【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の利点は、単一のセンサにおいて、少なくとも2つの機能(すなわち、カラー画像および距離画像測定量)と、好ましくは3つの機能(すなわち、カラー/深度/反射率測定量のような距離依存性要因)とを結合することにより少なくとも色/深度マップを提供することができる点である。好ましい実施形態では、不可視光のような距離依存性要因に基づいているマップ、例えば、所定のセンシング積分時間中にシーン内の物体によって反射された不可視光、例えば、IR光の量に対応するIR反射率マップを提供することができる。本発明の実施形態は、最小限の性能損失で両方の機能を結合するために最適な方法を提案する。本発明の実施形態の別の利点は、画素の光学的アクティブ部分、特に、深度測定領域を最大化することである。本発明の実施形態のさらなる利点は、空間的にZ画素を補間する必要性なしに、すなわち、位置合わせも空間エイリアシング誤差も回避するカラー画素、例えば、RGB画素上で、カラー/深度3D画像(例えば、RGBZ画像)を作成することである。空間エイリアシングは、カラー画素が不可視光画素、例えば、IR画素とは異なった場所にあるときに起こる可能性がある。このような状況では、補間は、異なった場所の間の距離を補償するために必要であることがある。
【0006】
本発明の実施形態は、画像の単一の画素に関連付けられた画素センサを備え、画素センサが、
−基板に入射する光に応答して電荷キャリアを発生可能な基板と、
−互いに隣接して配置され、画素センサに電気的に接触する第1および第2の接触素子と、
−第1の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第1の検出素子(314、404、504、604)と、
−第1の検出領域(301)の検出性を制御する手段と、
−第2の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第2の検出素子(316、401、500、600)と、
−第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第1のフィルタ素子と、
−第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーまたは波長範囲に関連付けられている第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第2のフィルタ素子と、
を備える、カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置を提供する。
本発明の実施形態は、3D画像センサ装置が複数の画素センサを有し、複数のセンサの各画素センサが単一の画素に関連付けられている、本発明に係るカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置を有している3D画像センサを提供する。
【0007】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態に係る画像センサ装置と、
−第1の検出素子の組に接続され、カラー値を出力とするカラー計算ユニットと、
−深度測定量、シーン照度測定量 例えば、信頼度マップ)を出力とするIR計算ユニットと、
を備える、カメラを提供する。
【0008】
本発明の態様によれば、各単一の画素は、不可視光、例えば、IRおよびカラーの両方のセンシングエリアが内部に組み込まれている。これらの2個の異なった画素の空間位置合わせは、ほぼ完全であり、補間は必要とされない。
【0009】
センサは、センシングユニットのアレイ(すなわち、画素アレイ)を含むことができ、各個別のセンシングユニットは、画像位置合わせと、2種類のセンシングエリアの間の表面再区分比と、電気接続と、製造設計とを最適化する特定の方法で空間的に配置された、少なくとも不可視光センシングエリア、例えば、IRセンシングエリアおよびカラーセンシングエリアを含む。
【0010】
不可視光測定、例えば、IR測定は、深度測定のために使用され得るが、TOFカメラシステムにおいて不可視光測定量、例えば、IR測定量から計算され得るその他の情報を提供することもできる。このようにして、測定量は、例えば、
−深度マップを決定する源である同相成分および直交成分
−深度関連要因から導出され得る信頼度マップ、例えば、不可視光またはIR反射率マップとすることができる。本発明のTOFセンサおよびカメラシステムにおける特定の利点は、反射率マップ計算のような距離依存性要因のマップの計算である。これは、エイリアシングの存在を検出するために使用され得る。
【0011】
センサは、シリコンに、SOI基板に、またはBSIを使用して実施され得る。
【0012】
一態様では、本発明は、画素センサアレイを備え、アレイの各素子が単一の画素センサに関連付けられ、各単一の画素センサが、
−基板に入射する光に応答して電荷キャリアを発生可能な基板と、
−画素センサに電気的に接触する第1および第2の接触素子と、
