、水非混和性液体の形態であってもよく、除草剤乳剤中で溶媒と組み込みアジュバントの両方として働くことができる。本発明に使用することができる水非混和性液体は、一般的に、約1体積百分率未満の水への溶解度を有し、これらには、それだけに限らないが、種子油、植物油、動物油およびこれらのエステルなどの、1種または複数の植物、藻類または動物由来油が含まれ得る。
【0019】
本発明の好ましい非石油由来組み込みアジュバントには、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油などおよび上記植物由来油のC
1〜C
10エステル、例えば、ダイズ油脂肪酸メチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオレイン酸プロピレングリコールなどが含まれる。本発明の非石油由来組み込みアジュバントは、総組成物に対して約600g/L〜約950g/L、好ましくは約600g/L〜約850g/Lを構成する。
【0020】
水稲の雑草を防除するために使用する場合に、本発明の除草剤有効成分と非石油由来組み込みアジュバントの重量比が組成物の除草効果に影響を及ぼすことが予想外に分かった。除草剤有効成分と非石油由来組み込みアジュバントの重量比は、約1:3〜約1:33、最も好ましくは約1:4〜約1:33の範囲で改善した除草効果をもたらす。
【0021】
本発明の界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性または非イオン性の特性であってよく、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤として、または他の目的のために使用することができる。製剤の分野で慣用的に使用されており、本製剤に使用することもできる界面活性剤は、特に、「McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publishing Corp.、Ridgewood、New Jersey、1998および「Encyclopedia of Surfactants」、第I-III巻、Chemical publishing Co.、New York、1980-81に記載されている。典型的な表面活性剤には、硫酸アルキルの塩、例えば、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム;アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール−アルキレンオキシド付加物、例えば、ノニルフェノール−C
18エトキシレート;アルコール−アルキレンオキシド付加生成物、例えば、トリデシルアルコール−C
16エトキシレート;セッケン、例えば、ステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレン−スルホン酸塩、例えば、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えば、ジ(オクチル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えば、ソルビトールオレエート;第四級アミン、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えば、ポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体;モノおよびジアルキルリン酸エステルの塩;ならびにこれらの混合物が含まれる。本発明の界面活性剤は、総組成物に対して約10g/L〜約150g/L、好ましくは約50g/L〜約150g/Lを構成する。
【0022】
本発明の除草剤乳剤を調製するための典型的な手順では、水非混和性溶液は、それだけに限らないが、非石油由来組み込みアジュバント、乳化界面活性剤および油溶性アリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤有効成分の1種または複数を含む油溶性成分を共に混合して所望の濃度の成分を含有する乳剤を得ることにより調製する。
【0023】
本発明の除草剤乳剤の例は、
a)総組成物に対して約25gai/L〜約225gai/Lのシハロホップブチルを含むアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤有効成分と;
b)総組成物に対して約600g/L〜約950g/Lのダイズ油脂肪酸メチルを含む非石油由来組み込みアジュバントと;
c)総組成物に対して約10g/L〜約150g/Lのポリグリコール26−2を含む界面活性剤と
を含み、シハロホップブチルとダイズ油脂肪酸メチルの重量比は約1:3〜約1:33である。
【0024】
本発明の別の態様は、望ましくない植生を防除するために、水田もしくは畑、池、湖および小川などの水中環境に、本発明の除草剤乳剤を施用することにより、望ましくない植生を防除する方法に関する。施用は、例えば、乳剤を水中環境に潅注、噴霧または添加するなどの任意の通常の手段によることができる。この態様では、除草有効量の除草剤乳剤を、望ましくない植生を適当に防除するために水の領域に事前希釈の有無にかかわらず施用する。本発明の除草剤乳剤は、湛水田または畑のイネ科草本雑草を防除するのに特に有用であり、石油由来アジュバントを含有し、湛水田または畑のイネ科草本雑草を防除するために使用されている現在の乳剤製品に対して改善した除草性能をもたらす。
【0025】
上に示す組成物に加えて、本発明はまた、本発明の除草剤乳剤に添加する1種または複数の追加の殺有害生物剤有効成分、植物成長調節剤または解毒剤を含有する組成物を包含する。これらの殺有害生物剤有効成分、植物成長調節剤および解毒剤には、除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、植物成長調節剤および除草剤解毒剤の1種または複数が含まれ得る。これらの追加の殺有害生物剤有効成分は、本発明の乳剤に可溶性、部分的可溶性または不溶性であり得る。
【0026】
