特許第5977366号(P5977366)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5977366カラー不可視光センサ、例えば、IRセンサ、すなわち、マルチスペクトルセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977366
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】カラー不可視光センサ、例えば、IRセンサ、すなわち、マルチスペクトルセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20160817BHJP
   H01L 27/14 20060101ALI20160817BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20160817BHJP
   H04N 5/374 20110101ALI20160817BHJP
   H04N 9/07 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   H01L27/14 A
   H01L27/14 D
   H04N5/335 690
   H04N5/335 740
   H04N9/07 A
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-551615(P2014-551615)
(86)(22)【出願日】2013年1月10日
(65)【公表番号】特表2015-510259(P2015-510259A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2013050409
(87)【国際公開番号】WO2013104718
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2014年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】514011044
【氏名又は名称】ソフトキネティック センサー エヌブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル テンペル ワード
(72)【発明者】
【氏名】ファン ニューべホーフェ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クイジク マールティン
【審査官】 安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−086904(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1513202(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2081004(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/14−148
H04N 5/369−378
H04N 9/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の単一の画素に関連付けられた画素センサを備えるカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置であって、前記画素センサは、
−入射する光に応答して電荷キャリアが発生可能である基板と、
−前記基板に形成され、前記画素センサに電気的に接触する第1の接触素子(301、616)および第2の接触素子(302)と、
を備え、前記第1の接触素子および前記第2の接触素子は互いに隣接して配置されることを特徴とし、
前記画素センサは、
−前記基板に形成され、前記第1の接触素子と前記第2の接触素子との間である第1の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第1の検出素子(303、304、314、315、404、504、604)と、
前記第1の接触素子及び前記第2の接触素子を介して注入された多数キャリア電流を変調するよう構成されている、前記第1の検出領域(301)の検出性を制御する手段と、
−前記基板に形成され、第2の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第2の検出素子(303、304、316、401、500、600)と、
−前記第1の接触素子および前記第2の接触素子を備える前記基板の一部に重なり、第1の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されており、前記第1の検出領域内において光に感受性があるエリアを含む第1のフィルタ素子(311、409、509、609)と、
−前記第2の検出素子を覆いかつ前記第1のフィルタ素子と重ならない前記基板の一部に重なり、前記第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーに関連付けられている第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第2のフィルタ素子(309、310、408、508、608)と、
を更に備え、
前記第1の検出素子および前記第2の検出素子(303、304、316、314、315、401、404、504、600、604)は、前記第1の接触素子および前記第2の接触素子(301、302、616)が前記第1の検出素子および前記第2の検出素子(303、304、316、314、315、401、404、504、600、604)の検出性を制御できるように、前記第1の接触素子又は前記第2の接触素子(301、302、616)の側方に設置され、前記第1の接触素子と前記第2の接触素子の間に設置されることがなく、
前記画素センサは、半導体ベースの構造体を備え、
前記基板、前記第1の接触素子および前記第2の接触素子は、第1の導電型を持つ半導体領域を備え、前記第1の検出素子および前記第2の検出素子は、第2の導電型を持つ半導体領域を備える、カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項2】
前記画素センサは、
−前記第1の検出素子および/または前記第2の検出素子から、検出素子またはその他の電荷蓄積素子である共通素子に電荷を転送することができる少なくとも1つの電荷転送素子(320、414、506、605、606)
をさらに備える、請求項1に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項3】
前記第1の検出素子は、前記第2の検出素子にもなるように配置されている、請求項1又は2に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項4】
前記電荷転送素子(320、321)は、前記第1の検出素子から前記第2の検出素子に、または、前記第2の検出素子から前記第1の検出素子に電荷を転送し、遮光素子(312)が前記第2の検出素子に重なる、請求項に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項5】
前記電荷転送素子(320)は、エネルギーを供給されることができ、電荷キャリア素子は、供給されたエネルギーの量に基づいて前記第2の検出素子から前記第1の検出素子に拡散により前記電荷キャリアを転送するために構成されている、請求項2又は4に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項6】
前記画素センサは、
−前記第1の検出素子および前記第2の検出素子を互いに接続するために構成されているスイッチング素子(414)
をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項7】
前記画素センサは、
−前記第1の検出素子(604)から検出された電荷キャリアを受容するために構成されている電荷キャリア蓄積素子(614)と、
−エネルギーを供給されることができ、供給されたエネルギーの量に基づいて前記第1の検出素子から前記電荷キャリア蓄積素子に電荷キャリアを転送するために構成されている、電荷キャリア転送素子(605)と、
をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項8】
前記画素センサは、
−前記第2の検出素子に近接して側方に配置され、前記第2の検出素子(500、600)から検出された電荷キャリアを受容するために構成されている第2の電荷キャリア蓄積素子(501、601)と、
−エネルギーを供給されることができ、供給されたエネルギーの量に基づいて前記第2の検出素子から前記第2の電荷キャリア蓄積素子に電荷キャリアを転送するために構成されている第2の電荷キャリア転送素子(506、606)と、
をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項9】
前記画素センサは、
−前記第1および/または第2の蓄積もしくは検出素子に接続され、前記第1および/または第2の蓄積もしくは検出素子上の信号を非破壊的に増幅またはバッファリングまたはコピーするために構成されている読み出し素子(415、513、613)
をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項10】
前記画素センサは、
−前記第1の検出素子および前記第2の検出素子を前記第1の検出素子および前記第2の検出素子にエネルギーを供給するために構成されているエネルギー源に接続するために構成されている第2のスイッチング素子(411、511、611)
をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項11】
前記第1の検出素子および検出性制御手段と一体となった前記第1の検出領域は、電流アシストフォトニック復調器装置、フォトニック混合復調器装置、ドリフト・フィールド画素ベース復調器装置、または、空乏領域変調ベース画素復調器装置として構成されている、請求項1から1のいずれか一項に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【請求項12】
前記第1のフィルタ素子は、フィルタ素子の積み重ねであり、前記積み重ねの各フィルタ素子は、ある種の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている、請求項1から1のいずれか一項に記載のカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深度測定、反射率測定、およびカラー測定のための、ならびに、3D画像データまたは3D画像の発生のためのTOFカメラ等のカメラで使用可能なカラー不可視光センサ、例えば、IRセンサ、すなわち、マルチスペクトルセンサと、カメラ自体と、これらを動作させる方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラは、平面受容表面を有し、この表面に基づいて、x、yがカメラのこの表面の平面内にあり、zがカメラの光路に沿った軸である座標系が定義することができる。タイム・オブ・フライト画像化システムは、LED、または、レーザ、例えば、レーザダイオードから放出されたパルス状の光と反射パルスとの間の時間差または位相差を測定する。3Dタイム・オブ・フライト画像化システムでは、重大な機能は、カメラの視野内のシーンのzデータ(zは、測定された深度マップである)だけではなく、観察されるシーンのIR照度およびカラーデータも提供することと、さらに、例えば、少なくともいくつかのカラー成分および深度値を組み込む3D形式でシーン自体の画像を提供することである。このようにするために、2台のカメラを使用することが可能である。別の実施選択肢は、単一のカメラに2組の画素アレイ(2台のセンサ)を入れることである。どちらの方法でも、このようなカラーデータは、このとき、2台の別個のセンサおよびレンズ系を含んでいるシステムによって構築される。部品代金の増大に加えて、このアプローチは、画素カラーデータを深度データ上にマッピングするために、そして、逆の場合も同様に、注意深いキャリブレーションおよび集約的な計算を必要とする。いわゆる画像位置合わせプロセスは、2つの画像化システムが同じ光学的性質を有しているレンズを含むとは限らないこと、これらが同じ解像度を有することもないこと、そして、これらが必ずしも十分に位置合わせされていないことを理由とする。
【0003】
米国特許出願公開第20110074989号明細書は、深度測定アクティブ領域の最適化の必要性も、画素空間配置構成を深度感知することから起こることがある空間エイリアシングの最適化の必要性も考慮することなく、R、GまたはB画素を深度測定画素と結合する方法を提供する。付加的に、RGBZ画像は、位置合わせ誤差に陥りやすいRGB画素上でZ画素を補間することにより作成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、少なくとも3Dデータと、より好ましい実施形態では、カラーデータ、および、不可視光反射率のような距離依存性要因に関係している付加データ、例えば、IR反射率データ測定量とを提供するために、TOFカメラのようなカメラで使用され得る従来のものとは異なる不可視光センサ、例えば、IRカラーセンサ、すなわち、マルチスペクトルセンサと、カメラ自体と、これらを動作させる方法とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の利点は、単一のセンサにおいて、少なくとも2つの機能(すなわち、カラー画像および距離画像測定量)と、好ましくは3つの機能(すなわち、カラー/深度/反射率測定量のような距離依存性要因)とを結合することにより少なくとも色/深度マップを提供することができる点である。好ましい実施形態では、不可視光のような距離依存性要因に基づいているマップ、例えば、所定のセンシング積分時間中にシーン内の物体によって反射された不可視光、例えば、IR光の量に対応するIR反射率マップを提供することができる。本発明の実施形態は、最小限の性能損失で両方の機能を結合するために最適な方法を提案する。本発明の実施形態の別の利点は、画素の光学的アクティブ部分、特に、深度測定領域を最大化することである。本発明の実施形態のさらなる利点は、空間的にZ画素を補間する必要性なしに、すなわち、位置合わせも空間エイリアシング誤差も回避するカラー画素、例えば、RGB画素上で、カラー/深度3D画像(例えば、RGBZ画像)を作成することである。空間エイリアシングは、カラー画素が不可視光画素、例えば、IR画素とは異なった場所にあるときに起こる可能性がある。このような状況では、補間は、異なった場所の間の距離を補償するために必要であることがある。
【0006】
本発明の実施形態は、画像の単一の画素に関連付けられた画素センサを備え、画素センサが、
−基板に入射する光に応答して電荷キャリアを発生可能な基板と、
−互いに隣接して配置され、画素センサに電気的に接触する第1および第2の接触素子と、
−第1の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第1の検出素子(314、404、504、604)と、
−第1の検出領域(301)の検出性を制御する手段と、
−第2の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第2の検出素子(316、401、500、600)と、
−第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第1のフィルタ素子と、
−第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーまたは波長範囲に関連付けられている第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第2のフィルタ素子と、
を備える、カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置を提供する。
本発明の実施形態は、3D画像センサ装置が複数の画素センサを有し、複数のセンサの各画素センサが単一の画素に関連付けられている、本発明に係るカラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置を有している3D画像センサを提供する。
【0007】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態に係る画像センサ装置と、
−第1の検出素子の組に接続され、カラー値を出力とするカラー計算ユニットと、
−深度測定量、シーン照度測定量 例えば、信頼度マップ)を出力とするIR計算ユニットと、
を備える、カメラを提供する。
【0008】
本発明の態様によれば、各単一の画素は、不可視光、例えば、IRおよびカラーの両方のセンシングエリアが内部に組み込まれている。これらの2個の異なった画素の空間位置合わせは、ほぼ完全であり、補間は必要とされない。
【0009】
センサは、センシングユニットのアレイ(すなわち、画素アレイ)を含むことができ、各個別のセンシングユニットは、画像位置合わせと、2種類のセンシングエリアの間の表面再区分比と、電気接続と、製造設計とを最適化する特定の方法で空間的に配置された、少なくとも不可視光センシングエリア、例えば、IRセンシングエリアおよびカラーセンシングエリアを含む。
【0010】