−第1の接触素子の側方に、かつ、第1接触素子に隣接して配置され、第1の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第1の検出素子(303、316、401、501、600)と、
−第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の不可視波長範囲(例えば、IR範囲)を持つ光を通過させるために構成されている第1のフィルタ素子と、
−第1の検出素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーに関連付けられている第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第2のフィルタ素子と、
を備える、カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置を提供する。
【0013】
カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置は、例えば、3Dカメラで使用され得る。
【0014】
カラーは、人間視覚系におけるカラー認識に対応するカラーの関連する敏感な刺激のことを指す。
【0015】
フィルタ素子は、第1および第2の検出素子の各々がそれぞれ異なった波長範囲を受容することを可能にする。一方の波長範囲は、不可視、例えば、IRドメインに入り、もう一方の範囲は、可視スペクトルに入る。
【0016】
画素センサは、
−第1の検出素子の側方に、かつ、第1の検出素子と共通の第1の側面に配置され、第1および第2の接触素子が第1および第2の接触素子の共通の第1の側面に対応している、第2の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第2の検出素子(314)と、
−第2の検出素子に重なる遮光素子と、
を備えることがある。
【0017】
画素センサは、第1および/または第2の検出素子から、検出素子または別の電荷蓄積素子であってもよい共通素子に電荷を転送することができる少なくとも電荷転送素子を備えることがある。
【0018】
画素センサは、
−エネルギーを供給されてもよく、供給されたエネルギーの量に基づいて(拡散によって)第2の検出素子から第1の検出素子に電荷キャリアを転送するために構成されている電荷キャリア拡散接触素子(320)
を備えることがある。
【0019】
画素センサは、
−検出素子および第1の接触素子の側方に、かつ、検出素子と第1の接触素子との間に配置され、第1のフィルタ素子が重なる、第2の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第2の検出素子(404、504、604)
を備えることがある。
【0020】
画素センサは、
−第1および第2の検出素子を互いに接続するスイッチング素子(414)
を備えることがある。
【0021】
画素センサは、
−第1のフィルタ素子が重なった第2の検出素子から検出された電荷キャリアを拡散的に受容するために構成されている電荷キャリア拡散素子(614)と、
−エネルギーを供給されてもよく、供給されたエネルギーの量に基づいて第2の検出素子から電荷キャリア拡散素子に電荷キャリアを拡散的に転送するために構成されている電荷キャリア拡散接触素子(605)と、
を備えることがある。
【0022】
画素センサは、
−第1の検出素子の側方に、かつ、第1の検出素子に隣接して配置され、第1の検出素子から検出された電荷キャリアを受容するために構成されている別の電荷キャリア拡散素子(501、601)と、
−エネルギーを供給されてもよく、供給されたエネルギーの量に基づいて第1の検出素子から別の電荷キャリア拡散素子に電荷キャリアを拡散的に転送するために構成されている別の電荷キャリア拡散接触素子(506、606)と、
を備えることがある。
【0023】
画素センサは、
−第1および第2の検出素子に接続され、検出素子からの検出された電荷キャリアおよび第2の検出素子からの検出された電荷キャリアを選択的に蓄積するために構成されているバッファ素子または読み出し素子(415、513、613)
をさらに備えることがある。
【0024】
画素センサは、
−第1および第2の検出素子を第1および第2の検出素子にエネルギーを供給するために構成されているエネルギー源に接続するために構成されている別のスイッチング素子(411、511、611)
を備えることがある。
【0025】
画素センサは、半導体ベースの構造体を備えることがあり、第1および第2の接触素子は、第1の導電型を持つ半導体領域を備え、第1の検出素子および/または第2の検出素子は、第2の導電型を持つ半導体領域を備える。
【0026】
場合によっては、第1の検出素子および/または第2の検出素子は、埋め込みフォトダイオードとして構成され得る。
【0027】
画素センサは、アレイの一部分でもよく、故に、
−第2の接触素子の側方に、かつ、第2の接触素子に隣接して配置され、発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている別の第1の検出素子と、