本発明の除草剤乳剤に添加することができる適当な除草剤は、クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、クレトジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)+イソキシジフェンエチル(isoxidifen-ethyl)、ピノキサデン(pinoxaden)、プロホキシジム(profoxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、2,4−Dエステルおよび塩、2,4−MCPA、2,4−MCPAエステルおよび塩、アセトクロル(acetochlor)、アシフルオルフェン(acifluorfen)、アラクロール(alachlor)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミノピラリド(aminopyralid)、アミノトリアゾール(aminotriazole)、チオシアン酸アンモニウム、アニリホス(anilifos)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンフレセート(benfuresate)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、ベンタゾン(bentazon)、ベンタゾンナトリウム(bentazone-sodium)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ビフェノックス(bifenox)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac-sodium)、ブロモブチド(bromobutide)、ブタクロール(butachlor)、カフェンストロール(cafenstrole)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、クロリムロン(chlorimuron)、クロルプロファム(chlorpropham)、シノスルフロン(cinosulfuron)、クロマゾン(clomazone)、クロメプロップ(clomeprop)、クロピラリド(clopyralid)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、クミルロン(cumyluron)、ダイムロン(daimuron)、ジクロスラム(diclosulam)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ジクワット(diquat)、ジチオピル(dithiopyr)、EK2612、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、ET−751、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エトベンザニド(ethbenzanid)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フェントラザミド(fentrazamide)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フロラスラム(florasulam)、フルアジホップ(fluazifop)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルフェナセット(flufenacet)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、フルメツラム(flumetsulam)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルロキシピルエステルおよび塩、ホメサフェン(fomesafen)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートP(glufosinate-P)、グリホサート(glyphosate)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックス(imazamox)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、インダノファン(indanofan)、イオキシニル(ioxynil)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、MCPB、メフェナセット(mefenacet)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソトリオン(mesotrione)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、メトラクロール(metolachlor)、メトスラム(metosulam)、メツルフロン(metsulfuron)、モリネート(molinate)、モノスルフロン(monosulfuron)、MSMA、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、オリザリン(oryzalin)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジクロメホン(oxazichlomefone)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ペンジメタリン(pendimethalin)、ペノキススラム(penoxsulam)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ペトキサミド(pethoxamid)、ピクロラム(picloram)、ピペロホス(piperophos)、プレチラクロル(pretilachlor)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione-calcium)、プロパクロル(propachlor)、プロパニル(propanil)、プロピソクロル(propisochlor)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラブチカルブ(pyrabuticarb)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラゾギル(pyrazogyl)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリデート(pyridate)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、キノクラミン(quinoclamine)、キンクロラック(quinclorac)、S−3252、シマジン(simazine)、シメトリン(simetryne)、s−メトラクロール(s-metolachlor)、スルコトリオン(sulcotrione)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルホサート(sulfosate)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テニルクロール(thenylchlor)、チアゾピル(thiazopyr)、チオベンカルブ(thiobencarb)、トリアファモン(triafamone)、トリクロピル(triclopyr)エステルおよび塩、トリフルラリン(trifluralin)、トリネキサパックエチル(trinexapac-ethyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)ならびにUS7314849B2およびUS7300907B2に開示されている以下の一般構造の化合物およびこれらの誘導体から選択してもよい。
【0027】
【化1】
(式中、Arは多置換フェニル基であり、RはHまたはハロであり、Xはハロである)。本発明の除草剤乳剤に添加することができる特に適当な除草剤には、ペノキススラムおよびベンスルフロンメチルが含まれる。
【0028】
本発明の除草剤乳剤に添加することができる適当な殺虫剤は、アバメクチン(abamectin)、アセフェート(acephate)、アセタミプリド(acetamiprid)、アクリナトリン(acrinathrin)、α−シペルメトリン(alpha-cypermethrin)、α−エンドスルファン(alpha-endosulfan)、アザジラクチン(azadirachtin)、アジンホスエチル(azinphos-ethyl)、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンスルタップ(bensultap)、β−シフルトリン(beta-cyfluthrin)、β−シペルメトリン(beta-cypermethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブプロフェジン(buprofezin)、ブタカルブ(butacarb)、カズサホス(cadusafos)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、カルタップ(cartap)、カルタップ塩酸塩(cartap hydrochloride)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、クロルメホス(chlormephos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、クロマフェノジド(chromafenozide)、クロチアニジン(clothianidin)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロトホス(dicrotophos)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、ジメトエート(dimethoate)ジノテフラン(dinotefuran)、ジスルホトン(disulfoton)、エマメクチン(emamectin)、エマメクチン安息香酸塩(emamectin benzoate)、エンドスルファン(endosulfan)、エンドチオン(endothion)、エンドリン(endrin)、EPN、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エタホス(etaphos)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、エチオン(ethion)、エチプロール(ethiprole)、エトアートメチル(ethoate-methyl)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェナミホス(fenamiphos)、フェナザフロル(fenazaflor)、フェネタカルブ(fenethacarb)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンスルホチオン(fensulfothion)、フェンチオン(fenthion)、フェンチオンエチル(fenthion-ethyl)、フェンバレレート(fenvalerate)、フィプロニル(fipronil)、フロニカミド(flonicamid)、フルベンジアミド(flubendiamide)、フルシトリネート(flucythrinate)、ホノホス(fonofos)、フフェノジド(fufenozide)、フラチオカルブ(furathiocarb)、γ−シハロトリン(gamma-cyhalothrin)、γ−HCH、ハルフェンプロックス(halfenprox)、ハロフェノジド(halofenozide)、ヘプテノホス(heptenophos)、ヒキンカルブ(hyquincarb)、イミダクロプリド(imidacloprid)、インドキサカルブ(indoxacarb)、イサゾホス(isazofos)、イソベンザン(isobenzan)、イソカルボホス(isocarbophos)、イソフェンホス(isofenphos)、イソフェンホスメチル(isofenphos-methyl)、イソプロカルブ(isoprocarb)、イソチオエート(isothioate)、イソキサチオン(isoxathion)、キノプレン(kinoprene)、λ−シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、レピメクチン(lepimectin)、ルフェヌロン(lufenuron)、マラチオン(malathion)、メタミドホス(methamidophos)、メソミル(methomyl)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、