不可視光測定、例えば、IR測定は、深度測定のために使用され得るが、TOFカメラシステムにおいて不可視光測定量、例えば、IR測定量から計算され得るその他の情報を提供することもできる。このようにして、測定量は、例えば、
−深度マップを決定する源である同相成分および直交成分
−深度関連要因から導出され得る信頼度マップ、例えば、不可視光またはIR反射率マップとすることができる。本発明のTOFセンサおよびカメラシステムにおける特定の利点は、反射率マップ計算のような距離依存性要因のマップの計算である。これは、エイリアシングの存在を検出するために使用され得る。
【0011】
センサは、シリコンに、SOI基板に、またはBSIを使用して実施され得る。
【0012】
一態様では、本発明は、画素センサアレイを備え、アレイの各素子が単一の画素センサに関連付けられ、各単一の画素センサが、
−基板に入射する光に応答して電荷キャリアを発生可能な基板と、
−画素センサに電気的に接触する第1および第2の接触素子と、
−第1の接触素子の側方に、かつ、第1接触素子に隣接して配置され、第1の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第1の検出素子(303、316、401、501、600)と、
−第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の不可視波長範囲(例えば、IR範囲)を持つ光を通過させるために構成されている第1のフィルタ素子と、
−第1の検出素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーに関連付けられている第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第2のフィルタ素子と、
を備える、カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置を提供する。
【0013】
カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置は、例えば、3Dカメラで使用され得る。
【0014】
カラーは、人間視覚系におけるカラー認識に対応するカラーの関連する敏感な刺激のことを指す。
【0015】
フィルタ素子は、第1および第2の検出素子の各々がそれぞれ異なった波長範囲を受容することを可能にする。一方の波長範囲は、不可視、例えば、IRドメインに入り、もう一方の範囲は、可視スペクトルに入る。
【0016】
画素センサは、
−第1の検出素子の側方に、かつ、第1の検出素子と共通の第1の側面に配置され、第1および第2の接触素子が第1および第2の接触素子の共通の第1の側面に対応している、第2の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第2の検出素子(314)と、
−第2の検出素子に重なる遮光素子と、
を備えることがある。
【0017】
画素センサは、第1および/または第2の検出素子から、検出素子または別の電荷蓄積素子であってもよい共通素子に電荷を転送することができる少なくとも電荷転送素子を備えることがある。
【0018】
画素センサは、
−エネルギーを供給されてもよく、供給されたエネルギーの量に基づいて(拡散によって)第2の検出素子から第1の検出素子に電荷キャリアを転送するために構成されている電荷キャリア拡散接触素子(320)
を備えることがある。
【0019】
画素センサは、
−検出素子および第1の接触素子の側方に、かつ、検出素子と第1の接触素子との間に配置され、第1のフィルタ素子が重なる、第2の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第2の検出素子(404、504、604)
を備えることがある。
【0020】
画素センサは、
−第1および第2の検出素子を互いに接続するスイッチング素子(414)
を備えることがある。
【0021】
画素センサは、
−第1のフィルタ素子が重なった第2の検出素子から検出された電荷キャリアを拡散的に受容するために構成されている電荷キャリア拡散素子(614)と、
−エネルギーを供給されてもよく、供給されたエネルギーの量に基づいて第2の検出素子から電荷キャリア拡散素子に電荷キャリアを拡散的に転送するために構成されている電荷キャリア拡散接触素子(605)と、
を備えることがある。
【0022】
画素センサは、
−第1の検出素子の側方に、かつ、第1の検出素子に隣接して配置され、第1の検出素子から検出された電荷キャリアを受容するために構成されている別の電荷キャリア拡散素子(501、601)と、
−エネルギーを供給されてもよく、供給されたエネルギーの量に基づいて第1の検出素子から別の電荷キャリア拡散素子に電荷キャリアを拡散的に転送するために構成されている別の電荷キャリア拡散接触素子(506、606)と、
を備えることがある。
【0023】
画素センサは、
−第1および第2の検出素子に接続され、検出素子からの検出された電荷キャリアおよび第2の検出素子からの検出された電荷キャリアを選択的に蓄積するために構成されているバッファ素子または読み出し素子(415、513、613)
をさらに備えることがある。
【0024】
画素センサは、
−第1および第2の検出素子を第1および第2の検出素子にエネルギーを供給するために構成されているエネルギー源に接続するために構成されている別のスイッチング素子(411、511、611)
を備えることがある。
【0025】
画素センサは、半導体ベースの構造体を備えることがあり、第1および第2の接触素子は、第1の導電型を持つ半導体領域を備え、第1の検出素子および/または第2の検出素子は、第2の導電型を持つ半導体領域を備える。
【0026】
場合によっては、第1の検出素子および/または第2の検出素子は、埋め込みフォトダイオードとして構成され得る。
【0027】
画素センサは、アレイの一部分でもよく、故に、
−第2の接触素子の側方に、かつ、第2の接触素子に隣接して配置され、発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている別の第1の検出素子と、
−前記別の第1の検出素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲とは異なり、かつ、別のカラーに関連付けられている別の第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている別の第2のフィルタ素子と、
を備えることがあり、
前記別の第1の検出素子は、第1および第2の接触素子の側方に、かつ、第1および第2の接触素子の共通の第2の側面に配置されている。
【0028】
好ましい実施形態は、複数の画素センサを備え、複数の画素センサのうちの各画素センサが画像の単一の画素に関連付けられ、
−基板に入射する光に応答して電荷キャリアを発生可能な基板と、
−互いに隣接して配置され、画素センサに電気的に接触する第1および第2の接触素子と、
−第1の接触素子の側方に、かつ、第1の接触素子に隣接して配置され、第1の検出領域内で発生させられた電荷キャリアを検出するために構成されている第1の検出素子と、
−第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第1のフィルタ素子と、
−第1の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーに関連付けられている第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第2のフィルタ素子と、
第1および/または第2の検出素子から、検出素子または別の電荷蓄積素子である共通素子に電荷を転送することができる少なくとも1つの電荷転送素子(320、414、506、605+606)を備える、カラー画像センサ装置である。
【0029】
カラーまたはマルチスペクトル画像センサ装置は、
−検出された電荷キャリアに基づいて光のカラーおよび走行距離を決定する決定ユニットを備えることがあるか、または、この決定ユニットと協働するために適応していることがある。場合によっては、決定ユニットは、単一の画像センサユニットからの検出された電荷キャリアに基づいて光の走行距離を決定するために構成されている。
【0030】
決定ユニットは、基板内、および/または、各画素の下に位置してもよく、電荷キャリアを:
−深度測定量
−反射率測定量のような距離依存性要因測定量
−カラー成分データ測定量
−場合によっては、I/Q相
を含むデジタルデータ値に変換するために計算を実行する処理ユニットを典型的に有している。決定ユニットは、ケーブルまたは無線接続のような好適な通信経路によってセンサに連結されている別個のユニットでもよい。
【0031】
決定ユニットは、複数の画素センサから受容された、検出された電荷キャリアに基づいて光の走行距離を決定するために構成されることがある。
【0032】