−前記別の第1の検出素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲とは異なり、かつ、別のカラーに関連付けられている別の第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている別の第2のフィルタ素子と、
を備えることがあり、
前記別の第1の検出素子は、第1および第2の接触素子の側方に、かつ、第1および第2の接触素子の共通の第2の側面に配置されている。
【0028】
好ましい実施形態は、複数の画素センサを備え、複数の画素センサのうちの各画素センサが画像の単一の画素に関連付けられ、
−基板に入射する光に応答して電荷キャリアを発生可能な基板と、
−互いに隣接して配置され、画素センサに電気的に接触する第1および第2の接触素子と、
−第1の接触素子の側方に、かつ、第1の接触素子に隣接して配置され、第1の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第1の検出素子と、
−第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第1のフィルタ素子と、
−第1の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーに関連付けられている第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第2のフィルタ素子と、
第1および/または第2の検出素子から、検出素子または別の電荷蓄積素子である共通素子に電荷を転送することができる少なくとも1つの電荷転送素子(320、414、506、605+606)を備える、カラー画像センサ装置である。
【0029】
カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置は、
−検出された電荷キャリアに基づいて光のカラーおよび走行距離を決定する決定ユニットを備えることがあるか、または、この決定ユニットと協働するために適応していることがある。場合によっては、決定ユニットは、単一の画像センサユニットからの検出された電荷キャリアに基づいて光の走行距離を決定するために構成されている。
【0030】
決定ユニットは、基板内、および/または、各画素の下に位置してもよく、電荷キャリアを:
−深度測定量
−反射率測定量のような距離依存性要因測定量
−カラー成分データ測定量
−場合によっては、I/Q相
を含むデジタルデータ値に変換するために計算を実行する処理ユニットを典型的に有している。決定ユニットは、ケーブルまたは無線接続のような好適な通信経路によってセンサに連結されている別個のユニットでもよい。
【0031】
決定ユニットは、複数の画素センサから受容された、検出された電荷キャリアに基づいて光の走行距離を決定するために構成されることがある。
【0032】
決定ユニットは、画像センサ装置の単一の捕捉事象の間に検出された、検出された電荷キャリアに基づいて光の走行距離を決定するために構成されている。
【0033】
代替的に、決定ユニットは、画像センサ装置の複数の捕捉事象の間に検出された、検出された電荷キャリアに基づいて光の走行距離を決定するために構成されてもよい。
【0034】
3D画像センサ装置は、場合によっては、電流アシストフォトニック復調器装置、フォトニック混合復調器装置、ドリフト・フィールド画素ベース復調器装置、または、空乏領域変調ベース復調器装置として構成されてもよい。
【0035】
別の態様では、本発明は、3D画像センサ装置において光を検出する方法であって、
−エネルギーを単一の画素に関連付けられた3D画像センサ装置の画素センサの第1および第2の接触素子に供給することと、
−第1のフィルタ素子が第1の波長範囲を持つ光を通過させるために構成され、第1のフィルタ素子が第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第2のフィルタ素子が第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成され、第2のフィルタ素子が画像センサユニットの第1の検出素子を備える基板の一部に重なり、第2の波長範囲が第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーに関連付けられ、画像センサユニットの第1および第2のフィルタを介して基板に入射する光に応答して画素センサの基板内の電荷キャリアに発生させることと、
−第1の検出素子(303、316、401、501、600)によって、発生させられた電荷キャリアを検出することと、
−電荷を検出素子または電荷蓄積素子であってよい共通素子に転送することと、
を備える方法を提供する。
【0036】
第1の検出素子は、第1の接触素子の側方に、かつ、第1の接触素子に隣接して配置されてもよく、第1の検出素子は、第1および第2の接触素子の側方に、かつ、第1および第2の接触素子の共通の第1の側面に配置されている。