メビンホス(mevinphos)、メキサカルベート(mexacarbate)、ミルベメクチン(milbemectin)、モノクロトホス(monocrotophos)、ニテンピラム(nitenpyram)、ノバルロン(novaluron)、オメトエート(omethoate)、オキサミル(oxamyl)、オキシデメトンメチル(oxydemeton-methyl)、オキシデプロホス(oxydeprofos)、オキシジスルホトン(oxydisulfoton)、パラチオン(parathion)、パラチオンメチル(parathion-methyl)、ペンフルロン(penfluron)、ペルメトリン(permethrin)、フェントエート(phenthoate)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスホラン(phosfolan)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ピリメタホス(pirimetaphos)、ピリミカルブ(pirimicarb)、ピリミホスエチル(pirimiphos-ethyl)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プリミドホス(primidophos)、プロフェノホス(profenofos)、プロフルトリン(profluthrin)、プロメカルブ(promecarb)、プロパホス(propaphos)、プロポクスル(propoxur)、プロチオホス(prothiofos)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリダリル(pyridalyl)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、ピリプロール(pyriprole)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、スピネトラム(spinetoram)、スピノサド(spinosad)、スピロテトラマト(spirotetramat)、スルホクサフロール(sulfoxaflor)、スルプロホス(sulprofos)、τ−フルバリネート(tau-fluvalinate)、テブフェノジド(tebufenozide)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメチルフルトリン(tetramethylfluthrin)、θ−シペルメトリン(theta-cypermethrin)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チクロホス(thicrofos)、チオシクラム(thiocyclam)、チオシクラムシュウ酸塩(thiocyclam oxalate)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオメトン(thiometon)、チオスルタップ(thiosultap)、チオスルタップ二ナトリウム(thiosultap-disodium)、チオスルタップ一ナトリウム(thiosultap-monosodium)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、トリアゾホス(triazophos)、トリフルムロン(triflumuron)およびζ−シペルメトリン(zeta-cypermethrin)から選択してもよい。
【0029】
本発明の除草剤乳剤に添加することができる適当な殺真菌剤は、トリシクラゾール(tricyclazole)、フタリド(phthalide)、カルプロパミド(carpropamide)、ピロキロン(pyroquilon)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)、プロベナゾール(probenazole)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イプロベンホス(iprobenfos)、イソチアニル(isotianil)、チアジニル(tiadinil)、カスガマイシン(kasugamycin)、フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、ペンシクロン(pencycuron)、ポリオキシン(polyoxins)、バリダマイシン(validamycin)、トクロホスメチル(toclophos-methyl)、ボスカリド(boscalid)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、チフルザミド(thifluzamide)、ビキサフェン(bixafen)、フルオピラム(fluopyram)、イソピラザム(isopyrazam)、プロピコナゾール(propiconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、メタミノストロビン(metaminostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)およびアシベンゾラルSメチル(acibenzolar-S-methyl)から選択してもよい。真菌病伝播および成長周期が標的となる雑草成長周期に一致しないことがあるため、これらの殺真菌剤のいくつかは、除草剤施用のタイミングで施用すると病気の防除に有効とならないことがある。これらの殺真菌剤の有効な使用および施用タイミングは、当業者により容易に決定され得る。
【0030】
本発明の除草剤乳剤に添加することができる適当な除草剤解毒剤は、ベノキサコル(benoxacor)、ベンチオカルブ(benthiocarb)、クロキントセットメキシル(cloquintocet-mexyl)、ダイムロン(daimuron)、ジクロルミド(dichlormid)、ジシクロノン(dicyclonon)、ジメピペレート(dimepiperate)、フェンクロラゾールエチル(fenchlorazole-ethyl)、フェンクロリム(fenclorim)、フルラゾール(flurazole)、フルキソフェニム(fluxofenim)、フリラゾール(furilazole)、ハルピンタンパク質(Harpin protein)、イソキサジフェンエチル(isoxadifen-ethyl)、メフェンピルジエチル(mefenpyr-diethyl)、メフェナート(mephenate)、MG191、MON4660、ナフタル酸無水物(NA)、オキサベトリニル(oxabetrinil)、R29148およびN−フェニル−スルホニル安息香酸アミドから選択してもよい。