決定ユニットは、画像センサ装置の単一の捕捉事象の間に検出された、検出された電荷キャリアに基づいて光の走行距離を決定するために構成されている。
【0033】
代替的に、決定ユニットは、画像センサ装置の複数の捕捉事象の間に検出された、検出された電荷キャリアに基づいて光の走行距離を決定するために構成されてもよい。
【0034】
3D画像センサ装置は、場合によっては、電流アシストフォトニック復調器装置、フォトニック混合復調器装置、ドリフト・フィールド画素ベース復調器装置、または、空乏領域変調ベース復調器装置として構成されてもよい。
【0035】
別の態様では、本発明は、3D画像センサ装置において光を検出する方法であって、
−エネルギーを単一の画素に関連付けられた3D画像センサ装置の画素センサの第1および第2の接触素子に供給することと、
−第1のフィルタ素子が第1の波長範囲を持つ光を通過させるために構成され、第1のフィルタ素子が第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第2のフィルタ素子が第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成され、第2のフィルタ素子が画像センサユニットの第1の検出素子を備える基板の一部に重なり、第2の波長範囲が第1の波長範囲とは異なり、かつ、カラーに関連付けられ、画像センサユニットの第1および第2のフィルタを介して基板に入射する光に応答して画素センサの基板内の電荷キャリアに発生させることと、
−第1の検出素子(303、316、401、501、600)によって、発生させられた電荷キャリアを検出することと、
−電荷を検出素子または電荷蓄積素子であってよい共通素子に転送することと、
を備える方法を提供する。
【0036】
第1の検出素子は、第1の接触素子の側方に、かつ、第1の接触素子に隣接して配置されてもよく、第1の検出素子は、第1および第2の接触素子の側方に、かつ、第1および第2の接触素子の共通の第1の側面に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1a図1aは、各画素が相関Cおよびカラー成分R、G、Bを時間的に順次または同時に捕捉するセンサ実施パターンを示した図である。各画素の相関Cは、アレイ内の画素の全体に亘って同じ相関成分であってよい、または、パターンに従って配置されてもよい。
図1b図1bは、各画素が相関Cおよびカラー成分R、G、BまたはWを時間的に順次または同時に捕捉するセンサ実施パターンを示した図である。各画素のこの相関Cは、アレイ内の画素の全体に亘って同じ相関成分であってよい、または、パターンに従って配置されてもよい。
図1c図1cは、各画素が相関C、より具体的には、各々が異なった相関成分であるI、Qと、カラー成分R、G、Bと、を時間的に順次または同時に捕捉するセンサ実施パターンを示した図である。相関IおよびQは、パターンで配置されている。
図1d図1dは、各画素が相関C、より具体的には、各々が異なった相関成分であるI、Qと、カラー成分R、G、Bと、を時間的に順次または同時に捕捉するセンサ実施パターンを示した図である。相関IおよびQは、別のパターンで配置されている。
図2a図2aは、各画素が相関Cと、カラー成分R、G、Bの組とを時間的に順次または同時に捕捉するセンサ実施パターンを示した図である。各画素の相関Cは、アレイ内の画素の全体に亘って同じ相関成分であってよい、または、パターンに従って配置されてもよい。
図2b図2bは、各画素が相関Cと、カラー成分R、G、B、Wの組とを時間的に順次または同時に捕捉するセンサ実施パターンを示した図である。各画素の相関Cは、アレイ内の画素全体に亘って同じ相関成分であってよい、または、パターンに従って配置されてもよい。
図3図3は、カラーおよび相関の両方の成分を単一のアーキテクチャで捕捉できる本発明の実施形態を示した図である。
図3b図3bは、カラーおよび相関の両方の成分が単一のアーキテクチャで捕捉できる本発明の別の実施形態を示した図である。
図4図4は、カラーおよび相関の両方の成分を単一のアーキテクチャで捕捉できる本発明の別の実施形態を示した図である。
図5図5は、カラーおよび相関の両方の成分を単一のアーキテクチャで捕捉できる本発明の別の実施形態を示した図である。
図6図6は、カラーおよび相関の両方の成分を単一のアーキテクチャで捕捉できる本発明の別の実施形態を示した図である。
図7図7は、タイム・オブ・フライト・システム・アーキテクチャおよび本発明の実施形態を具体化する方法を示した図である。
図8図8は、典型的なRGBカラーフィルタと、本発明において請求項に記載されたカラーフィルタの戦略的な結合との透過プロファイルを示した図である。
図9図9は、カラーフィルタの戦略的な積み重ねを使用する本発明の実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、特有の実施形態に関連して、かつ、いくつかの図面を参照して説明されることになるが、本発明は、これらに限定されない。記載された図面は、単に概略であり、限定的ではない。図面中、素子のうちのいくつかのサイズは、例示の目的のために誇張され、正しい縮尺で描かれていない。
【0039】
本発明の実施形態では、(RGBのような)カラーおよび/または深度(Z)および/または信頼度マップの統合が単に実施例としてCAPD(電流アシストフォトニック復調器)装置について記載されている。いくつかの実施形態におけるこれらのCAPD装置は、電気光学復調タイム・オブ・フライト装置で使用される。本発明は、CAPD装置に制限されることなく、フォトニック混合装置(PMD、Panasonic、Mesa)、ドリフト・フィールド画素(Mesa)、空乏領域変調ベース画素(Canesta)およびその他のような復調装置と共に使用することができる。
【0040】
図1aは、本発明の第1の実施形態を示す。同図は、個別の画素101、102、103、104が不可視光、例えば、深度(Z)を再構成する少なくとも1つの相関成分(C)であるIR成分を捕捉する能力を持ち、そして、少なくとも1つのカラー成分を捕捉する能力を持つという画素のパターンを例示する。不可視光成分、例えば、IR成分は、観察されている物体からの反射された不可視光、例えば、IR光の反射率値のような距離依存性要因をさらに提供することができる。その他の距離依存性要因は、スペックルパターン、または、物体に積極的に投影されたパターンであってもよい。距離依存性要因は、信頼度レベルを発生させるために使用されてもよい。カラー成分は、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、W(白)などであってよい。カラーパターンは、Bayer、RGBWなどのような最新技術のパターンに従って実施されてもよい。各画素は、ほぼ完全な位置合わせの利点をもたらす深度および色を再構成するために使用されてもよい。アレイ内の画素は、必ずしも同じ相関成分を捕捉することがない。例えば、図1cは、同相相関成分Iを測定する画素と、直交相関成分Qを測定するその他の画素とを含んでいるパターンを示す。その他のパラメータは、同相相関I、非同相相関否定(I)、直交Q、および、逆直交否定(Q)が測定される本発明の範囲に包含されている。付加的に、測定された相関成分は、1フレームの内部で、または、フレーム毎に時間的に変化していてもよい。例えば、捕捉された相関成分パターンは、図1cに示されたパターンと図1bに示されたパターンとの間で交互に変化することがあり得る。
【0041】
図1bは、画素が深度を再構成する少なくとも1つの相関成分と、少なくとも1つのカラー成分R(赤)、G(緑)、B(青)またはW(白)とを捕捉する能力を持つ本発明の第2の実施形態を示す。
【0042】
多数の方法を、空間的に分布した、時間的に分布した、または、空間的かつ時間的に分布した相関成分を使用して深度を再構成するために挙げることができる。画素深度(Z)は、単一の画素および単一の捕捉を使用して取得されてもよい。各画素は、このようして、単一の光学的捕捉(または露光)中に、深度再構成のために必要とされる全ての相関成分を測定する。
【0043】
あるいは、画素深度(Z)は、各画素が深度再構成のために必要な相関成分を測定する2つ以上の画素および単一の捕捉を使用して取得されてもよい。各画素は、このようにして、少なくとも1つの相関成分を測定し、近傍画素を使用して欠けている相関成分を補間することがある。相関成分の整合性をチェックする方法は、無相関の相関成分を結合することを回避するために使用されてもよい。近傍の相関成分の全エネルギーを本来の相関成分と比較することがあり得る。近傍は、このとき、エネルギーが本来の相関成分におよそ等しい場合、欠けている相関成分の補間だけに寄与することがある。
【0044】
あるいは、画素深度(Z)は、各画素が2回以上の光学的捕捉に亘って広げられた深度再構成のために必要な相関成分を測定する単一の画素および複数の捕捉を使用して取得されてもよい。相関成分の捕捉の時間的な広がりは、動的シーンに誤りを生じさせる。物体の運動に起因して、時間的に、空間相関は、相関させられないかもしれない(同じ物体から情報を測定する、と読める)。この場合も、相関成分の整合性をチェックする方法は、無相関の相関成分を結合することを回避するために使用されてもよい。
【0045】
あるいは、画素深度(Z)は、前出の可能性の組み合わせを使用して、例えば、2つ以上の画素と2回以上の捕捉とを使用して取得されてもよい。相関成分全体に亘って整合性を決定する方法が適用されてもよい。
【0046】
図2aは、本発明の第2の実施形態を示す。画素201のような画素が深度を再構成する少なくとも1つの相関成分と、3つのカラー成分R、G、B(202、203、204、205)とを測定する能力を持つ画素のパターンが例示されている。
【0047】
図2bは、本発明の第2の実施形態の変形を示す。画素211のような画素が深度を再構成する少なくとも1つの相関成分と、4つのカラー成分R、G、B、W(212、213、214、215)とを測定する能力を持つ画素のパターンが例示されている。
【0048】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す。
【0049】
記載された本発明の実施形態では、CAPDが復調画素として選択されるが、実施は、復調装置と独立であってもよい。
【0050】
図3aには、電流アシストフォトニック復調器が示され、電界307が基板端子301および302の間に、または、換言すると、第1および第2の接触素子301および302の間に流れる多数キャリア電流によって基板308に誘起されている(または逆の場合も同様である)。端子301と302との間の基板は、電磁放射線、すなわち、例えば、光のような入射電磁放射線に感受性がある第1のエリアを形成し、基板内にキャリアを発生させる。発生、例えば、動作の速度に有効である放射線の波長は、使用された基板の材料と、温度のようなその他の要因とに依存する。基板接点または接触素子301、302に並んでいるのは、それぞれ、第2のエリアにおいてそれぞれ検出接合部305、306が付いている第1および第2の検出器303、304である。同図において、これらは、それぞれの基板接点に関して外側方向で側方に位置付けられているが、検出器の位置は、それぞれの基板接点の周りのいかなる方向であってよい。第2のエリアは、可視光に感受性があってもよい。(接触素子301および302を使用して)第1の感受性エリア内の多数キャリア電流の方向および/または密度または振幅を修正することにより、または、注入された多数キャリア電流を変調することにより、第1の検出器303および304(すなわち、検出接合部305を備える第1の検出器303、および検出接合部306を備える第2の検出器304)の検出性は、制御されてもよい。図3に示された実施形態では、センサは、半導体ベースの基板において接触素子のためのpドープ型領域と検出素子のためのnドープ型領域とを備える。換言すると、画素センサは、半導体ベースの構造体を備え、第1および第2の接触素子は、第1の導電型を持つ半導体領域を備え、第1の検出素子および/または第2の検出素子は、第2の導電型を持つ半導体領域を備える。
【0051】
CAPDは、少なくとも1個から何個もの復調ノードを有してもよく、検出器(303)、検出接合部(305)、および、基板接点または接触素子(301)を備える、または、検出器(303)、検出接合部(305)、および、基板接点または接触素子(301)で構成されている復調ノードが復調ノードを形成する。
【0052】
第1および第2の検出器303および304は、従来技術では、金属のような不透明材料で覆われている。なぜならば、検出接合部の付近で光子によって発生させられた電子がもはや復調される可能性がなく、パルス状の不可視光、例えば、IR光測定量に対して、IQ直交および/または反射率測定量および/または深度測定量を決定するために使用されるエネルギーの遅延、位相および量を備える測定信号に寄与しないからである。このエリアは、しかし、非常に小さい。10ミクロン×10ミクロンの画素に対して、第2の感光性エリアは、検出ノード自体より遥かに大きくなる可能性があるので、僅かに1ミクロン×1ミクロンの検出ノードが使用されてもよい。面積比1:100は、簡単な方法で達成されてもよい。
【0053】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの検出および/または変換ノード(303、304)は、例えば、光学可視範囲内にある人間視覚系のカラー認識に対応することがある1つの周波数または周波数範囲を持つ光を透過する第1のフィルタ309および310で覆われるが、第1の感受性エリアの大半または全部は、可視光を遮断し、第2の周波数または周波数範囲を持つ電磁放射線、例えば、NIR光のような不可視光を透過する第2の(例えば、NIR)フィルタ311で覆われる。このフィルタは、限定されることなく、タイム・オブ・フライト測定が動作する波長または波長範囲を通すローパスフィルタまたはバンドパスフィルタであってよい。第2のフィルタ311は、図9に示されるように、所要のスペクトル応答が2つ以上のカラーフィルタを重ねることにより作成された、カラーフィルタ(901)の積み重ねということもある。図8は、青(801)、緑(802)および赤(804)応答を作成する典型的なフィルタ応答の集合を示す。図3におけるフィルタ311は、例えば、フィルタ応答(805)を作成する青(801)および赤(804)の重なりによって作成されてもよい。青および赤の重なりが好ましい。図9は、カラーフィルタの戦略的な重なり(901)を使用する本発明の実施形態を示す。バンドパス効果を作り出すために、付加的な単純なショートパスフィルタ(803)は、センサ装置の完全な光学エリア、または、パッケージレベルのどちらかで蒸着させられてもよい。このフィルタ積み重ねは、本発明における実施形態のどれにでも適用されてもよい。換言すると、フィルタ素子は、フィルタ素子の積み重ねでもよく、積み重ねの中の各フィルタ素子は、所定のフィルタ応答を達成するために、ある種の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている。フィルタ303、304は、スペクトル応答において等しくてよいが、不可欠ではない。このように、本発明の実施形態は、第1および第2の接触素子を備える基板の一部に重なり、第1の感受性エリアを含み、第1の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第1のフィルタ素子と、第2の感応性エリアおよび第2の検出素子を備える基板の一部に重なり、人間視覚系の可視スペクトルに含まれる第1の波長範囲とは異なり、より詳しくは、上記人間視覚系のカラー認識に対応している第2の波長範囲を持つ光を通過させるために構成されている第2のフィルタ素子とを開示する。
【0054】
換言すると、図3に例示された実施形態では、接触素子(301)から(302)までを含む領域が第1の検出領域であると考えられることがある。この第1の検出領域内で発生させられた電荷は、次に、第1の検出素子(303)および(304)によって検出される。検出接合部(305)または(306)によって画定された領域は、第2の検出領域であると考えられることがある。この第2の検出領域内で発生させられた電荷は、本実施形態では、第1の検出素子(303)および(304)とそれぞれ同じである第2の検出素子(303)および(304)によって検出されることがある。
【0055】
この装置は、時間的に順次または同時に、カラーおよび相関の両方の情報を捕捉できる。相関情報は、相関情報および/または反射率測定量(すなわち、反射パルスのエネルギーの量)を含むIR関連データのような不可視データ光であってよい。これは、信頼度レベルを発生させるために使用されてもよい。
【0056】
同時が好ましい。カラー情報は、相関成分に重畳されたDC成分であることがある。多数キャリア電流が注入されない場合、バルクの第1の感受性エリア内のNIR光が発生させた少数キャリアは、電界も検出接合部も受けることがなく、これらのキャリアの大半は、検出されることなく再結合することになる。本モードでは、画素は、第1および第2の検出器303および304と第2の感受性エリアに直接的に影響を与えているカラー情報だけを検出している。
【0057】