【0031】
本発明の除草剤乳剤に添加することができる適当な植物成長調節剤は、2,4−D、2,4−DB、IAA、IBA、ナフタレンアセトアミド、α−ナフタレン酢酸、キネチン、ゼアチン、エテホン、アビグリシン、1−メチルシクロプロペン(1−MCP)、エテホン、ジベレリン、ジベレリン酸、アブシジン酸、アンシミドール(ancymidol)、フルルプリミドール(flurprimidol)、メフルイジド(mefluidide)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、テトシクラシス(tetcyclacis)、ウニコナゾール(uniconazole)、ブラシノリド(brassinolide)、ブラシノリドエチル(brassinolide-ethyl)およびエチレンから選択してもよい。
【0032】
上に示す組成物および使用に加えて、本発明はまた、1種または複数の追加の適合性成分と組み合わせた組成物および除草剤乳剤の使用を包含する。これらの追加の適合性成分には、例えば、1種または複数の農薬有効成分、界面活性剤、染料、肥料および微量栄養素、成長調節剤およびフェロモン、ならびに例えば、安定剤、芳香剤、消泡剤および分散剤などの機能的有用性を提供する任意の他の追加の成分が含まれ得る。
【0033】
潅注、滴下、容器振盪および直接噴射施用に加えて、本発明の除草剤乳剤を、任意選択により水担体を含有する噴霧タンクに希釈し、結果として生じる水性混合物を、雑草を防除するための噴霧施用に使用することができる。
【0034】
本発明の組成物を追加の有効成分と組み合わせて使用する場合、本発明において特許請求されている組成物をプレミックス製剤(premix concentrate)として追加の有効成分(複数可)と共に製剤化することができ、これらを噴霧または潅注施用のために追加の有効成分(複数可)とタンク混合することができ、あるいはこれらを別々の噴霧または潅注施用で追加の有効成分(複数可)と共に連続的に施用することができる。
【0035】
以下の実施例は本発明の種々の態様を説明するために示されるものであり、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0036】
本発明の乳剤の調製
溶融シハロホップブチルをダイズ油脂肪酸メチルアジュバント(Agnique(登録商標)ME 18S−U;Cognisの登録商標)および乳化剤と混合して表1に示す組成物を得ることにより、本発明の乳剤を調製する。
【0037】
【表1】
【実施例2】
【0038】
模擬水田での雑草防除のための本発明の乳剤の使用
模擬水田調製:無機質土壌2kgおよび蒸留水500mlを容器(4.163L(1.1ガロン)、15cm ht×20.55cm直径、HDPE丸形容器;処理目的で、表面積を、1ヘクタールが10
8cm
2に相当するとして331cm
2として計算する)に添加し、スパーテルで約5分間徹底的に混合して、滑らかな泥混合物を作った。泥を混合したら、容器の中央を横切って3cmの畝間を作り、そこに18g(0.6oz.)Osmocote(登録商標)(The Scotts Company LCCまたはその関連会社の登録商標;17:6:10 N:P:K)を添加する。次いで、Osmocote(登録商標)が土壌表面より下になるよう維持しながら、畝間を塞ぐ。
【0039】
植物の繁殖
雑草植物−チャイニーズスプラングルトップ、レプトクロアキネンシス(Leptochloa chinensis)(LEFCH):小さい容器中で、無機質土壌80グラムを蒸留水40ミリリットル(mL)と混合して、粘着性スラリーを作る。レプトクロア(Leptochloa)種子1/4tsp(2〜4000個)をスラリーに添加し、徹底的に混合して種子を均等に分布させる。このスラリー約3グラムを各容器の片側に調製した泥の頂上に配置し、容器を横切って1〜2cmのバンドに薄く伸ばす。これは、1鉢当たり25〜50植物を産する。透明な収縮包装フィルムを使用して、テラリウムとしての役割を果たす容器を覆う。レプトクロア(Leptochloa)種子が発芽するまで、約5日間、マスキングテープにより包装フィルムを固定する。被覆した鉢を温室中18〜22℃の定温および50〜60%相対湿度に維持する。自然光に500のマイクロアインシュタイン(μEm)
−2s
−1光合成有効放射(PAR)の平均照度の1000ワット金属ハロゲン化物頭上ランプで補った。日長は16時間とした。
【0040】
雑草植物−イヌビエ、エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG):スプラングルトップ種子が発芽したら、スプラングルトップに沿って泥に浅いくぼみを作る。イヌビエ種子をこの溝に沿って撒き散らし、次いで、白い砂で覆う。これは、1鉢当たり約20〜30植物を産する。この段階で、蒸留水を植物材料の上にかけ、非常に湿性に維持する。チャイニーズスプラングルトップについて記載したのと同じ照明パラメータで温度を26〜28℃に維持したより温かい温室に鉢を移動させる。
【0041】
作物植物−水稲、イネ(Oryza sativa)亜種ジャポニカ種M202(ORYSJ):イヌビエを植えるのと同じ日に、イネも同じ方法論に従って鉢の泥に直接播種する。チャイニーズスプラングルトップおよびイヌビエに沿って泥に浅いくぼみを作り、種子をこの溝に沿って撒き散らし、次いで、白い砂で覆う。これも1鉢当たり約5〜8植物を産するはずである。
【0042】
植物を約8日間6〜8cmの高さに達するまで成長させる。
【0043】
除草剤評価のための湛水処理および水田施用法
植物が適当なサイズ(種々の種の成長段階は2〜4葉期に及んだ)に達したら、各植物の1〜2cmを表面より上にして容器を蒸留水で3cmの深さまで浸水する。表面積に調節した率で、液体製剤として除草剤処理剤を水田水に直接施用する。処理を2〜3回反復する。時折、未処理防除植物と比較して0〜100%のスケールで視覚的傷害の割合および雑草防除評価を行った(0は傷害無しまたは対照に相当し、100は植物の完全な枯死に相当する)。
【0044】
【表2】