図3bは、CAPDの検出器が第2の感受性エリアが関連している埋め込みフォトダイオード314、315として実施された本発明の別の実施形態を例示する。これは、相関成分がリセット雑音の追加なしに潜在的に捕捉できるという利点をもたらす。フォトダイオード314、315をそれぞれ含む第1および第2の検出器の各々に対して、フローティング拡散部316、317は、第2の感受性エリアを設けるために近傍のpウェル318、319でそれぞれ実施されている。pウェルの外側にフローティング拡散領域を実施することが可能であるが、埋め込みダイオードによって検出されることが意図されている電子は、最後にはフローティング拡散部によって検出されるかもしれない。したがって、pウェル領域内でフローティング拡散部を実施することが好ましい。近傍のpウェル318、319は、それぞれ基板接点301、302に対応する。これらの基板接点は、基板接点301、302の間で基板内に注入された多数キャリア電流を変調および/または交互に変化させる埋め込みフォトダイオードの検出性を制御するために使用される。検出後、埋め込みフォトダイオード314、315に蓄積された電荷は、転送ゲート321をそれぞれ使用してフローティング拡散部316、317に転送される可能性がある。換言すると、転送ゲート320および321は、検出素子から共通素子に電荷を転送する電荷転送素子であると考えられることがあり、この共通素子は、今度は、検出素子または何らかのその他の電荷蓄積素子であることもある。電荷キャリアの転送は、拡散によってさらに行われることがある。本発明の実施形態は、これらの電荷を検出素子または電荷蓄積素子であってよい共通素子に転送することを開示する。
【0058】
フォトダイオード314、315の検出性の制御は、フォトダイオードの表面上でp型ピニング層を変調することによりさらに達成されてもよい。フォトダイオードエッジに関してピニング層を側方に延長することにより、ピニング層は、基板308、または、基板接点との境界面を有し、関連したフォトダイオードの検出性を制御するため、変調された多数キャリア電流を注入するために使用されてもよい。
【0059】
カラー情報は、フローティング拡散部316、317において捕捉され、フォトダイオード314、315における電荷の転送前に読み取られてもよい。フローティング拡散部316、317は、このようにして、相関成分情報のための変換ノードとしての、カラー情報のための検出ノードとしての、そして、カラー情報のための変換ノードとしての機能を果たす。カラーフィルタ309、310は、それぞれフローティング拡散部316、317を覆い、タイム・オブ・フライト・システムの動作波長をスペクトル通過させるNIRフィルタ311は、接点301および302の間で第1の感受性エリアを覆う。検出器314、315は、好ましくは、これらの検出器の直接露光を低減するために、したがって、復調のコントラストを最適化するために金属遮蔽物(312)のような光遮蔽素子としての不透明材料で覆われる。利点は、カラー情報が今度は異なったノードで検出され、したがって、測定された相関成分のSNRを低下させないことである。
【0060】
換言すると、図3bに例示されたとおりの実施形態では、第1の検出素子は、第1および第2の接触素子(301)から(302)までを含む第1の検出領域内で発生させられた電荷を検出する埋め込みフォトダイオード(314)および/または(315)である。フローティング拡散(316)および/または(317)は、このとき、第2のフィルタ素子(309)および/または(310)を通過した放射線によって発生させられた電荷のための第2の検出素子として考えることができる。
【0061】
図4は、本発明の別の実施形態を例示する。CAPD 403の復調ノード404、405が示されている。検出器404は、バッファまたは読み出し素子415に電気接続され、スイッチ411を使用して電圧412にリセットされてもよい。CAPD、すなわち、第1の感受性エリアは、タイム・オブ・フライト・システムの動作波長を通過させるNIRパスフィルタ409で覆われる。検出器404自体は、場合によっては、金属遮蔽物で覆うことができる。検出接合部402付きの検出器401は、同様に画素内で実施される。検出器401は、カラーフィルタ408で覆われ、第2の感受性エリアに関連付けられている。CAPDに関する画素内の検出器401の場所は、自由に選択することができる。場合によっては、検出器401は、CAPD 403によって使用された画素エリアの内側にさえ位置していてもよい。検出器401は、場合によっては、スイッチ410を使用して電圧413にリセットされてもよい。検出器401は、スイッチ414および411を介してリセットされてもよい、したがって、スイッチ410および413は、いくつかの動作において不可欠ではない。スイッチ414は、検出器401を読み出しのためにバッファに接続してもよい。換言すると、スイッチ414は、検出素子から共通素子に電荷を転送する転送素子であるとして考えられることがある。読み出し素子415は、第1および/または第2の蓄積もしくは検出素子に接続され、第1および/または第2の蓄積もしくは検出素子からの信号を非破壊的に増幅またはバッファリングまたはコピーするために構成されることがある。このトポロジーを使用すると、カラーおよび相関の両方の情報は、相関情報に対するSNRの損失なしで同時に捕捉できる。付加的に、埋め込みフォトダイオードは、実施のために可能なプロセスを増大するために必要とされることがない(埋め込みフォトダイオードは、典型的に、CMOS画像センサ(CIS)プロセスで利用できるに過ぎない。弱点は、相関測定としてのカラー測定が両方共に、弱光性能を低下させるリセット雑音から悪影響を受けることになる。しかし、アプリケーションに依存して、弱光性能が必要とされることはない。
【0062】
換言すると、図4に例示された実施形態では、検出器(404)は、第1の検出素子であると考えられ、第1の感受性エリアは、第1のフィルタ素子(409)によって覆われた第1の検出領域であると考えられることがある。検出器(401)は、次に、第2の検出素子であると考えられ、第2の感受性エリアは、第2のフィルタ素子(408)によって覆われた第2の検出領域であるとして考えられることがある。
【0063】
図5は、本発明の別の実施形態を例示する。画素は、1つの復調ノードが示されているCAPD 503の基板接点の間にある第1の感受性エリアの上方にNIRフィルタ509を含む。第1の検出器504は、場合によっては、金属遮蔽物で覆われていてもよい。カラー成分は、今度は、関連する第2の感受性エリアおよびカラーフィルタ508を伴う埋め込みフォトダイオード500を使用して検出される。金属層510のような不透明材料が遮蔽するために使用されてもよい。露光後、埋め込みフォトダイオード500に蓄積された電荷は、転送ゲート506を使用して、好ましくは、pウェル502に位置しているフローディング拡散部501に転送される。換言すると、フローティング拡散部501は、電荷蓄積素子として、転送ゲート506は、検出素子500から電荷蓄積素子に電荷を移動させる電荷転送素子として考えられることがある。転送素子506は、ある量のエネルギーを電荷に供給することにより電荷を転送することになる。フローティング拡散部は、バッファまたは読み出し素子513およびCAPD検出器504に電気接続されている。フローティング拡散部501および検出器504は、スイッチ511を介して電圧512にリセットされる。画素内のCAPDに関するカラー検出成分の場所は、自由に選択することができる。
【0064】
典型的な捕捉は、以下のように進むであろう:スイッチ511は、フローティング拡散部501および検出器504の電圧をリセットし、その間に、埋め込みフォトダイオードウェル500は、転送ゲート506を通じて空乏化させられる。
【0065】
転送ゲート506およびスイッチ511は、次に開かれ、捕捉は、フォトダイオード500を使用するカラー成分および復調装置503を使用する相関成分の両方に対して開始することができる。露光の終わりに、検出器504上の電圧がバッファまたは読み出し素子513を介して読み取られる。この後に、504上の電圧と、そして、さらに501上の電圧とが512にリセットされる。このリセット電圧は、バッファ513を介して測定される。当業者は、次に、測定されたリセット値を使用して、相関成分からバッファ513の1/fと熱雑音の大部分とを除去することができる。今度は、転送ゲートが埋め込みフォトダイオードウェル500内の電荷をフローティング拡散部501に転送する。本発明の実施形態は、検出素子または電荷蓄積素子であってよい共通素子への電荷転送を開示する。
【0066】
カラー情報は、今度は、バッファ513を使用して読み取ることができる。この測定されたカラー情報から測定されたリセット電圧を差し引くことにより、1/f雑音が、熱雑音の大部分と共に除去され、さらに、カラー測定量からリセット雑音が除去される。図5における構造体は、相関成分に対するバッファの1/fと熱雑音とが除去され、カラー成分からバッファ513の1/f雑音および熱雑音とリセット雑音とが除去されたカラー成分および相関成分の同時捕捉を提供する。このトポロジーでは、カラー成分および相関成分の露光は、必ずしも同じではない。相関成分情報を使用したくない場合、検出器504が取り付けられている検出ノードは、フローティング拡散部501を用いて変換ノードとしての機能も果たすので、相関成分は、カラー成分を読み取る前に読み取られることが必要である。しかし、カラー成分を読み取ることなく、相関成分を読み取ることが可能である。カラー成分の露光は、相関成分が複数の露光および読み出しを受ける間でさえ継続することができる。
【0067】
換言すると、図5に例示された実施形態では、検出器(504)は、第1の検出素子として、第1の感受性エリアは、第1のフィルタ素子(509)によって覆われた第1の検出領域として考えられることがある。埋め込みフォトダイオード(500)は、このとき、第2の検出素子として、第2の感受性エリアは、第2のフィルタ素子(508)によって覆われた第2の検出領域として考えられることがある。
【0068】
図6は、カラー成分の検出および相関成分の検出器の両方が埋め込みフォトダイオード構造体600および604をそれぞれ用いて実行される本発明のさらなる実施形態を例示する。フローティング拡散部601は、好ましくは、pウェル602で実施される。露光後、nウェル600に蓄積された電荷は、転送ゲート606を使用して、バッファまたは読み出し素子613に電気接続されているフローティング拡散部601に転送される。本発明の実施形態は、検出素子または電荷蓄積素子であってよい共通素子に電荷を転送することを開示する。換言すると、フローティング拡散部601は、検出素子604から検出された電荷キャリアを受容するために構成されている電荷蓄積素子として、そして、転送ゲート606は、検出素子600から電荷蓄積素子601に電荷を移動させる電荷転送素子として考えられることがある。転送素子は、ある量のエネルギーを電荷に供給することにより電荷を転送するというものである。検出器600は、カラー成分を捕捉し、光が第2の感受性エリアを通ることを可能にするカラーフィルタ608で覆われている。フローティング拡散部601は、好ましくは、しかし、不可欠ではないが、金属遮蔽物610のような不透明材料によって覆われる。
【0069】
埋め込みフォトダイオード604は、検出器604と、タイム・オブ・フライト機能の動作波長を第1の感受性エリアに通過させるフィルタ609で覆われている復調装置603の基板接点616、615とによって形成された復調ノードのための検出器としての機能を果たす。検出器領域604は、検出器の直接露光を最小化し、変調コントラストを最適化するために金属のような不透明材料で覆われていてもよい。フローティング拡散部614は、基板接点616、615の一部であってよいpウェル615で実施される。この基板接点は、基板607内に機能的な復調電界617を作り出すために使用される多数キャリア電流を注入する。転送ゲート605は、露光後にnウェル604に蓄積された電荷をフローティング拡散部601に転送するために使用される。フローティング拡散部614は、カラーフローティング拡散部614に電気接続され、一体的に、カラー成分と相関成分の両方のための変換ノードとしての機能を果たす。フローティング拡散部614および601は、このようにして、画素の異なった場所に存在することが可能であるが、電気接続されている。本発明の実施形態は、検出素子または電荷蓄積素子であってよい共通素子に電荷を転送することを開示する。
【0070】
図6に記載された実施形態を使用するカラーおよび相関成分の典型的な捕捉は、以下のとおり進むことになるであろう:FD 614およびFD 601上の電圧は、リセットスイッチ611を用いて電位612にリセットされる。同時に、転送ゲート606および605は、埋め込みフォトダイオード600および604のnウェルを完全に使い果たし、これは、nウェル600および604に電荷が残っていないことを意味する。この後に、転送ゲート606および605とリセットスイッチ611とが開かれる。カラー成分および相関成分を測定するために、露光が開始される。露光の終わりに、フローティング拡散部614および601は、スイッチ611を使用してリセットされる。リセットが解除され、リセット電圧がバッファ613を介して測定される。この後に、nウェル600内の検出されたカラー成分電荷、または、nウェル604内の検出された相関成分電荷のいずれかが、転送ゲート606、605をそれぞれ用いて、FD 601、FD 614にそれぞれ転送され、その後、カラーまたは相関成分がそれぞれバッファ613を介して測定される。測定されたリセット電圧を差し引くことにより、カラーまたは相関成分は、バッファ613からの雑音が低減し、リセット雑音が存在しない状態で測定される。この後に、その他の埋め込みフォトダイオードから残りの情報成分を読み出すためにサイクルが繰り返されてもよい。
【0071】
このアーキテクチャは、カラー成分と相関成分とに対して独立した露光時間を可能にすることに注意を要する。このアーキテクチャを使用して、相関成分は、蓄積され、カラー成分がより長い露光中に蓄積し続けている間に、複数回読み取ることができ、その逆もまた同様である。
【0072】
この露光時間の切り離しは、両方のデータセットの型の最適化のために有利であり:深度再構成のための相関成分が一方のデータセットであり、少なくとも1つの別のカラー成分がもう一方を形成する。露光時間、シーンの動的範囲、およびフレームレートに関するこの要件は、全く異なっていてもよい。
【0073】
換言すると、図6に例示された実施形態では、埋め込みフォトダイオードと、したがって、検出器(604)とは、第1の検出素子として、第1の感受性エリアは、第1のフィルタ素子(609)によって覆われた第1の検出領域として考えられることがある。埋め込みフォトダイオードと、したがって、検出器(600)とは、このとき、第2の検出素子として、第2の感受性エリアは、第2のフィルタ素子(608)によって覆われた第2の検出領域として考えられることがある。
【0074】
図7は、前述の画素センサのうちの1つを含む本発明の実施形態による距離測定システムまたはToFカメラの実施形態を示す。距離測定システムは、光51、特に、IR成分を有する光を、好ましくは、光が反射される注目エリアに焦点が合わされたシーン55に放出する光源49を備える。距離測定システムは、反射された光を受容する少なくとも1つの画素31をさらに備える。画素31は、前述の画素のうちのいずれか1つであってよい。これらの画素は、前述のとおり、注目物体のカラー画像(RGB)またはカラーと、深度またはZ情報とを捕捉することができる。Z情報は、ToF原理、または、光およびIR光の走行距離の使用によって取得することができ、または、反射された光の中にIR成分を含むことができる。本発明の実施形態は、カラー画像、深度マップ、反射率マップまたは照度マップを取得する能力を有している1台の単一のセンサを提供する。その上、信頼度マップが取得されてもよい。Z情報から、距離マップを取得することができ、カラー画像が従来式の手段を使用して画素によって発生させられてもよい。光源49が変調光を放出するために、信号発生器43が設けられている。信号発生器43は、好ましくは、所定の周波数、例えば、約10MHzで永続的に発振する第1のクロック信号または変調信号をノード48に発生させる。この信号発生器43は、好ましくは、ノード44、45、46、47にそれぞれ配給され、ノード48上の第1のクロック信号と0°、180°、90°および270°の位相関係を有している第2から第5のクロック信号のような複数のその他のクロック信号も発生させる。当業者は、動作スキームにおけるその他の、または、より多くのクロック位相、より長い測定時間と引き換えにより優れた測定精度をもたらすより多くのクロック位相をさらに考慮することができる。代替的に、クロック信号の位相を用いる変調の代わりに、当業者は、疑似ランダムビットストリームを送信することと、遅延および/または反転した同じ疑似ランダムビットストリームと混合することとをさらに考慮することができる。時には疑似雑音と呼ばれることもある疑似ランダムビットストリームの使用は、当業者による文献において周知である。その事例では、第1および第2のクロック信号の代わりに、疑似ランダムパターンと、第3のクロック信号の代わりに、同じであるが、しかし、ビット単位で反転させられた疑似ランダムパターンと、第4のクロック信号の代わりに、同じであるが、しかし、ビット周期単位で遅延させられた疑似ランダムパターンと、第5のクロック信号の代わりに、同じであるが、しかし、反転され、ビット周期単位で遅延させられた疑似ランダムパターンとを使用するように勧告されている。
【0075】
信号発生器43は、変調信号を変更するために、変調信号変更手段のために決定的である制御信号41、例えば、種々のクロック信号、例えば、第2から第5のクロック信号の間で、すなわち、クロック信号の異なった位相の間で選択するためにセレクタ58のために決定的である制御信号41をさらに発生させる。セレクタ58は、検出器およびミキサ段200のミキサ29の入力ノード42をノード44、45、46および47上の第2から第5のクロック信号と順次に接続するこれらの4つの位相の間で順次に切り替わる。これらの位置の各々で、セレクタ58は、緩和期間に亘って、例えば、約1msに亘って接続された状態を継続することが可能である。
【0076】
バッファ50は、好ましくは、注目エリアに焦点が合わされたIR成分を含む光51をシーン55に放出する光源49を駆動する。この光の一部分は、反射されることになり、したがって、反射光52を発生させる。反射光52は、IR成分およびカラー光成分を含んでいてもよい。この反射光52は、次に、レンズ56のような光学焦点合わせシステムに到達し、これを通過して、反射光は、画素31の内部にある検出器28に画像化されるか、または、焦点が合わされ、ここで、入射する部分は、反射された変調光(ML)27と呼ばれ、IR成分を含む。
【0077】
両方共にTOF測定を対象としない2次光源30から発する間接光53および直接光54は、シーンにさらに存在するということになり、光学焦点合わせシステム56に衝突し、そして、このようにして、検出器28に焦点が合わされる。検出器28に入るこの光の一部分は、背景光(BL)26と呼ばれることになる。BLを発生させる光源30は、白熱ランプ、TLランプ、太陽光、昼光、または、シーンに存在するが、TOF測定のための光源49から発することがない何らかのその他の光を含む。
【0078】
IR成分を含むML 27と、光検出器28に衝突するBL 26とは、IR成分に対して、ML電流を発生させる。同様に、BL電流が誘起され、ML電流およびBL電流は、両方共に、衝突するBL 26およびML 27への光誘起電流応答である。検出器28は、これらの電流を後続の混合手段に、例えば、衝突するBL 26およびML 27への電流応答を入力ノード42上の位相偏移クロック信号と混合するミキサ29へ出力する。既に前述されているように、このBL 26は、TOF測定のために受容されたML 27によって誘起されたML電流より最大で6桁大きいBL電流を誘起することができる。
【0079】
検出器およびミキサ段200を形成する検出器28およびミキサ29は、1台の単一の装置として同様に実施することができ、光で発生された電荷が混合され、混合生成電流を即座に発生させる。
【0080】
検出器およびミキサ段200は、衝突するBL 26およびML 27への電流応答と位相偏移クロック信号との混合生成物を発生させることになり、これらの信号は、例えば、好ましくは、小さい状態、例えば、周囲のトランジスタの寄生容量に維持されたキャパシタ25で実施された積分器を用いてノード38上で積分されている。積分中に、積分器ノード38上のミキサ出力信号の自動リセットが実行される。
【0081】
これは、ノード38上のミキサ出力信号が基準値Vrefに到達したときにいつでも自動的にリセットされ、したがって、飽和を回避するように、例えば、リセットスイッチ、例えば、リセットトランジスタ32を始動させる比較器33によって実施されることがある。
【0082】
図示されていない代替的な実施形態では、積分器ノード38上のミキサ出力信号の自動リセットは、いくつかのその他の方法で実施することができる。これらのうちの1つは、何らかのより一層の複雑さを犠牲にしてより優れた雑音性能をもたらす固定量の電荷をキャパシタ25に追加するために、リセットスイッチ32の代わりに、チャージポンプを始動させることである。
【0083】
ミキサ出力信号を形成する混合生成物は、積分器ノード38において、変調信号変更手段、例示された実施例では、セレクタ58と同期した順次形式で利用可能である。出力ドライバ24、例えば、バッファは、出力ノード23により強い出力信号を供給するために、実質的に1である電圧利得と電流増幅とを与える。グラフ59には、ノード23での出力信号の実施例が表現されている。曲線62は、出力ノード23での出力信号の電圧展開対時間に対応する。平均BL寄与分26および平均ML27は、捕捉中に一定であると仮定する。
【0084】
第1の緩和期間34中に、セレクタ58は、ノード44に接続されている。検出器28から入ってくる信号の混合(BL 26およびML 27への応答)は、ノード44で、光源49を駆動する第1のクロック信号の0°偏移バージョンである第2のクロック信号を使って行われる。ノード38におけるミキサ出力信号は、このようにして、BL成分および0°混合ML出力によって決定されることになる。次の緩和期間35は、セレクタ58を通るノード45への入力ノード42の接続によって開始する。これ以降、ミキサ29は、180°位相外れに駆動される。その結果、ミキサの出力は、同じBL成分と、180°混合出力とによって決定されることになる。位相90°および270°は、引き続き、後続の緩和期間36および37においてそれぞれ同様に取り扱われる。
【0085】
タイム・オブ・フライトデータ再構成ブロック39は、例えば、サンプルを利用することにより、位相間隔とも称される各緩和期間34、35、36、37の最終値を測定するために、出力ノード23で出力信号を使用する。ToFデータは、反射光のIR成分から取得される。このデータは、TOFペア、例えば、(0°、180°)および(90°、270°)にグループ分けされる。TOFデータ再構成ブロック39は、生の画素信号を有用なタイム・オブ・フライト出力40に変換するために役立つ。
【0086】
時に、変形ステップおよび/または検証ステップが含まれる。本発明の実施形態では、この再構成ブロックは、2つの考えられる部分:本発明の実施形態では、IR成分に対する画素内相対位置メモリ60でもよい相対位置メモリ60、および、本発明の実施形態では、画素外信号処理ブロック61でもよい処理ブロック61で構築されることがある。信号処理ブロック61は、アプリケーションに依存して、何らかの好適な方法、例えば、画素内、オンチップ、マイクロプロセッサ内、DSP、FPGA内、ソフトウェアレベルで実現されることがあり、そして、様々なレベルに亘って、例えば、部分的にオンチップ、部分的にFPGA内、および、部分的にPC上のソフトウェアレベルで、さらに分散および拡散させられてもよい。
【0087】
TOFデータを順次に測定することは、1つのTOFペアの内部の信号に対して必要とされる。2組以上のTOFペアを使用するとき、これらの異なったTOFペアは、2つの画素31を使用して、いくつかの事例では、さらにミキサ29、検出器28または両方を部分的に共有して、並列に測定されてもよい。図7に示された実施形態では、信号46および47から生じるTOFペアは、例えば、余分なシリコン面積を犠牲にして、両方のTOFペアの並列捕捉を可能にさせ、高速背景および変調光変化に対するより一層の頑健性を獲得する付加的な回路で実施されてもよい。並列にその他のTOFデータを捕捉する実施形態の倍増部分または全体は、異なった回路の間に存在する可能性がある不一致を補償するために後続の後処理ブロックをさらに必要とするかもしれない。
【0088】
前述の装置は、1つの単一のセンサ内で距離マップの形式でカラー画像(RGB)、および、深度またはZ情報を捕捉できる。このようなセンサは、タイム・オブ・フライト・カメラで使用されてもよい。IR深度データと関連するカラー画像との結合は、「信頼度マップ」を発生させるために使用されてもよい。信頼度マップは、シーンの赤外線照度マップ(すなわち、一種の階調マップ)である。
【0089】
したがって、本発明の実施形態による1つの単一のイメージャ/センサ内に3つの機能が存在する:
【0090】
「信頼度マップ」は、測定された位相マップ(IおよびQ)を全部一緒に積分することにより計算された画像であり、上記位相マップは、ToF原理に従って深度マップを計算するために使用される。
【0091】
信頼度マップは、このようにして、積分期間全体に亘るカメラ変調光源、例えば、LEDアレイによるシーンのIR照度を基本的に表現する画像である。
【0092】
検出された電荷キャリアに基づいて光のカラーおよび走行距離を決定すること、または、深度マップ、反射率マップ、信頼度もしくは照度マップを決定することは、決定ユニットによって行われることがある。
【0093】
画素毎に、信頼度マップから抽出されたIR値は、低い「階調レベル」(すなわち、低いIR照度)が高い「階調レベル」(この中で雑音の影響は軽微である)より(多くの雑音を含むため)信頼性が低いので、深度推定量の指標として使用される。
【0094】
上記センサアーキテクチャは、上記センサの実施形態のいずれかについて記載されたセンサアーキテクチャ、すなわち、各個別の単一の画素の内部にカラー検出エリアおよびIR検出エリアと同じである。
【0095】
カメラは、
−第1の検出素子の組に接続され、出力が、例えば、標準RGB値(または、何らかの種類の他の座標系)として表現されたカラー値であるカラー計算ユニットと、
−出力が:
○深度測定量
○シーン照度測定量(すなわち、信頼度マップ)
であるIR計算ユニットと、
を備える。
【0096】
計算ユニットは、例えば、図7のユニット61であってもよい。
図1c
図1d
図2a
図2b
図3
図3b
図4
図5
図6
図1a
図1b
図7
図8
図9